03/21

2013

第183国会 参議院 内閣委員会 2013年3月21日


所信聴取に対する質疑

○福山哲郎君 おはようございます。朝から御苦労さまでございます。
民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
私、内閣委員会で初めての質問でございまして、大臣がたくさんいらっしゃるので本当に大変な委員会だなと思いながら、今日は立たせていただきます。これまで環境委員会や外防しかいなかったもので、大臣、大抵お一人でしたから、たくさんの大臣に今日は御答弁をいただきますが、よろしくお願いしたいと思います。
まず、実は内閣委員会の所管ではないんですけれども、原子力防災担当が石原環境大臣ということで、環境委員会に行かれています。今日、実はそのことについて御議論したかったんですが、環境委員会に行かれているということで、今日は規制庁から政府委員をお呼びをさせていただきました。
先般、発生をいたしました東京電力の福島第一原発における停電の状況でございます。
御案内のとおり、私は三・一一原発事故発生時に官房副長官を仰せ付かっておりまして、あのときには本当に大変な危機感の中で、自らは至らないことがたくさんあったんですけれども、対応をさせていただきました。
これ、今日の新聞等では、小動物の理由ではないかというようなことが報道になっているので、このことに対して私は余り過小評価をしてはいけないと思っております。なぜなら、御案内のように、今回停電をした一部は使用済燃料の共用プールの冷却システムでございまして、この共用プールには使用済核燃料が四千本入っております。三号機の格納容器ガスシステムの一部もそうですし、使用済燃料プール、ああ、ごめんなさい、これが四千本から六千本の使用済燃料が入っております。
私は、何が申し上げたいかというと、停電について、復旧について東京電力が懸命に御努力をいただいたことももちろん多分そうだと思いますが、これ、小動物だから偶然だと、システムの問題ではないんだというふうに片付けてはいけないと思っておりまして、なぜかということについては後でまたお話をしますが、とにかく、今復旧されたと聞いておりますが、現状の状況について、規制庁から御報告をいただけますでしょうか。

○政府参考人(山本哲也君) ただいま御指摘のありました東京電力福島第一原子力発電所の停電の対策の今の現状でございます。
まず、発生をいたしましたのが、御指摘ありましたように、平成二十五年三月十八日の十八時五十七分ごろに福島第一原子力発電所の電源設備の一部がまず停電をいたしまして、これに伴いまして、使用済燃料プールの冷却設備の一部、そのほかの設備が停止をしたということでございます。
その後、復旧作業をいたしまして、停止しておりました使用済燃料プールの冷却設備は、昨日三月の二十日の午前零時十二分まで全て復旧をしているという状況でございます。
それで、この間、私ども原子力規制委員会といたしましては、事業者の対応状況を注視いたしますとともに、原子炉の冷却状況、モニタリングポストの値、それから、何といっても使用済燃料プール、これの温度が制限値を超えていないかどうかと、こういったことを監視して、異常のないことを確認をしてまいりました。
それで、今回の原因につきましては、今御指摘ありましたように、まだ現在調査中ではございますけれども、配電盤の損傷が確認をされてございます。そして、その床面にネズミでありますその小動物の遺体を発見したというところでございますので、この小動物が配電盤に接触したことで停電が起きた可能性があるというふうに、現在のところ、今考えているところでございます。
以上でございます。

○福山哲郎君 もう一度御質問させていただきますが、これ原因は、今の話は推測だと思いますが、復旧はどのようなプロセスで行われたんでしょうか。

○政府参考人(山本哲也君) 復旧につきましては、一号、三号、四号の燃料プールの冷却系の電源が停止をしたということでございます。したがいまして、この電源を復旧させるために一つ一つの設備の状況を確認して、安全が問題ないことを確認したことの上で電源を復旧させる、いわゆる電気を通すと、こういう作業を順次行ってきたというところでございます。
これによりまして、二十日の午前零時までには全てのものが復旧できたというところでございます。

○福山哲郎君 結局、使用済燃料プールのところが復旧するまで何時間掛かりましたか。

○政府参考人(山本哲也君) 一号、三号、四号、それから共用プールと三つございました。そして、共用プールの電源が復旧いたしましたのが二十日の午前零時でございますので、約一日半近く掛かっているという状況でございます。

○福山哲郎君 私はここでそれが早いとか遅いとかという水掛け論をするつもりはありません。懸命に御努力いただいた結果だというふうに思いますし、何よりも、今回の停電が大過なくというか、現状、モニタリングポストも正常だと聞いております、そんなに線量上がっているとは聞いておりませんし、全体のシステム系に大きな問題があったとも思えないので、そこについては本当に良かったと安堵しております。それは、逆に言うと結果オーライなんですね。
先ほど、私が、何で小動物の問題だということで簡単に原因を特定をしてそれで収めてはいけないかと申し上げると、私が当時、電源車を送ってくれと東京電力から言われて、官邸でまさに自衛隊の皆さんにも御努力をいただき、警察の皆さんにも御努力をいただき、本当に六十数台の電源車を現地に運びました。結果としては、電源車はつながらなかったわけです。
その理由は、スペックが合わないとか、いわゆる配線が、ケーブルがない、足りないとか、私から見れば考えられないような理由で、電源車を送ったけれども、大変な御努力をいただきながら、原発事故がひょっとすればメルトダウンや爆発が起こるかもしれないという危険なところに、それぞれの皆さんがリスクを冒して向かっていただいたにもかかわらず電源は接続をせずに、その理由が、スペックが合わないとかケーブルが足りないとかいう理由でした。私はあのときの何なんだという思いはいまだに強く感じております。
その後も、まさに炉心損傷が、これはメルトダウンという言葉を東京電力はなかなか使いたがらないので言いませんが、炉心損傷が起こる直前の東京電力のサイト内では、電源が足りない、バッテリーが足りないと言って、そこにいるスタッフの皆さんからお金を調達をして、今から電源を外へ調達に行きますというような打合せをテレビ会議の中ではされています。その前には何とか冷却をしなきゃいけないということで、車をしようというときに、運転手さんがいないから今どうしようかという話を実は炉心損傷の直前の議論でなされています。
私は、高度な技術的な問題によって事故が起こるとか起こらないとかというのは、これは専門性が非常に重要だと思いますし、私はそれこそ、まさに規制委員会や規制庁の皆さんがしっかりと安全基準を今作っていただいていることは重要だと思いますが、大きな事故は決して専門的なことだけから起こるわけではないということです。
今申し上げたように、スペックが合わないとか、ケーブルが足りないと。当時我々は、電力会社から電源車を送ってくれと言われて電源車を送ったら、電気屋さんが電源つなげないと。日本中で一体誰が電源つなぐんだと私は思いました。運転手さんが足りない、今から電源を、バッテリーを買いに行く、炉心損傷の三十分前ですよ。僕は、その買いに行くというテレビ会議を見て不思議に思ったのは、どこへ一体買いに行くつもりだったんだろうと。少なくとも十キロ圏内はもう避難の指示が出ているはずです。
そういう状況の中で、今回また小動物という議論が出てきました。私はそのことを、理由は現実にそのことなのかもしれません、これからしっかり調査されて特定されると思いますが。しかし、そうだから問題ないんだというふうに片付けないでいただきたい。
これは、今日官邸にいらっしゃる菅官房長官にもお願いなんですけれども、我々至らなかったことたくさんあると思います。そして、今、福島の皆さんに本当に御苦労をお掛けしています。我々の至らなかったことを本当に申し訳なく思いながら、しかし、本当にそんな人為的なほんのちょっとの考えられないようなことでこういったことが起こる可能性があると。そのことについては、ただ単に規制委員会、規制庁頼むということではなくて、一定、政治からの独立性は自民党さんの強い主張もあって担保できた、そのことは規制委員会も今、一生懸命やっていただいているからいいと思いますが、しかし、政治の場においても、緊急のシビアアクシデントのときには政治も一歩出ていくことになりますから、是非、そういったほんの、ほんの小さなものが事故につながるんだということを、是非官房長官には、重々官房長官は御理解いただいていると思いますが、御理解をいただきたいというふうに思いますので、そのことに対して御感想と、規制委員会から何かあればお答えいただきたいと思います。

○政府参考人(山本哲也君) 御指摘のとおり、今回、原因は恐らく小動物ではないかということではございますが、今回の件を見ますと、やはりその福島第一における電源構成の脆弱性が明らかになったというふうに考えてございます。
もちろん、そういう脆弱性があることは以前から分かっておりましたので、東京電力に対しては、信頼性を向上するために、外部電源とか内部電源の強化を順次やってきたところでございますが、ただ残念なことに、今回のこの仮設の配電盤、まさにこれ、工事をこれからやっていって強化しようとしていたときに、やさきに起きたものでございます。まさに、そういうまだ設備に弱いところがたくさんございますので、これを多重化するなどいたしまして、しっかりとした電源構成をやっていくことがまず大事でございます。
それからもう一つは、今御指摘がありましたように、この復旧のために約三十時間、時間が掛かっております。こういう緊急時の対応体制について問題がなかったかといったことも大きな課題だと思っております。したがって、事故は、トラブルとか必ずあり得ることでございますので、幾ら設備の構成を強化したとしても、万が一の場合の緊急体制、これをしっかり整備していくことも併せて必要だというふうに考えてございます。
したがいまして、規制委員会としましては、今回の件を十分踏まえまして、東京電力に対しまして、設備面それから体制面についての強化をしっかり対応をさせていきたいというふうに考えているところでございます。

○国務大臣(菅義偉君) ただいま委員から実体験を基にお話をいただきました。私も官邸に入ってまだ三か月足らずでありますけれども、あそこの中にあって、まして原発事故という初めてのことに大変心を痛めて、まさに昼夜たがわず体制を整えたんだろうというふうに思っております。
まさに想定外のことを想定をしなければ危機管理というのは実行に移すことができないのかなという思いをしながら、今までのそうしたことをしっかり今もお話しいただきました。そうした中で、この危機管理にこれからもしっかりと努めていかなきゃならないという思いであります。
今後ともどうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。

○福山哲郎君 官房長官から重い言葉をいただきまして、ありがとうございました。是非よろしくお願いしたいと思います。
規制委員会も懸命に頑張っていただいていると思います。私は言葉じりをつかまえる気はないですが、一つ気になったのは、私、規制委員会の方に、というか規制庁の方に今回の事故について、事故というか停電について説明しに来てくれと言われたとき、今審議官がおっしゃられたことと同じようなことを言われたんですね。元々、脆弱性だったこと、脆弱性があることは理解していたので、元々の配電を変えるつもりだったところがやられましたと言われたんです。実は、これは後でやるつもりだったとおっしゃったんですね。
実は、この後付けの説明は非常に危なっかしいんです。元々やろうと思っていましたと、それいつやろうとしていたんですかという話になっていかざるを得ないんですね。それが、はっきりとした予定がないとか計画がないところで現実に脆弱だったところで、たかだか小動物のところでこういった事態が起こったわけです。
御案内のように、使用済燃料プールは四号機は特に温度がまだ高いですから、相対的に言うと、四・五二日で六十五度に達します。先ほどの時間の長いか短いかについて私はこの場では議論しないと申し上げたのは、そういう水掛け論をしても仕方がないからです。しかし、今回の復旧が短いか長いかというのは、皆さん、実は多分、相当緊張感を持って対応していたと思います。
ですから、元々脆弱性を認識していたけれども、その準備、やろうと思っていたことができなかったので、元々やろうとしていたところをつないだだけですという説明をされたんですけど、前回も、私のところに来られたときに、でも、そのこと自身が私は考え方のポジショニングとして、ちょっと立ち位置として違うのではないかなと、実はその説明の仕方には私はちょっと心配をしています。
その体制は、実は前の保安院の体制ではないのかなと。規制委員会、規制庁というのは、そういう体制で物事を考えないことを前提に改めて皆さんが仕事をされているのではないかなと思いますので、これはもう口幅ったい言い方になりますが、是非そこのところはしっかりと対応をお願いしたいと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(山本哲也君) 御指摘のとおり、福島第一の設備につきましては、まだ脆弱性があるということを認識しながら、それを改善をしていくということが当然必要でございます。もちろん、それには一定の時間が掛かるということではございますが、ただそれは時間が掛かることが決して許されることではありません。その後、体制ができるまでのリスクをきちっと認識をして、そのときにもし万が一のことがあった場合でも対応できる準備をしながらきちっと対策なり作業を進めていくということは大変重要でございます。
そういう意味でも、常に緊張感を持って、万が一のことを十分念頭に置きながら対応していくと、こういう心掛けで進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。是非よろしくお願いしたいと思います。
森大臣は福島の地元ですから、もうかなりこのことでは御苦労いただいたし、今回の停電でも恐らく、現地、地元のことを考えれば本当に心配をされたと思いますし、何よりも地元の皆さんがまたかということで心配をされたと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に行かせていただきます。
次、甘利大臣にお伺いをしたいと思います。
景気回復は我々も望むところです。株価が上昇していることも私は否定をしません。特に、私は元々証券会社におりましたので、株価が上がると元気になります。
ですから、景気が良くなるというのは、よくよく当たり前のように言われますが、気でございますので、株価が上がってみんなが前向きになり、そして、よし、じゃ、株が少し上がったから子供に何か買ってあげようかとか車を買おうとか、ひょっとしたらささやかながら家族で食事にでも行こうかというような議論がそれぞれの家庭で起こることは非常にいいことだと思いますし、企業にとっても含みが増えるわけですから、これは新たな投資の可能性になると思います。逆に、庶民は株を持っていないので、株などは持っていないからお金持ちがもうかるばかりではないかということですが、そこから回り回って何とか所得が増えるような状況になることを今の政府も考えていただいているので、賃金を上げろというようなことも言われていることも私は基本的には理解をしています。
我々も、これは半分負け惜しみでございますが、成長戦略を昨年の七月に作り、そして前原戦略担当大臣が、一定、日銀との協定もして、まあある意味株価も徐々に徐々に上がりかけていたときに政権交代が行われました。しかし、それは安倍政権のアベノミクスというある種のやはりメッセージ性の強さと、更に言えば、国民の期待、それからマーケットの期待感がそこに合致をして株価が上がっているというところで、その部分に関しては我々の力不足を認めざるを得ないと私自身も思っています。
ただ、一定、じゃ、甘利大臣が経済再生担当大臣として言われる経済の再生、景気の回復というのはどういったものをメルクマールとしているのかということをやはりしっかり聞いておかなければいけないと。つまり、やみくもに景気が回復している、気だけでは困るんです。抽象論だけでは困ります。株価が上がっていますが、現実問題として企業業績にまだ直接来ているわけではない。もちろん、輸出企業にとっては円安でプラスの部分は出てくるでしょうけれども、逆に円安で資源が上がっている部分だけ厳しい状況も裏返して言えば企業業績では出てきているはずです。
そういった問題も含めたところで、甘利大臣の言われる景気回復、経済再生の定義というのは、一体どういう定義を想定をしておられるのかについて確認をさせていただきたいと思って御質問をさせていただきたいと思います。

○国務大臣(甘利明君) リフレ派とかリフレ派ではないとかいう議論が随分あります。正直に申し上げると、私はリフレ派ではない方の部類なんです。アベノミクスというのは、リフレの効用をもっと真っ正面から見据えてとらえているやり方です。ここは、正直言って、私も自分自身のかつての経済政策、金融政策に関する見方を少し修正しなきゃならないなという思いがありました。
まず、世の中の気を変えていく。今委員が御指摘のとおり、景気というのは気の部分がかなり強いと思います。それは何かというと、デフレ期待というか、期待というと希望しているように見えますけれども、予測ですよね。デフレ予測が続きますと、要するに、お金は持っていればいるほどお金の価値は上がるわけでありますから、それを使って消費するとか、それを使って投資するという意欲の面では減退をしていきます。つまり、同じお金が今年よりも来年は価値が上がるわけですから、持っていればいるほど価値が上がるというものは消費や投資には回っていきません。このマインドを変えるということは、実は私が思っていた以上の効果があるということが実感をいたしました。お金は、その投資をする対象とか消費をする対象があれば、今使った方があした使うよりも有利なんだという気持ちを持たせるということは、投資や消費を伸ばしていきます。
そういう景色を劇的に変えるということと同時に、実際に買いたい商品が出てくるとか、実際に投資したい対象が起きてくるということが実体経済につながっていくことでとても大事なことです。つまり、景色を劇的に変えるということと実態を追従させるということが大事だと思います。
でありますから、金融政策で景色が間違いなく変わっていくんですよという地合いを変えて、その後に、まず財政出動で具体的な需要をつくると。かつて我々も十五年間のデフレの状況を、まあ民主党さんもそうだったと思います、手をこまねいていたわけじゃないです。何とかしようとみんな思っていたと。しかし、思っていろいろやったけれども、そのたびにはね返されてきたという事実があるんですね。
何ではね返されてきたのかと。財政出動で、言ってみれば車のアクセルを踏んだと、そのためのガソリンを入れて踏んでみたと。そのときには車は確かに加速しましたよと。でも、財政出動の分のお金が終わって、アクセルから若干足が離れると、そうすると減速をすると。その繰り返しで、よく気が付いてみたら、サイドブレーキが目いっぱい引かれたままだったと。これを外さなきゃならない。これがデフレだと思うんですね。これを外さないと、経済効果がちゃんと効果として出てこないと。だから、サイドブレーキを外すという作業が、まずデフレ期待からインフレ期待、インフレ予測に世の中の景色を変えていく。つまり、お金は持っているよりも使った方が得なんですよと。そのために具体的な需要をつくると。
その次が大事で、今度は民間が投資をする対象が見えてくるようにする、あるいは消費をしたくなるような物やサービスがデビューをしてくると、こういう環境が大事。ここがやっぱり民間投資を喚起するような経済成長戦略という三本目の矢につながっていくわけであります。
ですから、一本目の矢で景色を変える、二本目の矢で具体的な需要をつくって種火に火を付けていく、三本目の矢でもっと大きな経済が動いていくような投資の先とか消費の先をつくっていく、これが経済成長戦略で、この三本の矢がしっかりつながっていったときに民需主導の自律的な経済成長に向かっていくというふうに考えております。ですから、三本目の矢、これが一番大事なところに差しかかっているというふうに思っております。

○福山哲郎君 非常に丁寧に御説明いただいたので、大臣のお考え、私自身は理解をしました。我々も政権を維持できたとしたら補正予算を作ろうと思っておりましたし、成長戦略はやはり新たな実需をつくるために必要だといって昨年の七月に我々も作りましたので、そんなに大きな私も異論はないんですし、また、大臣が私はリフレ派ではないと言われたのは若干ニュースになるかもしれませんが、リフレ派ではないと言われたということで、そのことも含めて私自身は理解をします。
ただ、私がお伺いしたのは、それは、大臣が将来的にこうなったらいいなという話でございます。それを我々もそんなに否定をするものではありません。しかし、そのことはメルクマールとは一体どういう指標を大臣は想定をされているのか。
例えばで申し上げると、これも半分負け惜しみなんですけど、民主党政権は、自民党政権が終わられた後の三年三か月でGDPギャップは約十五兆円改善をしました。GDPデフレーターもプラス五%改善をしました。我々の成長戦略は、御案内のようにグリーンや、さらには医療、ライフ、さらには観光、そういったものを作らせていただいて、例えば教育の問題では二十三万人雇用が増えました。医療、福祉では八十五万人雇用が増えています。実は、いろいろ言われましたが、建設業も十一万人増えています。
もちろん我々の点が至らなかったこともありますし、先ほど大臣がまさにおっしゃったように、自民党政権も前の政権時代も御苦労をされていたと思います。徐々に徐々にデフレは改善に向かいつつあったという認識は、私の中ではあります。いや、自民党が政権を再度担われたときにはもうそういった認識はなかったのかもしれませんが、私自身は、実は震災が三・一一、起こる前、二〇一一年の時点では、ほぼ日本は成長に向けて、デフレ脱却に向けて離陸するのかなと二〇一一年の春には感じていたら、三・一一に震災がありました。ですから、非常に残念な思いはありますが、大臣の中で、例えば、もう一度お伺いします、どういった事態が経済再生を担っておられる大臣にとってのメルクマールになるのか、もう少し具体的にお答えをいただけませんでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) その前に、リフレ派論議なんですが、正確に申し上げますと私はリフレ派ではありませんでした。しかし、リフレの効用ということを総理の毅然たる姿勢、正直言って、あそこまでリフレ論を持ち上げて大丈夫なんだろうかという心配がありましたけれども、それが実際に効果が上がったということで、ある種、見方を変えなきゃならないということをその後思い至って、リフレにはリフレなりの効用があり、それが今回明確に効能を発揮したというのは紛れもない事実だなということを今私は見詰めているということであります。
それから、委員の御指摘の、何をメルクマールにするかということであります。その何をメルクマールにするかということの中で、民主党政権の時代に成長戦略いろいろ取り組まれました。グリーンとかライフとかですね。それ自身は私は間違っているとは思いません。もっと言えば、民主党さんが成長戦略を出したときに野党であった自民党内でどういう論が起きたかというと、あれだって、俺たちだってやっていたじゃんという話なんです。つまり、民主党の成長戦略の前の自民党の成長戦略も、まあある種似たようなところにフォーカスを合わせていました。だから、目指すべきものというのは、どこが与党であれ政権を取れ、そう変わらないということだと思うんです。
じゃ、何が違うかというと、私も今回この役を担当する前に、自民党で去年の八月までにあらまほしき姿というのを取りまとめて提言をしました。政調会長になりまして、それを政権公約として打ち出しました。この職に就く前に、実は当時、政権を取る前の総裁、安倍総裁からは、内々、この種のポストに就くというような暗示が私にありましたから、その設計をいたしておりました。
その中で、じゃ、自民党も成長戦略を組んだ、民主党も成長戦略を組んだ、でも、それが思うようにうまく効能が発揮されなかった。民主党さんに言わせれば、もうちょっと長く取っていれば俺たちはできたんだとおっしゃるかもしれませんが、いずれにしても、事実としてなかなか効能が発揮されなくて、評論家の皆さんからは、いろんな成長戦略作ってもみんな似たようなもので、それができなかったじゃないかという批判をいただいています。
それはなぜかというと、私が得た結論というのは、政府のコミットが明確でないと市場からみなされた。つまり、投資しようと思っている方は、本当にこれに投資するという気持ちにまで動かなかったということが一番の問題だったと思っています。
そこで、我々が今やっていることはロードマップ化するという作業です。今の問題点を幾つか分析しました。四つぐらいに分析をしています。今ある課題ですね。今、日本が抱えている課題というのは、一番大きな課題は少子高齢化という課題です。これは、少子高齢化がこのままいけば生産人口が減っていって経済活力が落ちていく、社会の活力が落ちていく。だから、現状を見据えながら、それが理想的になる姿を描いて……

○委員長(相原久美子君) 大臣、端的にお願いできますか。

○国務大臣(甘利明君) 端的に言っているつもりです。(発言する者あり)いやいや、それは理解力がないからです。
それは、目標、理想的な目標に向かって今を結んで、そこの線上にやるべきことを並べていくわけです。それで、時間軸を作っていって、ここに到達すると。そうすると、民間が本気度を試しているわけでありますから、民間がこれは本気だなと思うと投資していく。だから、国がやらなきゃならないものは規制緩和とか基本的な研究開発です。それを時間軸の中で、どういう中で処理していくかと。到達点はこういうことになりますと。そうすると、フルパッケージで完成したときには、その課題が輸出できるということになります。これが一番大事なところであります。
ですから、我々が描いているのはロードマップ化するということで、時間軸で何を国がやるべきか、それによって民間はどの軸で自分たちの投資が始まるかということを想定できるということであります。
個々の指標化というのは、KPIとか言われていますけれども、これは幾つか今作っております。

○福山哲郎君 ロードマップ化もパッケージ輸出も我々議論していたので、我々も作っておりましたから、別に我々がなかったというわけではないと思いますが、逆に、もう少しやはりメルクマールを具体的にしていただきたいと。
今あるのは緩和のところで、インフレ目標二%は到達させるんだということを黒田総裁ははっきり言われたと。ここは日銀総裁としての責任です。しかし、政府として、先ほど甘利大臣が言われた、リフレの効用がこんなにあるのかどうか、私も認識していなかったけど、ありそうだとおっしゃったんですが、まだ三か月、四か月です。やはり、円安のネガティブな問題、これは委員会でももうさんざん議論されていますから私は繰り返しませんが、やっぱり資源エネルギー価格の上昇というのは間違いなく国民に跳ね返ってきています。
効用といっても今株が上がっているのと円安が進んでいるぐらいで、あとは実態的にはまだ何も見えていません。まだ効用のコの部分は多少は見えておりますが、トータルで見た政策としてどういうふうに評価するかは恐らくこれからが課題だと思っております。
甘利大臣が言われた少子化の問題に対してしっかりとロードマップを作るというのは、逆に我々がずっと主張していたことで、逆に、だからこそ、与党を経験した、与党と野党を経験した政党がそれぞれいるというのは、僕はそれなりに意味があると思っていて、私は、野党ばっかりやっていた時代の質問と随分自分の質問スタイルが変わったなと思って、もう本当にやりにくいなと思っているんですけれども、でも、それも一つの自分なりには進歩のあかしかなと言い聞かせて今こうやって質問していますが、しかし、今の大臣のメルクマールの主張は、ちょっと私自身さすがに納得しにくくて、もう少し明確にしてもらわないと、我々自身が、仕掛品だった、向上していた部分というのはたくさんあるんですね。住宅着工件数などは、正直申し上げると、自民党時代の七十一万戸から、我々のときには八十七万戸に増えています。さらには、鉱工業の生産も比率が上がっています。いろんなところで実は改善の兆しがあったんですね。
このことは、先ほど官房長官も甘利大臣も言われましたが、いいものはやはり我々が与党のときの政策であっても伸ばしてもらわなきゃいけない。そこをしっかり取捨選択して伸ばすものは伸ばすという判断をしていただかないと、我々も別に民主党のために政権を担っていたわけではありません。国益、国民のために担わせていただきました。それが国民にはなかなか我々の力不足で理解をいただかなくて今回こういう状況になりましたけれども、しかし、いい指標が出ていることについては、是非そこは取捨選択をしていただきたいと。もうこれ以上メルクマールを聞いても出てこないと思いますので、次に行きます。
あと、一方、日本の国債は大部分が国内セクターが保有していると、もうよく言われる話です。国内で保有しているから国債は売られないと、金利は上昇しないんじゃないかというのが、ある説としては根強くあります。日本は国内消化だ、外国に国債を依存しているわけではないんだ、国内消化だから日本はまだまだ大丈夫だという議論があると。
このことについて、甘利大臣はどういうこの説についての御認識をお持ちか、お聞かせいただけますでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) そういう説があるのはよく承知をしております。しかし、私は慎重でなければならないと思っております。
今、日本国債の外国保有率が上がってきておりまして、今は九・一%ぐらいになっていると思います。昔はもっと少なかったですね。これからその比率は正直言って上がってくると思います。その際に、国内で消化されているから大丈夫だということで国債の信用が保たれていくとは正直思っておりません。
ですから、そこで大事なことは、財政再建に対する政府がいかに強いコミットをしていくかだというふうに思っております。

○福山哲郎君 これは事実関係ですので大臣にお答えいただくのか政府委員かよく分かりませんが、過去、九〇年代以降ですが、特に日本が低金利政策を実施以降ですけれども、国債を金融機関がある一定水準ぐらいまで一斉に売却をして金利が上昇した局面が事実としてあったかどうか、お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) たしか二度ばかりありました。

○福山哲郎君 その期日、いつと、いつからかとお答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) 九〇年代以降で長期金利の高騰があったのは、一九九八年十一月から九九年二月の、これはいわゆる資金運用部ショック、それからもう一点が二〇〇三年六月から九月の、いわゆるVaR、VaRショックと言いますけれども、バリュー・アット・リスク・ショック、この二回であります。

○福山哲郎君 大臣、二〇〇三年のときはどのぐらい金利上昇しましたか。

○国務大臣(甘利明君) 資金運用部ショックのときには、最低値が〇・九五三%であったのが、最高値が二・六八七%まで振れたと。それから、VaRショックのときには、最低値が〇・四二二%だったのが、最高値は一・六八四ですから、両方とも一%以上振れているということです。

○福山哲郎君 先ほど大臣が、国内セクターが保有しているから日本の国債は大丈夫だという議論には余りくみしないと、慎重にしなきゃいけないと御答弁をいただいたので、私は取りあえずは安心をしたんですが、実際に日本の金融機関が持っているから、日本のセクターが持っているから大丈夫だという議論は、一種僕は希望的な問題だと思っています。
なぜかというと、それぞれの金融セクターは、自分の持っている保有国債が売られ出したら自分の財務内容悪くなるわけですから、経営者の立場でいうと、それはずっと持っていて含み損を増やすわけにいかないんですね。そこは経営の論理、資本の論理の中でいうと、当然売り込まれる可能性が出てくるんです。
つまり、マーケットというのはいろんな課題について一瞬に反応します。そして、今のマーケットは、リーマン・ショックもそう、悪いときにはリーマン・ショックのようにして、今回のアベノミクスのようにいいときも、ある種一斉にマーケットが動いたときにはみんなで行こうと、みんなで行けば怖くないみたいな状況のときに、じゃ、国債が売られるような事態が僕はないことを願いますが、そのことが起こったときには、日本の金融機関は国内セクターだからといって持ち続けてもらえる保証なんてどこにもないんです。
つまり、そのことについて政府は是非抑制的かつ慎重にあっていただきたいと私は思っています。そのことについて大臣は先ほど慎重だと言われたので、私は先ほど申し上げたように少し安心をしましたが、もう一度決意だけいただけますでしょうか。

○国務大臣(甘利明君) この過去の二回のショックですね。往々にして部分最適が全体不最適になるという典型的な例ですね。一金融機関としては正しい行動が、全部が一斉にそれを取っちゃったら大変な振れになっていくということです。これは厳に気を付けなきゃいけないと思います。
そこでは、大事なことはやっぱり対話をしっかりしていて、このぐらいの国債消化が必要であるということの対話を常にそういうところと、消化を引き受けてくれるところとしていて、一斉な行動にならないようにするということが大事なことと。
それから、やはり日本の国債は紙くずには絶対ならないと。なぜならば、政府はこういうプランで財政再建をちゃんとやっていきますからという強い姿勢をしていくということで、ゆめゆめこれから、特にこれだけ国債依存度が上がっていますと、そこは財政当局、経済金融運営、経済にかかわる当局は相当気を付けた姿勢を持ち続けていかなければならないと。委員の指摘はまさにそのとおりだと思っております。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
ほかにもいろいろあったんですが、次へ行かせていただきます。
官房長官、会見でしょうから、どうぞ御退席いただいて結構でございます。

○委員長(相原久美子君) 御苦労さまです。

○福山哲郎君 次、DV対策についてちょっとお伺いをしたいと思います。
先週、ストーカー事案及び配偶者からのDV事案について警察から発表がありました。ストーカー事案が一万九千九百二十件、ストーカー法施行後最多になりました。それから、配偶者からのDV事案の認知も四万三千九百五十件と、これも法施行後最多となりました。
これ、最多となったのは確かに非常に遺憾なことですし、見過ごせない状況ですが、逆に最多となったのは警察がそれなりに頑張っていただいている成果であるとも私は思っています。つまり、それだけ警察に行けば何とかしてもらえるんではないかというそれぞれの被害者の思いが、警察に駆け込むことによってこういった認知が顕在化をしていると。ですから、多いことが全て悪いわけではなくて、多いことをちゃんと受け止めてもらえるという状況は、一定私は評価ができると思っていまして、最近の警察のストーカー事犯、暴力事犯、DV事犯に対しての昔のような門前払いが総体的に減っていることについて私も認めさせていただきたいと思いますし、ここは古屋大臣におかれましても継続をお願いをしたいと思います。
しかし一方で、顕在化しているのはある意味でいうと良くはない、多いのは良くないんですね。やっぱり減らしていかなきゃいけない。そのことについて、いわゆる今DV法の改正の議論がいろんな被害者から出ています。
これは、DV防止法は配偶者が対象になっておりますが、実は今、大臣方は御案内だと思いますが、デートDVという言葉が大変あちこちに出ています。配偶者ではない関係者からのDVなりが非常に多発をしていて、ストーカー法ではカバーできない部分をDVでカバーしたいと思っても、DV法は配偶者という特定がある部分だけ実はここにも限界があって、ストーカー法の範囲でカバーできない部分とDV法の範囲の間に実は少しすき間ができていて、このすき間を何とか埋めたいという思いが被害者の方にたくさんあります。
これは、なかなか配偶者より枠を広げるというのは法律的に難しいというのは私は重々承知しているつもりですが、配偶者等という形で、等を付けることによって何らかのガイドラインのようなものを付けてこのDV法の改正を若干議論したい。これは今超党派でも議論をしていますが、是非このことについて法務省の見解をいただきたいと思いますが、法務省、いかがでしょうか。

○政府参考人(萩本修君) DV防止法の保護命令の対象を交際相手に拡大するという議論ですが、これはDV防止法の制定時以来されているものですけれども、同時に幾つかの課題も指摘されているものと承知しております。
その主な課題を二点御紹介しますと、一つ目として、配偶者による暴力の場合には類型的に見て外部からの発見、介入が困難であるという事情があるのに対し、広く交際相手からの暴力といった場合にはそのような事情に乏しいのではないかという指摘がございます。
二つ目としましては、交際という概念そのものが法律上の概念としては不明確ではないか、そもそも保護命令制度は、ある者が将来的に他の者を害するおそれがあるということを国家機関が判断し、予防的な観点から個人の行動の自由を刑罰を背景に制限すると、こういう現行法上特別のものですので、そういった不明確な概念に依拠することには慎重であるべきではないかという指摘でございます。
したがいまして、保護命令の対象を拡大するとしましても、単純にその交際という概念で外延を区切ることは相当ではなく、何らかの要件を上乗せすることによって配偶者からの暴力と質的に同質なものに限るとともに、その対象となる範囲を明確にする必要があるのではないかと考えているところでございます。

○福山哲郎君 その議論はもうずっとやっている議論です。何らかの要件の上乗せが必要ではないかということを言っていただいていること自身が、私は法務省は少し前向きに踏み出していただいているんだというふうに思っております。
今の、配偶者なら発見しにくいけど交際者はというのは、本当にそうかなというのは十分にあります。例えば、交際をしているからといって、じゃ何でそれが周りが発見しやすいのかというのは非常に見えにくい。例えば、メールでの嫌がらせだとかメールでの強制的な問題だとかというのは周りからなかなか見えにくいというのがあって、それは配偶者と同様でございます。
ただ、刑罰上いろんなものを制限するのは厳しいという理屈は僕はよく分かるので、今言われた何らかの要件の上乗せ規定について、法務省としてはこれは検討されているんですね。

○政府参考人(萩本修君) 今の点、議員立法で改正が議論されているものでございますけれども、法務省としましても、その議員立法の取組につきまして、民事裁判手続に関する一般法を所管する立場から積極的に御協力させていただきたいと考えておりまして、現在検討させていただいております。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
積極的に検討させていただきたいという言葉をいただいただけでも、あとは議員立法で超党派の先生方に御協力をいただいてというふうに思っておりますので、お願いしたいと思います。
それで、実はこの配偶者からの暴力、この保護命令、すごく重要なんですけど、この保護命令に関する実態調査を内閣府が行っているはずです。
森大臣、この調査方法、内容、そしていつ調査結果が出てくるのかについてお答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 男女共同参画会議の下にあります女性に対する暴力に関する専門調査会で昨年の十一月より配偶者暴力対策のフォローアップを行い、関係省庁や地方公共団体の実施状況などについてヒアリングを実施しております。
中でも、保護命令について今後の議論に取り上げることとなり、その一環として、保護命令制度についてその実態とそれを取り巻く状況を分析するため調査を企画しておりますが、具体的には、保護命令にかかわったケース、交際相手からの暴力に関する今の御指摘の問題、それから関係機関との連携協力について実態を調査しまして、時期としては来月目途で取りまとめる予定でおります。

○福山哲郎君 来月と聞きまして、なるべく早くこれが是非議員立法の我々の議論の中に参考になるようによろしくお願いをしたいというふうに思います。
この保護命令ですけれども、大体保護命令出るまで平均十二日間掛かっています。実は、この十二日間という期間がちょっと長いんじゃないかと。それでなくても身体の危険、命の危険の状況がある中で十二日間というのがあって、この保護命令をもう少し、例えば仮の保護命令だとか緊急の保護命令だとか、短くするような即時発令の仕組みはできないかという意見もあるんですが、このことについてどのように法務省は考えておられますでしょうか。

○政府参考人(萩本修君) 保護命令の発令は、先ほど申し上げましたような特殊な性格を持っておりますので、裁判所がその司法判断として一定の証拠に基づいて慎重に判断しなければならない面があることは、これは否定し難いところですので、一定限度時間が掛かることはやむを得ないという認識を持っております。
ただ一方で、今委員御指摘のとおり、緊急な場合、急がなければならないという場面があることもまた紛れもない事実でございますが、そのような場合につきましては、一時保護施設を活用することによって申立人の保護を図る、そういった対策を講ずることも可能ですし、また現行制度におきましても、その相手方を裁判所が審尋をするということは原則的には求められておりますけれども、常に必要とはされておりませんで、DV防止法十四条一項の規定によりまして、審尋の期日を経ることにより保護命令の申立ての目的を達することができない事情があるときは、その審尋をせずに保護命令を発令することが可能とされております。
実際にもうそのような無審尋で発令がされた例はありまして、件数は年によってばらつきがありますけれども、平成二十年と二十一年はそれぞれ三十件、平成二十二年は十八件、平成二十三年は十件という形で実際にも活用されているものと承知しております。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
その審尋をしないでという状況は、今、三十件、十八件、十件と言われましたが、全体の保護命令の数は大体二千五百件なんですね。そうすると、その審尋をしない例が本当に適切な数なのかどうかというのは、これは議論の余地があって、だからこそこういった議論が出ているので、そこも是非今後法務省としては御検討いただきたいと思います。
あと一分ですので、せっかく古屋大臣に来ていただいているので。警察官、現場で頑張っていただいています。随分前向きにというか、今までのように門前払いではない例が増えたというのも聞いておりますが、これ実際、個々の警察官が携帯して学ぶような被害者への対応マニュアルだとか、そういったものの準備というようなものの取組についてお考えをいただくあれはありませんでしょうか。

○国務大臣(古屋圭司君) DVの被害者は、もう何というんですか、まなじりを決して警察に相談に来るんですよ。やっぱりその警察が、もう一番ポイントは、被害者の立場に立って親身に相談に乗る、これが全てだと思います。
例えば一つの例として、いわゆる住民基本台帳の閲覧制限をすると、これやっぱり大きいんですね。こういったものを全部警察に細かく今指示しています。
それ以外に、今年の二月の六日に、被害者の意思決定を支援する手続という、マニュアルです、導入して、今、各都道府県警にこのマニュアルに従って丁寧に対応しなさいということで、例えば一つの例では、被害者の希望に応じて、男性の警察官がいいんですか、女性の警察官がいいですか、あるいは、年配の方がいいんですか、若い方がいいんですかということも含めて細かく規定しています。そして、ある意味で手続していくためのロードマップもお示しをして、こういうふうな状況になりますけどいかがでしょうかという非常にきめ細かな対応をしておりまして、冒頭にも申し上げましたように、いかに被害者保護の立場に立った警察が相談に乗っていくか、これに尽きると思います。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
私、先ほど警察の対応が改善されたというふうに申し上げましたが、しかし改善されていない場面も何度もあります。ですから、そこのところは、今大臣言われましたように、しっかりと現場の警察官隅々まで意識を徹底していただいて、被害者に寄り添っていただくようにお願いをしたいと思います。
ほかの大臣方にも御質問を用意をしましたが、時間がなかったので、そのことについてはおわび申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
もし、大臣、最後にあれば。

○国務大臣(古屋圭司君) しっかり私も国家公安委員長として現場の各警察に指示、徹底をしてまいります。

○福山哲郎君 ありがとうございます。


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