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2014

第186国会 参議院 外交防衛委員会 2014年5月29日


○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。
総理、外務大臣、防衛大臣におかれましては、是非よろしくお願いしたいと思います。
まず、五月十五日に第七回の政府の安保法制懇の会合が開催されました。報告書が総理に手交されました。私は、実は予算委員会の場でも、外交防衛委員会の場でも、二月の四日にこの安保法制懇が開かれてから五月の十五日まで百日も開かれていないことに対して、ずっとなぜ開かれていないんだと、そして、そのことのプロセスをちゃんと国民に知らせるべきではないかと言われていました。しかし、実は先日の外交防衛委員会で我が党の白委員からの御指摘で、恐ろしい、びっくりすることが起こりました。実は、この百日の間に非公式会合が複数回開催されていたことが明らかになりました。
内閣官房、非公式会合は、結果、何回開かれたのか、そして公開されている公式会合は一体全部で何回開かれたのか、正式にお答えください。

○政府参考人(武藤義哉君) 御指摘の非公式会合、これは計八回開催をされまして、北岡座長代理を中心に、それまでに委員の方々から出た御意見を取りまとめるために、委員の方々の全部又は一部が非公式に集まって議論を行っております。
なお、正式の安保法制懇は七回開かれております。

○福山哲郎君 正式な会合七回、非公式が八回開かれています。(資料提示)
私が予算委員会で総理になぜやられないんですかと聞いたときに、総理は明確な答弁ありませんでした。四月の十日、外交防衛委員会で、今日お越しをいただいている世耕副長官に、なぜやられていないのかと、そして私は、ひょっとしたら裏でやっているのではないんですかと、それは問題ではないかと申し上げたら、世耕副長官は、四月十日です、これ三回非公式会合をやった後でございますが、懇談会の委員の間でそれぞれ詰めの議論を行っていただいている、それぞれです。それから、どの委員とどの委員が電話で話している、そういう答弁をされました。ところが、この非公式会合をやられているのに、明確な答弁がありませんでした。これ、こんな重要な問題を、ずっと非公式会合が開催されていることを言わないで、そして、現実には三月の十七日にあの報告書の原案が提示されています。私は、このやり方は非常に問題だと思っています。
そして、この安保法制懇の問題は、委員が自由に議論して報告書を、前回はです、これは安倍政権の前回のときです、前回は委員が自由に議論して報告書を作ったのに、今回は官僚が仕切っていたと委員の方が言われたり、新聞で先に概要を知ったと話したりしています。私は実は我々の防衛大綱のときに大変お世話になりましたが、北岡座長代理に至っては、この安保法制懇について、正統性なんてそもそもあるわけがない、自分と意見の違う人を入れてどうすると発言しています。これは、総理が国民に御理解を求めると言われている態度とは全く逆の方向だというふうに思っています。
このことを含めて、総理にお願いしたいことが二点あります。一つは、この非公式会合の資料及び議事概要を本会合と同じように公開をしていただきたい。これは、どういう議論がなされてこの報告書が出てきたのかという非常に重要な問題です。是非、このことについて、総理のリーダーシップでこの非公式会合についての議事概要の公開をお願いしたいと思っておりますが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府において様々な会議をお願いをしているわけでございまして、専門家の皆様に集まっていただいて御議論をしていただいている。そして、その議事録を全て公開するタイプのものもあれば、そうでないものもあるわけでございますが、その中におきまして、公式な会合、あるいはまた大変人数が多い場合は公式な会合ではなくて少人数で話を詰める場合もあるわけでありまして、今回も、話を詰めている、最終的な詰めの議論を行っているということは承知をしておりましたが、それが非公式会合ということは私も承知はしていないわけでございます。
そこで、この安保法制懇において大切なことは結論を出すことでありまして、結論を報告書として出され、それは皆様に公開をしているところでございます。

○福山哲郎君 総理は非常に問題なことを言われました。総理は、非公式会合をやられているのを知っていたにもかかわらず、非公式会合というか会合をやられていたのを知っていたにもかかわらず、これが非公式かどうか御存じなかったと。
内閣官房、非公式か公式であるか誰が判断したんだ。

○政府参考人(武藤義哉君) 安保法制懇の会合はあくまでも総理の下で委員の方に集まって開いているものでございまして、この非公式会合は、それとは別に、委員の方々がそれまでの議論について更に詰めの議論を行ったり、そういうような形で集まって議論をしたということで、そこは正式の会合とは違うものでございます。

○福山哲郎君 もうこの話は時間がないのでやめますが、いかに国民の皆さんにこのプロセスが不透明かということについてお伝えをしたかったんです。
なぜかというと、この非公式会合、二月十四日は、内閣総理大臣補佐官も出ています、国家安全保障局の次長も出席をしています、ほかにも政府の要人が出席をしています。二月の十八日も、内閣総理大臣補佐官が出席しています、谷内国家安全保障局長も出席をしています。三月の十七日も、谷内国家安全保障局長、そして国家安全保障局次長も出席をされています。
つまり、これは委員同士が集まって議論をしているというレベルのものではありません。だからこそ、私はこのことの議事録を、議事概要で結構です、議事録ではなくて結構ですから、公式会合と同様に出していただいて議論に供していただきたいと思いますので、これは委員会でも提出を求めますので、委員長、お取り計らい、よろしくお願いします。

○委員長(末松信介君) 今、福山哲郎君から要求がございましたこの資料につきまして、後刻理事会で協議をさせていただきます。よろしいですか。

○福山哲郎君 それと、総理、もう一個お願いがあります。
この問題は、十五の事例を政府が出されています。今日、総理お越しいただいたことについては私は敬意と感謝を申し上げますが、今日の時間も実は僅か二時間十八分でございます。十五事例、一事例ずつ議論をしていっても時間が全然足りません。是非、この国会中に、総理、あと二度や三度、参議院のこの委員会の場に来ていただいてこの問題について御議論いただきたいと思いますが、総理、いかがですか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員会の開催については国会で判断されることだと思います。

○福山哲郎君 是非、与党におかれましては、国会の責任として、総理をお招きしてこの委員会で更に議論をすることを与党としてやっていただけるようにお願いをしたいというふうに思います。
それでは、重要な集団的自衛権の行使の議論を進めるに当たっての二つのことを確認して始めたいと思います。
法制局長官、自衛権の行使は我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであるということは、集団的自衛権の問題に関して、これは数量的概念ではないということをつい二日前の私の委員会で答弁いただきましたが、数量的概念ではないということをもう一度確認させてください。

○政府特別補佐人(横畠裕介君) お尋ねにつきましては、平成十六年一月二十六日の衆議院予算委員会におきまして、当時の秋山内閣法制局長官が次のように答弁しております。
お尋ねの集団的自衛権と申しますのは、先ほど述べましたように、我が国に対する武力攻撃が発生していないにもかかわらず外国のために実力を行使するものでありまして、ただいま申し上げました自衛権行使の第一要件、すなわち、我が国に対する武力攻撃が発生したことを満たしていないものでございます。
したがいまして、従来、集団的自衛権について、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものという説明をしている局面がございますが、それはこの第一要件を満たしていないという趣旨で申し上げているものでございまして、お尋ねのような意味で、数量的な概念として申し上げているものではございません。
以上でございます。

○福山哲郎君 まず一つ、このことを確認させていただきましたよ。
二つ目です。最近、メディアをにぎわせて与党の政治家の皆さんとかが議論された砂川事件判決です。砂川事件判決は一九五九年の判決です。私は、この判決というのは、駐留米軍が本当に戦力に該当するのかどうか、それから、憲法上、駐留米軍が認められるのかどうか、更に言えば、日本の安全保障をアメリカに委ねることがよいのかどうかということが争点だったと私は理解をしています。この当時の砂川事件判決が日本の軍事力を他国のために行使することを念頭に置いていたとは、当時の議論からして私は考えておりません。
法制局長官にお伺いをします。この砂川事件判決を根拠として集団的自衛権の行使を容認することは私は不可能だと考えますが、法制局長官は、これまでの答弁との規範性、安定性の観点から、どのようにお考えになられますか。

○政府特別補佐人(横畠裕介君) お答えいたします。
砂川事件は旧安保条約第三条に基づく行政協定に伴う刑事特別法の合憲性が争われた事案であり、最高裁判決は、旧安保条約が一見極めて明白に違憲無効であるとは言えない以上、刑事特別法も違憲ではないという判断を示したものでございます。
そのような意味で、御指摘の集団的自衛権の行使について直接判断を示しているものではありませんが、この判決の中に、我が国が主権国として持つ固有の自衛権と憲法第九条との関係について、我が国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことであるという考え方が示されております。これは、従来からの政府の見解の基盤にある基本的な考え方と軌を一にするものであると考えております。

○福山哲郎君 法制局長官、今おっしゃられたように、集団的自衛権については根拠にはならないけれども、自衛権について根拠になるというふうに言われたということでいいですね。イエスかノーかでお答えください、時間がないので。

○政府特別補佐人(横畠裕介君) お尋ねの、その根拠になるならないという、ちょっと意味合いがいろいろあると思いますので、ちょっと直接あるなしというのは答えにくいのでございますけれども、この判決の趣旨というのは、あるいは理解というのは、先ほど申し上げたとおりでございます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
それでは、次にパネルを御覧いただきたいと思います。
これ、総理の会見に関するパネルでございます。この間、総理が言われたことでございますが、米軍防護の件についてですが、私、少し違和感を持ちました。在外邦人の方に対して、いろんなところに皆さんのお子さんやお孫さんがその場所にいるかもしれないと。総理は、その命を守るべき責任を負っている私や日本政府は、本当に何もできないことでいいのでしょうかとおっしゃいました。全く総理の言っていることはそのとおり、何もできなくていいとは歴代の自民党政権も我々が政権を担ってきたときも思っていません。しかし、もし総理が今こういうことを言うと在外の邦人の皆さんは、何だ、何もできないのかと、何もやってもらえないのかと、この国の政府は、というふうに誤解をされます。昨日も岡田克也議員とも議論になられましたが、私は少し唐突な印象を受けました。
次、少し絵を見せていただけますか。
これは、事例で政府が配られた絵でございます。もしこれが朝鮮半島有事だとすれば、有事ですから何らかの兆候があります。その兆候を察知すれば、まずは外務省は、領事局海外邦人安全課も含めて、あらゆるルートから情報を取り、いち早く朝鮮半島にいる日本人に対して帰国を促すことが重要だと考えています。そして、そのときは、民間の飛行機や船を使ってまず輸送することが普通一般的な問題なのではないでしょうか。そのときに日本の外務省が、懸命にそのことを救援するのは当たり前です。そして、何らかの形で、大使館員や公的な仕事をしている日本人をどうするかというときには、米軍の輸送機や自衛隊機のC130等を使って輸送するのが私は普通のオペレーションだと思います。
韓国には百五十万人の外国の方々がいます。日本人だけがいるわけではありません。そのときには、それぞれ各国が協力歩調を取りながら、それぞれの国と懸命に共同して救出し輸送することが始まります。これがまず最初のオペレーションです。そしてこれは、自衛隊法八十四条の三、在外邦人の輸送は、外国における緊急事態に際して生命又は身体の保護を要する邦人の輸送の依頼があった場合に、派遣国の同意を得て、しっかりとそのことは対応できると書いてあります。そして、そのときには自衛官は、自己保存型の武器使用権限まで付与されています。
何もできないということはないと思いますが、総理、いかが考えますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず初めに申し上げておきたいことは、私が挙げた例として、近隣諸国で紛争が起こった際、その紛争から逃れようとしている邦人を米国の船が輸送する、これはあり得るわけでございます。それがあり得るというのは、かつて二〇一一年にリビアで情勢が悪化した際、米軍が手配したチャーター船、これはまさに、私は例として説明する際、昨日も用船ということもあり得るというふうにお話をさせていただきましたが、リビアにおいて実際それは起こっていることであります。
おっしゃるように、様々な私たちも情報収集活動を行い、事前に退避を促すことはあるわけでありますが、リビアのように、実際そういう邦人が取り残されることはあるということは踏まえておく必要があるんだろうと、こう思うわけであります。
その上において、近隣諸国においてそういう事態が発生することもあり得るわけでありまして、その際、当然、もしその国に米国が駐留軍を置いている、あるいはなかなかそこに、日本がその国に行ってオペレーションをするのは難しいという状況が当然あるわけでありまして、法的な今根拠もない、なかなかない中において、紛争が発生して危険な状況になればそれは行けないわけでありますから、そしてその国の同意が得られなければそれは可能ではないということになってくれば、こうしたようなケースにおいて自衛隊が警備することはできないというのが、これはもう昨日も法制局長官が答弁をしているとおりでありまして、それはできないんですよ。日本はそういう立場に立っている。
これをやらなければいけないというふうに福山委員が思っておられるとすれば、それは同じなんですよ。同じであれば──そう思っておられないんですか。思っておられるんでしょう。思っておられるのであればそれは同じわけでございますが、そこでどのような法的枠組みが必要かということを検討するのは当然のことであろうと。何でもできる、これもできる、これもできるということではないわけでありまして、実際に、この例で法制局はできないという答弁をしているわけでございますので、それでいいのかということを検討するのはこれは当然のことではないかと、こう思っているところでございます。

○福山哲郎君 総理は重要なポイントを幾つか言われました。紛争が起こっていると。紛争が起こっているということは、アメリカが、例えば輸送艦、軍艦で移動させるときには、それは間違いなく攻撃の対象になります。そこに民間人を乗せるということは一般にはあり得ません。
そして、リビアの例は大規模デモでございます。別にアメリカに対して攻撃が行われている状況ではありません。更に申し上げれば、もし本当に輸送艦で、総理のおっしゃるとおりですから、そこを私ものみ込んだとしても、輸送艦で、例えば日本人だけではない、他の外国の方も含めてアメリカがそこへ輸送するとすれば、その輸送艦に護衛艦をアメリカが付けないなどということは考えられません。
総理がリビアの例を言われましたが、一九九〇年、リベリアの内戦で、アメリカは海兵隊が武装して実は米国民以外の救助をしていますが、海兵隊員を上陸させました。その後に、内戦であり、アメリカに対して攻撃をされているわけでもなく、海域は静かであったにもかかわらず、アメリカはフリゲート艦を三隻帯同させ、その後方には四隻の艦船を控えさせて護衛艦を付けました。当たり前なんです。
総理が言われたように、もし紛争が起こっていて、朝鮮半島で、アメリカが韓国に対する集団的自衛権の行使をして、攻撃をされている最中だったら、アメリカは自分の軍艦の輸送船に護衛艦を付けないなどということは僕はまずあり得ないと思いますし、攻撃の対象になるかもしれない輸送艦に民間人を乗船させるということは一般的には私はあり得ないと思っております。
もう一点。今、安倍総理が言われた、紛争が起こっているとしたら、朝鮮半島で、安倍総理はお詳しいと思いますが、米韓が共同で対処しているときは、既に我が国としては周辺事態です。間違いありませんね。周辺事態となれば、アメリカは、北朝鮮の海上封鎖、韓国への相当規模の地上部隊の投入、在留民間人、これは日本人だけではありません、世界中の民間人の海外退避などの行動を米国は起こしています。
そして、日本はそのときに、総理が言ったように、何もしないんじゃないんです。周辺事態では、まずは高度の警戒態勢をする。そして、例えば日本にある米軍施設や区域の警備をしなければいけない。米軍施設の海域の警戒監視のレベルを上げる。そして、そのことによって情報の交換をアメリカとやる。そして、北朝鮮が何らかの形で機雷を入れるような状況のときには、日本領域や日本の公海における機雷の除去についても日本の自衛隊はする。
やらなければいけないことはたくさんあるんです。何が日本が何もやらないで済むのかではありません。やらなければいけないことがたくさんある周辺事態の間に、輸送艦に護衛艦も付けないでアメリカが民間人を乗せるなどという事例がどれほどリアリティーがあるのか、私は分かりません。
私は、日本は、周辺事態ですから、その状況の中でやれることはたくさんあると思いますし、現実に今その準備を自衛隊もされていると思っています。そして、もしその状況で在日米軍基地が北朝鮮からの攻撃に着手されるようなことがあれば、攻撃が起こっていなくてもですよ、着手をされるような事態が起これば、その時点で我々は事態対処法で個別自衛権の対応になるわけです。
私は、日本が何もできないとか、邦人救出ができないとか、やれないと言って情緒的な議論をして、こんな集団的自衛権の議論を無理やり引っ張ってくるような議論は、私は非常に国民に誤解を与えると思いますが、総理、いかが考えられます。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この例、私が挙げた例については、それはもうアメリカにお任せしようということを今、福山委員がおっしゃった。だって、アメリカがやりますよということをおっしゃったんですね。我々はそうはまず思わないということを申し上げておきたいと思います。こういう事態においても我々ができることをやる、当然のことではありませんか。そして、そうしたエバキュエーションのプランを考える際に、我々もできることを提示することによってより精緻なものが一緒にできるわけでございます。
事実、シームレスにこれは考えていかなければいけないわけでありまして、様々な事態に対応できるようにしておくことは、最初からこういう事態はないというふうに排除していくという考え方は嫌なことは見たくないというのと同じことではないかと、こう思うわけでありまして、あらゆる……(発言する者あり)

○委員長(末松信介君) 静粛にお願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) あらゆる事態に対して私たちは対応できる可能性、選択肢を用意しておくことは当然のことだろうと、最初からそれを排除をしていくべきではないと、このように思うわけであります。
例えば、米軍は、言わば米軍の艦船に邦人を乗せることはないというような趣旨のことをおっしゃったけど、それはそんなことはないわけでありまして、フィリピンにおいて米軍の揚陸艦に民間人を乗せて輸送したこともあるわけでございます。
そして、会見においてお示しをした事例については、我が国に対する武力事態攻撃が発生していない状況下のものであり、現在の憲法解釈の下では個別的自衛権の行使により米国船舶の防護を行うことはできないということになっておりまして、したがって、個別的自衛権行使を前提とした武力攻撃事態法によっては対処することはできないということはまず申し上げておかなければならないと、このように思うわけでありまして、自衛隊が、言わば、福山さんは、大きな意味において何もできないと私は言ったわけではなくて、あの際に自衛隊が実際に防護できなくていいかということについて申し上げたわけでありまして、論理をすり替えていかないでもらいたいと、このように思うわけであります。
そして、もう一点、周辺事態についておっしゃったわけでございますが、周辺事態とは我が国に対する武力攻撃が発生していない事態であります。また、周辺事態法においても、そもそも船舶の防護を行うような仕組みは設けておられず、この法律に基づいて船舶の防護を行うことができないわけでありまして、今、福山さんがおっしゃったのは、日本国内の米軍施設の防備等、それは当然、それは法律があるんですから、そんなことはみんな分かっている話であって、私が例として挙げたのは、まさにその例ができるかどうか、そこから福山さんは私は目をそらしておられると思いますよ。それは、アメリカにお任せしようということで論理を組み立てておられるわけでありますが、我々はどんな状況になっても、日本の国民の命は守らなければいけないという決意の下、そしてその責任感の下にこの議論を進めていきたいと、こう考えている次第でございます。

○福山哲郎君 いや、私はすり替えているつもりはありません。アメリカは輸送艦の防護は自力でやると、基本的にはそうだと思います。そして、なおかつ、その状況で日本もしっかりとアメリカと協力しています。アメリカにお任せではありません。周辺事態法は日本にとっても一つ間違えれば武力攻撃事態になるわけですから、そのことを申し上げています。
唐突に、ノアの箱船のように、米輸送艦の防護をします、実は唐突にこんなことが起こること自身が日本の危機管理上も問題だし、駐留米軍も含めてそんな状態には私はならないというふうに私自身は考えています。
実は、臨検もそうです。周辺事態のときに臨検をするということは、総理、どこの船を想定されていますか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今この場で総理大臣である私が特定の国を指摘することは外交上の問題が発生するという状況でございますから、それは控えさせていただきたいと思います。

○福山哲郎君 朝鮮半島有事のときに臨検するとすれば、北朝鮮に物資なり武器の供給があるということでございます。先ほど申し上げたように、そのときには米軍は間違いなく海上封鎖をしています。非常に緊張関係高まっています。そのときに、周辺事態だとして日本の自衛隊が臨検をするとなれば、周辺事態法のところでは、総理御案内のように、私も存じ上げていますが、強制的にはできません。だって、日本と有事が始まっているわけではないからです。そのときに、まあ百歩譲って、北に本当に物資を供給する国がどこなのか僕は分かりませんが、そこが北朝鮮だったとしても、臨検しに行ったときには旗国の同意が要ります。旗国の同意が要るのに強制的に臨検に行ったら、これは国際法上、武力行使です。武力行使を日本から仕掛けたことになります。相手から見れば、それは日本が攻撃をしてきたという口実を与えることになります。
私は、中国との関係も北朝鮮との関係も含めて申し上げれば、相手の挑発にいかに乗らないかがまず日本の安全保障を守る一つの大きな要諦だと思っています。そして、強制的に何かをして武力行使をしに行ったときには、その貨物船か、何か運んでいるものか分かりませんが、相手がどんな装備を持っているのかも分かりません。そこに自衛隊が同意なしに行くということは、相手から武器を突き付けられるような事態が幾らでも起こるということです。そのときに、本当にこの臨検みたいなものを強制的に、武力の行使だと国際法上認められることをできるかどうか。これ、集団的自衛権も含めて大変大きな課題です。こういったリアリティーのある話で本当に議論を進めていただきたいと私自身は考えています。
そして、これを出してください。これ、すごく重要です。これまでの憲法解釈というのは、我が国への武力攻撃がある状況です。そして、昨日から、見直すかもしれないと言われた自衛権の三要件、「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底からくつがえされるという急迫不正の事態」です。非常に大きな事態です。そのときに限って例外的に個別的自衛権を行使しようというのが今までの日本の、我が国の考え方でした。これは、この少なくとも四十年、自民党政権が圧倒的に政権を担っているときに、このことをやられてこられました。そして、「集団的自衛権は行使できない」、「だから海外での武力行使は許されない」というのが我が国の平和主義の考え方でした。
総理は会見で、「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許される」と言われました。
「解釈変更すると」、御覧をいただきたいと思います、国民の皆さん、我が国への武力攻撃がないんです、ないんです。なくて、「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性」、これ非常に抽象的で分かりにくいです。そのときに、「行使できる集団的自衛権」、これ限定的だと総理は言われますが、行使できる集団的自衛権と行使できない集団的自衛権を二つに分けるという議論がまた始まり出しました。そしてさらには、海外で武力行使が可能になります。
これまでの日本は、国民の幸福追求の権利が根底から覆されるという条件をもって初めて武力行使を例外的にするということをしてきました。先ほど法制局長官が重要なことを言いました。量的な概念ではない。簡単に言うと、日本は、集団的自衛権はあるけれども金庫の中に入れて、これは使ってはいけませんとずっと入れていました。金庫の中に入れているんです。で、日本が本当に危ないときにだけ自衛権を行使するのは個別的自衛権だという条件を付けてきました。そして、この金庫の中にある集団的自衛権というのは決して、集団的自衛権、十あるうちの一使いますよとか、二使いますよという数量的な概念ではなくて、金庫の中にあって、これは使ってはいけないんだという概念でした。
これ、解釈を変更すると、これほど大きな違いが出てきます。これほど大きな違いを一内閣の閣議決定で変えていいのかということに対して私は非常に抵抗があります。
総理、私の言っているこの説明は間違いありませんね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の説明で幾つか間違いがございますので指摘をさせていただきますが、まず、私が言わば我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるという限定的な場合に集団的自衛権を行使すると言ったことはございません。これは明確にしておきたいと思います。という報告書が出された、これが大切なところであります。その報告書を基に今与党で検討をしているわけでございまして、私がそれを言ったことはないということ、今その事実誤認については訂正させていただきたいということでございます。
そして、それを今まさに与党において検討しているわけでございますが、そこで、今おっしゃっている、それは自衛権発動の三要件でありますが、そうしたことも含めてこれから与党において、三要件のことについておっしゃったんでしたっけ、今……(発言する者あり)三要件ね、三要件についておっしゃったんだと思いますが、三要件については与党でまさにそれも検討していくということになります。
そして、それはまたさらにその中において、我々は安保法制懇から出てきた結論のうち、二つのうち一つは言わば芦田修正を根拠とするものでありまして、それは、言わば侵略戦争以外については、これは集団的自衛権についてもフルに行使できるという考え方、そしてさらには、集団安全保障というのは、これは国際法上合法であるからこれはフルにできるという考え方でありますが、まずこれは取らないということでございます。(発言する者あり)
根本的なことを聞かれていますから、これは複雑な論理ですので、よく最初から説明しないと分かりにくいと思いますので丁寧にさせていただきたいと思うわけでありますが、それは我々は取らないということでありまして、研究の対象にするのは、憲法の前文と十三条を基本とした言わば自衛権は合法であるという従来からの政府の見解であります。これは昭和四十七年の政府統一見解に基づくものでありますが、必要最小限度の自衛権は行使できるという考え方でございます。
当然、その中におきましては、言わば個別的自衛権においてもこれは制限があるわけでございますから集団的自衛権においても制限があるということでありまして、制限されているものと制限されていないものを分けることはできないかのごとくの今議論がございましたが、それはそうではないということは、個別的自衛権において制限されるものは何かということで我々は今まで整理してきているわけでございます。
そして同時に、海外において武力を行使するのかどうかという、海外で武力を目的とした戦闘に参加することができるかのごとくの議論を今されましたが、それは我々は取らないということは昨日の議論でも再三再四申し上げているとおりでありまして、個別的か集団的かを問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上合法的な活動には憲法上の制約がないものとすると。
しかし、これが安保法制懇の一つの考え方でありますが、これは憲法解釈と論理的に整合せず、これは取らないということでございまして、同時に、今申し上げました集団安全保障の中における、全てできる、例えばイラク戦争あるいは湾岸戦争のようなタイプに武力行使を目的として戦闘に参加することはできないということは申し上げたわけでございますが、同時に……(発言する者あり)これ、よく時間というふうにおっしゃるんだけれども、精緻な議論をしなければいけませんから聞かれていることに対しての説明はどうしても必要なんですよ。
その上において申し上げますと、個別的自衛権について申し上げますと、個別的自衛権においても……(発言する者あり)これ大切なことですよ、これを聞かれているんじゃないですか。そして、その上において、武力の行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣するいわゆる海外派遣は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであって、憲法上許されないと、こうなっておりまして、これは、個別的自衛権においてもこのような制約があることを踏まえれば、今後、さきに述べた考え方について研究を進め、仮に集団的自衛権の行使が認められるとしても同様の制約が掛かることは当然のことと考えているわけであります。(発言する者あり)
今、私がずっとしゃべっているというふうにおっしゃりますけれども、これは集団的自衛権と集団安全保障の関係について整理をする必要がありますから、述べているわけでございます。(発言する者あり)

○委員長(末松信介君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(末松信介君) 速記を起こしてください。
御質問をされまして、総理としても、国民の皆さんが今日テレビを御覧になっています。できるだけ分かりやすい言葉で分かりやすい説明をしたいということ、そのことで答えたいと思っておられる意思は尊重してやっていただきたいと思うんです。ただ、時間を取り過ぎてもいけません。その辺のところはよくバランスを考えて御答弁をいただきたいとは思います。

○福山哲郎君 総理は同じことを三回も四回も言われて……(発言する者あり)

○委員長(末松信介君) 静粛に。

○福山哲郎君 それで、集団的自衛権について制限的には認められるというようなことを発言をされたというふうに今、何回も同じことを繰り返したので分からないんですけど、それはこの国では認められていません、現状では。
総理、集団的自衛権を限定的に制限的に認められているって、一体何を根拠におっしゃったんですか。総理、お答えください。聞いてください。(発言する者あり)

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 済みません、今、兵庫沖でタンカーが炎上中でございますので、これに対する、兵庫沖で現在タンカーが爆発をして炎上中でございますので、今、総理指示を出させていただいたところでございます。
それで、今おっしゃったのは、我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるときは限定的に集団的自衛権を行使することは許されるとおっしゃった。これはまさに安保法制懇の見解を紹介されたんだろうと。安保法制懇の見解については、今まさにこれは与党において協議をしているところでございまして、先ほども安保法制懇の考え方を私の考え方として御紹介されましたが、それは違うわけでありまして、つまり、それをまさに混同しないようにしていただきたいということは申し上げておきたいと思います。

○福山哲郎君 済みません、安保法制懇の中身を紹介されるのか、御自身のお考えを紹介されるのか、ちゃんと整理して答えていただかないと。これ、すごく重要な問題です。
それで、じゃ、総理の言葉についてお伺いします。
総理、これ、昨日、岡田さんもおっしゃいましたけど、自衛隊が武力行使を目的として他国の戦闘に参加することはこれからも決してありません。先ほどもおっしゃいました。武力行使は目的になりません。武力行使を目的として他国での戦闘に参加するなんということはあり得ません。武力行使を目的になんかしません。だって、自衛隊が武力行使を目的として海外に行くなんていうことはあり得ません。分かりますか。武力行使は手段です。目的として他国での戦闘に参加するようなことはこれも決してありませんと書いてあるけど、そんなのは当たり前です。武力行使目的になんて行くわけないです。
総理が例示をされている機雷の掃海は、有事の際に掃海しに行くということは、これは武力行使です。これは、例えば本当にホルムズ海峡周辺に有事があったときには、戦闘行為の最中に掃海に行くというのは、これは国際法上、武力行使です。先ほどの臨検も同じです。これは、武力行使をもって戦争に参加しに行くことです。それは間違いありませんね、総理。集団的自衛権を行使するということは、武力行使で戦争に参加するということは間違いないということを国民の前で言ってください。
国民に守る守るとおっしゃるのは、我々も守らなければいけないと思いますが、それには非常に厳しい状況であり、武力行使を本当に海外でするという現実が待ち受けているということをちゃんと国民に説明をしていただきたいと思いますので、お認めいただけますね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、何か随分エキサイトしておっしゃっていますが、私が申し上げたのは、言わば、イラク戦争や湾岸戦争に……(発言する者あり)最初の質問にあったじゃないですか、湾岸戦争に参加するんでしょうと言われたから、私は、そうでは……(発言する者あり)いや、それはあなたじゃないんですよ。あなたが言ったということではなくて、そういう批判があったから……(発言する者あり)分かりました。ちょっとうるさいんでなかなか議論できないんですが。よろしいですか。

○委員長(末松信介君) 静粛にお願いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいでしょうか。
それでは、つまり、私が会見で申し上げたのは、そういう批判がありましたから、事実ありましたよね、新聞等でもそういう批判がありました、ですから、それに対して私は答えたわけであります。会見において答えたのは、言わば武力行使を目的として戦闘に参加することはないということをお答えをしたわけでございまして、それを明確に申し上げたということであります。
そして、機雷が敷設されたときには、それは昨日の委員会でも議論をしたところでございますが、昨日の委員会では、この機雷の敷設について、それはいろんな議論があったんですよ、この機雷については除去できるんではないかという議論もあったわけでありますが、遺棄をされていない限りこれは武力の行使に当たるということでありますから、その当たるという武力の行使で現在はできない。現在はできないというのは、これは明確であります。
しかし、そこにおいて、そこを通るタンカーあるいは商船の多くが日本にやってくるという中において、国際社会において協力してそうしたものを除去しようというときにそれをやらなくてもいいのかという問題意識の中において、与党において検討をしていただいていると、こういうことでございます。

○福山哲郎君 分かりました。じゃ、もう質問変えます。会見のことも忘れてください。この言葉も忘れてください。
集団的自衛権を行使するということは、海外において機雷の掃海も強制的な臨検も含めて武力行使をするということですね。それで間違いないですね。そのことを総理にお伺いします。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにそうした問題意識なんですよ、今申し上げました、それができなくていいのかという問題意識。そして、臨検においても、米国が例えば隣国において攻撃を受けた際、そういう状況の中でこの臨検活動、決定的な、国に武器等がこれは持ち込まれるという可能性がある中においてそれができなくていいのかどうかという問題意識。今できないことについて、でなければ問題意識を持って検討していく必要がないわけであります。
今できないと言われたものについて、我が国の安全、国民の命と平和な暮らしを守るために何をやるべきかということについて、これをまさに与党において協議をしてもらっているということでございます。これが質問に対する答えでございます。

○福山哲郎君 私は、検討していることは存じ上げています。集団的自衛権の行使というのは、海外において武力行使をすることですねという事実関係だけを聞いているんです。
実は、先ほど申し上げたように、さっき総理が言われました、アメリカが攻撃されたときとか言われました。まさに我が国に対しての武力攻撃がありません。例えば、アフガニスタンのときは、九・一一のテロのときは、アメリカは攻撃をされました。アメリカは自衛権の行使だと言って、NATOは集団的自衛権の行使と言ってアフガニスタンで軍事作戦を展開しました。我が国への武力攻撃はありません。我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性、日米同盟ですし、アメリカが攻撃されましたから。そのときに、例えば今言われたような集団的自衛権を、じゃ百歩譲って安保法制懇で言われたように行使するとしたら、逆に、日本はその状況でアフガニスタンに出ていく可能性があるということですか、総理。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどこれお答えしたことと重なるんですが、全く重なるんですが……

○福山哲郎君 いや、あるかないかだけ答えてください。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、まさにこれは先ほど答えたのと同じでございまして、先ほど聞いていただければいいんだろうと思うわけでございますが、個別的自衛権においても、一般に、言わば武装した部隊を他国の領土、領海、領空へ派遣する海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるというのが憲法の解釈であって、これは個別的自衛権に掛かっている必要最小限度という制約で、今首を横に振られましたけれども、それが事実でございまして、これがお答えなんですが、真面目に答えているんですからちゃんと聞いていただきたいと思いますが、その上において、集団的自衛権に対しても、これも何度も、累次お答えをしておりますが、当然個別的自衛権に掛かっているものについては集団的自衛権にも掛かっているという考え方は既にお示しをしているとおりでございます。

○福山哲郎君 個別的自衛権に掛かっている制限的な考え方は集団的自衛権に掛かっているというのは、お示ししているとおりですというのは、総理が示したんですね。それは総理の見解ですね。
先ほどから何回もその質問をしたら安保法制懇の考えで検討していると言っているんですけど、制限というのは総理のお考えですね。

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、安保法制懇の報告書と私の考えを明確に分けていますが、混同しているのはむしろ委員の方だろうと思いますよ。
そこで、今の答弁はまさに私がということでありますし、政府として申し上げているわけでありまして、先ほどの答弁は、まさにこれ、安保法制懇のやつと私は明確にこれは別に申し上げておりますよ。先ほど、だって福山委員は混同して質問されたじゃないですか。

○福山哲郎君 もう同じことをぐるぐる回ってやっと認めていただきました。
政府は、制限的にとおっしゃいましたけど、制限的には今まで全く決められていません。先ほど申し上げたように、集団的自衛権は量的な概念ではありません。
つまり、これが限定的だと言われるということは、右側にあります、先ほど申し上げましたように、例えばアメリカが攻撃されたときに自衛権が発動されて、NATOは集団的自衛権を行使しました。この状況で我が国への武力攻撃がありません。アメリカは我が国にとって重大な国です。これは私も認めます。それで、そのことが日米同盟も含めて毀損するとなれば、重大な影響を及ぼす可能性があれば、自動的に限定的ですから、アフガニスタンに行くことも可能になります。これは武力行使に行きます。軍事行動です。これが集団的自衛権の行使ということです。
総理、はぐらかさないでいただきたいと思います。これは、国民の命に関わることです。これを解釈で変えるというのは大問題です。実は、閣議決定で変えるというのは、一内閣で閣議決定で変えるというのは非常に私は問題だと思っていて、閣議決定の要件は、憲法の範囲内で閣議決定をしろということです。立憲主義の考え方からいうと、権力側は憲法に制約を与えられています、権力を濫用しないように。その権力を濫用しないよう抑制的なものを求められている政府が、憲法の範囲、解釈を勝手に変えて逆に海外で武力行使を可能になるということは、本当に私は大問題だと思っています。その手法についても、事例についても、非常に私は、総理の言われていることについて残念ながら私は納得できません。
ただ、私は、例えば駆け付け警護だとか離島防衛だとか、集団的自衛権の行使とは別の問題について議論することはやぶさかではありません。駆け付け警護、重要なことだと思います。しかし、紛争地域でPKO活動している自衛隊員に何か、武装集団があそこら辺で何かがありますからといって、例えばすぐに駆け付けて助けに行きなさいと言っても、その武装集団がどのような武器を携帯しているのか、どういう状況にあるのか、分からない状況です。
例えば、佐藤委員が行かれたイラクは、これはPKOの部隊ではありませんが、現実の宿営地は防御壁に囲まれ、堀があり、そしてジグザグでコンクリートで、いかに自衛隊員の命を守るかということも含めてそれぞれ任務に当たっています。その任務も、いわゆる道路を造ったり治水をしたりしている任務です。すぐに何かあったから駆け付けて行けといって、訳の分からぬ武装集団に鞍馬天狗のように駆け付けるような状況は、そう簡単なものではありません。自衛隊員の命が懸かっています。そして国民の命も懸かっています。
そして、総理、もう一度だけ言います。この集団的自衛権の行使というのは、戦争に巻き込まれるのではありません。機雷の掃海もそうです。臨検を強制的にやることもそうです。これは戦争に参加をすることです。
私は、国民の安全を守るために議論することはやぶさかではありませんが、この閣議決定で解釈を変えて集団的自衛権を行使することについては非常に抵抗があると申し上げて、総理に私の質問時間を非常に、本当に何度も同じ答弁をされて密度の濃い議論ができなかったこと残念なので、これからも総理には委員会に来ていただきますことをお願いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
ありがとうございました。


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