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2015

第189国会 参議院 国際経済・外交に関する調査会 2015年3月4日


○会長(柳田稔君) 次に、福山哲郎君。
答弁者を明示して質問してください。

○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
それぞれの皆さんにおかれましては、日々本当に御精励をいただいていることを感謝申し上げます。
今日は、追及する場でもありませんので、私なりの思いを若干述べた後、それぞれにお答えというか御意見を御披瀝いただければ有り難いと思っております。時間がないので一遍にお伺いをします。

まず、田和さんにお伺いをいたします。
御説明のとおりだと思うんですが、確かに表を拝見いたしますと緩やかにアメリカの景気は良くなっている等々があって、アメリカは一四年度で暦年でプラス二・四%、ユーロ圏は、あのユーロ圏ですらプラス〇・九%でございます。日本は残念ながら、あれだけアベノミクス、アベノミクスと言いながら、結果としてはマイナス〇・五%になりました。
先ほど田和さんが言われたように、原油価格が下落をしてGDPに貢献をしていることを鑑みれば、去年、大体、七月以降、原油価格が落ちていますので、七月の時点での政府の経済成長の見通しはプラス一・四だったはずです。それが原油価格の貢献も含めてマイナス〇・五%になったということに対して、私は非常に心配をしております。一方で、新興国の経済は、成長はあるけれども緩やかに減速というかスピードが弱まっているというふうに全体としてはIMFも世銀も言っておりまして、こういった状況の中で我が国の経済についてどうお考えになられるか。
これだと余りにも抽象的なので、先ほど御紹介があったように、ECBは量的緩和を始められました。一方で、アメリカはテーパリングが始まろうとしています。日本は、このままインフレ目標二%のまま量的緩和を更に続けるとなるとより一層円安になる、そのことに対するリスクをどういうふうに考えたらいいのか。先ほども申し上げたマイナス〇・五%の問題と今の円安のリスクについて、量的緩和をECBが始め、テーパリングをアメリカが始めて、相対的に日本がどうするのかということについて御意見を御披瀝いただければと思います。

齋木さんに関しては二点、端的にお伺いをします。
一点は、エネルギーの、ここに書いてあります、いわゆるLNGと原油価格のグラフが十ページにあったわけですが、これ、元々日本はずっと自民党政権からLNGと原油価格ってペッグしていたわけです。震災の後、我々はそのペッグを外すべきだと、シェールガスが出てきて安くなっているんだから原油価格のペッグは外した方がいいという話をして、これは外務省も経産省も御苦労をいただいておりました。
これ、原油これだけ下がってきています。これまでどおりペッグしているのだったらLNGも下がってしかるべきですし、シェールガスの関係も含めても相対的には下がってしかるべきなのに、LNGの輸入価格は横ばいです。ここはどうしてなのかを教えていただければということと、もう一点、齋木さんには、日本のODAが、これだけ円安だと、拠出金額はドルベースでいうとどんどんどんどん相対的に日本の拠出金額は下がっていきます。これは、国際社会上、見かけ上、非常に日本はODAの拠出額を減らしているように映ります。ここについて、円安だからという言い訳はできないはずで、アベノミクスをあれだけ言っているわけですから、そこをどういうふうに外交上御説明されるのか、このことについて齋木さんにお答えをいただければ。

三つ目、山上さんにお伺いします。山上さんにはもういろいろお伺いしたいこと山ほどあるんですが、一点だけ。
主要外交行事のペーパーをいただきました。非常に参考になるんですが、一点だけ、毎年やるべき主要外交行事のサミットが消えています。御案内のように、日中韓首脳会議です。これは毎年毎年やっておりました。これはバイの会談とは違って、個別のそれぞれの両国間の問題についてお互いがある意味でいうと言わない、しかし、日中韓ならば、それぞれの共通の課題についてまずいろんな形の信頼醸成ができるという一つの外交の知恵の産物だったと思っております。これは別に民主党だ自民党だと関係ありません。
日中韓サミットの予定について、今どういう状況で進んでいるのか。外交上ですから言えないことがあるかもしれませんが、どういうおつもりなのか、このことについて山上さんにお答えいただければと思います。
以上でございます。

○政府参考人(田和宏君) 福山先生の御質問でございますけれども、まず日本の経済でございます。
昨年、確かに七月、夏ぐらいから原油が下がってまいりました。ただ同時に、為替の円安という状況も我が国の経済においては発生しておりまして、そういった意味で、原油安のプラスの面を為替、特に輸入物価の上昇というものが相殺をしてきていたという状況はあったかと思います。
そういう中で、アベノミクスを通じて日本経済をどうやって引っ張っていくのかということについて言いますと、やはり賃金の上昇が物価の上昇を追い越すということを目指していったわけですけれども、昨年の段階ではそこまで十分な賃金の上昇が実現はできなかったということは結構大きかったんではないかと。あと、昨年には、もう国会でも御議論いただいておりますけれども、やはり消費税の導入の大きな経済に対する、駆け込みの需要とか駆け込みの減とか、そういった影響もあったんではないかと思っております。
ただ、為替にいたしましても原油にいたしましても、経済にとってみればやはり安定をするということが非常に重要なことでございまして、その点がやはり我が国の今後の経済を見通す上では非常に重要であろうと思っております。
先生がおっしゃったように、新興国、需要サイドでいいますと確かに弱い需要でございまして、その意味では原油の需要サイドが弱い、それから供給サイドでいいますと、例えばOPECで減産するという状況には今ないということで、実物の原油マーケットは割合軟調が続くのかなというふうには思っておりますけれども、一方で、資金の動きというものが国際金融市場と併せて大きく動いたりするとやはり新興国に大きな影響を与えるということでございますので、この辺は非常に重視をしていかないといけない。
あと、為替でございます。為替は、今申し上げましたように、非常に安定することが重要ではございますけれども、ある意味で、為替というのが日本のいわゆる持っているファンダメンタルと合っているのか合っていないのかというところがやはり一つのポイントだろうと思っていますので、この辺はかなりちょっと、ある一定の期間を見ていく必要性はあろうかなというふうに思っております。

○政府参考人(齋木尚子君) まず一点目、エネルギーの御質問をいただきました。
現在の原油安の要因につきましてはいろいろな分析、可能でございまして、もう先生御案内のとおりですけれども、あえて一般的に申し上げますと、米国シェール革命の影響によるシェールオイルの増産、そしてOPEC諸国が減産しないこと、こういったことで、十ページのグラフでもお示しをしましたように、油価が下がっているということでございます。さらには、石油取引の決済通貨であるドル価の上昇、また、世界経済の御説明もありました緩慢な成長によって原油輸入の需要の伸びが見込めないというふうなことからこのように下がってきているということでございますので、この辺りについては、また引き続き我々としても、何といっても需要動向、そして地政学的リスク等々ございますので、その複雑な要因をしっかりと分析をしてフォローアップをしてまいりたいと思います。
それから二点目、ODAについてであります。
確かに、円安でございますので、ドルベースで日本のODAは落ちていくということで、なかなか厳しい状況であるというのは率直なところであります。しかし、日本といたしましては、これまで戦後培ってまいりました質の高いODA、相手国の立場に立ったODAを心掛けてまいりたいと思っております。特に顔の見える援助というのも大事だと思っておりまして、この観点からは、日本のNGOや市民社会との連携を強めることによって、世界において日本の顔が見え、そして質の高いODAが実施できるように、より一層努めてまいりたいと思っております。
一つの例挙げますと、一九九三年からTICADというアフリカ開発会議を日本は主催をしてきております。九三年時点からずっと日本が掲げてまいりましたのは、オーナーシップとパートナーシップ、決して上から目線で援助を押し付けるのではなくて、アフリカ諸国と日本とがパートナーとして、相手の立場に立った支援を行うと。そして、アフリカの問題は最後はアフリカ自身が解決できるようなオーナーシップをアフリカに持ってもらうということで、もう一九九三年から二十年以上にわたる、今、一例で申し上げたわけですが、アフリカの開発会議もございます。
こういった日本としてこれまでしっかりと培ってきたものをより高めていくことで努力をしたいと考えております。

○政府参考人(山上信吾君) 日中韓サミットの重要性について御指摘いただきました。政府としましても、中国、韓国と協力しつつ、この日中韓三か国の協力を未来志向で強化する、こういう目的のために、日中韓の外相会議、さらには首脳会議の開催といったものを一貫して重視してきたところでございます。
そこで、じゃ、お尋ねのいつやるのかというところでございますが、現下の情勢を踏まえれば、いきなり首脳会議というよりも、まずは外務大臣レベルでというところかと思います。既に国内のマスコミ報道などでも幾つか出ておりますが、現時点で申し上げれば、この日中韓の外相会議の具体的な日程や場所というものはまだ確定しておりません。引き続き調整中でございまして、我が国としましても、韓国、中国の外交当局と不断に連絡を取り合っているところであると御理解いただければと思います。
いずれにしましても、今議長国は韓国でございますので、韓国を中心に、引き続きこの外相会議開催に向けた努力といったものが前に進むことを強く期待しておるところでございます。
○福山哲郎君 終わります。ありがとうございます。


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