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2018

第196国会 参議院 外交防衛委員会 2018年3月29日


○福山哲郎君 おはようございます。立憲民主党の福山でございます。
防衛大臣も外務大臣も御苦労さまでございます。後で在外公館のことは質問しますが、冒頭、今の北朝鮮情勢についてお伺いしたいと思います。
まあ他党のことだから余りこういうことを言っちゃいけないのかもしれませんが、なぜ今日、自民党の先生が御議論されないのか、御議論是非いただきたかったと思います。もし今我々が政権を持っていたと仮定したら、恐らく自民党の先生方は、外交敗北だった、日本は外交何していたんだ、日米同盟は今どうなっているんだと必ず批判をされたと思います。私は健全な批判はするべきだと思います。
私、今非常に危機感を持っています。ついこの間のこの外交防衛委員会で、私は、南北首脳会談と米朝首脳会談がセットされたことについて、少し遠慮しながら、日本の外交に懸念を持っていると申し上げました。そのときに河野外務大臣は、韓国、アメリカ、日本、極めて緊密にこれからも連携を取り、くさびが打ち込まれるというようなことにならないようにしっかりと連携をしながら、この北朝鮮の非核化を目指してまいりたいとおっしゃられました。そのとおりですが、くさびを打ち込まれたどころか、中朝の首脳会談まで日本は事前にキャッチもできなかった。まあキャッチもできなかったと決め付けちゃいけませんね、河野大臣がおっしゃるには、そこは明らかにできないという状況だと。それで、昨日、安倍総理が中国から説明を受けたい、菅官房長官も中国から説明を受けたいとおっしゃった。ということは、説明まだないということですよね。
これ、外務大臣、中国からの説明は、いつ、どのような形でお受けになるおつもりですか。電話会談で誰かがお受けになるんでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) 中国側から既にしっかり説明を受けておりますが、その詳細については申し上げられません。
○福山哲郎君 どのレベルで、どのような形でじゃ連絡を受けたか、お伝えください。
○国務大臣(河野太郎君) 申し訳ございませんが、差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 なぜ差し控えなければいけないのか、お答えください。
○国務大臣(河野太郎君) 内容を公表することについて、両国間で公表するという前提でやっておりません。
○福山哲郎君 私は今、内容を公表してくれとは一言も申し上げておりません。中国からの説明を受けたいと総理や官房長官が言われて、アメリカは事前に中国から説明を受けたと聞いている状況だから、いつ説明を受けられたのか、若しくは説明を受けられる予定があるのかとお伺いしているんです。そうしたら外務大臣が受けたと言うから、じゃ、それはいつですかと。内容を聞いているわけではありません。いつ、どのレベルで受けられました。
○国務大臣(河野太郎君) いつ、どのレベルを含め、詳細を申し上げることはできません。
○福山哲郎君 私は批判のための批判をするつもりはありません。しかし、余りにも余りでしょう、それは。
外務大臣、私が外交を担当していても、多分外務省に、一体何やっていたんだとか、どこから情報取っているんだって、多分かなりいらついたと思います。
例えば鉄鋼、アルミです。僕、外務大臣頑張っておられると思いますよ。日本の立場もしっかり説明されていると思いますよ。でも、三月十六日に相手側のライトハイザー通商代表とやって、この問題についてかなり日本の事情について理解はされていると大臣は会談の後言われた。そして、発動の理由は、今回、アメリカは二十三日に安全保障だと言った。なぜ鉄鋼、アルミの関税の発動が日本の安全保障に関係するのか、僕には理解できません。
NATOも韓国もオーストラリアも発動は猶予されている。大臣が事前に行って説明をして、理解をされていると大臣は会見で言ったのに、日本は発動された。これ、何でなんですか、大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 今回のようなアメリカの貿易制限措置は、WTOルールに基づく多角的貿易体制にも悪影響を及ぼし、また、恐らく鉄鋼などの世界市場に混乱を及ぼすことになるんだろうと思います。そういう意味で極めて遺憾であると思っておりますし、そうしたことについてアメリカ側に説明をしてきたわけでございます。
米国が国別の除外を、どこの国に除外をするかというのを発表をしておりますが、これを通商交渉のてこに使っているという側面がこれはあると思います。鉄鋼とアルミへの関税について、新しく、かつ公平なNAFTA協定が署名されない限りカナダとメキシコを除外としないと、これはトランプ大統領がツイートされておりますし、韓国とアメリカのFTA協定というのが再交渉されているさなかでもございました。
そういう中で、日本のアルミあるいは鉄鋼というのは高品質で代替できないものが非常に多く、米国の産業や雇用にも多大な貢献をしている、安全保障上の懸念はないということは、ペンス副大統領を始めライトハイザー通商代表、アメリカ側もよく理解をしているところでございます。
今後とも、アメリカに対して、WTOルールに基づいた措置であること、また、戦後の国際経済の繁栄を支えてきた国際秩序に、WTOもその一つだと思っておりますが、それに悪影響を与えないような、何というんでしょうか、措置であるべきだということはこれからもしっかりとアメリカ側に伝え、この国際的な経済体制をしっかりと維持できるように、日本としても様々な国と協力し努力してまいりたいと思います。
○福山哲郎君 アメリカ側がてこに利用しようとしているのではないかという理由らしきというか根拠らしきものを外務大臣が言っていただいたのでもうこれ以上申し上げませんが、ということは、逆に言うと、日米関係は、トランプ大統領との日米関係は、安倍総理が言われているように、個人的な関係、それから日米は一〇〇%共にあると総理が言われても、その関係とは別の次元で物事が動くということを認識して外交をやらなければいけないということで、そういう認識でやらなきゃいけないということですよね。大臣、そうですよね。
○国務大臣(河野太郎君) 北朝鮮危機について、日米一〇〇%共にあるというのは、これはもう双方の首脳が繰り返し申し上げてきているところでございます。
例えば、イランの核合意については、日本とアメリカの立場が今違うということは日本側からアメリカに申し上げているところでございますし、例えばCTBTについてアメリカに批准を求めるというようなことは、日本側が求めてきておりますが、アメリカは批准を現時点で追求しないという立場も違っております。
全てのことで日米が同じであるかと言われれば、それは違うところがあるというのはある面当然だと思いますが、日米、緊密な同盟国として、そうしたことについてもきちんと意見交換をし議論ができる、そういう関係にあるというふうに認識をしております。
この通商問題についても、日米の国益というのはそれぞれ微妙に違っているところはあろうかと思いますが、国際的な貿易秩序を維持しなければいけないというところは、これは日米、本来国益が一致するはずというふうに思っておりますので、そのようにしっかり努力をしてまいりたいと思っています。
○福山哲郎君 国家同士で国益がそれぞれ異なるのは、僕は当然のことだと思います。当然のことだと思います、全部が一致していたらおかしいわけですから。だから外交をされているわけですよね。御苦労いただいているんだと思います。
しかし、北朝鮮情勢に関して言えば、少なくとも日米の国益は一致していると。今、河野大臣が言われているように、そうだと思います。しかし、残念ながら、日米間の連携には、この会談の設定についても日本は、外されたという表現は非常に残念な表現ですが、外されている傾向がある。
これアメリカから、中朝の会談が行われるという連絡はアメリカからはあったんですか。
○国務大臣(河野太郎君) 外交上の情報がどこでどのように行われているかというのは、一々これを申し上げるわけにはいきませんので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 これ逆に言うと、国際社会から見れば、北朝鮮情勢、北東アジアの安全保障環境の問題については、日本はプレーヤーとして今動いていないと見えているんじゃないですか。そのこと自身が国益を害しているんじゃないでしょうか。私は批判のための批判をしたくないので、あえてこのことをどうプレーヤーとして位置付けていっていただくのかについて、これ外務省も防衛省も本当に御努力いただかなきゃいけないと思いますよ。何でこういう状態になったのか。
更に加えて申し上げれば、日米の首脳会談の内容、それから、今、安易に日朝の首脳会談だという報道や御意見をされる方もいらっしゃいますが、この状況で本当に日朝とかを求めていくことが日本の足下を見られないのか、そのことも含めて慎重に対応を検討いただきたいと思います。
我々は野党です。もう隔靴掻痒で何もできません。やっていただくのは、外交当局、外務省の皆さんに御尽力いただかなきゃいけないんですけど、この事態がなぜ起こって、日本がプレーヤーとして本当に参加していないように見えている状況を何とか払拭していかないと、日本の知らないところで朝鮮半島の非核化の議論も行われている可能性もありますので、そこは、こんな余り批判的なことばかり言いたくありませんが、でき得れば、野党がどうせ批判を言っているんだろうという受け止め方ではなくて、真摯に受け止めていただきたいと思いますが、外務大臣、いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) 先週でしたか、JCPOAの交渉をやったウェンディー・シャーマンとお目にかかりましたが、JCPOAの交渉もいまだ歴史になっていないから中身は外には申し上げられないというような話をされておりました。
こういう外交交渉というのは、その時々の報道が評価するものではなくて、歴史が評価するものだというふうに考えて私は外務大臣をやっております。今、世の中で日本がプレーヤーとしてやっているのかどうかと見られているかどうかというよりも、実際にプレーヤーとしてやっているかどうかということが大事なのであって、どう見られているかというのを一々その時点で評価をする必要は私は全くないというふうに思っております。
いつの日か回顧録を書くようなことがあったら、そのときにその時点で書けることは書きたいとは思いますが、外交というのはそういうものであって、あのイランの核合意のときに誰がどう動いたか、核合意について今、様々本が出ておりますから、その本を、一生懸命私もいろんな本を読んでいますけれども、当のウェンディー・シャーマンに言わせれば、それは、あの本はこう、この本はこう、そういうことのようであります。
ですから、今、日本がどういうふうに見られているかということを気にするのではなくて、実際、日本が何ができて、最終的にこの危機を世界の平和と安定を取り戻すためにどう解決できるかというところに絞って、評価はいずれ歴史がしてくれる、そういうことで私はよろしいと思っております。
○福山哲郎君 いや、私は外務大臣のおっしゃることはそのとおりだと思いますよ。そのとおりだと思いますが、連絡が来たかも来ないかも言えぬというのは歴史の検証の話とはちょっと違います。河野大臣の言われる、本当に歴史の重みに堪えられるような動きは別に今言っていただきたいと私は一度も申し上げているわけではありません。大臣のおっしゃるようなことはそのとおりだと思いますが、それなら外務省に、想定外だったとか、今、北が中国を訪中するとは思わなかったとか、外務省の幹部に発言させるようなことは厳に慎んでいただきたい。
そういう状況だから懸念が広がっているんじゃないかと申し上げているんです。もちろん、外交ですから、結果が良ければ全て良しです。それぞれの、韓国も中国もアメリカも、それぞれの御尽力をいただく中で、朝鮮半島の非核化、私は米韓同盟は維持していただきたいと思っていますが、少なくとも北朝鮮の非核化が具体的なプロセスになるような結果が得られれば、何の文句も何の批判も僕はありません。
しかし、その中で別に日本がプレーヤーとしていなくても、結果が出ればそれで結構だと思います。しかし、そこが今の状況の、大臣の答弁や報道を拝見しても分からないから、今、野党に身を置かれている者としてはそのことについては懸念を申し上げておきたいということでございますので、歴史の評価に堪えられる成果を上げていただくように御尽力いただくことを心からお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。


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