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2005

第162国会 参議院 予算委員会 2005年3月3日


農水相発言、年金特別会計、郵政改革について

○委員長(中曽根弘文君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成十七年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。
 関連質疑を許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。午前中の同僚議員に続きまして質問させていただきます。よろしくお願い申し上げます。
 まず、済みません、事前通告ありませんでしたが、午前中の議論を聞かしていただいていまして、総理、民主党の岡田代表と、年金の一元化の先行協議でも構わないと、この間おっしゃっていただきました。一元化にはこれまで総理はいろんな問題があるという御答弁が多かったわけですが、あの場面で岡田代表に協議をしていこうと言われたということは、そのいろんな問題があることは承知の上で、それを乗り越えて民主党と協議をしていこうという決意の表れだと承らしていただいていいのかどうか、お答えをいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は、年金一元化の問題を先に議論することに対して、全く今までも異論を申し上げていたつもりはございません。ただ、いろいろ質問聞かれますから、年金一元化の問題はこういう問題がありますよということを述べたわけであります。協議をすれば、同じテーブルに着いて協議をすればより分かりやすくなるんじゃないですかと、問題点が、ということで申し上げたわけでございます。
○福山哲郎君 我々は、参議院選挙のときに一元化を国民の皆さんに約束をして選挙をやりまして、勝たしていただきました。是非そこは、これまでの同様の答弁ではなく踏み込んだ形で、今後また両党の幹部の議論の行方を見守りたいと思います。
 では、次に移らしていただきます。
 島村農水大臣にお伺いします。
 先月の二十五日、衆議院の予算委員会で農水大臣はけしからぬ発言をされました。BSEについての全頭検査は世界の非常識と、安全、安心に縛られていると。なぜBSEの問題について、今食品安全委員会で議論されているのに、安心、安全で縛られちゃいけないのか。国民にとっては食の安全というのは大変大きな問題だと思っていますが、この発言の真意をお答えいただけますか。
○国務大臣(島村宜伸君) 真意ということですから申し上げますが、まず、言わば全頭検査というものを実施している国をほかに御存じでしょうか。(発言する者あり)日本だけなんですよね。私は、その際に、要するに世界の常識というわけではありませんよと、全頭検査が。だから、全頭検査は常識にあらずということから、言葉を反すうしながら非常識という言葉を使ったんです。
 ただ、非常識という言葉が言わば刺激が強いとか余り感心しないというんならば、この言葉にこだわる気は毛頭ありませんが、たまたま与党の赤羽議員の御質問でしたし、お考え方は非常に論旨明快で、いろんな説明があったので、私は善意に取っていただけるものとして、あえて非常識という言葉を訂正しませんでした。
 しかし、この言葉がただ独り躍ると、なるほど角が立つんであれば、この言葉を収めることに異議はありません。しかし、御承知のように、我が国が、今農林水産省と厚生労働省が言わば共同で諮問しているのは、二十か月未満の牛についてはともかく、二十一か月以上の牛については言わばこれからも全頭検査を実施していくということです。
 そういう意味では、国際的な比較において、例えば、御承知のように、EUなどは三十か月ですから。EUの中にも例外はあります、なるほど。フランスと、言わばスペインとイタリーと、そしてドイツでしたね。ところが、フランスは、御承知のように、EUの三十か月に合わせて、昨年の七月から三十か月以上に改めました。そういう事ごと照らしますと、日本からも数多くの人がヨーロッパを訪問し、あるいはアメリカを訪問する。そういう場合に、向こうでは肉を食することが危険だということになってしまうわけですから、私はやはり、そういう事ごとは世界の常識、どの国だって安全管理には心を砕いているわけですから、そういう中で通用することも一応配慮に入れる必要はあるんではないか。
 ただし、いろいろ御質問のあった、食品安全委員会に対する私が圧力を掛けるということは全くございませんので、申し添えます。
○福山哲郎君 いや、ほかの国は全頭検査をしてないんだったら、そう言われればいい。世界の非常識だということを公の予算委員会の場で言われて、その真意は、常識にあらずということを言いたかった、こんなもの通用するわけないじゃないですか。
 日本が、今牛肉について、国民の皆さんが国産牛に関して安心して食べれるようになっているのは、全頭検査をやって信頼感が高まったからじゃないんですか。日本はそれを分かった上で全頭検査に踏み切られたんじゃないんですか。お答えください。
○国務大臣(島村宜伸君) 昨日も御党の佐々木委員から衆議院予算委員会で御質問がありました。
 その際に、全頭検査というのは世界どこもやっているわけではないが、あの平成十三年の九月にBSEが発生し、翌月から全頭検査を実施したんですが、当時の言わば消費者の、まあ恐れおののきといいましょうか、大変なパニックに陥るような状態で、肉屋さんでも牛肉ばかりかほかの肉まで姿を消すぐらい厳しい状況でしたから、私はあれは、全頭検査をしたことは英断であったと、あえてそう申したところです。
 しかしながら、その後三年四か月余を経過していますね。しかもその間には、私、昨日は三百五十万頭を超えるというような話をたしかしたように思いますが、全部調べてみましたら、もう四百二十万頭を超えるわけです。そういう中で二十か月未満には一切そういうものが出ていない。それで、二十一か月以上についても疑わしいという面は、指摘された面がありますから、これらについてはそれらを含めてこれからも検査を続けるということで我々は諮問しているわけですから、私はおかしな言い訳をしているつもりはありません。
○福山哲郎君 今大臣が言われたことを協議をしているのが食品安全委員会なんです。そこに大臣は、自らおっしゃられましたが、諮問をされているんです。諮問をされて審査をしている最中に、その諮問をしている人間が非常識だなんと言ったら、食品安全委員会、どうやって審議するんですか。お答えください。
○国務大臣(島村宜伸君) まず私の最初の発言についてよくお調べいただいたら御理解がいただけるんだろうと思いますが、非常識という言葉だけを抜き出して云々と言えばあれですし、また同時に、食品安全委員会に向かって非常識めいた話は一切いたしておりませんので、そこの方を混同しないでいただきたい。
○福山哲郎君 いいですか、国会の予算委員会の場で言われたことなんですよ。別に安全委員会の委員に向かって非常識だと言わなくたって十分圧力になるじゃないですか。
 もう一つお伺いします。
 アメリカのジョハンス農務長官から島村農務大臣、農水大臣は書簡を受け取っていらっしゃるかどうか、お答えください。
○国務大臣(島村宜伸君) 実は、そういう報道があったのでいろいろ調べてみたんですが、今までのところ全然見当たりませんので、受け取っていないというふうに申し上げるべきでしょう。
○福山哲郎君 これ、アメリカで書簡を送ったという委員が議会で証言をしていまして、これ真偽のほどを一度調べていただけますでしょうか。
○国務大臣(島村宜伸君) 調べてみたいと思います。
○福山哲郎君 そうすると、アメリカからの最近いろいろな形での日米協議、日米構造協議も含めていろんな提案が出ていますが、アメリカの通商報告で日本を厳しく批判をしたと。それに呼応するようにジョハンズ農務長官から書簡を送ったという報道もあります。このことについて大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(島村宜伸君) それぞれの国にはそれぞれの文化もあれば国民性というのもありますから、物の考え方にもいろんな差異があることは当然だろうと思います。
 アメリカの立場で考えれば、一体いつになったら結論が出るのか、本気でやってくれているのか、こんなような話は実は私はいろんな角度から随分聞かされています。政治家もそうですし、報道関係者もそうですし、学者も、たくさんの友人が海外で活躍して、アメリカにもいるわけですから、アメリカの情報として、日本の真意をかなり疑う向きがありますよという御指摘は再三いただいているところでありますが、私どもは私どものルールでやっていただくというかねての主張どおりに私はこれをそのまま収め、聞き収めていると、こういうことです。
○福山哲郎君 もう一度非常識発言に戻りますが、あの非常識発言は、じゃ撤回はされないんですね。
○国務大臣(島村宜伸君) よくお聞きいただいていれば、私が、非常識という言葉が適当でなくて適切でないとおっしゃるならば、このことに、言葉にこだわる気はありませんと。
 ただ、私が非常識と申したのは、申し上げ掛けて、常識ではないと、常識にあらず、すなわち非常識と思ったからいいかなと思って用いたのがあのときの非常識を使った言葉である、そういうことは先ほど申し上げたとおりであります。
○福山哲郎君 私の質問に答えていただいていない。撤回していただけますかと聞いているんです。
○国務大臣(島村宜伸君) そのとおり受け止めていただいて結構でございます。
○福山哲郎君 分かりました。撤回されたということですね。ということは、自分の非を認められたと。
 アメリカが通商報告で日本の対応を厳しく批判をしたり、さらには農務長官から書簡を送ってきたりという状況の中で、正にその時期に農水大臣が自分が諮問しているにもかかわらず非常識だという発言をしたと。これ大問題だと私は思うわけです。まるであれじゃないですか、あなたは圧力の増幅装置じゃないですか。アメリカ側の圧力を大きく拡大、拡声しているだけじゃないですか。
 今、安全委、食品安全委員会は政府からの独立機関としてしっかりと審議をしていただいているわけですし、更に言えば、二月に変異型のヤコブ病の日本人で初めて死亡も出たという状況なんです。そういう状況の中ですから、慎重にこれからは御答弁をいただきたいということをもう一度確認させてください。
○国務大臣(島村宜伸君) 私が御答弁していることはテレビを通じて国民の皆さんもお聞きになっているわけですから、私が言っていることを片言隻句でいろいろおっしゃるのはいいですけれども、全体をとらえたときは、今までのわずかな時間の答弁でも、私は決しておかしな言い方をしていない。あなたに対しても失礼な言い方をしていない。安全、安心に関してこれからもその姿勢で臨むことを私たちは今でも大前提にしていることを申し上げたい。
○福山哲郎君 これも変な話で、安全、安心に縛られているとついこの間発言した農水大臣とは思えないと思います。私たちは本当はあなたにはもうすぐ辞めていただくべきだと思っているんですけれども、もう一つだけ申し上げます。
 この二十か月の問題は決してその問題だけではありません。日本の場合には、えさの規制、屠畜方法、危険部位の除去、いろんなものを総合的に判断するからこそ安全委員会が慎重に審議をされているんです。そのことを理解せずに、アメリカの圧力でこういった非常識発言するということは資質を疑いますが、とにかくこの問題については猛省を促したいというふうに思います。
 じゃ、次に行かせていただきます。
 ちょっと話がずれましたが、私、実はスマトラ沖地震の現場、スリランカに実は二月に行ってまいりました。私は、全部政府のやったことを批判しようと思っているわけではありません。スリランカに行って、これがそのときの様子でございますが、まだ五十日たっても瓦れきの山があちこちにあります。(資料提示)
 外務省、地震の後、すぐどのような対応を取られたか、日本政府の対応についてお聞かせください。
○国務大臣(町村信孝君) 外務省におきましては、被害発生の報を受けて直ちにまず領事局内に連絡室を立ち上げました。その後、被害の甚大さ等々を勘案して二十八日に、朝、私を長とする緊急対策本部を設けたところであります。
 災害発生当日ですが、現場の方では二十六日、タイ及びスリランカの各大使館は大使を本部長とする対策本部を設置して、例えばタイの大使館におきましては、同日直ちに被災地のプーケットに大使館職員を陸路及び空路で派遣をいたしまして、二十七日未明には臨時領事相談室を立ち上げたところであります。また、スリランカ大使館におきましても、南部被災地域及びモルディブにそれぞれ大使館職員を派遣をいたしまして、安否の確認及び援護業務を行いました。
 また、インドネシアにおきましても、災害発生後直ちにジャカルタの大使館及び最寄りのメダン総領事館において対策本部を設置し、さらに被災現場でありますバンダアチェには、現在、臨時事務所を設置をいたしまして、この事務所には本省及び近隣公館から現在でも五名の者が常時派遣をされるという形で活動をやっております。
 そのほか、具体の支援活動の決定については、一月一日の朝に、朝というか、一月一日中に概要を小泉総理の御裁断もいただいて決定して、六日のジャカルタの津波サミットで五億ドルの救援の総額の発表をいたしました。そして、二国間経由につきましては一月十九日に、国際機関経由では一月二十一日にすべて全額を先方政府あるいは機関に支出済みでございます。
 また、人的貢献の面では、ちょっと長くなって大変恐縮でございますけれども、十二月三十日にスリランカに対する国際緊急援助隊の医療チームの派遣を皮切りにいたしまして、医師、看護師から成る医療チーム、警察、消防、海上保安庁等から構成される救助チーム、DNA鑑定の専門家チーム等を累次派遣をしております。
 また、十二月二十八日から一月一日の間、プーケット沖で、これは海上自衛隊によりましてシンガポールから急遽回ってもらって捜索救助活動を行うとともに、陸海空自衛隊によりましてインドネシアにおいて一月十日から十九日、十日から物資輸送を始め、十九日からアチェにおける医療・防疫活動を実施をしております。
 それから、知見の面では、十八日から二十二日、国連防災世界会議が折しも開かれていたわけでございまして、これに向けてインド洋津波早期警戒システムの構築に最大限貢献をする等々、私どもとしては可能な限りの対応をできるだけ早くにしたつもりでございます。
○福山哲郎君 私は今回の日本政府の対応は大変評価できると思っています。スリランカ行っても、大使館員の方も一生懸命仕事をされていました。また、スリランカの関係者も本当に喜ばれていましたし、町村外務大臣言われましたが、スリランカに至っては八十億円をキャッシュでもう振り込まれたのは我が国だけだと。対応の早さも含めて私も大変評価をさせていただきたいと思います。
 その八十億円、例えばスリランカですが、どのように使われる御予定になっているか、お聞かせいただけますか。
○国務大臣(町村信孝君) 各国共通して、発電機であるとか、テントでありますとか、あるいは浄水機等々でございますけれども、特にスリランカに関しては、例えば横浜市から提供がありました中古バキュームカー九台、これを日本からスリランカまでの輸送費用というものを無償資金で拠出をするということで、近々到着をする予定でございまして、このほかにも、給水車でありますとか建設用の重機を購入をする予定ということで、既に調達手続を開始をしていると。もちろん、あと、緊急に必要な医薬品でありますとか、あるいはそうした物資の購入、あるいは緊急に直さなければならない施設とか道路の補修等にもこれらのお金が使われることになっております。
○福山哲郎君 この点についても私は大変評価をしているんですが、これ見ていただきますと、まだ瓦れきの山でございます。(資料提示)実は私、あの被災地も行ってまいりましたし、被災民の方とも話をしてきました。
 実は、今重機の道具というような話も外務大臣お答えいただきましたが、実は現場へ行くと家がもちろん全部流されているんです。まずは私有地の特定ができないんです。要は、この土地がだれかという特定ができないんですね。それから二つ目は、家を造りたいというから、先ほどの重機の話があるんですが、実は大工さんがみんなその村で亡くなっているんですね。子供たちの教育を何とかしたいと被災民は思っているんですが、学校を造っても実は学校の先生がみんな亡くなっているんですね。そのぐらい村が全滅なんです。そのときに、例えば重機、家を造る機械だけ渡しても、これは役に立たないわけです、大工さんがいないわけですから。
 つまり、この八十億円の使い道については、そういった現場のことをしっかりと対応して、ウオッチングをして、そして継続的な事業になるように。ともすれば、スリランカ政府は大変貧しい国ですから、はっきり言って、八十億円キャッシュが来たわけです。どう使うかということに対しては、やっぱりそこは内政干渉にならない範囲で、実はあそこは内戦もしていたので、和平交渉のこともあります。そういったことを総合的に細かく、外務大臣、対応いただくように、少し前向きな答弁をいただけませんでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 今回の津波災害、スリランカではそうした内戦状態もあり、同じようにインドネシア・バンダアチェでもまたアチェ独立運動というものがあり、なかなかこの複雑な地域を今回の津波が襲ったんだな、地震が襲ったんだなということでございます。
 それぞれの国の主権に属する話でもありますから、余り確かに内政干渉にわたってはと思いつつ、しかし、さはさりながら、私どももこれだけの資金をお出しし、またできるだけ人々の役に立ちたいと、こういう思いでございますから、これはまず日本としても、JICAあるいはJBIC、国際協力銀行ですね、こういったものを送って、調査団を既に送っております。
 そういう形で、すぐに役立つ、あるいは中長期的な復興に役立つ、どういうことをやったらいいか。もちろん現地に大使館もおります。また、大使館の方々は現地にいる民間の方々のお力、あるいはNGOの知恵もかりながら、何が今一番必要なのかということを見極める作業、それを先方政府と、あるいは国際機関からも随分いろんな人たちが入ってきておりますから、そういう国際機関の人たちともよく相談をしながら、万が一にも違う方向にそれが使われてしまったり、あるいは使われずにただ単に、どういうんでしょうか、その国の財政支援だけに終わってしまったということがないように、きちんと調査結果とその具体の作業といいましょうか、復興支援活動というものが直結するように十二分に注意を払っていきたいと、かように考えております。
○福山哲郎君 前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 そして一方で、大使館員の方、大変だったと思います、初めての例で。例えば、私もお伺いしたんですが、たくさんの遺体が上がっている中で、アジア人が出たというと、日本人か中国人か韓国人か分からないといって、大使館員の方は何十キロも何百キロも車で走って検視に行かれる、安否を確認に行かれる。そうすると、それは何百体とある遺体の中で見付ける、その死臭、情景。そしてそれが日本人ではなかったときの何とも言えない、だからといって日本人じゃなければそれでいいのかというとそうでもない、喜んでいいのか悲しんでいいのか分からない。
 そういった思いの中で、実は各国の大使館の方、御苦労されたと私は思っているんです。ただ、業務だからといってそこにずっと置いておくということではなくて、精神的なケアも含めて、それから人員の補充も含めて、ああいう異常事態のときには是非本省の方で人員をチェンジをするなり、更には精神的なケア、フォローをするなり、そういったことの配慮をしていただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(町村信孝君) 委員の御指摘、誠にごもっともでありますし、また温かい御配慮と受け止めて感謝を申し上げます。
 例えばこれはタイでございますけれども、被災現場に約六十名の館員をこれ交代交代でローテーションをつくって派遣をすると。一人の者がずっといないようにといっても、それでもどうしても長くなりがちである面はございましたが、余り極度に長くならないようにというようなこともやっておりまして、こうした現場の対応を支えるために、本省とそれから近隣の十二の在外公館から計三十名近くの職員をタイとスリランカには派遣をいたしました。
 インドネシアの場合は、さっき申し上げましたように、バンダアチェに常時五名派遣をして、大体二週間をめどに人員交代をするということで、インドネシアの方には既に延べ五十名が交代交代で現地に、バンダアチェの方に行くというようなことをしております。
 また、メンタルヘルスの面も大変重要でございまして、大使館それから本省の医務官が連絡を取りながら、個々の職員と面談をしながらそのケアに当たるというようなことで、この面でもきめ細やかな対応を取っているつもりではございます。
 私もインドネシアの大使館あるいはタイの大使館の諸君と話をいたしましたけれども、本当にまだ学校を出て間もない若い女性の館員が、もうそれこそ修羅場のようなところを髪振り乱して本当に一生懸命働いているという現場も私もかいま見まして、ああ一生懸命やってくれているな、ありがとうといってお礼を言っておきましたが、本当にみんなよくやってくれたなと思って感謝をしております。
○福山哲郎君 私は、大臣、揚げ足を取るわけではないですが、やられたことではなくて、よりこれからもちゃんと前向きにそういったことにケアをしてくださいとお願いをさせていただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。
 さはさりながら、済みません、嫌なことも言わしていただきます。じゃ、生存者に対して、運良く生存された方に対して大使館がどう対応したか。また、亡くなられた方の御家族がその現地に行かれたときにどういう対応だったか。これはいろんな手記とか、いろんなところで問題も起こっています。
 例えば、運良く生存されたスリランカの方は、大使館に行ったらパスポートの再発行は一万円掛かるから金を払えと。その方は全部流されて、命からがら一日半掛けてコロンボの大使館に来たら、お金も何にも持っていない、着のみ着のままだったら、お金を出せと言われたとか、外のロビーに何時間も待たされて悔しくて涙がぽろぽろ出たとか、更に申し上げれば、プーケットのデスクに行ったら、ある行方不明者の家族の方が名前と住所と年齢をその行方不明の方のを聞かれたと。名前と住所と年齢を聞いたって遺体はそんなもの付けてないわけです。何の探し出す手だてにもならないのにそれだけ聞かれてほうっておかれたとか、タイの大使館は二十六日に災害があったにもかかわらず二十七日の昼前まで電話がテープだったと、休日用のテープだったというようなことも伝わっています。
 つまり、大使館員の皆さんの仕事は、大使館の仕事は、確かに亡くなられた方の安否は第一次でしょう。しかし、その次には生存者、邦人保護という大変大きな仕事があるわけです。そのことについて、そんな批判も上がっているので、そこについては、外務大臣、どのようにお考えかお答えいただけますか。
○国務大臣(町村信孝君) 幾ら一生懸命やっても、やはりああいう極限状態の中でございますから、決してそれは、すべての方々に対して一〇〇%十分な対応ができたかどうかと言われれば、それは振り返ってみて反省すべき点もあったであろうと、もうそれは率直に認めなければならないと、こう思っております。
 まず安否の確認ということを最優先をしておりました。したがって、お元気な方は多少待っていただいたとか、一人一人お話を聞いていたら多少待っていただく時間長くなったという、理由を挙げればそれはそういうケースもあったかもしらぬ。しかし、そこを個々を言ってもしようがないと思います。現実に不快感を持たれた方々もいらっしゃったことも私も耳にいたしております。そういう方々にはおわびを申し上げながら、今後とも十分最大限の対応ができるように日々、私どもも一応邦人保護のマニュアルというものもできておりまして、そういったものによく勉強しながらしっかりやっていきたい。
 ただ、たまたまですが、これは二月二十三日の日の夕方に、宮下一郎衆議院議員が、別に親戚ということではなかったらしいんですけれども、プーケット日本人会会長の宮下さん、山口事務局長さんほかをお連れになられました。私もこの宮下日本人会会長には現地でお目に掛かったんですが、何で急に来られたのかなと思いましたら、一つは、観光客が激減しているので、何とか観光客が戻ってくるように外務省も応援してもらいたいというお話と、もう一つ、外務省の皆さん、大使館の皆さんにお礼を言いたいと。本当にプーケットでよくやってくれたということを、これはもう現地日本人会の一致した意見だから、このことを大臣にお伝えをしたいといって、わざわざ立ち寄ってくださったという一幕もあったことを蛇足ながら付け加えさせていただきます。
○福山哲郎君 私もすべてが悪かったと申し上げているわけではありません。
 しかし、外務省に実はこの間、この質問をしたくてお呼びしたときに、邦人保護のマニュアルはあるのかと言われたら、その事務方の方は勘違いをされたんだと思いますが、ないとまず第一に答えられました。そんなばかな話はないだろうと言ったら、何とかお持ちしますと言われました。そして、私のところにファクスに入ったのが、私がレクを受けたその日の日付でたった二枚の邦人保護マニュアルが来ました。こんなマニュアルでは間違いなく、地震だ、災害だ、そして今はひょっとするとテロもあるかもしれないような状況に対応できるようなマニュアルではないんです。
 これは、今大臣がマニュアルがあるとおっしゃられましたけれども、本当にどのぐらいしっかりとしたマニュアルがあるかどうか、大臣、お答えいただけますか。
○国務大臣(町村信孝君) これがマニュアル本体であります。
 ただ、これにはいろいろな、電話が書いてあったり、例えばここにあるのはスリランカ大使館のマニュアルなんでありますが、いろいろなことが書いてあったりするもので、多分このエッセンスを委員の方にはお持ちしたのではないかと。
 別に、これ本体を丸々お見せしても別に何か困ることが書いてあるわけじゃないので、それは本来お見せすべきであったと思いますし、そうでなかったこともおわびを申し上げますが、これにはかなり、例えば緊急事態が発生した際の措置、対応一、二、三、四、五とかですね、それから緊急事態が発生するおそれが高くなった折とかですね、かなりいろいろなケース分けをしてきめ細やかに、どう対応するか、先方政府との対応に、それから来られた日本人、邦人の方々への対応等々、ちょっと何ページかというと、ここにはページ数が書いてありませんが、三、四十ページのものになるんでしょうか、そうしたものが、それぞれの大使館のまた独自性も加味しながらだと思います、全館すべて完全に同じではないのかもしれませんが、そういったものも持ってやっているところでございます。
○福山哲郎君 つまり、そこがやっぱりけしからぬと思うんですね。
 私は、別に批判をしようと思ってマニュアルをお願いしたんではないんです。邦人保護というのは非常に重要だからといってお願いしたら、これ二枚ですよ。項目が書いてあるだけですよ。これじゃ建設的な質疑もできないじゃないですか。そして、大臣がこの予算委員会に出てこられて、いや、実はあるんですと言われたら、これ審議できないじゃないですか、大臣。これ、けしからぬと思いませんか、この外務省の体質。
○国務大臣(町村信孝君) 急ぎエッセンスをお持ちしたんだろうと思います。次回から十分気を付けたいと思います。
○福山哲郎君 是非これは徹底をしていただきたい。そして、議員にもやっぱりこういった状況で邦人保護のマニュアルがあるんだということを周知していただきたいと思うんですね。議員もやはり外に出ていることも多いと思います。そんな状況の中で、やっぱり今みたいな大使館の中だけは治外法権みたいな状況ですと、ロビーに待たされる被害者も出て、被災者も出てくるわけですから、是非そこは前向きに対応していただきたいと思います。
 もう一点、このスマトラ沖地震の関係でいうと、自衛隊の皆さんにも御活躍をいただきましたが、残念なことに、二月の二十七日、この地震の災害の救援に行かれていた航空自衛隊の隊員の方が宿泊先のホテルから落下をされて亡くなられている事件が起こっています。このことについて分かっていることをお知らせいただけますか。
○政府参考人(西川徹矢君) お答え申し上げます。
 本事案でございますが、二月の十六日にインドネシア国際緊急援助隊のこれは第二次隊でございますが、第二次隊という形で派遣されました隊員でございます。三等空曹、三十五歳の男性でございますが、二十七日に、先生が御指摘の二十七日の日曜日、タイ王国のパタヤ、これ、うちの部隊が行っておりますウタパオという基地がございますが、そこから約二、三十キロメートル離れたところ、ここが宿泊先になっております。そこのホテルから落下したということで、その後直ちに現地の病院へ搬送されましたが、同日の日本時間十九時四十分、これは現地では十七時、約六時ごろでございますが、死亡が確認されたと。要するに、これ、落下いたしましたのが十五時五十分でございますので、おおむね四時間ぐらいで亡くなられたと、こういうことでございます。
 現在、詳細等については、こっち、日本の方からも人をやりまして、向こうの者と一緒に、これは現地ではタイ警察の方が主体になってやっていただいておりますが、現在調査中でございまして、本人の勤務状態だとか、あるいはその当日その周辺にどういう方がおられたとか、そういうことも含めて、そしてまた、直接原因はどういうものかというものを含めて、ちょっとまだ、結論的なことをまだ御披露できる段階には至っておりませんが、今現在調査中ということでございます。
○福山哲郎君 この隊員はどのぐらい現地にいらっしゃったんですか。
○政府参考人(西川徹矢君) 十六日に出まして十七日の日に、十六日に日本を出まして十七日に着いておりますので、おおむね十日ちょっとでございます、はい。
○福山哲郎君 何の事故で亡くなられたか原因がまだ分からないということですからこれ以上は申し上げませんが、ひょっとすると災害地の非常な状況を見て精神的に何かあったのかもしれませんし、別のことがあったのかもしれませんし、そこは調査をしっかりしていただきたいと思います。
 で、私が申し上げたいのは、大臣が私たちはちゃんとやりましたと、いろいろ大変でしたけれども頑張りましたと言われれば、次の進歩がないわけですけれども、まず邦人保護についてきっちりと外務省なり、内部なり大使館でもう一度確認をしてください。こんなに大きい災害が出たり、地震も起こっているわけですから、再度御確認をいただきたいと思います。邦人保護のマニュアルを徹底すること、そしてそれに対するケアをちゃんと大使館員の方に徹底していただくこと。
 それから二点目は、そういった状況が起こったときの現地の大使館員や若しくは派遣をされた自衛隊員等に向けたケアについて。日本にいれば想像付かないようなことがたくさんあります。僕、言いたいこと一杯あるんですけど、時間がないから言いませんが、そのことを是非御考慮に入れて、前向きに邦人保護についてもっと積極的にやっていくということを、御決意をいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) 言うまでもないことでございます。邦人保護は外務省、日本国政府の最も重要な仕事でございます。
 したがいまして、こういう異常な事故、事件のときでなくとも、平時からそのことに心掛けているつもりでございますが、特にこうした大災害等の折には時間が限られ、その成果、日ごろのまあ訓練といいましょうか勉強といいましょうか、あるいは事前の準備、そういったものが問われる、そういう瞬間であろうと思います。そういう折に、万が一にも本当に失敗がないように、きちんと対応できるように、今後更に一層努力をしてまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 済みません、よろしくお願いします。
 スリランカだけが大変ではありませんでした。インドネシアだけが大変なのではありませんでした。我が国は新潟中越地震、それから台風二十三号の災害がありました。実は、まあ一瞬落ち着きを今取り戻している、新潟はまだしんどい状況だと思いますが、その中で今問題になっているのは実は廃棄物の問題です。(資料提示)
 これを見ていただきますと、これ、私の地元の大江町という京都の町の廃棄物の一時集積所の状況です。それからもう一枚は、私も財務大臣も地元であります舞鶴の一時集積所の写真です。
 例えば、環境省お答えください、台風被害に遭った豊岡、さらには新潟小千谷市はどのぐらいの廃棄物が出て、それは毎年出る廃棄物の何年分だったかお答えいただけますか。
○国務大臣(小池百合子君) お答えいたします。
 兵庫県豊岡、これは、台風及び水害というその被害でございますけれども、その破棄物は浸水した畳であるとか家具などの家財道具を中心といたしまして、当初二年分ぐらいかなと言われておりましたけれども、精査いたしまして、約一・四、一年四か月分、分量にしますと約三万二千トンになります。
 それから、新潟の小千谷市でございますけれども、こちらは中越地震で、壊れた家財道具などのほか、これから解体される家屋そのものですね、これも含めまして、最終的には平常時の約十四年分に相当いたします約二十二万トンの災害廃棄物が発生するというふうに見込まれております。
 ちなみに、今週末、私、三宅島に参りますけれども、あそこ人口が小さいということもありますけれども、約七千トンという大変大きな数字の廃棄物が出ているというのが実態でございます。
○福山哲郎君 そうなんですね。小千谷市は何と十四年分出ているんですね、一回の地震で。豊岡市は一・四年分です、たった一日の台風で。そして、先ほど申し上げた大江町は四年分、舞鶴市は被害が一部だったので二か月分なんですが、これは大変な量なんです。これが全部各家々から出ると道路が一遍に通行止めになるんです。車が動けなくなるんです。これも災害の後現場に行くとその状況は分かります。そうすると、その自治体は、そのにおいも出てきますから、その一時出てきた、道路に出てきたごみをどこに一回集積をするかというのが大変その自治体にとっては課題になります。
 ちなみに、今の豊岡、小千谷はどこに一時集積されたか、大臣お答えいただけますか。
○国務大臣(小池百合子君) 豊岡の場合は仮置場が二か所、一つが工業団地内の未分譲地、売れ残っている部分のスペース、それから県営空港の駐車場を使いました。
 それから、新潟、小千谷でございますが、こちらは三か所、山林の中の空き地とか市民広場、市営公園などの駐車場を使っておられました。
 それから、新潟県三条市の方は旧三条競馬場の跡地であるとか市所有の空き地、最終処分場の敷地内ということでございます。
 ということでございます。
○福山哲郎君 そうなんです。各自治体、非常に悩まれたんです。
 そんなところで、例えば先ほど申し上げた大江町は近くの町有地。そして、実は舞鶴市ですが、大臣、舞鶴はごみの集積場が一瞬見付からなかったんです。でも、出てくるのでしようがないと言って実は学校のグラウンドに一時集積をしたんです。市長の英断でした。で、これすごい勇気が要ったんですね。次から子供がそこで遊ぶかもしれない、親も多少抵抗が出てくるかもしれないと思いながら、市長の英断で一時ごみをそこに集めました。おかげさまで、父兄からも教育委員会からもいろんな抗議とかは出なかったんですけれども。
 実は、その一回グラウンドに置いたごみを別の場所に移動するときにそのグラウンド、そのままではもう学校再開できないですよね。だってガラスの破片が落ちているかもしれないし、化学物質があるかもしれない。それを実は掘り起こして土を埋めなきゃ子供ができないといったときに、災害の査定のときに舞鶴市は十センチ土を掘らしていただいて、掘りたいと言ったんです。そうしたら財務省は、十センチは認めないから三センチ分なら出してやると言って三センチしか出さなかったんです。
 これ、せこいような話ですけれども、実はこんなことまで国が口出しちゃいけないと僕は思うんです。これ、市長がグラウンドにごみを一時集積させたというのはよっぽどの決断なんですよ。それを、実は十センチと三センチの違いって、たった千三百万と六百万ですよ。これを財務省が一々口出して、三センチなら出すと言ったんです。僕はこの予算委員会でやるには細か過ぎる話かと思ったんだけれども、こういうことが僕は一事が万事、地方分権ができないし、地域の自由がない私は証拠だと思ってます。
 そして、その理屈が、災害ではないんだと、ごみが出て移動したことはもう災害のことではないんだという理屈だと言うんです。これはどう考えたって災害じゃないですか。大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今おっしゃった大江町それから舞鶴は福山先生の選挙区でもございますが、この委員会の中にはあそこにおられる二之湯議員も選挙区でございますし、私、衆議院では私の選挙区でございますので甚だお答えしにくいんでございますが、こういう災害復旧事業の場合、これは岡田中学校、あるいは岡田下小学校でしたか、一番災害のきつかったところですから、この場合でいえば舞鶴から、そして学校は文部科学省ですから、文部科学省に申請をして、その主務省、文部科学省から査定官が行かれるわけですね。で、私ども近畿財務局から立会い、立会と言っておりますが、立会官を出してその制度の適切な運用を図るということで立ち会わせていただいて、今、財務省とおっしゃいました。基本的にはまず文部省、文部科学省でやっていただくわけです。
 それで、その立会をしますときに、やっぱり一つは査定基準というものを守らなければいけないと、法に定められた査定基準を守らなきゃいけないと思うんです。ただ、個別具体の被災状況に応じて、一番難しいのは、どうやったらもう少し効率的に、せっかくお金を使うんなら効率的にやっていくためには多少改良みたいなことを、復旧だけじゃない、改良みたいなこともやれないかというのは常にある問題でして、どこに、弾力的に運用するとしてもどこまで弾力的にするかというのは非常に難しい問題だと思います。
 で、確かに委員の言われたように、金額的に言えばあと少し積み増せばいいじゃないかということは確かにございました。ただ、制度、ここから先は財務大臣として言ってるよりもむしろ地元の代議士として言っているのかもしれませんが、制度そのものとしていえば、今環境大臣がお答えになりましたけれども、環境省の、復旧を超えてやっていくということになりますと環境省の方でやるわけですが、これでいくと地元はその費用を自分で負担しなければならない。そこで、ここにヘドロ等が流れ込んできておりますから災害復旧事業でやれば国がある程度出せるということで舞鶴市は申請をされたわけですね。
 それで、ただ、これ厳格に、言い過ぎます、言い過ぎるといけませんが、厳格にいけば、災害復旧事業としてはヘドロを元に戻すところまでで、そこから先、その土砂をどうするかというところはできない。そこを、要するにこの舞鶴市と文部科学省がどう話し合われたかということは、やっぱりヘドロを元に戻すんでも、やっぱりそこは重機なんか入れるから、どうしたってそこに、何というんでしょうか、地面傷んだりすると。それを回復するということで三センチメートルは認めようということになったわけでございまして、私は文部科学省としてはかなり柔軟に判断をしていただいた面があるんではないかと思います。
 そこで、あとわずかだから積めということになりますと、制度の建前とその折り合いをどう付けていくかという非常にこの災害復旧のときの難しい問題になると。私も自分の地元のことだけに、非常に思いは千々に乱れながら答弁をさせていただいているわけでございます。
○福山哲郎君 いや、でも、結論は今のだからしようがないという話なんです。つまり、こういう制度設計していること自身が私は間違っていると思っていまして、その制度設計を変えていくために分権が必要だと我々は主張しているんですね。
 小泉総理も一応建前はそう言っておられるわけでございますが、実際はこんなばかげた話があるということでございまして、一つの例として申し上げさせていただきましたが、是非弾力的に運用できるようにお願いしたいと思います。
 次、行きます。
 次ですね、年金の問題でいくと、厚生保険特別会計というのがあります。これは、もちろん厚生年金を保険料を預かって積み立てていただくものです。これが実はその予算書でございまして、全く本当に分厚い予算書でございます。(資料提示)
 ここに、お手元にお配りをしたペーパーと、ここにあれが、実は厚生保険特別会計の積立金明細表というのが今年の予算書から加わりました。これは画期的なことでございまして、積立金の明細表が今まで付いていなかったんですが、我が党の郡司参議院議員が長年このことについて明細表を出すべきだと主張されて、今年からようやく明細表が付くようになりました。私はこれは画期的だったと思っていますが、これを見ていると、実はびっくりしたことがありました。
 この積立金、厚生保険です。もちろん、厚生保険の保険料を払っていただいている方の積立金が百三十七兆円、平成十六年度あったんですが、ごらんいただきますと百三十二兆円に減っています。百三十七兆が百三十二兆円に実は取り崩されているわけです。この取り崩されたものに去年の残高というものが加わって、六兆五千三百億円が年金勘定に加わっているところでございます。
 私、この年金勘定をもう一度見ました。そうしたら、ここには何とこの六兆数千億円の、六兆五千億円の金が保険給付費等の財源に充てるための積立金からの受入れ見込みを計上と書いてあるんです。保険給付費等と書いてありますが、この保険給付費については言及がありませんでした。保険給付費は幾らなんでしょうか。
○政府参考人(青柳親房君) お答え申し上げます。
 保険給付費等という形で予算書に書かさせていただいているものをもうちょっと細かく申し上げますと、まず厚生年金保険の給付費という形で出しているものが二十二・五兆円の規模、それからこれに加えまして、基礎年金の拠出金という形で、厚生年金として徴収したものの中から基礎年金の方に拠出金という形で繰り入れるものが十一・三兆ございます。また、これ以外に、年金の給付に充てられるものといたしまして、厚生年金基金等の過去に補助金を出しておりました給付費等がございますので、これらを合わせたものが広い意味で給付に充てられるものということになっております。
○福山哲郎君 だから、この六兆五千三百億円、年金積立金取り崩してから、これが給付に充てられるのは幾らかと聞いているんです。
○政府参考人(青柳親房君) 六兆五千億円の使途という意味でお答えを申し上げますと、このお金につきましては、厚生保険特別会計の年金勘定における取扱いといたしまして、厚生保険特別会計法の第八条の第四項という規定によりまして、年金勘定の歳入に不足が生じる分を受け入れるという形になっております。したがいまして、年金給付のみならず、これにかかわる歳出に一般的に充てる、すなわち使途を限定せずに充当するという考え方が取られております。
○福山哲郎君 だから、いいから幾ら、じゃ使途を限定しないのは幾らだったんだと聞いているんです。
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返しの御説明になりますが、厚生保険特別会計の年金勘定の中で平成十七年度に歳出として予定されているものが総計で三十八兆五千九百二十四億ございます。これに対しまして、歳入として予定されているものに不足が生じ、その不足相当分に当たる六兆五千億が積立金より受け入れられているという形になっております。
○福山哲郎君 じゃ、なぜ歳入が、何が原因で歳入が不足したんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 歳入不足につきましては、一つには、歳出の中で、申し上げましたように、先ほど申し上げましたものが主な歳出として項目ございますが、そのほかに、大きな項目で申しますと福祉施設等業務勘定への繰入れということでございまして、特にこの中でも年金住宅融資事業等の廃止に伴う財政融資資金からの借入金の繰上償還に充てるものが四・二兆円ほどございますが、こういったものを含む業務勘定への繰入れというものが歳出の増加要因となっております。
○福山哲郎君 ここに保険給付費等って書いてあるから、この保険給付費は幾らかと聞いているんですよ。
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返して申し訳ございませんが、保険給付費に充てるものは、歳出規模、先ほど申し上げましたように二十二・五兆になっております。
○福山哲郎君 六兆五千三百億円の中で幾らかと聞いているんだ。
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返して申し訳ございませんが、六・五兆は何か特定の用途に充てるために歳出をするというものではなく、先ほど申し上げました、歳出すべての項目を合計した額が歳入額との間で不足が生じた場合に繰り入れるということでございますので、何に充てるということはないというふうにお考えいただきたいと思います。
○福山哲郎君 だって、保険給付費等に充てるって、給付費って入っているじゃないか。だから、これは幾ら充てたのかって聞いているんですよ。ここで特定しているじゃないか。
○政府参考人(青柳親房君) 保険給付費及び基礎年金拠出金、あるいは先ほど申し上げました年金住宅融資事業等の廃止に伴う財政融資資金からの繰入金の繰上償還等資金財源を含む業務勘定への繰入れ、これらすべてがこの六・五兆の充当対象ということになるわけでございます。
○福山哲郎君 保険給付費に充てているんですよね。充てているのか充てていないのか、じゃお答えいただけますか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 部長からいろいろお答えしておりますけれども、私が理解しておるところを申し上げたいと思います。
 例えで申し上げます。百万円の支出がどうしても必要である。九十万円の収入がある。そうすると十万円どうしても足さなきゃいけない。で、その十万円どこからか持ってきました。その十万円をこの百万円のうちのどこに使うかという説明は、百万全体のどこかに使いますので、百万円の支出の中の一番大きなものを挙げて、こんなものに使いますという説明をしておると、こういう今説明をしておるところであります。
 で、おっしゃるように、そうしたらよく分からぬじゃないか、不透明じゃないかと、こうおっしゃるから、この百万円の方の支出だけはもうきれいに全部挙げていきますと。そうすると、この不透明な部分はこの支出の方で見てくださいと。これはもう一つ残らずきれいに挙げますからと。そのどこかに入っているんですと。ただ、この十万円どこに使うかと言われると、この百万円のうちの一番大きなのを挙げて、これ以下これらに使いますと、こういうふうに会計上説明を申し上げているんだということを説明をしておるんだと私は理解しております。
 その後、それがまたどういう、いいか悪いかとかいろんな御議論にはなるんだろうと思いますが、取りあえず私からそこまでお答えを申し上げます。
○福山哲郎君 じゃ、さっき言われた年金住宅融資、グリーンピアの後処理のための繰上償還にかかわる費用というのは幾らなんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 四兆一千八百億円余になっております。
○福山哲郎君 六兆のうちの四兆円がこれからで、保険給付費等が二兆、残りだとしたら、保険給付費の方が低いじゃないですか。今一番大きなものを載せるって大臣言われたじゃないですか。どうなんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 先ほど大臣の方からもお答えをさせていただきましたように、使途を特に限定をしてこの積立金を充てるという考え方になっておりませんので、歳出項目の中で最大の規模のものが、先ほど申し上げましたように、保険給付費二十二・五兆円でございますので、これを例示させていただいているところでございます。
○福山哲郎君 では、保険給付費の二十二兆円のうち、じゃ、ここの積立金を取り崩して充てたのは幾らかと聞いているんです。
○政府参考人(青柳親房君) 繰り返しになりますが、六・五兆は使途を限定して何かに充てるというやり方になっておりませんので、幾ら充てたかというのにはお答えできませんが、機械的にこの六・五兆の中から四・二兆を差し引けば二兆三千億余が出てまいりますので、これ、機械的に計算すれば二兆円余になるというふうにお答えができるかと思います。
○福山哲郎君 それを保険給付費に充てたんですね、じゃ。
○政府参考人(青柳親房君) 特別会計のお金の使い方という意味では、先ほど来繰り返しておりますように、六・五兆を使途を限定してどこに充てるというやり方をしておりませんので、正確な意味では、その二兆円を給付費に充てたという言い方は当たらないかと存じます。
○福山哲郎君 ちょっと待ってください。じゃ、二兆三千億円全部が保険給付費とは限らないけれども、大宗は保険給付費に充てたということでいいんですね。
○政府参考人(青柳親房君) 予備費等が中に含まれておりますが、大宗は保険給付費ということでございます。
○福山哲郎君 そうしたら最初からそう答えりゃいいじゃないですか。
 そして、いいですか、国民の皆さん、国民の皆さんの大切な厚生保険が取り崩されたんです。(発言する者あり)六兆円も取り崩されて、そのうち保険給付等の「等」が四兆円なんですよ。
○委員長(中曽根弘文君) 福山君、質問をしてください。
○福山哲郎君 いいですか、これ。これ、大臣、こういう予算書の表記の仕方でいいんですか。
○国務大臣(尾辻秀久君) 私どもは隠すつもりも何にもありませんし、やましいことがましてあるわけでもございません。
 今、繰入れの、業務勘定へ繰上償還等資金に充てるということでございますけれども、これが四・二兆円、言っておられるように充てますけれども、これは住宅融資で融資しているものを一括して返すだけの話で、今後その融資をしている先からは集まってくるわけでありますから、これが今の計算では五・八兆円ぐらい集まってくるんです。だから、今回四・二兆円使うけれども、五・八兆円返ってくるわけで、それを戻す勘定でありますから、決して妙なお金を使うわけでも何でもない、その方がただいいと判断しただけでやっていることでありますから、隠そうとかなんとかという意図も全くないということは御理解いただきたいと思います。ただ会計上の処理をそうしたというだけのことであります。
○福山哲郎君 大臣が今説明されたこと、この「等」から分かるんですか。今大臣が説明されたこと、この「等」からそれだけ読み取れますか、予算書読んで。
○国務大臣(尾辻秀久君) ですから、「等」は、こっちの支出の方の一番大きなものを挙げて「等」と言っていますから、そこは、支出の方をずっと見ていただくと、業務勘定の中に今私が御説明申し上げているものも支出の中に出てまいります。したがって、そこで読めるということになると考えます。
○福山哲郎君 先ほど言われた給付、保険給付に充てた大宗の二兆数千億はなぜ入れなきゃいけなくなったんですか。
○政府参考人(青柳親房君) 御存じのように、厚生年金の財政につきましては、十年近くの期間にわたりまして保険料の引上げというものが行われてこなかったためにその間の財政バランスが崩れておったと。これについては、昨年の通常国会で成立をさせていただきました年金法によりまして、今後段階的に保険料を引き上げるということで将来に向かって解消していくということになっております。
○福山哲郎君 ということは、保険料が給付より足りなくなったんで二兆数千億埋めたということですね。
○政府参考人(青柳親房君) 御質問のとおりでございます。
○福山哲郎君 積立金がこのような金額取り崩されたのは初めてのことと判断していいんですね。
○政府参考人(青柳親房君) 実質的な収支は平成十五年度においても赤字でございましたが、これは、御存じのように、年金の一元化に伴うところの農林年金の積立金の移換等の特殊な事情がございまして年金の収支上は赤字が顕在しなかった。しかし、既に構造的には赤字が発生しておったというふうに御理解いただきたいと存じます。
○福山哲郎君 僕は、やっぱりこの厚労省の了見が気に食わないんです。
 やっぱり、これどう見ても給付が足りなくなっているのに明確な記載ないんです。「等」で四兆数千億のお金を積立金崩して入れているのに、中身が記載がないんです。これ、いわゆる悪評高かったグリーンピア等に使われているお金なんですよ。これ、やっぱり予算書、僕どこ見たってこれ分かんないんですよ。こういう予算書の書き方、財務大臣どう思われますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) 要するに、この支出先として一番の大宗である保険給付費を代表して書いて表記してあるというのは、私は、先ほど厚労大臣の御説明のとおりで、それはそれでいいんだろうと思います。
 問題は、その後、やはりこの予算が何に使われているかというようなことは、これは国会で我々は十分お答えをしなきゃいかぬのだろうと思います。
○福山哲郎君 総理、実はこの話は結構重要なことで、例の強行採決された年金の改革法案の後、実は出生率の一・二九も厚労省から出てきました、終わってから。今回も、これ七兆円も、六兆数千億円も積立金取り崩すんです。そして、そのうちの四兆幾らを住宅融資とか、それからグリーンピアのものに一応繰上償還で入れるんです。その中身をこういう表記の仕方でやっていること自身が年金に対する不信感を増幅させているもとだと、総理思いませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 後で厚労大臣に答弁させます。
 こういう質疑というのは予算委員会らしくていいと思いますね。これがやっぱり予算を審議するということで国会の役割だと思うんです。
 これを私もかつて厚生大臣のときに、何でこの厚生年金福祉事業団なんか必要なのかと、厚生年金というのは、こういう年金の住宅融資とかグリーンピア造るよりも、保険者の立場に立ってみれば、できるだけ給付は厚く、保険料負担は安く、これが最大のサービスじゃないかと。だから、年金福祉事業団なんか廃止しろと言ったんですよ。
 しかし、今やっと分かってきて廃止してくれて、過去のこれ繰上償還ですよ。あのグリーンピア、みんな喜んだ。ああ、過疎地にこんないい保養地ができてくれればいい、リゾートがいい、年金住宅で融資受ける人、民間の金融機関で借りるよりもこの保険料積立金を使って、住宅融資使ってくれれば民間よりも安いからいい。しかし、これ、その安い分は赤字になったら保険料の負担で見るわけでしょう。だから、私は、こういう余計なことはするなということをやって、しかし、そういうのを廃止して今こうやって結果が出てきたんです。だから、こういう審議は私はいいことだと思いますよ。
○福山哲郎君 いいことはいいんですけれども、どう思いますかと、これが年金不信を助長していることになりませんかと、また若しくは、こういう予算書の書き方自身がおかしいとは思われませんかと申し上げているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私は前からおかしいと思っているから、余計なことやらないで行政改革をやりなさいと、民間でできることは民間で、やらないでしょう、やりなさいと、特別会計もよく整理しなさいと、特殊法人も統廃合、民間委託、民営化を含めて見直しなさいと、これが小泉内閣の行政改革、財政改革の趣旨であります。郵政民営化もその本旨にのっとっておるわけであります。
○福山哲郎君 今の総理が、さも自分はやるんだと言われるような顔しておられますが、これをずっとやってこられたのは、グリーンピアの事業も必要なくなった住宅の融資についてやってこられたのも、全部政府・自民党です。今、この場に、この場にあって、この場にあって何か我々は改革をしているんだというような、改革をしているんだというようなことは私はおかしいと思います。
 これ全部、実は保険料を払っている人たちにしわ寄せが寄っているんです。そして、しわ寄せが寄っているにもかかわらず、こういう表記で予算書を書いてくる。私は本当にひどい話だと思っています。そんな状況の中で、あっ、厚労大臣、話されます。どうぞ。
○国務大臣(尾辻秀久君) 一つだけは答えさせておいていただきたいと思います。
 今のお話ですが、歳出の方では私どもきっちり述べております。したがって、歳出見ていただくとこう出るんだなというのは分かるはずであります。
 歳出の業務勘定の項の十六という財政融資資金繰上償還等資金というところでどういうふうに述べているかというと、説明の方をあえて読ましていただきますけれども、年金積立金管理運用独立行政法人法附則第二条第二項の規定による、年金資金運用基金が行う大規模年金保養基地事業、これが正にグリーンピアであります、及び年金加入者住宅等融資に係る財政融資資金からの長期借入金の繰上償還に伴う補償金に要する資金に充てるための同基金に対する交付金、これまたもう一つ二で立ててまして、資金に充てるための、同じことを書いてまして、その資金に充てるための同基金に対する出資、要するにそのことに使うということを出の方で述べておるわけでありますから、別に隠しているわけでも何でもないということだけは是非御理解いただきたいと思って、あえて答弁をさせていただきました。
○福山哲郎君 僕は、大臣そう言われると思っていました。しかし、年金勘定に繰り入れたときに何も書かれてないんです。で、業務勘定に移してあえてそのことを書くわけです。二重三重に実は移して書くところに、まあお役人さんのずる賢いところがあると私は思っているんですが。
 ちなみに、村田大臣、私を指さされましたけど、何か御用でしょうか。
○国務大臣(村田吉隆君) いや、当時、私が理財局で、今のようなグリーンピアとか住宅貸付けを、総理が正におっしゃったことを言って反対していたわけです。
 当時、住宅貸付けをする保証協会というのを、労働組合の幹部が天下って保証をしていたわけですね。だから、そういう意味では、その当時はグリーンピアを造るようなことについても野党の皆さん方も賛成していた。それで、みんなで当時はいいいいってやっていたわけです。
 私は、今総理がおっしゃったようなことを当時は査定官として反対をしていたということを、私は、だからおたくも関係あるよということを今質問されたから私は言っているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
 福山哲郎君、質問を続けてください。
○福山哲郎君 先ほどのグリーンピアに至っては、去年までの、あっ、おととしまでの段階ですが、外郭団体が百三十七、更に言えば厚労省の出身者が百九十九人も役人に、役員に入り、さらには三兆九千億円も年金保険料が投入されているというような状況だったわけです。そして、今回、それのある意味でいうと整理をすると。その結果は、やっぱり僕は、政権与党に帰属すると私は思っているので、そこのことは強く申し上げたいと思います。
 次に、郵政の改革について申し上げます。
 皆さんも、国民の皆さんも見られたと思いますし、委員の皆さんも見られていると思いますが、竹中大臣がテリー伊藤さんやいろんな人と懇談をしたり、新聞やいろんなところに広告を出されています。この政府広報、費用は幾ら、幾ら掛かっているのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(林幹雄君) お答えいたします。
 郵政民営化は現内閣の最重要課題としまして、これに関します広報につきましては、郵政民営化準備室と内閣官房、それから内閣府の広報部局が連携してタスクフォースを設けまして、そこでトータルプランを作成して実施しておりますが、その費用でございますけれども、郵政民営化に関します広報のうち、これまでに内閣府の政府広報室として実施いたしました新聞・雑誌広告等の経費は総額で約四億六千万円となっております。
 なお、このほかに、昨年十二月から本年二月にかけまして放送しました地方テレビ局の特別番組につきましては、現在、金額を精査中でございますが、約一億円から二億円、一億五千万円程度になると見込んでおります。
○福山哲郎君 その費用はどこから出ているんですか。
○政府参考人(林幹雄君) これは、既存の政府広報予算の中で啓発広報費という、そういう新聞、テレビ等に対して出す予算がございます。その啓発広報費の枠内で賄われております。
○福山哲郎君 これまで法案成立、法案成立以前に広報をこのような形で内閣でした例はありますか。
○政府参考人(林幹雄君) 何件かございますが、例えばその事例といたしましては、司法制度改革、十五年度から十六年度にかけてでございますが、それから中小企業等貸し渋り対策、それからやや古いものでございますが、消費税導入のときなどがございます。
○福山哲郎君 実は、三例しかないんですね、過去。それも、じゃ、法案提出以前にやった例はありますか。
○政府参考人(林幹雄君) 法案提出前に広報した例としては、司法制度改革、今申し上げました中の司法制度改革、それから消費税導入の際でございます。
○福山哲郎君 そうすると、法案提出前じゃないですよね。──法案提出前じゃないですよね。
○委員長(中曽根弘文君) それは質問ですか。
○福山哲郎君 はい、質問です。
○政府参考人(林幹雄君) はい、お答えいたします。
 ですから、法案提出前に広報いたしましたのが、司法制度改革、それから消費税導入でございます。
○福山哲郎君 昨日、私が聞いたら、法案成立前はあるけれども、法案提出前はよく分からないと答えられましたよ。
○政府参考人(林幹雄君) ああそうですか。──いや、申し訳ございません。(発言する者あり)申し訳ございません。
 今言いましたように、法案成立前に政府広報いたしましたのは、今回の郵政改革、それから司法制度改革、消費税導入でございます。そのほか……(発言する者あり)済みません、済みません。法案提出前がその三つでございます。
 法案成立前は、そのほかに中小企業等貸し渋り対策、それから私どもの、もう少し細かく申しますと、総合経済対策とか国際平和協力、PKO、その法律とかがございます。
○福山哲郎君 昨日、私が事前にレクしたらよく分からないという答えが来て、一応最初の三つ、法案成立前の話は来ましたが、法案提出前の話は全然ありませんでした。
 私は、六億円掛けて、法案もまだ提出していない、自民党と政府がまだいろいろ調整をしている段階でこのような広報をすることは、やはり僕はひどいことだと思っていまして、国会を冒涜していますよね、法案もまだ提出もしていないんですよ。このことについて財務大臣、どう思われますか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私の方からお答えをさせていただきたいと思います。
 いろんな御意見あろうかと思いますが、この郵政民営化の広報につきましては、九月十日に閣議決定されました基本方針等につきまして政府は説明不足だと、説明不足であるからしっかり説明しろというような御指摘をこれまでたくさんいただいてまいりました。それを踏まえて、国民に対する説明責任を果たすために、やはり私たち政府の説明責任の一環としてしっかり実施しなければいけないというふうに考えたところでございます。
 福山委員、国会との関係、これは当然重要でございます。現在行っている広報活動はあくまでも政府としての今の方針をお知らせするためのものであります。立法府を含めた国全体としての方針が決まったというような誤解を国民に与えることのないように配慮しているところでございます。
 念のために、政府では現在法律案を検討しており、現段階での政府の考え方を説明すると、そういった趣旨、郵政民営化についての現在の広報の趣旨を新聞広告で周知徹底する等、いろんな措置をとっているところでございます。
○福山哲郎君 じゃ、もし例えば自民党と政府の間で中身が調整が付かなくて変わったり、変化をしたり、国会の審議の過程で例えば修正が入ったりしたら、この広報は訂正出されるんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 私たちとしては、あくまでも政府としての説明責任を果たすという観点から行わなければいけないと思っております。
 したがって、そこはまあどういうことを想定して福山委員がお尋ねかよく分かりませんが、これは必要に応じて、その制度を踏まえて広報を行っていく必要があるというふうに思っております。
○福山哲郎君 もうよくいろんな話が出て、午前中も出ていますが、いわゆる民営化した後の新勘定、旧勘定、郵貯銀行の話でございますが、今、郵貯と簡保で約二四%の国債を保有しています。官から民へお金が流れるということを竹中大臣は言われていますが、この国債管理政策への影響をどう考えているか、お答えください。いや、竹中大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 国債管理政策の御担当の財務大臣から別途御答弁があるかもしれませんが、基本的には、今新勘定と旧勘定というふうにもう既に御紹介、福山委員してくださいましたですけれども、既に政府保証が付いている勘定につきましては、これは安全資産に運用が限定されるということでございます。それについては正に旧債務、旧勘定として、実態的に公的な機関が持つような形で整理をしようと。これは、まあバランスシートの中でいいますと、しっかりと政府が保証を付いた債務で、預金で国債等々に運用していく。これについては、したがって、公的なといいますか関与が続くような形になります。
 問題は、じゃ新勘定がどのようになるかと。これは、新勘定についてはこれは政府の保証は付かないわけでございます。つまり、民営化された後の勘定については政府保証は付かないわけでありますが、これは民間の金融機関としてきちっとした資産負債の管理が求められます。よく言われるALMが求められますので、その中でしっかりとした運用計画が図られるということになります。
 同時に、これは国債管理という観点からいいますと、その国債等々のその資産の運用に対して、しかるべき情報開示をするとか、その市場に対するショックが生じないように様々な工夫をするということ、これを基本方針の中に明記をさせていただいております。
○国務大臣(谷垣禎一君) 今委員が言われましたように、大体国債の四分の一ぐらいを郵貯、簡保で持っていただいているわけですから、明日からそれ全部民営化せよと言われても私も対応し切れないわけでございまして、やはり移行期というものを適切につくっていただく必要があると思っております。
 それで、今度の基本方針では国債、移行期の在り方として、国債市場への影響を考慮した適切な資産運用を行うと。それから、大量の国債を保有していることを踏まえて、市場関係者の予測可能性を高めるため適切な配慮を行うと。だから、それに対応した今制度設計をいろいろ議論をしているところでございます。
 それで、本当に完全民営化になった後は、やはりそこの主体において、責任において、マーケットの動向も考えながらこれは資産運用をしていただくということでありますけれども、そこまで持っていくのに、じゃ今度我々の側で何が必要かということになれば、これは先ほども御答弁したことでありますけれども、国債管理政策を適切にやっていく必要がある。その国債管理政策の更に前提になるのは財政規律だというふうに私どもは思っております。
 それは、大きな方針でいいますと、二〇一〇年代初頭にプライマリーバランスを回復するということがその目標でございますけれども、それに向かってその努力をすると。その後は、後は、要するにマーケットの実情をよく見極め、マーケットとも対話しながら新商品の開発であるとか保有者層の多様化を行っていくということを今やっているところでございます。
○福山哲郎君 大臣が丁寧に答えられましたが、有り難かったんですが、その適切な国債管理政策というのは、何かが見えないから我々は今この民営化が分からなくなっているんではないでしょうか。
 竹中大臣は、民間に流れるんだと言ってこの広報にも出される、国会でも答弁される。大臣は、谷垣大臣は、そういうのはちょっと困ると、我々もそこまでの自信がないと、今突然自由だと言われたら困ると、適切なと言われた。その適切の中身を大臣お答えください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的に、この三百五十兆円の重要な資産が次第に民間に流れていくというような姿を私たちは想定をしております。これがいきなり、これが国債に投資されたものがいきなり民間資金になると、そういうようなことを想定しておりませんし、それはやっぱり市場に対してショックがあると。この点は財務大臣もしっかりと御答弁をしておられるわけでございます。
 しかし、これは基本的には、これは一つは国債管理政策を財務省でしっかりやっていかれるということに加えて、例えばこれ一つの例として、あくまでこれ一つの例としてお聞きいただきたいですけれども、これは今後、郵貯の、郵政の窓口で、二万四千展開された郵政の窓口で新しいタイプの、例えば個人国債等々をしっかりと販売をしていく。これは国民の貯蓄が、例えばそれだけ新しい、その新商品に向くということでありますし、国債もあれば国債等々を集めた信託のようなものもある。公社債信託のようなものの商品開発も期待できるであろうと。そこには、新たにそれを介在する民のマーケットが介在してくるわけでございます。そういうものを、例えば郵政に関してはそれを窓口で売ってフィーを、今度は料金をしっかりと稼いで郵政の財政を支えていく。これはあくまで一つの例として申し上げておりますけれども、そういうことが、いろんな多様なルートが可能になるということを私たちは申し上げているわけでございます。
 これを実現するのが正に郵政の民営化であり、これは同時に経済の活性化と国債管理政策の強化と金融の市場のシステムの強化と、これは正に様々な改革を整合的にしっかりやっていく中で今申し上げたような姿を実現していきたいというふうに申し上げているところでございます。
○福山哲郎君 今のは本当に根拠が乏しいと私は思うんですが、先ほど午前中もちょっと言われたんですが、要は新勘定はリスクマネーに変わるということを大臣やっぱりはっきり言われるべきだと思いますよ。この広報にはそんなこと一切なくて、民間に流れる、流れる、そしたら活力が付くと書いてあるけれども、要は新勘定になるものはリスクマネーに変わるんだということをちゃんと国民に伝えないと、それは僕はミスリードだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一般の方々にお話をするときに、リスクマネーというその言葉がどのぐらい御理解いただけるかという問題もあろうかと思います。これはいろんな局面で、これはもちろん、当然、御専門家に話すときは、これはリスクマネーに流れ得るんです、今は安全資産ですと、こういうことを申し上げているわけでございますけれども、これはやはりそのメディアによって、正に場所によって、メディアによっていろんな形でできるだけ分かりやすい御説明をさせていただかなければいけないと思っております。そういうリスクマネーになり得るというような説明もさせていただいております。
○福山哲郎君 そのリスクは結局どこに帰属するんですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 銀行業というのは、そもそもリスクをマネージする仕事でございます。これが今、民間の機関ではありませんけれども、民間の金融機関になっていくということは、ノウハウをしっかり身に付けて、正にリスクを管理できる民間の金融機関になっていっていただくということです。
 その過程で、今は安全資産でしか運用できませんけれども、いろんな資産に運用することも可能であるわけですし、我々民間人は全員リスクを持っていますから、リスクのない、市場経済の中でリスクを取らないというのはあり得ないわけでございますから、それが市場の中に入って、その市場の中の主体としてしかるべく、もちろんこれは経営ノウハウに合わせて、次第にですけれども、そういうリスクを取っていっていただく、当然そういうことになると思います。
○福山哲郎君 だから、リスクはだれが取るのかと聞いているんです。
○国務大臣(竹中平蔵君) 今の御説明は、郵政について、郵政民営化について御説明しておりますので、民営化された郵政の主体、具体的には、今で言うと郵貯バンクといいますか郵貯の、郵貯を分割して銀行になった、それは銀行として、これは銀行というのはリスク管理業ですから、この銀行業が、銀行の会社がリスクを取るということに当然なります。
○福山哲郎君 預金者じゃないんですか、リスクを取るのは。
○国務大臣(竹中平蔵君) リスクというのは、これは全員が市場経済の中では取るわけでありますから、当然、銀行は銀行としての、主体としてのリスクを取ります。我々だって今銀行にお金を預けている。預金者は預金者としてのリスクを当然に取るわけです。出資者は出資者としてのリスクを取ります。したがって、市場経済の中にあるということは、これは銀行なのか預金者なのか出資者なのか、これは全員がそれなりの市場経済の中のルールにのっとったリスクを取るということになります。
○福山哲郎君 そうなんですよ。郵便貯金銀行もリスクを取り、そして預金者もリスクを取るんです。リスクマネーに変わるんです。それで、なおかつ適切な国債管理政策をしなければいけないと財務大臣は言われているんです。ここの明確な道筋が見えないから、この民営化よく分からないんです。財務大臣、どうですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) その点は確かに、今制度設計の最中でございますから、どういう制度設計をして、移行期に具体的にどういう形であって、そうしてどういうふうに我々が運営していくことができるのか、もう少し明らかにならなければ恐らくなるほどと得心はしていただけないかもしれません。
 しかし、今私どもの国債も、これは、それは賛否両論あると思いますが、かなり民間でも持っていただいております。それから、それを国外や何かにも今広げようとしてIRをしております。それから、個人の引き受けていただく新商品を出しまして、これは現在のところ極めて好調に販売をされております。
 そういうようなことを考えますと、今いろいろな、これは当然、そのリスクマネーといっても、リスクを取りながら、どういうそれぞれがポートフォリオをつくっていただくかというのは、それぞれの言わば金融機関なら金融機関、そういうところで主体的にお考えになると思いますが、私どもは、今のようなことを前提といたしますと、そういうリスクマネーと国債の消化というものが矛盾するというふうには考えておりません。
○福山哲郎君 竹中大臣、竹中大臣はよく、郵便貯金の預け入れ限度額は一千万で、民間になっても預金保険機構で一千万は守ってもらえるという発言をされていますが、それは正しいですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 一千万円以下の小口と言ってよいかどうか分かりませんけれども、通常の預金者の場合は、これは今民間の銀行に預け入れても一千万円まで預金保険機構で守られます。そういう意味でこれは正にセーフティーネットとして存在しているわけですが、これは民間、民営化された郵貯の銀行は預金保険機構に入っていただきますから、当然そういう保護が適用されます。
○福山哲郎君 しかし、新しい新勘定に入る郵貯銀行は一千万円が限度額ではなくなるわけですね。
○国務大臣(竹中平蔵君) 基本的にどういうその限度額で出発するかということに関してもいろいろな御議論があろうかと思います。これは完全、十年たって完全民営化になればこの限度額は外されるというふうに考えますが、それまでは徐々に、現状出発して徐々に拡大するなり、現状を見ながら、民業を圧迫しないような範囲でできるだけ自由度を持っていただくというのが基本的な方向だと思っております。
○福山哲郎君 これも国民に誤解を与えるんですよ。預金保険機構が一千万円まで見てくれると、万が一のときがあってもと。しかし、それをよく言われるんだけれども、新しい郵貯銀行は一千万以上の預金が預け入れられるようになるのが当たり前なんです、イコールフッティングからすれば。そうすりゃ、一千万以上預けていたら、その先のお金は全部リスクマネーに変わるんです。こういうことをきっちり伝えていかないと、この広報では確実に誤解を招く。
 もう一つ言います。
 今皆さんに、お手元にお配りをした郵貯のイメージ図があります。(資料提示)これ政府の言われているとおりです。ある郵便局が郵便事業会社、それから郵便貯金会社、それから郵便保険会社、そして行政サービス、小売、コンビニ、チケット、住宅、旅行代理店、これができるというのがある種イメージです。本当にこんなことできるんでしょうか。
 私は、ユニバーサルサービスでクエスチョンマークを郵貯会社と郵便保険会社に付けています。なぜかというと、自民党は郵貯も郵便保険もユニバーサルサービスを義務付けろと言っているからです。その条件として今議論が出ているのは、株式の売却益を基金にして補助金を入れましょうという話になっています、ここに。要は、不採算部門に対しては補助金を入れてユニバーサルサービスを確保するんだと。そうしたら、全然民営化会社じゃないじゃないですか。違いますか、大臣。
○国務大臣(竹中平蔵君) 具体的なその仕組みにつきまして今政府と与党でいろんな議論を真摯に重ねているところでございますが、一つ、今委員が御指摘になった中で、基金のようなものを設けていろんな社会的な貢献をできるようにしようではないかという議論は、方向としてはしております。
 しかし、是非誤解のないようにしていただきたいですが、これは補助金ではございません。これは郵政の中のお金でありますから、郵政に対して外から、具体的には国からお金が入るわけではありません。これは、郵政の中にある資金をきちっと社会貢献等々に充てていただく仕組みとして考えているものでありますので、補助金という御指摘は当たらないと思います。
○福山哲郎君 何で民営化した会社が、自分のところの株式の売却益を基金をつくってほかへ入れろみたいなことを国から指定されなきゃいけないんですか。これまた矛盾しているじゃないですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) ここは非常に重要なポイントだと思いますので、是非、福山委員には御理解をいただきたいと思うんですが、民営化して株式会社になって、しかしそれが公的な役割を担う例というのは世の中にはたくさんあります。これ電力会社が正に分かりやすい例でありますし、民営化してもその法律の枠組みの中で公的な役割を担うというのは、これは現実にはあるわけです。これはもう世の中にたくさんあります。
 で、要するに、民営化、国というのはゼロか一か、オフかオンかというようなデジタルな世界ではなくて、その中間に幾つかのタイプがあり、そうした中で、その民営化の会社の中で公的な役割を担わせてやっていこう。これ具体的に、例えばドイツでもオランダでも、民営化された郵政の会社はちゃんとユニバーサルサービス義務を果たしているわけです。
 これはきちっとした役割を果たせるわけですから、それはもう仕組みのつくり方であって、私たちは民間の活力を生かしながら、しかし必要な社会的機能はきっちりと果たせるような、そういう民営化を行いたいというふうに思っています。
○福山哲郎君 じゃ、例えば郵便貯金会社ですが、今、竹中大臣は上場させると言っていますが、どのぐらいの資本金で上場させる御予定ですか。
○国務大臣(竹中平蔵君) 郵便貯金会社についてお尋ねでございますか。これは、上場するように、民営化する以上はIPO、上場するようになっていただきたいというのは、これは当然の期待でございます。
 しかし、それがどのぐらいの規模になるかどうか、これはまずこれからの資本政策、制度設計をどのようにするかということに懸かっておりますし、その後の事業規模をどのようにするか、これは経営者の判断でございますので、今の時点で具体的に申し上げられる段階ではないと思います。
○福山哲郎君 これは重要です。
 実は、この間、試算が出ました。新しい郵便貯金銀行の貸出し三十五兆円が想定されていました。三十五兆円貸し出ししているということは、四%のBIS規制から考えても、はっきり申し上げると十二兆円の資本金がなければいけません。分かります。そうすると、十二兆円の資本金を今立てられるような状態が今の郵政公社にあるかどうか、大臣よく御存じのはずです。(発言する者あり)
○国務大臣(竹中平蔵君) ちょっと計算間違いがあったように思われますけれども、基本的には、具体的にどのような事業を行ってどのような規模の貸付けにするのか、どのような資産規模にするかというのは、これは経営判断です。これは新しい民営化された郵政を経営してくださる経営者が決めるべき問題であります。今、そうした意味で我々がお示ししている試算というのは、あくまで可能性としてこういうことが考えられるという可能性、しかしこれはあくまでも可能性でございますから、そのときに当然、資本政策として今後これが問題ないのかというようなより細かい制度の議論はこれから更に協議をして煮詰めていこうと思っているところでございます。
○福山哲郎君 つまり、全部つまみ食いなんですね。貸出しは三十五兆円しているという前提で採算の積算をしているわけです。貸出し三十五兆円。冗談じゃないですよ。この五年間で我が国の貸出しは百五十兆円減っているんですよ。それを無理やり郵貯が三十五兆円どこに貸出しの需要があるんですか。そして、三十五兆円貸出ししようと思えば、それだけ資本を積まなきゃいけないのに、そこに対しては制度設計中だという、全部必要なところはつまみ食いをしていてこんな広報を出していること自身、私はけしからぬと思いますよ。
○国務大臣(竹中平蔵君) 資料をよくお読みいただきたいと思いますが、資料お手元に恐らくあるんだと思いますのでお読みいただきたいと思いますが、貸付けを三十五兆円というようなことは特に想定しているわけではありません。私たちがその場で申し上げておりますのは、正に委員が先ほど言われたリスクマネーといいますか、安全資産ではなくて、いわゆる信用リスク、一%程度の信用リスクを取れるようなことを三十五兆円ぐらいと想定したらどうであるか。貸付けは分かりやすい一つの例でありますけれども、ほかにも、シンジケートローンもあれば、私募債もあればABS等々ありますから、貸付けを三十五兆円にするというようなことを別に具体的に想定しているわけではありませんし、正に先ほど委員がおっしゃったリスクマネーだと。そういうことを、いろんな形、それはいろんな形がありますから、可能性として一定の規模を想定しての試算を示しているわけでございます。
○福山哲郎君 ここに貸出し、貸付け等残高三十五兆円と書いてあるじゃないですか。
 そして、もう一個だけ、これで終わります。(資料提示)このイメージで実は郵貯が地域にでき上がるとどうなるか、自民党の先生方も考えてみてください。旅行代理店が出てきたり、保険の代理店が出てきたり、コンビニが例えば郵便局に出てきたりしたら、これ実は地域を活性化するどころではありません。地域の経済を全部破壊をします。田舎の例えば八百屋さんがみんなつぶれていきます。田舎でずっと、例えば地方で保険代理店をやっていた会社がここに全部吸収されていきます。もしここの目の前に農協や地銀があった場合に、農協や地銀はどうするんですか。これが地域経済を本当に発展させるのか、ここに全部集中して地域経済ががたがたになるのか、よく冷静に考えていただければお分かりだと思います。
 そして、もう一個、最後にこれだけ。これでもし農協や地方銀行が同じことをやりたいと言った場合に、これだけのサービスを全部農協も地方銀行も今の銀行法でできるんですか。大臣、お答えください。
○国務大臣(竹中平蔵君) 常に私たちは両方の方からの批判をいただきます。一つは、地域のコンビニ、地域の郵政が、郵便局が全く成り立たなくなって消えてなくなるのではないかという御批判。もう一方は、今の福山委員のような御批判、地域の郵便局が物すごくいろんなことをやって、とてつもなく強く大きくなってしまうのではないかという御批判。答えは、しかしその中間を是非私たちは実現したいということに尽きると思います。これしか方法はありません。
 もう一つ、地域の、例えば地域の農協とか信用組合とかがやりたいと言ったらどうするのかという御批判ですが、ちょっと委員、済みませんが、混同があるように思うんですが、これはいわゆる窓口会社の話です。局の話です。局の話です。これは一方で、銀行というのは別にあるわけですね。比べるべきは、この銀行と農協等とを比べていただくんだったら分かりますけれども、これと窓口と比べるというのはいかがでしょうか。この窓口の中で、完全に民営化されたら地元の農協の預金を置いていただく、地元の信用金庫の預金を取り扱っていただく、これは正に競争で自由でありますから、これは地域の金融機関にとっても、この郵便局の窓口がいろんなことをできるということは実は非常に大きなビジネスチャンスになるというふうに私は考えております。
○福山哲郎君 今、中間を行くということが先ほどの適切にということと全く同じ答えだと私は思っておりまして、この民営化のスキーム、私は今反対も賛成も言っておりませんが、余りにも分からないことが多過ぎます。そして、余りにも国民をミスリードする可能性があるということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。


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