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2015

第189国会 参議院 外交防衛委員会 2015年4月23日


○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
今日は多岐にわたる問題についてやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
バンドン会議が昨日開かれました。先生方御案内のとおり、一九五五年にインドネシアのスカルノ大統領が反植民地主義などを掲げまして、多くは第二次世界大戦後独立をした国々だったわけでございますが、六十周年を迎えたということでございます。
十年前の五十周年は、当時の小泉総理が、アジア諸国の人々に対する我が国の植民地支配と侵略の問題について、反省と心からのおわびの気持ちを述べられました。
昨日の、私、安倍総理のスピーチ、読ませていただきました。決してひどいスピーチだったと思いません。格調高いスピーチだったと思います。多様性を認め合う寛容の精神は私たちが誇るべき共有財産であります、そのとおりです。多様性を認め合うので、できれば、メディアに介入したり国会の委員会での発言に対して削除を要求したり、余りそういったことをしないでいただきたい、本当にそう思います。演説をされたことについてきちっと、国会での対応にもしっかりと同じようにやっていただきたいと。
ただ、報道されておりますが、日本は、さきの大戦の深い反省とともにと言って、バンドン会議の原則をいかなるときでも守り抜く国であろうと誓いましたと言って、さきの大戦の深い反省のみで終わりました。私は、総理の判断でございますから、余り、何というか、明示的に批判をするつもりはありません。それは総理の高い御判断の下だと思いますが、ただ、やっぱり、おわびについて村山総理、小泉総理が言及されたのに、今回言及されなかったということは国際社会においても注目される点だと思いますので、外務大臣、このおわびについて言及をしなかった理由は何であったのか、これは政府のメッセージと受け取っていいと思いますので、外交を担当されている外務大臣にお答えをいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のバンドン会議六十周年記念首脳会議ですが、御指摘のように、一九五五年に開催されましたバンドン会議から六十周年に当たる今年、世界の成長センターとして発展を続けるアジアと、そして躍動する大陸でありますアフリカの首脳が一堂に十年ぶりに会し、そしてアジア、アフリカ地域の首脳とともに世界の平和と繁栄の推進のための協力の在り方について議論をする、こういった会議だと承知をしています。
そして、御指摘の安倍総理の演説ですが、こうしたバンドン会議の趣旨、アジア、アフリカ諸国との協力という趣旨に沿った演説であったと考えています。アジア、アフリカ諸国との協力に関する演説を行い、その中で実績や今後の取組を訴え、そして六十年前のバンドン精神を想起しつつ、アジア、アフリカの国々が共に生き、共に立ち向かい、共に豊かになる、そのためにアジア、アフリカが結束すること、さらには、日本は、六十年前にバンドンで確認された原則をさきの大戦の深い反省の下にいかなるときでも守り抜く国であろうということを誓ったこと、さらには、共に豊かになるため、アジア、アフリカの成長を牽引する人材を育てるため、今後五年で三十五万人の人材育成支援を行うこと、こういった演説を総理は行った次第です。
この会議の趣旨、アジア、アフリカ地域と世界の平和と繁栄のために協力する、こうした会議の趣旨に沿った演説を行ったわけです。その中で使われた言葉につきましては、今申し上げました会議の趣旨にのっとった演説を行った結果であると認識をしております。

○福山哲郎君 協力をすることは、もう外交ですから、一定所与のものでございます。十年に一回、首脳が一堂に会するということは、こういった植民地支配だとか力による支配等々についてはお互いやめましょうという六十年前の共有した原則を確認をし合う会なんだろうと思います。その上にお互いの発展と協力があるんだというふうに思います。
外務大臣の御指摘も別に否定はしません。そのとおりだと思います。しかし、十年前と二十年前に反省とおわびを言われた総理が、今回の日本の総理はそのことについてバンドン会議でやられなかったということは国際社会に一定のメッセージが与えられると思っておりますので、理由をお答えいただきたいと申し上げました。
今の外務大臣のお答えでは私は余り理由としては明示をされたとは思わないんですが、もう一度大臣のお言葉でお答えをいただければ有り難いなというふうに思います。もうしつこく聞きません。これ以上は聞きませんが、今のお答えだと余りにも若干、無味乾燥なので、お答えいただければと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) 今申し上げましたように、安倍総理は、このバンドン会議六十周年に当たりまして、改めてアジア、アフリカ諸国とともに国際社会の平和、安定、さらには繁栄に協力していく、こういった思いを述べたと承知をしております。その中にあって、六十年前のバンドン会議で確認された原則をさきの大戦の深い反省の下にいかなるときでも守り抜く、こうしたことにも触れた次第です。
いずれにせよ、この演説の最大の目的、趣旨は、アジア、アフリカ諸国との協力という点だと認識をしています。歴史認識に焦点を当てたものではないと考えます。よって、この演説をもって我が国の歴史認識、我が国政府、安倍総理の歴史認識が何ら変わったものではないと考えます。こうしたアジア、アフリカ諸国との協力について前向きに取り組んだこの演説について、是非しっかりと評価をしていただきたいと考えております。

○福山哲郎君 私は未来志向であることも大切だと思います。ただ、大臣が歴史認識は変わらないとおっしゃるなら、なぜ過去の総理とは演説が違ったのかということについて理由を明確にいただかなければいけないと思いますし、私も、いろんな悩ましい状況の中で、二〇一〇年、日韓併合の談話を作りました。手伝わさせていただきました。だからこそ、アジアの諸国に対するいろんな受け止め方があるので、理由を述べていただきたいと思ったんですが、今の理由なら、おわびを言ってもその理由になりますし、おわびを言わなくても同じ理由になりますので、余り明確なお答えがいただけなかったと思いますが、今回のスピーチに関しては、防衛大臣はどういう見解をお持ちでしょうか。

○国務大臣(中谷元君) 今回の安倍総理の演説は、アジア、アフリカ諸国との協力に関するものであったと承知をいたしております。その中で、安倍総理は、一九五五年のバンドン会議で平和十原則、この中で侵略という言葉を引用して、バンドンで確認された原則を日本はさきの大戦への深い反省とともにいかなるときでも守り抜く国であろうと誓ったわけでございまして、この点につきましては、これまでの内閣の立場を引き継いで今後臨んでいくということを言われたと思っておりまして、私としては、この会にふさわしい、また日本の決意が表れる内容であったと聞いております。

○福山哲郎君 今、外務大臣も防衛大臣も、これまでの内閣の考え方を踏襲したということをお二方ともはっきりと言われたので、そこは多としたいと思います。
ただし、今までは反省とともにおわびを言って、その上で未来志向だという話をずっと踏襲してきたわけですけど、これ事前通告しておりませんで、所管ではありませんが、高木副大臣、どのようにお考えですか。これから七十年談話の議論も始まるわけですから、御意見をいただければ。

○副大臣(高木陽介君) 経済産業省としてよりも、一政治家としてお答えをさせていただきたいと思います。
今までのこの歴史認識を含めまして、物の考え方というのは様々あると思います。ただし、今まで村山談話、そして小泉談話というのが出てきた、こういう流れがあるということを、今、現総理もしっかりと踏まえていくというこの認識は表明されておりますので、そこはしっかりと捉えていくんであろうなと。
そういった中で大切なことは、先ほど福山委員もお話しになられました未来志向の部分で、私個人が考えるには、未来志向だけではなくて、やはり相手のあることですから、相手がどう捉えているのかということ。よく私が申し上げているのは、いじめの話ということをよく取り上げるんですけれども、いじめた側は忘れているけれども、いじめられた側というのはそれはずっと覚えているということ。
ただ、第二次世界大戦又は日中戦争を含めて、又はアジアにおける今までの、二十世紀における歴史というものに関して相手の側がどういうふうに捉えているかということをしっかりと認識した上で、その中で付き合っていくということが最も肝要であるなと、そのように私は捉えております。

○福山哲郎君 私は、今の副大臣の御指摘というか御答弁は全く共有をいたします。
至りませんでしたけれども、二〇一〇年の日韓併合百年のときの菅総理の談話を私、汗をかかせていただいたときに、まさに小泉総理の談話も村山総理の談話も河野議長の談話も、党派、それぞれの所属の政党関係なく、我が国の総理として出された談話ですから、そこは歴史を踏まえた上で、我々自身もそこは、自民党とか違う政権でありましたし、社民党の村山総理でもない我々の政権でしたけれども、そこは大切にさせていただいた。それはまさに高木副大臣が言われた、相手側がどう捉えるかというのが重要だと思ったからです。
これから七十年談話に対して、いって、逆に言うと安倍総理は一つの予行演習をして、これで国民の皆さん、この雰囲気ですよということをお示しをいただいたのかなというふうにも思いますが、改めて戦後七十年の談話というのは非常に重いということも指摘をさせていただき、次へ行きたいと思います。
日中の首脳会談が行われました。五か月ぶりの会談だったのでそれぞれの評価があると思いますが、外務大臣に評価を聞くと良かったとしか多分また言われないと思いますので、もうここは省きます。(発言する者あり)いやいや、事前通告していたので、しないと申し訳ないかなと思いまして。省きます。申し訳ありません。
こんなので長くなっていると、また葉梨副大臣に何回もお越しをいただかなければいけないので、副大臣、申し訳ありません、今日は、副大臣をお呼びするのもこれで一旦は終わりにしたいと思いますので、何回もお出ましいただいたことをお許しをいただきたいと思います。他意はございません。
特定秘密保護法案の運用についてでございます。
前回の委員会で、副大臣は非常に重要な御答弁をいただきました。基本的には、国会において特定秘密の保護をするために必要な措置が講じられた場合、基本的に行政機関の長は情報監視委員会の求めに応じて特定秘密を提出するということになる、その基本はあるわけですと明言をいただきました。ここまではっきり言っていただいたのは、実はこの間も申し上げたように、初めてのことです。もちろん、先日も申し上げたように、サードパーティールールの問題、我が国の国益にかなわないものは出せないということも私は理解をしていますが、何度も申し上げますけれども、国会において保護措置が講じられれば原則として出すと。
今日は、実は、大野委員、荒木委員、末松委員、皆さん情報監視審査会の委員でいらっしゃいますので、委員の先生方がまさにどういう審査会にしていただけるかについてお伺いをしたいと思います。
何回も先生方のお手元お配りしておりますが、お手元の資料の一枚目が指定書、各役所が特定秘密を指定する指定書、その下が実は管理簿です。管理簿というのは、二枚目を見ていただきますと、項目だけが書いてあって、この項目は指定書における対象情報とほとんど重なります。
この指定管理簿、二枚目のところですが、一体何が対象として特定秘密に指定されたのかがだあっと書いてあるだけで、実は中身何にも分かりません。ただ、ああ、こんなことが指定されるんだなということが理解できる。これは、はっきり言ってインデックスみたいなものです。
これは、審査会の委員の先生方は常に見れると思っていいわけでしょうか。つまり、これ要求しろといっても、これ、だあっと延々とあるわけです、何万件も。要求しろといっても特定できないわけですから、このインデックスに当たるような指定管理簿ぐらいは、常時監視ですから、法律は、常時監視の観点からいうと、定期的にか常にかは別にして、この指定管理簿は審査会に提供されるという位置付けでよろしいでしょうか。

○副大臣(葉梨康弘君) お答えいたします。
閣議決定されました運用基準におきまして、一年に一回、この指定管理簿を添えて情報監視審査会に提出されるわけでございます。そこの情報監視審査会でその提出されたものを常時見れるかどうかというのは、具体的には今後の情報監視審査会の中で決めていただくことになるんじゃないかなというふうに思います。

○福山哲郎君 運用の状況では、一年に一回提出されるというのは、審査会で審議に供するために提出をされるわけですが、その手前で、審査会の委員、今日何人かいらっしゃるわけですけれども、この項目の指定簿は常に更新され、増えているわけです。常時監視なんです。一年に一遍、こんな例えば指定管理簿の束をぼんと出されて、今日から委員会始まります、何時間でこれを見て、どれが適当かどうか考えてくださいといっても、この程度のものです。
常時監視をするということは、常に、例えばこんなものが今指定されているんだなと、でも、これは、状況によっては国際状況の変化も含めてこんな事態は今想起されないなと、一体これは何のために今やったんだみたいなことが言えないと、常時監視の意味がないわけです。
先ほど、審査会が判断するということは、審査会の中で、じゃ、一々要求しなくても、定期的にこの指定管理簿は更新され閲覧できるというふうに決めれば、政府としてはそれは仕方がないので出しますということでよろしいんでしょうか。

○副大臣(葉梨康弘君) 今後審査会が立ち上がりまして、政府に対して、例えば定期的にこういう形で報告をしていただきたいみたいな形が審査会で決定されますれば、それについては我々としてもそれを尊重して対応するということになろうかと思います。

○福山哲郎君 これも実は審査会でどういう意思決定をするのかというのはまだ分からないんですね。もう今も、審査会はまだ実際動いていないわけですけれども、現実には特定秘密はどんどんどんどん指定されているわけです。
我が党がこの指定管理簿を防衛省を除く各府省から入手をして、今ホームページ上で公開をしています。それは公開情報だからです。皆さんに、先生方にお渡ししているこの指定書というのは、指定管理簿の前の、指定をするより詳しいものなんですけれども、防衛省だけは実は指定管理簿をまだ出していただいていません。指定管理簿というのはこれ二枚目にあるこういうただの項目ですが、これを防衛省が出していただいていない理由は何なのか。防衛大臣、お答えいただけますか。

○国務大臣(中谷元君) 防衛省としては、特定秘密指定管理簿の記載内容に情報公開法の第五条各号の不開示情報に該当するものがあるかどうかの精査を行っているところであります。
防衛省は、他省庁と比較して指定件数が多いために精査に時間が掛かっておりますが、現在最終的な確認を行っている段階でありますので、速やかに提出をいたしたいと考えております。

○福山哲郎君 防衛省が特定秘密の数が他省庁に比べて膨大に多いというのは私も理解をしますので、その精査に時間が掛かっているということも理解しますが、今速やかに出していただけると言われたので、なるべく速やかに提出をいただければと思います。
それで、これ実は情報公開請求だと、今の段階のこの指定管理簿が出るんですね。そうしたら、この指定管理簿レベルは、逆に言うと、先ほど葉梨副大臣は審査会の要求に応じてとか定期的にかどうかというふうな話はされているんですけど、これ情報公開請求で出てくるようなものですから、逆に、指定管理簿のレベルでいえば各省がホームページに特定秘密指定管理簿はこうですといって開示しても同じことではないかと思うわけです。なぜなら、我々がお願いをして出してもらったものは、これ公開のものなので、我々のホームページではこういうものが今指定されていますと管理簿のレベルは出しているわけです。これは当然、全く違法のものでもないし、特定秘密を漏えいしている話でもありません。だから、逆に、各省のホームページで指定管理簿を公開する、一定の期間ごとに上積みされたものを順次開示していくということの方が合理的だと思うんですが、副大臣、どう思われます。

○副大臣(葉梨康弘君) この指定管理簿自体は、もう委員御案内のとおり、特定秘密ではないわけですが、今防衛大臣の方からも御答弁がありましたとおり、その中にはいわゆる情報公開請求を受けたときの不開示事由に該当するものもある、つまり特定秘密以外の秘密も含まれ得るわけでございます。ですから、そういう意味におきましては、これを取りまとめて公表するというようなことは現在考えておりません。

○福山哲郎君 でも、情報公開請求では精査をして出てくるわけでしょう。精査をしたものを出せばいいんじゃないんですか。だって、それは状況によっては黒塗りで出てくるわけでしょう。そうしたら同じじゃないですか。今だって我々、各省庁全部から指定管理簿は出してもらったんです。防衛省は時間が掛かっているという話、それは僕がさっき申し上げたように理解をしています。そうしたら、同じですから、逆に言ったら。
じゃ、もし本当に情報公開で、この指定管理簿ってただの項目ですよ、中身は一切書かれていないんですよ。ただの項目でも情報公開の問題で駄目なものがあるんだったらそこだけ黒塗りして、これで指定管理簿ですといって出すのは別に何ら合理的に問題ないと思うんですけど、副大臣、もう一度お答えいただけますか。

○副大臣(葉梨康弘君) 今の御議論は、いわゆる情報公開というときに不開示事由があるかないかをそれぞれ判断して請求に基づいて開示をするというわけですが、それであれば、情報公開請求が来るであろうものをあらかじめ全て公開すべきかどうかという議論にも通ずる部分もあろうかなというふうに思います。
具体的にその観点から考えますと、この特定秘密指定管理簿や指定書、これにつきましては、各行政機関内部の業務管理用書類、あるいは決裁用の書類、いわゆる内部用の書類という色彩が非常に強いものでございます。情報公開に定める不開示事由、先ほど申し上げましたとおり、これを含むものでもございます。そういうことで、一般的にこれを定型的に公表資料とするというのはちょっと適切ではないんではないかなというふうに考えております。

○福山哲郎君 僕も大抵のことは理解しようと思って努力はしているんですが。
じゃ、我が党が、他の党でも結構です、毎月情報公開請求して、我が党が毎月、我々の議員として、指定管理簿、各省庁出してくださいといって出せるものを出してもらって、それをホームページで公開したら同じ効果ですよね。今現実にそうしているわけですから。今現実そうなっているわけです。それなら逆に出していただいてもいいんじゃないかと申し上げるんですが、なかなか踏み込んでいただけないと思いますが、外務省、防衛省としてはどう考えられますか、外務大臣、防衛大臣。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、この特定秘密指定管理簿ですが、文書の性格としまして、関連する情報を取り扱う業務に携わる職員が省内における特定秘密の管理を適切に行えるよう作成、保管する文書であると認識をしております。ですから、この文書自体、そもそも国民に広報する目的で作成された文書ではありませんので、積極的に公表する必要があるとは考えておりません。ただ、取扱いにつきましては、先ほど来質疑の中でありましたように、法律なり国会における議論に従うものであると認識をいたします。

○国務大臣(中谷元君) 防衛省といたしましても、この特定秘密指定管理簿、これ特定秘密を取り扱う者がその管理を適切に行うために作成するものであり、情報公開法の第五条各号の不開示情報、これを含むこともあることから、これをホームページ等に掲載をするということは考えていないということでございます。

○福山哲郎君 現状、それでもう仕方ない答弁だと思いますが、外務大臣言われましたように、今後の審査会の対応でまた、私よりお詳しい大野先生がここにいらっしゃいますので、議論に供していただければと思いますが。
少し私懸念しているのは、指定管理簿をこうやって拝見していただくと、重要な文書というか項目が書いてあります。ただ、この項目に沿って情報がちゃんと入っていればいいんですけれども、これ数が多くなれば、役所の仕事として、僕は官僚の皆さんを信頼している方だと思いますが、だんだん惰性になってくる可能性もあります、これだけ数が多いと。そうすると、今はこの指定書の指定内容はある程度一個一個チェックしているけど、これここに入れておけみたいな話が出てくるかどうかについても実はちょっと僕は懸念しています。
そうすると、この特定秘密の議論があったときの、都合の悪いものも含めて、我々はどこで何が特定秘密に指定されているのか全く分からないので、そのことについて、やはり官僚の皆さんにも各役所にも少し緊張感を持ってこの指定管理簿を作るところから始めてもらった方がより管理ができるのではないかなという視点も含めて御指摘を申し上げました。これは決して各省庁とかそれぞれの官僚の皆さんを信頼していないわけではないわけですけれども、そこは是非御留意をいただいて、あとは審査会の議論で積み上げていただければと思います。
もう一点です。今と同様なんですけれども、今の管理簿ってただの項目です。私、重要だと思っているのは、やっぱり指定書なんですね。この指定書、これは一応、ちゃんと何が指定されたかについては分かります。この指定書について、情報審査会委員に対して、つまり審査会に対して指定書をやっぱり提出するべきだと思うんです。指定管理簿と同様に、指定書を見ないと、これが本当に適切かどうかの判断が委員ができないので、この指定書も、申し訳ありませんが、特定秘密ではありません。ですから、特定秘密ではないので、この指定書ぐらいは情報監視審査会委員に対しては開示をいただきたいと思っておりますが、副大臣、いかがでしょうか。

○副大臣(葉梨康弘君) 情報監視審査会で決めていただきましたら、私もそれを尊重して適切に対応したいと思います。

○福山哲郎君 これも、だから審査会の議論になるんですけど、これ審査会、多数決かどうかも含めて、こういう環境整備の話を一々一々多数決でやるかどうかという議論もあって、そこも含めて、今日自民党の先生方もいらっしゃるのであえてこういうお話をしているんですが、自民党の皆さんも、いつかどうかは分かりませんが、いつの時点で、やっぱり攻守所変わるかもしれません。そのときには、逆に情報をチェックをしていただく側になります。もっと言えば、政府と国会という立場でいえば、実は与党の先生方も野党の我々も同じ立場です。行政府と立法府という立場でいえば同じ立場になります。その同じ立場として、この指定書ぐらいは国会議員として、もっと言えば、シールドルームまで造られて、携帯電話が取り上げられてまで秘密を漏らすなと立法府の人間が言われているわけです、行政側から。
私は、ある意味でいうと、この特定秘密保護法案という法律の立て付けがいまだに納得できないんですけど、なぜ最高の国権機関である国会がこんなふうに政府側から制約を受けるのか、非常に僕は疑問に思っているんですけど、その状況でこの指定書、これ特定秘密じゃありませんから、この程度の問題は与野党を超えて、立法府の責任として見れるような状況で審査会で御議論いただきたいと。今日、おかげで、委員の先生方が三人いらっしゃいますので、お願いをしたいと思います。今、はっきりと副大臣が審査会でお決めいただければ出すとおっしゃったので、是非審査会の責任として、これは与野党を超えて、責任としてお願いしたいと思います。
先ほどの話なんですけど、そもそも文書件数とか、一体どの程度特定秘密が指定をされているのかというのが公表義務がありません。先ほど副大臣言われた、年に一回審査会に出しますという話です。だから、何件かとか、どのペースかぐらいは定期的に発表いただくような仕組みをつくらないと、一々誰かが国会で聞いたら慌てて数把握しますみたいなのは非常に良くないと思っておりまして、どのようなペースで文書ベースでの件数が継続的に公表されるのか、それがどのように担保されるのか。そこは副大臣、いかがでしょうか。

○副大臣(葉梨康弘君) まず、件数についてですが、一つは特定秘密の指定件数というのがございます。それともう一つは、その記録された文書の件数というのがございまして、前者については先般、十二月末にも取りまとめて、また福山先生の御指摘に、求めに応じて三月末の数字もここでお答えをさせていただいたんですが、以前の特別管理秘密制度の下では指定件数は年二回集計して公表をしておりました。こういったものを踏まえて、今後各省庁とも、行政機関と調整していきたいと考えておるんですけれども、先生の御指摘も行政機関に伝えまして、また今後更に検討していきたいと思います。
ただ、文書の件数は、これ物すごく膨大な数に上りまして、取りまとめに相当な時間が掛かるということもございます。ですから、そういう意味で、件数の公表ということについてはちょっと、文書の件数と指定件数、特定秘密の件数の公表とは大分ちょっとレベルが違うということも御認識いただければなというふうに思います。

○福山哲郎君 ありがとうございます。一応前向きにお答えいただいたと判断をします。
さらに、実はここに指定書と管理簿を先生方にお示ししたんですけど、我々が分からないレベルでいうと、まさに特定秘密の肝である特定秘密文書等管理簿、これ同じ管理簿と付いているのでややこしいんですけど、特定秘密文書等管理簿、これはまさに特定秘密を管理している管理簿です。それから、特定行政文書ファイル、これはまさに特定秘密を文書としてファイルしているものです。これは多分特定秘密です。だから、これを出すのは相当慎重にならなきゃいけないんだと思いますが、これも国会の情報監視審査会からの要求があった場合には提出されると考えていいんですよね。もう一度確認なんです、これは。副大臣、どうぞ。

○副大臣(葉梨康弘君) これもそれぞれこの審査会でお決めいただいて、基本的には各行政機関にこれを出してくれみたいな形が来るわけだろうと思いますけれども、やはりそこも、先ほど申し上げましたとおり、それぞれ行政機関において国会の求めに応じて適切に対応していくということになろうかと思います。

○福山哲郎君 これ、実は、冒頭申し上げたように、葉梨副大臣が前回の質疑で、特定秘密は基本的には提出することになると、基本はあるわけですと言われた話と同様なんです。
この特定秘密文書等管理簿と特定行政文書ファイル、これはまさにそのものに近いんですけど、ここは原則として出していただくということじゃないと、結果として見ると、管理簿と文書が出てきても、この今私が申し上げた二つのものを見ないことにはそれぞれの委員はそれが適切かどうかの判断ができません。
ここはやっぱり原則としては、先ほど冒頭言われたように、出すと、しかし、サードパーティールールも含めて例外があるということを是非お認めいただきたいと思うんですけど、副大臣、いかがでしょうか。

○副大臣(葉梨康弘君) 全く答弁の繰り返しになりますけれども、当然、まず特定秘密についても出せない場合があるというのはもう福山委員御案内のとおりで、それぞれ、サードパーティールールの場合ですとか、あるいはその秘密との関係で防護措置が十分でないというように各行政機関の長が判断するという場合。ただ、そうではなくて、十分だと判断して、特定秘密の場合は、それはもう基本的に、情報審査会には基本は出すんでしょうということを前回御答弁したとおりでございます。
それ以外の特定秘密に当たらないものにつきましても、先ほど防衛大臣からも御答弁がありましたけれども、一般の秘密に当たるもの等もございまして、それについてどのような防護措置があるかないか、そういったことも個別に判断していくことになるかと思いますけれども、特定秘密以外のものについても、国会の求めを尊重してしっかり適切に対応するということになろうかと思います。

○福山哲郎君 ありがとうございます。副大臣、前向きに御答弁いただいてありがとうございます。
次に、役所側の、例の独立公文書管理監です。
実は、国会の方の情報監視審査会に非常に私は不満なのは、内部告発を受け付ける場所がないということです。つまり、役所が特定秘密を指定するのに、役所が管理をしている独立公文書管理監には内部告発に対しての対応がありますが、それは逆に言うと、自分らの役所が特定秘密を指定したものに対して内部告発が来ても、本当に受け取って対応していただけるのかどうかという非常に疑義が生じます。だからこそ、我々は、国会の情報監視審査会に内部告発の窓口を持つのが一番、政府を監視する立法府の役割として適切ではないかということをずっと主張してきました。残念ながら、今の情報監視審査会には内部告発の仕組みがありません、窓口がありません。
独立公文書管理監は内部告発の窓口になっているということも含めて重要なんですけど、この独立公文書管理監は、指定管理簿、指定書、文書等管理簿、行政文書ファイル、どこまで見ることができるのか、彼らはどういった状況に応じて、どういう条件が整えば見ることができるのか、それとも、彼らは公文書管理監ですから、いつでもどこでも見れることになるのか、そこについてお答えいただけますか。これは政府側かな。

○政府参考人(佐藤隆文君) お答えいたします。
我々、運用基準に基づきまして、独立公文書監あるいは情報保全監察室におきましては、様々な資料を提出を求めたり、あるいは行政機関の長に対して説明を求めたりといった権限を持っておりまして、それは我々としては任務として自覚して適正に果たしていきたいと思っておりますけれども、今お話がありましたような、例えば指定管理簿の写しとかあるいは指定書といったようなものは、その任務に基づいて提出を受け、これを端緒として更に様々な資料を求めたりして、適正に監察を進めていきたいと考えております。

○福山哲郎君 適切に処理をしていくので、指定管理簿、指定書については求めていくという今の管理監のお話はそのとおりなんです。
問題は、まさに今管理監がいらっしゃるのでお伺いしますが、管理監自身がそれが適切だったかどうかを膨大な量をどうやってチェックをするおつもりなのかということと、どこまで見ることが、今、指定管理簿と指定書までは管理監言われました、文書等管理簿と行政文書ファイルはどういう扱いなのかについてお答えください。

○政府参考人(佐藤隆文君) 今お尋ねの件でございますけれども、まず御理解をお願いしたいのは、検証、監察の業務の性質ということでございますけれども、その性質上、今先生からもお話がありましたように、最終的には様々なことを検討して、材料に基づいて判断してということになるわけでございますが、その前提として、事実関係を十分に調査して把握する必要があるということでございます。
そのようなことでございますので、どのような資料を逐次的に入手したということを明らかにするかどうかということは、検証、監察に及ぼす影響をちょっと十分に検討した上で判断すべきものではないかなと考えておりまして、現時点で詳細についてお答えするのは差し控えさせていただければと考えております。

○福山哲郎君 ごめんなさい、様々な検討をして事実関係を把握するのはどうやってやるのかと聞いているんです。
今まさに管理監がおっしゃられたことを、どうやって様々な検討と事実関係を把握したのかということと、私が先ほど聞いた、指定管理簿と指定書と文書等管理簿と行政文書ファイルのどこまでを管理監は御覧になられるのかということについて御答弁ください。

○委員長(片山さつき君) 佐藤管理監、質問に適切にお答えください。

○政府参考人(佐藤隆文君) 先ほども申し上げましたけれども、指定管理簿の写しは提供をいただいております。さらに、それぞれの行政機関の長が指定するに当たって作成された特定秘密の指定書、必ずしも名称が指定書とは限りませんけれども、そういった性質のものも既に提供を受けておりまして、そういったものを基に検証、監察を進めているところでございます。
それ以上の、さらにどういった具体的な文書というのを現時点で入手しているかどうかということについては、検証、監察に及ぼす影響も考えなければいけませんので、現時点でお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。(発言する者あり)

○委員長(片山さつき君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
佐藤独立公文書管理監、再答弁を求めます。

○政府参考人(佐藤隆文君) 現状ということではなくて、我々の任務として可能かということでございましたら、先生が例に挙げられたような資料を我々が必要と判断した場合については求めることは可能でございます。

○福山哲郎君 管理監が求めたものは、副大臣、必ず出すんですか。

○副大臣(葉梨康弘君) 基本的に、この運用基準というのは閣議決定ですから、その閣議決定にそれぞれの省庁は従うということが当然のことであろうというふうに思っています。(発言する者あり)

○委員長(片山さつき君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
葉梨副大臣、再度、もう一度、明確にお願いいたします。

○副大臣(葉梨康弘君) 今、独立公文書管理監がそれぞれの行政機関の長にこれを求めると、それについては、これ閣議の決定で決まっている話ですから、それぞれの行政機関の長はその求めに応じて出すというのは、これは閣議決定で決まったことに従うということになるわけです。

○福山哲郎君 そうすると、管理監がはっきりおっしゃられなかったんですけど、文書等管理簿も行政文書ファイルも見ることができるということでいいんですね。もう一回確認させてください。

○政府参考人(北村博文君) お答えいたします。
まず、特定行政文書ファイル等の名称などにつきましては、運用基準におきまして行政機関の長が独立公文書管理監に写しを提出するというふうに既に定められております。その他の例えば特定文書の管理簿につきましては、こちらにつきましては秘密にわたる事項というものもあり得ますけれども、原則として、基本的には独立公文書管理監から求めがあれば提出するということになってまいります。

○福山哲郎君 それなら、そう管理監はお答えいただければよかったんです。
ということは、別に今日、引っかけたいとかなんとかじゃないんです。独立公文書管理監は、求めに応じて出てくるわけです。だから、審査会へは当然出していただけますよねということを言いたかったわけです。
だから、公文書監ももちろんちゃんと指定しているかどうかの監督をしなければいけないわけですが、立法府としての審査会もその役割があるので、文書等管理簿と行政文書ファイルまでも含めて審査会の求めに応じて出せるんですねということを確認したかったので、今御質問をさせていただきました。そこは答えていただいたので、それで結構でございます。
副大臣におかれましては、本当に何回も申し訳ありませんでした。これからもまだお呼びすることはあると思いますが、今回のことについてはもうこれで一旦は、ありがとうございました。
高木副大臣、来ていただいたのに時間がなくて御質問できなかったので、お許しをいただければと思います。
私の質問を終わります。


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