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2018

第196国会 参議院 外交防衛委員会 2018年4月19日


○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。
毎日本当にいろんな問題が起こっておりまして、驚くべき状態になっております。さはさりながら、今日は条約の問題ですので、外務大臣に条約の問題について二、三お伺いした後、現下の課題についてもお伺いしたいと思います。
今回のマラケシュ条約については、誰をも置き去りにしないというSDGsの理念に沿ったものであり、本条約の批准には賛成をします。私も障害者の問題に関わっているものですから、今回の条約の批准については積極的に対応いただければと思っておりますが、世界盲人連合の統計では、点字、録音、電子書籍、拡大文字、視覚障害者を含む印刷物利用に障害のある人たちが利用できる形式になっている出版物は、先進国で僅か七%、途上国では僅か一%以下でございまして、現実には、出版物については本の飢餓状態になっています。
視覚障害者は、約九割が途上国に居住していると言われています。今回の条約批准を契機に、我が国として、国内外の印刷物利用に障害のある人たちへの支援について、外務省として一層の取組を行っていくおつもりはあるかどうか。私は積極的にお願いしたいと思っているんですが、お答えをいただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘いただきましたように、世界の視覚障害者の方々にとって利用可能な著作物が引き続き不足していることは承知をしております。
マラケシュ条約は、各国の点字図書館が利用しやすい様式の複製物を国境を越えて交換することを可能とする規定を有するなど、視覚障害者などの方々に関する国際的な協力を行う意味で重要なものでございます。
我が国の本条約の締結を契機に、この分野における国際社会の取組に更に貢献するとともに、開発途上国も含む国際的な協力を一層しっかりと進展させていきたいと考えております。
○福山哲郎君 是非、答弁だけではなく、実態としてよろしくお願いしたいと思います。
他方で、G7は、この条約を批准しているのはカナダだけで、残念ながら、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツは署名をしていますが、批准には至っていません。国内の、今大臣言われた印刷物利用に障害のある人たちの利便性を上げる観点からも、アメリカやイギリスやフランス、ドイツ、G7各国に日本の外務省として働きかけを行っていただくようなおつもりはありませんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) EU加盟国につきましては、EUとEU加盟国のいずれに本条約を締結する権限があるのかについての欧州司法裁判所の判断を待っていたと承知をしておりますが、昨年二月、欧州司法裁判所が、この条約についてはEUに専属的な権限があると判断をいたしました。これを受けて、今後、各EU加盟国の国内法令の整備を経て、EUが本条約を締結する予定であると承知をしているところでございます。
他方、米国では、本条約の締結について議会承認を求めるために、行政府から上院に二〇一六年の二月十日、その締結について議会承認を求めるように上院に提出をされましたが、いまだ審議がなされていない状態であるというふうに承知をしております。
我が国といたしましては、まず我が国がこの条約を締結した後、様々な外交の場を利用して、米国に対しても締結に向けた働きかけを行ってまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 アメリカの状態について詳しく御説明をいただき、EUの状態についても御答弁いただいて、ありがとうございます。
EUは時間が経過すれば徐々に批准が増えてくるというふうに思っておりますが、アメリカの場合はなかなか議会が前に進まない状況だということでございまして、別にこれは、済みません、首脳会談とかで議題に上げる問題ではないと考えておりますが、是非事務方同士の中ではアメリカにも働きかけていただけるように、外務大臣からも事務方にちょっと徹底をしていただければ有り難いと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカがこれに加わるかどうか、英語の出版物に関してはやはりアメリカの影響というのは非常に大きいと思いますので、ここはしっかりとそうした形で働きかけをしていきたいと思います。
○福山哲郎君 よろしくお願いします。
また、これは外務省ではないのかもしれませんが、国内において視覚障害者を含む印刷物利用について十分なサポートを日本も行っていく必要があると思いますし、自治体によって随分差があります。政府としてどう対応するのか、お答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
委員から御指摘もありましたが、障害により印刷物を利用することが難しい方への支援は大変重要であると考えております。このため、厚生労働省では、全国各地の点字図書館の運営に係る財政支援を行うことによりまして、全都道府県において点字図書、録音図書の貸出しや相談等のサポートを行っているところでございます。
また、視覚障害者情報総合ネットワーク、サピエを通じまして、全国の視覚障害者、それから知的障害者、発達障害者の方々は、インターネットでの点字図書や録音図書の検索、さらにはダウンロードによる入手等が可能となっておりまして、引き続きこうした支援を行っていくこととしております。
こうした取組によりまして、今後とも、全国どこに住んでいても視覚障害者等の方々がより円滑に読書ができるような環境の充実に努めてまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。是非しっかりと対応いただきますように、よろしくお願い申し上げます。
もう本当は余りこんな穏やかな状況ではないんですけれども、この国会の審議も、何か日報だとか自衛官の暴言問題だとかではなく、今、日米の首脳会談行われていますし、シリア情勢は緊迫しておりますし、そういったことについても本当に、この外交防衛委員会できちっと与野党超えて議論できるような環境を早く、外務省、防衛省を含めて整えていただきたいと心から申し上げる次第でございます。
小野寺防衛大臣にお伺いします。小西議員への幹部自衛官の暴言の問題でございます。
これ、不快な思いをさせたのであれば申し訳ないとか、不適切な言葉だったから申し訳ないではないと思いますね、私は。実力組織である自衛隊の幹部自衛官が国民から選ばれた国会議員に対して国民の敵だという暴言を吐かれたと。一般の人が我々に向かって、まあ道で我々もよく怒られたり文句言われたりしますが、それで不快な思いをさせて申し訳ないという話ではないんです。
実力組織の自衛官だから問題であり、逆に、恐らく大多数の自衛官はこの発言はまずいだろうと。それは内心どう思っているかは私らは分かりません。分からないけど、大多数の自衛官はこんな発言をしちゃいけないと思っているはずですし、そのこと自身が、たった一人の発言が、これまでの自衛官の、自衛隊の皆さんの災害救助や国際協力活動等に対しての評価を、信頼を失墜させるということについても良くないと思っている自衛官が大多数だと私は思います。そこでの防衛大臣の発言が、さっき申し上げたように、不適切な言葉だから申し訳ないとか、不快な思いをさせたから申し訳ないではないと私は思います。
日報の問題も防衛大臣に報告が上がってこなかった、シビリアンコントロール上どうなんだという問題があり、今回の問題も、戦前の日本が経験をしたあの歴史を繰り返しちゃいけないということで、戦前、諸先輩方がこの国の自衛官と、自衛隊と国民との関係に信頼関係を一生懸命構築していただいたんだと思います。
それをこういう状況で、その信頼関係を崩すような状況は、やっぱり私は日本の安全保障上も自衛隊の組織上も、そしてこの国の在り方としてもおかしいと思うので、防衛大臣としての毅然とした対応が必要だと思いますが、そこについて防衛大臣のメッセージが全く伝わっていないし、何が問題で、何がシビリアンコントロール上これがよくないことなのか。先ほど、あってはならないと言われた。それは、不適切な言葉だからあってはならないのではないし、不快な思いをさせたからあってはならないのではなくて、なぜあってはならないのかということに対して防衛大臣の言葉が中途半端だから、私は非常に逆に危機感を感じます。
私は防衛大臣と長いお付き合いだから余りこういうことで言いたくないけど、私自身、そのことについて防衛大臣としてのきっちりとした、シビリアンコントロールのトップとしての存念をちゃんと国民に伝えるべきだと考えていますが、いかがですか。
○国務大臣(小野寺五典君) 四月十六日の夜に小西参議院議員に対して現職自衛官が路上で不適切な発言を行った件につきましては、小西議員に対して大変不快な思いをさせてしまっており、改めておわびを申し上げます。
自衛官本人が不適切な発言をしたことを認めており、このようなことは自衛官を含む防衛省職員としてあってはならないことであります。本件につきましては、事実関係を更に調査した上で、判明した事実に基づき厳正に対処してまいりたいと思っております。
いずれにしても、不適切な自衛官に対して、私どもとしては厳正に対応していきたいと思っています。
○福山哲郎君 私は随分言葉を選んで御質問をさせていただいたつもりですが、まあ同じ答弁しかされないことは非常に残念に思いますし、早くその調査の結果を待ちたいと思いますが、実際は警察も入って恐らく調書等も取られていると思いますので、そのことも含めて非常に神経質な問題だと思いますけど、その中身だけではなくて、今この現状の、シビリアンコントロールに国民の不信感が高まったり自衛官のそれぞれの思いに対して今の答弁では、私は防衛大臣の、何というかな、指導力というか、非常に残念に思います。
日報の問題についてこの間中途半端だったことを一個もう一回確認したいと思います。私が一昨日質問させていただいた後、いろんなところでも報道出ていますが、二〇〇四年の日報が、迫撃砲やロケットも含めてかなり頻繁に宿営地近辺に撃たれている状況の日報が今回出てきておりません。これについては出てき次第出していただくというおつもりなのか、きっちり全部出すと、まだ四割五分ぐらいしか出ていないと思いますが、全部きっちり出すというつもりで今探索、探索というか探しておられるのか。
これ、また一定の期限でこれで全部ですと言って後で出てきたらまた大ごとになりますので、この二〇〇四年を始めとして、他の日報について今どのように扱われてどういう対応をされているのか、お答えください。
○政府参考人(高橋憲一君) 委員御指摘のいわゆる日報でございますが、現在、昨年八月改正した防衛省文書管理細則におきまして、行動命令に基づき海外に派遣された部隊が作成しました日報につきましては、一元的に管理に責任を有する者は統合幕僚監部参事官というふうにいたしまして、現在、その集約作業を行ってございます。
また、本年四月七日でございますが、改めて防衛大臣より、全ての部隊及び機関において、海外に派遣された自衛隊の活動に関しまして、全ての日報を含む定時作業の探索作業を徹底して行い、統幕への集約作業を原則四月二十日までに終えるとともに、日報を含む定時報告が発見され次第、その都度統幕に直ちに報告を行うよう、防衛大臣による通達を発出したところでございます。
防衛省としては、引き続き日報の一元的な管理に努めまして、引き続き必要な公開に努めてまいるというふうに考えてございます。
○福山哲郎君 あのね、何回も答弁同じ、している答弁を国会で何回も同じようにしないでください。ちょっと国会の審議ばかにしているんじゃないですか。
じゃ、何でその二〇〇四年の日報だけ出てきてないのか、理由が分かりますか。
○政府参考人(高橋憲一君) いずれにせよ、防衛省に存在しています日報につきましては、四月二十日までに統幕参事官に報告し、届けるようにと言ってございます。
二〇〇四年等々につきましては、本来、これまで日報につきましては、用済み後破棄、あるいは一年未満の破棄という整理になってございましたので、それがなぜ今存在していないのかということは必ずしもつまびらかにできませんが、いずれにせよ、現存する日報につきましては集約作業を今進めているところでございます。
○福山哲郎君 つまり、この答弁も、要は、これまでの日報についての防衛省の答弁を見ていると、全く信用できないということなんですよ。そうしたら、都合の悪いものはまた隠しているんじゃないかという議論も出てくるわけですよ。つまり、そういう審議の前提が今崩れているのが、防衛省の問題も財務省の問題も厚労省の問題も全部同じだということですよ。もう国会の審議の前提、信頼が本当に崩れていると。
異常事態で非常に懸念する状況だということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。


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