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2015

第189国会 参議院 外交防衛委員会 2015年3月26日


○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
防衛大臣におかれましては、御就任おめでとうございます。前大臣がああいう、ある意味でいうと不祥事のような形でお辞めになられまして、その後を受けて、この安全保障法制が大議論になるところでの、大臣、本当に御苦労さまだと思います。よろしくお願いします。
前も申し上げましたが、私は大臣とはいろんな政策、御一緒にやらせていただいたこともありますので、人となりとしては僕は大変信頼をしておりますので、是非よろしくお願いいたします。
まず、最近の話題になっております総理が我が軍と発言をした件について、私は、あの総理ですからこのぐらいの言葉を言いかねないかなという気持ちもあって、どの程度この問題については問題視するかというのは、少し実は様子を見ていようと思っていたんです。そしたら、昨日、官房長官が自衛隊も軍隊の一つと、総理の御発言をまた上塗りをするような発言をされました。
これは非常に問題だと思っておりまして、つまり、総理の発言にこうやって政府高官が上塗りをしていくと、どんどん既成事実化をしていきます。官房長官が言われた会見での御発言は、自衛隊は我が国の防衛を主たる任務としている、このような組織を軍隊と呼ぶのであれば、自衛隊も軍隊の一つということだと言われました。実はこれが問題で、これまでの政府見解は、我が国の防衛を任務を有するものの、憲法上自衛のための必要最小限を超える実力を保持し得ない等の制約を課せられており、通常の観念で考える軍隊とは異なるものと考えているというのが政府の公式見解です。
つまり、官房長官の言われた我が国の防衛を主たる任務としているから、これまでは自衛隊は自衛隊なんだと、通常の軍ではないんだという議論をしてきたんです、政府は。実は、最初のところの我が国の防衛を主たる任務としているまでは一緒なんですけど、結論が真逆になっているんですね。
これは私は非常に問題だと思っていて、その中で、国際法上は自衛隊の海外活動が広がっているので、例えば捕虜になったときのことも含めて自衛隊を軍隊と捉えるという考え方はもちろんあるのは私は存じ上げています。現実に海外でこれだけ自衛隊の皆さんが活動されているわけですから、そのことを政府なり社会なり国民が理解をした上で、それは国際法上はそういう状況じゃないと、もし万が一捕虜になった場合の対応をしなきゃいけない。そんなことは重々分かった上で政府はこれまで通常の軍隊とは違うというふうに言っていますし、陸海空軍その他の戦力には当たらないと答弁をされています。
防衛大臣の御認識をここできちっと、今までの政府と同様の認識をしていかないと、どんどん何か既成事実だけが重なっていきます。是非、防衛大臣、これまでの御答弁、政府の認識も含めて、ここは真摯にお答えをいただきたいと思います。どうぞ。

○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は我が国を防衛する任務を有するものですが、憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約が課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるとされております。
他方、自衛隊は、過去六十年間にわたって国内外における活動を積み重ね、我が国の平和と安全を維持するとともに、国民の高い信頼と支持を得てきているものと認識しておりまして、防衛大臣としては、このような国民の信頼に応えられるよう、自衛隊が国民のためにこれまで以上に能力を発揮できる環境づくりや、隊員諸兄がより一層誇りを持って働ける組織とすることに力を尽くしてまいりたいと考えております。

○福山哲郎君 まあ、前半の答えは軍ではないという政府答弁をしっかりと踏襲をいただいたので、総理や官房長官の発言は少しそこを逸脱しているということを、大臣、認めていただけるわけですね。
後半部分は私は全く異論ございません。自衛官が海外で活動されて、そのことに対して国民の中の信頼も上がり、地位も上がり、そしてそれぞれ誇りを持って仕事、職務に専念していただくことに関しては私も全く異論はありませんが、前半の部分に関しては、総理や官房長官の発言は少し今までの政府の見解よりかは逸脱をしているということは、大臣、お認めいただいたということでよろしいですね。

○国務大臣(中谷元君) 防衛大臣としては評価めいたことを差し控えますが、昨日の官房長官がお述べになったとおり、私は誤りがあったとは承知をいたしておりません。過去にこのような答弁もございました。
いずれにしても、防衛大臣としては、自衛隊が国民のためにこれまで以上に能力を発揮できる環境づくりや、隊員諸兄がより一層誇りを持って働ける組織とすることに力を尽くしてまいりたいと思っております。

○福山哲郎君 私は、誤りであったかどうかを聞いているわけではありません。これまでの政府の答弁から見れば、総理の発言や官房長官の発言はある意味でいうと逸脱がありましたねということをお認めいただけるかどうかと聞いています。
これに類する類いの発言が、例えば小泉元総理からあったとかいうことも私も存じ上げています。しかし、そこは、この場ですから、逆に言うと、国会の場ですからこそ、防衛大臣、まさに指揮をされるわけですから、防衛大臣としてそのことについてきちっとお認めをいただきたいと申し上げています。もう一度お願いします。

○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は我が国を防衛する任務を有するものですが、憲法上、自衛のための必要最小限度を超える実力を保持し得ない等の制約が課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるとされております。

○福山哲郎君 まあ、防衛大臣もお立場があるでしょうからそれ以上答えにくいと思いますが、今はっきりそうおっしゃっていただいたということは、僕は非常に評価をしたいと思います。
何か総理が勢い付いて言っちゃったことを、内閣が何とか守らなきゃいけないとそこに上塗りをしていくことによって、いろんなこれまでの、自民党政権も含めての歴史の積み重ねみたいなのが崩れていくというようなことについて、私は非常に懸念をしています。
おかしなことはおかしいと言わなきゃいけない。その後、それで変えるんだったら、そういう手続をもって変えればいいけれども、何もしないでこんなふうに、何か話をして、その後官房長官が上塗りをしたらそれで物事が通ってしまうようなのは私は非常に問題だと思っておりますので、今防衛大臣が通常の観念で考える軍隊とは異なるということを何度も答弁をされたことを多として、次に行きたいと思いますが、そこについては非常に懸念を持っているということをまずお伝えをしたいと思います。
防衛省の設置法の改正案についてお伺いします。
これは法案の質疑があると思いますので細かいことまでは申し上げませんが、実は、いたずらに私はこのことについて批判をしたいと思っているわけではありません。昨日、北澤元大臣に古文書出してきたなと言われたんですけど、防衛省改革に関する大臣指示、これ、私の今横にいらっしゃいます北澤防衛大臣が出された指示です。
これは、二〇一〇年の六月の三日に出ておりまして、中央組織の改革についてというところで、シビリアンコントロールは防衛政策の根幹であり、これを確保するためには、その主体であり政治家たる防衛大臣に対する、UC各々の専門性を十分に生かした補佐体制が必須、まあ当然のことを書かれています。内局が省としての意見集約を図る一方で、防衛大臣がUC各々の専門性を生かした組織的意見を聞くことができる仕組みは妥当なものと考える、このような観点から、運用部門や防衛力整備部門における内局及び幕僚監部への一元化やUCの混合化について再検討すること。検討することまで北澤元大臣も了解をされていて、その問題意識は共有をしています。だから、その問題意識を共有していることは私理解した上で質問をさせていただきたいと思います。そして、運用部門においても、内局と統幕の業務の重複を避け、UCの協働を確保しつつ意思決定の迅速化を図るため、事態ごとのシミュレーションを行いながら、業務の在り方について検討することというのがあって、このことは非常に私は重要な、我々自身の政権のときの、まあ何というか、歴史の一つだと思っています。
それで、逆にお伺いしたいんですけど、具体的検討項目というのが、この北澤元防衛大臣の指示の後、検討項目というのがそれから二か月後に出ていまして、意思決定から事態対処にわたる大臣補佐の在り方についてシミュレーションにより検証とされました。この検証の結果は一体どうだったのか、それから、この検証の中で、内局と統幕が、今の状況、いわゆる今の十二条の問題で何が問題があるということになったのか、どういう結論だったのか、お答えいただけますでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) 配付資料は防衛白書平成二十四年度版から抜粋いただいたものでございまして、北澤防衛大臣の下で、防衛省改革又は将来の在り方についても組織の在り方についても組織を検討いただきまして、成果を出していただいたことには敬意を表したいと思っております。(発言する者あり)はい、間違えました。白書でそういうことを書かれていたということでございます。
この点につきまして、平成二十二年六月に民主党政権が策定をいたしましたこの防衛省改革に関する防衛大臣指示の中で、運用部門においては、内部部局と統合幕僚監部の業務の重複を避け、文民と自衛官の協働を確保しつつ意思決定の迅速化を図るために、事態ごとのシミュレーションを行いながら、業務の在り方について検討するとされておりました。
こうした指示を踏まえ、同年八月に取りまとめた検討の柱に基づく具体的検討項目の一つとして、運用部門においては、実際に発生した事案等も参考にしつつ、意思決定から事態対処にわたる大臣補佐の在り方について、各種事態を想定したシミュレーションを数回実施したところでございます。事柄の性質上、シミュレーションの内容、その他の結果等についてはお答えを差し控えたいと思っております。

○福山哲郎君 じゃ、大臣の指示にあった検証は何点かしたと。されたけれども、その中身についてはお答えが事の性質上無理だと。そこまで私も理解したとします。その結果、今回の十二条改正をしなければいけないような問題点とか具体的事例は、つながったようなものはあったんでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) 当該シミュレーションは、意思決定から事態対処にわたる大臣補佐の在り方について検証したものでございますが、いずれにせよ、当該のシミュレーションの結果、特段の問題点が明らかになったものではありません。

○福山哲郎君 そうなんですよね。僕も防衛省に聞いて、個別のシミュレーションはさすがに私も教えてくださいとは厚かましく言えなかったんですけど、しかし結果として防衛省は、複数回シミュレーションを行ったけれども、何らかの形で問題というものは起こっていないと言われているんですね。ところが、巷間、メディア等も含めて言われるところによると、今回の十二条の改正は、内局が制服の間に入ることによって致命的にいろんな物事が遅くなったり報告が上がらなかったりといった部隊の運用に支障を生じたケースがあるからだというふうにメディアを通しては言われているんです。
これは、石破大臣の時代にそのことが問題視されたのは私も理解をしています。しかし、我々から見れば、直近の元防衛大臣が指示を出して、シミュレーションをしろと、問題意識は一緒だと。そのときに防衛省は、今大臣がお答えになったように、何らかの問題的な事案は起こっていないと言われています。
それでは、なぜ今回の設置法の改正につながったのか、御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) 防衛大臣の補佐というのは、政策的見地からの補佐と軍事専門的見地からの補佐がいわゆる車の両輪としてバランスよく行われることが重要と考えておりまして、現在の体制の下で部隊運用に支障が生じていたとは考えておりません。
他方、これまで、例えば自衛隊の部隊運用に関する対外的な連絡調整や防衛大臣への状況報告といった業務につきましては統合幕僚監部のみならず内部部局も行っており、実際の部隊運用に関する業務については、内部部局と統合幕僚監部との間に実態としての業務の重複、これが存在をいたしておりました。
我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、自衛隊の部隊運用について的確性を確保した上で、迅速性、効率性を向上させる必要があります。このため、今般の防衛省改革においては、実際の部隊運用に関する業務を統合幕僚監部に一元化する、このことによってこのような業務の重複を改めるということにいたしたいと考えております。

○福山哲郎君 なかなかよく分からないですね。
歴史的に言うと、もうここにいらっしゃる委員の先生方は皆さん御案内だと思いますけれども、警察予備隊から保安隊、自衛隊に規模が戦後拡大するに当たり、どうしても旧軍人の皆さんを登用しなきゃいけなくなります。その中で、やっぱり自衛隊の幹部が旧軍人になるので、そこで、戦前の反省も含めて、内局の一定の、当時の言葉で言えば統制をするということで、このいわゆる保安隊、自衛隊の流れがあるわけです。
今、別に私は、昔話を持ち出して、殊更これが大事だと言っているわけではないんですが、しかし一方で、お手元に今日お配りをしている資料を見ていただければと思いますが、お配りをしている資料、ページの、議事録のところでございます。
これ、実は佐藤栄作総理は、自衛隊のシビリアンコントロールは、国会の統制、内閣の統制、防衛庁内部における文官統制、及び国防会議の統制による四つの面から構成されておると。明確にシビリアンコントロールはこの四つの要件ということを言われています。
さらには、中曽根防衛庁長官は非常にやっぱり含蓄のあることを言われていて、文民統制という言葉について、私は、部内の背広の者が制服の者に威張るということではない、それは政治理念が軍事理念に優越するということであると。具体的に言えば、国民の代表である政治家が軍事を掌握することである、そういう意味において、国権の最高機関である国会云々とあって、その下です。しかし、私は内局による統制というのは必要だと思っているんです、それは防衛省設置法を作ったときに、作った一人は私でもありますといって、中曽根総理はその当時の歴史的な経緯についてお話しになって、次です。そういう面から見て、陸海空三軍ができてきますと、またばらばらになってけんかをする、そういう意味において、それは内局において統一した方がよろしいと。その次です。三軍がばらばらにならないように、そういう意味で内局においてこれを統合するということは非常に大事な要素でもあるのですと。そういう意味におけるシビリアンコントロールというのはある程度あるでしょう、なぜならば、内局というのは長官を補佐する、いろいろ部隊、各幕に対して指示を与えるときも内局が審査して、そして報告に来るのも、また上から下へ下達するのも、内局を通してやるというシステムになっておるのです、これは非常に大事な要素であると思うのですと。これ、中曽根当時長官が明確に言われています。
これは佐藤総理の言われていることと僕は内容的には軌を一にしていると思っておりまして、さらには竹下大蔵大臣は、防衛庁そのものの中にいわゆるシビルの方、内局の方がコントロールしていかれる。これは統制という言葉をコントロールという言葉で言われておられます。さらには、総理になられてからもですが、まず内局と制服とのいろいろな話合いがあって、内局というものが制服をコントロールすると申しますか、そういう機能がまず第一義的に、つまりこの一義的にという言葉が重要なんです、一義的にあるのではないかと言われています。ところが、平成十年になって変わります。久間国務大臣、内部部局が自衛隊をコントロールするという、それがシビリアンコントロールだとは思いません。これははっきり変わります。そして、その後に御案内のように石破大臣の防衛省改革会議の報告書につながっています。
今回、中谷防衛大臣が衆議院の予算委員会の審議の後、統一見解だといって文書を作っていただきました。これは僕は今日は付けていたかな、三枚目見ていただければと思う。これを早々に出していただいたことは私は是としますけれども。
これ、シビリアンコントロールは、民主主義国家における軍事に対する政治の優先を意味する、我が国の文民統制は、国会における統制、内閣による統制とともに、防衛省における統制で、どういうわけか内局における統制という佐藤総理の四つのうちの一個がすぽんと抜け落ちています。そのうち、防衛省における統制は、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営し、統制することであるが、これも急に文民である防衛大臣がという言い方をして、これまでは文官と言っていたんですね、防衛副大臣、防衛大臣政務官等の政治任用者の補佐のほか、内部部局の文官による補佐も、ここも急に補佐になっているんです、この防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしていると。文民統制における内部部局の文官の役割は防衛大臣を補佐することであり、内部部局の文官が部隊に対し指揮命令するという関係にはない。
指揮命令するなどというのは、歴代の総理や大臣も全然言われていません。全く言われていません。このことを衆議院でも何度も中谷防衛大臣は言われていますが、我々も指揮命令するなどというのは全く考えていません。指揮命令は防衛大臣であり、内閣総理大臣の職務です。文官がそんなことをやったらそれこそ大問題になります。だから指揮命令するという関係ではないというのは我々当然のことと思っていますが、一体この佐藤総理の言われる四つの統制、それから中曽根総理の言われている文官による一つの、何というかコントロールというか一義的な統制、統合みたいなのが必要だとおっしゃっていることの考え方は一体どこに消えてしまったのかと。
これも実は先ほどの、済みません、申し訳ありませんが、我が軍と言われたり、元々の政府の見解について結論だけころっと変わっていたりするのと一緒で、中谷防衛大臣がせっかく作っていただいた統一見解もいつの間にか文官統制という言葉が消えているんです。これは一体どういう経緯で、どういう状況で、いいですか、私は先ほど申し上げたように、十二条の改正そのものについて今批判的なことを言っているわけではなくて、なぜなら北澤防衛大臣のときにその問題意識があったということも紹介しています。
検証して何か問題があったのかと言ったら、それは問題ないと言われている。問題ないと言われている状況なのに、いつの間にかこの文官統制という言葉が消えてなくなって、過去の総理や大臣の答弁がいつの間にか指揮命令をするという関係にはないという、非常に何か懸け離れた議論の中で何となく収まりを付けようとしているということなので、法案の審議がもうすぐ始まりますけれども、確認として防衛大臣にお伺いをしておきたいということですので、一体、文官統制ということについては答弁を変えたのか、それからなぜ、四つの佐藤総理の言われている統制からいつの間にか三つに変わっているのか、理由を中谷防衛大臣、お答えください。

○国務大臣(中谷元君) これは、保安庁法また防衛庁法の創設時からこれは一貫しております。
説明申し上げます。文民統制というのは、民主主義国家における軍事における政治の優先を意味するものでありまして、我が国の文民統制は、国会、内閣、防衛省における統制があります。防衛省における統制は、文民である防衛大臣が自衛隊を管理運営して統制することですけれども、防衛副大臣、防衛大臣政務官等の政治任用者の補佐のほか、内部部局の文官による補佐もこの防衛大臣による文民統制を助けるものとして重要な役割を果たしております。
お尋ねの佐藤総理、竹下総理の答弁でございますが、これにつきましては、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であると解されます。
また、創設期に戻りまして、昭和二十七年、保安庁法の創設期でございますが、参議院の内閣委員会において、当時の大橋国務大臣から、内局の局長とかも保安庁長官の補佐機関でございますが、こういうものから部隊長に対して命令が出ることはない、補佐機関といたしましては幕僚長のほかに内局というものがあるわけでございまして、内局と並立して補佐をすることに相なるのであります、内局が担当すべき部門は一般的な方針あるいは大綱についての事柄、こういうことを分担いたしますし、幕僚長は軍事的、専門的な事柄を分担するわけでございますと答弁しております。
また、防衛庁、これが発足するときに、当時の木村国務大臣から、これも昭和二十九年四月五日の衆議院の内閣委員会において、政治が全て優先的にものを支配していくべきである、シビリアンコントロールという言葉はよく使われますが、結局根本原則はそこにある、何もいわゆる普通のシビリアンを軍務に従事している者の上に置くという意味じゃありません、自衛官と内局の職員は混然一体を成していかなければならぬ、対立関係があってはならぬと答弁しております。
また、参議院の内閣委員会におきまして、昭和二十九年五月二十八日、同じく木村国務大臣から、私は文官優位という言葉を使いたくないのであります、いかにも内局に勤めておる者が実施部隊、制服の上にあるというような見方をし、また自然にそういうことが内局に勤めておる者が考えるようなことがあっては、これはいかぬと思うと答弁をいたしております。
したがいまして、文官が自衛官をコントロールするといった考え方は、保安庁新設当時や防衛庁新設当時においても取っていないと考えております。
なお、民主党政権におきましても、文官が自衛官をコントロールするといった考え方は取っていないと承知をしております。

○福山哲郎君 いや、非常に難しいんですけれども、取っていないと言われても、総理がおっしゃっているんですよ。これ、最高指揮官じゃないんですか。総理がおっしゃっていることについて、取っていないって今防衛大臣言われるんですけれども、その取っていないというのは、この総理の、じゃ、当時の答弁はどういうふうに整理されるんですか。

○国務大臣(中谷元君) もちろん、部隊と指揮関係ないわけですね、内局の人は。先ほど説明しましたように、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文官統制の趣旨であると理解されます。

○委員長(片山さつき君) 福山哲郎君。
福山先生、やられますか。(発言する者あり)
では、中谷防衛大臣、追加答弁認めます。

○国務大臣(中谷元君) 今のちょっと発言で訂正させていただきます。
内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であると理解されます。

○福山哲郎君 いや、総理の発言を真っ向から否定されるのは問題だと思いますよ。いや、前の答弁を持ち出して竹下総理や中曽根総理の発言を、真っ向から佐藤総理の発言を否定するのは、これどういう整理なのかよく分からないですね。
いや、じゃ、文官統制という言葉はどう判断すればいいんですか、大臣。

○国務大臣(中谷元君) この文官統制という定義、それは今までございません。ですから、私も、この文官が自衛官をコントロールするという考え方は、この保安庁新設時、また防衛庁新設時においても取らないと当時の大臣が言っておられまして、この文官が自衛隊をコントロールするという考え方は私もないというふうに思います。

○福山哲郎君 防衛大臣、中曽根長官は、当時、私は、防衛庁設置法を作ったときに、作った一人は私でもありますとおっしゃっているんですよ。じゃ、今の防衛大臣の御答弁は真っ向からこの中曽根総理の答弁を、立法意思を否定しているわけですよ。
いいですか、私は、今このことに対しての是非を問うているんじゃないんです。こういう答弁が積み重なってきたのに、今回の統一見解とかで議論がされていることがずれているんじゃないですかと、そのことについてはどう整理されるんですかと言ったら、今度は、その前の答弁を持ち出してきて、コントロールするという考えはないと。そうしたら、ここのこの答弁はどういうふうに整理するんですか。

○国務大臣(中谷元君) 先ほどお話ししましたが、組織を考えても、大臣から部隊に命令権があるわけです。それを補佐するのは、一つは内局の政策的な補佐と幕僚長の軍事的専門家の補佐でありまして、この構図からしましても文官がコントロールするようなことはあり得ないわけでありまして、この内部部局の補佐の中で調整、吻合という言葉を使っております。大橋さんも創設期に調整という言葉を使っておりますが、それ以上のことはあり得ないと思います、制度的にそういう文言がないわけですから。
したがいまして、この両者が車の両輪のごとく補佐をするという中で、内局の官房長や各局長は政策的なことについて制服の意見を聞いて、そこで調整、吻合をして大臣に意見具申、補佐をするという意味でございまして、一言で言いますと、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であるというふうに理解をいたしております。

○福山哲郎君 いや、今の趣旨であると、何が何の趣旨であると今お答えになられました。
今大臣が言われた政策的なものを補佐するというのは今回の改正の中身であって、これまでは運用的なものも補佐しているわけですから。それは、先の話は、これは法律が、まだこれから、審議もされていないんですけど、とにかく、だって、中曽根総理は内局において統一した方がいいと、つまり、三軍がばらばらにならないように内局において統合するということは非常に大事だと、そのことがいわゆる文民統制の基だと、本質的なものだということを言われていて、佐藤総理もそう言われているわけです。
今防衛大臣は真っ向からその歴代総理の御発言を否定されているわけですが、これはどういうふうに整理したらいいんですかね。もう一回お答えください。

○国務大臣(中谷元君) 防衛省内部における文官統制というものは、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨でございます。

○福山哲郎君 これは法律の審議ではないのであれなんですけど、これちょっと整理してもらわないと、今、中谷防衛大臣がおまとめになられたこの統一見解だけではどう考えても説明不足ですし、都合のいいところだけは抜いて、そして、いきなり指揮命令をするという関係にはないと、指揮命令をするなんて誰も言っていないですよ。これまでもどなたも言っていない。
この統一見解は少し整理して修正をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(中谷元君) もう一度申し上げます。
佐藤総理大臣の答弁における、防衛庁内部における文官統制という表現は、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣、防衛庁長官における文民統制の趣旨であると。また、竹下総理大臣の答弁によります内局によるコントロールという表現も同様の趣旨であるということでございまして、上下関係、これはないわけでございます。これは創設をした大臣が説明をいたしているように、幕僚長のほかに内局というものがあるわけでございまして、内局と並立して補佐をするのに相なると。
また、防衛庁ができたときに、いわゆる普通のシビリアンを軍務に従事しておる者の上に置くという意味じゃありません。自衛官と内局の職員は混然一体となしていかなければならぬ、対立関係があってはならぬ、これはずっと一貫したものではないかと思っております。(発言する者あり)

○委員長(片山さつき君) 福山委員、どの部分が不十分かをもう一度御指示いただけますか。
○福山哲郎君 止めてください、時間を。
○委員長(片山さつき君) じゃ、今時間止めました。
速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
中谷防衛大臣、再度御説明をお願いいたします。

○国務大臣(中谷元君) お尋ねの防衛省内部における文官統制という意味は、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文官統制の趣旨でございます。
また、中曽根答弁を言われましたが、先ほど福山委員も言われました答弁の中に、文民統制とは背広の者が制服の者に威張るということではない、国民の代表である政治家が軍事を掌握することである、陸海空自衛隊がばらばらにならないように内部部局や統合幕僚会議により施策の統一を図ることが重要である旨を答弁したものでございまして、当初の防衛大臣が言われるように、これは調整である、その補佐である。したがいまして、調整、吻合によりコントロールするという意味でございます。

○福山哲郎君 言葉尻つかまえるわけではありませんが、先ほど大臣は文官統制という定義はないとおっしゃったんですよ。今はそういう趣旨ですといって、これも実は審議の中で定義はないといったのに、今説明されているわけです。ここも整理していただかなきゃいけないし、中曽根防衛庁長官のお話を引かれましたが、佐藤総理は、四つの面から構成されているといって、自衛隊のいわゆる、これはあれですよ、文民統制の要件を四つ言われたんです。文民統制の要件を四つ言っているんです。その四つを今回の統一見解はいつの間にか一つ落ちているんです、落ちているんです。それでなおかつ、いや、最初の防衛庁長官はこうですと言って解釈を言われているということは、だからそこが問題だから、ちゃんと歴史との整合性を言ってくださいと。今僕は、設置法がいいとか、十二条が今回の改正がいいとか悪いとかは申し上げていないはずです。そのときはそれは法案の審議があるでしょう。しかし、元々の出発点が、随分出発する場所が違うんじゃないですかということを申し上げているんです。
問題意識があるのは、当初、北澤防衛大臣がやられたことも含めて私は最初申し上げたはずです。そして、検証したのかと言ったら、検証しているけど何らかの問題はないとおっしゃっているのに、こんなふうに、これまで佐藤総理が四つの要件だと言っているものを落としたり、いきなり指揮命令をするという誰も言っていないような言葉を出したりすることがあるから、それはいろんな思いの中でおかしいからちゃんと答弁をしてくださいと言ったら、ほとんど定義はないと言ったのに定義を新しく出してくるわ、解釈も新しくするわですから、これはちょっと一回、もう一度この統一見解をつくり直していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

○国務大臣(中谷元君) 定義がないと言われましたが、聞かれたから私は誠実に答えただけでございます。
この四つのシビリアンコントロールという中の国防会議の統制、これは国防会議がありません、今あるのは三つでございます。この中の防衛省内部における文官統制と申し上げますのは、先ほどから説明しておりますように、文官は補佐以上のことはできませんので、内部部局の文官の補佐を受けて行われる大臣による文民統制の趣旨であるということでございます。

○福山哲郎君 これは非常に重要な問題です。誤解をされると困るので、私は別に制服組がいいとか悪いとか申し上げているつもりはありません。制服は一生懸命やってくれています。横に大臣いらっしゃいますけど、東日本大震災のときの十万人派遣のときだって、制服と背広が本当に連携してやっていただきました。まさに大臣言われたみたいに、そごはない状況で今まで動いているということも含めて、こういう形で解釈を変えていったり、文言を変えていったりすることは非常に私は歴史に対して不誠実だと思いますので、議事録を精査をしてもう一度このことについては確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
実は、特定秘密保護法案の審査会ができることについて、情報監視審査会について私質問しようと思って副大臣をお呼びしていたんですが、もうあと七、八分ぐらいしかありません。また次回お越しいただければと思いますが、お許しをいただければと思います。
それで、あと七、八分、横畠長官、私これ事実関係知らないので、事実だけお答えください。これまで安全保障法制に対する与党協議がありました。先週の金曜日に一定の合意がなされたと聞いておりますが、この与党協議の場には横畠長官は出席をされているんでしょうか。

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 事実関係でございますが、出席しておりません。

○福山哲郎君 法制局のどなたかが陪席をしている、オブザーバーとして参加をしているという事実はあるんでしょうか。

○政府特別補佐人(横畠裕介君) あくまでも与党間での協議でございますので、法制局の職員が陪席等をしたということもございません。

○福山哲郎君 じゃ、その与党協議の場には法制局の職員は誰もいないと。そこはまあ一応与党協議という場ですが、それ以外のところでは与党の幹部と横畠長官は協議をされているという事実はもちろんあるわけですね。

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 協議という形であるかどうかは存じませんが、折に触れ、与党に限らず野党の先生もそうでございますけれども、説明を求められれば必要な説明はさせていただくことがございます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
いや、そこのちょっと事実関係を確認したかっただけで、もう時間がないので、単に事実関係を確認しています。
これ、外務大臣と防衛大臣、今、与党協議を行われてこれから法制化するわけですが、この与党協議の中身については、政府としては今どういう距離感というか、どういう形なんでしょう。
つまり、これから法案作成されるのは、多分政府の中でされます。与党協議で、いろいろあるんですけど、外務大臣、防衛大臣でも結構ですが、今、与党協議の議論の中や政府から出てくるペーパーを見ると、例えばPKO法の改正について、今までできなかった治安維持任務ができるようになっているんですが、これ、法制局長官、聞いて答えていただけるんでしょうか。例えば、今までできなかった治安維持任務がPKO法改正与党協議の中でできるとしたときには、それは根拠は何になるんでしょうか、長官。

○政府特別補佐人(横畠裕介君) PKO活動における治安維持活動における武器使用につきましては、従来から、武器使用の相手方が単なる犯罪集団など国家に準ずる組織でないことが明確であり、その武器使用が武力の行使に当たるおそれがないと言えるような枠組みを設定することができる場合には、治安維持活動における武器使用であっても憲法上許容されないわけではないということを国会でも申し上げてきているところであります。
与党協議と申しますより、昨年の閣議決定でお答えさせていただきたいと思いますが、閣議決定におきましては、いわゆるPKO五原則の枠組みの下で、領域国及び紛争当事者の受入れ同意が必要とされており、また、過去二十年以上にわたるPKO活動等の経験からも、受入れ同意をしている紛争当事者以外の国家に準ずる組織が敵対するものとして登場することは基本的にないとの認識を基礎として、特に紛争当事者の受入れ同意が安定的に維持されているという要件を満たす場合にはPKO活動における治安維持活動が可能となるというものでありまして、具体的な法整備の検討はこれからでございます。

○福山哲郎君 法制局長官、お伺いしたいんですけど、PKO五原則は維持されるんですね。維持されるという前提ですね。これは誰に聞いたらいいのかよく分からないんですけど、与党協議ですから。
防衛大臣、いかがですか。

○国務大臣(中谷元君) PKO五原則の枠組みについては、これを維持をしてまいります。
その上で、昨年の閣議決定を踏まえまして、国又は国家に準ずる組織が敵対するものとして登場しないということを確保した上で、駆け付け警護に伴う武器使用及び任務遂行のための武器使用を行うことができるように受入れ国の同意の安定的維持等について担保する枠組みを設ける必要がありまして、この趣旨をPKO五原則の第五原則に反映することを考えております。
ただ、これは、与党協議会で考え方の方向性、これを示していただいたものでありまして、今後更に与党で議論をした上で法案を検討して作成をするということでございます。

○福山哲郎君 ということは、与党はまだ決まっていないということですか。つまり、与党協議は合意したというけれども、決まっていない部分があって、これからまだ継続して協議を続けるということですね。
それで、私の質問、今、質問、私の仕方が悪かったので、もうあと一分ぐらいしかないので。
PKO五原則の枠組みは維持されるのですねと私聞いちゃったので、枠組みは維持すると大臣はおっしゃられたんですけど、PKO五原則は維持されるんですか。

○国務大臣(中谷元君) 先ほど答弁した内容でございまして、与党の協議会におきましては文書で方向性を示されましたので、それを基に我々も法案を検討いたしまして、さらにその後、与党でもう一度議論をしていただきたいということでございます。

○福山哲郎君 済みません、大臣、もう一回。先ほど答弁したとおりじゃ駄目です。先ほど答弁したとおりだったら、先ほどの答弁、もう一回読んでください。

○国務大臣(中谷元君) PKO五原則の枠組みについては、これを維持をしていくということです。

○福山哲郎君 枠組みは維持することは、私は了解しました、了解というか聞きました、聞き及びました。
私が聞いたのは枠組みじゃなくて、PKO五原則は維持されるんですかと聞いているんです。

○国務大臣(中谷元君) これを維持してまいります。その上で、昨年の閣議決定を踏まえて、国又は国に準ずる組織が敵対するものとして登場しないことを確保した上で、駆け付け警護に伴う武器使用及び任務遂行のための武器使用、これが行うことができるよう、受入れ国の安定的維持等について担保する枠組みを設ける必要がありまして、この趣旨をPKO参加五原則の第五原則に反映することを考えております。

○委員長(片山さつき君) 深山運用企画局長。

○政府参考人(深山延暁君) 大臣の御答弁を若干補足させていただきます。
先ほど、法制局長官からも御答弁がありましたとおり、現在、憲法の範囲内で行われる、国又は国に準ずる者が現れない場合におきます武器の使用ということを治安維持の任務の場合にも認めるということは議論されております。
そういたしますと、現在の第五原則は、現在の、今ある法規に基づく武器使用原則によって書かれておりますので、今大臣がお答えしましたように、その部分について、その枠組みに入れる等の修正を検討する必要があるかと思います。

○福山哲郎君 ほら、大臣、全然、今、答弁違いますよ。違いますよ、今。今のは、五原則は変えると言っているんですよ。修正するとおっしゃったんですよ、五原則はね。五原則の枠組みはとおっしゃったのは変えないと。
ところが、五原則もどうするんですかと言ったら、深山さんは修正する必要があるかもしれないとおっしゃった、大臣は変えないとおっしゃった。(発言する者あり)いやいやいやいや、さっき、だって、私が、個別に確定したときには変えないとおっしゃったんですから。

○委員長(片山さつき君) 発言中です。

○福山哲郎君 済みません、これも実は大問題で、実は私が今日、ずっと実は通底している話は、我が軍の話もそれから文官統制の話も今回の話も、五原則の枠組みは変えませんと。五原則はどうだと言ったら、大臣は変えると言ったら、深山さんはいやいやそこは修正があり得るかもしれないと。つまり、枠組みは変えないという話と五原則を変えるという話違いますからね。
こういう議論が常に今回の安全保障法制ではまかり通っているんです。このことについては、国会は言論の府です、答弁とかそのときの言葉とか、本当に私は重要だと思っています。こういったことも本当に一つ一つ詰めなければいけないということを私自身申し上げるのと、今の安倍総理、安倍内閣だからこそ、余計国民の皆さんにはこういった言葉の使い回し等について不安が広がっているということも指摘をして、私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。


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