2004 年 資 料

 

日付 国会 会議名 内容
2004/11/25 161 環境 米軍の普天間飛行場の移設問題について
2004/10/21 161 予算 Winny事件、政治とカネの問題等について
2004/3/9 159 予算 鳥インフルエンザについて

 

第161国会  参議院  環境委員会  2004年11月25日

米軍の普天間移設問題について


○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山でございます。
 今年選挙がありましたので久しぶりの質問でございまして、是非よろしくお願いしたいと思います。
 今日はお手元に、先生方の、委員の先生方のお手元に一枚のパンフレットをお配りをさせていただいています。
   〔資料配付〕
○福山哲郎君 米軍の普天間飛行場の移設問題について質問させていただこうと思っているんですが、このパンフレットの一番最後の見開きのページを見ていただきますと、これが辺野古の海岸の全域でございます。それに赤線で記されているような形で埋立てが行われ基地が移転をされるという状況で、今ボーリング調査が行われています。この件について大臣にお伺いしたいと思います。
 大臣が御就任されて以来、私は、環境税の問題や京都議定書の問題で大変元気なリーダーシップのある大臣が就任されたと喜んでおりました。是非、そのことをこの問題についても発揮をしていただきたいというふうに思います。
 まずは、十一月の二十二日、小池大臣が沖縄に行かれました。その場で米軍のブラックマン四軍調整官と会談をした折に、この普天間の飛行場の移設問題について、代替地への移設を急がなければならないと述べられたというふうに報道されていますが、それは事実でしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 新聞記事はその一部を取ったものでございますが、その流れをもう少し正確に申し上げますと、まず今回のこの辺野古への代替施設がその場所が決まって、そしてその後、これから今ボーリング調査が行われ、建設が行われてということで、ブラックマン調整官は、十四年これから掛かるということを、これは長過ぎるのではないかというような御指摘があった。それに対して、前回の米軍ヘリの事件なども踏まえまして、どのようにして普天間の地域から代替施設へ早急に移動するかということも求められているわけでございまして、その意味では代替施設の建設十四年という長さということについて、私は代替施設の建設は急がなければならないと。それはすなわち市街地に所在します普天間飛行場の一日も早い移設・返還というここがベースになっているわけでございまして、そういった旨で申し上げたところでございます。
 ただ、その際も申し上げたんですけれども、移設までの間の普天間飛行場の安全確保についても併せて申入れをいたしたところでございます。また、今様々な環境の面での調査が行われておりますが、これを短くしろという、そういう趣旨で言ったものではございません。
○福山哲郎君 沖縄北方担当大臣としての御発言としては分からなくはないんですが、環境大臣としては、これからアセスメントがされると、そして今、方法書の議論がされている最中ですから、百歩譲って代替地への移設を急がなければならないではなくて、アセスメントを早急に行うべきだということなら私は理解ができるんですが、こういう状況で、例えば小池大臣は、いろんな状況で、環境に目を光らせたいとか、さはさりながらスピード感を持って進めていくとか言われているんですが、こういう議論されると、環境への十分な配慮が損なうおそれがあるのではないかと私は危惧をしていますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) これは環境大臣でなくとも、内閣の一員として、この普天間飛行場への一日も早い移設・返還ということを全力で取り組む、これが政府の基本方針でございますので、それを進めていかなければならないと、このように考えております。
 ただ、環境大臣として、これまでも助言を求められていたそれぞれの段階において助言を求められる際には、環境に対しての十分な配慮をしていただくということで、非常に細かく指摘もさせていただいているところでございます。
 日米安保ということの抑止力ということの認識、これがベースにもあるわけでございまして、そしてかつ環境を守っていくというこの二つのファクターをどのようにして取り組むかということ、これはバランス感覚、そしてまた時には、内容によってはスピード感も必要ではないかと、このように思うところでございます。
○福山哲郎君 ちなみに、今回沖縄に行かれましたときに、大臣は事務方としては環境省から事務方の職員を一緒に連れていかれましたか。
○国務大臣(小池百合子君) ちなみに、今回の視察は座間味の方にも出向いたと、それから大学院大学のサイトを視察をしてということで、今回の視察につきましては内閣府の仕事として前半参りました。最終日に東アジアの環境高級事務レベル会議というので、そこでごあいさつをする際の要員といたしまして環境省の人間を一人連れてまいったということでございます。
○福山哲郎君 余り細かいことを言うつもりはないんですけれども、実は二十二日に大臣が沖縄で発言をされたときには沖縄北方の担当の役所しかいないと、環境省としてのブリーフなり発言をするような状況にはないわけですよね。そこで実は環境との配慮についての発言があったわけです。要は、代替地への移設を急がなければならないという発言があったわけです。
 私は役人を全部連れていくことが重要だとは思いません。大臣のリーダーシップで大臣が発言をされたことですから、重みがあると思います。しかしながら、世間も、例えば環境団体にしても、環境大臣が沖縄に来てこの代替地について発言をされるということは、当然環境大臣としての立場も踏まえて発言をされているというふうにみんな取るわけです。期待もされているわけです。
 私は、大学院を見に行かれることも、ほかの水族館を見に行かれることも別に全然構いません。しかし、現実にボーリング調査が行われ、いろんな形で今反対運動も起き、実際報道もされている状況の中で、沖縄まで行かれてなぜ現地に行かれなかったのか、その点についてお答えをいただきたい。
○国務大臣(小池百合子君) 今回、沖縄を視察に参りましたのは二回目でございます。沖縄も大変見るところが、また担当大臣として視察をしておくべきところ、今回は例えば台風の被害に遭いました座間味の島の現状なども見てまいりました。また、観光産業ということで、エコツーリズムの一つでもあります美ら海水族館なども見ていかなければならない。これからも様々な、与那国まで行くにはかなり遠いですし、島は数あるわけでありますし、いずれにいたしましても、代替施設の辺野古の地には一回目のときに参らせていただきまして、陸上からでございますけれども、予定地ということを拝見させていただいたところでございます。
○福山哲郎君 これがいわゆる希少生物のジュゴンです。(資料提示)先生方御案内のとおりですが、写真を幾つかお回しをさしていただきます。そして、現状、今現地ではボーリング調査が行われまして、反対派の皆さんと多少小競り合いが行われています、事業者側との間でですね。その状況がこの写真にあります。警戒線というのがあって、その周りをいろいろな反対の方々がこのような形で動いておられまして、中にはこういう巨大な作業船の横で小さい船で反対運動の方が行かれています。
 私は今日、基地についての反対、賛成のことを述べるつもりは全くございません。しかし、現実に大臣が沖縄に入られたときにこういうことが現場で行われています。聞くところによれば、潜っている反対派の人たちに対して、事業者サイドがレギュレーターを手に掛け水中眼鏡を取り上げたり、シュノーケリングから上がってくるところを上から押さえたりけったりとか、またカヌーのアンカーを外してそれを投げ付けるとか、いろんなことが行われていると。
 私は別に事業者サイドだけが悪いとは思いません。それぞれの現場で多分過熱をしてきて、お互いがかっかをしてきて、いろんな形で危険が生じる可能性があるというふうに思っていますが、こういう状況を大臣は今どのように把握をされていますか。
○国務大臣(小池百合子君) 普天間の代替移設建設事業に対しての地元の皆様方などによります抗議行動が行われているということは承知をいたしております。今沖縄に参りますと、テレビなどでも各局がそれぞれそういった行動などについても報道しておられるわけでございまして、それについても沖縄のテレビで拝見をさせていただいたわけでございます。
 ボーリング調査などの実施に当たって事業者でありますのは、御承知のように、防衛施設庁ということでございますが、防衛施設庁の方で幅広い理解を求めながら進めていただくというのが基本の考えでございます。
○福山哲郎君 これ、例えば人道的に多少人的な被害が起こってくるようなこともあって、非常に今危険な状況だというふうに現地から私も承っているんですが、このことに対しては大臣はどのように認識をされていますか。
○国務大臣(小池百合子君) お互いに節度を守って、そして抗議行動なども私もしっかり耳は傾けているつもりでございます。毎日百件以上はメールちょうだいいたしております。しっかりそういったことも踏まえまして、そしてお互いが安全に進みますことを願っている次第でございます。
○福山哲郎君 何か人ごとみたいな発言ですが、防衛施設庁は今の現地の状況についてどのように把握をされているか、お答えください。
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 私どもとすれば、普天間飛行場を早期に移設・返還するためには、平成十一年度の閣議決定に基づき、代替施設の着実な建設に向けて全力で取り組んでいくことが重要であると考えております。
 ボーリング調査につきましては、代替施設の建設工事に先立ち、代替施設の護岸構造の検討に必要なデータ等を収集する目的で調査しているものでありまして、沖縄県の同意を得て実施しているものでございます。
 那覇防衛施設局におきましては、調査の具体的な内容、環境配慮方策を盛り込んだ作業計画等を作成しまして、名護市議会議員、地元行政区等の方々に説明し、また座り込んでおられる方々に対しても同局職員が調査の必要性、内容等について説明するなど、必要な手順を踏んでいるものと認識しておりますけれども、さらに、先般、ボーリング調査に対してどのように環境に配慮するかについて説明する機会を設けることが適切であると考えまして、沖縄県、名護市と協力しまして、名護市議会議員、地元行政区の方々に対する説明会を開催したところでございます。
 当庁としましては、ボーリング調査についても、自然環境に十分配慮しつつ、安全対策に万全を期して円滑に実施するとともに、引き続き、地元地方公共団体等の理解を得るために必要な努力を行っていきたいと考えております。
○福山哲郎君 その安全確保が今ちょっと危うくなっているんですね。
 これ、万が一けが人が出たり人的な被害が出ると、余計に事業者側としては事業をやりにくくなるし、環境省としてもお立場上は非常にまずくなるのではないかというふうに思っているわけですが、環境大臣、もう一言何かお答えをいただけませんか、これに対して。
○国務大臣(小池百合子君) それぞれ安全に気を付けていただきたいと、もうこの一言に尽きます。
○福山哲郎君 そんなさなか、いわゆるアセスメントの報告書の問題について、県の環境影響評価審査会が、このボーリング調査については、異例とも思える、枠組み外にもかかわらず、委員の皆さんからこのボーリング調査は環境への影響がでか過ぎるという議論が出てまして、湾岸構造の詳細な検討のための地質調査及び海象調査により少なからず環境への影響が生じることから、これらの調査の実施による環境への影響を十分に検討させた上で実施させる必要があるというような異例の答申を出してきました。
 正にアセスの方法書の議論がされているときに、工事が今強硬にやられようとしています。現実問題としては、アセスをこれからやろうという議論をしているわけですから、その中でボーリング調査をしても構わないのではないかという専門家の意見もありますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 県の審査会の答申についての考えはどうかということでございますけれども、位置付けといたしますと、これは沖縄県内部の手続ということで、環境省として現時点でのコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 ただ、このボーリング調査については環境省からも助言を行ってまいりました。ジュゴン、サンゴ、そして海草の藻場などへの環境影響をできるだけ回避するようにということで、事業者であります防衛施設庁において適切に対応していただきたいと、このように考えているところでございます。
○福山哲郎君 時間がないので余り突っ込みたくないんですが、なぜコメントは差し控えさせていただくことになるんでしょうか。だって、環境への配慮を十分にするようにといって環境省は言われているわけでしょう。
○国務大臣(小池百合子君) 沖縄県内部の手続が今執り行われているところでございまして、来週にはそれが出てくると。今の段階で環境省がこうだと言うと、むしろ沖縄県内の手続の方に何か影響を与えてしまうということで、この沖縄県内部の手続の結果を待っているところでございます。
○福山哲郎君 ということは、結果が出た後は環境省としてはコメントを出される、何らかの意見を言われるというふうに私は受け取らせていただきますが、防衛施設庁はこの県の答申の中身についてはどのように今見解をお持ちですか。
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 ボーリング調査の実施につきましては、環境に配慮しつつ調査が実施できるよう、ジュゴンや海草藻場、サンゴ等への配慮の方策を盛り込んだ作業計画を作成した上で、もう沖縄県から四月九日、同意を得て実施しているところでございまして、沖縄県からの環境配慮事項も踏まえた措置を講ずるなど、自然環境に十分配慮しながら実施しているところでございます。
 沖縄県環境影響評価審査会は沖縄県内部の手続として開催されているものでありまして、去る十一月十九日に沖縄県に対し、今御指摘のような内容を含んだ答申がなされたものと報道を通じて承知しているところでございます。
 私どもとすれば、このような当審査会の性格上、答申の具体的な内容についてまだコメントする立場にはございませんけれども、今後、沖縄県知事から提出される方法書についての意見などを踏まえ、最終的に環境影響評価の方法を決定するなど、適切に事務を進めてまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 少し意味合いが違うんですね。環境影響評価の方法を決定するんじゃなくて、その事前のボーリング調査に対して議論が枠外というふうにもかかわらずされていると。そのぐらいこのボーリング調査に対しての環境影響について議論がされているということを防衛施設庁も御認識をいただきたいんですが。
 先ほど大臣が環境に配慮をしてと言われました。そして、正に大臣が向こうに行かれているその日に、これ現地の写真ですが、いわゆるサンゴ礁を足場が破損をしたという、これ現場の写真でございます。(資料提示)これが出てきて、現実にサンゴ礁等に危害が加わると。この足場は一か所だけではありません。これから何か所も何か所も建てられるわけです。もう最初に始まった途端こういう状況になっていることに対して、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 足場の工事によりますサンゴの被害については、今防衛施設庁の方で確認中だというふうに聞いております。
 防衛施設庁では、今年の四月に実施時の環境への配慮事項ということで作成しておられまして、環境省の助言、そして沖縄県から示された配慮事項を踏まえて、足場などの設置に際しては、改めて、調査場所周辺の藻場、サンゴの状況を確認して、藻場の破壊、踏み付けなどの環境攪乱をできるだけ避けるために設置作業を慎重に実施するとされておられますので、防衛庁にはしっかりとその点を配慮して適切に対処していただきたいものと考えております。
○福山哲郎君 いや、議論があるんですから、その環境省の助言や県との議論の中で作られた作業計画がここにあるわけです。大臣ももちろん御存じだと思います。ここに、サンゴの影響面積についてはおおむねなしと。確かに、おおむねというのはゼロではないという議論がそれはできないわけではないんですが、サンゴの影響面積についてはおおむねなしというふうに出ているのに、もういきなり始まった途端、今写真でお配りしているような状況なわけです。
 このことについて防衛施設庁はどのように認識をされていますか。
○政府参考人(河野孝義君) お答えいたします。
 ボーリング調査に使用する足場の設置箇所につきましては、代替施設建設場所及びその周辺にサンゴの被度、これはサンゴが海底面を覆っております投影面積の割合でございますけれども、これが五%以上の区域が周辺に多くはございますけれども、このような比較的高い密度でサンゴが存在している区域について、足場設置によるサンゴへの回避を、回避するよう選定したところでありまして、作業計画においてサンゴの影響はおおむねなしと記載されているのもこの点を述べているものでございます。
 今般の足場の設置箇所はサンゴの被度が五%未満の区域でありますが、ボーリング調査の実施に当たっては、沖縄県から示された環境配慮事項等を踏まえ、足場等の設置に際しての設置位置の微調整や足場等の設置作業を慎重に実施する等、自然環境にも十分配慮して行っているものでございます。
○福山哲郎君 いやいや、行っているけれども実際に被害が出ているんですが、それはどうなんですか。行っておられるのは分かりますが、行っているけれども被害が出ていることに対してはどうなんですか。
○政府参考人(河野孝義君) 足場等の設置状況やサンゴへの影響の有無等につきましては、調査中及び足場等の撤去後においても海底状況を潜水作業により把握することとしております。それで、昨日、十一月二十四日は波が高くございましたので、設置後の確認ということは、現地での天候状況等許せば、できるだけ速やかに確認したいと予定しております。
○福山哲郎君 いつ調査が出てくるんですか、結果は、めどとしては。めどはいつぐらいに調査が出てくるんですか、その今言われた調査中でございますという。
○政府参考人(河野孝義君) 調査を実施するに当たりましては、沖縄県の環境配慮事項等もございまして、いろんな段階で、環境モニタリングといいますか、環境監視しながらやっております。それで、各作業等が段階が進みますごとに調査結果も報告、また公表しながら進めているところでございます。
 今回言われた件、今回の場所につきましては、先ほど言いましたように、御説明しましたように、できるだけ早く確認して、また県等にも報告したいという考えでございます。
○福山哲郎君 今日、残念ながら時間がないんですが、大臣、今現実に辺野古沖ではいろんな小競り合いがあって、先ほど申し上げましたように、ひょっとすると人的な被害が出るかもしれないような、少し緊張が高まっているというのが一点。それから、県の審議会の方では、このボーリング調査は環境に影響が余りにも大きいというような意見が委員からどんどんどんどん出されているという件が二点目。そして三つ目は、正に今日ですが、バンコクの国際自然保護連合、IUCNの総会で、ジュゴンなどの希少生物や、保護とアセスの見直しを求める決議案が、勧告が採択される状況になっていると。そしてさらには、今お見せをしたように、サンゴが実態として被害が出てきていると。いろんなことが重なってきているわけです。そして、大臣が私に先ほどから、環境省は助言を出している助言を出しているといろいろ、何回も言われましたけれども、その助言の中に作業実施中の対応という項目がありまして、作業実施中にジュゴンやジュゴンのはみ跡が確認された場合や重大な環境への影響またその危険が生じた場合は、いったん作業を中断し、必要に応じてこれらについて専門家の意見を聴取し、十分に調査した上で適切な対応を行うこと、またその調査内容、対応については広く公表することというのを、正に大臣が私に何回も言われた助言の中でこういう項目があります。
 今の時点は、少なくとも大臣の政治判断で防衛施設庁に言って、いったん作業を中断してもう一度専門家の意見を聴いてやり直せという時期だと思うんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(小池百合子君) 様々な今の流れ、そしてまた地元の御意見などを踏まえながら、総合的に判断をしていく必要があろうと、このように考えておりますが、私は、やはり日米関係というのも大変重要であり、またその部分を沖縄の方にずっと背負わせてきたということについても大変申し訳ないという部分と、普天間の早期な移転をしていくことなどが米軍ヘリなどの事件などで高まっている、その地域の方々に対しての御迷惑を、負担を軽減させると。幾つかの項目があるわけでございますので、そこを総合的に判断をしてまいりたいと、このように考えております。
○福山哲郎君 それじゃ、ほとんどやると決まっていることと、それから、もう一つ申し上げます。
 先ほど、正に大臣が十四年掛かるとおっしゃったんですよ。十四年掛かって、アセスをしても三年掛かるんです。今、その前の段階で、今方法書の議論をしているんです。そして、ジュゴンの問題もサンゴ礁の問題も国際的な議論になっているわけです。早急に解決をしなければいけないという大臣のお気持ちは百歩譲って理解をしたとしたって、こういうふうに状態が切迫して実際に被害が出ている状況の中で、一度中断して、そのボーリング調査も、方法書の中身も含めて考えるということが、十四年のタームでいったときに、どれほどの重要性がある、続けることがどれほどの重要性があるのか。今止まることが、ちょっと中断をしてもう一度見直そうではないかということは、環境大臣としては十分考慮に入れていただける僕は事柄だと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) ですから、先ほども申し上げましたように、様々な諸般の出来事、そして今、日本が置かれている立場、沖縄が置かれている立場、そういったことを総合的に判断をして、これからも行ってまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 環境大臣としての御発言をいただきたいんですけれどもね。
○国務大臣(小池百合子君) 環境大臣として今発言をさせていただきました。
○福山哲郎君 じゃ、環境大臣として一度現地を見に行っていただけませんでしょうか。こういう状況です。県の状況を聞いていただいて、サンゴ礁の被害の状況を見て、先ほど私は写真をお見せをしましたが、地域の中の反対やいろんな小競り合いの状況も見て、大臣として行って見てくると、そしてそこで判断をするというふうにお約束いただけませんでしょうか。
○国務大臣(小池百合子君) 総合的に判断をさせていただきます。
○福山哲郎君 全く、何にも答えないじゃないか。
○委員長(郡司彰君) 時間が来ております。
○福山哲郎君 とにかく、私はまず人的な被害が出ることを非常に危惧をしておりますので、環境大臣の御英断を、御勇断を強く求めて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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第161国会  参議院  予算委員会  2004年10月21日

Winny事件、政治とカネの問題について


○委員長(中曽根弘文君) 関連質疑を許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
 まずは、冒頭、前田委員もおっしゃられましたが、台風二十三号の影響で、死者が二十四人、行方不明者が三十五名というふうに承っております。また、私も谷垣大臣も地元の舞鶴では、国道百七十五号線でバスが立ち往生して三十数名の方が、十七名の方か、立ち往生しまして、今第八管区海上保安本部が救助に行っていただいておりますし、海上自衛隊からも今日の朝の早朝六時十分ぐらいに救援に行っていただいていると伺っております。
 村田防災担当大臣におかれましては、是非、全国的に被害が広がっていると思いますので、迅速な対応をよろしくお願いしたいと思います。また、防衛庁長官におかれましては、自衛隊の皆さんが雨の中大変頑張っていただいております、心から感謝を申し上げるとともに、これまた迅速な対応をお願いしたいと思います。
 また、地元でございます谷垣大臣、一言、財務大臣でございますが、お互い地元のことですし、福知山も実は一万五千人にわたって避難勧告が出ていると承っておりますので、一言御決意をいただければと思います。
○国務大臣(谷垣禎一君) 先ほど前田委員からも由良川の件お触れをいただきました。今、福山さんからもお話をいただきました。この部屋の中では二之湯さんも選挙区でいらっしゃるわけですが、大変な被害でございまして、今朝私も選挙区に電話を掛けましたら、昨日避難指示が出たということで私の地元の町も一万数千名が退避するということでございました。そういう中で、自衛隊や海上保安庁あるいは消防団、警察、全力を挙げて当たっていただいているのは誠に有り難いことだと思っております。
 そこで、決意を述べろということでございましたが、今年度のこの自然災害の被害も相当な額に上がっておりまして、まだこの今次の被害は私の手元に数字はもちろん来ておりませんが、十月十五日現在で、七千二百五十九億だったと思いますが、平年を上回る水準になっております。財政をお預かりする私としましても、災害復旧事業の執行であるとかあるいは激甚災害への対応と、これは迅速に的確に行われるように私の方も全力を挙げて努めなければならないと思っております。
 今のところは、今の御趣旨は財政面から大丈夫かという御趣旨であったと思いますが、今のところ、当初予算できちっと対応できると思っております。将来のことはまだ、先のことは分かりませんが、被害額も先ほど申し上げたより更にこれは増えてまいりますから、これは場合によっては予備費の使用ということも考えなければならないかもしれません。
 全力を挙げて対応してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 大変力のこもった御発言をいただきましてありがとうございます。是非、災害に関しては与野党関係ありません、内閣挙げて是非よろしくお願いをしたいと思います。
 私、今日、また政治と金についてやらなければいけないんですが、ちょっと政治と金をやり出すと時間がなくなりますので、どうしてもやっておきたい問題について一つだけ、これもちょっと与野党関係ない課題になりますが、ちょっと重要なので御質問させていただきたいと思います。
 実は、今年の五月の十日に、P2Pというファイル共有ソフトの開発者である東大の大学院の助手の金子さんという方が著作権法侵害の幇助容疑で逮捕されまして、三十一日に起訴されるということが起こりました。
 法務省、起訴事実についてお聞かせください。
○政府参考人(大林宏君) お答え申し上げます。
 お尋ねの事件の公訴事実の概要は、被告人は、外二名の者が、それぞれ法定の除外事由がなく、かつ、著作権者の許諾を受けないで、著作権者が著作権を有するゲームや映画の著作物の各情報につき、そのハードディスクにこれらの情報が記録されているパーソナルコンピューターで、インターネットに接続された状態の下、ファイル共有ソフト、ウィニーを起動させ、同コンピューターにアクセスしてきた不特定多数のインターネット利用者に自動公衆送信し得るようにし、各著作権者の著作権を侵害した際、これに先立ち、ウィニーが不特定多数者によって著作物の公衆送信権を侵害するデータの送受信に広く利用されている状況にあることを認識しながら、その状況を認容し、あえてウィニーを自己の開設したホームページ上に公開し、二名の者にそれぞれこれをダウンロードさせて提供し、もって二名の者の犯行を容易にさせて、これを幇助したというものでございます。
○福山哲郎君 もう非常に難しいので私も分かりにくいんですが、実は、このウィニーという共有ソフトは、世界じゅうでもう今実は開発競争をやっている非常に優れたソフトで、実はこのウィニーというのは、日本のこの技術者の方が作られまして、非常に優位性があるというソフトでございます。
 実はこれ、逮捕された後、すぐ技術者の間で支援のホームページが立ち上がりまして、カンパだけであっという間に一千六百万円集まったという状況でございます。
 そして、これ実は、総務省もIT政策大綱の中にこのP2Pという共有ソフトについて言及されています。総務大臣、総務省のこのP2Pソフトについての見解をお聞かせいただけますか。
○委員長(中曽根弘文君) 総務省鈴木政策統括官。
○福山哲郎君 えっ、せっかく大臣が……。
○委員長(中曽根弘文君) 失礼。麻生総務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) やります。ええ、その程度のことなら分かっておりますので。
 P2Pというのは、これ、ピア・ツー・ピアが正確なんだと思いますので、ピートップなんと言う人もいらっしゃいますので、ピア・ツー・ピアが正確なところだと思いますが。
 基本的には、これはもう十六年度IT政策大綱におきまして、書かれておりますのを読み上げさせていただければ、セキュリティーや品質画面の問題を解決したピア・ツー・ピア型公共分野高度情報流通を実現するための技術開発を推進すると決めておるんです。
 したがいまして、私どもとしては、この今でも情報通信研究所等々におきましてこのアクセスのいわゆる管理技術、そういったようなものを研究開発を行っているところなんで、このウィニーだけについて聞けと言われても、今これは係争中の話でありますし、もう既に片っ方は起訴ということになっておりますし、有罪判決も二名のうち一名は出ておりますので、その意味では、この問題についてどうかと言われると、ちょっと答弁はできません。
○福山哲郎君 総務大臣の方が私よりもお詳しいかもしれません。
 経済産業大臣、このP2Pの、P2Pのソフトについての開発についてどのような御認識か、お答えいただけますか。
○国務大臣(中川昭一君) 私も詳しいことはよく分かりませんが、この専門的な話はよく分かりませんが、いわゆるP2Pという、不特定個人間のファイルの共有ということ自体は、ほかにも、このウィニー以外にも今開発されておりますし、ある意味では開発競争、広い意味のこのIT時代のソフトの競争の一つの大きな成果だろうとは思います。
 したがって、今、総務大臣からもお話あったように、一般論として、非常に我々としてもこういう技術があるということはいいことだというふうに思いますが、このウィニーに関しては、今司法当局の手にゆだねられておりますので、このことについての評価については差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 実は今の発言は総務大臣も経産大臣も問題でして、実はウィニーについての認識はお答えいただけるはずなんです、これは技術の問題ですから。要は、先ほど総務大臣が、二人逮捕者が出ていると言って、一人が有罪だと言われると非常に誤解を招くんですが、二人は共有ソフトを使ってダウンロードをして著作権を侵害したから逮捕され有罪になったんです。彼は開発者ですから、金子さんは。そこは全く違うので、そこは難しい話ですけれども、ここは一緒くたにすると非常にこれから問題になります。
 すごい分かりやすい例を言います。
 高速道路を造って、そこで百キロで車が走って、その百キロで走った人が捕まったからといって、高速道路を造った人が有罪になるかというと、有罪になりません。包丁を作って、包丁でこれは料理を使うためだと思っても、それをだれかがそれを使って何か殺傷事件を起こしても、その包丁を作った人は有罪になりません。これは当たり前の話でして、これは開発者というレベルで御議論をいただきたいんです。
 その点で、ウィニーというものに対してどういう御認識か、お答えください。
○国務大臣(中川昭一君) ですから、技術という観点だけで申し上げますと、もとより私は素人でございますが、ほかにも同じようなものは既にできているわけでありますから、じゃ、ほかの人たちも、じゃ逮捕されているかというと、そうではないわけであります。ですから、容疑は今刑事局長の方からお話ありましたが、著作権法あるいは著作権法違反幇助という容疑だそうでございますけれども、技術としてはいいということと、それから、例えばこういう問題、一般論として私どものところで今非常に関心を持っておりますが、知的財産の保護という問題、あるいはまたプライバシーの問題、こういう問題も出てくるわけでありますので、いいものを作ったから後は何をやってもいいかどうかということは、それとこれとはまた別次元の問題ですので、トータルとしてお考えをいただきたいと思いますし、今その司法の手にゆだねられているということも、技術のこと以外のことも含めた御判断を今されていることだろうというふうに思っております。
○福山哲郎君 じゃ、もう一つ確認しておきます。
 P2Pの、これは確認として、P2Pの開発をこれから日本国内でやっていくということに関しては経済産業大臣としては奨励をしていくということですね。
○国務大臣(中川昭一君) 不特定の個人間の情報のやり取りを共有できるというものがP2P、ピア・ツー・ピアだというふうに私は理解をしております。私もう本当に分かりませんので、間違っていたら訂正いたしますが。
 だとするならば、私はそれは非常に、先ほど申し上げた、知的財産の侵害がないとか、あるいはまたプライバシーの侵害がないとかいうその法的な、あるいはまたほかの人に対するダメージがないという前提でやれるということは一杯あるんだろうと思います。
 例えば、今、福山議員も冒頭おっしゃられた災害情報なんというのも、ある地域の災害情報、急に雨がこの地域で降りそうだから、もう家族も子供たちも早くもう外に出ないで家に帰りなさいみたいな大容量の情報を瞬時にピア・ツー・ピアで多数にばあっと送るというようなことも、正に今日のこの瞬間にも役立つようなこともあると思いますから、それ自体は否定はしておりません。
○福山哲郎君 著作権法侵害幇助でこれまで逮捕、立件された例はあるかどうか、お答えください。
○政府参考人(大林宏君) お答え申し上げます。
 御質問については、統計上、著作権法違反ということであれば多々例がございますが、今のようなソフトウエアの、本件のような事例というものは今回が初めてだと、こういうふうに承知しております。
○福山哲郎君 いや、もう少し、幇助で立件されたことがあるかどうか、お答えください。
○政府参考人(大林宏君) 統計上、著作権法違反とその幇助罪で区別したデータというものを今収集していませんので、具体的にはちょっと、今の時点ではちょっと把握できません。
○福山哲郎君 ちょっと待ってください。僕、昨日、事前の質問していますから、事前の質問ちゃんとしていますから。通告していますから。
○政府参考人(大林宏君) 今申し上げたとおり、幇助罪との関係で分けた統計がないものですから、今の時点ではちょっとお答えしかねるということでございまして、更に調査できるものなら調査したいと、こういうふうに考えております。
○福山哲郎君 私の認識では幇助罪で逮捕、立件された例というのはないんですね。そうすると、これ民民なんですね。
 それで、先ほど経産大臣もよく言われましたように、共有できるというのはもうこの技術では当たり前の話なんです。相手は、使った側の問題なんです。
 ところが、先ほど刑事局長は起訴事実のときに、いろんな共有できるものを認識しとおっしゃいました。その認識の問題だと。だって、認識しているのは、開発している人間なんか認識しているに決まっているじゃないですか。それで、いきなり民民のものに警察が出てくるんだったら、幇助罪の成り立つ構成要件を明らかにしてくれないとだれも開発できなくなりますよ。構成要件、幇助罪の構成要件をお答えください。
○政府参考人(大林宏君) まず一般論として申し上げますと、幇助罪の構成要件は刑法第六十二条にありまして、「正犯を幇助した者は、従犯とする。」というのが構成要件でございます。
 今、委員おっしゃられる御趣旨は分かりますが、私どもとしても、このようなファイルというものの譲渡についてすべて犯罪になると、あるいは幇助罪が成立するというふうに考えているわけではございません。
 本件におきましては、ウィニーの作成者の認識といいますか、それが著作権法違反に使われるかどうかという証拠判断の問題、最終的にはその問題に尽きるのではないかと。ですから、ソフト自体、その役目、先ほども大臣の方から御意見ございましたように、ソフト開発自体を捜査機関が妨げると、こういう意思は毛頭ございません。
 ただ、そのソフト、個々の性格を持っておりまして、開発者自体の認識が、そういう著作権法違反の行為が十分行い得るというような状況の下で開発されたというふうな認定がされた場合には、それは犯罪成立というふうに認められる場合があるというふうに承知しております。
○福山哲郎君 いや、それなら余計問題ですよ。
 それじゃ、認識ということは内心の問題じゃないですか。内心の問題に警察がいきなり来て逮捕と、こんな乱暴な話ないじゃないですか。今まで幇助罪というのはないんですよ。構成要件も明らかにしていない。そうしたら、これから開発していこうと、世界にこの共有ソフトを、日本で知財だと言っている我が国は一体どうするんですか。これ、開発者がみんな萎縮しているんですよ。法務大臣、僕、実は昨日全部法務大臣と……
○政府参考人(大林宏君) 今のことについて御答弁申し上げますが、これは先ほどから出ていますように、既に刑事裁判にかかっている問題でございます。具体的な証拠関係について言及することはできませんけれども、内心的意思にとどまっている限りという形で、それだけで刑事裁判になっているかどうかということについて具体的には申し上げられませんが、それはそれなりの証拠収集がなされているというふうに考えております。
○福山哲郎君 じゃ、今回、ウィニーのどこが問題で、どうすれば開発者は逮捕されなかったのか教えてください。
○政府参考人(大林宏君) 個々の事件でございます。現在、裁判中でございまして、その裁判結果を待たなければこの行為に対する評価ということは、言及することは困難だというふうに思います。
○福山哲郎君 これまでの議論を聞かれて、法務大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 この事案につきましては、検査当局において、法と証拠に基づいて適切に処理していると考えております。
 御委員の御指摘のとおり、ソフトウエアに関しましては様々な議論がございます。今後、更に勉強しながらそういった問題についても……。
 以上です。
○福山哲郎君 もう時間がもったいないのであれですが、これ公判終了まで時間が掛かっている間、世界じゅうではP2Pのソフトの開発を進めているんです。
 もう一個、経産大臣、経済産業省に未踏創造プロジェクトってありますよね。何でしたっけね。未踏ソフトウエア開発事業ってありますよね。その概要についてお答えください。
○国務大臣(中川昭一君) 御指摘の未踏ソフトウエア創造事業というものは、経済産業省の関連団体でございます情報処理振興事業協会というところが実施しております事業の中でこの事業がございます。
 関係あるかという御質問が次に出てくるんだとすれば、次に……
○福山哲郎君 もうお答えください。
○国務大臣(中川昭一君) いいですか。
○福山哲郎君 はい。
○国務大臣(中川昭一君) この未踏ソフトウエア創造事業に、この、今回その著作権法違反幇助罪で逮捕された人を含めた人々が、複数のメンバーが申請いたしました事業に対しましてこの情報処理振興事業協会の未踏ソフトウエア事業の支援事業になっております。
 ただ、また次に御質問が来るかと思いますので。よろしいですか。
○福山哲郎君 ありがとうございます。はい、どうぞ。
○国務大臣(中川昭一君) この事業と今のP2Pのウィニーの開発とは全く関係しておりません。
○福山哲郎君 今お話しいただいたように、実はこの金子さんというのは、経産省の平成十二年、十三年度の双方向型ネットワーク対応仮想空間共同構築システムというもののプロジェクトチームのメンバーで仕事をしている方なんです。それぐらい実はこの方は優秀な方だったんです。
 ですから、こういうときに、幇助罪という今まで例がないもので逮捕されたら、開発者はみんなうろたえるんです、動揺するんです。
 もう一度聞きます。
 この幇助罪についての構成要件をお答えいただかないと、これ、開発者がみんな注目しているんです。お答えください。
○政府参考人(大林宏君) 幇助罪自体の定義は先ほど申し上げたとおり、「正犯を幇助した者は、従犯とする。」ということでございます。
 ただ、もう少し詳しく、要するに今の構成要件の問題について、違法性の問題ですけれども、先ほども申し上げたとおり、すべてのそういうソフトが、譲渡、提供が犯罪になるというものではないということが基本だと思います。
 ですから、委員御指摘のように、そういう開発行為自体を妨げるような犯罪、あえて犯罪を作ってそのようなものを妨げるという意思は私どもにはございません。個々具体的な事件において、その証拠を判断して決めるしかないというふうに考えております。(発言する者あり)
○福山哲郎君 答えになっていない。僕は一般論として、一般論として──答えてない。答えてない。ちょっと理事、お願いします。あれじゃ答えにならない。
○委員長(中曽根弘文君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 じゃ、本件の違法性と構成要件に絡めてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(大林宏君) 構成要件について今お尋ねですので、まず著作権法違反というのは、もう御案内のとおり、著作権法に、著作権を侵害した者については、三年以下の懲役又は三百万円以下の、ごめんなさい、三百万円以下の罰金に処するというまず構成要件があります。
 それから、先ほども申し上げたとおり、幇助については、先ほどの幇助行為というその刑法の定めがありまして、幇助行為とは、一般に実行行為以外の行為であって、正犯の実行を容易にするものと、こういうふうに解されております。これが構成要件でございます。
 それから、違法の問題をお尋ねでございます。個々の行為が著作権法違反に該当するか否かは、収集された証拠に基づいて判断される事柄でございます。今の違法というのは、その構成要件、今のような、まず著作権違反の行為があります。お客さんの方というか、譲受人の方があります。それに対して、その著作権法違反を容易にするような行為についてどの程度認識していたかということが証拠上の一番問題だと思います。
 ですから、そこは、私もウィニーの詳しいことは存じませんけれども、公判中のものでございますけれども、一般的に言えば、そのウィニーの性格、あるいは作られた方の認識、これは認識は内心のものも含みますし、いろいろ御本人が第三者に対して発信されている言葉とかいろいろなものが総合的にどのような認識を持っていたのかということを最終的には判断して起訴されたものだと承知しております。最終的には裁判所の判断を待つより仕方がないと私どもは考えております。
○福山哲郎君 金子さんは、自分のメルマガとか2ちゃんねるへの投稿に、人の著作物を勝手に流通させるのは違法ですので、そこを踏み外さない程度でテスト参加をお願いしますとか、このソフトにより違法なファイルをやり取りしないようお願いしますという書き込みさえしているんですよ。
 どうお考えですか、今のを聞いて。内心の問題だという議論なんですか。
○政府参考人(大林宏君) 今のは正に証拠の問題でございます。委員が御指摘のような形のそういう発言があるとしたならば、それをどう見るかという、そういう証拠判断の問題だというふうに思います。
○福山哲郎君 アメリカやカナダでこのファイル共有のソフトがどういう判例があったか、お答えください。
○政府参考人(大林宏君) お答え申し上げます。
 お尋ねにつきましては、起訴当時、様々な報道がなされたことを承知しております。法務省として、今御質問の件を正確なところを収集しておりませんので、具体的なところは私ども分からないという状況にございます。
○福山哲郎君 昨日、事前通告していた。そんなの、調べりゃしまいじゃないですか。
○国務大臣(中山成彬君) お答えいたします。
 著作権侵害の幇助罪に関するアメリカ及びカナダにおける刑事裁判事例は、把握しておりません。
 なお、アメリカにおけるファイル交換ソフトの主な民事裁判事例といたしましては、ナップスター事件及びグロクスター事件が挙げられます。
 ナップスター事件は、中央サーバーを通した中央管理型のファイル交換システムを用いて著作物のファイル交換を行うことが著作権侵害に当たるとして、アメリカのレコード業界がナップスター社を提訴したものであり、連邦控訴裁判所は二〇〇一年、ナップスター社の著作権間接侵害を認めました。
 一方、グロクスター事件は、中央サーバーを介さない非中央管理型のファクス交換システムを用いて著作物のファイル交換を行うことが著作権侵害に当たるとして、米国の映画業界、レコード業界等がグロクスター社を提訴したものでありますが、連邦控訴裁判所は二〇〇四年、グロクスター社の著作権間接侵害を否定しました。その後、連邦裁判所に上訴されております。
 また、カナダにおきましては、カナダのレコード業界がインターネットサービスプロバイダーに対して非中央管理型のファイル交換システムを用いたユーザーの身元の開示を要求した事件で、連邦裁判所は二〇〇四年、ユーザーのダウンロード行為は個人使用のための複製行為であって著作権侵害には当たらないとした裁判例があります。
○福山哲郎君 という状況なんですね。
 これ実は大変問題だと思っていまして、共有ソフトを使って新しいビジネスをしようとしている会社もたくさん出てきています。提訴が、この裁判というか、判決が出るまでみんな実は結構動きにくい状況になっておりまして、これ経産大臣どう思われますか。
○国務大臣(中川昭一君) 著作権法そのものは文部科学省でございますから、私の所管ではございませんけれども、私も、音楽を聴くときに、個人用に昔でいうと録音する、今でいうとダウンロードするのは問題ない、それ以外の使用にしてはいけないということが明示、書いてありますし、私はそういうふうに理解をしております。それが不特定多数の方々のところに行くということはどうなのかというところが、多分、今司法当局のところに行って判断を仰がれているんだろうと思いますけれども、経済産業省といたしましては、とにかく、先ほど台風情報、災害情報の例を申し上げましたけれども、いろんな形で有用な使い方があると思いますし、それはやはり法律に違反をしないということが前提であると思いますし、法律に違反するか違反しないかは捕まって裁判をしてみなければ分からないというものでも私はないというふうに思っておりますので、その辺のことはないようにしながら、しかしその技術の進歩、それによって利用されるユーザーの皆さんの利便というものが前進していくことを我々としてはお手伝いをさせていただきたいというふうに思います。
○福山哲郎君 今の御答弁、分かるんですが、もう一度確認、確認というか、確認します。
 著作権法の侵害は違法なんです。それは私も認めているんです。開発をした人間が幇助で捕まっているんです。いいですか。著作権法で違反した人間が、侵害した人間が捕まるのは、それは当たり前の話なんです。幇助で捕まっているから、開発者が、じゃ、こういう共有ソフトをこれからどんどん開発していったら、どこでだれがそれをダウンロードして使うか分からないのに、その人が何か違法なことをしたら自分が捕まってしまうんだと思ったら開発できないだろうという話を私はしているんです。
 これ、竹中大臣はよく、お詳しいと思いますが、どう思われますか。突然振って申し訳ありません。
○国務大臣(竹中平蔵君) あのナップスターの件以降、P2Pに関しては様々な議論が専門家の間にあると思います。そのための開発競争、日本もしっかり取り組まなければいけないということで、経産省もしっかりやっておられると思います。
 恐らく、これは私は全く当事者ではございませんが、今のやり取りを聞いて一つ思いましたのは、今委員が、道路を造っても罪にはならないだろう、それを違反して走った人が悪いんだろうと。ただし、もしもこの人は、例えばその先に行って放火をしたいと、そういう犯罪性を持っているということが分かっていた上でその人の逃亡を助けるような道を造ったんであるならば、それはその道を造った人はやっぱり罰せられるであろうと。恐らく、それがどういうことなのかと、それがそういう目的を持っていたのかどうかということが裁判で争われているのではないかと思います。
○福山哲郎君 まあ、そういう御判断をください。
 我々は、実は一太郎というソフトがあったのが、いつの間にかマイクロソフトに全部席巻をされました。この改良、共有ソフトは、実は日本のこの金子さんの技術は世界的にも非常に優れた評価がありました。それが逮捕をされることになりました。私は金子さんをかばうわけではありません。その違法性が本当にあれば、それは公判で争えばいい話だと思います。しかし、この時期にこういうことをしていることは、私は非常に損失だと思いますし、ましてや経済産業省が開発プロジェクトチームの一員に加えていたような人を逮捕した。
 僕は、京都府警が逮捕したことに対しても、サイバー室というところが、実は一生懸命これ、今サイバー犯罪を取り締まりたいということに対して頑張っておられることも評価します。しかし、ここは総務省も経産省も法務省もみんなばらばらの対応で、どこが内閣挙げて知財立国なんですか。総理、一言最後、御感想をください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、経産省が逮捕したというのは、それは……
○福山哲郎君 経産省じゃないです、京都府警。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) だから、経産省、かつて協力していた方であって、別に経産省が逮捕したわけではないと思っております。
 私は、IT、これは日本のみならず、世界がいかにIT国家になろうかと今しのぎを削っている。日本としてもIT世界最先端国家になろうと努力している。同時に知的財産立国を目指している。この双方を実現する。インターネットにおける著作物をいかに保護するかと、これは極めて大事でありますので、関係省庁連携して双方が実現できるように今後適切に対応していかなきゃならないということをお話を聞いていて感じました。
○福山哲郎君 最後に付け加えておきます……
○国務大臣(麻生太郎君) 関連させて、関連させて、福山先生のお話ですけれども、この金子先生の話は、有能であることはもうかなり、分かってない人は全然分かってない人になるんですけれども、分かっている方においちゃ、もうこの方極めて有名な人です。
 しかし、その本人が五月十日のその当日に供述しておられる内容をここに、新聞報道ですが、結果的に自分の行為が法律とぶつかるので逮捕は仕方がない、コピーが簡単にできるネット社会が放置されていることに疑問を感じる、変えるには著作権法違反状態を蔓延させるしかないと考えたと供述しておられるそうです。あくまでも法律、新聞の話ですからね。新聞に書いてある話が全部本当だったら世の中あれですけれども、ここにはそう供述したと書いてあります、この新聞によれば。
 私どもの立場としてこれどうするんだと言われるんであれば、これは、便利なものができてくるとそんな、世の中便利になる、安くなる、非常に利便に供するというのは確かですが、それと同時にそれを悪用するのが出てくることもまた確かなんで、恐らく常に世の中そういうものだと思いますんで、このバランスが、このコンテンツ、コンテンツ、その使い方の、利用する人の倫理とかいろんなものが関係してきますんで、これは常に追っ掛けっこなんだとは思いますけれども、私どもとしてはこれバランスを取ることが大事なんであって、この種の便利なもののソフトというものは、これは私ども政府としては積極的に開発を進めていく、かつそれは著作権法とうまくバランスさせていくという、そこのところ、作り方が難しいと申し上げているんであって、政府としての中、何かばらばらというわけではないという具合に御理解いただければと存じます。
○国務大臣(中川昭一君) 今総理からもお話ありましたが、まず一つは、ITで政府が一体となって世界一を目指そうとやっております。それから知財においても、若干アメリカ等に比べると後れぎみであった知的財産立国、つまり権利の保護と、権利、その法、価値の利用という両面をどうやって、その法制度も含めてやっていこうということもやっております。これはまあ一見矛盾するようですけれども、実は矛盾しないと私は思っております。知的財産がきちっと守られることによって更に技術の進歩があるというふうに私はとらえたいと思っております。
 そういう意味で、今回のこの不特定多数の間の個人間の情報のやり取りソフトと、大変すばらしいことだろうと思います。でも、それはそれとして、今麻生大臣や竹中大臣からも御答弁ありましたように、やっぱり必ずその一つの政策を進めていくと何か弊害なり障害なり、また課題が出てまいりますから、それが知的財産の権利の問題である。
 つまり、知的財産を持っている方の、コンテンツをそもそも持っている方から見れば、どんどんどんどんそれでもって結果的に、結果的にですよ、大勢の人に、一枚幾らで買ってもらえたものを、ただでダウンロードされてどんどんどんどん配信されちゃったんじゃ、これはこれでまたコンテンツの問題としていかがなものかという問題が知的財産の側からの論理としてあるわけでありますから、その辺も御理解いただいて、後は司法判断を待ちたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 私は、麻生大臣や中川大臣がおっしゃられたことに対して異論を唱える気はございません。今回に関しては、別に政府を何かやり込めたいみたいな思いで言っているわけでもございません。逮捕が不当だと言っているわけでも、先ほどから申し上げているように、言っているわけでもありません。その構成要件をはっきりさせていただく、幇助というものが初めてだったと。こういうことがこれからも起こり得るかもしれないので、是非、内閣の皆さんに御認識をいただきたいと思ってお話をさせていただきましたから、知財が大切だ、それによって悪用する人間も出てくる、そのバランスをどうするかという議論は重要だと思いますが、あいまいなほど実は開発者は不安だということは御認識をいただきたいということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 では次、政治と金に行きます。
 実は、先ほどからのウィニーの件は南野大臣にお答えをいただきたかったんですけれども、なかなか厳しそうだったので。
 お伺いします。南野大臣、衆議院でも聞かれたみたいですが、平成十四年度、日本看護連盟から南野法務大臣ののおの知恵子後援会には一体幾ら献金額がありましたか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 少し長くなりますが、のおの知恵子後援会は、日本看護連盟のメンバーが私の政治活動を支援するために成立した政治団体であり、私の資金管理団体ではございません。私の資金管理団体は、南野知恵子と共に政策を考える会、これがそうでございまして、看護連盟からのおの知恵子後援会に対して寄附がされているということで、あたかも看護連盟から私のところに寄附がされているように言われておりますけれども、これは大きな誤解でございまして、のおの知恵子後援会は、形式的にも実質的にもその資金を管理しているのではありません。
 端的に言うと……
○福山哲郎君 管理しているのではありません。
○国務大臣(南野知惠子君) ええ、私がですね。
 端的に言いますと、看護連盟からのおの知恵子後援会に御指摘の寄附があったことについて、私自身そのような御指摘があるまでは承知しておりませんでしたが、これをどのように使ったのか、どの程度の繰越金があるのかということについても、これまた承知しておりませんので、もっとも報道などでは御指摘をいただいた、これが直接のお答えになりますが、念のため聞いてみました。
 そうしますと、平成十四年、のおの知恵子後援会は日本看護連盟から、これ、のおの知恵子後援会はです、看護連盟から二億円の寄附を受けていたと聞いております。使途、繰越金等についてはよく知りませんが、のおの知恵子後援会会員の登録作業委託費や、のおの知恵子後援会幹部の名刺などの作成、印刷費などに使われたと聞いておりますが、その多くは使われないで残っているようでございます。
 これが十四年度の分でございます。
○福山哲郎君 支出総額をお答えください。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたしますが、その支出総額等については承知しておりません。
○福山哲郎君 だって、事前通告していますから。委員長、事前通告しています。
○国務大臣(南野知惠子君) 看護連盟は私がいろいろとお聞きし、お尋ねし、する会ではございませんので、私が資金管理団体として知っているのは南野知恵子と政策を共に考える会でございます。
○福山哲郎君 総務省で出ているんじゃないんですか。
 だって、通告しているんですから、知らないのはおかしいんです。
○国務大臣(南野知惠子君) やはり同じ答弁になります。のおの知恵子後援会は私の支援団体であって、資金管理団体ではありません。その運営や会計の詳細について口を出したり、あれこれ言ったりして、言えるような立場にはありません。
○福山哲郎君 いや、昨日事前通告しているので、調べたら終わりの話ですから、お答えください。
○国務大臣(南野知惠子君) 繰り返しになりますが、私がお願いして調べる立場にはありません。
○福山哲郎君 何で答えられないんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 資金管理団体ではございませんから。(発言する者あり)
○委員長(中曽根弘文君) 速記、止めてください。
   〔速記中止〕
○委員長(中曽根弘文君) 速記を起こしてください。
○福山哲郎君 資金管理団体でないことは私も理解をしています。ただ、のおの知恵子後援会といって、南野先生をお支えいただいている後援会ですから、そこに何で、逆に言うと、昨日ちゃんと事前通告をしていますので、例えば電話一本していただいてもいいし、法務省さんの役人を使って調べていただいてもいいですし、十分それはお答えいただけると思うんですが、どうですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答え申し上げます。
 やはり資金管理団体、私の資金管理団体ではございませんのでお答えできません。
○福山哲郎君 だって通告しているのに答えられないじゃ、もう質問できないじゃないですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたしますが、幾ら通告をしていただきましても、私がそれを調べる立場にありませんので、お願いすることはできません。
○福山哲郎君 だって、南野先生の後援会じゃないんですか。(発言する者あり)独立した政治団体、分かりますよ。でも、のおの知恵子後援会、南野先生をお支えいただいている後援会でしょう。
 じゃ、何で収入はお答えいただけたんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 その全体の収入は報道にもされておりますし、(発言する者あり)ええ、そういうところでその部分については知ることができました。
○福山哲郎君 さっき念のために聞きましたと言われましたよね。で、法務大臣は質問通告に対して、自分の後援会の数字を調べないで新聞報道で答えるんですか。それしか数字が把握できないんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 先ほども申し上げました。私が知っておりますのは報道された二億円、そしてその次の年の一億五千万円というのは、調べておりますが、それ以上のことは承知いたしておりません。(発言する者あり)これは私の設立した会ではなく、運営や会計に関与しておりませんので、それについて調査してくれと言う権限はありません。
○福山哲郎君 ごめんなさい。総務省のホームページに出ているそうなんですけれども、今調べてきてください。(発言する者あり)何でだ、質問通告しているのに。けしからぬこと言うな、質問通告しているのに。だって調べてくれりゃいいじゃないですか。
 何でお答えできないんですか。何でお答えできないのか、ちょっとお答えいただけますか。
○国務大臣(南野知惠子君) 度々御質問いただき、済みません。
 私の設立した会でもございませんので、運営又はその会計については私が関与しておりませんし、また調査する権限は持ち合わせておりません。
○福山哲郎君 南野先生、じゃ済みません、申し訳ありませんが、のおの知恵子後援会は南野先生の選挙とかはお手伝いいただいているんですか。
○国務大臣(南野知惠子君) お手伝いいただいております。
○福山哲郎君 そしたら、のおの知恵子後援会の会計責任者とか役員がもし万が一公選法違反で選挙違反とかしたら連座の対象になりますよ。そうですよね。法務大臣ですから分かるでしょう。お答えください。
○国務大臣(南野知惠子君) 具体的な事案でございます。それについてはお答えできません。
○福山哲郎君 刑事局長お答えください。(発言する者あり)
○政府参考人(大林宏君) 一般論でございます。
 その連座の関係でございますと、組織的選挙運動管理者等に係る連座要件の有無に関するものでございます。最終的には連座訴訟を審理する裁判所によって判断されるものだというふうに考えております。
○福山哲郎君 いや、だから、じゃ、のおの知恵子後援会ではなくてもいいですわ。その政治団体の役員さんが何か選挙違反とかをしたら、連座の対象になりますよね。
○政府参考人(大林宏君) 今も申し上げたとおり、後援会に所属する人という形ではなくて、組織的選挙運動管理者等に当たるかどうかということが問題となります。
○福山哲郎君 もう、実は僕、これ全然入口なんですよ。別に南野法務大臣を何かやろうと思っていたわけでは全然ないんですが。
 支出は、もう申し上げます。先ほど申し上げましたように、平成十四年で収入が二億円、本年の、収入が二億円で、支出総額が何と百五十一万三千百五十五円、で、収支繰越しが二億七千八百十七万九千三百四十六円です。昨年度が、昨年度の収入は、南野先生、先ほど大臣お答えいただきましたので一億五千万、支出総額が七千三百万で、収支の繰越しが、前年、三億五千四百五十万六千二百六円です。
 別に私は、今、南野大臣に何か言おうと思ったわけではないんです。今、この臨時国会始まるときに、日歯連の問題で一億円の献金の疑惑が出てきています。この臨時国会が始まる前に小泉内閣が改造されました。そして、こういう議論が出てくる、問題になっているにもかかわらず、一政治、看護政治連盟から年間に一億五千万とか二億の献金をもらっている方を法務大臣にされている、私は小泉総理の感覚がよく分からない。
 ですから、そのことについてちょっと大臣、お答えいただけますか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治団体がだれを応援しようか、だれを糾弾しようか、それは自由です。政治団体は、支援する団体もあるでしょう、あるいは非難する団体もあるでしょう、いずれもこれはもう民主主義の世界ですから自由なんです。そこで、どういう団体がある議員なり候補者を支援したり非難したりするかについて、私は、それぞれの議員が知っている場合もあるし知らない場合もある、両方ある。
 今回の看護連盟の話ですが、看護連盟自体が政治団体を作って自らの意見を政策に反映させよう、政治に反映させようというのは決して悪いことではないと思います。自由な民主主義だから、いかなる団体だって、自らの利益を考えてある団体を作るでしょう、あるいは自らの権利を確保しようと思って団体を作るでしょう。それを政治に反映させようというのは、これは民主主義で当然のことであります。それが適正であるかそうでないかというのは政党なり政治家が判断することであると私は思っております。
○福山哲郎君 一般論としてはそうです。しかし、今こういう議論がなっていて、なおかつ年間に一億五千万とか二億献金をもらって、それも、のおの知恵子後援会は看護連盟だけからもらっておるわけです。要は、南野先生は選挙もやっていただいていると先ほどお認めになりました、全く丸抱えで。しかし、看護協会に加入している看護婦さんは、とにかく一生懸命、毎日一生懸命働いておられますよ。そこから自動的にというか、任意なんでしょうけれども、任意で会費を取って、そこで、任意で会費を取って、そこで集まったお金が自民党のこうやって結果としては政治団体に、のおの後援会に行くということなんです。(発言する者あり)まあ幾らでも言ってください。
 これは、KSDのときもそうでした。日歯連の話も本質的には同じなんです。これが問題で、私は、こういう業界丸抱えと自民党の関係というのが実はこの日本の政治の構造改革で一番重要な点だと思っています。しかしながら、全くここは、これまでも事件がいろいろあっても改善されない。挙げ句の果てには、この期に及んで南野大臣、南野さん、南野先生を法務大臣にされたと。
 総理、まあいいですわ、もう、これはもう水掛け論なので。
 これだけの額をもらっている法務大臣、今議論されている政治団体間での献金の上限についてはどのような御認識か、お答えください。
○国務大臣(南野知惠子君) 先生、看護協会と看護連盟がちょっとごっちゃになっているように思いますので、そこら辺はよく精査、お願いいたします。そして、私は看護連盟から直接にその全額をいただいているわけではないということも御承知のことだろうと、いろいろお調べいただいていると思います。
 政治資金規正法は法務省の所管ではありません。私は意見を述べる立場にはないと考えておりますので、このコメント、今の御質問のコメントは差し控えたいと思います。
 ただ、現在、政党において、その上限どうしようかこうしようかということについてはいろいろな議論が行われておるものと承知いたしておりますので、その結果を、それを守り、それを遵守していくというのが私の意見でございます。
○福山哲郎君 僕、非常にこういうの言うの嫌なんですけれども、今、法務大臣は、私は看護連盟から全額をもらっていないとおっしゃいました。あなた、さっき全然私の質問に答えられなかったじゃないですか、それは知る立場ではないといって。どういうことだ。もう一回言ってみてください。何で。さっき分からないと言って全然答えなかったじゃないですか。今、全額を立場ではもらっていませんとはっきりおっしゃいました。分かってるじゃないか。
○国務大臣(南野知惠子君) お答えいたします。
 今、金額が出ているのは二億円ということと一億五千万が出ておりますが、それを私の政治関係の団体には入っていないということでございまして、それはのおの知恵子後援会であります。私が管理しているのは南野知恵子と共に政策を考える会でございますので、お金はここに行っている、そういうことでございます。全額、全額もらっていません。
○福山哲郎君 まあ、いいや。
 で、上限の議論についてはどうなんですか。どう政治家としてお答えいただけるんですか、上限の議論で。大臣のお考えで結構ですから、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(南野知惠子君) もう、今お答えした問題でございます。
○福山哲郎君 もう一度答えてください。もう一度答えてください。
○国務大臣(南野知惠子君) もう一度ですか。はい、分かりました。
 政党助成金、その問題について、政党……(発言する者あり)はい。私は、その上限をどうするかということについては、先ほど申し上げたように、今政党にて又は各政党間において様々な議論が行われておるということを承知いたしております。その結論に従いますということでございます。
○福山哲郎君 御自身のお考えはないんでしょうか。
○国務大臣(南野知惠子君) 自分の考えは従うということで、法を守るということでございます。
○福山哲郎君 看護師さん、一生懸命働かれている看護師さんからすると、年間に一億五千万とか二億後援会に入っていること自身がやはり余り常識では懸け離れていると思います。
 これだけ多額の献金をもらっていることについて、法務大臣の認識はどうですか。多額の献金をのおの知恵子後援会に入っていることに対してどういう御認識ですか。
○国務大臣(南野知惠子君) 私、度々お答えいたしておりますが、今申し上げた金額の全部をいただいているわけではありません。のおの知恵子後援会において適正に処理されていると思いますし、私が管理しているのは南野知恵子と政策を共に考える会、これが私の会でございますので、別で、別団体でございます。
 で、お金のことは、看護協会の会員は約五十六万人おります。看護連盟の会員は約二十万人でございます。その人が毎年五千円出していただいている。本当に、今さっき先生がおっしゃったような浄財であるということも申し上げておきます。
○福山哲郎君 分かりました。ただ、やっぱり年間一億五千万とか二億ののおの知恵子後援会に入って、そののおの知恵子後援会が選挙も含めて手伝っておられるということ自身は、普通の方から見ればちょっと私は常識に反していると思っています。
 まあ、次に行きます。
 総理、また政治と金の問題になっています。私は、毎年予算委員会になると総理がそこに座られて政治と金をやっていて、余りいい気持ちはしていません。今日もさっき南野大臣とやっていて、僕は余り、何かいじめているみたいで嫌だったんですけれども、現実には答えていただければよかった話でして、ただ、総理がいつもおっしゃっています、政治資金規正法にのっとってやればいいと、法律を守れと言いたいと、収支報告書にきちんと報告していればいいとおっしゃっていますが、そのお気持ちはお変わりになりませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず法を守る、これは当然だと思っております。
○福山哲郎君 先日来、実は総理の同志会の事務所の、二重に事務所で家賃が支払われているんじゃないかという問題につきまして、我が党の同僚の原口議員や永田議員が質問されています。随分総理もいろんな形でお答えをいただいておりますが、要は同志会と神奈川県第一選挙区支部では家賃の二重払いはないということはもう一度確認していただいてよろしいでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 二重払いはありません。
○福山哲郎君 これ実は小泉純一郎同志会の経常経費です。(資料提示)皆さんのお手元にお配りしていると思いますが、あっ、来てないか。
 実は、事務所費で問題になっているのがこの五百万の金額です。五百万の金額です。それで、実は、総理はこの事務所費の五百万について、衆議院での答弁で電話代や切手代という答弁をされていますが、それでよいでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) これは収支報告書に出ているとおりでありまして、同志会は、昨年、横須賀市内にある自民党神奈川県第一支部が入居する事務所に移転しておりまして、移転後は切手の購入費、電話代などに加え、事務所の家賃等、これはそれぞれが負担しておりまして二重払いはないということでございます。
○福山哲郎君 それぞれというのはどことどこですか。ちょっと答弁が変わったんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所には同志会と自民党支部、二つの団体ということでございます。
○福山哲郎君 で、それぞれが事務所費を出しているんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所の家賃を同志会と自民党支部、二つの団体で明確な区分をした上で負担をしているということであります、と聞いております。
○福山哲郎君 ちょっと答弁が、総理、変わりましたね。
 事務所費は出していないと、二重払いでないと、同志会は事務所を出していないと、切手代と電話代だということを声高に衆議院では言われていますが、もう一度確認します。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全然変わってないんです。
 というのは、私の自宅の隣の建物にあった際は自宅に家賃は支払っていないんですよ。で、別の自宅以外の事務所に移転した際には、事務所の家賃を同志会と自民党支部の二つの団体で明確に区分をした上で負担をしているというところであるんです。
○福山哲郎君 なぜ衆議院の答弁と変わったかお答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) どこが変わったのか分かりません。
○福山哲郎君 総理は明確に事務所の払いはしていないとおっしゃっています。
 また、オンレコで、総理の秘書官である飯島秘書官も、実は事務所費には払っていない、同志会からは、という話が入っています。なぜ変わったのか、もう一度お答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 変わってないんですよ。
 衆議院の答弁お話ししますが、いろんな原口委員の指摘に、誠に遺憾であります。全く疑惑がないにもかかわらず、どの記事を本当にして質問しているのか分かりませんが、同志会は私の自宅の敷地内の建物にあり、当時から家賃の支出はありません。そういうことで変わってないんです。
○福山哲郎君 そうですね、家賃の支出はありませんね。ありませんね。今もありませんよね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今は自宅以外のところに移りましたから、それは自民党支部と同志会、明確に区分した上で負担しているということでございます。
○福山哲郎君 当時からないというのは、だって、そのときには家賃の支払はないとおっしゃっているんだから、引っ越しの話してないわけですから、それは答弁変わったということじゃないですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 同志会は自宅の敷地内の建物にあり、そのとき当時から家賃の支出はありませんと。何変わっているんですか。同じじゃないですか。
○福山哲郎君 じゃ、当時は払っていなかったんですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、自宅の敷地にあるものを私が家賃受け取らないということで、ほかの事務所に移ったら借主がいるじゃないですか。ただで使うわけいかないでしょう。そう思いません。
○福山哲郎君 なぜ衆議院ではそのことを説明されなかったんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 質問以外のことに答えちゃいけないでしょう。
○福山哲郎君 引っ越しされたのいつでしたっけ。引っ越しされたのいつでしたっけ。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今正確に分かりません、引っ越ししたのいつか。
○福山哲郎君 じゃ、当時は家賃の支出はないから、事務所経費としては切手の購入費、電話などをしていたということですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) よく詳細分かりませんが、事務所のことであります。調べたところ、衆議院等の質問におきましては二重払いしているんじゃないかと言うから、二重払いはありませんと答えているわけであります。
○福山哲郎君 完全に実は答弁がこれ変わっているんですね。
 実は、いつだったかな、引っ越しが。引っ越し調べますと──僕、実はこんなつまんないことをやるの嫌なんですよ。だけれども、つまんない答弁を、つまんない答弁をやられているのは総理なんですよ。
 引っ越しが実は去年なんです、去年。去年なんです。ということは、去年からは折半をしているということでいいですね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所の経理というのは任せていますから、今聞かれても私は分かりません。
○福山哲郎君 分かりました。事務所経費で、要は、今の話でいうと、去年から事務所費折半なんです。そこは僕も理解しましょう、百歩譲って。
 じゃその前は、先ほど小泉内閣総理大臣が言われましたように、事務所経費として切手の購入費、電話代などがありましたと書いてあるわけですよ。総理はいつも、事務所の人間を信頼していると、政治家はいつもそんなことを一々一々知らないと。僕も当たり前だと思います。それはもうそのとおりだと思います。だから、今日わざわざお持ちしました。
 皆さんのお手元に政治資金法の、政治資金規正法のこのペーパーをお手元お配りしたんですけれども、事務所の経費というのは御案内のように事務所の地代や家賃や公租公課や火災保険料や電話使用料や切手購入費、修繕費なんです。これ、領収書要らないんです。なぜかというと、事務所の普通の経費だからです。この切手の購入費というのは、実は後援会とかパーティーの案内とかをするための切手代ではありません。それはなぜかというと、それは下の部分の政治活動費に含まれるからです。しかし、小泉総理は、切手を二万人も、二十万人も出したら一千万も掛かるんだと答弁をされました。しかし、その切手代は実は政治活動費の方に含まれるんです。
 実は総理は、二十万人に出したら一千万掛かるんだから五百万の事務所費の支出は当たり前だとおっしゃいました。しかし、実は小泉総理の同志会の会計責任者の方はしっかりと仕事をやられていたんです。
 実は、小泉総理が引っ越しをされる前です。先ほど言われた家賃を折半をする前の話ですが、平成十二年、実は同志会はちゃんと、ちゃんと別納で一万五千九百九十九通分の切手代を領収書を付けて、ちゃんと添付をしてくれているんです。(資料提示)小泉総理が言われたように、小泉総理のスタッフはちゃんと法にのっとって。政治活動費の中は領収書が要るんです。これ、二枚目めくってください。二枚目の政治活動費のところは、僕は丸をしました。五万円以上の領収書を添付しなければいけないと書いてあるんです。ここに先ほど言ったように切手代が含まれるんです。で、小泉総理の事務所のスタッフはちゃんと正直に一万五千九百九十九通で七十一万一千九百五十五円という切手代を使っておられるんです。つまり、事務所費はさっき言われたように当時は折半していないんです。先ほど言われたように切手代と書いてありますが、切手代と総理は言われていますが、切手代は実はちゃんとスタッフが領収書をもってこうやって計上しているんです。
 そうすると、お手元にお配りをしたもう一枚のペーパーがあると思います。もう一枚のペーパーがあると思います。もう一枚のペーパーを見ていただきますと、経常経費というのは領収書の添付が不要なんです。地代とか家賃、先ほど言われたみたいに当時は折半していない。だからここは入らないんです。電話使用料は幾らか分かりませんが、実は、先ほど私が申し上げた平成十二年、小泉総理のところは選挙の年だったんです。それでも一月十八万ぐらいなんです。実は電話賃の領収書もちゃんと出てきているんです、六月なんですけれどもね。電話使用料は五百万も掛からない。切手の購入費は、先ほど申し上げたように、ちゃんと実は領収書を取っているんです、切手ではなくて別納郵便で。修繕費は自宅の中ですから関係ないですよね。公租公課も火災保険料も大した金額ではない。そうすると、毎年毎年小泉総理の事務所費がずっと、時には平成七年一千万、平成九年が六百万、平成十年五百万、五百三十九万、ずっとこうある五百万の支出は一体どこから支出が必要だったかというのは、これは総理、明らかにしてもらわないとしようがないんです。だって、切手と電話だとおっしゃったんですが、切手と電話では五百万に行かないんで成り立たないんです。このペーパーでいうと、一体何をもってこれ五百なんですかと。是非お答えをいただきたいと思う。
 僕は本当にこんなことやることは嫌なんです。嫌なんですけれども、嫌なんですけれども、政治と金でいつもいつもこういう議論を繰り返すこと自身が日本の政治にとって僕はマイナスだと思っていまして、総理が法にのっとってやればいい、収支報告をちゃんと書けばいいとずっと言ってこられた、私はそれを信じてきましたけれども、どうぞお答えください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 私の事務所はしっかり管理していただいておりまして、今いろいろ御指摘の質問について、私も詳しく詳細には分かりませんが、政治資金規正法にのっとって事務所は報告しているという報告を私は受けております。
 なお、参考ですが、政治資金規正法第九条第一項の規定に基づく政治資金規正法施行規則第六条に規定する第六号様式の記載要領において、電話使用料、切手購入費など、事務所の維持に通常必要とされる経費は事務所費に分類することとされていると。なお、組織活動費、選挙関係費、機関紙の発行事業費、宣伝事業費、政治資金パーティー開催事業費などは別に計上することとされていると規定されております。規正法にのっとって適正に報告を出しているわけでございます。
○福山哲郎君 それは私が今説明したことです。それにのっとってみたら、ここにちょっと五百万ぐらい穴が空くんです。この穴を説明してくださいと申し上げているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 規正法にのっとって必要な事項を記載される、不必要な事項は記載しなくていいということになっているわけであります。
○福山哲郎君 だから、その五百万は何に使われたのかお答えいただければすぐ明らかになるんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 政治活動ですから、それぞれ事務所によって違うでしょう。事務所費によってもそれぞれ違うでしょう。必要な事項を記載する、必要としない事項は記載しなくていいというのが政治資金規正法だと思っています。
○福山哲郎君 必要とする事項に記入がなくて五百万が計上されているから、何に使われたんですかと聞いているんです、私は。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 記載に必要な事項以外は、記載する必要ないんです。
○福山哲郎君 いや、記載しなくていいのは分かりますが、何に使われたのかと。これまでは、切手と、これまでは切手と電話賃で五百万を賄っていたと強弁をされてきたので、それは私が見たところによると違うので、じゃ、切手と電話代の代わりに、その五百万は何に使われたのかとお伺いしているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 切手代や電話代などと言っているのであって、何に使ったかというのはそれぞれ事務所で違うでしょう、議員によって。どうして、そういう必要な事項以外を、政治活動、自由なんですから(発言する者あり)いや、いろいろな、政治資金規正法にのっとってやっているんだから、その必要な事項は記載しているわけであります。必要とない事項は記載してないと。私に何をやっているのかと、私がじかに毎日何やっているのかってチェックするようなことなんかできるわけないでしょう。
○福山哲郎君 済みません。私は、総理に毎日チェックしろと全然申し上げておりません。
 要は、先ごろの衆議院からの答弁において小泉総理の言われたこととずれが出てきたので、そこを明らかにしていただければそれでいいんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 変わってないということを再三申し上げております。
○福山哲郎君 これ二つあるんです。
 一つは、衆議院と答弁が最初は折半だと変わったということです。で、引っ越ししたのは去年だと分かったら、この平成十年度の五百万は実は説明が付かない。
 で、もう一つ申し上げます、ついでに言うと。
 折半し出したんですよね、去年から。何で、去年とその折半をしてないときと値段が余り変わらないんですか。これも実はおかしいんです。
 その事務所の経費は折半すると、月幾らですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所の費用は年によって違うでしょう。みんな同じですか、議員皆さん。違って、何でおかしいんですか。
○福山哲郎君 全然お答えになってないんですが。
 ちょっと、官房長官、来られました。官房長官、今年の五月に、運転手さんを派遣をされて肩代わりをしていただいたといっていて修正報告されましたね。これ、修正された理由をお答えください。
○国務大臣(細田博之君) 前の運転手さんが心筋梗塞で亡くなった後、この運転手さん本人がこちらに見えまして、そこで、まあ雇うといいますか、お願いしまして、そして、まあ月々二十一万円と、かつボーナス公務員並みということで、年々三百何十万かお払いしてずっと来たわけでございますが、その後、最近、春になりまして、この方が別途企業にも籍があって、そしてそこからも給料を受け取っておられたということが判明しましたので、これはやはり政治資金規正法上、届け出ておいた方がよいと判断しまして、過去にさかのぼって修正して報告したわけでございます。
○福山哲郎君 小泉総理も官房長官のように、政治資金規正法にのっとって修正されたらどうですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何で私が修正する必要あるんですか。
○福山哲郎君 政治資金規正法にのっとってる項目では五百万が埋まらないからです。五百万が説明されてないからです。その五百万を説明していただければ、私もこんなことは申し上げません。政治資金規正法に記載をする、載ってる項目で数字を埋めていくと、先ほど申し上げたように、埋まらないからです。だって、総理は、切手と電話だとずっと言われたんですからね。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) いや、恐らく福山さんの事務所も収支埋まらないところあると思いますよ、自分で調べれば。あるときは収入が多い場合がある、支出が少ない場合がある。全部報告している事務所あれば、自由に使って、政治資金規正法、必要のない事項は記載しない。どこでもそうじゃないですか、与野党を通じて。
○福山哲郎君 必要ない事項、必要のある事項。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 必要のある事項は報告をして、必要のない事項は報告する必要ない、当然ですよ。
○福山哲郎君 小泉総理が言われた話と違ってきているんですよ。切手と電話代じゃないんでしょう、だって。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 全部、事務所の費用が切手と電話代の事務所なんてあり得ますか。など、ほかの活動もあるでしょう。
○福山哲郎君 ほかの活動は、先ほど申し上げたように、政治活動費に計上するんです。小泉総理の事務所のスタッフの方はしっかりやられていたから、ほかの政治活動はちゃんと表記されているんです。だから聞いているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 必要な事項は報告しているわけです。
○福山哲郎君 全然これ明らかになっていないんですけれども、総理、説明できていないですよ。だって、衆議院とまず、まず衆議院と答弁が変わりました。それから、切手、電話代では五百万が埋まらないことも、だって切手の領収書出てきたわけですから。そうしたら、その五百万何で埋めるのか教えてください。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、衆議院の答弁と違っていないということ。事務所の費用は電話代とか切手代などといって、それだけに費用使われるわけじゃありません。などが何かということに対しては、必要な事項は記載する必要があるし、必要でない事項は記載する必要もないし、これこれに使っているからと言う必要もないんです。
○福山哲郎君 そのなどを国民もマスコミも我々も知りたがっているんです。使途不明になりますよ、そうしたら。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 事務所の費用が年間五百万円以内で、切手代、電話代以外に何に使っているかという御質問だと思うんですが、どの事務所だって全部収支記載、活動費報告していますか。
○福山哲郎君 え、していないんですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 必要な事項は報告するんですよ。必要でない項目は報告する必要ない。必要な項目はきちんと収支報告書に出しているということでございます。
○福山哲郎君 いや、その事務所費も毎年毎年、一千万円になったり七百万になったり五百万になったりしているんですよ。これは、先ほど申し上げた話でいえば、そのなどが一千万円近くになったり六百万近くになったり五百万近くになったり、これは説明する義務がやっぱり、今こうやって国民はみんなそこを知りたがって、だって総理の答弁が違うんですから。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大体、政治家やっていれば分かるでしょう。など、収支の間、自由に活動していい費用と報告すべき事項と、それを自由に、記載する必要ないものを、ここでこういう項目に使っています、ああいう項目に使っていますと、政党にしても政治団体にしても政治家にしてもそれぞれ差があるのは、事務所によっても議員によっても私は違ってくる、当然だと思います。
○福山哲郎君 差があったり、政治活動で自由に何かをすることを私は全く否定しておりません。事務所経費というのは決まった項目を記載することになっているんです。そこに決まった項目でも五百万埋まらないから、何で埋めたのか、何に使われたのかと聞いているだけです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 何回も答えているんですけれども、政治資金規正法にのっとって必要な事項は記載している、必要ない事項は記載していない。
○福山哲郎君 じゃ、一つだけ、委員長の政策秘書の方が乗られている車の運転手さんはどちらで雇われている方ですか。──あっ、総理、総理、
 委員長の政策秘書の方が──あっ、総理の政策秘書が使われているセルシオの運転手さんはどちらで雇われている方ですか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 民間会社、民間会社の、その運転手は民間会社の非常勤役員である者の用に供されているものであり、したがって、どこに雇われているかということについては公表する必要はないと考えております。
○福山哲郎君 もう時間ですけれども、今、民間会社の方と言われました。先ほど正に細田官房長官も言われました。セルシオの名義は、実は小泉総理でもその政策秘書の方でもございません。今、運転手さんは民間の方からだと。それが政治資金報告書に記載をされていなければ、それは寄附をちゃんと記載しなければいけない、虚偽記載になります。それから、先ほどの事務所の話も実は虚偽記載の疑いがあります。是非、これでは明らかになりませんので、疑惑が、なおかつこの委員会等で更に継続して調査をしていくことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。

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第159国会  参議院  予算委員会  2004年3月9日

鳥インフルエンザについて


○委員長(片山虎之助君) 関連質疑を許します。福山哲郎君。
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
 私も片道方式ですので、余り私がお話しせずにお答えをいただきたいと思います。
 地元京都で先月末に鳥インフルエンザの問題が発生をいたしました。わずか五キロしか離れていない高田農場というところで二次感染があり、またカラスにまで感染が広がっていると。さらには、残念なことに、浅田農産の会長が昨日自殺をするという大変不幸なこともございました。全国の国民や養鶏農家の皆さん、それから食鳥肉、外食産業、いろんな国民の皆さんが不安に思っていると思います。
 そんなさなか、三月の三日に亀井農水大臣におかれましては早速現地にお入りをいただいて状況を見ていただきました。心から御礼を申し上げたいというふうに思います。また、石破防衛庁長官におかれましては、昨日、おとといと七百人にも上るような自衛隊の皆さんの派遣をいただきまして、京都府並びに周辺市町村もみんな本当に喜んでおります。
 今日は、大変重要な問題ですので、与野党関係なく建設的に議論をしていきたいと思いますので、何とぞよろしくお願いします。
 まず、現状見られている状況、それから現状の認識について亀井農水大臣、お答えいただけますか。
   〔委員長退席、理事尾辻秀久君着席〕
○国務大臣(亀井善之君) お答えいたします。
 京都の発生につきまして、特に京都知事さんを始め、また丹波の町長さん始め、地元の皆さん方、大変な御努力をちょうだいしておりますことに心から感謝を申し上げる次第でございます。あわせて、自衛隊等関係の皆さんの強力な御支援をいただいておりますことを併せてお礼を申し上げる次第でございます。
 あのところに参りまして、二十万と言われたのを、二十五万くらいの養鶏農場であるわけであります。そういう中で、非常に臭気とそして悲惨な状況の中で、今、特に防疫マニュアルを作りまして、山口県、大分県につきましてはあらかじめそのマニュアルに従いまして通報が適切に行われたと、こういう中で処理ができたわけでありますが、京都におきましてはその通報が遅れたと、こういうことで初動の防疫措置ができなかったわけでありまして、そういう面で、またさらには感染鶏が兵庫県に持ち込まれるなど影響が大きくなったり、極めて遺憾に思っておるわけであります。
 そういう中で、あの措置につきましては、本当に完全に防止をする、消毒をして入るわけでありまして、関係の皆さんの並々ならない御尽力にただただ私は本当に感謝を申し上げるような次第でございまして、一日も早くこれらの、大変な努力を必要とするわけでありますが、この防疫が完了し正常になりますことを今願っておるような次第であります。
○福山哲郎君 あえてこの家畜伝染病予防法に基づく防疫マニュアルの妥当性についてお伺いをしたいと思います。
 これはまず、基本的に善意の養鶏場がすぐに通報してくれることを前提に作られたのではないかということ、それから二つ目には、これは防疫マニュアルを見ますと、いわゆる患畜若しくは疑似患畜については一義的には家畜防疫員が決定をするということになっております。法にはすぐ知らせろと書いてありますが、患畜、疑似患畜の決定をするのは実は家畜防疫員というふうにマニュアルには書いてありまして、一義的に実は浅田農産の会長に法的な責任が及ばない可能性があるのではないかというふうに私は思っています。
   〔理事尾辻秀久君退席、委員長着席〕
 さらには、出ていますように、(資料提示)いわゆる半径三十キロ圏内の移動制限区域の養鶏場には全く実は法的な対応、補償措置がありません。これがかえって報告を遅らせたのではないかというふうに思います。
 それから、各都道府県に対する、山口、大分で出た後の通達を私何回も見ましたが、しっかりと立入りを、検査をしろとか、そういった強い通達という形ではない状況だったので、私はこの防疫マニュアルと家畜伝染予防法の不備というものがあったのではないかと思っておりまして、この点について、農水大臣、どう思われていますか。
○国務大臣(亀井善之君) 現在、家畜伝染病予防法におきまして、早期の通報の促進、迅速な防疫対応策を図る観点から、まずいろいろの措置をいたしておるわけでありまして、特に昨年九月に防疫マニュアルを作りまして、さらには、これはアジアで発生したときでありまして、さらに韓国で発生をいたしまして、一月にまた山口県と、こういう例もありましたので、再三都道府県には通達を出しておるわけであります。
 そういう面で、なかなかこの徹底ができなかったこと、これは大変残念でならないわけでありまして、大分県、そして、山口県、大分県につきましては早期の通報と、こういうことで対応ができたわけでありまして、京都におきましては残念ながら通報が遅れたと、こういうことでこういう状況に至っておるわけでありまして、その後私も京都に参りまして、そしていろいろの、知事さん始め関係の皆さんとお話もいたしまして、この今後の蔓延防止、先ほどのマニュアルの問題、こういう点の反省の中で、やはり早期発見、早期通報の、通報義務の明確化、あるいは立入検査の積極的な活用、行政の連携の緊密化を図るために一元的な情報連絡網の整理、地方農政局の活用、さらには移動制限命令に伴う問題への対処と、この本病の蔓延防止に全力を挙げる対応を指示したところでありますし、さらには、三月四日には、違反に対し罰則が設けられている家畜伝染病予防法第五十二条に基づきます農場からの報告を毎週提出をしていただくと、こういう通報の義務を課すことにいたしたわけであります。さらに、各都道府県の主務部長を東京に招集をいたしまして、そしてこの徹底、そしてさらには、山口県、大分県での事例、こういうものも報告をしていただきまして、今、各県におきます養鶏業者との連携と、こういうものも努力をしておるところであります。
○福山哲郎君 本当に何とぞよろしくお願いします。
 浅田農産の会長が自殺をされました。事実が隠されることになりました。私は大変悪質だったとは思っておりますが、これはやっぱりすぐに動けない法の不備があったのではないかと思っています。こういった状況を警察は想定できなかったのかどうか、お答えいただけますか。
○政府参考人(伊藤哲朗君) お答えいたします。
 現在、京都府警察におきましては、本事案について法令に違反する事実があるかないか、事実関係について確認を行っているところでありますが、養鶏場関係者にありましてはまず蔓延防止のための防疫活動や、あるいは蔓延防止のための関係行政機関の事情聴取などを優先して行っているという状況がございましたので、会長夫妻からの事情聴取は行っておりませんでした。
 一般的に、警察が関係者から事情聴取を行う場合には、自殺のおそれ等の事情につきましても当然配意すべきものでありますけれども、本件にありましては、まだそうした事情も把握できない状況にあったものであります。
 このたびの会長夫妻の自殺という事態は誠に痛ましいことではございますけれども、本件は国民に大きな不安を与えております事案でございますので、京都府警察におきまして、法令に違反する事実があれば、法と証拠に基づき厳正な対応がなされるものと信じております。
○福山哲郎君 浅田会長が悪質で、通報が遅れたことに関しては私もそうだと思います。法的責任も問わなければいけないと思いますが、今全国の養鶏農家の方は何を思っているかというと、浅田農産の鶏が感染をしたことは過失があったわけではありません。つまり、全国どこの養鶏農場も自分のところがひょっとしたら感染するかもしれないという不安の中で今いるわけです。ですから、そういう状況の中で、先ほど言われた防疫マニュアルのもう一度見直しなり、改正作業、法律の改正作業なりをとにかく急いでいただきたいと思います。
 次に問題なのは、やっぱり消費者の不安でございます。これを取り除かなければいけませんが、例えば現状、農水大臣、鳥肉、卵等に対して消費者に不安が広がっていますが、テレビの前でこのことについての安全性について御答弁いただけますでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) これまで海外におきましても鳥肉や卵を食べることによって人に感染をしたという事例はないよというわけであります。食肉処理場におきます検査等、厚生労働省と十分連携をして、安全性の問題に問題はないと、このことを国民の皆さん方に是非御理解をいただきたいと。
 あわせて、地方農政局を通じまして、消費・安全部でいろいろなところに出向きまして、風評被害の問題、あるいはいろいろ鳥肉、そして卵につきましては今私申し上げたような安全性と、このことの周知のために努力をしておりますので、どうぞ国民の皆さん方もよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 食品安全委員会、もう少し詳しく御説明いただけますか。
○政府参考人(梅津準士君) 高病原性鳥インフルエンザにつきましては、これまで海外においてまれに生きた鶏と密接に接触した人が呼吸器を通じて感染したと考えられる事例が報告されておりますけれども、鶏肉や鶏卵を介して人が経口感染することは考えにくいとされております。このことは世界的にも報告されておりません。
 その理由につきましては、私ども、一月二十九日の食品安全委員会で、ウイルスの専門家である田代座長を招いてお話を伺ったわけでございますけれども、インフルエンザウイルスは酸に弱く胃酸で不活性化されるということと、万が一消化管に達したとしても、人の消化管の細胞にはウイルスを付着するためのレセプターが、人とは型が異なるということ、それから、ウイルスの増殖に関与する酵素が消化管に存在しないといったような幾つかの理由が挙げられております。御承知のように、WHOでも七十度で加熱すれば不活化するというふうにされております。
 いずれにしましても、食品を食べることで人に感染した例は世界的にも報告されておりませんことから、鶏肉、鶏卵を介して人が経口感染することは考えにくいというのが専門家の知見でございます。
○福山哲郎君 その割には、食品安全委員会のところで見ますと、加熱すれば大丈夫と言っている反面、自主回収の指示を出しています。大津では、学校給食や、卵、鶏肉を見合わせているようなところがあります。このことについては食品安全委員会としてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(梅津準士君) 現在、この鳥インフルエンザに関して、回収されておりますのは、公衆衛生あるいは食品安全上の措置としてではなく、いわゆる家畜伝染病予防法に基づく措置、すなわち家畜防疫の、蔓延を防止するという観点から、いわゆるウイルスを媒介する可能性のある汚染物品の拡大を防止するという観点から行われておるものと承知しておりまして、現在、政府の対策本部においてもそのことを議論しておりますけれども、公衆衛生ないし食品衛生の観点から回収を必要とするものではないというのが科学的知見でございます。
○福山哲郎君 例えば卵の場合にはGPセンターで洗浄することによってウイルスが除去されると私は聞いているんですが、農水大臣若しくは食品安全委員会、事実をお答えいただけますか。
○委員長(片山虎之助君) 中川消費・安全局長。おい、早く出ろ。
○政府参考人(中川坦君) お答え申し上げます。
 基本的にGPセンターで処理をしますと卵の殻の表面に付いているものは清浄化されるというふうに理解をしておりますが、一部の科学的な研究者の知見でありますけれども、卵の中に入っている例もあるというふうに聞いております。ですから、完全かどうかという点につきましては少し精査をする必要があるかというふうに思います。
○福山哲郎君 安心なのか不安なのか全然分からないんですけれども、そこはっきりしてもらわないと国民の不安は広がるだけで、でも、そこで、中に入っていても加熱をすれば大丈夫だとさっき言っていたわけですから、そこはっきりしていただけますか。
○政府参考人(中川坦君) 私が申し上げたのは、家畜の防疫上の視点から申し上げたので、人が食べる場合の話ではございません。あの農水……
○福山哲郎君 人が食べる場合の話を今していたんじゃないか。
○政府参考人(中川坦君) いえ、そこのところは言葉が足らなかった。それはおわびを申し上げます。
○福山哲郎君 もう一度答弁をしてもらいたい。
○委員長(片山虎之助君) 局長、もう一度答弁。はっきり最初から。言い直さないで。
○政府参考人(中川坦君) 食品としての卵の安全性という点につきましては、これは問題はございません。私どもがやっているのは家畜防疫上の措置ということでございます。
○福山哲郎君 食品の安全性の議論を今しているんじゃないですか。農水大臣、どうですか、今の話は。
○国務大臣(亀井善之君) 先ほど申し上げましたとおり、鶏肉並びに鶏卵、卵につきましては、これを消費者の皆さん方お食べいただくにつきましては、先ほど食品安全委員会からも答弁ありましたとおり、安全で、人に感染する例は世界的にないわけでありますので、是非御理解をいただきたいと思います。
○福山哲郎君 少し具体的なお話にします。
 今、浅田農場並びに高田農場、ともに防疫体制を作りつつあります。先ほど申し上げたように、不眠不休で京都府庁も頑張っておられますし、各市町村からも人を出していただいていますし、自衛隊の方も来ていただいています。そんな状況の中で、防疫体制は一体いつでき上がるという見込みでいるのか、お答えください。
○政府参考人(中川坦君) お答え申し上げます。
 京都の事例につきましては、自衛隊、それから近隣の町や市の方からの支援を得ながら防疫措置が今進められております。鶏の淘汰につきましてはもう終了したところでありまして、現在はその殺処分された鶏の埋却作業が行われているというふうに承知をしております。
 防疫対策としましては、この鶏を埋めるという作業と併せまして鶏ふんの処理がございます。こちらの方が大変苦慮しているところでありまして、具体的にどういう方法でやるのが一番早くできるかと、処理できるかというところにつきまして今京都府と細部の詰めをいたしております。ここのところがまだ少し細部の詰めが残っておりまして、今、いつ防疫対応が完了するかというめどを今ここで申し上げるまでには至っておりません。その点、御理解いただきたいと思います。
○福山哲郎君 半径三十キロ以内の養鶏場は、突然自分のところが出荷できなくなっています。そして、鶏ふんもたまります。防疫体制ができてから二十一日後に三十キロ圏内が解除されるということで、一体いつ防疫体制ができるのかということのめどぐらいは分からないと、本当に悲鳴が上がっています。
 どの程度で防疫体制ができるという、お持ちなのか、めどでもいいのでお答えいただけますか。
○政府参考人(中川坦君) 最大限今努力をしておるところでありますが、めどということですのであえて申し上げますと、三月の半ば、十六日前後というふうに私ども承知をしております。それに向けて最大限今現場でも頑張っておりますし、私どももできるだけ支援については最大限の努力をさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 具体的に日にちを言っていただいてありがとうございます。それが多少ずれるとはしても、それは防疫体制をしっかりしなければいけませんから仕方ないとしても、そこから二十一日後に解除になるという話になると約四十日になります。
 実は私も養鶏場を幾つか歩いてまいりました。例えば、ある二万羽飼っている養鶏場は、売上げが六百万円、費用が六百万円。売上げがゼロになりました。人件費は多少減りますが、鳥に対するえさ代は月三百五十万円掛かり続けています。卵は一日一トン増え続けています。倉庫の保管は二週間分しかありません。こういったところがもう本当にみんな悲鳴を上げています。別のところも、平均売上げが四百四十万、売上げゼロ、えさ代が月百五十万掛かって、一日二百五十キロの卵が保管をしなければいけないけれどももう置く場所がないというような状況になっています。
 そんな状況の中で、先ほど言われました、まず当該浅田農産の鶏ふんの処理については今どのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 浅田農産につきましては、発生農場となりますので、ここの鶏ふんは汚染物品ということになります。したがいまして、この病原体が散逸しないように安全な方法で処理するということが必要であります。さっき申しましたように、ここのところの処理が一番難しくて今現地で苦慮しているわけですが、私ども今考えている方法は、これを発酵させまして、発酵しますとある程度の温度になります。そうしますとウイルスが死滅をするということで、この発酵によって安全に処理するのが一番いいのではないかということで検討しているところでございます。
○福山哲郎君 それは、大体京都府ともある程度のすり合わせをした上で発酵作業でいこうということですか。
○政府参考人(中川坦君) 京都府の方とも協議をしながら、今細部のところを詰めているところでございます。
○福山哲郎君 そのときに、大体四十日間で解除されるとしたときに、京都府の三十キロ圏内の養鶏農家が売上げも減少することに対する価値の減少の評価額はどのぐらいに見積もっておられますでしょうか。
○政府参考人(中川坦君) 現時点で価値の減少額を、そのものを申し上げるのはなかなか難しいんでございますが、三十キロ圏内の養鶏農家のその飼養羽数、鳥の数、それから産卵の率等を基にしまして、この地域の卵の産出額、四十日間として仮に試算をいたしますと約四億円程度ではないかというふうに思っております。これが産出額ですから、これがどれぐらい価格等で影響出てくるかということでございます。そこのところについては私どもまだ具体的な数字を持ち合わせておりません。
○福山哲郎君 ついでに、保管、廃棄の経費、それから防疫体制構築のための経費等も含めてお答えいただけますか。
○政府参考人(中川坦君) お答え申し上げます。
 先ほどの数字を基礎にして輸送とか保管とかの経費について試算をいたしますと、約その部分が一千万程度ではないかというふうに思われます。
 それから、防疫対応に要する経費でありますが、現地の実態といたしまして、現地の対応として、現地におきましては取りあえず当初の防疫対応に言わば忙殺をされておりまして、具体的な薬品の費用ですとかあるいは埋却の費用そのものを積算する状況にまでまだ至っていないのが実態であります。これも、初動の防疫対応が終わりましたところで至急データの確認をしたいというふうに思います。
○福山哲郎君 さっき一千万円と言われたのは、周辺の三十キロ圏内の農家にたまっている卵とか鶏ふんとかの処理も含めて一千万程度ですか。
○政府参考人(中川坦君) ここに、先ほど申し上げました数字は保管費と輸送費、これはどこまで運ぶかというような点になりますとまた一定の仮定を置かなければなりません。山口県の例など参考にしての概算ということで申し上げました。
○福山哲郎君 実は、半径三十キロ内の養鶏場はもう今既にたまってきていまして、三月の十六日から二十一日後まで実は待てません。これ移動が停止になっていますが、これはもうどんどんあふれて、逆に言うと、川に鶏ふん流さなきゃしようがないような状況も出てきています。この移動停止期間にたまっている卵や鶏ふんなりを何とかこの移動停止期間に処理をしたいという希望が非常に多いんですが、このことについてどのように考えておられますか。
○政府参考人(中川坦君) 移動制限区域内の鶏ふんの処理でありますけれども、一つは、先ほどちょっと申し上げましたが、発酵させることによって、発酵鶏ふんという形でありますとこれは安全だということが分かっております。家きん疾病小委員会の先生方の意見も聞いて、この発酵した形でやっていただければ移動制限区域内にも出す方向で今検討いたしております。
○福山哲郎君 卵。
○政府参考人(中川坦君) 失礼しました。
 それから、卵につきましても、その保管場所をきちっと特定をして、しかも、ほかのものと混じらないように必ずシールをして、そういう一定の措置が確認できるのであれば、移動制限区域内、外について、移動することについても今至急検討したいというふうに思っております。
○福山哲郎君 環境省にお伺いしたいんですが、これ、先ほどから七十度で燃やせば一番安全だという話がありまして、鶏ふんにしても卵の後の処理にしても、近くにある焼却場に、防疫体制をしっかりして、防疫員がしっかり出ないようにして運んで、そこで燃やすのが一番早いというふうに私は思っているんですが、環境省はどのような見解でしょうか。
○政府参考人(南川秀樹君) お答えいたします。
 一般的に廃棄物焼却施設、およそ八百五十度以上で焼却をいたします。したがって、容量があれば技術的に燃やすことは特に問題ないと思います。
○福山哲郎君 その移動制限圏内で防疫体制を確保しながら、その焼却場へ持っていくというのは技術的に可能ですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 基本的には、家畜伝染病予防法に基づいて移動などの対策を取っていただくわけでございます。ただ、実際に、その伝染性の様々なものについても運搬が行われております。それについてはしかるべき消毒などが行われれば可能だと考えます。
○福山哲郎君 先ほど言われました、発酵させることも重要ですし、保管で取りあえず移動することも重要なんですが、たまる一方ですから、今、環境省さんが言われたように県内の焼却場へ何とか持っていって、防疫体制を持っていって、そこで焼却をするというのが多分一番安全で早くて養鶏農場の不安を取り除く方法だと思いますので、これは農水省と環境省で京都府も交えて御検討いただけませんでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 現実に今、殺処分等蔓延防止、このことに集中しておるわけでありまして、今委員御指摘の卵並びに鶏ふん等々の問題は十分関係省庁とも連携をして、また京都府の御意見も十分伺って対応してまいりたいと、このように思っております。
○福山哲郎君 よろしくお願いします。
 それでは、補償等について検討されると亀井農水大臣、何回も委員会で前向きにお答えいただいているんですが、どんなスキームでやる、やられるおつもりで今いらっしゃるのか、お答えいただけますか。
○国務大臣(亀井善之君) 一つは、この家畜伝染病予防法におきましては、早期の通報の促進、こういう面で迅速な防疫対応等を図る観点から、発生農家に対しましてはもう国が手当金を支払うと。
 しかし、移動制限に伴う経済的損失につきましては、一時的な制限と、こういうことで、先ほど来お話の移動制限内の関係者につきましては、現在補償の仕組みが設けられていないわけであります。しかし、これらの問題につきましては、先ほどのお話の鶏卵並びに輸送等々、これ山口県の例を基本として考えてまいりたいと、こう思っております。
 そのほかのことにつきましては、今いろいろどう対応するかと。今日まで、移動制限命令の対象となる農家への助成の仕組みにつきましてはケース・バイ・ケースと、こういうことで来たわけでありますが、蔓延防止の徹底を図ると、こういう点から制度化と。こういう面で、今スピード感を持って対応するように今進めているところであります。
○福山哲郎君 いつごろをめどでございますか。
 つまり、全国の養鶏農場、農家が今不安に思っています。つまり、これをはっきりと政治的なメッセージとして出していただくことによって早期の通報も行われる可能性が高まりますし、ここは検討しますとかではなくて、いつぐらいまでにやられるおつもりなのか、是非明言をいただきたいと思います。
○国務大臣(亀井善之君) いつということはなかなか難しい点がありまして、まず一つは、是非全国の皆さん方も、山口県、大分県の対応、これを基本に考えると。こういうことで、養鶏業界の皆さん方にもお話もしておるところでもございますし、いろいろ先ほど来御指摘のように、鶏ふんの問題、あるいは卵の、毎日これ産卵するわけでありますので、その対応等々、場所にもよりますし、複雑な問題もございますので、いつということは、申し上げればよろしいわけですが、十分そのことを踏まえて対応してまいりたいと、こう思っております。
○福山哲郎君 実は、新たな制度を作ることは重要だと私は思います。しかし今、火事で言えば火が燃え上がっているときに、まずきっちりやることも重要で、その後、次の段階として新たな制度を作っていただくというのは重要なんですが、そこをごっちゃにして、検討している検討していると言うのは、ただ単に不安が広がるばかりだと思うんですが。
 ちなみに、お伺いをします、財務省、平成十五年度の予備費は幾ら残っていますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) まず財務大臣としてお答えする前に、私も福山さんと同じ京都府選出の者として、まず亀井農水大臣に早速入っていただきましたし、いろんな方が不眠不休で問題解決のために当たっていただいているのを大変有り難く思っております。特に、福山さんおっしゃいましたように、自衛隊が出ていただいて埋却処分を速やかにやっていただいた、私も心から、三十キロ以内に住む人間の一人としてお礼を申し上げたいと思っております。
 その上で、今お問い合わせの答えでございますが、平成十五年度一般会計予算における予備費につきましては、予算額、補正後二千五百億円でございますが、現時点での使用額は千百九十八億円でございまして、残額は千三百二億円となっております。
○福山哲郎君 先ほど農水大臣が山口、大分の例をと言いましたが、山口、大分は畜産事業振興の名目で出しているんですね。私はこの問題はもう危機管理の問題だというふうに思っておりまして、その山口、大分のスキームではないスキームを作らなければいけないと思っているのと、今、今年度の予備費が千三百二億円残っていると。これ、総理、政治決断なんですよ。さっき幾ら例えば掛かるかといったら、四億円なんですね、補償額は。いろんなことを考えたら多分十億かそこらでは終わるんですね。
 これは、総理、政治決断でそれでまずは出すんだと、その後しっかりとした補償は、制度は作るんだということを総理が決めれば、これ予備費からすぐ出るんです。これ、総理、決断をいただけませんか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 総理大臣として、どの額から出すということじゃなくて、やるべきことはやる、必要な額は出す、これが私は大事だと思っております。
○福山哲郎君 じゃ、総理、いつまでにやっていただいて、出していただけるんでしょうか。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、各担当大臣が答弁していますように、できるだけ早く対応しなきゃならないと、そのために必要なことはやると、必要な額は出すと。
○福山哲郎君 各担当大臣に聞いたらいま一つ具体的なことが出なかったから総理に私は聞いているんです。
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 最も詳しい各担当大臣が具体的な日時が出ないということに対して総理大臣が出せるわけないでしょう。これは具体的な日時が出ないからできるだけ早く、これが大事だと私は思っています。
○福山哲郎君 先ほど申し上げたように、実際にもう損失は出ているんです。そこは感染しているわけではないのに、政府の施策の中で出さざるを、出ない状況で、売上げも損失が出ているんです。
 大臣、もう一度お答えいただけますか、今の、もう少し具体的に。
○国務大臣(亀井善之君) 具体的に数字の問題等々もあるわけでありますし、緊急の融資の問題もあるわけでありますし、今日も、いわゆる移動制限外におきましても卵価の問題あるいは経営の問題と、また飼料等々かさむわけであります。そういう面での融資の問題につきましても今日発表をいたしましたし、また、その償還も一年というようなことでありましたが、これを三年にするというようなことをもう今日から、今日発表したわけでありまして、技術的ないろいろの問題がありますので、もう早急にやるということはもうそのつもり、とおりでありますが、やはりいろいろの量の問題、ふんの問題等々、なかなか実際、現場と申しますか、事務的にその対応というのはあるわけでありまして、もうできる限り早く対応したいと、こう思っております。
○福山哲郎君 財務大臣、地元ですよね。予備費も残っていますよね。僕は、状況によっては災害対策基本法の特別交付金でもいいと思っているぐらいなんですね。つまり、これは危機管理の問題なんです。財務大臣、お答えいただけますか。
○国務大臣(谷垣禎一君) これは、私は選出だからといって前のめりで答弁するわけにはこれはまいりませんで、まず農林水産大臣にどういう対応を立てていただくか御検討をいただくべきものだと思います。
 私どもとしては、更なる蔓延防止を果たしていくためにはどうしたらいいか、これは亀井農水大臣とよく御相談させていただきたいと思っております。
○福山哲郎君 大臣、そうしたらもう一つだけお願いしたいです。解除までにめどを立てて発表していただくような段取りではやっていただけませんでしょうか。
○国務大臣(亀井善之君) 解除までの問題と、これ清浄、第一次清浄と、こういうようないろいろ日程もあるわけでありますので、これ何とか早く清浄化できるような努力を今当面しておるわけであります。あわせて、補償の問題等々につきましても鋭意、先ほど来お話し申し上げておりますとおり、対応してまいりたいと、こう思っております。
○福山哲郎君 先ほど大臣お答えいただきましたが、じゃ、小売業者、中小企業者、養鶏農場に対するセーフティーネットの保証制度の導入についてお答えいただけますか。
○国務大臣(中川昭一君) 今回の件に関して中小企業者等々が大変な厳しい状況にあるということに対して農林水産省の方から三日付けでいわゆる相談窓口とそれからセーフティーネット貸付けの御要請がございまして、既に一件セーフティーネット貸付けが昨日の段階で実行されております。
 御指摘のセーフティーネット保証につきましては多少調べるのに時間が掛かるというふうに聞いておりますけれども、農林水産省の方からセーフティーネット保証についても御要請があれば迅速に対応していきたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 ということは、まだ農水省からセーフティーネット保証についての申入れはないということですね。
○政府参考人(白須敏朗君) お答え申し上げます。
 セーフティーネット保証につきましては、いずれにしてもこれは発動につきまして必要な影響調査ということが必要でございます。私ども、ただいま経産大臣からもお話ございましたように、セーフティーネット貸付けの方は措置をいただいたわけでございますが、このセーフティーネット保証の発動につきましてはただいま申し上げました影響調査が必要でございますので、この準備をただいま進めているところでございます。
○福山哲郎君 調査も始めていなくて、まだ準備をしている段階なんですか。
○政府参考人(白須敏朗君) 準備をいたしまして調査をいたすわけでございます。
○福山哲郎君 いつ、済みません、調査は終わるんでしょうか。
○政府参考人(白須敏朗君) これにつきましては、一定の期間におけますやはり売上げの減とか、そういった一定の、何といいましょうか、客観的なやはり数値的な条件が必要でございますので、そういう点について調査をする必要があるというふうに考えている次第でございます。
○福山哲郎君 私は、これは危機管理の問題だと申し上げました。つまり、役所が役所の手順を踏むことも重要かもしれませんけれども、その場その場の状況判断することが私は政治判断だと思っているんですが、農水大臣、いかがですか。
○国務大臣(亀井善之君) やはりその保証の問題あるいは融資の問題等につきましては、こういう突発的なことでありますけれども、最低限やはり法に基づきます調査等々がなければそれは可能でないわけであります。いろいろの問題にスピードを持って対応をしてまいりたいと、こう思います。
○福山哲郎君 もう一つ、カラスに感染をしました。
 実は、三月から四月には、タイとかインドネシアとかベトナムから関西地方にはツバメが渡ってきます。そのタイとかベトナムは、もちろん御案内のように鳥インフルエンザが発症したところでございます。
 このカラスの駆除についてなんですが、現実にカラスの駆除は今、有害鳥獣対象として府が権限として決めることになっているんですが、これ、府でやれと言っても今無理なんです、全国の問題ですから。
 これ、国として、この渡り鳥、カラスの問題についてはある一定の方向を出していただきたいと思うんですが、これについてお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(小野寺浩君) カラスについて今分かっている事実は、四羽死んでいるのが発見されて、二羽からウイルスが出たということであります。
 今現在、先週から環境省が調査に入りまして、カラスを含めた野鳥の捕獲とウイルス保有の調査をしているところであります。その上で、カラスを捕獲することとこの感染が広がることの関係をその結果を見た上で判断したいと思いますが、一般的な鳥獣保護法の考え方からいって、一定地域の中でカラスのような種類の野鳥であれば法律的に捕獲を認める可能性はあると思います。
 それから、その効果と妥当性の問題ですね。つまり、カラスは今ウイルスが発見されたわけですけれども、その当該地域で我々が調べただけでも十キロ圏内に約四十羽程度の野鳥が生育していることが確認されております。それらも含めて、ウイルス保有の実態調査がいずれ分かってまいりますので、それらを含めて次のステップ、つまり捕獲をするのか、その主体がだれであるのかについては考えてまいりたいと思います。
○福山哲郎君 今、四十羽と言われたんですけれども、四十羽ですか。
○政府参考人(小野寺浩君) 失礼しました。四十羽ではなくて、四十種類の野鳥が確認されております。
○福山哲郎君 この問題は結論が出ないと思いますが、国としての方向性を是非指し示していただきたいと思います。この鳥インフルエンザの問題、まだ多々問題がございます。是非これからも、委員会等で政府の積極的な対応を心から、スピード感を持って、お願いをしたいと思います。
 残り時間、済みません。今、北朝鮮への経済制裁をめぐって入港禁止、船舶の入港禁止法案が議員立法で与野党ともに議論をされています。そんなさなか、実はこんな法案が政府から出てまいりました。油濁損害賠償保障法というもので、これは一般船舶に対して、油濁損害、要は座礁したときに、保険を加入をしてないと入港させないという法案が出てきたんですが、我が国が百トン以上、百トン未満を含めてですね、我が国に入港している船のパーセンテージをお答えいただけますか。
○政府参考人(鷲頭誠君) お答えいたします。
 平成十四年一年間に我が国へ外国船舶が入ってきた入港回数を国土交通省で調べましたところ、百トン未満の外国船舶は延べ入港回数で全体の一・七%となっております。
○福山哲郎君 百トン以上は。
○政府参考人(鷲頭誠君) 百トン以上は九八・三%でございます。
○福山哲郎君 そのうちの保険の未加入はどのぐらいですか。
○政府参考人(鷲頭誠君) 保険に入っていない率というのは二七%、約二七%でございます。
○福山哲郎君 その保険に入っていない率の中で一番保険に入っていない国はどこですか。
○政府参考人(鷲頭誠君) 一番低いのは北朝鮮でございまして、保険加入率は二・八%でございます。
○福山哲郎君 そうすると、北朝鮮の船は九七・二%がこの法案の対象になるということですね。
○政府参考人(鷲頭誠君) 保険に入らない今の状態であれば、そういうことでございます。
○福山哲郎君 そうすると、自動的に入港できないということになりますね。
○政府参考人(鷲頭誠君) はい、そのとおりでございます。保険に入ってない場合には入れないということになります。
○福山哲郎君 私、不思議なんですが、今、経済制裁をするとかしないとか言っている中で、北朝鮮の約九七%に及ぶ船が入れない。保険が未加入で入れないという法案を実は国土交通省は作っています。これは、経済制裁ではないかもしれないけれども、実質的には入れなくなります。
 これ、片方では入港禁止だ入港禁止だと言いながら、片方では国土交通省はこういう法案を出してこようとしていると。これは、外務大臣、御存じでしたか。
○国務大臣(川口順子君) そのような法律があることは存じております。
○福山哲郎君 えっ……。
○国務大臣(川口順子君) そのような法律があるということは存じております。
○委員長(片山虎之助君) 福山君、もう時間ですから、はい。
○福山哲郎君 これは、はい、実質的に、けれども、これは北朝鮮の船舶を入港させない法律だと私は思っているんですが、要は、私は経済制裁の是非を問うているのではありません。実際に与野党間でこういう議論がされているときに、国土交通省から実態としてこういった入れなくなるような法案が出ていることに対して、総理はどのようにお考えですか。
○委員長(片山虎之助君) 石原国土交通大臣、簡潔に。もう時間来ています。
○国務大臣(石原伸晃君) 簡潔に答弁を申し上げます。
 これは目的が全く違うものでございます。
○福山哲郎君 終わります。

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