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2015

第189国会 参議院 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 2015年7月28日


総括質疑 ( 150728使用パネル

○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。総理、大臣、どうぞよろしくお願いします。
昨日から、参議院の本会議、そして今日の委員会と、参議院で安全保障法案の審議が始まりました。衆議院での強行採決は甚だ遺憾でございます。この本質は、国民の反対という大きな声を無視して違憲法案を数の力で無理やり採決をしたということです。若者や全世代の女性を始め、全国で廃案という声と行動が文字どおり燎原の火のごとく広がっています。
一昨年の特定秘密保護法案は、総理は、国民の理解を得るために分かりやすく説明し丁寧な審議に努めると言いながら、参議院の審議は衆議院の半分で、全ての委員会の開催を強行でやるという暴挙に出て、結果として強行採決をしました。まさに言っていることとやっていることと違うと。
今回も、丁寧に国民の理解を求めたいと何度も本会議も含めテレビでも言われていますが、この参議院ではその言葉にたがうことなく、しっかりと総理自身がこの参議院の委員会にどんどん出てきていただいて質疑をしたいと思っておりますが、総理のまずそのことに対する国民に向かってのお約束をお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この平和安全法制が、この良識の府である参議院において、しっかりとした、また建設的な議論を行うことによって国民の理解が進んでいくことを期待したいと思いますし、私も、院から求められればもちろん出て説明をするという責任を負っていると、このように思っております。
○福山哲郎君 今、院から求められれば責任を持って出てくるというお言葉をいただきました。そのことを本当によろしくお願いしたいと思います。
実は、昨年、閣議決定の直後に私は総理と審議をしまして、残念ながら全く総理にお答えをいただけなかったことをもう一度伺います。(資料提示)
日本は、これまで集団的自衛権の行使はできませんと、日本に攻撃がある場合のみ個別的自衛権で最小限の範囲で武力行使ができるということを四十年以上、圧倒的な部分を自民党政権の中で維持してきました。これが法規範性、法的安定性を維持してきた解釈でございます。一方で、今回、閣議決定で解釈を変更するという暴挙に出られまして、こういったことがこの法案が通ると可能になります。私どもは廃案を目指しておりますが、御覧をいただきたいと思います。私は、基本的には政府の言っていることをたがわずに図表にしました。
A国からB国に攻撃があります。我が国と密接な関係にあるB国から要請を受けて、日本は存立危機事態の場合に武力行使ができる。しかしながら、我が国には攻撃はありません。A国とB国は紛争ないし戦争状態です。要請を受けて日本が武力行使をしに行くということは、これは総理、戦争に参加をすることですよね。
私は、実は、自分のホームページその他も含めて、戦争法案とか戦争国家とかいうことは、表現は使ったことはありません。冷静に議論をしたいと思っているからです。しかし、集団的自衛権の行使をするということは、自衛のためであれ他衛のためであれ戦争に参加をすることだと、このことは、総理、お認めいただけますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回我々が容認をした集団的自衛権、これは言わば一般に言われる集団的自衛権の全てではなくて、まさに三要件に当てはまるものに限るわけでございます。
それはすなわち、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること、これを排除し、我が国の存立、これは他の国ではありません、我が国の存立を全うし、国民を守る、まさに日本の国民を守るために他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、この三要件に当てはまる場合、言わば集団的自衛権の中におきましてもこの三要件に当てはまる場合があるとの考え方の下に、四十七年の見解、必要な自衛の措置の中にこの当てはめを行ったところでございます。
○福山哲郎君 私の質問には全く答えていただけません。私は、総理が今言われたことはこれで十分説明をしました。だから答えてくださいと申し上げた。
A国とB国は紛争しているんです、戦争中なんです。B国から要請を受けて、同意ということも政府は言っていますが、武力行使をするということは、このA国とB国の紛争ないし戦争に参加をすることですねと聞いています。説明をしてくださいと申し上げているわけではありません。それが、戦争に参加するかどうか答えられないんだったら、答えられない理由をお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、福山委員がおっしゃっているのは、いわゆる集団的自衛権をフルに認めているときの例として私に質問をしているわけでございまして、まさに密接な関係にある他国に対する攻撃に対してこちらが言わば攻撃をするということでございますが、まさにそれに対しては我々は三要件が当てはまっているということを従来から申し上げているわけでございまして、その三要件が当てはまっている中において、言わば武力攻撃、この存立事態における武力攻撃に対して我々はそれを排除する行動を行うわけでございます。
ですから、例えばA国とB国がこれ紛争状態になっている中において我が国の存立に関わりがない場合は、例えばB国から要請があったとしても、それは我々はこの戦いに参加することはないわけでございます。ここを明確に言わなければいけないわけでありまして、まさに我が国の存立に関わり、国民の生命、自由、そして幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるという認識を取ったときにまさに我々は武力行使を行う、ここのところが一番肝腎なところではないかと、このように思っているところでございます。
○福山哲郎君 私はここで最初に存立危機事態のことを、総理の言った、今三回答弁されましたけど、言ったことをちゃんと説明しました。そのことを説明してくれなどと言っていません。そして、日本の存立に関係ないときに戦争に行くのかなんて一言も聞いていません。集団的自衛権を、限定であれ何であれ、ここにちゃんと限定的な集団的自衛権と書いてあります。A国とB国が紛争中で、武力行使をしに行くというのは、戦争に参加をすることですねと、A国とB国の紛争に参加をすることですねと聞いています。なぜ答えられないのかという理由も答えていただいていません。時間がもったいないです。
委員長、この答弁の姿勢は私は非常に不誠実だと考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに今ポイントについて説明をさせていただいているわけでありまして、ここが、ここが大切なところでありますが、A国とB国がこれ紛争状態にあって、このB国がA国から攻撃を受けたときに言わばB国から依頼を受けた。そこで、今、福山委員が示している、そこに三要件が当てはまるということを前提という質問でございますね。ということであったときに、しかし、そのときに、A国とB国の紛争のもとそのものを、これはこのそのものに対して我々が撃滅に行くということではないわけでございまして、そこが、そこが問題であります。
これは今までも、今までもこれ説明をしているとおり、A国とB国が戦っていて、言わばA国に対して我々がそのA国の領土に上がっていってそれを撃滅をするということではないわけでありまして、我が国でも、我が国の存立に関わる事態に対応するためであります。ここのところはどうか御理解をいただきたい。これがまさに私たちの解釈であるということであります。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こして。
安倍内閣総理大臣、もう一度答弁を。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、三要件についてお話をしましたが、つまり……(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 指名をしました。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) はい。委員長の……(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 指名はしております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこで、言わば我が国の存立自体が脅かされている、これを、この危機を排除するための武力行使を行うということでありまして、ですから、その違いは何かといえば、例えば近隣諸国においてA国がB国を攻撃をしたと、これに関わって、言わば我が国に対する存立を脅かす危機が発生した場合、近隣で発生した場合はそれを排除する攻撃を行うということでありまして、これがまさにお答えでございます。
○委員長(鴻池祥肇君) 福山哲郎君。(発言する者あり)
速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 委員長、先ほど、済みません、こちら側に音が聞こえなかったので、委員長の速記を止めてくださいと、それと総理大臣への指名の声はこちら側に聞こえていなかったので、失礼があったことはおわび申し上げます。
○委員長(鴻池祥肇君) 続けて質問してください。
○福山哲郎君 済みません、総理、単純なんです。これは戦争に参加をすることかどうか、一言で答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはまさに三要件にある必要な言わば自衛の措置を、必要最小限度の実力行使を取ると。そして、それはまさに、我が国の存立に関わる脅威に対してそれを排除するために取るということであって、その国に乗り込んでいって撃滅をするというのとは違う。
つまり、そのB国とともに、B国とともにそこに言わば大規模な空爆等を行うということではなくて、まさにそれは、我が国に対する存立、そして国民の生命や自由や、そして幸福追求の権利を脅かす脅威に対してそれは排除していくということで、それを、その必要なための自衛の措置をとるということであります。
○福山哲郎君 全くお答えをいただいていないし、さっきから同じ答えを何度も言われていて、私の時間が本当に消化されることを遺憾に思います。
法制局長官、この図でいう集団的自衛権の行使は、戦争に参加することですよね。法制局長官、お答えください。真摯にお答えください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 戦争はもう国際法上禁止されております。
我が国に対する武力攻撃が発生した場合のこれまでの個別的自衛権の発動、それによって我が国が武力を行使するということはこれまでも認められておりました。それは、我が国が戦争をするのかと言われると、それは戦争をするのではないと、あくまでも我が国を守るための自衛の措置としての実力の行使をするものであると説明をしてきております。
今般の新三要件の下での限定された集団的自衛権の行使は、あくまでも我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として、一部限定された場合において他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とする武力の行使を認めるにとどまるものでございまして、国際法上集団的自衛権の行使として認められる他国を防衛するための武力の行使それ自体を認めるものではないということでございまして、個別的自衛権を行使する場合と同様に戦争をするものではございません。あくまでも我が国を防衛するための自衛の措置にとどまるものでございます。
○福山哲郎君 戦争というのは全部自衛の戦争なんじゃないんですか。戦争は全部自衛の戦争なんじゃないんですか。そうじゃなければ、国際法の違反なんじゃないんですか、長官。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 現在の国際法の理解といたしましては、戦争は禁止されていると理解しております。
○福山哲郎君 だから、違法性を阻却される戦争は自衛のための戦争なんじゃないんですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 国連憲章上、その武力の行使が正当化される事由としては、安保理決議に基づく場合のほかに五十一条による個別的、集団的自衛権の行使の三通りがございます。
○福山哲郎君 要は、国民の皆さん、お聞きいただいたら分かるように、これ、限定的な集団的自衛権といったって戦場に行くんです。
先ほどからお言葉ありますように、武力行使はするということを明確にされています。しかし、それを戦争と言わないところにこの安倍政権の欺瞞性があります。なぜ戦争するということを答えられないのか。だから国民は余計理解が深まらないし不信感が高まります。
戦争に参加することになるのに、自衛隊のリスクは高まらないと言ったり、専守防衛は変わらないと言ったり、今も戦争に参加するということを認めないところに、国民はもう安倍政権のこの姿勢について気が付いています。だから理解が深まれば深まるほど反対が増えるんだと思います。
自民党の支持者の中でも六四%、公明党の支持者の中でも九四%が説明不足だと言っています。要は、与野党を超えて国民全体が、政権の国民の声に真摯に向き合わずに今のような答弁を繰り返していることに対して怒りが広がっているというふうに私は考えています。
そんな中、礒崎総理補佐官が不届きな発言をしました。聞いてください。集団的自衛権でも我が国を守るためのものだったらいいんじゃないかという御提案をしているんです。そうしたら、何を考えないといかぬかと、法的安定性は関係ないですよと。
法的安定性は関係ないですよということは、総理の補佐官です、政府の人間です。これはイコール、我々は法的安定性を放棄して集団的自衛権をやるんだということを政府の内部の人間が認めていることじゃないですか。自分ら自身が法的安定性は気にしない、関係ないですよと言っているじゃないですか。これ、どういうことですか、総理。
ましてや、参議院の審議が始まる前の日に、九月中旬までに上げていただきたいと。政府が何で国会に向かって法案の上げる日にちを前の日に、審議も始まっていないのに言うんですか。行政権と立法権の区別も分からないんですか、この補佐官は。
総理、こんなけしからぬ、法的安定性をどうでもいいと思うような補佐官は更迭すべきだと思いますよ。だって、総理は、閣議決定の中で法的安定性をちゃんと守ること、書いてあるじゃないですか、閣議決定に。これ、閣議決定違反じゃないですか。
総理、この補佐官、更迭するべきでしょう。どうですか。それは、この法的安定性は関係ないですよという発言とともに、この立法府をまさにないがしろにした発言として、行政府の責任者として総理が、これは行政府の人間としては資格がないといって更迭すべきだと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 礒崎補佐官の発言は、平和安全法制を議論していく上で、憲法との関係とともに、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を十分に踏まえる必要があるとの認識を示した発言と承知をしております。
法的安定性を確保することはもとより当然のことでありまして、私も従来から申し上げているとおりでございまして、そこに疑念を持たれるような発言は慎まなければならないと考えております。
また、参議院における審議はまさにこれから始まるところでありまして、その進め方につきましては参議院の御判断に従うべきものであると、これが安倍政権、政府としての考え方でございます。
○福山哲郎君 今の総理のお話とは全く真逆のことを言われたんですよ。
総理、礒崎補佐官の言われた全文読まれましたか。報告聞かれましたか。全文読んだかどうか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中身については秘書官から報告を受けているところでございますが、まさに今申し上げましたように、法的安定性につきましては、我々、今回閣議決定をする際にもこの法的安定性の重要性について申し上げているとおりでありまして、それに誤解を与えるような発言は当然慎むべきであると、このように思います。
○福山哲郎君 今の答弁で、総理は久しぶりに正直に答えられました。読んでいないんです。秘書官から報告を聞いただけです。それでこんな法的安定性は関係ないんですよという発言を看過するんですか、総理は、読みもしないで。看過できないでしょう、こんなの。総理が読まれていないということは、総理は事実関係を分からないで国会で答弁したということですよ。
これ、総理、読まれたらどうですか、休憩して。それで、先ほどの答弁が、本当に礒崎補佐官の発言が総理の答弁のとおりかどうか、秘書官の書いた答弁かどうか確認されたらどうですか、総理。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げたように、礒崎補佐官の発言について、こういう趣旨の発言であったということについて秘書官から報告を受けておりますし、同時に、そのテキストに、彼が発言したもの、文字に起こしたものについても、もちろん私は、全て詳細には見ておりませんが、基本的にはその言わば発言の部分に、問題となった発言のセンテンス等についてはもちろんこれは読んでいるわけでございまして、当然、官房長官からも注意をしたところでございます。
○福山哲郎君 つまり、総理は全文読んでいないから、秘書官の聞いたとおり、要は、先ほどの実は御答弁でも、この補佐官の発言について謝罪も何もなかったんですね。何か誤解を与えるような発言をしたのは良くないみたいな話で、何か人ごとなんですね。
これは補佐官に、ちょっとこの場に出てきて、何を言ったのか、やっぱりこれは出てきてもらわなきゃいけないし、そうでなければ、官邸の責任として事実関係をただして何らかの処置をするべきではないですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほどもお話をさせていただきましたが、礒崎補佐官の発言は、平和安全法制を議論していく上において、憲法との関係とともに、我が国を取り巻く安全保障環境の変化を十分に踏まえる必要があるとの認識を示した発言であると承知をしているわけでございまして、こうした誤解を、今申し上げましたように、法的安定性を確保することは当然であります。そのことに対しまして疑念を持たれるような発言は厳に慎まなければならないと、こう思っております。
○福山哲郎君 いや、法的安定性を損なってはいけないという総理の御答弁の真逆なんです。本当にそうなんです。集団的自衛権でも我が国を守るためのものだったらいいんじゃないかという御提案をしているんです。そうしたら、何を考えないといかぬかと、法的安定性は関係ないんですよと。これ、疑念じゃないんです、言われているんです。
総理、これ、やっぱり事実関係を調べて、総理として何らかの対応をしていただけるとお約束いただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げましたように、官房長官から、官房長官が礒崎補佐官から状況を聞き、そして注意をしているところでございます。
○福山哲郎君 分かりました。官房長官に報告ができるなら、国会でも報告ができるはずです。
委員長、礒崎補佐官を参考人として呼んでいただいて、国会で彼のいろんな言動について確認ができる機会をいただきたいと思いますが、よろしく御配慮のほど、お願いします。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの件は後の理事会において協議をいたします。
○福山哲郎君 実はこの礒崎補佐官というのはとんでもない発言をしておりまして、ある雑誌の六月号ですが、新たな解釈が現行憲法に外れているのであれば、それは当然議論しなければならないわけですが、そういう主張をしている人は余り見当たりませんと言っているんです。これ六月号です、見当たりませんと言っているんです。これ、私ちょっとびっくりしたんですよね。
先ほども言ったように憲法違反なのかどうかをはっきり言ってほしいです。それを言わない人が多い。集団的自衛権が行使できるという新しい政府の解釈は憲法違反だとおっしゃっているのか、いや、憲法違反かどうかは分からないが、手続的に憲法解釈の変更には問題があるということなのか、どちらを言っているのかということは明確に議論しないと、この話はきれいに整理できないと思います。何となくけしからぬと言っているのでは分かりません。
どこに何となくけしからぬと言っているんですか、国民は。憲法違反だと、三人の憲法学者がみんなそろって憲法違反だと言って、圧倒的に憲法違反だとみんなが思っているから、今これだけ反対の声が上がっているんじゃないんですか。何ですか、この、そういう主張をしている人は余り見当たりませんって。どこ向いて政治やっているんですか、この人は。
この方は、明確に議論しないと、この話はきれいに整理できないと思いますと言っているんだから、議論をして整理していただきましょう。是非国会に出てきていただきますように、先ほど委員長が検討いただけるということだったので、どうかよろしくお願いしたいと思います。
続いて行きます。
総理、総理が三要件も含めて今回の限定的集団的自衛権の行使の問題で依拠している昭和四十七年見解でございますが、この四十七年見解はどの法制局長官が作られたか御存じですか。別に私は、野党時代の自民党みたいに細かい質問をして、これでおかしいじゃないかと言うつもりはありません。四十七年見解の当時の法制局長官がどなたか、存じ上げないんだったら存じ上げないと言っていただいて結構です。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時、田中内閣でございまして、吉國さんだったんですかね。
○福山哲郎君 これ実は、その四十七年見解を作った吉國長官の四十七年九月十四日の答弁です。済みません、テレビを御覧の皆さん、細かい字で申し訳ありません。是非NHKさん、考慮して、ゆっくり映してください。
これ、見てください。これ、四十七年見解を作った法制局長官です。「少なくとも最高裁の砂川判決において自衛権が承認をされております。」。これ、まさに砂川判決に吉國長官は言及をされています。「その自衛権を持っているというところまでは最高裁の判決において支持をされておりますが、(中略)国が、国土が侵略された場合には国土を守るため、国土、国民を防衛するために必要な措置をとることまでは認められるのだという説明のしかたをしております。その意味で、いわばインディビデュアル・セルフディフェンスの作用しか認められてないという説明のしかたでございます。仰せのとおり、憲法第九条に自衛権があるとも、あるいは集団的自衛権がないとも書いてございません」。ここまで丁寧に議論しています。「憲法第九条のよって来たるゆえんのところを考えまして、そういう説明をいたしますと、おのずからこの論理の帰結として、いわゆる集団的自衛の権利は行使できないということになるというのが私どもの考え方でございます。」。
実はこれは、総理や今の横畠長官が依拠している四十七年見解を作った長官が、これまた、根拠なのか軌を一にしているのか、よく答弁がぶれた砂川判決まで引いて、今の政府が言われている砂川判決の自衛権があるということまで認めた上で、更に言えば、集団的自衛権がちゃんと個別的自衛権で憲法九条には明記がないということまで述べた上で、集団的自衛の権利は行使できないというふうに述べられています。
これ、この吉國長官の答弁を見て、総理、なぜ今回集団的自衛権の行使が認められるのか、お答えください。これ、砂川判決は理由になりません。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、もう従来から答弁をしておりますように、言わば四十七年のときの政府の解釈においては、これは砂川判決と軌を一にするものでありますが、必要な自衛の措置について自衛権を、これは発動することについては認められるけれども、個別的自衛権については認められるけれども、言わば結論において、集団的自衛権については、これは行使ができないという結論が導き出されているわけでございますが、我々は、その必要な自衛の措置のための当てはめとして、状況が変わる中におきまして、言わば我が国の存立が脅かされ、国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される危険がある場合に行使でき得る集団的自衛権の行使という言わば概念があると、このように判断をしたところでございます。言わば四十七年見解の当てはめを変えたと、こういうことでございます。
○福山哲郎君 砂川判決が根拠になって、集団的自衛権が憲法に記載がないこともちゃんと言及をして、結果として集団的自衛権の権利は行使できないという昭和四十七年見解を作った長官の答弁をもってして、当てはめを変えれば集団的自衛権の行使が容認できるというのはどういう理由ですか、総理。総理、どういう理由ですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) つまり、当時の田中内閣のときに出した、これは内閣法制局の言わば参議院に提出したもので、参考の解釈の提出であったわけでありますが、そこで、言わば今ここにお示しをしていただいている基本的な論理としては、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛の措置をとり得ることを禁じているとは到底解されないという考え方があるわけであります。そして、その上において、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される急迫不正の事態に対して、国民のこれらの権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであるから、その措置は、右の事態を排除するためにとられるべき必要最小限度の範囲内に、範囲にとどまるべきものであると、こう導き、そうだとすれば、我が憲法の下で武力行使を行うことが許されるのは、我が国に対する急迫不正の侵害に対する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないと言わざるを得ないと。
この今言った、そうだとすれば以下が、これが当てはめでございまして、これを今回、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることについては、これをまさに結論として今回は当てはめたものでありまして、基本的な論理は維持しながら、維持しつつ、この集団的自衛権の考え方に対する結論は状況の変化に対応して当てはめたわけでございます。
○福山哲郎君 四十七年見解を読み上げなくても、これが四十七年見解を作った人の答弁ですから。作った方が、集団的自衛権をちゃんと言及をした上で行使できないと言っているわけですよ。それで、何かこの政権が、当てはめて、集団的自衛権は行使できますと。先ほど言われた根底から覆される危険も、これ、吉國長官が作られた文章です。だから、それで結論が、わざわざ砂川判決まで引いて駄目だとおっしゃっているんです。
これ、何で当てはめで集団的自衛権の権利が行使できるようになるのか、私はさっぱり分からない。これが法的安定性を損なうということなんじゃないんですか。こんな御都合主義の当てはめの論理なんて、どうやって通じるんですか。
総理、もうそれ読まないでいいです、これ、分かっていますから、ここに書いてありますから。お答えください、簡潔に。
じゃ、もう一個、総理、この吉國長官の答弁は御存じでしたか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、まさにこの答弁の後に、これは言わば政府に解釈として出された、提出をされたものだというふうに承知をしております。そして、いずれにいたしましても、吉國長官は、まさに集団的自衛権は行使できないと、そのときの状況から、国際状況等から鑑みてもこの集団的自衛権は言わば必要最小限度を超えると、このように判断をした御本人でありますから、当然御本人はそれはまさに認められないという判断をしておられるんだろうなと、こう思うわけであります。
そこで、先ほども申し上げましたように、これは当てはめの部分において、外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫不正の事態は、まさにこれが、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによる我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があることに、これはまさにここに当たると、こういうことでございます。
○福山哲郎君 まさに総理が言われたように、作られた本人が集団的自衛権の行使はできないと言っている、否定しているんですよ。それを当てはめの論理でできるって、何でできるんですか。あれですか、衆参で過半数持っていれば、これを変えてもいいんですか。
総理、やっぱり納得できないんですよ。だって、作った方が砂川判決まで引いているんですよ。そして、集団的自衛権までわざわざ引用して、集団的自衛権は行使できないという帰結になっているのを、何で最後のところだけ、いやいや、我々はできるんですという話になるのか、全く分からない。
横畠長官、あなたは衆議院で何度もこの類いの答弁をされていますが、間違いありませんね。イエスかノーでお答えください。
次の、これも、済みません、字で申し訳ありません。
「昨年七月一日以前におきましての国会の答弁あるいは主意書における答弁書での記述等でございますけれども、いずれも限定的な集団的自衛権という観念は持ち合わせていなかったわけでございまして、全てフルスペックの集団的自衛権についてお答えしているものでございます。」。
これ、横畠長官、衆議院で何度も答弁しておりますが、間違いありませんね。もうイエスかノーかでいいですよ。余計なこと言わないでください。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 新三要件について、限定的な集団的自衛権の行使が認められるということについてそのような説明をしてございます。
○福山哲郎君 新三要件についてなんて答弁で言っていないじゃないか、一言も。付け加えないでください、答弁で。
もう一回。この衆議院の答弁は間違いないですね。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 限定的な集団的自衛権という観念は、この新三要件を満たす場合における集団的自衛権の行使のことでございます。
○福山哲郎君 私は、これは衆議院の委員会の議事録からそのまま引いてきています。私は、これ、何にも手を加えていません。
この答弁をそのままあなたは言いましたね。イエスかイエスではないか答えなさい。新三要件が付いているとか付いていないとか関係ないんだ。あなたは何回もこの答弁を衆議院でしているんだ。どうぞ。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 答弁、引用されているものはそのとおりかと存じますが、限定的な集団的自衛権というものは……(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 福山君。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 新三要件を満たす場合の集団的自衛権のことでございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。委員長の御英断に本当に感謝します。今指名していただきました。ありがとうございます。
次のパネル見てください。これ、平成十六年の質問主意書です。間違いなく政府側の答弁です。細かくて、本当にテレビを御覧の国民の皆さん、申し訳ありません。
赤字を見てください。これ、実は、今政府が言っている集団的自衛権、存立危機事態に非常に近いところです。「例えば我が国が攻撃されてはいないが、同盟国の軍隊が我が国領域外のこれに接着した水域で」、非常に近いところです、「攻撃され、(中略)、同国を防衛しなければその直後には我が国への武力行使が確実と見込まれるようなとき、」、次です、「すなわち個別的自衛権に接着しているものともいえる形態の集団的自衛権に限って、その行使を認めるというような場合を限局して集団的自衛権の行使を認めるという解釈をとることはできないか。このような解釈を含め、集団的自衛権に関する憲法解釈について政府として変更の余地は一切ないのか。」。これに対する政府の答弁。「憲法の中に我が国として実力を行使することが許されるとする根拠を見いだし難く、政府としては、その行使は憲法上許されないと解してきたところである。」。
横畠長官のもう一度答弁言います。
「昨年七月一日以前におきましての国会の答弁あるいは主意書における答弁書での記述等でございますけれども、いずれも限定的な集団的自衛権という観念は持ち合わせていなかったわけでございまして、全てフルスペックの集団的自衛権についてお答えしているものでございます。」。
先ほどの質問主意書は、限定的な集団的自衛権ではないんですか。長官。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) もう一つの資料だと思いますけれども、先ほどお示しのありました答弁書でございますけれども、答弁二について、前略とされている部分がございましたけれども、そこをお読みになっていただくとお分かりいただけると思いますけれども、そこの部分にはこのように書かれております。
「集団的自衛権とは、国際法上、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利と解されており、これは、我が国に対する武力攻撃に対処するものではなく、他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止することを内容とするものであるので、国民の生命等が危険に直面している状況下で実力を行使する場合とは異なり、憲法の中に我が国として実力を行使することが許されるとする根拠を見いだし難く」と、そうつながっているところでございまして、今回申し上げている新三要件の下での限定された集団的自衛権といいますのは、まさにその国民の生命等が危険に直面している状況下で認められるものであるというところがポイントでございます。
○福山哲郎君 この質問主意書は限りなく自国防衛です。何言っているんですか。これ、自国防衛以外何があるんですか。我が国に接着している水域で攻撃されている状況です。接着している状況だから、我が国の自衛のために集団的自衛権の部分的な行使はできないのかという質問に対して、できないと答えられているじゃないですか。
あなたはさっきも答弁変えましたよ。新三要件における限定の問題について書いていないなんて、言っていないなんて、あなたは全然言っていないじゃないですか。だって、新三要件って昨年の七月の一日から出てきているんですよ。前にそんなことは、議論が出てくるわけないじゃないですか。そうでしょう、何勝手に出しているんですか。いいですか。これ、どう考えたって限定的な集団的自衛権の行使なんです。
限定的な集団的自衛権の観念は持ち合わせていなかった。持ち合わせていなかったんじゃなくて、そういう質問があっても、集団的自衛権は全部が駄目だから限定的なものも含めて全部駄目だという答弁なんじゃないんですか、横畠長官。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 衆議院におきまして、フルスペックであるとかフルセットの集団的自衛権というのはやはり認められないとお答えしておりますが、それはまさに新三要件によって限定されない集団的自衛権一般のことでございまして、先ほど御指摘の答弁書で、私が読み上げたとおり、これは国際法上認められる集団的自衛権一般を前提としてお答えしているものでございまして、それは認められないというふうに述べているわけでございます。
すなわち、その当時におきましては、その集団的自衛権というものについて一般を行使するかどうかという議論しかございませんで、具体的にその限定して行使するという考え方が固まっていなかったという、そういう前提でのやり取りであろうと理解しております。
○福山哲郎君 やり取りであろうって、推測でどうするんですか。法制局長官が推測で話してどうするんですか。それと、あなたのこの衆議院での答弁は、これずうっとあなたは言い続けているんですよ。
これ、意図的に、じゃ、あなたは限定的な集団的自衛権という観念は持ち合わせていなかったという、過去の法制局の、長官を始めとした法制局のメンバー全てが限定的な集団的自衛権の観念は持ち合わせていなかったという、あなたは観念を持ち合わせて偉くて、過去の法制局長官は持っていなかったんだと。あなたはそこまで言い切れるんですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 過去におきましても、例えば我が国を防衛するためだったら、役に立つのであれば、その集団的自衛権を認めても、一部認めてもいいのではないかと、言ってみれば、裁量的、数量的な集団的自衛権を認めてもいいのではないかという議論があったのは事実でございますが、それはやはり認められないというふうに解してきたわけです。それは、やはり数量的あるいは裁量的なものでは駄目だということでございます。
これに対しまして、新三要件でお示ししておりますのは、まさに規範として、まさにその状況、場面を限定いたしまして、我が国に対するまさに究極の危機の状態であるという、そういうことを前提にし、かつ我が国と国民を守るためにやむを得ない、他に手段がない場合であるという要件も付け加えまして、さらに必要最小限度というこれまでどおりの限定も付けた、そういう憲法の規範性を具体化した、そういうその限定を付けた上でぎりぎりの集団的自衛権を行使できる場合もあるということをお示ししたのが新三要件でございまして、そのような限定があるものについては、これまで我が国に対する武力攻撃が発生した場合と同様の武力の行使も可能であるという考えでございます。
○福山哲郎君 これ問題ありますよ。今苦しい答弁だったんですよ。部分的なことはどうだという議論があって、それはあったと認めたんですよ。なおかつ新三要件に基づくものはなかった。当たり前じゃないですか、新三要件って七月一日から出てきたんだから、過去にあるわけないじゃないですか。ところが、あなたは衆議院の審議で「いずれも限定的な」と、「いずれも」と書いてあるんですよ。でも、限定的な集団的自衛権の容認ができるかどうかという、行使ができるかどうかという議論は何回もありました。
私、読み上げてもいいですよ、まだありますから。これはパネル用意しておりませんが、昭和五十六年六月三日。「私の言う意味はわかりますか。」。これ質問者です。「集団的自衛権というものを一つのものとしてではなくて、その中を幾つかに分けるわけです。分けてきて、それがきわめて個別的自衛権のものと近いものについては、」、これはまさにあなたが言った自衛権だ。「個別的自衛権のものと近いものについては、それを個別的自衛権の範囲の中にだんだん含ませていこう、」、まさに今政府がやろうとしていることじゃないですか。「こういうふうなオーバーラップをしてそれを広げていこうという解釈をしていく、集団的自衛権の行使というものの態様をいろいろ分けて研究をする、」。これに対して政府側の答弁。これは法制局長官ではありませんが、法制局長官が横にいる場面です、防衛庁が、官房長が。「わが国が持っている自衛権というのはあくまでも個別的自衛権である、厳格に守っておりまして、」と。限定的な議論をしているじゃないですか。
何がいずれも限定的な集団的自衛権という観念は持ち合わせていなかった。これ虚偽答弁でしょう。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさにその議論として、裁量的、数量的な限定でいいのではないかという議論、政府の議論ではありませんよ、法制局の議論でもございません、という議論は事実としてあったことはそのとおりでございますが、今般お示ししている新三要件とは、裁量的、数量的な切り分けではなくて、まさに規範として明確に一定の場合を切り分けたというところで、そのような考え方は従前なかったということでございます。
○福山哲郎君 ごめんなさい、もう完全に崩れているんです。新三要件なんかあるわけないじゃないですか、この政権で新たにつくったんだから。無理やりつくったんだから。そして、あなたはここに、新三要件に基づくなんて何にも書いていないじゃないですか。これ、衆議院の答弁どうするんですか。
これ総理、衆議院の答弁、全部無効ですよ。この答弁をずっと横畠長官はし続けた。歴史に対して全く不誠実な態度でし続けた。これ虚偽答弁ですよ。
これ総理、衆議院の答弁やり直しじゃないですか。どう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま法制局長官が答弁したとおり、まさに法制局としては、言わば数量的概念等々については議論をしていないと。今般、三要件において、規範として新たに認められる集団的自衛権の行使があり得ると、このように答弁をしているわけでございますから、私は一貫しているだろうと、こう思うわけでございます。
まさに昨年の閣議決定において三要件を付した上で、その三要件の下においては、この規範の下においては、三要件の下においては行使し得る、あるいは、これはまさに国の存立が危うくなる、あるいは国民の生命そして自由、幸福追求の権利が危うくなる、この明白な危機があるときに行使し得る集団的自衛権はあると、このように政府として判断をしたと、こういうことでございます。これはもう従来より説明をしてきているとおりでございます。
○福山哲郎君 済みません、今この新三要件に基づく限定的な集団的自衛権が、法的にしっかりと過去の憲法規範にのっとっているかどうかを審議しているんです。それを、新三要件に基づく限定的な集団的自衛権は過去において議論していませんって、当たり前じゃないですか、当たり前じゃないですか。ところが、あなたは過去の法制局の答弁がいずれも限定的な集団的自衛権という観念は持ち合わせていなかったと言っているから。持ち合わせていなかったんじゃないですよ。過去の法制局は、持ち合わせて全部否定してきたんじゃないですか。
総理もさっき、今おかしなことを言ったんですよ。その議論はあったけれども数量的な議論はなかったみたいな、矛盾しているんですね。
この答弁は衆議院でやってきた答弁ですから、これが衆議院の答弁だとしたら、これ無効ですよ、衆議院の審議は。差戻しですよ、こんなの。ほっておけないですよ。衆議院の議員が百何時間やったことが、全部この虚偽答弁になっていますよ。
この答弁について決着をまず付けてもらわないと、審議進められないじゃないですか、総理。
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記起こして。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) お示しの答弁にございます、「全てフルスペックの集団的自衛権についてお答えしているものでございます。」とお答えしています。
そのフルスペックの集団的自衛権とは何かということにつきましては、これは小西先生からの質問主意書に対して六月にお答えしておりますけれども、「御指摘の横畠内閣法制局長官の答弁にいう「フルセットの集団的自衛権」も、これと同じ集団的自衛権一般を指すものである。」。ここに言う、ちょっと全部読んだ方がよかったかもしれませんけど、後先になりますけれども、御指摘の資料におけるいわゆる集団的自衛権とは、国際法上、一般に、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力をもって阻止することが正当化される権利、すなわち、御指摘の閣議決定でお示しした武力行使の三要件による限定がされていない集団的自衛権一般を指すものであると、そのようにお答えしているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記起こして。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘の答弁にございます限定的な集団的自衛権という観念につきましては、政府として持ち合わせていなかったということでございます。
○福山哲郎君 それは何を根拠に言っているんですか、何を根拠に言っているんですか。
だって、限定的な集団的自衛権について否定しているんですよ。否定をしているのに観念を持っていないってどういうことですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 限定的な集団的自衛権という観念を持ち合わせていなかった、政府として持っていなかったので、限定されていないもの、すなわちフルスペックの集団的自衛権というものしか集団的自衛権については考えていなかったということで、それについてお答えしてきているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記起こして。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 昨年七月以前の政府、歴代政府でございますけれども、内閣法制局も含めてでございますけれども、限定的な集団的自衛権という観念は持ち合わせていなかったわけでございますので、したがいまして、その当時、集団的自衛権と申し上げていたのは、全てフルスペックの集団的自衛権のことを指していたということでございます。(発言する者あり)
○委員長(鴻池祥肇君) 速記止めて。
〔速記中止〕
○委員長(鴻池祥肇君) 速記起こして。
○福山哲郎君 これまでずっと限定的な集団的自衛権の議論はあったわけです。それに対して法制局は、歴代法制局が限定的な集団的自衛権の行使はできないと答えていたんです。それにもかかわらず、この横畠長官は、「いずれも限定的な集団的自衛権という観念は持ち合わせていなかったわけでございまして、」と言っているわけです。いいですか。
新三要件に基づく集団的自衛権などというのは新しくつくったものだから、そんなものあるわけないんです、過去には。いいですか。そこが法的安定性を損なうということなんです。何で歴代やってきたのに急に新しいのが出てきて、それが基本的な理念が一緒なのか。あなたはずっと衆議院でこう言って逃げてきたんです。いいですか。限定的集団的自衛権は認められてないんです。いいですか。そして、あなたは、新三要件に基づくと、基づく新三要件については観念はなかったと最初言って、次の先ほどの観念は新三要件に基づくというのは外しました。またこれ答弁変わったんです。いいですか。首ひねらないの、分かってるのに。
とにかく、これ統一見解を、この長官の衆議院の答弁次第によっては衆議院の審議全部やり直しですからね。
委員長、統一見解を求めたいと、政府に統一見解を求めたいと思いますが、よろしくお願いします。
○委員長(鴻池祥肇君) ただいまの福山委員からのお申出につきましては、後の理事会におきましてお諮りをしたいと思います。
質問を続けてください。
○福山哲郎君 本当は質問を続けたくないんですけど、委員長のあれなので、しようがない、続けます。
済みません。実はパネル用意していませんが、こういうこともあります。
昭和五十六年六月三日。「外国が侵害を受けている、それが結局日本に対する直接の攻撃とみなされるというような場合は全然ないですか。その結果として日本の国家の存立や何かに関係するという場合でも、日本は何もできないということですか。そんなことはないのじゃないですか。そこら辺のところをはっきりしてもらいたい。」。
まさに今出ている存立という言葉を使って、日本の国家の存立や何かに関係する場合でも日本は何もできないという質問に対して、角田当時の法制局長官は、「直接であろうが間接であろうがわが国に対する武力攻撃がなくて、ただ平和と安全が脅かされるおそれがあるとか影響があるとか、そういうことではだめだということを申し上げたわけで、直接の影響があるから自衛権が発動できるというようなことは申し上げたつもりはございません。」と、これはっきり言っているんですよ。これ、今まさに存立の問題じゃないですか。これ、完全に今の政府の議論を否定しているんです。
これは昭和六十一年三月六日です、これ細かい字で本当に視聴者の皆さん、ごめんなさい、三月五日です。いいですか。一番最初のところを見てください。「今後、必要最小限度の範囲内であれば集団的自衛権の行使も可能だというような、そうした」、いいですか、「ひっくり返した解釈は将来できるのかどうかですね。必要最小限度であろうとなかろうと集団的自衛権の行使は全くできないんだという明確なものなのか、必要最小限度の範囲内であれば集団的自衛権の行使も可能だという解釈も成り立ってしまうのかどうか、この点はどうでしょうか。」。
必要最小限度の範囲内の集団的自衛権の行使、まさに今、総理が何度も何度も委員会でも本会議でも言った、必要最小限度の範囲の集団的自衛権の行使なら可能だと言っている論理に対して、一番最後のところで、見てください。その論理的な帰結としては、「他国に加えられた武力攻撃を実力をもって阻止するということを内容とする集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」、これ実は、細かくはもう読みませんが、こういう今総理がまさにやろうとしていることの議論まで出ているんです。いいですか。
これ、正直申し上げます。砂川判決は先ほどの吉國長官の答弁で否定されています。そして、必要最小限は今の話です。存立危機も先ほどの答弁で出ています。限定的な集団的自衛権も先ほどの話でいうと否定をされています。
実は、国会というのは本当にいろいろな観点で議論されていると私は実は感心しました。やっぱり先人はいろんなことを考えてこられた。そして、一定期間のうちに日本の政治家が集団的自衛権を行使したいと誘惑に駆られている傾向もよく分かりました。だって、昭和四十七年、昭和五十六年、昭和六十一年、平成十六年、ほかにもいろんな場面でこの議論があります。その間、一貫して集団的自衛権の行使はできないと言ってきたのが内閣法制局です。これが歴史に基づいた法的安定性と規範性です。これを一内閣が解釈を変えるごときで、変えていいのかどうかというのが今の問題です。
横畠長官、あなたの衆議院の虚偽答弁も含めて、そしてこれだけ今の議論を覆すような答弁が歴代並んでいることをあなたは知っているにもかかわらず、新三要件がどうのこうの言ってこの解釈を変更を許したことは、あなた、万死に値しますよ。あなた、辞任した方がいい。あなたが正気に返って、法制局長官の矜持を持って辞めた方がいい。東京大学を出て検察に入庁し、法制局のエースとしてやってきたあなたが、日本の憲法の法的規範性や安定性をまさに根底から覆す片棒をあなたが担ぐ必要ないんですよ。戦後の歴史の中でただ一瞬にすぎない安倍政権と心中しないでください。ここであなたが辞めれば、歴史はあなたを喝采しますよ。そうじゃなければ、いいですか、日本は憲法裁判所がないんです、憲法裁判所がないからこそ内閣法制局が政府の有権解釈を担う最後のとりでとしてやってきたんです。
先ほど申し上げたように、徹底的に政治家は、毎年、何年かに一遍、集団的自衛権の部分行使はできないのかということをこうやって国会で議論しているんです。そのたびに法制局が壁になったんです。なぜあなたは矜持を捨てて戦後七十年の日本の法的安定性を崩すことをしようとしているんですか。
これ、安倍政権のやろうとしていることは、本当に大問題だと僕は思いますよ。これ、やりたいんだったら、総理、憲法改正でやればいいじゃないですか。国民に堂々と国際環境の変化を訴えて、憲法を変えて、そしてそのときにはフルスペックか限定かは国民的な議論をすりゃいいじゃないですか。集団的自衛権を認めたくない人もいてもいい、認める人もいてもいい、限定的な人もいい。それこそ国際環境の変化を国民全体で共有しなければいけないのに、戦争には参加はしない、平和主義は守る、専守防衛は守る、そんなことを言い募ってやっているから国民の理解が広がらないんだと私は思っていますよ。
これ、法的にはもう駄目なんですよ、違憲なんですよ。違憲なんですよ。先ほど申し上げたように、砂川判決も崩れている、限定容認も崩れている、必要最小限度も崩れている。総理、反論があればおっしゃってください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの砂川判決において、必要な自衛のための措置をとり得ることは、国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと、このように判断を下しているわけであります。つまり、ここでは自衛権、必要な自衛のための措置をとり得ることは国家固有の権能の行使として当然のことと言わなければならないと、こう認めているわけであります。
しかし、ここにおいては、集団的自衛権あるいは個別的自衛権には、ここにおいては、言わばこの判決全体の中においては言及はしておりますが、ここではこの自衛権について明確に示しているわけではございません。
そこで、四十七年の見解におきまして、果たして必要な自衛のための措置とは何かということについて四十七年の見解を示しているわけでございますが、そこにおきましては、必要な自衛の措置はとり得るけれども、しかし同時に、集団的自衛権の行使、これは必要最小限度を上回ると、こう考えたわけでございます。
つまり、この段階においては、言わば密接な関係のある他国が攻撃を受けたときには、言わば自国に対する攻撃と同じように攻撃をすることができると、自衛の措置をとることができるという集団的自衛権の措置、これは先ほど来横畠長官が答弁をしているように、これは言わばフルスペックの考え方であります。
そして、ずっと従来から、昨年七月の一日閣議決定をするまでは、まさにフルスペックのみについてずっと法制局は考えて、様々な質問に対して法制局としてはフルスペックしかあり得ないという考え方の下に答弁をしているわけでありまして、一部だけを認めることはできないというのが今までの法制局の答弁であったわけでございます。
しかし、私たちは、必要な自衛のための措置とは何か、もう四十年が経過している中において、大きく国際環境が変わっている中において私たちはその責任を果たさなければならない、こう考えたわけであります。この必要な自衛のための措置の中において、先ほど来説明をしているような具体的な例にこれを当てはめてみても、まさに我が国の存立を脅かし、そして国民の生命や自由や幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険のある集団的自衛権の行使もあり得ると、こう考えたわけでありまして、そこで三要件を付し、これに合致するものについては憲法上も集団的自衛権の行使をし得る、このように当てはめたわけでありまして、まさに四十七年の見解というのは砂川判決と軌を一にするものでありますが、この基本的な論理は変えずに、当てはめにおいて、国民を守るために今回こういう解釈の変更を行ったところでありまして、まさに憲法の範囲内であると我々は完全に自信を持っているところでございます。
○福山哲郎君 これは我が党の議員が言われたことなんですけど、何を言っても憲法に合憲だと。何を言っても合憲だと言ったら合憲になるんだったら苦労しません。それが傲慢な態度であり、それが法的安定性を損なうということです。
先ほどの礒崎補佐官の問題な発言だというのは、先ほどから私がずっと申し上げてきた、長年の法制局が最後のとりでだった、この集団的自衛権の限定容認は駄目だと言ってきたことの法的安定性を関係ないと言ったんです。そして、あのみっともない法制局長官の答弁も含めて、みっともない答弁も含めて全く説得力がない。いいですか。そして、総理の話はいつも同じことを繰り返す。本当に私はこういう不誠実な審議はおかしいと思いますよ。
総理、総理、今の答弁で……(発言する者あり)分かりました。みっともないという言葉が悪いんだったら謝ります。しかし、衆議院でのあなたの答弁が全く事実と違うことをし続けたことについては反省を求めます。
総理、これで国民は理解し、納得していただけるとお思いですか。御答弁ください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど横畠長官が答弁いたしましたのは、旧来、言わば昨年の七月の一日に閣議決定をし、そして三要件の下において行使し得る集団的自衛権の行使は容認したわけでございますが、それ以前は、これはまさに福山委員が指摘されたとおり、この三要件という概念がないわけでありますから、その前においては当然これフルスペックしかあり得ないという観念の下に答弁をしてきた、それはまさにその観点から横畠長官は答弁をしているわけでございますし、そう御説明をしているわけでございますから、御理解をいただきたいと、このように思います。
○福山哲郎君 私、実は今日、もっと質疑をしたかったこと、たくさんありました。安全保障環境の問題についても具体的にやりたかったんですが、本当に納得できない答弁が続いたので非常に遺憾に思っております。
参議院の審議はこれからも続きます。とにかく、国民の怒りと国民のおかしいという声を総理にも少しは耳を傾けていただきますようにお願いをしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。


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