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2013

第185国会 参議院 国家安全保障に関する特別委員会 2013年11月20日


日本版NSC法案、特定秘密

○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
今日は、NSC法案について総理に対する時間をいただきまして、ありがとうございます。時間がないので、早速用件に行きたいと思います。
実は、お手元にお配りをした資料、テレビを御覧いただいた皆さんにはこちらの資料でございますが、(資料提示)NSC法案、民主党も修正案を提出をいたしまして、政府に二つは要望をのんでいただきました。我々は、このNSC、我々の時代の防衛大綱にも創設をうたっておりましたので、決して反対ではありません。そして、四つ我々が要望した部分に対して二つだけのんでいただいて、二つ残っております。それがこの表にあるものでございますが、今日は、二つ目のNSC会議の議事録の作成を義務付けるという修正の問題について、総理を中心にお話をさせていただきたいというふうに思っております。
総理に大変失礼だとは思いますが、総理もよく御案内のように、一九六二年の十月の十六日から二十八日まで、キューバ危機がございました。これは、まさに米ソが核戦争を起こすかもしれないというような状況の中での非常に緊張した、世界が緊張した数日間でした。私、学生時代に若干このことを勉強した経験があったので、このキューバ危機のときはアメリカのいわゆるNSCがケネディ大統領、まさに昨日、駐日の大使として着任をいただいたケネディ大使のお父様ですが、そのケネディ大統領を含めたやり取りがどうなのかということをちょっと調べてみました。
お手元にお配りをした資料を見てください。これ小さい字で恐縮なんですけど、何と、一九六二年の十月の二十七日、JFK、ちゃんとプレジデント・ジョン・F・ケネディ、マクナマラ国防長官、そしてその横には何と、JFKがどういうことを、大統領が当時どんなことを言ったかも全部これ今残っております。
次のページを見てください。これは、キューバのミサイルミーティングのサマリーというものがありまして、左側でございますが、これはまさにNSCの最高執行会議でのサマリーが残っております。そして、右側が、私びっくりしたんですけど、これテレビを御覧いただいた方は見にくいと思いますが、これは何とそのミーティング、NSCのミーティングの際のケネディ大統領の走り書きのメモまで残っているんです。これはやっぱりすごいんですね。あの世界が震撼したキューバ危機の最中にアメリカはこうやったものを残している。
私はすごいなと思っておりまして、そして、実はこれ猪口先生が御専門だと思いますが、グレアム・アリソンという方の「決定の本質」、まさに政策決定過程のバイブルと言われている学術書なんですけど、これを見ると、何と、本書で述べられているミサイル危機の三つの分析は全く公文書に基づくものであると書かれているんです。つまり、公文書があって、関係者のヒアリングがあって、こうやって歴史の検証に堪え得る、五十年前にアメリカはこれだけのものを残しているんです。
私はやはり、すぐに公開しろとは申し上げません。しかし、日本の、総理が言われるように、国家の戦略を考えるNSCの例えば四大臣会合、そこでの議論は少なくとも議事録、議事概要でこのレベルでは残すべきだと私は思いますが、総理、いかが思われますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が指摘をされたように、ケネディ大統領は特にそうした記録を残すことに熱心に取り組んでおられました。最近も世界文化社から本として、彼がレコードに吹き込んだもの、あるいは会談の際にテープで取ったもの等が公開されているわけであります。電話等も記録として、大統領同士、元大統領との電話ですね、キューバ・ミサイル危機が終わった後、それぞれ、アイゼンハワー等に電話をして、そうしたものも全部残っているわけでございます。
そうした我々も努力をしていくことも、後において歴史として検証する、あるいは政策判断の参考に資するということにおいては大切なことではないだろうかと、このように思うわけでありまして、近年のNSCにおいては、会議の結論について簡潔にまとめた文書が作成されました自後にこれが公開されているということもあるということも承知はしておりますが、同時に、この詳細な議事録は基本的には作成はしていないということになっているわけでございまして、今後、我々、言わば資料としてどう残していくかということについて、今、福山委員が指摘をされたような観点も留意をしながら検討していきたいと、このように思っております。

○福山哲郎君 その総理の御発言だと、この委員会で官房長官や官房副長官からいただいた御発言と変わらないんです、御答弁と。それならこの委員会に総理に来ていただく意味がないんです。逆に言うと、アメリカのNSCは、当然我々もお手本にするというか、参考にしたものだと思います。その中で、これだけのものが現実に残っている状況で、なぜ総理が残そうと、議事録取るべきだと言えないんですか。それがリーダーシップじゃないんですか。
私は、翻って申し上げます。我々の政権のときに原子力対策本部の議事録が取られてませんでした。今思っても、非常に反省をします。自民党の厳しい御批判をいただいて、継ぎはぎでメモを作って、その中で議事録なりのものを作りましたが、それでも私は足りなかったと思っています。原子力の防災対策本部も当然国民の安全にかかわるものでした。そこのことを反省した上で、当時、自民党の先生がどういうことを言われていたか、御覧いただければと思います。
中曽根弘文議員、議事録がなければ、当時の政府の事故対応が適切であったかどうかの検証ができなくなり、政府の責任は極めて重いものがあります。町村信孝議員、自民党です。この無責任体質、隠蔽体質が国民の政治不信を呼ぶんですよ、一体いかなる対応を取るか。そして、このお二人は外務大臣経験者なんです。外交に携わって、外交文書がどれほど機密かということをよくお分かりいただいている自民党の本当に経験の深い先生方がこういったことを発言されている。これ、僅か一年前です。
そして、何と自民党は、齋藤健議員が、当時のキューバ危機、同じようなことを言っておられまして、キューバ危機は一九六二年のことで、五十年前のアメリカにできて日本にできないことはないと思います。次なんです。これからどの政党が政権を取ろうとも、現在に生きる政治家が歴史に対してきちんとしたものを残していくということは、すぐ公にするかどうかは別にしまして、極めて大事なことだと思いますので、世界に遜色のない記録の取り方というものを作り上げていっていただきたいと思います。
これ、自民党の議員が我々に向かって言われたんです。全くその言葉を総理にお願いしたい。やっと日本でNSCができる、そのときに議事録を、自民党の先生方は、まさか与党になった途端、野党のときに言っていたことは知らぬという話ではないと思います。これだけのことを自民党の議員も言われ、我々も反省をして議事録を作りました。NSCの四大臣会合について議事録を作ることについて、是非この委員会の中で修正をさせていただきたい。御決意をいただきたいと思いますが、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が、原発事故にどう対応したかと外国との関係も含めた安全保障の政策を議論することを混同された、私、それはおかしいと思いますよ。
原発の事故についてどう対応していくか、これ残すのは当たり前じゃないですか。我が党の議員がそう指摘したことは全く正しいと思いますし、その指摘は今でも当然のことだろうと。我々は、もしそういう同じ事態になれば、どう対応したかということはちゃんと記録に残さなければならないと、このように思っているわけであります。
それが全く記録がないということ自体が私は異常であったと、このように思うわけでありますが、他方、安全保障にかかわることについてどのような記録の残し方があるかということについて検討しなければならないわけでありまして、米国のNSCについても基本的にはサマリーとしてそれは出すわけでありまして、一方これは、他国に対してどういう認識をしながらどう対応していくべきかという判断について、あるいは考え方、意見について、それは議論をし合うわけでございまして、そうした議論について、それを、全てこれを公表するかどうかということについて、これはよく検討がなされるべきなんだろうと、このように思うわけでありまして、つまり、第三国についての、あるいは他国についての議論そのものが安全保障の根幹にかかわるわけでもありますし、また、他国との外交関係を毀損する可能性もあるわけでありますし、そしてまた、その議論のベースとなるものが、さらに、さらにですね、例えば同盟……(発言する者あり)済みません、ちょっと後ろからやじをされると考え方が混乱されるので、また最初から説明させていただきますと、最初から説明させていただきますと、つまり……(発言する者あり)そういうふうに間を切られると、私もしゃべるときに混乱しますので、また最初から言わなければいけないと思いますよね。
じゃ、よろしいですか、もう一度説明。よろしいですか、後ろの方も。話をさせていただきたいと思いますが、つまり……(発言する者あり)このように途中で遮られますと、非常に答弁……(発言する者あり)

○委員長(中川雅治君) 静粛にしてください。答弁続けてください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。
つまり、この議事録というのはそういう性格があるということを私は今説明をしているわけでありまして、それは、ある国が同盟国である日本に対して出してきてくれた情報であるわけであります。それを基に、そういう情報を基に議論を行うこともあるわけでありますから、そこで、そういう情報を基にする議論について、これを、情報を公開をするということを前提であれば、それは何らかそういう提供も難しいし、そういう議論もある種これはそこであるべき議論がなされないという可能性もあるわけでありまして、そうしたことも含めてよく検討する必要があるんだろうと、こう考えているところでございます。

○福山哲郎君 いや、私は原子力のことだけ申し上げたわけではないですよ。だからこそ、キューバ危機のことも申し上げましたし、齋藤議員がこの同じキューバ危機のことでアメリカがやったものが日本にできるわけがないとおっしゃった。
じゃ、外務大臣、外交文書は三十年原則公開ですね。私は、岡田外務大臣のときにその公文書管理法の改正について携わりました。外交文書は三十年原則公開ですよね。それでよろしいですね。イエスかノーかで答えてください。

○国務大臣(岸田文雄君) 外務省におきましては、内部規則によりまして三十年で原則公開、この原則を踏襲しております。

○福山哲郎君 外交文書も他国との関係のそれこそ首脳間のやり取りというのは全部入っています。今の総理の話は完全に崩れています。
もう一個申し上げます。私は四大臣会合は重要だと思っています。私も官邸におりました。例えばです、北朝鮮の例えばミサイルに対して何らかの動きがあったかどうか、これは非常に機微な情報です。情報を四大臣でやる。それは僕は一定分かります。尖閣に対して領海侵犯、領空侵犯があったときにどういう対応をするのかを四大臣を始めとして、まあシミュレーションするのか、どういう状況を想定するのか分からないけど、いろんなことを事前に準備しておく。非常に私は重要なことだと思っています。そのことは全く否定をしておりません。しかし、私はすぐに公開しろと言っているわけではない。そのときに、どういう情報があり、どの大臣がどういう発言をして、そして、それによってアウトプットとしての政策がどういう形で日本の安全保障に生かされてきたのかが実は今の状況だと全く検証できないんです。
もっと言います。四大臣会合、月二回定例的にやると言われている。定例的にやるということは、これは平時もあり得ます。非常事態じゃないかもしれない、緊急事態じゃないかもしれないからこそ、逆にいろんなシミュレーションやいろんな議論があってしかるべきだと思います。そのしかるべき議論にどんな情報があり、誰がどういう発言をし、それが結果として防衛省や外務省に指示が行ってこういう政策になってきました。今のままだったら全然検証できないじゃないですか。
ましてや、これ森大臣、四大臣会合で議論されることに特定秘密は含まれますか。

○国務大臣(森まさこ君) 場合によっては含まれる場合もあり得ます。

○福山哲郎君 そのとおりなんです。特定秘密も含まれるんです。
そうすると、これ例えば、四大臣集まりました、定期会合ですと。役人に対して人払いする、今日はいいと、そこに抵抗できる役人はほとんどいないはずです。人払いして特定秘密も含めてやって議事録も出てこなかったら、将来、この四大臣会合はまるでブラックボックスですよ、何にも分からない。だって、何が特定秘密かも分からないし、その四大臣会合で誰が何をしゃべっていたか、何の議題かも分からない。
これは非常に問題で、私は、この四大臣会合については、必要なものだと思いますけれども、議事録、これは残すべきだと思いますが、総理、どうぞ決断をしてください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既に何回も答弁しているように、我々は、それは残すべきでないということを言っているのでは全くありません。
そこで、事の性格上、先ほどは例えば一般の外交機密との関係で話をされましたが、これはまさに様々な機会に開催されるわけでありまして、委員が御指摘になったように、定期的に行うものでありますから、事があってやるということだけではなくて定期的に意思を疎通をしているということも当然あるわけでありまして、その場にはもちろん全く言わば特定秘密にかかわるものについて議論をしないし、その特定秘密に当たるもの、書類等について議論をしないということは当然あり得ますが、しかし、そこの中での話の中身については、それは第三国との関係に当たる場合もあるし、それは様々想定がされるわけでありますが、これは、特定秘密とのかかわりとはまた別に、この記録にどう残すかという観点からこれは議論していくに値するだろうと、このように思うわけでありまして、ですから、我々は検討しようということになっているわけであります。

○福山哲郎君 いや、先ほどから申し上げている、第三国の話はもちろん私は理解をしています。外務大臣も、先ほど外交文書の中も特定秘密が入る、四大臣会合も特定秘密が入るかもしれないというから、分かっています、それは。だけれども、原則公開のための議事録を作っておけばいいじゃないですかと。僕は別にあした公開しろと申し上げているわけじゃありません、歴史の検証に堪え得るようにやるべきだと。これ例えばキューバ危機のときの問題ですけど、これ画像情報まで実は残っています。これは非常に重要です。
我々は、そういった観点も含めてこの修正案に議事録を義務化するようにということを我々は求めました。修正提案者が今日来ていただいていますので、後藤議員からその思いについてお答えいただけますか。

○衆議院議員(後藤祐一君) お答え申し上げます。
NSCの会議の議事録を残しておくことは、二つ意味があると思います。一つは、すぐオープンにするわけではなくて、政府部内の方が果たしてあのときどういう議論がなされてこの決定に至ったんだろうかということを政府部内できちんと検証するようにすること。それと、これはもう少し将来時間がたってからだと思いますが、国民がこれを検証できるように情報公開をして歴史の検証にさらす。
この二つをすることで、国民に堂々と説明できるような質の高い政策決定を緊張感を持ちながら政府においてはしていただきたいと、そういった大きな意義があると思いますし、これによって、国の持っている情報というのは本来国民のものであるという国民主権の理念、また、国民の知る権利の保障にもつながるものだと考えます。
衆議院での議論の中で、これについては検討するという附帯決議が付されたところでございますが、今の総理の答弁を聞いても検討にちょっと時間が掛かりそうでございますので、我々は、このNSCも含めた、閣議、閣僚会議も含めた議事録を義務付ける公文書管理法の改正案というものを昨日国会に提出いたしました。これと、さらには情報公開法の改正案、この特定秘密法案の対案であります特別安全保障秘密の適正な管理に関する法律案、そして第三者機関を設置する情報適正管理委員会の設置法案、そして、こういった行政の秘密を国会に提出するときのルールをむしろ国会主導で決めようという国会法の改正案、五点を行政の情報に関する適正管理の五点セットの法案として提出させていただいたところでありますので、これについても審議をしていきたいと思っております。

○福山哲郎君 総理、今のが我々が議事録を何とか義務化してほしいという願いなんですね。それは、与党の議員もずっと言っておられるんですよ、野党の時代に。
逆に、総理がおっしゃるように、このNSCはいろんな問題に対して、緊急事態も含めてです。私は、三・一一の東日本大震災も向き合いました、天安号も延坪島の事件も向き合いました。官邸の本当に危機管理の機能って大変なんです、重要なんです。そのときに総理のリーダーシップは求められる、だから準備が必要だ、分かります。だからこそ、その準備の過程をちゃんと残しておくことが私は政府としての責任だと思います。緊急事態の意思決定って厳しいです。それは、東電の撤退を止めたことも浜岡原発を止めたことも厳しい決断でした。でも、それは政府・与党の責任だと思います。総理は今まさにその立場にいます。
議事録を残しておこうとここで言うことなどというのは、総理の決断一つじゃないですか。官房長官と副長官の答弁と同じ答弁しているんだったら、総理、ここに来ていただく必要ないんですよ。ここでやろうと、ここでやろうと、ここでやろうと言っていただければ、今すぐにでも自民党の理事とこの委員会の後に修正協議をしたらまとまるんです。決して、足らない法律を数の力で押し込むためにねじれを解消したと国民は思っておられるわけではないと思いますよ。熟議の民主主義というのは、必要なものはちゃんとお互いがいい法律にしていけばいいと私は思っていますので、どうか、総理、決断をお願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まで何回も答弁させていただいているわけでありますが、これは政府と与党の間においてしっかりと議論をしながら作った法律でもあるわけでありまして、まあNSCについては第一次安倍政権のときからこの法律について我々はずっと勉強を積み重ねてきたわけでありまして、先ほど申し上げましたように、米国においてもNSCにおいては基本的にサマリーについて発表しているわけでありますが、我々もそうしたやり取りを残していく歴史的価値、あるいはまた、その後の指導者あるいはその後のNSCのメンバーがそうしたものを参考にするという意義を否定しているわけではもちろんありませんし、意義は私はあるんだろうと、こう思っているわけでありますが、しかし、様々な観点からよく協議をしていく必要はあるだろうと、検討していく必要があるんだろうと、こう考えているところであります。
いずれにせよ、NSCを、この法律を作ったからこの形でずっといくというわけではなくて、常に進化させていくと、国民的なニーズあるいは機能的なニーズにおいて対応していくということが大切ではないのかなと、このように思うわけであります。

○福山哲郎君 随分歯切れが悪い答弁だと思います。実は、今の議事録一つにしても、そういった答弁を総理がされるから、特定秘密に対して国民の不安が広がっているんです。
我々、先ほど後藤議員が言われた特定秘密五法案を出させていただきました。この五法案は、まず二番目ですけれども、政府が違法行為や過失を隠蔽しよう、ある省庁が過失を隠蔽して、これは都合が悪い、大臣、隠しておこうと、例えばそういった大臣が出てきて、部下に向かってこれは特定秘密にしておけと言ったら、これ分からないんですよ。だって、何が特定秘密なのか、その恣意性に皆さん非常に疑問を持っているんです。
このことについて、そういったことはないというのは、どうして総理、担保できますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは特定秘密のための委員会ではありません、NSCのための委員会でありますが。
そこで、この委員会の目的とは違いますが、あえてお答えをさせていただくところでございますが、恣意的にはそれは決められないような仕組みになっているわけでございまして、まず、専門家の人々がその指定解除についてのルールを決めるわけでございますし、そして長が、機関の長が、大臣がその基準に従って、限定列挙された事項にのっとってそれは指定をするわけでありまして、大臣が、俺がこれは指定するんだから指定できるという性格のものでは全くないということははっきりと申し上げておきたいと、このように思うところでございます。

○福山哲郎君 今総理の答弁、間違いがありました。解除は第三者がやるんじゃありません、行政機関の長がやるんです。行政機関の長が解除をするので、その権限は行政機関の長、いわゆる大臣に委ねられていることで、別に第三者がやるわけではありません。──ちょっと待って。質問してません。質問してません。指名もありません。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、今、私の黙って聞かなきゃ。
私が答えたのは、基準について、解除と指定の基準について専門家が決める、基準について決めるということを私は述べたわけでありまして、それは後で議事録見ていただければよく分かることであります。

○福山哲郎君 この法案では、とにかく、秘密を漏らした人に対する罰則が強化をされること、それから、物理的、人的に管理を強化する法で、逆に、国民の知る権利である、その特定秘密なり、秘密の管理とかそれを解除する手続とかが全く法律に立て付けがないんですね。これが非常に問題だと思っているわけです。
森大臣、例えば先ほど、大臣がこれ自分の省庁に都合悪いから特定秘密にしておけと言われたときに、役人はどう判断しますか。

○国務大臣(森まさこ君) まず、特定秘密の解除や管理の手続が書かれていないという御指摘ですけれども、条文の中に書かれておりますことを御理解ください。
特定秘密保護法案におきましては、この特定秘密というのは国家の安全保障、つまり国民の生命や国家の存立、これを守るため、その漏えいが我が国の国家安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるものを法案に限定列挙しております。この限定列挙したものに限って指定することになっておりますので、御指摘の違法な事項について指定しても、その指定は無効になります。
そして、御質問の上司が部下に違法な事項を、これを特定秘密に指定しなさいというふうに命令したとしても、国家公務員法第九十八条の上司の命令服従義務というのは、職務命令に明白かつ重大な瑕疵がある場合には、部下はこれに従う必要がないとされております。したがって、違法な情報を大臣が仮に特定秘密にと、そういうことがあったとしても、部下は従う必要がないわけであります。

○福山哲郎君 その特定秘密が何であるか、どこで指定されたか、誰に指示をしたのかも全く国民からは見えないんですよ。それが違法でやったのかやらないのか、部下がそれに対して拒否をしたのかしなかったのかって誰が分かるんですか、今の仕組みで。

○国務大臣(森まさこ君) 今御説明しましたとおり、法律に限定列挙をしてある事項しか指定できないという仕組みになっております。それ以外のものを特定秘密に指定しても、その指定は無効であります。そういったことを上司が部下に指示をしたときにどうなるのかという御質問でございますから、これは国家公務員法の命令服従義務に当たらないということを申し上げたんです。(発言する者あり)

○委員長(中川雅治君) 委員長として申し上げます。
議事の妨げになりますので、発言者以外の方は御静粛に願います。

○福山哲郎君 先ほどの無効って誰が判断するんですか。無効って誰が判断するのか、それをチェックする機関もないんですよ。
もう一個、申し上げます。これ、三十年後、我々は公開原則をしました。公開してくれれば、極端な話、どんなものが特定秘密になるかどうか結果としては分かりますが、それも分からないんです。今はそういった違法行為が行われるかどうかも誰もチェックできない。これが我々は危ないというふうに思っています。
それと、もう一つ、今大臣が言われたように、限定列挙をしているから大丈夫だとおっしゃった。じゃ、逆に言うと、これを秘密に規定してはいけませんと禁止事項を付けたらどうですか。省庁に対する、例えば瑕疵情報や省庁に対して都合の悪い情報については特定秘密にはしちゃいけませんよって禁止事項を付けたらいいじゃないですか。

○国務大臣(森まさこ君) 行政機関において、違法な行為を行政権の発動としてしないことは当然のことでございます。本法案では、特定秘密の範囲を限定するために、諸外国の法令に比べてでも一番限定的に事項を列挙しております。
そして、福山委員が今ほど何もチェックする仕組みがないとおっしゃいましたけれども、法案十条によって国会の秘密会に提供するということもできます。それから、民事裁判、刑事裁判のインカメラ手続もございます。情報公開法の適用もございます。そして、公文書管理法の適用も、これは他の行政文書と同じようにあるわけでございます。このように様々なチェックをする仕組みを重層的に設けてございます。

○福山哲郎君 先ほど行政機関がそんな違法なことをするわけがないような旨を言われましたけれども、その行政職員が漏らすことを罰則する法律なんじゃないんですか、これは。その行政の職員が違法行為で漏らすことに対して罰則を強くしようという法律じゃないですか。
じゃ、逆に言ったら、特定秘密を、これを特定秘密といって、違うものを無理やり上司言うことだってあり得るでしょうと。だから、逆に行政府がそのことについて絶対に特定秘密にしちゃいけないよというような禁止事項を付けるべきではないかと申し上げているんです。

○国務大臣(森まさこ君) 行政権の行使である特定秘密の指定について、違法な条項を指定することを予定しておりませんということを申し上げました。
本法案の目的は、諸外国とトップシークレットの漏えいについて同様の保全システムを設けて、この複雑な国際情勢の中で国家の存立と国民の命を守ることが喫緊の課題であることから、同じような同程度の保全措置を設けないと諸外国から情報も入手できない、情報を共有できない、そのことによって国民を守れない、そういう目的で情報の漏えいを防止する法律でございます。

○福山哲郎君 だからこそ、管理と手続をしないと片方の国民の知る権利が守られないと私は申し上げているんです。
例えば、今回特定秘密に加わる防衛秘密は、何と二〇〇七年から二〇一一年に三万四千件も廃棄されています。これ、森大臣、総理も、これ廃棄のガイドラインというか基準ぐらいは作らなきゃいけないんじゃないですか。それも我々は法律の中で新たに対案として提出をさせていただきました。このことについてはどう思われますか。

○国務大臣(小野寺五典君) 事実関係だけお話をしますと、三万四千件の廃棄のうち約三万件は民主党政権下の時代に行われたというふうに承知をしております。
それから、私、防衛大臣になりまして、今回このような審議を行われておりますので、現在、この廃棄については大臣の通達により止めております。

○福山哲郎君 防衛秘密はそうやって大臣の通達が出た。しかし、ほかの省庁は出ていないんですよ。だからこそ、廃棄のガイドラインが必要ではないかということを我々は申し上げて、そのことに対して対案を出させていただいているんです。
総理、足りないものはやっぱりいいものにしていかなきゃいけないんです。これ完全に秘密の管理、手続の部分はすぽっと抜け落ちているんです。その部分が国民にとって不安なんです。そのことについては我々対案を示しています。必要なことがたくさんあると思います。第三者機関でしっかり対応していこうと。
申し訳ありませんが、みんなの党が修正で協議された大臣が第三者的機関だなんというのは、全く私は詭弁だと思います。総理はだって行政機関の長の長なんですから、第三者的と第三者というのは全く違います。そのことも含めて、この特定秘密の問題については、本当に慎重な審議が必要だというふうに申し上げたいと思います。
総理、もう一回言います。NSC法案はこの特定秘密にも関係します、四大臣会合で特定秘密を扱うわけですから。この四大臣会合の議事録の義務付けを、もう一度聞きますが、御決断いただけませんか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどから申し上げておりますように、事柄の性格上、重要性は十分に認識をしておりますが、しっかりと検討していきたいと、このように思います。

○福山哲郎君 これで終わります。ありがとうございました。


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