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2009

アフガニスタン大統領就任式へ


アフガニスタン大統領就任式に総理特使として出席することになり、11月17日午後に成田を飛び立つ。香港・ドバイを経由して、成田からトランジットも含 め、約24~25時間でカブールに到着。

カブール空港では、飛行機を降りた途端、移動の車の前で防弾チョッキを渡され、身に着けることに。ズッシリと重い。乗 り込んだ車は防弾車。地雷を踏んでも、多少の小さな自爆テロでも大丈夫というシロモノらしい・・・。運転手と助手席は警備会社の元兵士二人。前方には、荷 台に銃をかまえた数人の警察官が乗り込む護衛のトラック・・・。
出迎えていただいた廣木大使から治安状況の説明を受ける。つい最近、今出てきた飛行場の出口で自爆テロがあったとのこと。他にも車の中からあそこでもここ でもと教えていただく。正直あまり気持ちのいいものではない。

いったん大使館に入る。廣木大使より、カルザイ大統領表敬のブリーフを受けたのち、大統領府へ向かう。
日本大使館は、見るからにプレハブを少し強固にしたような建物で、この中に大使館員、日本人スタッフ30人弱がほぼ合宿同然で勤務している。JICAの日 本人スタッフも一時期二けたの人数が駐在しアフガニスタンの民生支援、武装解除、インフラ、学校等での整備に努めてくれていたのが、最近の治安悪化で一け たに減少し、大統領就任式をきっかけにまた増員出来れば、とのこと。頭の下がる思いでいっぱいだ。
世界中のあちこちで、名実とも命を張ってがんばっている、たくさんの日本人スタッフがいてくれて、各国で感謝をされている。

大統領府への道中は、厳重な交通規制がかかっており、一般車輛は見当たらない。大統領府では、官房長が迎えてくれる。
おそらく海外からの訪問客が目白押しのはずである。小生を含む日本代表団の次はパキスタンの大統領とのこと。接見の部屋に通され、カルザイ大統領が迎えて くれる。
一見して人懐っこい笑顔、やわらかい物腰、メリハリのきいた話し言葉・・・。戦時中の大統領には到底見えない。まずは、鳩山総理の親書を手渡す。日本の支 援への御礼、現状分析、大統領就任後にまずなすべき事をとうとうと語られる。小生からは、治安・ガバナンスの徹底、汚職対策等々を強く求める。ここまでは 真剣勝負。
その後、鳩山総理と4度会ったことや日本訪問の話を交わし、明日の就任式の成功を祈念する旨を伝えて、なごやかに会談を終える。アメリカを翻弄し、 NATOを動員し、先進国がこれほど頭を悩ませている国の大統領・カルザイ氏の印象はとてもスマートなものだった。

大統領府から大使館への帰路は、少し外の景色を見る余裕も出てきた。日本大使館の周辺には、建物が立ち並ぶ。各建物と も周辺に数メートルのコンクリートの壁を張り巡らし、道には何か所もの検問所、そしてコンクリートの障害物が何重にも設置されており、決して車が直進でき ないようになっている。もちろん、自爆テロ防止のためである。

大使館に戻った後、現状報告を受け、今後の支援のあり方について意見交換を行い、大使館員の様子等も伺う。アフガニス タンに一泊する政府高官は久しぶりとのこと。
夜は、大使館内の部屋で就寝。ホテルは結構立派なところがあるようだが、つい先日、銃撃戦があり、テロの危険性が高いとのこと。夜中に何度か停電。自家発 電らしい。

さて、経由地だったドバイは、リーマン・ショックで影響を受けたものの今も経済的な豊かさを謳歌している。わずか空路 3時間で、同じイスラムの国にもかかわらず、アフガニスタンとはまさに天と地との違いである。

政治の役割が非常に重いことを改めて実感する。