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2013

第183国会 参議院 予算委員会 2013年2月27日


○委員長(石井一君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、外交に関する諸問題についての集中審議を行います。
これより質疑を行います。福山哲郎君。

○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。よろしくお願いいたします。
まず、安倍総理、日米首脳会談、本当にお疲れさまでございました。予算委員会のさなかの外遊ということで、本当に総理は激務だと思っております。本当に御苦労さまでございます。また、五年ぶりの総理就任もおめでとうございます。
それぞれの閣僚の皆様におかれましても、本当に、閣僚就任、是非日本のために御健闘いただきたいとお祝いをまず申し上げたいと思います。私は、今日、実は四年ぶりの予算委員会の質問でございまして、いささか緊張しております。ひょっとすると与党ぼけをしているかもしれませんが、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
まず第一番目、中国艦艇によるレーダー照射事案についてお伺いをします。この問題は、私は看過できない点が多々あると思いますので、衆議院でも議論がありましたが、この場面でも質疑をさせていただきたいと思います。
まず、一月の十九日と一月の三十日、二回にわたって中国の海軍艦艇による火器管制レーダーの照射がありました。私は、当時は相当緊迫した状態が自衛隊員の中に走ったと思います。これは実は大変なことだと私自身は思っていて、小野寺防衛大臣が言われているように、要は、国連憲章の威嚇になるのではないかというような類いの問題だと思います。
まず、防衛省、お答えいただきたいんですが、当時の現場の状況はどういう具体的な状況だったのか、短めに結構ですから、お答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(黒江哲郎君) まず、一月十九日の事案でございますけれども、同日の午後五時ごろ、東シナ海の公海上で、警戒監視活動中の護衛艦「おおなみ」搭載のヘリコプターが飛行中に機内で火器管制レーダーの照射を受けた可能性があると、これを知らせます警報が鳴ったということでございます。同海域には中国海軍のジャンカイⅠ級のフリゲートが所在しておりまして、これからの照射が疑われる事案であったということでございます。
また、三十日の件は、午前十時ごろ、同じく東シナ海の公海上で、警戒監視活動中の護衛艦「ゆうだち」が同海域に所在しておりました中国海軍のジャンウェイⅡフリゲートから火器管制レーダーを照射されたということを艦内で探知をしたということでございます。
いずれの事案におきましても、先ほど委員御指摘のとおり、極めてこれは特異な事案でございますので、艦内、乗員は極めて強い緊張状態に置かれたわけでございますけれども、いずれの事案におきましても、機長及び艦長の指示に基づきまして状況を確認して適切な回避行動を取ったという、そういうことでございます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
今の御報告のように、当日の状況は、両事案とも警報が鳴り、特に一月三十日の事案にわたっては、私の聞くところによると二百人以上の自衛隊員がいたと。これ、ロックオンされている状況だというのは恐らく事前の自衛隊員のそれまでの訓練も含めて分かっていますから、警報が鳴る中での大変な緊張感だったと思います。どういう状況になるのかについては、先ほどお話がありましたように、適切に対処いただいたと思いますが、この自衛官の極度の緊張、相当だったと。
この事案の重み、それから自衛官のそれぞれの思い、それから、今も海上保安庁の船も自衛隊の船も日本海を守ってくれています。こういう事案があった後の自衛官の皆さんは、それぞれ本当に家族も含めて緊張して職務に当たっている。このことについて、まず安倍総理からお言葉をいただけますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回のこのレーダー照射については、中国側の意図については、これは定かではないわけでありますが、意図いかんにかかわらず、不測の事態を招きかねない極めて危険な行為であり、遺憾であります。
本件を受けて、速やかに外交ルートを通じて中国側に抗議をし、遺憾の意を表明したわけであります。さらには、再発防止を強く求めたところでございますが、ただいま福山委員が御指摘になったように、海上保安庁、そしてまた自衛隊、海上自衛隊、また、空もそうなんですが、航空自衛隊もそうなんですが、相当この厳しい緊張感の中で本当によく任務を遂行してくれていると、このように思います。そういう中において、中国には二度とこうした行動を取らないように申し上げたいと、このように思います。強く抗議をしたいと思います。

○福山哲郎君 中国の意図については後でお伺いをいたしますが、この一月十九日の事案については、もうこれまでも報道ありましたように、翌日に総理に報告が上がっているはずです。一月の三十日の事案については、何と総理に報告があったのは二月の五日。これは、遅いというよりも何をしていたんだという話です。
このことはそれなりの理由をつくられていますが、しかし、先ほどの緊張関係のような事案があったことをなぜ総理に報告できないのかと。これは私は大変問題だと思っておりまして、防衛大臣、短めに、これまでもこの話については伝わっておりますが、一応御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(小野寺五典君) 今回、一月十九日に初めてのヘリコプターに対しての事案がございました。三十日に、今度は我が国艦船に対しての事案がございました。その後、私どもに最終的に報告が来ましたのは、一月十九日の場合には、これはすぐに入りましたが、一月三十日の場合は二月五日に私どもに報告が参りました。
この間の経緯につきましては、私どもは、しっかりとしたデータを取って、情報を取って確実なものとしてということで事務方の方には指示をしておりましたが、後、国会でも総理が、私どもに御指示がありましたが、今後はこのような事案がありましたら速やかに私ども政治レベルに上げるようにという今指示をさせていただいております。

○福山哲郎君 こんなものは、指示があるもないも、すぐに報告しなきゃいけない問題じゃないんですか。先ほどのあの緊張感の話というのは本当に大変なことだと僕は思いますよ。指示するとかしないとかの話じゃないでしょう。通常の指揮命令系統でこういったものは上げなきゃいけないと私自身は思っているわけです。
私は、実は小野寺防衛大臣とは松下政経塾の同期です。私は、こういうやり取りをしていること、お互いが違う立場とはいえ、本当に時間もたったし、長い付き合いですからよく分かっていますが、ただ、大臣の人柄も信じていますが、こういうときですので少し厳しく言わせていただきたいと思います。
要は、これ、五日間も掛かると中国側にも国際社会にも日本は言ったんですよ、その証拠をしっかりと固めるのに。そのこと自身がまず外交的には課題だと、そして報告が遅れたことも課題だと、そう思うんですが、大臣、どう思われますか。

○国務大臣(小野寺五典君) 温かいお言葉、ありがとうございます。
一月十九日に報告があったときには、これはもう私ども大変なことだと思いましたが、本当にこれは間違いないのかと、非常に特異的なことですので間違いないのかということを確認をさせていただきましたが、実はその時点ではしっかりとしたデータ、情報が我が方では記録をすることができておりませんでした。三十日の時点で記録を取ったということだと思いますが、私も後からちょっと事務方にお伺いすると、残念ながら、やはりしっかりとしたこれはデータを解析した上で報告しようということで私どもに上がってきたと思っております。
今後このようなことがないようにしっかり私ども指摘をしていきたいと思っておりますが、ただ、一つお答えをさせていただきたいと思えば、実はこの日程については、確かに、遠隔地にあってデータを運ぶ手段がほかになかったということで、今回は艦船を使って運ばせていただきました。そして、しっかり私どもとしては分析をさせていただきましたが、ただ、是非知っていただきたいのは、非常にこれは、例えば対外的に抗議をするにしても大変重い課題になります。ですから、最終的には、しっかり情報を分析して証拠をしっかり固めてから私どもとしては対応させていただくということだと思っております。

○福山哲郎君 実は、防衛省、二月五日の資料は何て書いてあるかというと、一月の十九日はレーダーの照射が疑われる事案が発生していると。これはヘリに対するレーダー照射ですから、なかなか特定しにくいというのは私分かるんです。
でも、黒江さん、あれですよね、船同士は、照射されているというのは、これは完全に分かりますよね。先ほど言っているように、二百人の船員が乗っていて、そして大変な警報が鳴っていると。これは証拠もくそもなくて、現場の自衛隊員からいえば、先ほどの話のように大変なリスクだという感じなわけです。そのことについて総理に上がってこない。ましてや、証拠調べだといって、そのことに対して何日も掛かる。
これ、黒江さん、あれですよね、艦内の船員、現場は、完全にそのことは理解していますよね。

○政府参考人(黒江哲郎君) 当日の状況等々につきましては、委員御指摘のとおり、艦内におきましてレーダー照射が探知されているということは当然理解をされておるわけでございます。他方、先ほど大臣から御答弁申し上げましたけれども、外交的な手段を取るということの前提として、極めて確度の高いデータであるということを検証するということも我々必要だというふうに考えまして、そういう意味で、私のところでこれについてまず判断をした上で御報告をしようということで判断をしたところでございます。
その件については、先ほど来大臣からも御指摘ございましたけれども、今後速やかな対応をするようにということで、その指示に従ってまいりたいというふうに考えております。

○福山哲郎君 まさに、十九日の事案があってちゃんとしっかり証拠を固めろと言われたから、あつものに懲りてなますを吹いた状態なんですね。イロハのイじゃないですか、これは。大変なリスクなんですよ、これは。
それともう一点。このことについては、これを言っても水掛け論になりますが、今後こういうことがないようにしっかりと対応していただきたいと思いますが、防衛大臣、いかがですか。

○国務大臣(小野寺五典君) 総理の御指示もあり、しっかり対応させていただきたいと思います。

○福山哲郎君 総理の御指示じゃないんですよ。あなたの職務としてそれはやらなきゃいけないんですよ。総理に上げるなんていうのは、指示じゃないです、当たり前の話なんですよ。そこがそもそも間違っている。
もう一点。今回の二つの事案がありましたが、防衛省が把握している限りで同様の事案は過去にありましたか、防衛大臣。

○国務大臣(小野寺五典君) 私どもとしましては、総理に上げ、そして公表するような特異的な事例は過去にないというふうに思っています。

○福山哲郎君 これは重要なんですけど、二月七日のある報道で、政府関係者が、当時の野田首相や岡田副総理に、こういった事実があったけれども、野田総理や岡田副総理は日中関係を悪化させたくないとの判断で公表を避けたという報道が出ました。これ政府関係者が語るといって報道が出たんですね。しかし、今防衛大臣が言われたように、過去においてそういった特異な事案はないと。これまさに、遅れたということの批判を避けるために民主党政権ではこのことの公表を遅らせたと政府関係者が言ったとしたら、リークしたとしたら、これゆゆしき事態だと僕は思いますよ。
この関係者について、官房長官、特定はされる努力はされましたか。

○国務大臣(菅義偉君) 新聞の記事に対して、一つ一つ私どもで捜査するということはしておりません。

○福山哲郎君 僕は、このことを官邸がやったなどということを邪推してここで決め付ける気は毛頭ありません。しかし、こういったことが度重なれば、安倍政権自身のいろんな記事に対しても不信感が起こります。私は、その関係者を調べ上げて何とか首を出せとか、そんな下品なことも言うつもりはありません。しかし、官房長官、この問題は、民主党政権であっても、民主党政権であっても、一国の総理と副総理の判断をこういうふうにリークをした政府関係者がいるというのは、これ情報操作でいうと大変な問題です。
このことに対しては厳しく注意喚起をしておきたいんですが、官房長官、いかがですか。

○国務大臣(菅義偉君) 私どもからそうした情報を出すということは、これはあり得ないことであります。それは、民主党政権であっても私どもの政権であっても、新聞というのは真実に基づいて報道すべきだろうと思います。

○福山哲郎君 ただ、政府関係者が複数にわたって発言していると新聞に出ているということは、政府の関係者ということは、官房長官、責任があるということなんです。だから、そのことについて注意喚起をするので、どうですかとお伺いをしています。

○国務大臣(菅義偉君) 私どもの現政府でそうしたことは私はあり得ないと思っておりますし、そうした新聞報道というのは、これ、委員も副長官やられました、当時、事実と異なることもたくさんあったんじゃないかなというふうに思っております。ただ、私どもはそうしたことが絶対にないように気を付けなきゃならないということは当然のことであります。

○福山哲郎君 さっき総理がお答えいただいたことについて、もう一度お伺いします。
二回続けて、国連憲章上、武器による威嚇とも取られかねないようなゆゆしき事態が日中間で起こっています。総理のお立場上、答えられないというふうに私も考えますが、しかし、例えば本当に一部の軍の跳ね上がりが突発的にというか偶発的にやったものなのか、どのレベルかは別にして、何らかの統一した意思、指導に基づいて行われたと考えるか、これは非常に重要な要素です。
このことについて、総理自身はどのようにお考えになられますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この事案については、このレーダー照射は二回にわたり行われたわけでありまして、しかも極めてこれは偶発的な衝突も招きかねないものであります。
我が方の自衛艦は、自衛隊は極めて冷静に対処したからこういう状況で推移をしたのでありますが、でありますから、我々としては極めて厳しく抗議を申し入れたわけでございますが、先方の意図については、これはなかなか推測するのは難しいんですが、しかし二回続けて起こったということは我々は極めて深刻に受け止めたところであります。

○福山哲郎君 極めて深刻に受け止めると言って踏み込んでいただいたので、それで結構です。しかしながら、この問題については、本当に私は、なかなか課題としては大きいと思っております。
一方、一月の十九日のレーダー照射については総理には報告が上がっています。そして、連立与党を構成されている公明党の山口代表は一月の二十二日から訪中をされています。このことについて、山口代表に、このレーダー照射事案があったということについては、安倍総理は山口代表にお伝えをされましたか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私と山口代表の言わば詳細なやり取りについてちょっとこの場で申し上げることはできませんが、しかし、山口代表が与党の立場として訪中するに当たりまして、その状況での、足下での日中の状況、あるいは尖閣をめぐる状況について私の方から私の考えも含めてもちろんお話はさせていただきました。個々についてどういう話をさせていただいたかということについては差し控えさせていただきたいと思います。

○福山哲郎君 今非常に難しい表現をされました。
このレーダー照射事案という非常に大きな課題が一月の十九日にあったことについて山口代表にはお伝えをされましたかとお伺いしました。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 個々の事柄については、これは私と山口代表、党首同士の話でございますから、この場でお話をさせていただくことは差し控えさせていただきたいとは思いますが、訪中するに当たりまして、現下の情勢についてはお話をさせていただいたということでございます。

○福山哲郎君 そのことに、言いにくいのも私も分かりますので、これ以上は突っ込みませんが、しかし、僕は山口代表が中国を訪中されたことをとやかく言っているわけではありません。ましてや、今の日中、懸案事項を抱えている、そのことは民主党政権も一定の責任を負っていると思います。前の政権も一定の責任を負っていると思いますから、そのことに対して日中の戦略的互恵関係をしっかりともう一度立て直すために山口代表が行かれたことは僕は理解をしています。
しかし一方で、総理は親書を渡されています、習近平主席に。この事案を理解しているにもかかわらず親書を渡されています。何らかの外交ルートでこの山口代表の訪中に対して政府側からこの問題について、別に山口代表に私は主席との会談で面と向かって言うなどという、そういう私は外交的には余りないような状況を求めているわけではありませんが、このことについて何らかのメッセージを出したという経緯はおありですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この十九日の事案については、先ほど防衛大臣から答弁をさせていただきましたように、これは中国側の照射であるということについて、我々が完全にその段階では、十九日の段階では、我々、言わば証拠として証明するということができるという状況ではなかったということもございました。
そういうことも含めて、当時、現下の状況についてお話をさせていただいたと、そういうことも頭の中に置きながらお話をさせていただいたということでございます。

○福山哲郎君 私は、その事情は理解をしますが、一方で、十九日に照射があった、山口代表が行かれた、総理からの親書もあった。もし中国が、仮定の話ではお答えにくいかもしれませんけれども、何らかの意図があったとしたら、三十日に、本当に日本は何も抗議してこないのかどうかも含めて、もう一度、実は二回目のことにこの流れがつながったこともあり得るなと思っているわけです。つまり、この二回の事案が起こったこと自身が、本当に適切な対応だったのかどうか。そして、先ほど総理は速やかに抗議をしたと言われました、速やかにと。
防衛大臣、あなた、二月五日に公表するときに会見の時間をずらしましたよね、十七時四十五分から七時に。何でずらしたんですか。

○国務大臣(小野寺五典君) 五日に報告がありまして、その後、総理を含めて御相談をし、外務省と相談をし、最終的に公表して抗議をするということになりました。
当初の会見の時間、これはたしか五時半ぐらいに予定をしていたと思うんですが、この時点では、この抗議という方法が、日本の中国大使館、中国の日本にある大使館に我が省の方から大使を呼んで、そして抗議をするという事案で行いましたが、その後、やはりこのような重要な事案ですので、北京においても抗議をするべきだということで、北京の抗議を待って最終的に公表をさせていただきました。その点、ちょっと時間がずれてしまいました。

○福山哲郎君 大臣、駄目だよ、余りそういう、少し違うことを言っちゃ。
五時半ぐらいに、外務大臣、抗議どういうふうに行われましたか。

○国務大臣(岸田文雄君) 当日の抗議、五時半ごろ、外務省中国・モンゴル第一課長から在京中国大使館参事官に対して抗議を行いました。その後、北京におきましても、十八時二十分ごろですが、在中国大使館次席から中国外交部アジア司長に対して抗議を行いました。

○福山哲郎君 これ、私の聞き及ぶところによると、中国・モンゴル課長から在京中国大使館参事官に電話で抗議しているんですよ。電話ですよ、総理、この事案で。こんなの速やかにじゃないんですよ、ばたばたなんですよ。記者会見を決めて公表すると、抗議していないと、抗議してからだと、連絡取ろうと思ったら連絡取れないと、じゃ、とにかく電話で抗議しておこうと。これが十七時四十五分の会見が十九時にずれたんです。これ、速やかに抗議をしたとかきっちりと抗議をしたというレベルの抗議じゃないんですよ、総理。

○国務大臣(岸田文雄君) 外務省中国・モンゴル第一課長の抗議は、電話ではなくして、外務省に招致して在京中国大使館参事官に抗議をしております。

○福山哲郎君 さっきの大臣の答えとも違うんですけれども、要はどちらにしても課長レベルなんです。(発言する者あり)あっ、違うの。
とにかく、私が言うのは、じゃ、電話じゃなければ電話じゃなくても結構ですが、この事案で本当に課長レベルでいいんですか。私から言うと、このときの対応は、公表した、会見しようと、でも抗議していないと。本来なら、先ほど私が申し上げたように、きっちりと対応しなければいけないのを二月の五日まで遅れた、そして状況によっては二度もこういうことが重なったと、そしてこの結果、実は抗議のレベルも最初は課長レベルだったと、こういう話だと思うんですけれども、総理、どう考えられますか。

○国務大臣(岸田文雄君) 二月五日の抗議につきましては先ほど御報告したとおりであります。それに対しまして、中国側が日本側が公表した事案の内容は事実に合致しないとする立場を表明しました。それを受けまして、私の指示によりまして、河相外務事務次官が程永華駐日中国大使を外務省に招致して、こうしたこの説明は全く受け入れられないと、レベルを上げて強く抗議をしております。

○福山哲郎君 そんなことは聞いていないですよ。最初の初動の速やかに抗議したということと、そのレベルがこのレベルでいいのかということを私は総理に聞いているんです。

○国務大臣(岸田文雄君) 二月五日の抗議は、速やかに抗議する、こうした抗議の方針、これの下に最適の方法を選択したと考えています。

○福山哲郎君 これも水掛け論になりますが、現実はそういった状況だったということです。
二点目。これ、自衛隊ですけれども、自衛権の発動の要件は、現実の問題としていえば、我が国に対する急迫不正の侵害であること、この場合に、これを排除するために他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまること、これが自衛権の発動の要件です。今回は、レーダー照射はされたけれども目視をしたら砲口が向いていなかったということで、回避行動を自衛隊は適切にしてくださいました。本当に大変だったと思います。
でも、この状況では、部隊行動基準を見ても、見てもって、私は内規上ですからよく分かりませんが、なかなか現実の問題としては今の部隊行動基準だと限界があると。そうすると、先ほど申し上げたように、自衛隊も海上保安庁の職員もなかなか不安な状況だと。これは石破自民党の幹事長も前原前外務大臣からもお話がありますが、具体的に言っていただかなくても結構ですが、部隊行動基準、ROE、こういった事案が将来起こり得るということを前提に見直しの作業に入っていただけるというふうにお答えいただけますでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の段階においても、部隊がどう対応するか、ROE、ルール・オブ・エンゲージメントですか、それは基本的に決めているわけでございますが、その中で自衛隊は冷静に対処しているわけであります。
ただ、大切なことは、こうした事案において、相手の意図を見誤ってエスカレートすることがないようにしておくという必要があるだろうと思います。ですから、その中において、こちら側の海上保安庁と向こう側の海監、あるいはこちら側の自衛隊と向こう側の軍の当局と常に連絡が取れるようにすると。今の段階では残念ながらそういう状況になってはおりませんが、そういうものを構築をしていく必要はあるだろうと、このように思います。

○福山哲郎君 次に、証拠の取扱いについてお伺いします。
防衛大臣、なぜあなたは、テレビ番組で開示をすると言ったり、次の日にやはり慎重に検討すると言ったり、こういった大事な事案の発表をした後、すぐに証拠の問題についてそういった立場をころころ変えるような発言をされたんですか。

○国務大臣(小野寺五典君) 立場を変えていることはございません。
私は、冒頭からこの話については、政府部内で情報の開示については慎重に検討するということの話をしております。福山委員が恐らく先ほど
来様々の報道のことについてお話をされておりますが、私自身は常にその一貫とした体勢で発言をさせていただいております。

○福山哲郎君 大臣はテレビで発言しているんですよ、そういったことをにおわす発言を。その後、すぐに慎重にと言って次の日に訂正をされるんです。
私、実はあの報道が出たとき、危ないなと思いました。まず、こちらの情報探知能力が相手に知れる、それから、こういった事案が将来起こったときには常に国際社会にそういった証拠を出さないと日本はアピールできない、この二つの要素で実はこの証拠の開示というのは危ないなと思ったら、次の日に、慎重にされる、それから各閣僚からも慎重だという話があったので私は一定安心をしましたが、しかし、事もあろうに防衛大臣が事の前後に軽々しく証拠を開示するという可能性があるみたいなことをにおわすのは私は問題だと思っています。

○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返し、この問題について証拠の開示ということで問われたときには、政府部内で検討して慎重に対応いたしますということしかお話ししておりませんので、一度も開示するようなお話はしたことがございません。

○福山哲郎君 でも、次の日に報道がいっぱい出ているわけですね。じゃ、あの報道は全て報道が間違っていると、大臣はテレビで出演して言われたのに言われるわけですね。
ただ、私は出さなかったことは良かったと思っているんです。しかし、尖閣事案が起こったときの自民党は、例のビデオの扱いをめぐって、我々はビデオの取扱いは船への乗組みの様子が明らかになるから控えたいと、海上保安庁の能力がこれも明らかになるので控えたいと言ったときには、自民党は、民主党は腰抜けだと、そして、出せ出せと大変なオンパレードだったんですよ。(発言する者あり)いや、恨みじゃない。私は今、出さなくてよかったと言っているんだ。要らないやじを言うな。要は、そういう状況の中でああいう軽はずみな発言は問題があると私は申し上
げているんです。
それで、一個提案したいんです。一定、防衛大臣が証拠を出すかも知れないと言ったと。大変な事案だということから考えれば、国会の予算委員会の場では、秘密会でも結構ですから、そういった形で証拠の開示を、やはりああいった重要な要素なので、この理事会で協議をいただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをいただきたいと思います。

○委員長(石井一君) 一言まず、小野寺防衛大臣。

○国務大臣(小野寺五典君) 繰り返しますが、この開示の問題については政府部内で慎重に検討するということを私言っておりますので、開示をするとかそういうことを言ったことは一度もございません。

○福山哲郎君 では、テレビ発言の検証も是非理事会でお願いしたいと思います。
そして、委員長、今申し上げたように、秘密会で結構でございますから、証拠の開示について理事会で御検討いただきたいと思います。

○委員長(石井一君) それでは、取りあえず、後刻理事会で協議いたします。
続けてください。

○福山哲郎君 そして、総理や防衛大臣が幾つも言われているように、再発防止が重要です。両国がエスカレーションするようなことは避けなければいけないと思っています。
そのために海上連絡メカニズムが必要だということも私も全く一〇〇%同意をします。しかし、この海上メカニズムの問題も、実は二〇〇八年の福田政権、自民党政権のときにスタートしているんです。もちろん、我々の政権のときも努力をしていますが、今、この海上メカニズムの協議、中国、テーブル着いていますか、防衛大臣。

○国務大臣(小野寺五典君) この事案が発生しまして、私どもとしては、まず一番大切なのは、日中の海上連絡メカニズムをつくって、そしてホットラインをつくり、現場でも様々意思疎通ができる、定期的な協議を行う、こういうことを提案させていただいておりますし、これは前政権のとき、福山委員も外務副大臣でいらっしゃいましたから、このような内容をよく御存じだと思っております。それを続けておりますが、昨年の秋以来、実はこの実務者協議というのが止まっております。ただ、この事案が起きまして、直ちに私どもの方から是非この協議を再開したいという申入れを外務省を通じてさせていただいております。

○福山哲郎君 全くそうなんです。二〇〇八年、福田政権から御努力をいただいて、去年一定の合意があったんですけど、その後まだ止まっているんです。それは我々の政権にももちろん責任があります。しかし、よく安倍総理が、民主党になってから外交敗北だとかいろんなことを言われます。しかし、尖閣の領海に中国の船が来たのは実は麻生副総理が総理のときです。最近でいえばそれが最初です。そして、このメカニズムの議論も福田総理のときから仕掛品で我々は引き継いでいます。
別にどちらがいいとか悪いとかではなく、外交は継続をしています。このメカニズムについては、今申入れがあったと言われていますが、是非いろんな外交ルート、自民党なら大丈夫だと何度も言われていたわけだから、いろんな外交ルートをつくって具体的に早く進めていただきたい、それが私の強く望むところですが、総理、御決意のほどをお願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは委員も副長官をやっておられたからよく御存じでしょうけれども、相手があることですので、私が幾ら力み返ってもできるものではないのですが、しかし、これは両国にとって必要なものであるということを相手側によく認識をさせたいと思います。
これは日本側だけではなくて、中国側が万が一エスカレートすることになれば中国側も大変な打撃を受けることになるわけでありますから、そのこともよく中国側に理解をさせたいと、このように思います。

○福山哲郎君 次にTPPについて移ります。
オバマ大統領とともに共同声明が発表されました。そのことについては本当に敬意を表したいと思います。ただ、様々なメディアで聖域なき関税撤廃を前提にしなくなったからと、だから参加に前向きだというふうに言われますが、私はちょっと抵抗があります。
共同声明を出していただけますでしょうか。(資料提示)
一番重要だと総理が言われた、全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められているものではないことを確認すると。私はTPP交渉、ずっとかかわってまいりました。推進をしたいと思いました。国益にかなうと思っておりました。しかし、そのときに、全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束させられるなどという交渉は一度もありませんでした。外務省、間違いないですね、それで、外務大臣。

○国務大臣(岸田文雄君) これまでTPPに関しましては、二国間協議、また情報収集のための様々な協議を積み重ねてきました。そうした協議を通じて得られた情報では、このTPP協定については、基本的に全ての関税を撤廃することが原則となるというふうにされています。ただ、最終的に、即時撤廃になるのか、撤廃がどの程度になるのか、あるいは段階的にどれくらい時間掛けるのか、また関税撤廃の例外がどの程度見られるのか、こういったことについては現時点では明らかになっていない、こうしたことが確認をされています。

○福山哲郎君 そうなんですよ、事前に約束なんかさせられないんですよ、一方的に、これは。センシティブ品目も各国議論をしているし、どの程度の除外品目を議論するかも、交渉上に議論が始まっているんです。だからこそ我々は早く交渉に入るべきだと言っていた。もちろん我々の党がまとまらなかったことも大きな要因です。そのことも分かりますが、しかし我々はずっとその交渉については、こんなこと言われるような交渉じゃないんですよ、そもそもが。この一文をもって、自民党の公約はこれで果たされたからTPPは大丈夫だと。
じゃ、総理にお伺いをしますが、総理、第一パラグラフにある、全ての物品が交渉の対象とされることを確認していますが、これで総理はいいんですね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この首脳会談のポイントは、確かに今委員がおっしゃったように、いろんな事前の交渉がなされていました。そこで、日米が合意をして文書に出すことなんですよ。それがいかに大変だったかということはよくそれは御承知のとおりだと思いますよ、米国はほかのTPP参加国と交渉しているんですから。こういうものが文書になるということについてはなかなか難しかったんですよ、それは。
ですが、その中において、第一パラグラフと、一番重要なのは第二パラグラフなんですがね、日本には一定の農産品と米国には一定の工業製品というように、両国共に二国間貿易上のセンシティビティーが存在することを確認しということが書いているわけでありますし、そしてまた、首脳会談の中において、私は、有権者に対して聖域なき関税撤廃が前提条件である以上交渉には参加しないということを約束して政権を取りましたと、このことについて、有権者に対して、国民に対して約束をたがえることはできませんということを説明して、これをまず口頭でもう一度確認をしたわけであります。
そして、そこで文章にさせてもらいたいということで文書になることになるんですが、そして同時に、私はこのことにおいて、聖域なき関税撤廃を前提条件とする以上交渉には参加しないということを確信しましたということを有権者に説明しますよ、国民に説明しますよということについても確認を取っているわけであります。

○福山哲郎君 いや、そもそも前提になってないんですよ、聖域なき関税撤廃なんて。前提になってないものをわざわざつくってここに入れたと。だから、答えてください。全ての物品が交渉の対象とされることを総理は納得されたんですねと。第一パラが重要なんです。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは共同声明ですから、納得しなければ我々も文書にしないわけでありまして、この三つが文書になったということであります。
それで、今、私も委員の御発言の意味がよく分からないんですが、そもそもそれは前提条件となっていないかどうかではなくて、我々は有権者との約束を大切にしていますから、その約束が果たされなければ参加できませんということを申し上げて、それが了解されたというふうに私は認識をしたわけであります。

○福山哲郎君 農水大臣、申し訳ありません、第一パラの全ての品目が交渉の対象とされることは、農水大臣は了解されたんですね。

○国務大臣(林芳正君) 今総理が御答弁されたとおり、その三パラグラフから成る日米の首脳会談においてTPPに関する日米共同声明が出されたということは既に承知をしております。今、どういう経緯で出されたかは総理から御答弁があったとおりでございます。

○福山哲郎君 そうなんです。元々、全ての物品が交渉の対象とされることがTPPの交渉で、そして聖域なき関税撤廃を前提なんというのは元々ないんです。だって、それは交渉の中でやるわけですから。
これ、実は、菅政権のときに決めたTPPに対する基本方針です。センシティブ品目について配慮を行いつつ、これは閣議決定しています、これは、センシティビティーが存在することを認識しつつです。そして、全ての品目を自由化交渉対象にする、それは先ほどの一パラです。高いレベルの経済連携を目指す、高いレベルの経済連携を目指す。実は何にも変わらないんですね、我々が閣議決定をしたものと。何が変わっているのか私は全く分からない。
更に申し上げれば、更に申し上げれば、自動車について日米で……(発言する者あり)

○委員長(石井一君) 静粛に願います。

○福山哲郎君 自動車について日米で課題があることをこれ認めちゃったんですよ、政府は。経産大臣、自動車は開放ちゃんとしてますよね、日本は。

○国務大臣(茂木敏充君) まず、今お話、福山委員あった中で、決定的な違いがあるんです。第二次菅内閣での基本方針、これは、TPPについてではなくて、EPA、広域経済連携についての一般的な話であります。(発言する者あり)TPPではありません。
それからもう一点、その第二次菅内閣においての基本方針は勝手に政府が決めたんです。それに対して、今回は日米の首脳で合意して発表しているんです。そこが一番大きな違いです。

○福山哲郎君 いや、日米で決めたことは、私は冒頭申し上げたように多としています。しかし、現実の問題として交渉のプロセスは何も変わってないということです。全然変わってない。
そして、自動車の開放度について経産大臣お答えになってない。
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国の自動車でありますが、一九七八年以降、これは自動車、そして商用車につきましても関税率がゼロでありまして、開かれた市場であると、このように認識をしております。
その上で、自動車市場に限らず、各国が市場環境の整備を進めるに当たってどういう制度が適切であるか、こういったことについては制度改革の議論を進めていくことが必要だと思っております。

○福山哲郎君 それは非関税障壁も含めて当たり前の話だと思います。
私も昨年、党に戻った後、訪米して、USTRのカトラー氏とも会談をして、日本の自動車は開放しているじゃないかと言いました。それはあくまでもアメリカの国内事情だという話をしていました。
これ、でも、この共同声明に書いたことで、この共同声明はあれですか、総理、アメリカ政府がこの二項目について了解をしないとアメリカ政府はアメリカ議会に通報してくれないという条件になったんですか。そのことについてお答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 首脳会談での一々のやり取りについては相手があることですから今ここで述べることは差し控えさせていただきたいと思いますが、この共同声明でお示しをしたことが全てでございまして、その中において、日本側としては農産品についてセンシティビティーとして米国が認識をしたということについては書き込むことができたと、こういうふうに認識をしております。

○福山哲郎君 農産品についてセンシティビティーを確認されたと言いますが、じゃ、具体的な品目については確認をされたんでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはまだ交渉に参加をして交渉するということではございません。あくまでも我々としては、自由民主党としては、与党として国民との約束をたがえるわけにはいかないという中においての確認を重要視していたわけでありまして、そこでこうした文書、先ほど茂木大臣から申し上げさせていただいたように、文書として日米で共同声明を出したということは大きな成果であったと、このように思っております。

○福山哲郎君 自動車と保険については、総理、事前協議の対象から外すというふうに新聞報道は出ていますが、それは事実でしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども委員が御指摘にあったように、新聞報道ではいろいろと憶測として出るわけでありますが、基本的に日米で了承したことはこの共同声明が全てであるということであります。

○福山哲郎君 そうすると、なかなか時間が掛かるんですよね。ここから先、二国間で自動車や保険の協議をすると。これ、総理、今年中にTPPの協議はまとめようと各国、主張しています。三月に会合があります。それから、五月、九月と一応今予定になっています。しかし、総理がたとえ参加表明をしても、アメリカ政府がこの二つの懸案について了解をしないと、今度は議会に通報してくれません。
メキシコ、カナダは、参加表明してからアメリカ政府が議会に通報するまで八か月掛かりました。そこから三か月。実は十一か月掛かっているんですね、カナダ、メキシコは。ということは、総理がよしんばこの場で参加表明しても、今年の年末のTPPの全部妥結のときには日本は何も交渉に参加できなくなります。
私は、それでも一日も早く参加表明をされて具体的にアメリカとの交渉に入り、議会への通報を早くしてもらえるように努力していただくべきだと思いますが、総理はその時間軸を考えた上で、一体いつ参加を表明されて、そしてどのような形でこのTPP交渉にいつぐらいから参加していきたいという努力をされるおつもりか、お答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党が政権に就いたのは二か月前でございまして、その間、二年間、民主党政権においてこれ時間が経過をしてしまったわけですよ、申し訳ないですけれども。そして、今おっしゃったような時間軸しか残されていない中において、我々は首脳会談においてこうした文書をまとめることができたわけでありまして、そこで、参加するかどうかについては、参加するかどうかについては今党内でも様々な議論があります。農業団体の皆さんにもいろんな意見があります。そうした御意見をまずは伺った上において、そして我が国に対する、我が国の様々な、農業も含め日本に対する影響、これは大きなものがありますから、この影響等をよく精査をした上において判断をしたいと、このように思います。

○福山哲郎君 他方、自民党は多くの議員がTPP交渉参加に反対しています。例えば、TPP参加の即時撤回を求める会には約二百四十人の会員がいらっしゃいます。現職の大臣が五人、副大臣が十六人名前を連ねています。
民主党政権時、判断する材料が不足している、判断する情報がない、情報公開をもっとしろ、交渉に参加していないにもかかわらず、交渉の中身をもっと教えろ、足らぬ足らぬと。これ自民党議員がずっと我々に言ってきました。これ、安倍政権になって新しい情報や何らかの情報が出てきているんでしょうか。自民党の議員が納得するような情報が出てきているんでしょうか。
もう一点申し上げます。
北海道、まさに畜産、酪農を始めとする北海道は、当選した議員、自民党候補者十四名中八名が参加すべきではないと反対しています。ひどいことに、自民党の公約の聖域なき関税撤廃を前提とするということに対しても、その自民党の公約どおりに答えた人は一人しかいません、一人しかいません。北海道のJAや有権者は、自民党はどう見てもTPPは反対だと思います。これはTPPだまし討ちです。この人たちも含めて総理に一任をするということを党が決められたんですか。そのことについて、党の代表として、総裁としてお答えください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 自由民主党は五十年以上政権を担ってきているわけでありますが、この長い経験によって培われた責任感というのはそれぞれの議員にあるんですね。それぞれの議員は地元事情を抱えています。その中において、選挙のためだけではなくてやはり実際に有権者に対して責任を持っておりますから、そこで様々な議論もしますし、自分の意向としてこういう方向で全力を尽くすという約束をすることもあるんですよ。
しかし、それは党全体で最終的に、私は総裁ですから、自民党の総裁が決めたことは最終的にそれは自由民主党はみんなが後で従っていく。それはみんなのみ込んだ上で次の選挙に臨むんですよ。それが自由民主党なんですね。
ですから、そういう議論を、ただそれは、だからといって私が総裁として強引に決めるということではありませんよ。しかし、その中において結果を出してきたと、こういうことではないかと思います。

○福山哲郎君 いや、のみ込む、のみ込まないは党の事情ですが、現実に参加すべきではない、反対だといって有権者に投票依頼をしているんですよ、これを見れば。そのことについてどう責任を取るのかと申し上げているんです。
もう一点申し上げます。
稲田大臣、あなたは、私的な会合でも何でもないですよ、産経新聞のインタビューにこういう発言をしています。「TPPは米国の輸出拡大と雇用創出のためにある。普天間で怒らせた米国のご機嫌を取るために交渉に入るとすれば、政権維持のために国を売る暴挙だ。」、これは民主党に対する批判です。「米国で今、大きな社会問題になっているウォール街占拠デモは、米国の強欲資本主義の歪みによるもので、ある種の共感を覚える。」。次に行ってください。「日本は「儲けたもの勝ち」「何でもあり」を是正し、カジノ資本主義を正す責務がある。TPP参加は、そういう役割を自ら放棄することになる。なぜなら、TPPは米国の基準を日本が受け入れ、日本における米国の利益を守ることにつながるからだ。それは、日本が日本でなくなること、日本が目指すべき理想を放棄することにほかならない。TPPバスの終着駅は、日本文明の墓場なのだ。」と。
あなたは、これインタビューで答えているんです。このことと今の議論、我々が交渉してきたこととは余り大差のない共同声明の中身の中で稲田大臣はどのようにお答えをしますか。

○国務大臣(稲田朋美君) 今委員御指摘の文章は、私が産経新聞の「正論」欄に執筆をしたものでございます。
民主党政権下においてTPP参加反対の立場から発言をしてまいりました。党内でも今御指摘になったような発言をして、J―ファイルの公約に結実をしたものと認識をいたしております。

○福山哲郎君 関税の話だけじゃないですよ、日本文明の墓場だと言っているんですよ。
実は、防衛大臣も私とテレビに出たときには反対の立場で出られて、そのときは関税の話だけじゃないです、いろんなことを言われました。いろんなことを言われました。二国間はいいけれども多国間は駄目だとか、いろんな二十一分野の問題があると言われました。そういったことについて、僕は自民党は国民に説明をする責任があると思います。
我々は、民主党政権の中で、いろんな慎重な意見はありましたが、TPPを推進したいと思ってやってきました。我々のやってきたことと正直申し上げると余り変わったことをしているとは思えないですし、現実には日米共同声明は中身は大して変わらないと思いますので、TPPについての論議をこれからもしっかりとしていきたいというふうに思いますので、今日はこれで質問を終わります。
ありがとうございました。

○委員長(石井一君) これにて福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)


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