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2013

第185国会 参議院 外交防衛委員会 2013年11月7日


万国郵便条約、世界基金、COP19

○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
岸田外務大臣、また政務三役の皆様におかれましては、山積する外交課題に日ごろから御尽力いただいていることに心から敬意を表する次第でございます。
実は、万国郵便条約は、私、外務副大臣時代に答弁席に立っておりまして、質問を若干用意したんですけど、牧山委員がかなり詳しく的を射た質問をされましたので、そこは割愛をさせていただきたいと思います。
ちょっと最近気になっていることから質問させていただきます。
中国で、十月二十八日、天安門前で車の突入、炎上事案が起こりました。そして、十一月六日には、山西省で共産党委員会のビルの近くで複数回の爆発が起きています。中国には二万二千社を超える日本の企業が出ています。そして、在留邦人は十四万人を超えるというふうに承っております。
これらの事案について、現段階で得られている政府の情報はいかがなものかということをまずお伺いしたいと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) 中国の天安門、そして山西省において発生した事案につきまして御質問をいただきました。
まず、天安門の事件ですが、天安門という中国を象徴する場所で、ウイグル族の男と妻、七十歳の男の母の三人の乗った一台の車両が橋の保護柵に衝突、炎上し、これまでに五名の死亡と四十名の負傷が確認されたと承知をしております。この事件においては邦人男性一名が負傷をいたしました。
この事件につきまして、まず中国当局は、東トルキスタン独立運動に言及しつつ、綿密に計画され組織的に準備された暴力テロ襲撃事件であると認定をしています。
ただ、いずれにしましても、本件事案につきましては全容がまだ明らかになっておりません。日本政府としましては、中国政府に対しまして更なる情報提供を求めつつ、捜査の推移、しっかり注視をしていきたい、このように考えております。
山西省の事案につきましても、公安当局によりますと、昨六日午前七時四十分ごろ、これは、太原市山西省共産党委員会の建物前で爆発が発生し、一名が死亡し八名が負傷した旨、発表していると承知をしております。これにつきましても、情報提供を引き続き中国側に求めているという現状にあります。

○福山哲郎君 ありがとうございます。昨日の事前通告よりも随分詳しく御説明をいただきまして良かったです。
これらの事案について中国政府に求めているとさっき大臣はおっしゃいましたが、具体的にこの問題について政府とのやり取り、連絡は行われましたか。

○国務大臣(岸田文雄君) 特に、天安門の事件に関しましては邦人男性一名が負傷をしております。我が国として、この事案につきまして注視をしているということ、情報を提供してもらいたいということ、この山西省の事件と併せて中国当局にしっかりと申入れをしております。

○福山哲郎君 申入れをされたということですね。

○国務大臣(岸田文雄君) 既に申入れをしております。

○福山哲郎君 いつやられたか、細かいことは申し上げません。質問があるから慌ててやったということではないことを願いますし、在京、とにかくやり取りだけはしましたよというようなことではなく、実質的に邦人が一人負傷されていることですし、私は非常に、この事案、中身は分からないんですけど、概括的に申し上げると、中国の中でこういったことが行われることが可能なんだということが中国に広がるということは非常に嫌な感じがします。
そのテロの中身が中国政府の発表とどうかという真偽のほどは別にして、こういったことが中国の中で行われることを本当に誘発をするのではないかということを懸念しておりまして、それはイコール、先ほど申し上げた十四万人の在留邦人、二万二千社の日本の企業に対しても非常にリスクが高まるということでございますので、そのことについて、是非、政府としては格段の注意を払っていただきたい、留意をしていただきたいと申入れをさせていただきたいと思います。
一部報道では、これは報道ですから政府として答えにくいと思うんですけど、今週末、十一月九日から中国の共産党の中央委員会、いわゆる三中全会があると、こういったものを意識したものではないかというような報道もありますが、答えにくいでしょうが、このことに対して政府としてはいかがですか。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、天安門、そして山西省、この二つの事案につきましては、先ほど申し上げましたように、情報提供を求め、そして推移を注視しているところであります。
そして、この三中全会、第十八回中央委員会第三回全体会議との関連性につきましては、もちろん断定的に申し上げる立場にはないわけですが、中国における社会とか治安情勢という観点からこれは引き続き注視していかなければならない、このように考えます。
委員長、済みません。先ほどの答弁の中で、山西省の事件の発生場所につきましてタゲン市と申し上げてしまいましたが、正式にはタイゲン市でございます。訂正させていただきます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。これはもう与野党関係ない話ですので、是非、政府におかれましてはよろしくお願いしたいと思います。
二つ目。資料をお配りをしましたので、若干御覧をいただければと思います。
先ほど牧山委員からも若干言及がありました世界基金についてでございます。
この世界基金は、もう先生方は御案内だと思いますが、小渕総理が非常に世界各国に働きかけをし、残念ながら他界をされた後、森総理のときの沖縄サミットでこのことがスタートいたしました。私は大変この世界基金については評価をしておりまして、お手元にお配りをしたグラフを見ていただきますと、HIV感染者に対しての治療薬の提供が四百二十万人、新規に治療を受けた結核患者数が九百七十万人、マラリア感染予防のための例の殺虫剤や、それからいわゆる蚊帳、それが三億一千万張ということで、非常に効果を上げている基金でございます。
現実に私、今年の九月に、右にある写真のとおりでございますが、与野党を超えてミャンマーに行ってまいりまして、結核、マラリアの現場を見てまいりました。エイズの現場を見てまいりました。自民党は逢沢議員、そして公明党さんからは江田議員も御一緒させていただきまして行ってまいりまして、一番上の写真は村の入口で、まさにマラリアの対応について頑張っておられるJICAの職員の方が右側の方です。この方は、JICAの本当に専門家として世界各国の途上国を回られて、今はミャンマーの一番マラリアの発生源のところに、村に常にいていただいて頑張っていただいておりました。
下の写真は、まさにそのマラリアの発生源になるような村の家の状況でございました。その下はエイズの診療所、これもグローバル基金によって成り立っている診療所でございました。その下は、エイズに関して言えば、性産業従事者の女性の方々のいわゆるシェルターのようなところ、そして、この部屋の向こう側、別の部屋には実は男性のエイズ患者の方々、HIVの陽性の方々とかがずっとここにいて、いろんな教育を受けていると。これもグローバルファンドによって対応されていまして、グローバルファンドは各国の政府、それからNGO、そしていわゆるWHOや日本でいえばJICAや、そういった機関とも協力をしながら非常に有機的にやっていただいています。
実は、私が官房副長官のときに菅総理が国連の場で、第三次プレッジ会合を前にして五年間で総額八億ドルの増資の表明をさせていただいて、そして私、そのこともあるのでずっとこの活動を注視をしてまいりまして、今回ミャンマーも行ってまいりました。実は、十月、ジュネーブにも行って、世界基金の本部にも行って、日本人のスタッフが戦略投資効果局長をやっておられまして、國井先生という本当に立派な方がやっておられます。もう実は、十二月第一週、ワシントンにおいてこの世界基金のプレッジ会合が開催される予定です。
安倍総理は、ふさわしい貢献ということを国連で言われましたが、具体的にはまだ何も数字が見えていません。ぎりぎりまで言えないのかもしれませんが、アメリカは既に五十億ドル、フランスも十四億ドル、イギリスも十六億ドル、ドイツも七・八億ドルという話があって、私は、ここに書いてありますように、日本としては、理事会の構成で何としても単独理事の状況を、日本としてはこれをつくった責任も含めて維持していただきたいと。自民党政権に替わった途端グローバルファンドに対して消極的になったとか理事の座を失ったとか、そういった状況は是非ないようにしていただきたいと思っておりまして、まずグローバルファンドに対する評価、そして具体的なふさわしい貢献の在り方について、外務大臣、どのようにお考えか、お答えをいただきたいと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員が長きにわたりましてこの世界基金に対して深い理解をされ、そして積極的に支援に取り組んでおられますこと、心から敬意を表し申し上げます。
そして、世界基金に対する評価ですが、先ほど委員から御紹介させていただきましたように、我が国としましても、今日まで様々な成果を上げているこの世界基金について高く評価させていただいております。
そして、安倍総理がこの国連総会の一般討論演説でふさわしい貢献という言葉を使ったわけですが、このふさわしい貢献、これは、世界基金の支援を通じて三大感染症による死者数、新規感染者数、これは着実に減少はしております。しかしながら、これは一度対策の手を緩めてしまうと、これは薬剤耐性菌あるいは薬剤耐性ウイルスが発生するなどで再流行してしまうと、こういう危険を絶えずはらんでおります。こうしたことによって取組を無に帰してしまうことがないようにしっかり対応しなければならない、そのために封じ込めに向けた努力を時機を逸しない形で強化することで国際社会が団結しているわけですが、基本的にそういった姿勢を大事にする、これがふさわしい貢献のまず基本的なところであると思います。
そして、具体的な貢献の金額ですとか数字について御質問がございました。
これにつきましては、まず我が国としましては、この第四次増資会合、十二月の三日に予定されていると聞いておりますが、この開催スケジュールを視野に入れて表明時期をしっかり設定したいと考えます。
そして、金額については現在調整中ではありますが、日本国の総理が国連総会の一般討論演説でふさわしい貢献をしたいと述べたわけでありますので、これは、それにふさわしい金額をしっかりと用意するべく努力をしたいと考えています。

○福山哲郎君 大変外務大臣から評価もいただいて、ふさわしい金額にしたいという決意をいただいたので大変心強く思っています。
一般的に申し上げれば、三回目のプレッジ会合のときは百億ドルの増資で、日本は八億ドルを五年間という表明をして、現状五・八億ドルでございまして、大体六パーぐらいです。国連のそれぞれの拠出金額も含めて六%前後というのが例えば一つの目安になるとすれば、今回のプレッジ会合は百五十億ドルという話になりますから、日本でいうと、六%というと約九億ドルという形になります。
私は、日本の厳しい財政状況も理解をしているつもりです。しかし、積極的平和主義だというふうに安倍総理が言われているわけですし、国際貢献という話もありますし、先ほど牧山委員からもありましたように、女性に対する、活躍できるということも含めて、このマラリア、エイズ、結核に関しては、日本としては是非、この九億ドル、六%の九億ドルぐらいをある種めどにというか、そこら辺を視野に入れながら議論をしていただきたいと切に願う次第でございますが。
外務大臣は努力と先ほど言われましたが、財務省、済みません、私も当時、財務省と相当やり合いをしまして、厳しい交渉をさせていただきました。財務省さんは今どのようにお考えか、お答えいただけますか。

○大臣政務官(山本博司君) 大変ありがとうございます。
今委員、また外相からもございましたけれども、この世界基金につきましては、二〇〇二年の設立以来、本当に日本は相応の貢献を行ってきているというふうに私も承知をしておりまして、大変大事な部分だと思っております。
今委員からもずっと御指摘がございましたこの第四次増資期間におけます、日本のどのぐらい出すのかという拠出額等に関しましては、まずは外務省において検討していただくものが一番大事でございますけれども、いずれにせよ、厳しい財政事情でございますので、しっかり予算編成過程で外務省ともよく検討しながら進めていきたいと思っております。

○福山哲郎君 外務大臣、財務省から外務大臣にげたを預けられましたけど、いかがですか。

○国務大臣(岸田文雄君) 委員の応援の御質問も踏まえて、全力で取り組みたいと存じます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
これも余り与野党関係ない話だと僕は思っております。ですから、是非、先ほど申し上げましたように、何とか日本の単独理事の議席も確保し続けていただきたいと思いますし、本当に日本人の國井先生、頑張っていただいています。世界中走り回っていろんな御努力をいただいております。是非そこを踏まえていただいて、政府におかれましては、積極的に十二月のプレッジ会合まで御準備をいただきますことを心からお願いして、次の質問に移りたいと思います。
十二月のそのプレッジ会合の前、実は来週の十一月の十一日から二十二日にかけて、いわゆるポーランドでCOP19、気候変動枠組条約の会合があります。御案内のように、COPは盛り上がっているときと盛り上がっていないときがありまして、今年は本当に盛り上がっていない年でございまして、非常に私は残念に思っております。私は、ずっとこの気候変動問題に携わっておりまして、九七年のCOP3が京都の地元であったことも踏まえ、ずっとこの問題やってまいりました。
いろんな評価はあると思いますが、二〇〇九年のコペンハーゲンのときには、オバマ大統領、サルコジ大統領、メルケル首相と並んで鳩山総理が二五%の削減の表明をし、それが、これは間違いなく一定の次のカンクン合意等につながっていきました。二〇一五年の法的枠組みへの非常に大きなきっかけを私はつくったと思っています。
そういう状況の中で、今回、よく分かりません、政府のポジションが、どういう形で交渉に臨まれるのか。今日、どういうわけか朝刊に幾つか報道がされましたけど、これまでほとんど報道もない状況でございました。今回のCOP19に臨む我が国のポジション、立ち位置について、まず外務大臣からお聞かせをいただいて、その後、環境は副大臣がお越しをいただいていると思いますが、環境副大臣からも御答弁をいただけますでしょうか。

○副大臣(岸信夫君) 福山委員の御質問にお答えしたいと思います。
この度行われますCOP19でございますけれども、そこでは、二〇二〇年以降の新たな国際枠組みの構築に向けまして、これを二〇一五年のCOP21までに合意を得るべく交渉が行われるという予定になっております。
これはまさに地球規模の課題でございます。全ての国が参加する公平で実効的なものであるということが何より重要なこと、必要であると考えております。COP19においても、このような観点から国際的な議論を積極的に我が国が主導してまいりたいと、こういうふうに考えております。
特に、今回我が国としては、総理の指示に従いまして、COP19に向けて技術で世界に貢献していく攻めの地球温暖化外交戦略というものを検討中でございます。様々な交渉の中で積極的な役割を果たしていきますように努力をしてまいりたいと思います。

○福山哲郎君 何にもどういう立場か分かりませんでした。積極的に何を果たしていくのか。技術で、それはもう日本はずっと鳩山イニシアチブも含めてやってきています。別に我々の政権だけではありません。自民党の前の政権でも技術での貢献はやられてきているはずでございます。
今の答弁では全くどういうポジションで臨むのか分からないんですが、一つ、このCOP19について、我々の政権で民間の人も政府代表団に入れるということを決めました。それは経団連、それから連合、それから気候変動に専門的にずっと取り組んできたNGOのメンバー、このメンバーを、政府代表団の人数が多いので、人数を限った上で政府代表団に入るということを決めて、実はコペンハーゲンのCOP15に臨みました。
今年はNGOのメンバーは代表団、民間も含め代表団に参加できるのかどうか、事実でお答えください。

○政府参考人(香川剛廣君) お答え申し上げます。
今、福山先生おっしゃられましたように、これまでのCOPの日本政府代表団に政府関係以外のNGOの方、経団連の方とか入っていただいておりましたが、日本政府代表団は他国と比べましても極めて大きな代表団になっておりまして、代表団の人数を絞るという観点から、本年度から政府関係者の登録自身を削減するとともに、NGO、経団連等の政府代表団登録を取りやめることといたした次第でございます。
ただ、こうした方針につきましては、事前にNGOや経団連やその他関係者に十分御説明をして御理解を得ているところでございます。

○福山哲郎君 各国政府は国によってはNGOやそれぞれの団体が代表団に入っていることが過去からもずっとあったので、当時の岡田外務大臣と相談をして、我々も入れようと。
香川さんには申し訳ありませんが、政府の代表団は総勢どのぐらいいらっしゃいますか。

○政府参考人(香川剛廣君) このところ数年間は百名を超える、まあ百十名とか百三十名とかそういう規模の代表団になっておりました。今回は百名を割るような規模で考えております。

○福山哲郎君 今年百名を割るのは、COPの位置付け、それから全体のモメンタムもあるからだというふうに私自身は思っていますし、何かを決める会ではないからその程度の人数でいいんだろうと思っていますが、今年百名を切るにしても、百名を超える中で例えばNGOの参加されたのは、私が行ったコペンハーゲンのときはNGOの参加者は二人でございます。百名を超える中で二人の方が人数が多いから省くというのは余り合理的な理由だと私は思いません。
そしてなおかつ、政府の交渉ですから、私も一定理解をしていますので、ぎりぎりの交渉のところの会にはNGOの皆さんも経団連の皆さんも連合の皆さんも入っていただけませんでした。しかし、一定のどういった交渉状況なのかを、これだけステークホルダーの多い分野ですから、気候変動というのは国民の生活に非常に大きな影響があるから入っていただきましょうと、経済活動にも国民生活にも関係するのでということで我々は入れさせていただきました。
今年の四月に、NGOの皆さんにはボンの会議からもう代表団には加えないということを政府から通告をもらったというふうに聞いておりますが、本当にこういった姿勢でいいのか。今、NSCや特定秘密の問題が出てきていますが、NSCは我々、修正、賛成をしましたが、四大臣会合の議事録についてもはっきりとした答弁はいただけませんでした。
NGOが二人、政府代表団の中に入ることについてもう少し明確な理由を、済みません、政治の場でお答えいただけますか。

○国務大臣(岸田文雄君) 今のやり取り聞かせていただきました。百名に及ぶ代表団の中で二名のNGOを削減することについてどうかという御質問でございますが、先ほど香川地球審議官からもお答えさせていただきましたように、今回の対応につきましては関係者の皆様方に丁寧に御説明をさせていただいた上での判断だということでございます。
その辺の経緯も私自身確認しないと、それに対する政治判断というのはちょっと今直ちに申し上げるものがございません。是非丁寧な、説明の過程等も確認したいと存じます。

○福山哲郎君 政府が代表団に入っていただいて結構ですと言って入っていただいた。もう今度は来ないでくれと言われたら、それは丁寧な説明かどうかは別にして、相手は了解するしかないですよ、どう考えたって。
大臣がもしその事実を御存じなかったんだとしたら、それも問題。どこで決まったんだと。COP15、16、17、18までは一応それは参加の資格があった。しかしながら、もしこれが、政権が替わって大臣が知らないところだったら、それは問題。大臣が知っているんだとしたら、若しくは副大臣、政務官が理解をされているんだとしたら、その理由をちゃんと政治が説明してくださいというふうに私は申し上げました。ましてや、十一日ですよ、今日は何日ですか。もうあと四日後に始まるのに、現実問題としてその対応でいいのかということについて、大臣、もう一言だけいただいて、これ以上言ってもしようがないですけれども、御答弁いただけますか。

○国務大臣(岸田文雄君) まず基本的に、日本の代表団の人数を絞るということについては事前に説明は受けております。そして、それについては丁寧に説明をし、了解を得ながら作業を進めたということも聞いておりました。それ以上の詳細については聞いてはおりませんでした。いま一度その辺は確認はしたいと存じます。

○福山哲郎君 私は非常に残念に思いました。ですから、そのことについては、十一日からの会議ですから意思決定変わらないとは思いますけれども、私としては指摘をしておきたいと思います。これは、これだけ大変な問題になっているものに対して、政府は、NGO、経団連を始めとして、代表団に入ることに対して蓋を閉めたというのは事実でございますので、指摘をさせていただきます。
一方で、九月の二十七日、IPCCが第五次評価報告書をまとめました。AR5でございますが、これに関しては、気候システムの温暖化については疑う余地がないと。それから、グリーンランドとか南極氷床が質量が消失していると。さらには、人間活動、人為的な起源だということについてもほぼ九五%の確信度だという話がIPCCでは発表がありました。
この報告書の内容、新聞では若干報道されましたけれども、この報告書の内容については、外務省並びに環境省、どのように受け止めているか、お答えいただけますか。

○政府参考人(香川剛廣君) お答え申し上げます。
福山先生御指摘のとおり、IPCCの第五次評価報告書の気候変動の科学的根拠に関する報告書が本年九月に発表されまして、その中で、人為的な要因による温暖化というのが極めて高い可能性があるということを指摘されております。外務省としては、この報告書も踏まえまして、気候変動問題の解決のために国際社会が一体となって取り組む必要が更に強まっているというふうに認識しております。

○大臣政務官(牧原秀樹君) 御指摘のとおり、この報告書で、温暖化の進行は明確であり、そして人間活動が温暖化の支配的な要因であること、そして、気候変動を抑えるためには温室効果ガスの抜本的かつ継続的な削減が必要である等が示されております。
このような温暖化の影響が世界全体の脅威になっているということを、この報告書の警鐘を踏まえて環境省としては重く受け止め、改めてしっかり頑張らなければいけない、このように考えている次第でございます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。脅威となっている、継続的な温室効果ガスの削減が必要だという答弁をいただきました。
今日の新聞で突然出てきましたけれども、我が国の中期目標について、二〇〇五年度比三・八%減とする方向で調整に入ったと報道が出ていますが、この報道の真偽についてお答えください。

○政府参考人(関荘一郎君) 本年一月、総理より、現在条約事務局に登録しております二五%削減の目標につきましてゼロベースで見直すようにと、これは震災の影響等々でエネルギー情勢が変わってまいりましたので、こういう御指示をいただきまして、政府の中で現在鋭意調整中でございまして、現時点で結論が出ているものではございません。

○福山哲郎君 結論出ていないって、新聞に出ているじゃないですか、今日の新聞に。その新聞に出ているのはどうしてですか。じゃ、これは誤報なんですね。

○政府参考人(関荘一郎君) ただいま御説明させていただきましたように、現在最終的な調整を行っている状況でございまして、政府として何らかの判断をしたというものではございません。

○福山哲郎君 じゃ、例えばこれが調整中だとしても、二〇〇五年三・八%減だとしたら、これは一九九〇年比で見たらどうなるかお答えください。

○政府参考人(関荘一郎君) 二〇〇五年の我が国の温室効果ガスの排出量は十三億五千百万トンでございまして、一方、一九九〇年は十二億六千百万トンでございますので、これを割り戻しますと、二〇〇五年の削減目標を九〇年に変換するときはおおよそ七%程度足せば変換されると、こういうものと認識しております。

○福山哲郎君 もう一回。一九九〇年比で何%増すとおっしゃったんですか。
二〇〇五年度三・八%減という方向で調整に入ったということは、一九九〇年比では幾らかと聞いているんです。もうはっきりお答えください。

○政府参考人(関荘一郎君) 五年から九〇年に変換、割り戻しますと、おおよそ七%を足すということになりますので、仮にマイナス四%でありますとプラス三%になると、こういうふうな計算になります。

○福山哲郎君 一九九〇年比プラス三%でしょう。さっき、環境政務官、継続的な温室効果ガスの削減が必要だとおっしゃったんじゃないんですか、脅威だからと。
我が国は、COP3のときに、九〇年比、二〇一二年まで六%削減すると言ってきたんです。それが、継続的に削減をしなきゃいけないと環境省今おっしゃられたのに、一九九〇年比プラス三%だったら増えているじゃないですか。言っていること矛盾していませんか。政務官、いかがですか。

○大臣政務官(牧原秀樹君) まだ政府全体で決定をしたというふうには承知をしておりませんが、大震災で原子力発電が事故がありまして、現在止まっているという、我が国としては予想されていない大変重要な事態を受けて、政府間で関係省庁を含め調整中であるというふうに理解をしております。
環境省としては、この削減が必要であるという立場は変わらないものと理解しています。

○福山哲郎君 安倍総理からゼロベースで見直せという指示が出たのはいつでしたか。

○政府参考人(関荘一郎君) 本年一月でございます。

○福山哲郎君 先ほど言われた、政府内でいろいろ調整をしていると言われていますが、政府内で正式に議論をする場はどこですか。

○政府参考人(関荘一郎君) 政府の関係省庁の事務レベルで頻繁に会合を開くことによって調整をしております。

○福山哲郎君 事務レベルじゃなくて、正式に決める会合はどこですか。

○政府参考人(関荘一郎君) それについても現在調整中でございます。

○福山哲郎君 決める会を調整中ってどういうことよ。一月二十五日に総理からゼロベースで考えろと言われて、どこで決めるかの調整を今やっているわけ、十一日からCOPが始まるのに。どこで決めるのよ。

○政府参考人(関荘一郎君) 政府の組織としてどういう場で決定するか等につきまして、これも検討中でございます。

○福山哲郎君 温対法上はどこで決めるんですか。

○政府参考人(関荘一郎君) さきの通常国会で改正いただきました温対法の改正案では、地球温暖化対策本部で案を作り閣議で決定すると、こういうふうになっております。

○福山哲郎君 温対本部は総理の一月からの指示が出てから何回開かれましたか。何月と何月、もうそれだけ答えてください。

○政府参考人(関荘一郎君) 今年の三月と四月に一回ずつ、二回開催されておりますけれども、この温対本部は、目標の議論ではない、第一約束期間が終了いたしますので、その後の対応について、それとレビューの結果の取りまとめについて御議論をいただいたものでございます。

○福山哲郎君 何もやっていないじゃないですか。何もやっていないじゃないですか。何もやっていなくて三・八%減。でも、これは実際は九〇年比は三%増なんです。事務レベルだけ。これ、誰が意思決定をして、十一日、どういう交渉をするんですか。だから、先ほどの岸副大臣の、どういう立場で日本は臨むのかということに対して、何言っているんだかさっぱり分からないのは当たり前じゃないですか。そして、どこで調整するかも決まっていない。
これ、外務大臣、私は、それなりに副大臣会議を何回もやり、議論を重ね、ステークホルダーがたくさんいる中で、そして交渉を、外務省の人や環境省の人や経産省の人が交渉できるポジションを持って行ってもらわないと、手ぶらでなんか交渉できませんよ、これ。外務大臣、どうするんですか、これ。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、今のやり取りを聞いておりまして、三・八とか四とか三とか数字が出ておりましたが、先ほども申し上げましたように、こうした数字について我が国政府としてどこかで公式に表明したという事実は全くありません。
そして、この国際的な会議を前に我が国としての方針を確認しなければいけない。これは、正式に確認するのは、閣僚レベルでしっかり確認しなければならないものと考えます。

○福山哲郎君 閣僚レベルで確認するのに、一月に総理から指示が出て、十一日から始まって、今日七日ですよ。どうやって、じゃ政治は関与してきたんですか。全部事務方任せですか。どういうポジションで交渉へ行くんですか。これは不誠実過ぎる。
ましてや、環境省は脅威だとおっしゃったんですよ、継続的な削減が必要だとおっしゃったんですよ。継続的な削減できないんですよ。
さっきの数字は正式に決めたものではないとおっしゃったけれども、さっきの数字は増えるんです。私だって東日本大震災があることは分かっています。しかし、基のエネルギーの問題についても何も決まっていないじゃないですか。どういうポジションで交渉に臨むんですか、大臣。

○国務大臣(岸田文雄君) 交渉に臨むポジションですが、まず、数字的な目標、これもしっかりと確認した上で臨むということもあるべき姿なのかもしれませんが、数字的なものだけではなくして、我が国の具体的な取組、さらには技術における貢献等、様々な具体的な方策をもってこの会議に貢献する、臨む、こういったことも考えられると存じます。
今の御指摘の点も踏まえて、我が国の交渉に臨むポジションというものはしっかり整理した上で臨まなければならないと存じます。

○福山哲郎君 私は短兵急に、今年の異常気象、いろんな台風が来たことがそのまま気候変動や温暖化だというような、そんな単純な議論をする気はありません。しかしながら、間違いなくIPCCの報告書にあるように世界中で異常気象によるいろんな災害が起こっています。国民の生活に影響あります。エネルギーの問題は経済にも影響あります。
実は、こんなぎりぎりまでどこで決めるのかも分からない、事務方だけでやっているんだったら、国民に対する意見も聞けないじゃないですか。実は環境省と経産省がやっている合同の審議会も、十月で打ち切られて開かれていません。国民に対して全く意見を聞かないで、どうやってポジション、臨むんですか。
更に言えば、先ほど申し上げたように、経団連も労働組合もNGOも政府の代表団に入れませんというのを、六月でシャットアウトしています。全くもって密室で、どこで決められているか分からない。将来にわたって二〇五〇年まで八割削減をしなきゃいけないという状況の中で、全くもって私はこの対応は信じられません。
長年気候変動をやってきた者として言えば、本当に残念です。これ、何で、どうやって国民に責任を持つんだと。非常に残念だということを申し上げ、もし大臣、何かあれば、とにかく、どこで決めるのか、どうやって国民にこのプロセスを開示していくのか、そのことについてだけははっきりしていただきたいと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、基本的に、御指摘のように、政府としての方針ですとか目標ですとか会議に臨む基本的な考え方ですとか、こういったものを明らかにするのは大変重要な、そして大きな責任だと思っています。そして、その数字等を決めること自体も、責任ある数字でなければならないと存じます。
是非、この問題の大きさ、しっかり認識しながら責任ある決定を政府として急がなければならないと思っています。そして、それをしっかり国民に、国民に対する説明責任を果たしていく、これも重要なポイントだと認識いたします。

○委員長(末松信介君) 福山筆頭、最後の質問にしてください。

○福山哲郎君 まさか九〇年比増加をさせるような政府決定を、今の大臣の答弁からいってされないということをお願いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。


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