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2006

第165国会 参議院 教育基本法に関する特別委員会 2006年11月30日


復党問題、いじめ、タウンミーティング

○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。
 今日は安倍総理にお入りいただいての審議ということで、大臣の皆様も含めて御苦労さまでございます。
 先ほど鈴木委員も言われましたけれども、総理、本当に、別に参議院が衆議院と比べてというつもりはありませんが、参議院のこの特別委員会の審議、非常に中身の濃い審議をさせていただいています。伊吹大臣は本当に自分の言葉で語られて、我が党の案も非常に理解をしていただき、また教育の現状についての非常にバランスの取れた御発言をいただいておりまして、私も文科大臣としてこの時期に伊吹先生がいらっしゃること本当によかったなと率直に思っているところでございまして、安倍総理におかれましても今日は真摯にお答えをいただきたいとまずお願いを申し上げまして、スタートしていきたいと思います。
 タウンミーティングのけしからぬ話は後で私も少しさせていただきますが、まず、せっかく安倍総理がお出ましをいただいておりますので、国民の大変関心の高いことを一つ二つだけお伺いしたいと思います。
 昨年の郵政の選挙で、十二名の方が、無所属議員が、自民党を離党された方で当選組がいらっしゃった。そのうちの十一名が、一昨日ですか、復党を決めて、総理も了承されたということが報道で伝わっています。総理は当時、幹事長代理でもいらっしゃいましたし、あの選挙で全国を飛び回って選挙をやられました。総理としては、この復党を了解をされたことは、一体だれのための何の目的で復党を了解をされたのか、国民に御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、この判断はまずは自由民主党の総裁としての判断でございますが、今回、私が総理に、そしてまた総裁に就任し、そして総理に就任をいたしました。
 日本は、戦後六十年を超えて、ある意味では、戦後この六十年というのは還暦を超えたという、一つの世代が替わるわけであります。そして、新しい時代に向けて私は国づくりをスタートしなければならない。二十一世紀にふさわしい、新しい日本にふさわしいこれは国づくりを始めていきたい。そして、そのためには、基本となる、例えば今ここで御審議をいただいている教育の基本理念、原則を定めていく教育基本法の改正をしっかりと国会で成立をさせていただきたいと。そしてまた、例えば他方、防衛庁の省昇格法案についても御議論をいただいています。そして、中期的には憲法の改正についても更にこの政治的なスケジュールにおいて議論をしていただきたい。こういう大きな国づくりを進めていく上において、一人でも多くの方々に協力をしていただきたいというのが私の基本的な考え方であります。
 そして、それと同時に、やはり昨年の総選挙は、改革を進めるか否かを問うた選挙でありまして、その代表的な、これは正に我々この改革を進めていくかどうかのシンボルとして郵政民営化、是か否かを問うたわけでございます。まずは私、先ほど申し上げましたように、担い手を一人でも多く増やしていきたいという中において、私の基本的な考え方を聞いておられるから私もこうして述べているわけでありまして、多少の時間は掛かるわけでありますから、おかしをいただきたいと思います、大切なことですから。
 そして、その中で、やはり今申し上げましたように、昨年のこの総選挙の意味は重たいわけでありますから、この郵政の民営化について、これはやはり賛成ということは明確にしていただかなければならない。昨年の我々が国民の皆様にお約束をした政権公約について、これはやはりすべて賛同していただく、その中には郵政の民営化も入っているわけであります。そして、当然、私がこの政権において出しました基本的な考え方、所信表明についても当然すべて賛同していただく。そしてまた、それはやはり、これはある意味では書面でそれを提出をしていただく。それはやり過ぎではないかと言う方もいるわけでありますが、しかし、昨年の総選挙の意味は大きいわけでございましたので、そういうことをお願いをいたし、そして、それに賛同した方々においては、これは基本的に仲間として新しい国づくりに参加をしていただきたいという判断をしたわけでございます。
○福山哲郎君 総理がおっしゃるように、昨年の衆議院選挙の意味合いが大きいからこそ国民は、刺客、造反に関しては離党勧告をし、そこに刺客を立てるということをもって自民党に対する信頼感が醸成され、あの選挙、民主党は残念ながら敗北をしたわけです。まだ一年と二か月しかたっておりません。総理が言われた六十年云々という話は、実は去年も余り変わっておりません。
 この状況の中で、総理、じゃ、昨年の郵政選挙の、自民党が離党勧告をし、刺客を立てて、候補者を立てて戦ったというやり方自身が誤りだったというふうにはお認めになりますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、新しい国づくりをスタートしたい。つまり、この九月二十六日に私の内閣がスタートしたわけでございます。そして、私の内閣において新しい国づくりの方向を示した、それが私の所信表明であります。そしてまた、私の首班指名に対して、私を支持したい、そしてこの所信表明を支持をしていただく。当然その中には、郵政の民営化についてもこれは賛成をしていただかなければ、当然この郵政の民営化を進めていくということも書いてあるわけでありますから、当然それも含めて同意をしていただく方ということに限ったわけであります。
 ですから、昨年反対をされた方々は、選挙の結果を受けて、やはり郵政の民営化を進めていこうという考え方に至ったわけであります。その中において、政党でありますから、郵政の民営化の問題だけではなくて、あらゆることにこれは政党は取り組んでいくわけでありますし、私の政策も当然これ多岐にわたっているわけであります。それについて御賛同をいただき、一緒に汗を流していただく、こういう覚悟を決めてもらったわけでありますし、そしてまた、昨年この方々が議場において反対をしたこの郵政の民営化の問題についても賛成をするということをはっきりと示された、これは大きなことだと思いますよ。その判断を、政治家としてそれぞれの方々が決断されたわけでありますから、当然今後は我々一緒になって新しい国づくりに汗を流していきたいと、このように考えています。
○福山哲郎君 正に今、安倍総理が言われた郵政の民営化だけではなく、政党というのはいろんな政策を議論します、国民に訴えます。それを、郵政の民営化一点で自民党はその復党された方々を排除して、そして刺客を立て、戦われたわけです。もし安倍総理の言われるように、自分が総理になって新しい国づくりをやりたいというなら、この郵政民営化の方々を再入党、復党させると、もう一度審判を仰ぎたいというのが安倍総理としての憲政の常道なのではありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは福山委員のお考えであって、私はこれから、正に内閣を組織したばかりであって、この国会で御議論をいただいている様々な重要な法案があります。来年度の予算編成があります。しっかりと仕事をしながら成果を出していく、それが私は当然先ではないかと。そのためにも、そのためにも、多くの仲間に一緒に協力をしてもらいたい、その気持ちで今回判断をしたわけであります。
 いずれにせよ、そうした判断を含め、いつの日にかは国民の皆様に審判を仰ぐ、これは当然のことであります。
○福山哲郎君 もう一点お伺いします。
 教育基本法、今審議を、本当に充実した審議をさせていただいておりますが、総理が外遊をされるというふうに承っております。十一日から十三日までASEANの首脳会議に出掛けられると。それは首相の外交として重要な仕事だと思いますが、この外交日程に合わせてこの教育基本法の採決等の影響されるようなことはないように、総理として、これだけいい審議をしておりますので、総理として是非それは指示を出していただきたいし、その外交日程には審議は関係ないというふうに総理にお認めをいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員会の運営は、委員会で是非御判断をいただきたいと思います。
○福山哲郎君 分かりました。じゃ、委員会の運営は委員会で御判断ということで、総理の指示等は出ないということでございますね。外交日程にも影響されないということを認めさせていただきたいと思います。
 それでは、本当は私、いじめの問題とかやりたいんですが、これはタウンミーティングの話があるのでちょっとやらなきゃいけないんですが、少しだけ聞いてください。
 伊吹大臣、いじめの問題、昨日も再生会議で提言が出ました。私は、早い対応だったと思いますし、再生会議がこういう具体的なものを出されるというのは、国民に意識を喚起する上においても大変重要なことだと思っています。
 いじめの場合に、よくいじめる側の、加害者側の議論がよく出ます。基本的には登校停止のようなことは昨日、提言の中に出てきませんでした。私は実は伊吹大臣とほとんど同じ考えでございまして、一体登校停止をすることに対する厳しい処分がいいのか悪いのかというのは非常に微妙なことがあると私は思っています。
 いじめというのは、今文科省のいじめの定義は、何回もこの委員会で議論されていますが、弱い者、弱い立場の者だというのが定義にあります。しかし、「自分より弱いものに対して一方的に、」とか、「身体的・心理的な攻撃を継続的に加え、」とか、「相手が深刻な苦痛を感じている」というのが基本的にいじめの定義なんですが、これ実は、自分の意見をしっかり言えて、強い子ほどいじめられるようなことも今現場では散見をされています。例えば、帰国子女という方は自分の意見がはっきり言えると、それで、あの人ははっきり言えるからといっていじめの対象になる。それから、よく言われるように、学力や体力や発言力が相対的に弱いからいじめられるとは限らない。これもよく議論出ていますが、あの子はメールの返事が遅いからいじめようと言った瞬間に実はいじめの対象が変わる。つまり、学校の中でだれがどの瞬間にいじめる側になるのか、いじめられる側になるのかが非常に不確定な状況になっていて、我々が子供のころ餓鬼大将がいてみたいな状況では実は今の状況違うんですね。そこが非常にこのいじめの問題の複雑さを表しています。
 じゃ、傍観者がいけないと、いじめはみんな止めようよと言いますが、例えばみんながいじめに入っているときに、たった一人だけいじめるななんて言った瞬間にその子が今度は瞬間的にいじめられる側になります。いじめを傍観をしている子供たちが嫌な思いをしているかしていないかというと、これ多分みんな嫌な思いをしているんです。しかし、自分がいじめられる側になることに対する恐れの中で、非常にぎすぎすしたというか、非常にある種のストレスの中に子供たちがいていじめが展開をされていると。勇気を持っていじめを止めろと言うのはたやすいですが、なかなかそうはいかないと。
 もっと言えば、大臣、これは大臣がよく言われることで、私は本当に同意しているんですが、学校側もそうなんです。校長先生は声高に、いじめはあってはならないと言います。いじめはあってはならないのは当たり前なんですが、あってはならないイコール自分の学校ではいじめはないはずだという話になります。あってはならないと言っている限りは、自分の学校でいじめがあったら報告するの嫌になりますよね。報告したら自分の評価が下がるんじゃないか、これも大臣も認められていることです。つまり、基本的にはこういうぐるぐる回りの中でいじめが起こっています。
 加害者側の問題です。加害者は確かに悪い。私は、いじめる方は悪いと思います。しかしながら、そのいじめる側の子供たちもどういう状況に今置かれているのかをよく見なければいけません。厳罰に処すからいじめちゃいけないなんと言うだけで変わるかというと、そうではない。
 例えば、父親とか母親から虐待を受けている子供は、どちらかというといじめる側に回ります。それは、自分のストレス、抑圧されているものを学校へ行ってある種、晴らす。更に言えば、いじめることによって集団で一体感ができます、この子をいじめることによる。つまり、いじめによるある種の見掛けの団結みたいなことがあって、そこに子供たちがある種の安心感みたいなのを感じたりすることもあります。いじめによる、もちろん家での虐待等の気晴らし等があって、実は複雑な状況がたくさんあって、特に中学ぐらいの、知識が高くなればなるほど、教師が命を大切にとかいじめが悪いと非常に単純化して言えば言うほど、何を言っているんだという気持ちに、子供たちが反発することも今の現場ではあると思っています。
 つまり、そういう、よく安倍総理も言われますが、規範意識、規範意識と言いますが、規範意識を持て持てと押し付けて子供たちが実際持つのか、そうじゃないと私は思っています。それは、持たなければいけないのは分かりますが、例えば、元気に、笑顔に、大きな声で、それはいい子の見本でしょう。でも、子供たちによっては元気な声を出せない内向的な子もいます。そういう状況の中でいじめが行われていると。
 私は、今処方せんをここで提示をして、例えば総理や大臣に答弁をもらおうと思っているわけではありません。しかしながら、一方的に、例えば加害者を厳罰化をすればいいのではないかというような議論には私はくみする気はありませんし、非常に複雑な社会現象の病理として加害者側にも被害者側にもいじめという現象が現れているということについて、御認識というかお認めをいただきたい、若しくは私の今日の発言について何か御発言をいただければと思います。総理、大臣、両方からいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このいじめの問題については、実は我々が子供のころからそんな単純な問題ではないんだろうと、こう思うんですね。いじめている方がいじめられる方に替わることもありますし、また、いわゆるちょっとしたからかいが、それがエスカレートしていくということもあるんだろうと、このように思います。そしてまた、いじめの中心になっている子供も様々であろうと、このように思いますから、もちろん単純化はできないんですが、しかし今起こっているこの現象を何とか食い止めなければならないと、このように思います。
 そこで、例えば、では先生が子供たちにいじめはやめようということを言ったって、そう簡単には止まらないかもしれない。しかし、先生がそれを、そういう問い掛けを子供たちにするということは、私は影響が、子供たちに対して効果がある場合もあると私は思っています。私の経験からいっても、例えば小学校段階、中学校でも、中学校一年生段階では先生の言うことに耳を傾けて、これは先生にもよるんだろうと思うんですが、実際にいじめがあって、君たちもうやめようよということを先生が指導する、これはやはり私は大切なことだと思いますから、それは直ちにやってもらいたいと思っています。
 また、規範意識の問題ですが、規範意識を持てというのはこれは当たり前のことですから、これは、規範意識を持てと言っても、すぐに、そう簡単にはいかないというのはそうだと思いますが、しかしそれはやはり、規範意識というのは大切であって、これが軽視されてきたからこそ私が今あえてこう申し上げているわけであって、どういう規範意識の大切さを教えていくかについては、これはやはりその現場現場での工夫、先生の工夫と、やはり先生が御自身の正に教師としての人格をもって教えていくことになるんだろうと、こう思うわけでありますが、確かに単純ではありませんが、しかし、例えばいじめた子に対する対応の問題でありますが、再生会議でもいろんな議論があったと聞いています。しかし、それは確かに、単にいじめた子を排除するということではなくて、それはもう何回も何回も注意してそれでもなおというときには、そのことも可能にするということも検討してみようではないかという議論があったというふうに私は聞いています。それもめったに使わないことではありますが、そうなるかもしれないというぐらいのことをやっているんですよということを認識させるという意味においては効果があるのではないか。
 だから、議論が何かとても単純なことを言っているかのごとくの報道が私はなされているのではないかと思います。現場においてこのいろいろな経験を積んだ上で、悩んだ上でのいろんな御議論があり、いろんな御意見があり、それを基に再生会議で議論をしている。
 また先ほど、学校現場でいじめはあってはならない。これ、あってはならないというのは、いじめというのはなくさなければいけないという意味であって、しかしどこでも起こる可能性があって、この起こっていたことを恥じるのではなくて、それに対応しなかったことを恥じるべきだということを我々も再三申し上げているわけでありまして、それにすぐに対応することが私は大切ではないか。隠ぺいするのではなくていかに対応したか、そして対応してもしうまくいったのであれば、その例をみんなで共有していくことも私は有意義ではないかと思います。
○福山哲郎君 大臣、重ねてお答えいただきたいんですが、そのいじめの定義の再検討は委員会でもう検討していると、池坊副大臣の下の有識者会議でやっていると伺っているんですが、再生会議はあんなに早く出てきたんです。実は副大臣の下の有識者会議は二回しかまだ会議しておられないみたいで、是非このいじめの定義の再検討について、年限を切って早く文科省から、こういうふうにいじめの定義変えたよ、こういうのがいじめだよということのメッセージを出していただきたいと。これは大臣に対する要望でございますが、重ねてお答えいただければと思います。
○国務大臣(伊吹文明君) 再生会議は提言をしておられますが、文部科学省はそれよりずっと早く、私もアピールを出しておりますし、各教育委員会にあれと同じ内容の通知をいたしております。
 ですから、再生委員会は別にいじめの定義をなさったわけじゃないんですよ。これは、先生がおっしゃっているようなお立場で、このいじめている者、いじめられている者、双方を考える方もおられます。しかし、ここで御質問の中では、いじめている方が一方的に悪いという立場に立って物事を運ばないと駄目だよという御意見もあったことは、ずっと御出席になっているから聞いておられると思います。千差万別なんですよ。先生はもうどう思っておられるか分からないけど、私は非常に弱い立場として御質問を受けているなと私は感じているわけですよ。ですから、これはやはりその現場現場の教師あるいはその御家庭、地域社会、その人たちがみんなやる気を出して子供をこのいじめから救っていくと。
 だから、定義もこれは非常にやっぱり難しいです。それは今度新しい定義を作ったって、またそれについて違うよっていうのは出てきますよ。けんかなのかいじめなのか分からないんですよ。強い立場の者がいじめられるとおっしゃるけれども、いじめられている者は弱い立場だという前提で考えませんと、どんなにけんかが強くたっていじめられている者はやっぱり弱い立場だということじゃないでしょうか。
○福山哲郎君 大臣は御理解いただいていると思いますが、定義については見直しをしていただいて、なるべく早く作業していただきたいと思います。
 タウンミーティングに行きます。
 お手元にお配りをいたしました。どうぞ配ってください。
   〔資料配付〕
○福山哲郎君 お手元にお配りをした資料は、実はタウンミーティングのまあいろんなことが全部凝縮されたものでございます。まだお手元に行ってないかもしれませんが。最初は、実は山形のタウンミーティングでございますが、これはいわゆる動員の要請の問題でございます。私は文科省に、内閣府にも同様ですが、動員の要請についていろんなことしたんだったらそれを持ってこいと言ったら、ありませんと答えたのに、昨日、理事会にこれが出てまいりました。このことも含めて私はちょっとけしからぬと思っておるんですが。
 まず一番上が動員でございます。山形の場合には内閣府から県の総務部政策企画課に依頼があって、七十名の動員をお願いをしたというのが一枚目。
 二枚目、見ていただけますでしょうか。二枚目はいわゆる座席指定でございますが、大分の場合の座席指定、いわゆるやらせ質問をする人間に対する座席指定でございますが、裏をめくっていただきますと、何と御丁寧に座席表まで付いて、そして番号まで振ってあるという至れり尽くせりの状況でタウンミーティングの環境がつくられています。
 三枚目を見ていただきますと、これは実は大問題でございます、総理。広く国民の意見を聞くと言われてタウンミーティングが存在をしたと。更に申し上げれば、さきの国会では、前の大臣は何度も、タウンミーティングがあったので、国民の声を聞いたのでこの教育基本法を提出をしたという答弁が何回もありました。
 これ見てください。わざわざタウンミーティング島根の参加者が内閣府まで来訪して、当日に発言をしたいとお願いをされたと。その方は、実は、他の発言者との公平を期すため特別扱いはできないので、当たるかどうか確証はできませんというふうに本人に説明はしてあります。なお、今回は特に発言者の振り付けは行っていません。
 要は、内閣府の感覚でいうと、やらせの質問は振り付けをしている感覚なわけですよ。内閣府に直接行っている方が発言をしたいと言っているのに、この方には公平を期すため特別扱いをしていないと。やらせの答弁をした人は不公平じゃないんですか。
 総理、これどう思います。当時総理は官房長官でいらっしゃいました。責任者でいらっしゃいました。この対応をどうお考えになられるか、御発言をいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この二〇〇五年のこの三月二日の件でございましょうか。二〇〇五年三月二日の時点では私は官房長官ではございませんが、いずれにいたしましても、こうした問題も含めて、先ほど来答弁をいたしておりますように、しっかりと、今までどういう問題があったか、すべてのタウンミーティングについて調査を行い、国民の皆様に明らかにしていきたいと思っております。
○福山哲郎君 官房長官であったという発言は訂正をさせていただきます。失礼をいたしました。
 もう一点、これ答えてくださいね。この人は結局タウンミーティングで発言できましたか。
○政府参考人(山本信一郎君) 現時点で確認が取れておりません。分かりません。
○福山哲郎君 もう一回聞きます。発言されましたか。
○政府参考人(山本信一郎君) 現時点で確認取れておりません。
○福山哲郎君 昨日私が確認をしたら、発言していないと答えられたんですけれども、文科省は。何で答弁変わったんですか。
○政府参考人(山本信一郎君) 私、内閣府の官房長でございますが、私、現時点では確認、私自身は確認しておりません。
○福山哲郎君 じゃ、文科省、どうですか。
○政府参考人(金森越哉君) お答えを申し上げます。
 このメールにつきましては、私ども、一般的に申しまして、参加を申し込まれた方からあらかじめ質問をいただいたようなときに、想定を準備することがございますものですから、こういったメールがあるのかどうか、また準備をしたのかどうか、関係の者に確認をいたしましたのでございますけれども、当事者の記憶がはっきりいたしませんで確認ができなかったというのが実情でございます。
○福山哲郎君 昨日、内閣府が私に、この方は答弁していないと、発言していなかったと答えられたんですが、今、二者違うんですが、答え。
 ちょっと、このことについてちょっと確認してもらえますか。どっちでもいいです。内閣府、どうぞ。
○政府参考人(山本信一郎君) 申し訳ありませんが、私、質問取りに行った者から今福山委員の御指摘の点については、私自身はちょっと承知をしておりません。聞いておりません。
○福山哲郎君 文科省はいかがですか。
○政府参考人(金森越哉君) 私どもの方では、このメールに児童生徒課の方で想定を用意して対応することになりましたと、こうございましたものですから、そういったことについて確認をしたのでございますが、当日、その発言したかどうかというところについては、私どもでは確認をいたしておりません。
○福山哲郎君 昨日、私の部屋にどう答えられました。
○政府参考人(山本信一郎君) 調べまして御報告します。(発言する者あり)
○福山哲郎君 いいです、もうこんなことで引っ張っていてもしようがないですから。
 これ、発言していないんです、されていないんです、結局、と答えられたんです、昨日は。要は、当たるかどうかは不公平だと言って結局発言もしていない。発言の振り付けは行っていませんという言及があること自身、これはやっぱりひどいんですよ。なおかつ、この方が内閣府までわざわざ来たことに対して、「事前意見などを参考にして、当たった場合に備えて児童生徒課のほうで、想定を用意して対応することになりました。」とまで書いてあるわけです。これ、広く国民に聞くというような話では全くないです。
 いいですか、これ何で幾つかのものが全部今日の資料に含まれているかというと、動員をしています、参加者はちゃんと事前にチェックをしています、やらせ質問のお願いをしています、そしてなおかつ、発言をしたいということに対する言論の封殺もしています。これが一体、何が国民に開かれたタウンミーティングなんでしょうか。完全に全部でき上がったものではないんですか。
 総理、どういうふうに思われます、この状況を見て。調査をして答える、遺憾だというのは分かりますが、このことを前提に、教育基本法は国民に広く意見を聞いたからという発言が何度も前国会では出ているんです。さすがに伊吹大臣はそのことは、この委員会ではおっしゃいませんが。どう思われますか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この教育基本法については、中教審においても長い間議論がなされました。いろいろな関係の団体からの意見の聴取も行っています。また、もちろんこれは与党のことでありますが、与党内において相当な議論が行われてきたのも事実であって、そしてこの国会において、衆議院において百時間を超える議論がなされているわけでありまして、そういう意味では国民的な議論が私はなされていると、こう思います。
 その例としてタウンミーティングの例を挙げたと、こういうことでございますが、しかし、そのタウンミーティングにおいてあらかじめ質問を依頼をしたりという問題があったことは、大変これは遺憾なことであり、そのために、現在、すべてのタウンミーティングについて調査を行っているわけであります。
 また、動員等について言えば、例えば、出席者が少なければ、それはもう出席者が少ないというのがその事柄についての国民の関心の度合いというふうにこれは受け止めなければならないわけであって、あえて私は、当然、動員等はする必要はないのであろうと、このように思うわけでありますが、恐らく、これは役所側の方として、何とかこれは、せっかくやるからには人は埋めておこうと、こういうことであったのだろうと、このように思います。
 また、他方、言論の封殺というのは、そこまでは私はないと、このように思いますし、かなりの議論がなされたタウンミーティングもあります。出席者、大臣と相当の激しい議論がなされたタウンミーティングもございますよ、これは、幾つかのタウンミーティングにおいては。
 ですから、そういう意味で、すべて全くこれは出来レースであったということではなくて、例えば、活発な議論をしてもらおう、あるいはこういう事柄については特別に関心を持って行ってきた人たちには積極的な発言をしてもらおうと、そういう意図もあったのかもしれないと、こう推察するところもあるわけでありますが、いずれにいたしましても、このタウンミーティングは、国民との双方向の、正に国民へのこれは説明、対話の重要な場である、窓口であるという立場から、私は、今までの問題点は問題点としてしっかりと事実関係を把握していく、そのためには調査を行い、そして国民の皆様に明らかにし、本来の趣旨にのっとったタウンミーティングとして再開をしていかなければならないと考えております。
○福山哲郎君 それは、議論があったところはあるでしょう、議論がなければおかしいわけですし。
 更に言えば、私が申し上げているのは、その全体像がすべて仕組まれた話だったということを申し上げているわけです。動員の話もそう、さっきの入札の話もそう。なおかつ、こういう形で、発言をしたいという人に対しても公平性があるからみたいなことを言って、逆に言うと、やらせの質問は幾らでもオーケーをしていると。これは全体として全く信頼性に欠けるのではないかということを申し上げているわけでございます。
 私、実は、それぞれの教育委員会、全部ヒアリングをさせていただきました。学校政策課から主に学校関係者などに参加呼び掛けをさせていただいて取りまとめも行ったとか、七十名を集めたとか、市総合政策課から教育委員会に電話で要請をしたと、いろんなことをやって実は現場は苦労しています。
 そんな中で、これ八戸の市教委でタウンミーティングにかかわった方の処分が発表されました。これ、伊吹大臣が未履修の問題の処分が発表された佐賀のことについても、これはちょっと考えなきゃいけないということを記者会見で言われていると思うんですが、これタウンミーティングで処分をされたと。
 これ、けど、内閣府が各県の教育委員会にこんなお願いをして、無理やり走り回って結局この現場は処分をされているんですよ。こんなかわいそうな話ないじゃないですか。彼ら一生懸命言われたとおりやって動員をして、だれか探してくれと言われてやらせ質問の人探して、その人たちがみんなこれ処分されている。何なんだ、これはと。それで、内閣府は何をやっているかといったら、こんな何かでたらめな資料ばっかり出してきていると。これやっぱり大問題だと私は思うんですが、これ総理どう思われます。残念ながら官房長官いらっしゃらないので。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この問題については、ですから、どこにどういう責任があったかということについては明確にしなければならないわけでありますが、しかしそれは、この上司の指示あるいはそういう上からの指示で動いた人たちと、実際にこういうことをしなければならないと考えた人というのは、これはまたそれぞれどのような責任かということについては、まずは実態をよく把握してから判断をしなければならないと思います。
○福山哲郎君 全く答えていないですよ。
 上司の意思でどうなったかということで、彼らは内閣府や文科省から言われて一生懸命動いたんだ。これが実はこの教育基本法の肝の問題なんですよ。実態としては、こうやって教育委員会も学校現場も文科省から言われれば動くんだ。でも、大臣言われるように責任の所在ははっきりしない。だから、現場では処分が行われているけれども、文科省も内閣府も何も処分行われないじゃないですか。
○国務大臣(伊吹文明君) まず、福山先生、それはやはり何も行われていないということは公の話でおっしゃるのは不適当で、今までは行われていないんですよ。しかし、行わないとは言っておりませんよ。そして、八戸は私たちが処分権も何もない、人事権者の判断としてなされている。
 そして、塩崎官房長官がいれば官房長官がお答えするのが適当だと思いますが、文部科学省では既に、今総理がおっしゃったように、これはやった人間だけを処分しちゃ、これ大変なことになるんですよ。官僚機構というものはそうじゃないんですから。だれが了解をして、だれが指示したかということをきっちりと把握をさせています。そして、しかも、これは当時の担当者が替わっているわけだから、伝聞だけで人の処分を決めるわけにいきませんからね。みんなきちっと裏を取っているわけですよ。
 そして、それを今、塩崎さんのところですべてまとめておりますから、それが出た段階で私は私の判断をするということは再三ここで申し上げておるわけでしょう。だから、何か中央の役人は左うちわにしてて、現場で汗かいた人間だけが中央が処分をしたというような印象を持たれるということは非常に不本意ですね。
○福山哲郎君 その件については議論の余地はあると思いますが、現場ではこうやって内閣府や文科省から言われたことによって処分が行われている事実があるということだけはお認めをいただきたいと思います。
 それから、この間申し上げた、先ほどの藤本委員の議論に続きますが、入札の予定価格、この間、私には財務省の予定価格の事後公表においてのルールがあるから答えられないと内閣府はお答えになりましたけれども、財務省、このことについてちょっと御説明をいただけますでしょうか。
○政府参考人(松元崇君) お答えいたします。
 予定価格の事後公表についての御質問ということと伺っておりますが、これにつきまして、財務省といたしましては、平成九年の行政改革委員会最終意見におきまして、当面は予定価格の事後公表を積極的に推進していくべきであるという御提言がなされたことを踏まえまして、各省庁に対しまして、予定価格の事後公表の積極的推進についてという通知を行っております。その通知におきまして、他の契約の予定価格を類推させるおそれがないと認められる場合、事務事業に支障を生ずるおそれがないと認められる場合について、各省庁の判断により事後公表をしない取扱いをすることができるということにいたしておりますが、それは予定価格を公表することによりまして競争性が損なわれるようなものにつきましては留意が必要である、こういった趣旨で申し上げているところでございます。
○福山哲郎君 どうですか、内閣府。これ、財務省こう言っていますけれども、さっきの藤本委員の話によると、四百二十万の入札価格に結局一千万使われていて、その中身もむちゃくちゃだというのは分かりましたよね。類推もくそもないですよね、虚偽なんだから。これ、予定価格公表していただけませんか。積極的に予定価格、事後の予定価格の公表について推進していくべきという中で出てきた話で、これ、前提全部崩れているわけですから。これ、出すか出さないかはだれの判断かというと、財務省の判断じゃないんです、内閣府の判断なんです。内閣府の判断がなぜ出せないのかということを明確にしてください。この間は財務省のルールに基づいて出せないとおっしゃった。財務省は違うんです。これは内閣府の判断だと言っている。なぜ出せないかを言ってください。
○政府参考人(山本信一郎君) 先般、委員の御質問にお答えしたわけでございますけれども、財務省の方から、今主計局次長から説明がありました通知がなされております。それに照らして、もちろん内閣府の方で、我々の契約でございますので、私どもがその考え方に照らしてどうすべきであるという答弁をいたしております、という趣旨でお答えをしております。
○福山哲郎君 違う、違う。
○政府参考人(山本信一郎君) しております。
 それで、予定価格を明らかにすべしという再度のお話でございます。今、先ほど来のお話の中で、運営経費全体を見直していく、総量をやっていく必要があるという所存でございますが、国会の御審議ですとかあるいは調査委員会の調査を踏まえて検討していく必要があると思っております。
 そういったようなこれから検討していくという段階でございますので、現時点でこの予定価格を公表するというのは、やはり類推される可能性があるということからなかなか困難であるという具合に我々としては判断をしているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○福山哲郎君 全く理解できないんですが、内閣府の判断の根拠をちゃんと照らしていただいて予定価格を出していただかないと、先ほどの藤本委員のことも含めて全くここは明らかにされません。もうとにかくこのタウンミーティング、むちゃくちゃでございますので、総理、まだまだこの問題については議論を深めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 質問を終わります。ありがとうございました。


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