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2019

第198国会 参議院 本会議 2019年2月1日


○福山哲郎君 立憲民主党・民友会・希望の会の福山哲郎です。
会派を代表して、総理に対して質問をいたします。
本年、今上天皇陛下が譲位をされ、皇太子殿下が御即位されます。平成の時代が幕を閉じようとしています。新しい時代の始まりです。
立憲民主党は、結党して一年三か月が経過しようとしています。一昨年の臨時国会では私一人だった参議院の仲間が、昨年の通常国会開会時には六人、今年の通常国会では有り難くも二十七人の野党第一会派で臨むことになりました。この間御支援いただいた国民の皆様に心から感謝申し上げます。
これまでに四十二の都道府県連を設立、この一年間の中間選挙では、公認候補の約九割が当選をさせていただきました。国民の御期待を謙虚に受け止めながら、真っ当な政治を地方、中央から共に実現していきたいと思います。
立憲民主党は、日常の暮らしや働く現場の声に立脚した、多様性を認め合い、お互いさまに支え合う社会をつくりたいと考えています。そのために、介護人材確保法を始め、LGBT差別解消法、選択的夫婦別氏法、性暴力被害者支援法、手話言語法などの議員立法を提出、検討しています。成立に向けて全力を尽くす決意です。
一方、昨年は、安倍内閣は国会で真実を語らないことを国民に知らしめた一年でもありました。立法府と行政府の関係が完全に壊れています。森友学園での財務省の文書改ざんと国会での虚偽答弁、加計学園問題、働き方改革関連法のデータ不備、防衛省の日報隠し等々、どの問題一つを取っても、本来なら内閣総辞職に値するものです。
自らに向けられた批判をひたすら否認するばかりで積極的に検証を進めるそぶりすら見せない、安倍内閣の姿勢は悪い意味で一貫をしています。否認とは、精神分析用語で、不快な事実に直面した際に、圧倒的な証拠があるにもかかわらず、それを真実だと認めず、拒否することを言います。
残念ながら、野党の議席が少ない、自民党の自浄作用が全く働かない等々が相まって、安倍内閣の否認が続いており、内心じくじたる思いでいっぱいです。
政府に反省の色はありません。相変わらず誰も責任を取らず、丁寧に説明するとうそぶくばかりです。
政策決定、行政監視機能の実効性を高めるためには、公文書の適切な管理と公開が欠かせません。立憲民主党は、公文書管理法改正案や公文書記録管理院設置推進法案を提出しています。法案の審議と早期の成立を求めますが、総理の認識をお答えください。
そんな中、またもや毎月勤労統計の不正が発覚しました。正直申し上げて、うんざりです。
総理は、今年十月からの消費増税に当たり、アベノミクスが着実に成果を上げつつあることを重ね重ね強調されてきました。しかしながら、経済に対する現状認識に大きな疑問符の付く事態が生じています。毎日、信頼を損なう事実が次々と明らかになっています。二〇一八年は、何と実質賃金が実態はマイナスになる可能性すら出てきています。まさにアベノミクス偽装そのものです。
総理に伺います。昨年一月から十一月の実質賃金の実態はマイナスになるという認識かどうか、お答えください。精査中などという答弁でごまかさないようにお願いします。
厚生労働省は、五百人以上の事業所に対して本来全数調査を行うべきところを、二〇〇四年以降、そのルールを無視して、東京都内の約千四百の事業所について三分の一のみを抽出した調査をしていました。これによって、延べ二千十五万人もの方々への雇用保険や労災保険等の支給額が少なくなりました。
抽出調査を始めた理由が、特別監察委員会の報告書では全く明らかになっていません。抽出調査を行おうとした理由、意思決定したのは誰か、なぜそのことを発表しなかったのか、お答えください。
延べ二千万人以上の方々への過少給付に対して、総理は、不足分の速やかな支払や再発防止に全力を尽くすことで政治の責任をしっかりと果たしてまいりますと述べておられます。
総理、現在の受給者は約八十万人、現在の受給者以外の人にはどのように支給するのか、速やかな支払とは、いつ、どのような形で行うのか、具体的にお答えください。
一方で、二〇一八年以降、データの復元処理、調査対象の入替え等をして、給与水準の伸びが大きくなりました。復元処理を行うことは、いつ、誰の指示で行ったのか、そのことをなぜ公表しなかったのか、お答えください。また、給与水準が大きく伸びたことについて、官邸には報告があったのかなかったのか、併せてお答えください。
一昨日、総理は、今回の再集計により下方修正となった平成三十年の各月の伸び率の数値のみをお示ししてアベノミクスの成果であると強調したことはありませんと答弁をされました。しかしながら、国会の答弁で、したことがあるか否かなどは問題のほんの一部にすぎません。事態を矮小化しないでいただきたい。ましてや、数値のみなどと限定して否定しても責任は免れません。いつものごまかしです。
二〇一八年六月の現金給与総額について、三・三%増という公表値があり、実態は二・八%若しくは一・四%とも言われています。三・三%増を前提にあらゆる経済指標が作られ、参考に資しています。総理の答弁があったか否かではなく、経済全体でアベノミクスを実態より大きく見せようとしたと言わざるを得ません。このことについて総理はどう認識されているのか、お答えください。
特別監察委員会では、結局、厚労省職員の身内によるヒアリングが行われ、官房長や厚労審議官が同席して質問したり、報告書原案を厚労省職員が作成したり等々、第三者性が全く確保されていません。
そもそも、不正を始めた動機や背景等、多くのなぜが何も明らかになっていません。それにもかかわらず、組織的な関与や隠蔽だけを否定するようなお手盛りの中間報告書になっています。真相解明よりも事態の鎮静化を優先しようとした政府の意図があったと言わざるを得ません。
特別監察委員会による再調査について、メンバーを総入替えをした上で、第三者委員会を改めて立ち上げ直すことも含めて、徹底した調査と原因分析の実施を求めますが、総理の見解を伺います。
根本厚労大臣は、昨年十二月二十日に事務方から報告を受けながら、それを公表しないまま、翌日、来年度予算案の閣議決定に署名をし、不正な調査方法による勤労統計調査の十月確報値の発表を放置しました。それこそ、ただ漫然と不正を放置して隠蔽しようとしていたと言われても仕方がありません。
説明の度重なる訂正、身内によるお手盛り監察、そして来年度予算案の閣議決定への対応、これらを見ても、根本厚労大臣は大臣の任にふさわしくありません。総理が根本大臣を罷免しないのであれば、その理由をお答えください。大臣を入れ替えて、信頼を取り戻して全容解明に努めるべきであると考えますが、総理の認識を伺います。
大規模な統計不正が明らかになり、我が国の統計全体に関する信頼が揺らいでいるところですが、SDGsについても統計の関係で指摘をしなければなりません。
政府は国連に対して、国連がSDGsの進捗把握に必要とする指標の四〇%しか提出できないと回答していると言われています。我が国の統計能力自体が疑われる事態ですが、総理、それは事実でしょうか。お答えください。
二〇一六年に閣議決定された政府SDGs実施指針の改定が来年度に予定されています。改定のプロセスにおいて、どのように様々な関係セクターの参加を図り、全員参加型での改定を実現するのでしょうか。総理、具体的にお答えください。特に、地方の声や、誰一人取り残さないというSDGsの精神にのっとり、子供、若者、女性、障害者、LGBT、限界集落に住んでおられる方々などの声をどのように反映するのか、併せて伺います。具体的にお答えください。
金融緩和と出口戦略についてお尋ねします。
アベノミクスの柱として行われている異次元の金融緩和は、既に導入から間もなく六年を経ようとしています。マネタリーベースは導入時の三倍を超えています。にもかかわらず、目標としてきた二%の物価安定目標の達成には至らない状況が続き、とうとう物価安定目標の達成時期をあえて明示しないことにしました。なぜでしょうか。
実質賃金が上がらず、可処分所得が増えない中で、消費が縮んでいることが理由ではないでしょうか。株価の高騰など、企業業績は上向き、株価は一定程度高値を維持しているものの、内部留保が増え、賃金に反映されない中で、経済の好循環が進んでいないことが原因なのではないでしょうか。この結果、過去最長の景気拡大局面と政府は言い続けていますが、何ら国民には実感がありません。
世界的に見れば、アメリカのFRBは二〇一五年から利上げを再開し、欧州中央銀行も昨年六月に年内の量的緩和政策の終了を決めるなど、市場との対話を慎重に行いながら、世界経済全体は、金融緩和からの脱却、出口戦略を見据えた市場の誘導を進めています。
異次元の金融緩和から六年。前にも後ろにも行けず立ち往生している金融緩和の出口戦略をどのようにお考えか、時期と戦略について総理の見解を求めます。
消費税率の引上げについてお伺いをします。
実質賃金の実態がマイナスなら、本当に本年十月から消費税率を引き上げるような経済環境になっているのでしょうか。
ポイント還元、すまい給付金や次世代住宅ポイント制度、住宅ローン減税の拡充、自動車の税負担の軽減は、結局のところ、税率引上げによって本当に生活が苦しくなる人々に手が届く施策とは思えません。プレミアム付き商品券も、その効果はいかほどか、お答えください。単なるばらまきではないでしょうか。
それに加え、軽減税率の導入です。国民にも企業にも極めて分かりにくい制度で、天下の愚策そのものです。
国費で二兆円の経済政策を計上し、軽減税率を導入することで、これほどの政策を行い、事務コストを掛け、中小企業に負担を掛け、国民に混乱をもたらしかねない消費税率の引上げは撤回すべきだと考えますが、総理の見解を伺います。
総理は、一昨日の衆議院本会議において、立憲民主党の枝野代表から、新たに導入される幼児教育の無償化では高所得者ほど恩恵を受けるのではないかという問いに対して、所得の低い方の保育は既に以前より公費を投じ負担軽減を図っているため、そのような指摘は当たらないと答弁をされました。
しかし、低所得者がその所得に応じた負担軽減を受けていることと、今回の幼児教育無償化に伴う格差の議論は、全く質を異にするものであります。意図的、悪質な議論のすり替えであり、不誠実な答弁です。幼児教育の無償化が導入をされることに伴い、これまで負担を軽減されることのなかった高所得者もその負担から逃れることになれば、高所得者の可処分所得は増え、結果、格差が拡大することは当然の論理です。更に言えば、保育園に入れなかった方は、この無償化の対象から外れることになります。
なぜその事実を認めようとしないのでしょうか。改めて、幼児教育無償化が格差の拡大につながるのではないかという点について、総理の見解を求めます。
昨年の夏は、国内各地で最高気温が観測史上一位を記録するなど、猛烈に暑い年でした。一方で、台風が頻繁に上陸し、西日本豪雨を始め各地で豪雨災害をもたらし、土砂災害も多発しました。本当に被災地には心からお見舞いを申し上げます。
気象庁によると、昨年の世界の年間平均気温は一八九一年以来四番目に高くなる見込みで、世界の年平均気温は百年当たり〇・七三度のペースで上昇しています。パリ協定における削減目標を各国が達成できても、二一〇〇年には三度以上上昇するとの指摘もされており、現在の削減目標の引上げは各国の喫緊の課題です。
しかしながら、我が国のエネルギー基本計画では、天然ガス発電の二倍ものCO2を排出する石炭火力発電が依然としてベースロード電源として位置付けられています。一方、世界では脱石炭の動きが広がり、欧州では二〇三〇年までに石炭火力を全廃すると表明し、我が国でも石炭などの化石燃料投資から金融業界が撤退する方針を発表しています。
G20諸国は世界の温室効果ガス排出の約八割を占めています。二〇一九年サミットの議長国である日本は、率先して削減目標を引き上げた上で、サミットで各国の目標引上げを提起すべきと考えますが、総理の認識を伺います。
トランプ大統領のパリ協定離脱は全く理解できません。安倍総理はトランプ大統領に、例えば、パリ協定からの離脱はやめた方がいいなどと説得したことがありますか。総理、お答えください。
トランプ大統領は、米国第一主義を更にエスカレートさせ、パリ協定ではなく、ユネスコ、万国郵便連合、国連人権理事会からも離脱するとしています。こうした国際場裏での米国の姿勢をどのように認識しているのでしょうか。戦後の世界の国際体制が揺らいでいます。総理に伺います。
一方で、安倍政権は原発ビジネスの国際展開を積極的に進めてきました。しかしながら、ベトナムは二〇一六年に国会が撤回決議を可決、リトアニアも計画凍結、トルコでは事業費が当初の見積りから倍増して計画が頓挫という状況です。直近では、日本の企業が英国での計画を凍結し、原発輸出は完全に行き詰まっています。原発の経済合理性が失われている現実を直視するべきです。それでも原発輸出を進めるのでしょうか。総理、お答えください。
立憲民主党は、他の野党と共同で原発ゼロ基本法案を国会に提出しています。全国各地でタウンミーティングを開催し、言わば国民との対話を経て提出したものです。今必要なのは、原発ゼロを決める政治決断です。総理は、原発ゼロというのは責任あるエネルギー政策とは言えないと言われますが、全く説得力がありません。
立憲民主党の枝野代表と私は、三・一一東日本大震災、原発事故のときの官邸メンバーです。原発事故に向き合った政治家として、一度暴れ出したら人間の手ではいかんともしようがない原発をこれ以上日本で稼働することはやめたいと考えています。これは、イデオロギーとか左や右ではなく、信念に近いものです。今から処理に数万年掛かる核廃棄物を未来に大量に残すなどという権利は、現在生きている私たちにはありません。
原発廃炉と省エネ、再生可能エネルギーへの転換は、原発輸出ではない新たな輸出産業となるものであります。不可能ではありません。なぜなら、二〇一一年に導入したFITによって、現在まで僅か八年弱で原発約二十基分に相当する再生可能エネルギーの設備容量が日本で生まれました。系統強化、燃料電池の普及等で新しい国づくりを加速するべきです。
原発のない新しい社会、町づくりをスタートさせ、原発輸出をなくし、再生可能エネルギーの普及拡大を進めることについて、総理の認識を伺います。
また、原発ゼロ基本法案の審議を行い、賛同いただきたいと考えますが、総理、いかがでしょうか。原発ゼロを参議院選挙の争点にするべきだと考えますが、重ねて見解をお伺いします。
就労外国人問題について伺います。
この問題は、日本の社会に大きな変革をもたらします。拙速ではなく、国民の合意を形成しつつ制度を練り上げていくべきと考えます。ところが、政府は、法案を数の力で無理やり成立させた上、様々な懸念に蓋をして、その実施を強行しようとしています。
問題点は山積しています。政府間文書の作成程度で、送り出し国の悪質な仲介業者の介在を本当に防止することができるのでしょうか。大都市に集中して就労をすることが想定できるのですが、必要な措置を講じるように努めるというだけで偏在を防ぐことができるのでしょうか。人手不足で悲鳴を上げている中小企業の人材は本当に確保されているのでしょうか。大企業とのすみ分けはどうするのでしょうか。結局、人手不足のところに人材は行かないのではないでしょうか。
これらの懸念事項への対応策は、我が党の議員が法案審議の際に繰り返し指摘したにもかかわらず、昨年末の基本方針には何も書かれていません。総理、これらの問題、疑問点について、一つ一つ具体的にお答えください。
北方領土問題についてお伺いします。
単純な疑問です。北方四島の領土交渉について、総理は我が党の枝野代表に、我が国が主権を有する島々と述べられました。河野外務大臣に至っては、交渉中だから何も言えないの一点張りです。片やロシア側は、南クリル全島の主権がロシアにあることを含めて第二次世界大戦の結果を完全に認めるべき、北方領土という呼称は認めない等々言いたい放題です。
外交的に今少し考えられない状況が続いています。総理、なぜ自国のポジションすら自国内で表明できないのでしょうか。理由があるのなら、お答えください。
沖縄における在日米軍基地問題についてお聞きします。
総理は、施政方針演説の中で、沖縄県民に寄り添うというこれまでの表現を使われませんでしたが、なぜでしょうか、お答えください。
昨年九月の沖縄県知事選挙において、自公推薦の候補は、普天間飛行場の一日も早い返還、危険性の除去、基地の負担軽減と訴えておられました。これは、いつもの安倍総理の発言と同じです。県知事選挙では、その主張が沖縄県民からノーを突き付けられたのです。民主国家として、玉城デニー知事を圧勝に導いた沖縄県民の民意を総理はどのように受け止められるのか、改めて伺います。
総理も地盤改良工事が必要であると答弁されたように、辺野古沖の埋立予定区域に軟弱地盤があることを政府も認識されています。そうすると、軟弱地盤の存在が埋立承認時には明らかになっていなかったという事実に基づいた沖縄県の埋立承認の撤回は、逆に正当性を持つのではありませんか。総理、お答えください。
さらに、その後、国交大臣が、防衛省が申し立てていた沖縄県の埋立承認撤回の執行停止を決めましたが、沖縄県の正当性ある承認撤回を止めることは逆に不適切だったのではないでしょうか。総理の認識を伺います。
また、総理は、沖縄防衛局において地盤改良に係る具体的な設計等の検討を行うと答弁をされていますが、設計変更が必要であるとの認識でよいでしょうか。併せて総理にお伺いします。
護衛艦「いずも」等の事実上の空母化については、専守防衛に関する従来の政府答弁を逸脱するものであり、事実上の敵基地攻撃能力の保有になると考えており、重大な懸念があります。
これまで政府は、専守防衛に逸脱するため、大陸間弾道ミサイル、長距離爆撃機、攻撃型空母の保有を禁じてきました。しかし、新たな大綱では、長射程のスタンドオフミサイルの整備が盛り込まれ、さらにF35B戦闘機の導入を打ち出し、現有の艦艇からの運用を可能とするような措置を講ずるとして「いずも」型の空母化に踏み切りました。
岩屋防衛大臣は、攻撃型空母について、戦闘機を常時搭載するわけではなく、多機能、多用途の護衛艦として運用する、専守防衛の範囲内と述べています。
では、皆さん、例えば、米国の空母ロナルド・レーガンでは、戦闘機等は通常、岩国基地に置かれていて、出航時にのみ空母に搭載されます。それでもロナルド・レーガンは攻撃型空母ではないというのでしょうか。まさに詭弁です。
それでも、専守防衛は維持していると強弁し、「いずも」は攻撃型空母ではないというのでしょうか。総理の見解をお伺いします。
立憲民主党は、男女半々の議会を意味するパリテ・ナウと称して、女性候補者の擁立を積極的に進め、パリテカフェ、パリテスクールを各地で開催しています。ジェンダー平等を進めていき、政党の体質改善を目指していく所存ですが、自民党におかれてはどのように取り組むおつもりですか。
また、我が党は、多様な人材が立候補しやすくなるような立候補休職制度、議員の出産、育児のための環境整備についても法制化の検討を始めました。各党にも御検討いただきたいと思いますが、このことについても総理の見解をお尋ねします。
結びに、赤ちゃんを授かった三人の私の友人の話を御紹介します。
トランスジェンダーのふみのさん、そのパートナーのあいさん、そしてゲイのゴンちゃんです。昨年、三人に待ちに待った赤ちゃんが生まれました。
ふみのさんは、生まれたときの性と自らの性別の認識が異なるトランスジェンダーです。男性として生きているふみのさんとあいさんは、パートナーとして暮らしています。あいさんは異性愛者の女性です。つまり、男女の恋愛です。あいさんの両親は、二人のことは当初は反対でした。生物学的には、二人には子供はできません。
二人は何度も話し合い、信頼できる親友から精子を提供してもらうことを決意しました。ゴンちゃんは、ふみのさんのLGBTの活動を共にする仲間でした。ゴンちゃんから精子が提供されて、何度かのチャレンジの後、妊娠。昨年、赤ちゃんを授かりました。そして、ゴンちゃんは月に何回か赤ちゃんの顔を見に行く生活をしています。そして、ふみのさんとあいさんと赤ちゃんとで今は暮らしています。今は三人の御両親もそれぞれ理解を示してくれています。
このプロセスには、長年の三人の葛藤やつらさ、どれほどの痛みと決意が重なり合って、今、その赤ちゃんが存在し、育っているのか。そして、家族を始めて周辺の皆様は、どれほど自らと向き合い、本当に苦しんでこられたか。そして、今現在はどれほどの喜びに包まれているかを、どうか想像してみてください。
彼ら三人の記事が一週間ほど前、インターネットで公開され、祝福のメッセージがあふれんばかり届きました。
日本には、子育て中のレズビアンカップルなど、他にも声を上げられていない多様な家族がたくさん存在しています。先般、国が滅びるなどという暴言を発した議員もいましたが、これでも自民党の杉田議員のように、生産性がないと切り捨ててしまうのでしょうか。
彼らは特別のことを求めているわけではありません。人として生きていく上で、普通に彼らのことを伝えられ、自然体にいられる環境をつくってくれればという願いです。LGBTカップルではなかなか住居が借りにくい、手術のときに身内としてサインができない、こんなことですら偏見や差別が存在します。
政治の役割はLGBTだけではありません。障害者もお年寄りも女性も含めて多様性を大切にし、当事者に寄り添い、法整備など制度改正等できることから始めることなのではないでしょうか。
先日発表された民間調査では、LGBTの人は全国の約八・九%、十一人に一人存在するという調査が出ています。これは、身の回りにおられる、例えば佐藤さん、鈴木さん、高橋さんなど、多い名字の一位から九位を合わせた数に匹敵をします。LGBT差別をなくすための法整備が必要と考える人の割合は七二%という結果も出ています。
社会は少しずつ変わってきています。いや、変えなければなりません。全国で十一の自治体がパートナーシップ制度を導入し、同性婚での違憲訴訟も始まっています。
立憲民主党は、LGBT差別解消法の制定や同性婚が可能になるような動きを支えていきたいと考えています。LGBT差別解消法について総理の見解を伺います。
安倍政権の一強多弱の状況が続き、乱暴な国会が常態化しています。その要因の一つは、約六年前、民主党政権が自壊し、国民の期待を大きく裏切ったことであると考えます。本当に申し訳なく思います。
だからこそ、立憲民主党は、その反省の上に立って結党しました。平成の次の時代に、自民党に代わる新しい価値、今後の新しい社会の在り方を提示し、国民に御期待をいただき、社会を変えていく、その役割を担わせていただきたく思います。もう一度、政権交代への山を一歩一歩登り始める決意です。
多様性を認め、お互いさまに支え合う、そんな社会を一人一人の皆様と共につくっていきたいと考えます。立憲民主党は、これまで同様、右でも左でもなく前へ進むことを誓いまして、私の質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福山哲郎議員にお答えをいたします。
公文書管理についてお尋ねがありました。
政府としては、一連の公文書をめぐる問題を踏まえ、昨年七月、文書管理の実務を根底から立て直すべく、公文書管理の適正化に向けた総合的な施策を決定したところです。決定した施策については全て着実に実行に移しているところであり、引き続き適正な公文書管理の徹底に万全を期してまいります。
なお、御指摘の法案については、その取扱いも含め、国会において御議論いただくべきものと考えています。
昨年の実質賃金についてお尋ねがありました。
昨年一月から十一月の実質賃金の算出が可能かどうかについては、担当省庁において検討を行っているものと承知しています。
毎月勤労統計の平成十六年の抽出調査の開始についてお尋ねがありました。
毎月勤労統計について不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわび申し上げます。
平成十六年から東京都の五百人以上規模の事業所について抽出調査とされた理由は、規模五百人以上事業所は東京都に集中しており、全数調査にしなくても精度が確保できるためだったと当時の担当者が説明していると承知しております。
厚生労働省の特別監察委員会においては、先般、それまでに明らかになった事実等について報告を取りまとめていただいたところですが、さらに、独立性を強める形で関係自治体へのヒアリングなども行い、厳正に検証作業を進めていくものと承知しております。
雇用保険、労災保険等の給付の不足分のお支払についてお尋ねがありました。
雇用保険、労災保険などの給付の不足分については、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を講じていきます。
具体的には、現に雇用保険等の給付を受給している方については、三月中には本来支給すべき金額での支給を順次開始できるよう準備を進めているところです。過去の給付の不足分については、システム改修時の準備を進めており、速やかに国民の皆様にスケジュールをお示ししてまいります。
毎月勤労統計の事案について、平成三十年以降の調査における復元処理についてお尋ねがありました。
平成三十年から実施されたサンプリング等の見直しは、毎月勤労統計の改善に向けて、統計委員会を始めとする専門家の検討を経て統計的な観点から行われたものであります。
同時期において厚生労働省の担当者が復元処理を行うようシステム改修したのは、こうしたサンプリング等の見直しがうまく機能するようにしたためなどと説明していると承知しています。
また、毎月勤労統計調査の公表内容については、公表の都度、厚生労働省の事務方から官邸に対し事務的にその内容の連絡がなされているものと承知しています。
いずれにいたしましても、引き続き、特別監察委員会において、より独立性を高めた形で厳正に検証作業を進めていただいております。
政府の経済情勢の認識についてお尋ねがありました。
まず、私は、今回の再集計により下方修正となった平成三十年の各月の伸び率の数値のみをお示ししてアベノミクスの成果であると強調したことはありませんし、この数値のみを使って雇用・所得動向を判断しているわけではありません。御指摘の昨年六月の伸び率三・三%は再集計により二・八%に修正されておりますが、再集計値においても増加傾向が続いていることには変わりはありません。
また、念のために申し上げておきますが、御指摘の一・四%という数字は参考指標として公表されている共通事業所の前年比であって、三・三%から修正された値ではありません。なお、この参考指標については、従前の公表値で一・三%であったものが、従前の公表値で一・三%であったものが今回の再集計で一・四%に修正されており、再集計でそれほど大きな影響を受けていないと承知しています。
いずれにしても、これらの状況を総合的に勘案すると、雇用・所得環境が着実に改善しているとの判断に変更はありません。
特別監察委員会の調査についてお尋ねがありました。
厚生労働省の特別監察委員会においては、先般、それまでに明らかになった事実等について報告書を取りまとめていただいたところですが、さらに、事務局機能を含め、より独立性を強めた形で更に厳正に検証作業を進めていくものと承知しています。
今回のような事態が二度と生じないよう徹底して検証を行い、信頼を取り戻すことが何より重要であり、再発防止に全力を尽くすことで政治の信頼をしっかりと果たしてまいります。
毎月勤労統計の事案に関する根本大臣の対応や責任についてお尋ねがありました。
根本大臣は、十二月二十日に事案を把握した後、必要な指示を行いつつ、全力で対応に当たってきたものと認識しております。根本大臣には、不足した給付の速やかな支払や今回の事案の徹底した検証、再発防止に引き続き全力で取り組んでいただきたいと考えています。
SDGsについてお尋ねがありました。
本年予定されているSDGs実施指針の改訂に当たっては、誰一人取り残さないとの理念の下に、市民社会、経済界、国際機関を始め幅広い関係者で構成されるSDGs推進円卓会議において、地方の声や、子供、若者、女性、障害者、LGBT、限界集落に住んでおられる方々など、様々な方々の声を反映するように努めてまいります。
また、国際連合が掲げるSDGsの進捗を測定するための指標のうち、現在我が国から報告が可能である見込みのものは約四〇%となっています。残りの指標には、国際的にも作成方法や定義が定まっていないものや、我が国における作成について検討する必要があるものも数多く含まれております。引き続き、政府内で協議を進めていくこととしております。
なお、米国は三三%、イタリアは四五%、フランスは四六%、ドイツは五四%となっており、必ずしも我が国の統計能力が疑われるような水準であるとは考えていません。
金融政策についてお尋ねがありました。
二%の物価安定目標の達成時期については、日本銀行が昨年四月に公表した展望レポートにおいて、二%程度に達する時期の見通しに関する記述が削除されました。この点については、黒田総裁は、市場の一部では、達成時期の見通しを二%の達成期限と捉えた上で、その変化を政策変更に結び付ける見方も根強く残っているところ、金融政策スタンスを誤解されるおそれがあるため削除した旨を説明しています。
また、黒田総裁は、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを目指すという点は何ら変わるところはないものと説明しており、政府としては、引き続き、日本銀行が、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待しています。
経済の好循環については、政権交代後、金融政策を含めたアベノミクスの三本の矢で取り組み、名目GDPは一割以上成長し、もはやデフレではないという状況をつくり出しました。
そうした状況の中で、国民生活にとって最も大切な雇用は大きく改善しており、この五年間で生産年齢人口が四百五十万人減少する中にあっても、就業者数は二百五十万人増加し、賃上げも、連合の調査によれば、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが実現するなど、確実に経済の好循環が生まれています。
引き続き、政府、日本銀行で緊密に連携しながら、あらゆる政策を総動員して、デフレ脱却、そして力強い成長を目指してまいります。
なお、出口戦略については、金融政策の具体的な手法は日本銀行に委ねられるべきと考えており、私は黒田総裁の手腕を信頼しております。
消費税率引上げについてお尋ねがありました。
消費税率の一〇%への引上げは、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものです。
これまでも、反動減等に対する十二分な対策を講じた上で、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であると繰り返し申し上げており、この方針に変更はありません。
その上で、消費税率引上げに当たっては、所得の低い方々など、真に支援を必要とする層にしっかりと支援の手が行き届くことが重要です。
まず、消費税率引上げに伴い、所得の低い方々への配慮として、食料品等を対象に軽減税率制度を実施します。
また、消費税率引上げによる増収分を活用して、所得の低い方々に対して、介護保険料の軽減の拡充、年金受給者への給付金の支給等の措置を講じることとしているほか、ゼロ歳から二歳までの住民税非課税世帯の子供の幼児教育を無償化するとともに、来年四月から真に支援を必要とする所得の低い世帯の高等教育の無償化を実施することとしています。
加えて、所得の低い方々等に対しては、税率引上げから一定期間使用できるプレミアム付き商品券を発行、販売します。
こうした措置を総合的に勘案すれば、所得の低い世帯に手厚く、全体として逆進性に対して十分な緩和策になるものと考えています。
また、今回の消費税率の引上げに当たっては、消費税率八%への引上げ時の反省の上にあらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応することとしています。いただいた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとしてまいります。
幼児教育の無償化についてお尋ねがありました。
今般の幼児教育の無償化は、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策と、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育、保育の重要性に鑑み、未来を担う子供たち、子育て世代に大胆に投資するものです。これは、小学校、中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。
高所得者ほど恩恵を受けるとの指摘については、元々所得の低い方の保育料は既に公費を投じ負担軽減を図っており、さらに、安倍政権では、低所得世帯を中心に先んじて段階的に無償化の範囲を拡大してきており、今回の無償化による公費負担額のみをもって高所得者層ほど大きな恩恵を受けるとする御指摘は当たらないと考えています。
さらに、格差の拡大につながるとの御指摘については、三歳から五歳までの子供の無償化に加え、ゼロ歳から二歳までの子供たちについて、住民税非課税世帯を対象として進めるほか、平成三十二年度から真に支援を必要とする低所得世帯を対象とした高等教育の無償化を実施することとしています。このように、今般の教育の無償化は、全体として見れば低所得世帯に十分配慮したものとなっています。
こうした次元の異なる政策を実行することにより、子育てや教育に係る負担を大幅に軽減し、日本を子供たちを産み育てやすい国へと大きく転換してまいります。
温室効果ガスの削減目標についてお尋ねがありました。
パリ協定が掲げる、今世紀後半に温室効果ガスの人為的な排出と吸収を均衡させるとの野心的な目標の達成に向けて、削減目標について、実効性に裏打ちされない数値の引上げを論ずるより、目標達成への具体的な道筋、すなわち大幅な排出削減を実現するために必要なイノベーションを生み出すための方策を論ずることが重要です。世界の英知を結集して、人工光合成や水素利用の技術など、革新的なイノベーションを起こすことが目標達成への最短の近道であると考えます。
本年六月のG20大阪サミットでは、二十か国の科学技術のリーダーたちを日本に招く新たな国際会議の創設を提案し、イノベーションの創出に向けた国際協力を抜本的に拡大したいと考えています。
さらに、ESG投資がこの五年で九兆ドル拡大する中で、こうした分野でのイノベーションに向けた民間投資が一層積極的に行われるような企業の情報開示の在り方も大きなテーマであると考えます。
あらゆるイノベーションの可能性を世界と共に追求しながら、G20サミット議長として気候変動問題への対応にリーダーシップを発揮したいと考えています。
米国のパリ協定脱退等についてお尋ねがありました。
パリ協定については、G7タオルミーナ・サミットの際に、私から、時間を掛けて他のG7首脳と共にトランプ大統領に対して協定から脱退しないよう働きかけましたが、結局、米国がパリ協定からの脱退を表明したことは残念です。
気候変動問題は国際社会が取り組むべきグローバルな課題であり、その後も、米国の関与が引き続き重要であることにつき、私自身も含め、様々なレベルで米国に対し働きかけを行ってきています。
国際機関と米国の関係についてコメントすることは控えますが、国際社会が直面する主要な課題に対処していく上で米国の関与は不可欠であり、トランプ大統領との揺るぎない信頼関係の下、日米で緊密に連携し、地域や国際社会の平和と繁栄に積極的に貢献してまいります。
原発輸出、原子力政策についてお尋ねがありました。
経済合理性があらゆるプロジェクトの大前提であることは言うまでもありませんが、原発の建設などに伴うコストは、各国の立地環境や国内制度、経済情勢などによって異なるものであり、一概に申し上げることはできません。
その上で、我が国の原子力技術、人材の基盤を維持強化しながら、世界における原子力の平和利用、気候変動問題への対応などにしっかりと責任を果たしていくとの観点から、今後とも、原子力に関する国際協力を推進していく考えであります。
同時に、我が国においては、現在、多くの原発が停止している中で、震災前に比べて一般家庭で平均約一六%電気代が上昇し、国民の皆さんに経済的に大きな御負担をいただいている現実があります。
議員提出法案の扱いについては国会がお決めになることであり、また、参議院選挙について内閣総理大臣としてお答えする立場にはありませんが、資源に乏しい我が国にとって、こうした経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えません。
いずれにせよ、徹底した省エネ、再エネの最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する、これが政府の一貫した方針であります。
新たな外国人材の受入れについてお尋ねがありました。
まず、悪質なブローカーの排除については、現在、九か国との間で情報共有の枠組みの構築を内容とする二国間取決めの締結を目指しているほか、外国人材が保証金を徴収されているなどの場合には、特定技能の在留資格での受入れができないこととする方針です。新設される出入国在留管理庁は、このような観点から、受入れ機関や外国人材について厳格な審査を実施してまいります。
また、大都市圏等に外国人が過度に集中することを防止する観点から、政府としては、地方で就労するメリットの外国人への周知、外国人の地方定着を促進する優良事例の受入れ機関や地方自治体への紹介、地方自治体の外国人受入れに係る先導的な取組に対する地方創生推進交付金による支援などの取組を行ってまいります。
受入れ機関が参加する分野別の協議会を設け、地域ごとの外国人の就労状況を把握するとともに、過度な集中が認められた場合には、受入れ機関に対して受入れ自粛の要請を行うなどの措置を講じることにより、地域の人手不足にも適切に対応してまいります。
また、今回の制度を施行することにより、人材の充足率の低い中小・小規模事業者においても外国人材の受入れが進むと考えておりますが、大企業への偏在が生じた場合には、特定地域への過度な集中が見られた場合と同様に、協議会の場を活用するなどして、中小・小規模事業者の受入れが確保されるよう対応してまいります。
これらの取組を推進することにより、四月からの新たな外国人材の適切な受入れに努めてまいります。
北方領土問題についてお尋ねがありました。
北方領土は、我が国が主権を有する島々です。この立場に変わりはありません。
その上で、我が国の交渉方針や考え方について、交渉以外の場で言うことは交渉に悪影響を与えることになるため、お答えすることは差し控えます。
戦後七十年以上残された課題の解決は容易ではありません。しかし、私たちはこれをやり遂げなければなりません。平和条約は、日本側にとってもロシア側にとっても受入れ可能なものでなければなりません。
政府として、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、引き続き粘り強く交渉してまいります。
施政方針演説の表現及び沖縄県知事選挙についてお尋ねがありました。
今後とも、沖縄の方々の気持ちに寄り添い、基地負担の軽減に全力を尽くす、その思いには何ら変わりはありません。
今回の施政方針演説では、二十年以上に及ぶ沖縄県や市町村との対話の積み重ねと申し上げ、そのような思いを込めたつもりであります。
沖縄県知事選挙の結果については真摯に受け止めています。
その上で、地方自治体の首長選挙の結果について政府の立場で見解を述べることは差し控えたいと思います。
住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は絶対に避けなければなりません。これが大前提であり、政府と地元の皆様との共通認識であると思います。
今後も、地元の皆様と様々な形で意見交換、意思疎通を図りながら、基地負担の軽減に全力で取り組んでまいります。
埋立承認の撤回、執行停止、埋立予定海域の地盤についてお尋ねがありました。
沖縄防衛局が行った審査請求及び執行停止の申立てについては、公有水面埋立法の所管大臣たる国土交通大臣により、関係法令にのっとり執行停止の決定が行われたものと承知します。
これは、法治国家として法律に基づき必要な法的手続が行われたと認識しており、これを尊重すべきものと考えています。
また、埋立承認の撤回については、現在、審査請求の手続中であり、公有水面埋立法の所管大臣において関係法令適用の見地から判断されるものと承知しています。
このため、私の立場で評価を申し上げることは差し控えたいと思います。
米軍キャンプ・シュワブの北側海域については、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認されたと聞いており、設計を変更し、地盤改良工事を追加することに伴い、まずは沖縄防衛局において必要な検討を行っていくものと承知しております。
今後とも、普天間飛行場の全面返還を一日も早く実現するため、移設を進めてまいります。
「いずも」型護衛艦の改修についてお尋ねがありました。
政府としては、従来より、性能上専ら相手国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる、いわゆる攻撃的兵器を保有することは憲法上許されず、そのような兵器の例として、いわゆる攻撃型空母を挙げてきたところです。
「いずも」型護衛艦における航空機の運用と所要の改修は、新たな安全保障環境に対応し、広大な太平洋を含む我が国の海と空の守りについて、隊員の安全を確保しつつ、しっかりとした備えを行うものであり、今後の我が国の防衛上、必要不可欠なものです。自衛のための必要最小限度のものであり、憲法上保有が許されない攻撃型空母に当たるものではありません。
我が国憲法上保有が許されない攻撃型空母についての考え方は、あくまでも我が国が自ら保有する艦船についてのものであり、他国が保有する艦船についてこれを当てはめるべき性格のものではないと考えています。また、このため、他国が保有する艦船について、かかる考え方を当てはめて評価することは適当でないと考えています。
なお、我が国は、いわゆる敵基地攻撃については、日米の役割分担の中で米国の打撃力に依存しており、今後ともこうした日米間の基本的な役割分担を変更することは考えておりません。
また、スタンドオフミサイルは、専守防衛の下、隊員の安全を確保しつつ、我が国の防衛に万全を期すために必要不可欠なものです。
専守防衛は、憲法の精神にのっとった我が国防衛の基本方針であり、今後とも堅持してまいります。
政治におけるジェンダー平等についてお尋ねがありました。
自民党の取組について、私が内閣総理大臣としてこの場でお答えをすることは差し控えます。その上で、一般論として申し上げれば、価値観が多様化する時代にあって、女性の参画、女性目線での政策立案は、これからの政治にとって不可欠であると考えます。
他方、我が国においては、国会議員に占める女性の割合が国際的に見ても低い現状があります。昨年、自民党の議員も加わった超党派議連の皆さんの御尽力により、政治分野における男女共同参画推進法が成立したところであり、女性候補者の積極的擁立など、政治における女性活躍の推進に向けて、今後もリーダーシップを発揮していく考えであります。
多様な人材が立候補しやすくするための取組についてお尋ねがありました。
議員立法について内閣総理大臣としてコメントすることは差し控えますが、一般論として申し上げれば、価値観が多様化する時代にあって、お年寄りも若者も、女性も男性も、障害や難病のある人も、多様な人材が政治に参画できる環境を整えることは極めて重要であると考えます。
こうした考え方の下、立候補の際の休職については、現在でも労働基準法に一定の規定が置かれているものと承知しております。さらに、政府としても、地方議会において出産に伴う欠席を認めるよう要請するなど、取組を進めてきたところです。
その上で申し上げれば、国会議員やその立候補者の身分はまさに民主主義の土俵に関わる課題であることから、各党各会派の間で積極的かつ建設的な議論が行われることを期待しております。
LGBT差別解消法についてお尋ねがありました。
LGBTと言われる性的少数者に対する不当な差別や偏見はあってはならないことであります。多様性が尊重され、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に政府としてしっかりと取り組んでまいります。
なお、御指摘の法案については、その取扱いも含め、国会において御議論いただくべきものと考えています。(拍手)


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