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2013

第183国会 参議院 内閣委員会 2013年6月18日


障害者差別解消法案 質疑

○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
今日は障害者差別解消法の審議ということで、どうかよろしくお願いしたいと思います。
平成二十年に障害者の権利条約が発効になりました。エクアドルが批准をしたことによって発効することになったわけです。あれから五年たちましたが、日本はまだ批准するに至っておりません。障害を持った皆様も、社会全体としても、批准をするということを強く待ち望んでおられたわけです。
今回、障害者基本法の改正、それから障害者総合支援法の制定、そしてこの障害者差別解消法の成立ということをもって、ようやく日本も批准の運びになるのではないかなというふうに私は強く期待をしておりまして、今日は外務省に来ていただきました。衆議院でも答弁をいただいておりますが、この法案成立後、速やかに条約の批准に向けて日本政府としては動き出していただきたいと考えておりますが、批准に向けた政府の姿勢とスケジュール感をまずは御答弁いただきたいと思います。強い決意でお願いいたします。

○政府参考人(新美潤君) お答え申し上げます。
今委員からの御指摘ございましたとおり、障害者権利条約、大変重要な条約でございます。この条約の締結に先立ちまして、国内制度の整備に努めてきたところでございます。その中で、障害者基本法の改正及び障害者総合支援法、これは既に成立しておりまして、今次通常国会にはこの法案、そして障害者雇用促進法改正法案が提出されまして、後者の障害者雇用推進法改正法案については先日可決されたと承知しております。
これらの国内法の整備、これは条約の実効的な運用の観点から大変有意義なものだと思っております。このような国内制度の整備の状況の進捗も踏まえた上で、可能な限り早期に条約を締結したいと考えております。

○福山哲郎君 強い決意を表明いただいて、ありがとうございます。
実は、私、個人的なことを申し上げますと、十七、八年前から、京都で活動されている命輝け京都第九コンサートという団体があります。これは、ベートーベンの第九、喜びの歌を、障害を持った方も、僕は、後で申し上げますが、健常者という言葉は嫌いですが、普通の方も、普通の方という言い方も余り好きではないんですが、三百人とか五百人で一生懸命、一年掛かりで合唱のパートを練習をして、そこにボランティアの皆さんが練習場への移送やいろんな形で、音楽家もかかわって、本当に五百人規模の合唱団で、京都市交響楽団や世界的に活躍をされている指揮者の下で第九をみんなで演奏するという活動にかかわりました。私は本当に、議席をいただく前のときであったので、ボランティアとしても本当に片隅でボランティアをさせていただいたんですが、去年それが十回目のコンサートを迎えて、本当に感動的なコンサートが行われています。
私はそのときに気付いたんですけれども、合唱団五百人いて、障害を持った方と健常者の方が一緒になって合唱する練習場は別に何ら違和感もなく、本当に何の障壁もなく、意識やお互い譲り合うことも含めて、そういう景色で、ああ、障害を持った方も普通の人も同じ空間に、同じ生活、同じ目的を持っていろんな形でやれば本当に普通の景色なんだということを私はそのときに、もう二十年近く前になりますが、気が付かさせていただいて、障害を持った方から本当に多くのことを学ばせていただきました。
今回、この障害者差別解消法が日本でできるということは私なりにも大変評価をするところでございますし、一年前に私は京都府の障害者団体連合会の会長を仰せ付かって、一年やらせていただきました。これも多くの皆さんがかかわって、そして活動をされています。実は、この障害者団体連合会の会長は、自民党の野中広務先生から私は後を継いでやらせていただくことになりました。野中先生のような大物の先生の後で力不足は重々承知だったんですけれども、今まさにそういった活動をさせていただく中でこの質問をさせていただくことも何かの御縁かなというふうに思っております。是非、大臣におかれましては、この法案の意義をしっかり受け止めていただいて施策に反映をしていただきたいと強く望むところでございます。
それで、少し質問として申し上げます。
障害者という表現について、この法案では害の字、いわゆる公害の害の字を使っています。ある法案では平仮名で使っている場合もあります。いしへんの碍という字を使っている場合もあります。今回、障害者差別解消法であえてこの漢字を使われた意味合いというのはどういう意味合いなのか、もし理由があればお答えをいただけますでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
障害者の害の表記の在り方でございますが、これについては様々な御意見があるものと承知してございます。
例えば、平成二十二年でございますが、障害当事者も参加しました障がい者制度改革推進会議においても見解の一致を見ず、新たに特定の表記に決定することは困難であると判断せざるを得ないという結論をいただいております。
今回の法案でございますが、この法案は障害者基本法の具体化という形で実は位置付けてございます。その法案、障害者基本法自体がこういう表記でございましたので、それを踏まえた上でこういう形で一応使わさせていただいたと、こういうことでございます。

○福山哲郎君 私は、個人的な意見で言うと、障害者と健常者という言い方が嫌いで、何で健常者は健やかで常で普通みたいな表現で、片一方が障害だということをずっと気持ちの中で思っていました。いろんな部会等の議論の中でもその議論が一致を見なかったことも私も勉強しました。イギリスの方では、障害者の障害というのは逆に言うと社会的な障壁の方を表すんだと、日常生活を営む上で障害となるような事柄や制度や慣行や差別意識や観念、そういったもの自身が障害だから、そのことを取り除く意味もあってこの障害という言葉を使うんだという議論もあると聞きました。私は、日本の中でもそういった概念で使われるなら、障害者という言葉を使うことに対して今までよりかは抵抗をなくしていこうと思っています。ただ、やはりイメージとしては、障害を持った人は何か障害があるんだというようなイメージがあって、健常は健常だと。
今後、日本は高齢社会を迎えます。高齢社会になれば、お年寄りは目がなかなか不自由になったり足腰が弱くなったり、実はみんなそれぞれ機能に障害が出てくると。そうすると、お年寄りも障害を持った方もそれぞれが社会の中で、しっかりとバリアフリーの中でお互いが共生社会を営んでいけるようになるためにはまさに社会的な障壁を取り除いていかなければいけないという概念でこの障害者という言葉を使うんだなと理解をして、今回はこの害という字を私は理解をしたつもりですが、山崎さん、もしお答えいただけるんだったらお答えいただければと思います。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、今回のいろんな差別の解消という点で例えば社会的障壁という問題がございますが、これに関しましても、今回の法律におきましても、障害がある人にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁になるようなものと、まさしく社会的な概念といいましょうか、それを踏まえた上で今回取り組んでいるものでございまして、まさしく全体の趣旨において先生御指摘のとおりの方向で今回取り組もうというものというふうに考えている次第でございます。

○福山哲郎君 大臣、今の議論聞いていただいて、一言、感想なり決意を述べていただければ有り難いです。

○国務大臣(森まさこ君) ありがとうございます。
私も、私の母が、地域で特に障害を持った子供の子育てをしているお母さんがなかなかお仕事をすることができないということで、私の母が営んでいる縫製工場に来ていただきまして、そのお子様たちと一緒に私も子供時代を過ごしたものでございますから、この法案には大変な思い入れがございます。
委員のこの一つ一つの定義に抱く思いも共感できるところがございますので、しっかりと今後も取り組んでまいりたいと思います。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
確認をしておきたいことがたくさんありますので、短い答弁で、私ももう余り個人的な気持ちは入れずに一つ一つ確認をしていきますので、よろしくお願いしたいと思います。
一つは、差別の定義をこの法案は設けていません。これも難しかったというのを私は理解をしておりますが、今回、差別の概念ということを法案の七条、八条で議論をされています。そのときに何が差別であることかというのは、まさに今後の相談事例や地域の中での協議会での議論の積み重ねによって、より時間がたてば差別の概念が具体的にどういうものかということは事例として積み上がってくるというふうに思っておりまして、このことは私は非常に重要な知見であり、社会全体の経験だというふうに思っています。
しかし、一つ、これ衆議院でも確認されていますが、もう一度確認させてください。差別というのは、この法案による概念でいえば、不当な差別的取扱い、これは一つ差別。もう一つですが、合理的配慮の不提供は差別、この法律による禁止をする差別と言い切っていいのかどうかだけ確認をさせていただきたいと思います。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
御指摘のように、本法案におきましては二つの類型としまして、不当な差別的取扱い、さらに合理的配慮の不提供と、この二つを規定してございます。
まず、不当な差別的取扱いにつきましては、これは、行った場合はまさに差別に当たるわけでございますが、さらに、合理的配慮の不提供に関しましても、社会的障壁の除去の実施に関する必要かつ合理的な配慮を行わないという場合につきましては、これは障害を理由とする差別に当たるというものでございます。

○福山哲郎君 当たると明確に御答弁いただいて、ありがとうございます。若干衆議院では抽象的だったので、そこははっきり言っていただいて、ありがとうございます。
一方で、御案内のように、差別禁止部会の中でいろんな意見が出た中では、間接差別や関連差別の議論がありました。この扱い、非常に難しいのは私も承知をしております。先ほど申し上げたように、事例の集積によって将来この差別に対する、障害者の差別に対する知見というのはどんどん深化をしていくものだというふうに思っておりますが、将来の定義の見直しや、関連差別、間接差別の扱いについて今どのように考えているのか。なかなかこれは将来的な課題だと思いますので明確にお答えできないことは承知の上でございますが、現状のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
まず、御指摘の間接差別、関連差別でございますが、これに関しましては委員のおっしゃるとおり、具体的にどのような事例が該当するかについて現時点では一律に判断することが困難であるため、今後の具体的な相談事例や裁判例の集積等を踏まえた上で対応するという形になるものでございます。
なお、差別の定義でございますが、現時点におきましては法律上これを一律に定義付けるということをしてございません。今後、ガイドラインにおいて不当な差別的取扱いの具体的事例や合理的配慮の好事例を示しつつ、具体的な事例や裁判例を積み上げていく中で、何が差別に当たるかについて国民の間で認識の共有が図られるように努めてまいりたいと考えております。
法施行三年後の見直しにおきまして差別に関する定義規定を盛り込むかにつきましては、今後の具体的な事例や裁判例の集積を踏まえて検討するということになろうかと考えております。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
実は障害者差別解消法ができたとなると、実は社会の中では何が差別か何が差別ではないかが分からないので、逆に障害を持った方に対する対応の仕方が少し戸惑ったり、逆に今まで普通にやっていたことがこれは駄目なのかどうかといって混乱をする可能性もあります。
今政府委員おっしゃられたように、ガイドラインなりを早く国民に周知徹底していただくことというのが私は非常に重要なことですし、それが社会の中で本当に、法案に書いてあるように分け隔てない社会をつくっていく大きな要素だと思いますので、そこは是非早くガイドラインの提示等についてもお願いをしたいと思います。
この法案の二条を読みますと、障害者というのは身体障害、知的障害、精神障害、その他の心身の機能の障害がある者でというふうに障害者の方について議論をされていますが、一言で障害と言っても実際の在り方は多様でございます。幾つか確認をさせてください。例えば、障害者手帳を持っていないけれども、今難病にあられる方、こういった方は対象となるのかどうか、お答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
御指摘の障害者手帳を持たない難病がある方につきましても、難病に起因する心身の機能の障害があり、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受けている状態にある方については対象となります。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
二つ目でございますが、障害者の親が子供の障害を理由として不当な差別的取扱いを受けた場合には対象となるのかどうか、お答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
本法律は、あくまでも障害者本人を対象とするというものでございますが、例えばいろんな場面ございます。障害児を持つ親の方が当該障害児の付添いとして例えば施設を利用しようとしたと、当該障害児と一緒に利用しようとした場合に、これについて施設の利用について不当な差別的な取扱いを例えば受けた場合でございますが、これについてはまさに差別的な事例という形になる次第でございます。

○福山哲郎君 逆にそこは、地域協議会も含めていろんな形で事例が集積する中で、障害を持ったお子さんの親御さんに対する対応についてもそういう事例の積み重ねの中で実際に対処していくという判断でよろしいでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
まさにそうでございまして、まさにこの内容につきまして、個々の事例というのをいかに明確に積み上げていくかということは大変大事でございます。それぞれのいろんな関係機関において事例を積み上げながら、これを集積を図っていくという形で進めてまいりたいと思っております。

○福山哲郎君 よろしくお願いします。
実は私の問題意識の中にはいわゆる、生まれ付いてか若しくは先天的か後天的かは別に、ユニークフェイスの方がいらっしゃいます。私、ずっとユニークフェイスの長年友人の方がいらっしゃって、いろんな悩みも抱えながら頑張って今生きておられる方がいるんですけれども、そのユニークフェイスの方自身がここに当たるのかどうかというのは定義上、非常に僕は難しいなと思っています。
ただ、ここの条文に書いてある「その他の」の中にどういうふうにこれを読み込むのかということも、やっぱり地域の中でそういう事例で、これはやはり問題じゃないかというような事例がある中で対応していっていただきたいなというふうに思っていて、これなかなか政府、答弁しにくいと思いますので、答弁は結構ですが、私の問題意識としてはユニークフェイス等々についての対象がどうなるのかについてもあるので、そういった議論が国会で行われているということについては是非御留意をいただきたいというふうに思います。
それから、実はこれは余り気持ちのいい話ではないんですが、障害を持つ女性が、これは権利条約の中でも議論があります、障害者であり、かつ女性であるために不当な差別やDV等の被害に遭っている。若しくは、ある市民団体の調査では三割の障害のある女性がセクハラ被害に遭っていると回答をしています。これは障害を持った女性であるがゆえにということで非常に私は問題だと思っているんですけど、女性や子供などの社会的弱者が更に障害を有している場合に、より深い差別や苦痛を受ける場合が少なくありません。
本法案ではこういったことに対してはどのように配慮しているのか、お答えいただけますか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
本法案におきましても、女性や子供への配慮、これ大変大事であるという認識の下に、第七条の第二項及び第八条第二項でございますが、年齢、性別及び障害の程度に応じて、必要かつ合理的な配慮を行わなければならないという規定を置いてございます。したがいまして、これを踏まえながら今後基本方針やガイドラインを策定してまいりますが、その際には女性や子供に対する配慮を十分に行っていくというふうに考えている次第でございます。

○福山哲郎君 森大臣、女性大臣ですからこのことについてはしっかり問題意識を持っていただきますようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(森まさこ君) 女性や子供に対して障害を持っているということで更に差別的な取扱いがされることは看過できない事態でございますので、これにつきましては十分な取組をしてまいりたいと思います。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
やや細かい具体的な話に入っていきます。
法案の九条、十条によって、政府の定める基本方針に即して省庁や地方公共団体が対応要領や対応指針を作成することになっています。もちろん、この基本方針の中身、対応要領や対応指針の中身、内容は非常に重要なんですが、実はこれを作った後に、先ほどから何度も話が出ております事例の集積等の実績をフォローアップをし、それをフィードバックして内容を常に改善をしていく、PDCAサイクルを組み込んでいくということが私はこの法案と実際の執行過程については非常に重要なことだと思っております。そのことについて見解を伺いたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、基本方針、対応要領、対応指針は、社会の変化や国民の障害者に対する理解の深まりなどに伴って内容を充実させていくべきものと考えます。そのため、本法案においても国内外の情報収集等を行うこととしておりまして、障害を理由とする差別やその解消のための取組等の事例の集積、また海外における先進的な取組に関する情報収集の結果等を踏まえ、適宜必要な見直しを行ってまいります。

○福山哲郎君 これは非常に重要な点ですので、国会への報告も含めて前向きにいろんな形でPDCAサイクルが機能するように、よろしくお願いしたいと思います。
条文を読むと、対応要領は国や地方公共団体、独法等の職員個人が適切に対応するものとされていて、対応指針は事業者が適切に対応するためのものと書いてあります。これ、済みません、私の法の条文を読む能力が足りないんですけど、これを読むと国や地方公共団体は職員個人と書いてあって、事業者は事業者と書いてあるんですね。これは法人格として書いてあるんです。若干誤解を僕はしているのかもしれませんが、国や地方公共団体も法人としての責任があるはずですが、これを読むとそれが何か職員に責任を押し付けているように読める可能性があるので、それは多分誤解だと思いますから、その誤解を是非解いていただきたいと思います。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
委員御指摘のこの対応要領でございますが、これは第九条及び十条に定められてございます。実は、その前に、第七条でございますが、行政機関等につきまして、障害を理由とする差別、これは不当な差別的取扱い、さらに合理的配慮の不提供、これを含んでございますが、これを禁止してございます。したがいまして、まさしく事務又は事業を行う主体として行政機関等が当然適切に対応するということは義務付けられていると、こういうものでございます。

○福山哲郎君 機関として適切に対応するということを今表明をいただいたので、安心をいたしました。ありがとうございます。
衆議院の内閣委員会においては、職員がこの法律に違反する行為があった場合においては、行政機関等の内部におきます服務規律確保のための仕組みや行政相談等の仕組みに応じて解決が図られると答弁がありました。そうすると、この服務規律と対応要領の関係がちょっと分かりにくくなります。法律には対応要領と書いてあるのに、衆議院の答弁は服務規律ということですので、この関係についてお答えをいただくことと、その服務規律ないしこの障害者差別解消法に基づく対応要領は、一方では服務規律と同様に、同様にというか、公表される位置付けについてもお答えいただけますでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
御指摘の対応要領は行政機関等の職員が守るべき規範として定められることを想定してございまして、このような規範は服務規律の体系に位置付けられる、その一つに位置付けられるということが一般的であると考えてございます。その上で、本法案におきましては対応要領を公表するということが求められておりますので、対応要領が当該行政機関等において服務規律の一部を構成する場合には、対応要領の部分について服務規律が公表されると、こういう形になるものでございます。

○福山哲郎君 明確に御答弁いただいてありがとうございました。
そうすると、その対応要領を見れば、その省庁なり機関が職員に対してどのような形で差別解消に向けて取り組むようにするかが分かるということですね。それでいいわけですね。一応お答えいただけますか。

○政府参考人(山崎史郎君) そのとおりでございます。

○福山哲郎君 さらには、紛争の防止や解決を図る体制の整備に関連して、衆議院の答弁では、既存の機関において体制の見直しを努めると書いてあります。要は、新しい機関はつくらないということなんですが、省庁ごとに、若しくは地方公共団体やそれぞれの準ずる事業体というか団体ごとに体制の整備が図られるという位置付けでよろしいですか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
本法案は、障害を理由とする差別の解消を効果的に推進する観点から、国や地方公共団体において相談及び紛争防止等のための必要な体制整備を努めると、こういう形で規定してございます。これに関しましては、この趣旨を踏まえまして政府全体の基本方針、これを定めてまいりますが、その中で体制の整備の基本的考え方を盛り込みまして、それに即しまして各省庁において既存の機関の活用、さらには体制の更なる充実、これを図っていくというものになるものでございます。

○福山哲郎君 そのときに、それぞれは体制の整備が図られたとしますが、一方で、行政機関自らが差別的取扱いをしたり合理的配慮の不提供を行った場合に、どこにそれを救済の相談に行けばいいんでしょうか。その省庁に直接行くのか、逆に地域の協議会に落とさなければいけないのか、そういう場合はどうしたらいいんでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
様々な対応があると思いますが、まず行政機関におきましては、その職員の対応に例えば不満がある場合、問題がある場合につきましては、その行政機関内の窓口にもちろん申し出ていただくことが可能でございますし、さらに、ほかには総務省の行政相談もございますし、さらには、人権にかかわる相談でございますと地方の法務局といった形の対応もございます。そしてさらに、先ほど御指摘ありました地域の協議会も今回規定ございますので、そういったルートからもいろんな面で御相談いただけると、このように考えている次第でございます。

○福山哲郎君 先ほど言われた既存の機関の見直しの中で、これまで紛争解決の仕組みを持っていないような機関があるはずです。恐らく、基本方針の中にはそこにもちゃんと相談窓口なり、対応しなさいということの指示が出るはずだと私は考えておりますが、そういった形で、それぞれの既存の今までそういった仕組みを持っていないところでも窓口のようなものはつくっていただくことで体制整備を図っていくということでよろしいんでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、今後、政府として基本方針を定めてまいります。その中で、各省庁さらには行政機関におきます体制整備の基本方向を盛り込んでまいりますが、それに即して、相談の窓口等を含め適切な体制整備を図るように、充実を図るように努めてまいりたいと、このように考えている次第でございます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
続いて、先ほど話が出た地域協議会、これは地域の中で差別のいろんな相談事案を受け止める地域協議会ができます。
今言われたような、それぞれの機関、体制の整備をされているそれぞれの省庁を含めた機関があります。ここの関係はどういう関係になっているのかについて御説明いただけますでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
まず、法の第十四条に基づきまして、国及び地方公共団体は相談、紛争防止のための体制整備を図ると、こういう形になってございます。今回は、基本的な考え方としまして、新たな機関を設置せずに既存の機関の活用さらに充実によって対応すると、こういうふうなことが基本になってございます。
そうしますと、各分野の機関がそれぞれ対応することになるわけでございますが、そうなりますと、例えばたらい回しとかいろんなものの谷間に落ちるというケースがございます。これを防ぐ必要がございますので、まさしくそういう観点から、本法案では地域のレベルでそれぞれの機関を構成機関とする地域協議会、これを設置しまして、まさしく相談、紛争解決のネットワークをつくると、こういう形のものでございます。

○福山哲郎君 地域は一定のネットワークがあって、そこが受け止めると。さらに、中央省庁の機関で何らかの形があった場合は、そこでも受け止められると。両方が合わさって、より重層的な形をつくっていくという位置付けでよろしいですね。

○政府参考人(山崎史郎君) 御指摘のとおりでございます。
それぞれの機関がございますが、地域では横串を刺した形でのネットワークをさらにつくるという形で、合わせてしっかり受け止めるということで考えている次第でございます。

○福山哲郎君 そこで、重要なところは地域の協議会の横串なんですけれども、私は、例えば中央省庁との関係でいうと、例えば地域の中でバリアフリーの社会をつくるといったときには、道路や駅や、町づくりの観点でいえば国交省さんというのは非常に重要な役割を果たすわけです。それから、例えば人権の救済でいえば法務省の人権救済機関、人権救済の擁護委員の方も含めて非常にそれぞれの地域の法務省で知見があるわけです。
先ほどの地域協議会の横串の中にこういった、ある意味でいうと国の出先機関のようなものが、国の出先機関が行政組織上いいかどうかは今日はこの場はおいておくとして、それは別として、国のこういった出先機関の、それぞれ知見があったり現場に指示が出せるようなところがこの地域協議会の中に構成員として含まれる方がよりスムーズに横串が機能するというふうに私は感じるんですけれども、そういった理解でよろしいのでしょうか。

○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
御指摘の国の出先機関でございますが、これは法律の第十七条の言わばこの構成機関の中に当然入ってまいることでございます。そして、委員御指摘のように、この出先機関が含まれますと、行政措置の権限を有します主務大臣たる行政機関にまさに橋渡しが非常にスムーズになりますので、有効になるというふうに考えている次第でございます。

○福山哲郎君 これね、松下政務官、例えば何らかの形でバリアフリーを確保したいといったときに、事業者が地域にいるわけです。ところが、事業者はいろんな事情があります。一方で、陸運局や整備局等、国交省のところがあって、そこが横串で地域協議会に加わっていただいているといろんな情報が入ってきます。そうすると、事業者との調整も含めて実は私はかなりスムーズにいくんじゃないかなというふうに思っていて、それを一々中央省庁まで行くみたいなのは非常に時間的にもロスだなと思っているので今の指摘をさせていただいたんですが、そういう形でこの地域協議会の中に国の機関が一定、地域で加わっていただくことが重要だと思いますが、政務官、いかがですか。

○大臣政務官(松下新平君) 大変重要な御指摘だと思っております。
よく国交省の中のやっぱり縦割りも指摘されているんですけれども、それぞれ時間が掛かるわけですね、それぞれ協議する会議とかいろいろ持っていて。福山委員御指摘のとおり、実効ある対策を取るために国交省としても取り組んでいきたいというふうに思います。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
実は重要なのは、千葉の事例でもそうなんですけれども、地域の協議会がいかに有効に機能するか。そこに知見があり、経験があり、対応できる人がいかにその地域協議会に参加をしていただくかが重要なんですが、その地域協議会も、実は数多く事例の相談とかが行われるようになると、当然、地域ではその協議会を運営するのにお金が必要になると僕は思っています。気持ちはよくてもなかなかお金がないと人が回せなくなります、運営も含めてですね。それから、ちゃんとした知見のある人が相談の窓口にいるかいないかというのは、すごくその後の対応に差が出てくると思っています。
そういった点も含めて、この地域協議会を運営するに当たって、適切な人員配置を行う必要があると私は思っています。どのぐらい経費が掛かるか分かりませんが、地方公共団体がつくれと言われても、金目のものがなければどうしようもありません。
交付税の地方財政措置も含めて、そういった御努力を是非、これは制度全体としてしていただかなければいけないと思っていますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 本法案が施行された暁には、各地方公共団体が国とも協力しながら差別解消支援地域協議会の設置を進め、差別に関する相談や紛争解決が速やかに行われる体制の整備が進められるものと期待しております。その際に、どの程度の業務量が発生し、人的配置等がどの程度必要になるか、関係者の意見も聞きながら検討していく必要があると考えております。
その上で、関係省庁とも連携し、財政支援の在り方についても今後検討してまいりたいと思います。

○福山哲郎君 これ、森大臣、三年後に森大臣が大臣をやっているとはなかなか私も思えないので、しかし、このスタートのときの大臣が、この財政措置に対してどういう答弁をしていたかというのはすごく重要なんです。
だから、逆に、これは財政措置は必要だと自分は認識していると、ですから今後、まさに今おっしゃられたのは、若干検討という話だったんですけれども、財政措置が必要だと、だからこそしっかりとこれから先三年後の施行までにそのことについて自分は強く主張していきたいと、どうか御決意をお願いしたいと思います。

○国務大臣(森まさこ君) 委員御指摘のとおり、この地域協議会が実効性のあるものとなるためには人員も必要です。財政支援の必要性があるということは重々認識しておりますので、前向きに検討してまいりたいと思います。

○福山哲郎君 検討するじゃなくて、私は頑張ります、こういうときに大臣が頑張らないで、いつ頑張るんですか。それが大臣の役割ですよ。だから、後ろの官僚も、障害を持った方も、みんなそこが重要だと思っていますから、大臣、一言、もう少し踏み込んでください。

○国務大臣(森まさこ君) 大変重要な問題であると思っておりますので、関係省庁ともしっかりと協議をしていく中で私も頑張ってまいりたいと思います。

○福山哲郎君 頑張ってくださいね、頑張ってまいりたいと言われたんですから。
実は、どの程度のお金が掛かるか、どの程度の事業が必要かという、三年待っているよりかは、私は、幾つかのモデル事業をやって現実に三年の間に具体的に動かした方がいいと思っています。
どうですか、どこかの地域でモデル事業を先行実施して協議会の運営を具体的にほかの都道府県にも示していくと、モデルとして示していくというようなチャレンジが私は必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○国務大臣(森まさこ君) 委員の御指摘、大変貴重な御提案であるというふうに考えております。
この地域協議会については、それぞれの地域の実情に応じて積極的にお取組をいただきたいと思っているところでございますけれども、初の試みでございますので、これが真に機能するものとするためにも、モデル事業の先行実施、委員の御指摘を踏まえまして、関係者の御意見もお聞きしながら検討を鋭意進めてまいりたいと思います。

○福山哲郎君 そろそろ概算要求の準備に各省庁は入っているんです。概算要求の準備にこのモデル事業をちゃんと入れていただけますね、大臣。

○国務大臣(森まさこ君) しっかりと検討してまいりたいと思います。

○福山哲郎君 検討じゃなくて、頑張りますと言ってください。

○国務大臣(森まさこ君) 地域協議会の試みが真に機能して、障害者の皆様の差別がそれぞれの地域の実情に応じて解消されていくために、先行モデルの実施について頑張ってまいりたいと思います。

○福山哲郎君 政治は、大臣がいるのは、そういうときに政治決断をして予算を取ってやることが政治です。ですから、逆に言うと、この法案はまさに森大臣が、これ歴史的な法案ですからね、その最初のモデル事業ぐらいはやる決意を今いただいたということで、これ以上は申し上げませんが……(発言する者あり)今、頑張ると言ったじゃない。
じゃ、もう一回決意を、もう一回短く決意表明してください。

○国務大臣(森まさこ君) 福山委員も政府におられて、本当にしっかりやられておられたお姿を私も今振り返っておりますけれども、私もこの立場になったからには、障害者の皆様のために、先行モデルの実施も含めて、効果的な施策についてはしっかりと予算要求も含めて頑張ってまいりたいと思います。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
松下政務官、済みません、実はホーム柵の問題とかは事業者との関係で難しいのは分かっているんですけど、地域の要望を聞いて国交省が御努力いただいていることも私よく分かっています。このホーム柵は、障害を持った方々だけではなくて、実は自殺予防にもすごく効果があるんです。このホーム柵の問題、それから地域でのバリアフリーの問題、実は国交省の役割、大変重要です。先ほども一応決意いただきましたが、もう一度、改めてこういった点について御決意をいただけませんか。

○大臣政務官(松下新平君) 冒頭に心のバリアフリーの話もお触れになりましたけれども、そういった、国交省は、ハード面だけではなくてソフトの充実も併せて必要だと思っております。御指摘をいただきましたホーム柵、ホームドア等につきましては、当該設備の整備費用に対する事業者への補助金等の財政支援によりまして設置を進めますとともに、技術開発にも取り組んでいるところでございます。
今後とも、国土交通省といたしまして、障害者等の御意見もお伺いしながら、本法案に基づく取組と併せて、バリアフリー法に基づく公共交通施設や建築物等のバリアフリー化などのきめ細やかな取組を着実に推進してまいります。

○福山哲郎君 時間になりましたので終わりますが、それぞれ誠意ある答弁をいただいたと思っておりますが、まさにこれから魂を入れ込んでいくのがこの法律でございますので、是非政府におかれましてはしっかりとやっていただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。


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