第170国会
参議院 予算委員会 2008年10月15日
冷凍インゲン、後期高齢者医療制度、金融危機、汚染米問題
○福山哲郎君 おはようございます。福山哲郎でございます。質疑をさせていただきますので、閣僚の皆さん、よろしくお願い申し上げます。
総理にお伺いしたいことがあったんですけれども、最初、冒頭、昨夜ニュースが飛び込んできまして、中国産冷凍インゲンから残留農薬基準の三万四千五百倍の有機燐系殺虫剤ジクロルボス、言いにくいんですが、が検出をされて、実際、八王子市内の五十歳代の女性が一晩入院をされたという状況が起こっています。
国民の皆さんも非常に不安だと思っておりますので、まず冒頭でございますが、舛添厚生労働大臣にこのことに対して、現状どういう状況なのか、それから対応策をどのように考えているのか、それから国民の皆さんに何か呼びかけがあれば、それは厚労大臣からお答えいただけますか。
○国務大臣(舛添要一君) この中国産の冷凍インゲンからの農薬の検出の件でございますけれども、十月十二日に、町田市内の病院から、診療に来た患者さんが毒物混入の疑いがある苦情品を持ってこられたということで八王子保健所に連絡がございました。そして、これは東京都、昨日鑑定して、午後十時、有機燐系農薬であるジクロルボスが最大六九〇〇ppm検出されたということでございます。
まず、国民の皆さん方に対して、この冷凍インゲン、中国産の冷凍食品ですけれども、御家庭の冷凍庫なんかにこれがもしある場合は口にしないでいただきたいということをまずお願いを申し上げたいと思います。
それから、関係自治体を通じまして、輸入者及び販売者に対して原因が判明するまで当該製品の販売を見合わせるよう指示しております。これはイトーヨーカ堂及びその系列のスーパーでしか取り扱ってないということで、既にすべての販売を中止していただいております。
それから、各地方自治体に対しましては、同様の事案が発生した場合に直ちに報告するように指示を出したところでございます。それから、検疫所におきましては、この製品の製造者からの食品の輸入手続を保留せよという指示を出したところであります。
我が国の食品は、実は委員、カロリーベースで六割は輸入食品に頼っております。そういう意味では、非常に貴重な私たちのカロリー源であります。しかし、こういう問題が起こってはなりませんので、今検疫所における人員の増加を図るとともに、先般から厚生労働省の職員を一人北京の大使館に常駐させてこの件についての対応を当たらせております。
そういうことも含めまして、二国間協議を含め今後とも徹底していきたいと思いますけれども、繰り返しますが、国民の皆様はこの冷凍食品、インゲン、同じものが冷凍庫に残っている場合には是非口にしないでおいていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
以上でございます。
○福山哲郎君 ありがとうございます。速やかな対応をお願いします。中国ギョーザの問題がまだ記憶に新しい状況で同じような事態が起こったということは政府としても重く受け止めていただきたいと思いますし、食の安全は後で質問の中でさせていただきますので、次に移りたいと思います。
総理、就任おめでとうございます。
個人的なことで申し上げると、私は総理に当選してから実はある種のあこがれを抱いておりまして、一度、当選して二年目か三年目なんですがお食事を、もう総理は御記憶ないと思いますが、お食事を一緒にさせていただいたこともあって、大変御指導をいただいて、それは与野党関係なく私は大変有り難かったと思っています。
何で私は麻生総理に何となくあこがれを抱いていたのかと考えると、総理、この本御存じですか。これは「宰相 吉田茂」という高坂正堯さんの書かれた本でございまして、これ私大学院時代に読んで、今もこれずっと線が引いてあるんです。
で、線が引いてありまして、これ非常にいろんないい文章が書いてあるんですけれども、正直申し上げると、どんなことが書いてあるかといいますと、吉田茂総理に対して高坂先生は、彼が戦後日本における最も傑出した政治家であり、世界的な評価を受けた数少ない日本の一人であることは変わらないと、彼が要は戦前戦後通じて変わらなかったと、彼は同じやり方で難しい状況に対処していったというふうに書かれているんです。実は辛口の高坂先生がこれだけ評価をされることは珍しくて、私の中ではこの名著が恐らく麻生議員の、当時はですね、麻生代議士の何となくイメージにぶつかったと思うんですが、その中に非常に重要なことが書いてあります。彼は、複雑な政治情勢においては、小さな陰謀よりも強硬な正面攻撃が有効だという信念を持って行動したと書いてあります。
私は、このことに実は線が引いてあったんですけど、済みません、大変失礼なことを申し上げます。総理のこの文芸春秋の論文は、だれが見ても解散をすることを前提に書かれています。あの官房長官の代わりに閣僚を発表されたこともそうですし、この論文の話もそうですし、所信表明で我が党に対する中傷誹謗を繰り返されて所信を余り具体的に述べられなかったことも含めて、私は、申し訳ありませんけど、ちょっと小さな陰謀に走り過ぎているのではないかと非常に残念に思っておりまして、是非、戦後日本をつくってこられた大自民党の総裁の吉田茂元総理のお孫さんとして、もう少し大きな大局的な観点で国民に接していただきたいと思うんですが、いかがでございますでしょうか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 高坂正堯という人のその本は、私も昔読んだことがあります。大体、吉田茂なんていうのはろくな評価がありませんでしたから、当時は、そういう時代です。あのころ世論調査があったら多分数%だったろうと、私はそれぐらい、当時はそういった環境で私も育ちましたんで、そういうものだと、あの当時は世論調査って見たことありませんでしたんで知りませんでしたが、多分そうだろうと思っております。そういった時代を経て、突如と評価が高くなり始めるのは亡くなってからだと記憶しておりますが、その高坂さんの本もそういった意味で最初に吉田茂を褒めた本だと思ったんで、記憶があるところであります。
そういったところの中にあって、是非、福山先生の今の御指摘ですが、正面攻撃が有効であるということに関しましては私も同じ思いですが、御指摘の点につきましては、自ら決めた閣僚というのは自ら発表するというのが当たり前なんだと思っておりまして、昔の何となく内閣書記官長と言われた時代の名残が残っているのがずっと続いただけのことだと思っておりまして、官房長官が代行する方が変だと昔から思っておりましたので、やらしていただきました。
それから、雑誌で私の主張を述べることは、広く国民に私の考え方を知っていただければというところで私の考え方を申し述べただけで、良いことだったと思っております。
あの所信表明の演説で民主党を誹謗中傷したというよりは、与野党の違いを明確にしたというように考えていただいた方が正確だと、私はそう思っております。
それから、結果として、例えば補正予算につきましても民主党にも御理解いただけると昨日直嶋先生からお話がありましたので、早期に賛成していただけることになったということだと思っておりまして、良かったと思っております。
いずれにしても、国民の前で堂々と主張をしていくということなんだろうと思いますので、分かりやすい政治というのを今後とも目指したいと思っております。
○福山哲郎君 これが総理の論文です。(資料提示)国会の冒頭、堂々と我が自民党の政策を小沢代表にぶつけ、その賛否をただした上で国民に信を問おうと思うと。余り国民の前には明らかになっておりませんが、中には、その次の後には、発射台としてまず国民の審判を仰ぐのが最初の使命だと思うと書いてあります。
それで、総理、この論文を書かれたのは一体いつなんですか。昨日、直嶋政調会長の質問には二十二か二十三と言われた後、その後は総裁選の前かもしれないというふうに若干ぶれておられるんですが、明確にしていただけますか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 前々から書こうと思っておりましたので、いろいろなところを、これは正直随分前から書いたものもありますが、総裁になるのが確実でもないうちに書くのはいかがなものかというのがありましたので、最終的に筆を入れてきちんと仕上げたのが、あれが二十二日か二十三日、大体その辺だったと。そちらが二十一日でしたっけ、あれは。
○福山哲郎君 二十一日。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 二十一日ね。だから、あの二十一が終わった後ですから、二十一、二、三、どこかその三日間ぐらいの間が基本的なところを書き上げた最後のところだと思っております。
前々からぶれたというのは、前々からこういったのを書こうと思っておったので、いろいろ書き出しておりました分をずっとまとめたのが二十一、二、三、どこかそれくらいだったと記憶します。
○福山哲郎君 要は、総裁選の投票の前にもう書き出されていたということなんですが、この中に面白いことが書いてあるんですね。福田総理が辞められるときに、首相官邸の執務室に呼び込まれ、細かく政治日程が書き込まれたスケジュール表を見せられ、この日程で総裁選を断行してほしいと言い渡されたとき、私はとても慰留などできない、恐らく首相は自分を犠牲にして自民党が総選挙に勝利する千載一遇の道を用意されたのだと理解したと書いてあります。
この福田総理の予定されたスケジュール表には解散の日程、選挙の日程まで書かれていたんですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 基本的に、正確な記憶ではありませんけれども、九月の一日でしたかね、お招きをいただいて官邸に行ったときには既に細かい紙が書いてありましたけれども、少なくともその中で、いわゆる国連総会というのは三年連続日本からだれも参加しないというのはいかがなものかという点があったので、それまでにはきちんとしてもらわなければならぬというお話があっておりましたので、総裁選の日程につきましてはそれまでにという指示が書いてあったと思います。
しかし、衆議院の総選挙に関する話に関しましては何も書いてなかったと記憶いたします。
○福山哲郎君 まあ昨日辺りからにわかに月末解散を視野という新聞報道が出だしていますから、余り変化がなく、結局この論文に近い状況で解散が行われるのかもしれないという情勢が出てきておりますけれども、現実の問題として申し上げれば、総理はこの文章の中で今次総選挙という言葉を実は六回も使われています。今次というのは今の次と書きます。で、冒頭に決断したと書いてあって、今次総選挙、今次総選挙、今次総選挙と書いてあるんですね。これはだれが見たって、これは選挙を想定して書かれた、十月の十日には解散になって選挙を準備しているという状況で書かれたと思われるんですが、解散は実際想定をされておられて書いたんですよね、総理。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 総理大臣になります前は、皆さんそういった日程をあらかじめすべて決めてあるものだと、私もそういう気がないわけではありませんでした。
ただ、自分でなってみて、やっぱり解散の日時というものは日々刻々変わっても当たり前のことであって、状況に合わして変化していくのが当然、私は基本的にそう思っておりますので、状況に合わしていろいろなことを考えねばならぬと思っておりますのが一点。
もう一点は、やっぱり今回の景気対策というものは、これは先生、ちょっと正直、先生は京都ですか、出身。京都はちょっとよく知りませんけれども、やっぱり地方はちょっと正直深刻だと思いますよ。私は、正直、九州といってもかなり過疎地の方の九州の、福岡でも大分違いますんで、そういった地方を回ると極めて状況は深刻。景気対策というものが物すごく大きいと思いましたんで、景気対策というものは優先されてしかるべきだということを申し上げているんであって、私はそういったものを勘案した上でやらないと、国民には今解散よりは景気対策を望んでおられるというように理解をいたしております。
○福山哲郎君 私は京都ですが、京都も景気は、経済はよくありません。特に北部、南部、地方は本当に悪い状況になっています。都市部の中でも商店街を含めて非常に厳しい状況になっています。
ただ、我々は、だから補正予算には基本的に衆議院の方で賛成をしました。参議院は今議論していますから私は述べませんが、それでその後、景気だ景気だと総理が言われると。二次補正だという言葉も政府から聞かれてきます。じゃ、二次補正は一体いつやられるおつもりなのか、お答えをいただけますか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 二次補正という言葉を私から申し上げたのは、私からは新しい経済対策、景気対策が要るということを申し上げているんであって、二次補正という言葉は、私は妙に混同されると思いますんで、あえて使ってこなかったと記憶します。なぜ使ってこなかったといえば、私は、今回のこの景気の悪さから、法人税収、所得税収また消費税収等々は軒並み落ちると思っております。したがいまして、減額補正をせざるを得なくなるほど私は厳しいものになるだろうと、私自身はそう思っておりますんで、それの補正とこの景気対策と混同されるといかがなものかという気がすごくありましたので、二次補正という言葉はあえて避けて、分けて考えてしゃべってきたつもりであります。
○福山哲郎君 それでは、総理の言われる景気対策は一体いつ、どのような規模で出されるおつもりですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 十月の七日の日に政府・与党の政策責任者を呼んで、与党として景気対策というものをやらないと、これは今政調でどう考えているか知りませんが、あなたたちが思っているより厳しいと、おれはそう思っているから、これは必ず対策は考えておいてもらわないと困りますよという話、アイデアを出してくださいと。総理大臣をやっているとそういったアイデアが全部どんどんどんどん出てくるわけじゃありませんので、物理的なものから言ったって、それはそちらの方が詳しいはずなんだから、調べて、しっかり景気対策を検討するようにという指示はしました。
それがいつ出てくるかは、ちょっと今まだ補正をやっている真っ最中に二次補正なんという話をするような状態じゃないんであって、私はまずこの一次補正をきちんと上げた上でないと、そういった二次補正の話をするのはいかがなものかという感じはしましたが、検討はしておく必要はあるだろうと思いましたんで、政府・与党に申し上げたんであって、閣内でまだこの話を指示をしたことはございません。
○福山哲郎君 言葉じりをつかまえるわけではありませんが、総理が二次補正は使われないと言うから、私は景気対策、経済対策はいつされるかと言ったら、今二次補正と言われたので、混同しているので若干訂正していただけますか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) ありがとうございました。今の申し上げているのは景気対策の話であります。
○福山哲郎君 景気対策。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 景気対策。
○福山哲郎君 そうすると、いつ政府・与党内では、まあ与党なのかもしれませんが、まとめられるおつもりですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) この補正が、一次補正が上がりました後に政府に対して、閣僚に対して言おうと思っておりますんで、その以後政府・与党と一体になって考えるということがなりますんで、十四、十五、十六ですか、十七日以降、十七日以降検討を開始させるということになろうと存じます、政府・与党としては。
○福山哲郎君 そこには定額減税は盛り込まれる予定ですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 定額減税はもう既に盛り込まれておりまして、具体化は今後の課題だということで、定額減税は既に政府・与党合意済みのことでございます。
○福山哲郎君 合意は了解をしておりますが、その定額減税を盛り込まれた経済対策、景気対策はいつ提出されるのかとお伺いをしています。
○委員長(溝手顕正君) ちょっともう一度。
○福山哲郎君 いや、その盛り込まれているのは分かりますが、今回の補正予算案には入っておりませんから、総理の言われている景気対策の中に盛り込まれるんだとしたら、その定額減税はいつ、どのぐらい、いつ盛り込まれるんですかと。
○国務大臣(与謝野馨君) 平成二十年度中に実施できるような方法でいずれかの補正に盛り込まれるはずでございます。
○福山哲郎君 与謝野大臣は私は大変良識的な政治家だと思っておりまして、まさにそのとおりで、税調での税制改革が端緒に就いたと昨日おっしゃいました。端緒に就いた時点で定額減税を盛り込むと。だから、平成二十年度中だということは、現実には税制改正は年末に行われますから、この臨時国会にはその定額減税を盛り込まれた景気対策、経済対策は出てこないということですね、与謝野大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 会期末までそういう議論がまとまって国会にお願いできる時間的な余裕は多分ないんだろうと思っています。
○福山哲郎君 大変重たい議論でしたね、今のお話は。今国会中には間に合わない。総理はそれでよろしいんですね。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 正式には決めたわけではありませんけれども、今、与謝野大臣からの答弁がありましたように、物理的に国会の日程上、また税調等々の論議を見た上でないといかがなものかと思いますが、約束どおり年度内に実施したいとは思っております。それは正直なところです。ただ、これが今国会中に間に合うか否かと言われると、今、与謝野大臣の答弁されたとおりであります。
○福山哲郎君 お伺いをしますが、そうすると、検討は今年度中に出されるということだから今臨時国会のところでは明らかにされるかどうか分かりませんが、その定額減税、昨日もお伺いを直嶋政調会長がされましたが、財源規模はどのぐらいのおつもりか、今のところで結構ですのでお示しをいただけますか。
○国務大臣(与謝野馨君) そこが肝心なところでございまして、多ければ多いほどいいという方もありますし、やはり財源をちゃんと考えながら節度を持ってやれという意見もあります。したがいまして、政府・与党の合意文書には、単年度の措置としてやる、財源を勘案しつつやる、その規模、方法等については税制の抜本改革の議論に合わせて決めるということと書いてありますので、これからのまさに議論、財源はどこから持ってくるかというのはなかなか工夫も要るし、苦しいところだろうと思っております。
○福山哲郎君 斉藤大臣、公明党の幹部の方々が定額減税の規模は二兆円超だという見解をあちこちでお示しをされておられます。斉藤大臣としてはどのような、今のお二方の答弁を聞かれてどのような見解をお示しをいただけますでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 定額減税の財源規模については、今政府の中でしっかり議論をしている、政府・与党で検討していきたいと、このように、そういう状況でございます。
八月の政府・与党合意、総合経済対策でポイントは、定額減税にするというところがポイントだったのではないかと思います。昨日も直嶋政調会長が定率減税の方がいいのではないかというふうなお話もございましたが、定率減税というのは税金をたくさん払った人にたくさん返すというものでございます。定額減税は中所得者、低所得者に厚い減税となりまして、消費に回る可能性も高い。したがって、消費を下支えし、景気を下支えするという経済効果もあるということでございまして、その規模について定額減税ということに決まった。その規模については、現在、与謝野大臣から話がありましたように、その財源について今検討しているというところでございますので、御了解をいただきたいと思います。
○福山哲郎君 そうすると、公明党の政調会長や公明党の代表が二兆円超と言われていることについてはまだ政府内では検討の段階ではっきりしていないということでよろしいですね。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、与党と政府の間で議論をしているところで、それも一つの御意見という位置付けではないかと思います。
○福山哲郎君 総理にお伺いしたいんですが、実は定額減税の規模は明らかになっていない。それから、これ与党合意でいうと、例の二分の一年金の国庫負担の問題についてはちゃんと入れると書いてあります。それから、例の高速道路の減額の話も出てきています。相当財源規模が大きくなるというふうに思っているんですが、総理、どのように今お考えですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 基本的には今の急激な不況感というものに対応して景気の気分の、景気の気の部分というのは極めて大きいと思っております。したがって、おっというようなものが望ましいとは思っておりますが、それに合わせる財源というものも併せて勘案しないとなかなかできませんので、そこらのところが一番頭の痛いところ、正直な、正直なところです。
したがって、今財源規模がどれくらい、どれくらいのものになっているかというのが、今これくらいのものになるというのがきちんと決まっているわけでは今の段階ではございません。
○福山哲郎君 総理が言われた、法人税収が落ちるかもしれないからそこは赤字国債の可能性があるというのは、一つの私は識見だと思います。しかし、お金には色が付いておりませんので、法人税収を埋めるために赤字国債を発行すると言いながら、結果としてそれが今申し上げたような財源の要るものに回る可能性というのは十分あり得るわけで、その法人税収を埋めるといっても、結果赤字国債をどのぐらい発行するかによってこれは財政規律の問題が非常に重要な観点なんですが、そこは与謝野大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 新たな金融危機に端を発しました今の世界の経済、日本の経済の将来、こう考えますと、政策手段としては幾つかあるわけです。一つは財政の出動、一つは金融政策、税制、規制緩和等々ございますが、やはり最後は予算という形になる、経済対策であっても、やはり財源のことを考えるときには一定のきちんとした財政規律を持って臨むというのは、これは与野党を通じて恐らく今の国会では貫かれている基準であろうと思います。
昨日の麻生総理の御答弁も、できる限り赤字国債は出さないようにしたいと、こういう御答弁でございましたので、総理の御答弁どおりの財源探しをこれから政府・与党でやると、こういうことになるんだろうと思います。
○福山哲郎君 選挙が近いとも言われていますし、先送りするとも言われていますが、先ほど非常に重要な、この臨時国会ではいわゆる景気対策の問題は出てこないということをある程度与謝野大臣が明確にされて、麻生総理も認められました。
そうすると、次の選挙があるとして、まあ近々あるわけですが、自民党のマニフェストの中には、これら今申し上げた高速道路や年金の二分の一国庫負担の問題や定額減税の問題について、財源と規模と時期の問題については明示をいただけるわけですね。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) これは、マニフェストがちょっと今政調のところでどのような形になっているかは承知しているわけではありません。したがいまして、ちょっと今、今の御質問に対してこれがこうなっていますと答えるだけの資料を持っていませんし、あれもないんですが、基本的にはきちんとしたものを考えて……(発言する者あり)静かにさせてください。いや、本人は聞こえないと言っているんです。本人が聞こえないと言っておられるので。私がどなっているわけじゃない、向こうがどなっているんです。聞こえないのは私の責任じゃないからね。
今申し上げたところは、今の段階できちんとした内容を私自身が把握しているわけではありませんので、ちょっと正直、その今の御質問に対してどれぐらいのものですかと言われても、ちょっとお答えようのしようがないと申し上げたんであります。
○福山哲郎君 違います。どれくらいのものではありません。要は、今の時点で国会の場でも明らかになっていないわけです、財源も規模もですね。そのことについて、選挙で戦う自民党の政権公約にはしっかりと盛り込んでお示しをいただけるんですねと確認をさせていただいているんです。
○国務大臣(与謝野馨君) 自民党のマニフェストでございますけれども、党の方で今準備をしております。おりますが、その中では、定額減税という言葉を入れるということに決めたと聞いております。どのような形で入れるかは詳細は聞いておりません。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今マニフェストやら何やらいろいろやっておられるんだと思いますが、最終的にこれでいこうという判断は私でやります。
○福山哲郎君 違うんです。私は単純なことを聞いているんです。そこには、今申し上げた与党の合意の中にある財源や規模や、その規模等についてきっちりと明示を、今、国会の中でも明示をいただいていないわけですから、選挙のときには当然国民にそのことを明示いただけるんですねと確認をしているだけです。
○国務大臣(与謝野馨君) それまでに財源の問題、税制の抜本改革等の議論が済んでいれば当然書くわけですけれども、恐らく定額減税という……(発言する者あり)マニフェストというのは物事を明確にする、明白にするという意味だけであって、たとえ金額まで詳細に書けなくても、定額減税をするという方向性について書くということは当然許されることだと私は思っております。
○福山哲郎君 税制改革の議論が済まなければ……(発言する者あり)
○委員長(溝手顕正君) ちょっと御静粛にお願いします。
○福山哲郎君 そこは書けるかどうかは分からない。衆議院選挙のマニフェストというのは……
○委員長(溝手顕正君) 福山哲郎君。
○福山哲郎君 政権公約というのは、向こう四年間の選挙後何をするかの議論を国民に問うものです。そして、目の前の税制改革や定額減税の規模をまだまとまっていなければ書けるかどうかは分からないという答弁は私は全く納得ができませんが、総理、そんなことはないですよね、自民党さんは。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) まだ、選挙の時期があたかも決まったかのごとき前提で質問されてもお答えようのしようがないというのをまず大前提にしていただかないと、いかにも明日でも選挙があるようなお話では私ども答弁のしようがないので、あらぬ誤解を与えるのはいかがなものか。参議院は関係ないと言われればそうかもしれませんが、衆議院にとっては大問題であります。(発言する者あり)
○委員長(溝手顕正君) ちょっと待って。
声が聞こえにくいので、是非皆さん静粛にお願いいたします。
あなたの声は聞こえていますので、大丈夫です。
○福山哲郎君 委員長、お願いがあります。指名はなるべくすぐにしてください。お願いいたします。時間がないので。(発言する者あり)
総理、総理の論文、これ見てください。総理の論文ですよ。(資料提示)何をさておいても、従うべきは国民の信なのである、それでなければ、政権公約もただの紙切れであり、国民・有権者の投票は死に票になってしまうのではないか、政権選択の大事な総選挙であれば、相手のあらを探すより先に自らの政権公約の優位性を堂々と唱えるべきだと思うと、これ総理の論文なんですよ。
だから、逆に、仮に選挙があるとすれば、まああるといっても一年以内に必ずあるわけですから、財源、規模、定額減税、それから、定額減税は単年度だと明確に与謝野大臣は言われているわけですから、その後をどうされるのかも含めてマニフェストに明示をいただけるんですねと自民党の総裁としての総理にお願いをしているんです。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 「何をさておいても、従うべきは国民」ということを書いてありますけれども、まず何をさておいても今、世論調査によれば国民は経済対策というのを言っておられる。間違いないでしょう。これは間違いないですよね、国民は、信はそう言っていますから。これ、世論調査が正しいというのが前提ですよ。そういったことを言っておられる。言っておられない方もおたくにはおられるのかもしれないが、うちはそうです、うちの世論調査では。したがって、それに基づいて私どもは、まずは景気対策をきちんとやらないといかぬというので今、私どもやっているだけの話なんであって、少なくとも政局よりは政策だという世論なんだと。正しいと私自身そう思っていて、ありがとうございました。
したがって、そういった時期になりました場合は、きちんとしたマニフェストというか、私どもで言えば、マニフェストという単語の意味が少し、私の知っている英語とは大分違いますんで、政権公約と、私どもはそう理解しているんですが、そういう政権公約というものをきちんと出していくというのは当然のことだと存じます。
○福山哲郎君 私は、景気対策については否定も肯定も先ほどからしておりません。総理がやるとおっしゃるから、いつだと言われたら、来年、今年度中で、この臨時国会には間に合わないと言われたから、ひょっとしたらその間に選挙があるかもしれないので、そのときには税制改正の中身も与党合意の中の財源もすべてをちゃんと示していただけるんですねとお伺いしたら、そんなに時間が掛かって答えられないものなのか私は理解に苦しむんですけど、与謝野大臣、どうですか。
○国務大臣(与謝野馨君) 選挙が来年の九月になれば必ずお示しします。
○福山哲郎君 私、どうしてもこれはお伺いしておきたいことがあるので聞きます。
私は景気対策も重要だと思っています。現下の金融危機に対して中川金融・財務大臣が本当に早い対応をしていただいたことも心から感謝をしているし、敬意を表しています。ただ、私は、今現下の景気対策が重要だと言う前に、三月に我々が暫定税率を現実に引き下げたときに、政府は四月に、四月の十五日から後期高齢者医療制度の天引きが始まった。更に言えば、暫定税率を引き上げるか引き下げるかという大変な争点の四月の補欠選挙、山口という総理を七人も八人も出した保守の強いところで我々は勝たせていただいた。その勝たせていただいたわずか三日後に古証文のような、それよりも二年前の小泉総理の選挙の三分の二を使って再議決をして、ガソリンを二十五円上げた。あの後、百二十五円だったガソリンがあっという間に八月までに百八十円になって、国民の生活をどれほど苦しめたか、どれほど厳しい状況に追い込んだかということに対する反省が何もない。そして、九月になってからいきなり景気対策だ、燃料対策だと。
私は、ちょっとそれは筋違いじゃないかと思っていまして、全く時期が遅い。更に言えば、それをさも今我々が頑張っていますと言いますが、我々は去年の年末からこの原油価格の高騰も含めて国民生活は厳しいということであの暫定税率の議論をさせていただきました。
そして、一番重要なのは、補欠選挙での選挙の世論を無視したということです。私たち政治家は、選挙によってここに立たさせていただいています。国民の力によってここで僕は今日、議論をさせていただいています。その我々が、政治家が、選挙の結果を無視して暫定税率を上げた、後期高齢者医療制度もそのまま継続した。このことに対して、世論に対して、これほど「従うべきは国民の信」だと言われている総理の思いをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) まず最初にお断りしておきますが、補欠選挙の結果というのは一つの民意でありますから、重く受け止めなければならないのは当然だと思います。
しかし、補欠選挙の結果というのは国民の民意だと言うのであれば、一選挙区の民意が他の四百七十九か、の意味を決めてしまうことになりますので、それはおかしいんじゃないかと。だから、信を問う場は基本的には総選挙、これはもうどなたも合意なさるところだと私自身はそう思っております。参考意見としては大きいですよ。大きいですけれども、それがすべての民意かと言われると違うのではないか、これが一つ。
それから、暫定税率のお話がありましたけれども、道路整備のためにこれは極めて必要なものだと私どもはそう思っております。したがって、三分の二の賛成によって延長させていただいたというのが現実であります。
税金を下げるということに関しましては、これはもう、おっしゃるとおり福山先生だけに限らず、これだけを取れば国民は支持します。しかし、地方団体はその財源を使って道路を造ったりなんかいたしておりますので、暫定税率を廃止して直ちに税を引き下げれば道路を建設する財源というものもなくなってくることになりますので、地方の道路財源は必要だということに関しましては民主党も御理解いただいているところだと思いますので、京都も北の方なんかは随分要るんじゃないかと正直思っておられるでしょう。私もそう思いますもの。そういった意味では、今回提案をさせていただいている法案には衆議院で賛成していただけた、いただいたんだと、私どもはそう、衆議院というのは御党の衆議院で賛成していただいたんだと思っております。したがって、暫定税率は、あの話、それで地方に六百五十六億、あの話をさせていただいております。
したがいまして、苦い政策でありましても私どもはお願いしなければならぬということもあるというのは当然のことでありまして、責任ある政治というものを考えたときには、私ども、世論というのを十分に勘案しながら、苦い薬、苦いことでもやらなければならぬというのは最終的に決断をせにゃならぬということだと思っております。
○福山哲郎君 政治は優先順位の問題だと思います。この半年間でガソリンが百八十円まで上がったことにおける、国民経済がどれほど疲弊をしたかについての反省が全くないと私は思っています。
更に申し上げますが、昨日の話の続きですが、中川財務大臣、中川財務大臣のこの中央公論ね、私、昨日、ああ面白いなと思ってじっくり読ませていただいたら、何と財務大臣も基礎年金の全額税方式化とおっしゃって、「理屈はともかくとして、先進国の社会保障体制としてはどう見ても失格である。」とおっしゃっているんですね。
これは今も同じ見解ですか。
○国務大臣(中川昭一君) 私が十三の提言ということで発表をさせていただきました、今年の七月の月刊誌でございます。
その中で私は、日本の経済あるいは金融、この世界の状況を見て先行き大変不透明感、不安があるという私自身の判断に基づいていろんな政策提言をして、議員の仲間の皆様あるいは国民の皆様に、いろんな議論の中で、いい方向にみんなでこの状況を乗り切っていくためのお役に立てればいいなということで提言を出させていただいたわけでございます。これ以外にもいっぱいあったわけでございますけれども、十三という形の中で、今、福山議員御指摘のように、年金の全額、基礎年金の全額国庫負担がいいのではないかという趣旨のことを発表させていただいたことは事実でございます。
税方式をするとしましても、これまで支払われた保険料との関係をどうするかとか、あるいは一体幾ら掛かるのかとか、そういった検討すべきこともございますし、他方、未加入を防ぐとかあるいはまた運営コストを削減できるとか、一長一短がある。私は結論的に税方式がいいと言いましたけれども、大変これやるにしても作業もまた膨大な時間も掛かるんだろうということで、一長一短があるということを分かった上でというと変な言い方でありますけれども、提言をさせていただいたわけでございます。
今は私は麻生内閣の一閣僚として、今日御審議をいただいておりますこの補正予算が一刻も早く上がって、上がらさせていただいて、そして国民の暮らし、あるいはまた中小企業等の厳しい状況に一刻も早くお役に立てるように今全力を挙げているところでございます。
○福山哲郎君 麻生総理は、昨日も御紹介をさせていただきましたけれども、国民皆年金といううたい文句はもはや死語だと言われました。財務大臣が、社会保障体制としてはどう見ても失格であると言われました。厚労大臣、どう思われますか。
○国務大臣(舛添要一君) 政治家が様々な提言をする、様々な案を出す、各政党や各団体が様々な提言をする、それは決して悪いことではないとまず思っております。
そして、我が国の社会保障制度は自助、共助、公助と、こういう三つの組立てになっておりまして、私は税方式でやるのも、例えば未納問題なんかについては解決しますし、いろんなコストが少なくなる点もあります。しかし、今のこの保険料方式はやはりこの自助という側面がある、そしていろんな意味でプラスもあるし、それぞれにマイナスも、これは委員御指摘のようにあります。
そういう中で、やはりどちらかの方式だけではなくて、私もやっぱり最終的には、今の日本だって半分ずつ両方の方式は入っているわけですから、今、税方式、基礎年金二十二兆円、そのうち七兆円国庫が入っています。これ、全部税で負担すると、二十二から七引くと十五兆円、十五兆円ということは消費税で大体六%ぐらいのこれ持ってこないといけなくなる。そういうような財政上の問題もあります。
しかし、最低の所得保障的なものをどうするか。これは民主党さんの案にも出ていますスウェーデン方式というのがあります。そういうものについての議論をしていくと、私はそんなに変わらない制度に行き着くんではないかというふうに思っていますので、まさにこういうことについて国権の最高機関である国会できちんと議論をして、そしてこれはもうある意味では会派を超えて、これはスウェーデンがそうでしたけれども、協議を重ねて国民に納得のいくものをつくるということがいいと思いますので、そういうようなことが私の今の思いでございます。
○福山哲郎君 そうやって何言っているかよく分からない答弁をされるから国民は惑うんですよ。新しい内閣の総理と財務大臣が基礎年金税額方式だと言って、今の年金はもう使い物にならないと言われている。厚労大臣に言ったら、何だかどっちがいいのかよく分からないと。何なんですか、これ、厚労大臣。
○国務大臣(舛添要一君) いや、意見を聞かれましたからお答えしたわけでありますし、そして、これは何度も申し上げますけれども、国民全体にかかわることでありまして、今日あしたの話ではなくて長い長い長期にわたって考えないといけない。そして、過去の積み重ねがありますから、例えば、保険でずっとやってきた。で、転換期においては保険料の負担もしないといけない。今、年金もらっている方々、一生懸命若いときに保険を払ってきたわけです。で、税方式に変えたら、例えば消費税でやるんだったら、今まで掛金掛けたのに年取ってからもまた払わないといけないのかというような問題もあります。
だから、そういうような様々な問題もありますけれども、いろんな政治家がいろんな案を出す、いろんな団体が出す、政党が出す、それは決して悪いことではありません。そういうことを基礎にしてきちんと与野党間で協議をするということは悪いことではありません、そういうことを申し上げているわけであります。
○福山哲郎君 この年金制度は、強行採決をして政府・与党が決めて動かしているんです、今。それは、一議員がいろんな提言するのは悪くない、それはそうかもしれませんが、今総理と財務大臣なんですよ。今もし舛添厚労大臣がそうおっしゃるんだったら、逆に言うと、次の選挙までに自民党は年金制度をどうするかまとめてくださいね。そうじゃないと、国民は、自由民主党という政党がどういう年金制度を将来的に志向しているのか全く分からない。
今だって中川大臣うなずいておられたじゃないですか。自由民主党としてどういう年金制度を志向されているのか。総理が基礎年金全額方式で、財務大臣が基礎年金全額方式で、厚労大臣が今の制度はやっぱり過去の経緯もあってなんて言っていたら、国民分からぬですよ。そのことを次の選挙までに、どういう年金制度なのか自民党全体でちゃんとまとまって提示をしていただけるように、総理、お約束していただきたいんですけど。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 基本的な考え方がいろいろある、もう衆議院でも御説明を申し上げましたけれども、少なくとも、いろいろな話がある中で私どもは……(発言する者あり)
○委員長(溝手顕正君) 静粛に願います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 私どもはいろんな意見を自由に言えるところがいいところ、まずこれはあらかじめお断りしておきます。書いたときは、内閣総理大臣でもなければ何大臣でもなかったわけですから。そういう話を私は申し上げているのがまず第一点。
その上で、自由民主党としてこういった案というのをきちんとまとめるというのは、私どもとしては最大限の努力をしてまとめたいと思っております。
○福山哲郎君 我が党は、少なくとも年金については一貫して国政選挙のたびに主張してまいりました。更に申し上げれば、年金の問題は本当に、大臣言われたように、国民とともにちゃんと与野党超えて考えなければいけませんが、自民党のスタンスが実ははっきりしないんですよ。自民党、まとめてきてください。我が党に対してすぐに皆さんはばらばらだとか言うけれども、とんでもないでしょう。現実には自民党の総理で総裁と財務大臣が基礎年金税額方式を主張されていたら、だれが見たって次の自民党は年金は基礎年金税額方式を主張しますよね。それがもし、それがもしそのことが主張できないんだとしたら、自民党という党はどういう党なんですか。自由な意見が言えるというレベルの話じゃないでしょう。どうぞ、大臣。
○国務大臣(与謝野馨君) 我が党は、党首が何を言おうが、党員の総意で物を決めていくという政党でございます。
○福山哲郎君 それなら、自民党の党員全部で総意で年金制度をまとめて衆議院選挙に提示をしていただくようにお願いをします。我々は、けんけんがくがく党内の議論をしてこのことをまとめていますので、そのことを申し上げます。
更に申し上げます。
これ、小さいですけれども、(資料提示)国民の皆さん、舛添大臣がテレビ番組で後期高齢者医療制度について言ったそのものです。そのものの文言をそのまま持ってきました。「@年齢で区分けしないA天引きを強制しないB世代間の反目を助長しない」。更に言うと、「後期高齢者医療制度にかわる新制度を創設 舛添大臣の三原則」。
これは、舛添大臣、テレビに出演される前にあなたも確認をして、これでいいと言って出演されましたよね。
○国務大臣(舛添要一君) そのとおりでございます。
○福山哲郎君 あなたは国会の答弁で何度も、国民皆保険を守るためにどのような制度にするのか、この制度の根幹部分については基本的に維持した上で国民のためにこの骨格をと。そして、この根幹とか骨格は七十五歳で区切ることを何度も主張されています。これは全くその骨格が揺らいだ話ですね、どうですか。
○国務大臣(舛添要一君) 私は担当の厚生労働大臣として、今の老人保健制度の様々な問題点を抱えていることを改革する、その一つの案がこの後期高齢者の医療制度であること、そして、その点のいい点はきちんとこれは説明をしてまいりました。しかし、まさに現場にいて様々な問題点がある。その中で高齢者の心情、どうしても嫌だとおっしゃるところがある、その点は二つ。一つは七十五歳以上を隔離したこと、もう一つは強制的に年金から天引きという方式のみを押し付けたこと、これはやはり国民の声に謙虚に耳を傾けてある程度改善しないといけないんではないかと。そういうところで、内閣が交代をする、それで私の政治的責任において、これは官僚にはできませんよ、まさに政治家であり、担当の大臣であるからこそ政治的な決断をやったと、私の政治責任で行いました。
○福山哲郎君 これ、九月の二十日に厚労大臣は発言をされましたが、総理、九月の二十日の次の日、二十一日に総理が総裁選挙で与党として抜本的に見直す必要があるとおっしゃったんですが、この総理の発言は発言の前に舛添厚労大臣と相談をされた結果ですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) この点に関しましては問題点が二つ。先ほど度々申し上げている、度々というのは厚労大臣も度々、私も度々申し上げましたが、六十五歳で切られるのは何となく納得はできると。(発言する者あり)よく聞いてくださいよ。六十五歳で切られることには納得はできるという話をしているんだから、森さんよく聞いて。お願いしますよ。森ゆうこさんの話でちょっと中断しまして恐縮でしたけれども。
六十五歳で切られるということに関しては納得します。ただ、何で七十五なのかと言われる御質問というのは私は全く理解のできるところです。七十五で失礼ですけれども私より元気そうな方も国会の中にもいらっしゃいますし、また、いろいろ元気な方も正直いらっしゃいますから。したがって、七十五というのは何となくちょっと、六十五は世の中の定年がありますんでそこそこ理解ができるけれども、そういう御意見は私はもっともだと思いました。それが一点です。
もう一点は、天引きということに関しましては、組合いらしたことないからお分かりにならぬかもしれない、組合費はチェックオフというのがありましてね、組合費というのは給料から天引きされるんですよ。そういった形になっているわけです。あれは組合と会社との間で協定がそういう具合にでき上がるわけです。
そういった形で天引きというのは一つの手口としては悪くないんじゃないか、手段として悪くないんではないかと私どもはそう思ったわけです。ほかで天引きになっているものはありますから、そういったものはいいんじゃないかと申し上げましたけれども、残念ながらその点に関しては御理解が得にくいということでありますので、そういった意味では天引きの問題に関しては別の方法で、少なくとも銀行振り込みとかいろんな方法があろうと思いますんで、そういった形のものに変えるのは全然いいんじゃないかという、この二点に関して厚生労働大臣からお話がありましたんで、私はその点に関しましては理解のできるところだとお答え申し上げましたんで、それが今事実であります。
○福山哲郎君 じゃ、テレビ出演前に麻生当時の総裁候補と相談した事実は舛添大臣もお認めになられますね。
○国務大臣(舛添要一君) 同じ福岡県の出身でありますし、前から様々な議論を様々なところで行っております。当然、麻生総理とはこういう問題について議論を重ねております。
○福山哲郎君 実はこのときはまだ福田内閣なんですよ。あなたは福田内閣の厚生労働大臣なんです。そして、後期高齢者医療制度を導入をして、そして国民がこれほど悲鳴が上がっているにもかかわらず、説明不足だと、説明が足りないと何度もあなたはあちこちで発言をされ、制度の根幹部分は維持をするということを国会の議論をさんざんしたときに、福田内閣の一員であるときに、福田内閣がもう終わるという直前に、あなたはまだ閣僚でありながら、次の総理になるかもしれない人に事前に相談をして発表されたんです。
それなら、悪いですけど、福田内閣にまず辞表を出してからやってください。私の言ってきたことは間違いでしたと、国民に迷惑を掛けました、だけど私は次の新しい制度に対して責任を持ちたいからまず一回辞めさせてくださいと、それでもよければ閣僚になりたいと言えばいいじゃないですか。福田内閣の閣僚の一員のまま、まだ福田総理がいらっしゃる。福田総理にじゃ相談したんですか、その発言に対して。
○国務大臣(舛添要一君) 福田総理にも町村幹事長にも当然のことながら相談はいたしません。それは、まさに今委員がおっしゃったように、福田内閣の私は一員だからであるんで、政治家としての決断であるわけですから、それは私の政治的責任において、まさに現場にいるからこそ、嫌だという高齢者の心情というのは変わらないんですよ。
したがって、いい制度であることはたくさんありますよ。幾らでもいい点言えますよ。しかし、そういう中においてやっぱり御高齢の方々の心情をきちんと反映しないといけない。それは、委員がおっしゃるようなのも一つのやり方だと思いますけれども、私は一つの内閣が終わるときに一石を投ずるということは決して悪いことではないと思っております。
○福山哲郎君 いいですか、それなら一人の議員に立ち戻って提言をしてください、間違いでしたと言って。何で福田内閣の一員が福田総理にも町村官房長官にも相談もしないでこんなこと話すんですか。
斉藤大臣、連立組んでおられる公明党は相談を受けられましたか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 当時、私は環境大臣になっておりましたので……(発言する者あり)いえ、福田政権の改造内閣で環境大臣になっておりましたので、公明党に相談があったかどうかは私は存じ上げておりません。
○福山哲郎君 山口政調会長はテレビで私は何も聞いていないとおっしゃられました。斉藤先生いい方ですから、かばわれるのは分かりますが、公明党として聞いていないんだったら聞いていないと言わないとやっぱりまずいですよ、これは、連立の責任があるんだから。
もう一度お答えください。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 公明党として聞いていたか聞いていなかったか正直知らなかったものですので、知らないとお答え申し上げたところでございます。
○福山哲郎君 本当に抑制的な、良識的な方ですよね。
これは私は、内閣の中で失礼だとか、舛添大臣けしからぬと申し上げたんじゃないんですよ。このことは国民に対する背信行為なんです。ずっと厚労大臣としてあなたは説明をしていた、国会で。それは国民に説明をしていたのと同じなんです。ところが、福田内閣の終わる直前になって、私は政治判断で変えることを言いましたと。何なんですか、それは。国民の立場に立って考えてみてください。これはひどいと思いますよ。
そして、今日から天引きが始まっているんですよ。今日、新たに被扶養者からの徴収開始が約二百万人。この二百万人は厚労省の言っている、七割以上は減額されると言っている数に入っていますか、含まれていますか。
○国務大臣(舛添要一君) この被扶養者については元々払っていないわけですから、保険を。しかし、国保との比較という形で数字を出していますから、その中には入っておりません。
あっ失礼、ごめんなさい。ちょっと一遍、済みません、もう一度、ちょっと質問聞き間違えた可能性があるので。
○福山哲郎君 被扶養者からの二百万……
○委員長(溝手顕正君) ちょっともう一回整理して、ちゃんと。(発言する者あり)
どうぞ静粛に、ちゃんと聞こえるように。
○福山哲郎君 被扶養者からの徴収開始された、今日から徴収開始された二百万人は、例の厚労省が言っている、政府が言っている七割以上が減額されているという方々に数字は入っていますかと聞いているんです。
○国務大臣(舛添要一君) それはあくまでも国保との比較でありますから、その中には入っておりません。
○福山哲郎君 この人たちは単純に増額ですよね。
○国務大臣(舛添要一君) それは、今まで、サラリーマンの息子さんがいる、そこの扶養者になって払っていなかったわけです。だけれども、分離する形になりましたから、個人個人が払う形になりましたから、そういう意味では払うことになったという、そのとおりでございます。
○福山哲郎君 七割以上が減額と言われている主張は、世帯の七割ですよね。
○国務大臣(舛添要一君) これは、おっしゃるように、世帯でずっと統計を国保についても取っておりますから、世帯の七割ということでございます。
○福山哲郎君 あなた今、個人個人分離する制度に変えたと言ったじゃないですか。そしたら、個人個人分離してだれが増えたのかと言ったら、何割以上かお答えください。今の二百万に入っていないんですよ、七割の中には。一体どのぐらい個人で増えたのか、何割増えたのかをお伝えください。
○国務大臣(舛添要一君) それは、何度も申し上げておりますように、世帯ごとの統計を取り続けてきている今のようなものがありませんから、個人での統計は取っておりません。
そして、幾つかのモデルケースで、二百九十一万がどうだ何万がどうだという形でやって、おおむねということを申し上げているわけでありますので、そして各実施の市町村の数字を全部集めないといけない。だから、一個一個克明に、あなたは上がりましたかどうでしたかということではなくて、統計の取り方がそういうふうになっていますから、今申し上げたような世帯ごとの国保との比較でその数字だということで、個人では出ておりませんということを申し上げたんです。
○福山哲郎君 じゃ、個人でどのぐらい現実に増えたのか、数出していただけますか。世帯ごとの七割というのは、どう考えても我々は信用できないし、今の二百万人もその中に入っていないんです。
どう考えても、厚生労働省は都合のいい数字で、七割以上は減額している、減額しているって、与党の政治家も何人も言っているけど、これ完全に数字が捏造というか、違うんです。だって、個人を分離する制度に変えたのに、何で個人で増えたか増えないかの数字が出てこないんですか。厚労大臣、出してくださいね。
○国務大臣(舛添要一君) いや、だから何度も申し上げていますように、大体の方向をおおむねどうだという形で幾つかのモデルケースを出し、そして国保が世帯ごとですから、世帯単位ですから、世帯になっているということでありますので、どういう形で出せるか、それは検討をさせてください。
○福山哲郎君 いつまでに検討いただけるんですか。
○国務大臣(舛添要一君) ですから、例えば今の二百万人という形をどういう形で取り込むか、そういうことを含めてちょっと検討、いつまでということは今すぐ申し上げられませんが、少し時間を賜りたいと思います。
○福山哲郎君 じゃ、七割が減額されているということに関しては、今ここで訂正をいただけますね。少し国民にミスリードしたということは認めていただけますね。
○国務大臣(舛添要一君) いや、ですからね、委員ね、さっきも申し上げましたように、二百万人というのは元々払っていなかったわけですよ、被扶養者ですから、息子なんかの。ですから、ゼロだった人が増えれば、それは増額になりますよ。
ですから、そういうのと、国保にずっと入っていて払い続けた人の額がどういうふうになったかというのを、ベースが違いますから単純に比較できませんよと。だから、比較のときにはベースが同じやつを比較しないといけないんで、そういう数字をお出ししたということで、これはまやかしをするとかなんとかいう意味ではなくて、世帯ごとに取ったら大体のところはそうですよと。これも、一〇〇%ですよ、一人一人、一億人、失礼、そんなにいませんから、調べていったわけではありませんけど、方向をそういうことだということを申し上げたので、ただ、委員の今の御指摘に対しては何らかの形で答えが出るかどうかを検討させてくださいと申し上げております。
○福山哲郎君 そうしたら、もう一度確認します。
七割の人が減額をされているということは絶対ありませんね。そのことだけ認めてください。
○国務大臣(舛添要一君) 私は、人と言っておりません。世帯、委員が御指摘のように七割の世帯ということでございます。
○福山哲郎君 では、一体どのぐらいの数が現実に増えて、減額されている人がどのぐらいの数か。個人の制度にしたわけですから、そのことについて明確にお示しをいただきますように、早急にお願いしたいと思います。
じゃ、厚労大臣、あなたが言われている制度の見直しの私案、これはどんな位置付けなんですか。
○国務大臣(舛添要一君) 私の下にこの見直しの検討会議を設けました。既に二回検討をやっております。いろんな有識者、専門家、現場におる方々、自分の案はこういうのがいいぞというのを出してこられました。
そういう中で、私は、単にいったん廃止をして前の制度に戻すのは良くない、したがって、どういう制度かについて、これは示す必要があるということで、二回目の後期高齢者に関する検討会議において、いろんなメンバーの方々が御意見を言われましたので、大臣はどういう私案をお持ちですかということでありますので、私の私案を出したわけであります。
○福山哲郎君 その検討会の位置付けはどういう位置付けですか。
○国務大臣(舛添要一君) これは私の直属の検討会であります。例えば、年金についても直属の作業委員会があり、そういう形で現実に具体的な政策をそこで実現していく、そういう一つの手段であります。
〔福山哲郎君「そこで物事が、例えば一年をめどに」と述ぶ〕
○委員長(溝手顕正君) 発言は指名が終わってからにしてください。
○福山哲郎君 そこで例えばですが、検討会で物事がまとまっても、あくまでも私的なものですから、政府の案になるわけではありませんよね。
○国務大臣(舛添要一君) それはそのとおりで、例えば作業委員会なんかは連合の方にも入っていただいて、年金ですけれども、年金記録についていろいろ検討して、それを参考にして政府はどうだと。そして、最終的には委員御承知のように、この国権の最高機関の国会できちんと法律という形で成らないといけませんので、それは当然のことでございます。
○福山哲郎君 与党の連立合意にあります「長寿医療制度については、高齢者の心情に配慮し、法律に規定してある五年後見直しを前倒しして、より良い制度に改善する。」というのは、この舛添さんの検討会とは全く別ですね、今の話ならば。それでいいですね、総理。
○委員長(溝手顕正君) どっちです、総理に聞いているの。
○国務大臣(舛添要一君) 今、福山委員がお読みいただいた自民党、公明党の政権の公約ですから、これはこの線にのっとって与党はしっかりと検討をするということであります。しかし、……
○福山哲郎君 もう一回。
○国務大臣(舛添要一君) 今のは、お読みになってくださったのは、自公の政権合意ですから、前倒しして高齢者の心情に配慮してより良い方向を目指すという、だからこれは自民党の中にも公明党の中にもそれぞれこの問題についてプロジェクトチームがあり、両方の合同のチームもございます。ただ、党は党のレベルで与党の中で御議論をいただく。私は独裁者じゃありませんから自分の案がどうだということじゃなくて、一つの案ですから、いろんな方の意見を聴いてそれも参考にし、最終的にはこの国会で法律の形で決まるわけであります。
○福山哲郎君 総理、総理は一年程度で見直すとおっしゃっているんですが、舛添大臣の私的な検討会、これはまあまとまってもそれは政府の政策になるかどうかははっきり言って分からない。与党も一体どこで今議論されているのか見えない。これね、このまま宙ぶらりんのままで中途半端な見直しだみたいなことを厚労大臣が言われている中で、これもう選挙、よく分からないですよ、国民は。これ一年以内にあるんです。一年をめどにというのは国民に対して非常に失礼なので、総理、絶対にこれは重要な問題なので、医療制度については自民党として次の選挙でやはりきっちりとまとめて国民に争点として提示をいただけるようにお願いしたいんですが、いかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 舛添大臣のところの委員会、また各、自由民主党プロジェクトチーム、自公のプロジェクトチーム、いろいろなところで、この問題はすごく大きな問題ですから、いろいろ議論をしておられる。それを私は、全部まとめてより良い案にするのにどう考えても私は一年ぐらい掛かるかなと思って一年と申し上げました。それができるまで選挙ができないということを希望しておられるふうにも見えませんから、私どもとしては早急にこれを出したいと正直、本当そう思いますよ。ただ、これは結構時間掛かる話だなと思いますので、検討はさせていただきます。
○福山哲郎君 大変失礼な話ですが、強行採決をしてこの問題を無理やり作って今年の四月から用意ドンして、そしてそれに対して大臣がいろいろ言って、選挙が近くなったらこんな三原則みたいなものが出てきて、で、一年掛けて検討しますというのは余りにも失礼じゃないかと私は思うんですが。やっぱりこれは、私は、国民に対してひどい状況だと思いますよ。
もし、舛添大臣、一年掛かるんだったら、これはちょっと撤回してください。要は、今の政府は今の後期高齢者医療制度を維持しようとしているんですよ。一年掛かったら一年ずっと天引き続くんだ、一年掛かったらずっとこの七十五歳の区切りは続いているんだ、だから、今の政府の立場ならこれは撤回して、今の政府はこのことを維持すると、次の議論が出るまでは維持すると明確にしてください。
○国務大臣(舛添要一君) 私は全く言い方を変えていません。いろんな発言の隅々だけを取って言う方がおられますが……
○福山哲郎君 隅々ってあなた……(発言する者あり)
○国務大臣(舛添要一君) ちょっと待って、ちょっと待って、発言中ですから、発言中ですから。
○委員長(溝手顕正君) ちゃんと聞いてください。
○国務大臣(舛添要一君) その三つの点は全く変わっていません。
先ほど来説明をしているように、私が一番よく知っているんですよ、現場だから。だから、高齢者の御心情に配慮したというときに七十五歳以上を隔離するのが嫌だと言っているんだから、それを改革する方法を考えようと言ったら何で悪いんですか。それから、天引き、もう一部分やめていますよ。今日の天引きの中で五%の方は特別徴収、つまり年金からの天引きを自ら手を挙げてやめていますよ、それは銀行からの口座振替でできるようにしました。ですから、二番目の問題はもう一部分は変えています。ただ、これも例えば、窓口に自分で持っていきたい、郵便局に持っていきたい、そこまでは許されていません。それはその介護保険法に準拠した今度の後期高齢者医療保険法は特別徴収という文言が、そこに法律にあるんです。したがって、これはそれを特別徴収という言葉を法律を変えないとできません。だから、銀行からの自動的なこの引き落としというのはほぼ年金に準ずるという法制局の解釈をいただいてやったところでありますから、それは一部分変えてあります。
それから三番目の、すべてそうですよ、財源のどういう構成にするかが最大の問題であるわけですから、そこは全く、そういう方向性で見直しをやるということは全く間違っていないんで、そして見直しの結果、それは与野党を超えてきちんとこの国会で議論をして、新しいものができたら古いものが終わるということですから、何ら私は間違ったことは申し上げているとは思っておりません。
○福山哲郎君 今のは部分修正っていうんですよ。そんなことは工夫したらできるんですよ。
いいですか、この制度始まって、何が新しいものですか。この制度は四月にスタートしているんですよ、新しい制度なんですよ。何が新しいものができたら新しくすればいいじゃない、そんな無責任なことないでしょう。あなたが導入した大臣なんですよ。スタートする以前から見直し、見直しで来て、半年たって挙げ句の果てには厚労大臣が根本的な見直しを発言して、国民がどう制度の信頼性をキープできる、維持できるんですか。全くもってけしからぬ。
私は、もうとにかくこの問題については早く自民党の中で整理して、医療制度をどうするのか選挙で提示をしていただきたいと、もうとにかくそのことをお願いします。
ちょっと話変わります。全く別の話ですが、自民党の総裁選のさなかの公示日、NHKの七時のニュースで自民党の総裁選を時間を延長して四十五分間も自民党の総裁選挙の放送をされていました。それに対して、大変数多くのクレームというか苦情が来たと承っておりますが、一体何件ぐらい来たのか、お答えください。
○参考人(今井義典君) お答えいたします。
自民党総裁選が告示されました九月十日の「ニュース7」、午後七時からのニュースに対しまして、およそ三百件のお電話をちょうだいいたしました。翌日の総裁選関連のニュースと合わせますと、五百二十件の意見、要望が寄せられました。この中では、放送時間が長いという意見が多くありました。また、立候補した五人の主張を丁寧に伝えていて良かったという意見などもいただいておりまして、いろいろな意見が含まれております。
○福山哲郎君 いろんな意見があったんだと思いますが、このいろんな苦情は多い方ですか、少ない方ですか。
○参考人(今井義典君) 様々なニュース、番組に対しましてお電話をいただくことが毎日のようにありますが、この件数、先ほど合わせて五百二十と申しましたが、五百三十件が正しい数字であります。多い方だというふうに言えると思います。
○福山哲郎君 あえてクレームがどのぐらい来たのかは聞きませんが、これに、このお客様の、例えば時間を延長して四十五分も自民党総裁選挙の放送をした、やり過ぎではないか、意図は何かというあるお客様の答えに、NHKのその窓口のコミュニケーターという方が、意図はもう明白ですよ、自民党の総裁選のPRですよ、当たり前じゃないですか、そんなこと分からないんですかと答えた方がいらっしゃったというのは事実ですか。
○参考人(今井義典君) 窓口の担当者がそのような発言をしたのは事実であります。NHKとしては、この発言は極めて不適切なものであると判断いたしました。言葉遣いも含めまして、電話を掛けてこられた方を不快にさせたものだと考えております。こうしたことのないようにコールセンターを指導するとともに、研修を徹底してまいります。
改めて、視聴者の皆様におわびいたします。
○福山哲郎君 私は、このコミュニケーターの方が多分特殊な方だと思いますから、余りそのことをもって殊更に申し上げる気はありませんが、これから本当に選挙が近くなるかもしれません。NHKはやはり国民の皆さんの信頼度高いと思います、いろんな不祥事があっても。だから、NHKとしてはそこは非常に、公正報道も含めて、自制的に番組の構成、編成に当たっては御留意をいただきたいとお願いをしたいんですが、いかがでしょうか。
○参考人(今井義典君) NHKは、放送法の規定を踏まえまして国内番組基準を定めております。この中で、「全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保」することを明記しております。さらに、「政治上の諸問題は、公正に取り扱う。」、さらに、「意見が対立している公共の問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにし、公平に取り扱う。」ことなどを定めております。
NHKは、こうした方針に基づいて報道機関として不偏不党の立場を守り、NHKの放送全体として公平性を確保し、公平公正な報道に努めてまいります。
○福山哲郎君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
それでは、現下の金融状況の対応についてお伺いします。
先ほど申し上げましたように、私は、政府が早々にこの金融の危機に対して対応いただいたこと、また中川財務大臣の蔵相会合における御発言等々、また麻生総理の御発言等も含めて私は大変評価をしておりますし、まだまだ余震は続いているやに思いますが、とにかく御健闘、御奮闘いただきたいと思いますし、我々もこの件に関しては反対ばかりの主張をする気は毛頭ございませんし、十月の十日に我々もいち早く大塚参議院議員を中心に金融対策のチームでまとめた案を、与党が参考にしていただいたかどうか分かりませんが、非常に平仄の合った形で今対応していただいていることにまず感謝を申し上げたいと思います。
そこで、日銀総裁に、お忙しい中、また海外からの帰国でお疲れの中、御足労いただいております。G7の議論の中身、それから中央銀行総裁会議の中身、欧米の資本注入、それから昨日の米国等の資本注入の発表があった点等々について、現状認識について総裁にお伺いしたいと思います。
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
まず、今回のG7でございますけれども、国際金融市場や米欧金融機関の経営をめぐる緊張が著しく高まる中で、各国からの参加者が強い危機感を持ちまして、精力的かつ率直な議論を行いました。そうした議論を経まして、国際金融市場の安定性と金融システムに対する信認を確保するために、G7各国が強い決意を持って必要な施策を迅速に推進していくということが確認されました。
このために、会議の席では、当局として何をなすべきか、アクションプランと呼んでおりますけれども、そのことを意識し、明確なメッセージを市場に対して打ち出すということに最大限の注意を払いました結果、従来形式のコミュニケとは異なる簡潔かつ明瞭なアクションプランを発表いたしました。
G7、それから前後しましていろいろな会議がございますけれども、そうした場を通じまして、まず私からは日本経済の状況、それから金融市場の状況を説明しました。さらに、日本の金融危機の経験を踏まえまして、どういうことを行うべきかということについて申し上げました。特に、金融市場の安定確保が大事であること、この点では中央銀行による流動性の供給が重要であるということをまず申し上げました。加えまして、自己資本が不足する場合には、公的な枠組みの下で自己資本の注入が必要であるということも強調いたしました。
このうち、中央銀行という観点から申し上げますと流動性の供給ということになりますけれども、既に日本銀行は積極的な対応策を講じております。リーマンの破綻以降、連日数兆円規模の大量の資金供給を行っています。このほか、主要国の中央銀行とも協調しまして、相次いで施策を打ち出しております。
一つ申し上げますと、九月にはアメリカの連邦準備制度とスワップ協定を締結しましてドルを調達し、その上で日本の国内に位置しています金融機関に対しドルの資金供給オペレーションを導入いたしました。また、今月の八日には、各国の中央銀行との共同声明の中で、金融市場の安定を維持していく観点から、金融調節面で更に改善を図る施策について速やかに検討することを明らかにしました。
昨日、そうした中で早期に結論を得られた部分について、まずその施策を公表しました。具体的には、国債のレポ市場、これは国債を担保とする資金市場ですけれども、その面における流動性改善策、それから企業金融の円滑化のためのCPオペの活用、それからドル供給オペの拡充などの措置を講じました。
それから、今申し上げました金融調節面での対応とは別に、昨日、政策委員会の通常会合を開催しまして、日本銀行の買入れ株式につきまして、株式市場の情勢を見極める観点から、当分の間、市場売却を停止することといたしました。
それから、福山委員今御指摘の欧米の施策でございますけれども、これは、流動性供給の面、それから金融機関に対する資本注入の面、それからさらに銀行の債務保証という面で思い切った措置を導入いたしました。私としましては、こうした一連の措置は我が国を含め世界の金融市場の安定に貢献していくものだと考えております。
今後とも引き続き国際金融市場の動向に注視しまして、金融市場の安定確保に万全を期したいと思っております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
もう今大体お答えをいただいたと思いますが、日銀の今後の役割と、あと政府との連携等について、もし総裁何か御答弁あればお答えいただければと思います。
○参考人(白川方明君) 現在、世界の金融市場は大変な緊張状態にあります。こうした中で中央銀行が果たし得る最も大きな貢献というのは、これは金融市場の安定を確保するということだと思います。この面では、先ほど申し上げました流動性の供給の面以外にも様々な施策があり得るので、そうした施策を今鋭意検討を行っておるということでございます。検討の結果、実行に移せるものから実行にまた移していきたいというふうに強く思っております。
それから、政府との連携でございますけれども、これは大変に重要なことであります。今般のG7の会合も、会合に先立ちまして総理官邸に、総理から、私も含めて官邸に参りまして、G7に対する、日本として何を主張すべきかということについて御指示もいただきましたし、私もまたそれも踏まえて発言を行いました。それで、相前後して中川大臣、それから今金融担当大臣も兼任されておりますけれども、現在の日本の金融市場の問題、金融界の問題も含めまして率直に意見交換をさせてもらっていまして、意思疎通を密接に図っております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
大変危機のところでございますので、総裁におかれましてはお忙しいと思いますので、これでどうぞお引き取りいただければと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。
幾つかだけ提言というか、財務大臣にお伺いしたいことがあります。
リーマンが九月の十五日に金融庁から業務停止命令を受けました。リーマンは御案内のように国債の引受けのプライマリーの中に入っておりまして、九月の十六日、それから九月の二十二日両方、日本国債の払込みの期日がありました。いわゆるフェールという払込みが行われなかったことなんですが、このリーマンによる払込みが行われなかった金額についてお答えください。
○国務大臣(中川昭一君) 御指摘のように、リーマン・ブラザーズ証券は九月十五日の破綻の前に日本の国債の落札をしておりましたが、十五日に破綻ということで、二回に分けての払込みが行われませんでした。金額は、九月十六日が、政府短期証券が四百四億円、二年物が八百五億円、それから九月二十二日が、十年物が一千五百八十一億円、五年物が一千三百四億円、合計四千九十五億円でございます。
○福山哲郎君 私は殊更にこの国債の払込みが行われなかったことに対して国債マーケットを混乱させる意図は全くありません。このことに対して影響が軽微だったことも、軽かったことも財務省や金融庁からも承っております。
しかしながら、大臣、こういった払込みが行われなかったことというのは過去に例ありましたでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) 国債に関しては例ございません。
○福山哲郎君 そのぐらいプライマリーに参加をしている企業というか銀行や証券はそれなりの信用度があったと。そこが現実に払込みが行われないような状況が起こったと。現実にリーマンが落札したいわゆる債券をいろんな形で、返却や購入を含めて全体としてのフェールが約二兆一千六百二十億円発生をしています。
このようなことに対して、今財務省はどのように対応を考えているのか、若しくはどう対応したのか。私は決してこれが大きな影響があったと言いたいわけではないです、今後のためにお伺いをしているので、お答えいただけますか。
○国務大臣(中川昭一君) こういうことが起こったのは、もう御指摘をまつまでもなく、大変遺憾なことだというふうに思っております。しかし、国といたしましては、これによる、いわゆるフェールによる影響が起きないようにということで、例えば今回の場合には余裕金等々で融通をするとかいたしまして万全の、資金調達に不足が生じないように万全を期しているところでございますけれども、これからもこういうことがないように、また万が一あったときにも支障が起きないような対策をきちっと取るようにしていかなければいけないというふうに思っております。
○福山哲郎君 資金繰りの話はある程度用意していただいているのは分かりますが、例えば九月の十五日に業務停止命令があって十六と二十二日が払込日なので、このことは想定できたのではないかと私は若干思っているんですが、そこはいかがでしょうか。
○国務大臣(中川昭一君) これは率直に申し上げて、私も事前の打合せのときにそういうことはできなかったのかと質問したんですけれども、まあこれは初めてのことだったということは理由にはなりませんけれども、一般に民間においてもこういうことは時々起こることだそうでございまして、他方、これによってフェールが起きても全体の資金需給あるいはまた全体の国債発行政策に影響がないということで、これは御指摘のとおり十五日に破綻をしたということでございますけれども、入金が行われなかった、払込みが行われなかったということで、通常の作業の中でやったということでございます。
ちなみに、十六日付けでこのリーマンはプライマリーから外したということでございます。
○福山哲郎君 プライマリーから外されたのはもう当たり前の話ですが、ただ二十四社がプライマリーに今いらっしゃるわけですけれども、現実にこういうことが起こらないことが一番でございますが、万々が一のときにどのような対応策を考えられるかも含めて、やっぱり国債は信用が重要です。
軽微な、大して影響なかったと言いながら、これが例えば、度重なればいけないと思うんですが、何かあったときのために、是非そこは想定も含めて準備だけはしておいていただきたいということのお願いなんですが、いかがでしょうか、財務大臣。
○国務大臣(中川昭一君) 先ほど白川総裁もおっしゃいましたように、今の世界の金融情勢あるいは流動性については極めて緊張が高まっているわけでございます。日本はそれに比べれば相対的に安定をしていると認識をしておりますけれども、こういう世界を代表するアメリカの証券会社がある日突然、突然といいましょうか、こういう形で破綻をしてしまうということが現に起こっておりますので、今まで以上に、世界の金融危機の中で我々も混乱が起きないように今まで以上に緊張感を持って対応していかなければいけないと、こういうふうに思っております。
○福山哲郎君 我々も、財務大臣が言われるように、金融機能強化法の問題については復活をしていただきたいというふうに主張しておりまして、早く中身とそれから法案なりを整備をしていただきたいと思っていますが、この金融機能強化法については一体いつ、どのような内容で今御検討されているのか、お答えいただけますか。
○国務大臣(中川昭一君) 総理からの御指示で、金融機能強化法、今年の三月で切れましたけれども、これは健全な金融機関に対していわゆる貸し渋り、貸しはがしがないようにということで役に立つという総理からの御指示もいただきまして、今検討をしているところでございます。これは法律改正が必要でございます。それから、できれば内容も、使い勝手のいい、更に質のいいものにしていきたいということでやっていきたいと思っております。
検討をしておりますし、また、これについては昨日も申し上げたように、世界の金融危機の中での日本でございますから、与党だけではなくて、民主党さん始め野党の皆様方、とりわけ福山議員にもいろいろお知恵を借りて、そしていろんな立場からの御意見を聞きながら、しかし時間はそんなに放置することもできませんので全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 ありがとうございます。時間は急いでいただきたいと思っています。
もう一点、実は配当課税の問題です。
自公合意の中で、実は来年の一月から上場株式の譲渡益及び配当への課税が非常にややこしい制度になっています。五百万以上とか百万以上については、それ以上の確定申告をすると。
日本の株式のマーケットはシェアが外国人が六割以上を占めていて、だから逆に脆弱性が高いと。やはり個人の長期保有の株主等を育てていかないと、いつまでたってもこの国は株式市場が非常に脆弱している中で不安で投資家が損を被るという形になると思っています。そのときにやっぱり配当に対して国がインセンティブを与えるということは重要なことだと思っておりまして、とにかくお願いをしたいこと、二つ。一つは、確定申告みたいなややこしいことはやめていただきたいということ。二つ目は、軽減税率、要は一〇%の継続をお願いしたいこと。
もう一つ例えば言わせていただければ、これは党でうちはまとめているわけではありませんが、党で私も議論をしていきたいと思いますが、ひょっとすれば、長期保有を条件に三年の期限付でこの配当課税等については例えば五%にするとか非課税にするとか、こういった思い切った政策ができないのでしょうか。要は、今は株価が下がっていますから利回りでいっても相当実は良くなっています。そのことも含めて、そういった思い切ったカンフル剤のような政策が必要だと思っていますし、そうすると長期保有をする人たちも増えてくると思います。
是非、まずあの訳の分からぬ確定申告はやめてもらう。実は、この確定申告のおかげで、今日は時間がないので余り申し上げませんが、確定申告をしたおかげで、社会保険料等も含めると実は増税になる方々が出てきています。その事実は昨日財務省も認めていただいていると思いますが、そういう意味のないことならば、きっちり税金を取るから、分離課税でいいからといって一〇%とかもっと思い切っていただければ、配当課税について時限でゼロにするとか五にするとかという思い切ったことを与党内でも議論をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 今、福山先生が言われた第一点と第二点については、昨日今日の自民党の税制調査会で議論の対象になっておりまして、私、大体の、予想はできないんですけれども、大体先生のお考えの方向の方の方が意見が多いように思っております。
それから、第三点は議論はしてないんじゃないかと思います。
○国務大臣(中川昭一君) 私の立場からは、まず金融担当大臣といたしましては、証券市場の活性化ということが大事であろうと。今御指摘のように、取引が外国が大宗、半分以上を占めるという状況というのを国内の方々、個人あるいはまた法人を含めて参加をしていただきたいというふうに思っております。それから、やっぱり簡素化、そしてまた金融所得課税の一体化といった観点からの議論も必要だろうと思います。
他方、私は主税局を担当している財務大臣でもございまして、それぞれの立場で、立場が違うからそれぞれの役所があるわけでございまして、それぞれの立場の主張というものは我々、私も十分頭の中に入れなければいけませんけれども、総理から兼任をしろというふうに言われた以上、私の頭は一つでございますので、頭の中でよく両方の部分を考えながら、与謝野大臣や総理の御指示をいただきながら、また、これ党での議論もございますので、そういうものも踏まえながら考えていきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 ここは、金融と財政担当の大臣が一緒になったことの利点として生かしていただきたいと思います。つまり、そこで何かどっちにも引っ張られて決まらないとかいうのではなくて、そこは政治決断をしていただくことが重要だと思っていまして、麻生総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 今言われましたように、確かに東京証券市場におけるフローは六〇%なんですよね、外国人の比率は。ストックはたしか三割切って二七、八かな、今は。ちょっと最近の数字よく知りませんけれど、そんなもんだと思います。
したがいまして、そういった意味では、日本人のやっぱり、福山先生、意識として、やっぱり貯金の方が株よりは堅い。何となく、株というのは何か危ないとかいかがわしいとか、あの人は株やってるなんていうと、何となくちょっとというのがやっぱり私どもの田舎の方へ行くとかなり強いと思いますね。
そういった中にあって、やっぱり貯蓄で一千四百五十兆とかいう巨大な個人金融資産ということになってくると、やっぱり貯蓄から投資ということに回っていくためにということを考える、そのための税制、そういったものは大変大事なものではないかなと、基本的にはそう思っておりますので、今おっしゃいましたように、こういったものは難しいのは駄目なんで、頭のいい人がやるとどんどんどんどん話が難しくなるでしょうが。だから難しくしないで分かりやすくするというのが大事なところだと思いますので、難しくしないようなことにしないとそっちの方へ回ってこないんだと思いますので……
○福山哲郎君 もうちょっとはっきり言ってください。もう少し明確に言ってください。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) だから、分かりやすく、今のところを。分かりやすい方向できちんと一〇にするか二〇にするか、何とかするのか、すぱっと分かりやすくしろという御意見も、私もそう思います。
○福山哲郎君 是非、その確定申告どうのこうのというのだけはもうとにかく外していただきたいと思っています。
もうこれで次行きます。ちょっと時間がなくなってきました。食の安全でございますが、どれから行くかな。
総理、実は汚染米の問題で、業者が一義的に責任があると、農水省も責任あるけどとずっと答弁をされています。実は一義的に責任は業者だけではないと私は思っていますので、そのことについてちょっと石破大臣と議論をしたいと思います。
お手元にお配りをしている二種類の事故米の流通経路について見てください。事故米は二つ出てきています。今議論になっているのは、食料として合格をして実は事故米として流れている方です。石破大臣がいろんな決断をされて、もう出さないという話をされたのは、もう不合格になって現実に商社から出ていく方です。現実に商社からこの輸入検疫のときに駄目だと言われたものに対して積み戻しや廃棄をするんですが、これをするという御勇断を農水省はいただきました。
これに関しては評価しますが、このコストは、大臣、どこで賄いますか。
○国務大臣(石破茂君) このコストは輸入業者が負担をいたします。
○福山哲郎君 そうすると、リスクがありますから、ミニマムアクセス米を輸入する業者が少なくなる可能性はありませんか。
○国務大臣(石破茂君) 委員よく御案内ですのでこれ端的な答弁を申し上げますが、それは輸入業者がリスクを負担するということになります。そのリスクを軽減をしようと思えば、保険に新たに加入するというようなやり方を取るのが民間業者の通例であるというふうに承知をいたしております。そうしますと、そのコストというものが転嫁される、あるいは調達価格にある程度反映されるということになります。私はそういう仕組みがリーズナブルだろうというふうに考えております。
○福山哲郎君 とにかくそのことについては、コストが余り税金等を使われないようにお願いをしたいと思います。
それから二つ目、ごめんなさい、もう具体的なもので行きます。問題の三笠フーズです。汚染米が流通しました。私の地元の京都の保育園の園児がこれを食べました。野田大臣が行っていただいた保育園です。あそこの園長先生の前の園長先生は私の高校の担任の先生だったんです。大変な、園児が、親も含めて、保護者も含めて心配をされていました。
一つ、農水省は、この三笠フーズに、各農政事務所に対して三笠フーズを紹介していた事実があるかどうか述べてください。
○政府参考人(町田勝弘君) お答え申し上げます。
事故米穀の売却に当たりまして、過去に購入実績のある業者に対しまして入札への参加を促し多数の入札参加者を得ることは、より競争性が高まることが期待でき、競争入札の趣旨に沿ったものというふうに考えております。
このような観点から、事故米穀の売却を行う農政事務所等の求めに応じまして、本省が三笠フーズを含めた過去に購入実績のある事業者を示したことが確認されております。三笠フーズの不正行為を長年にわたって見逃してきたため、過去に購入実績のある事業者の一つといたしまして三笠フーズを示してしまったということについては十分深く反省しているところでございます。
○福山哲郎君 では、農水省本省から各地方農水事務所に対して早く汚染米を売れと指示したことはありますか。
○政府参考人(町田勝弘君) お尋ねの件でございますが、十八年の四月十一日付けで総合食料局の消費流通課長名で「政府所有物品(事業用)の亡失・損傷事故に係る迅速な処理について」という文書を各農政事務所長あてに発出しております。これは、事故品に係ります一連の処理につきまして長期を要しているものが見られ、会計検査院等から事務処理が遅いとの指摘を受けまして、事故品の早期売却、求償又は無責認定の伺いの提出など、迅速な事務処理に努めることを指示したものでございます。
○福山哲郎君 総理、いいですか。農水省から三笠フーズを紹介をして、早く売れと地方に督促を出して、そして早くやれやれと売りに行っていたんです。これが実際なんです。だから、三笠フーズが一義的に悪いのは分かっているんですけれども、現実の問題として、農水省と農政事務所は検査をいいかげんにしながらこのことを放置していた事実は間違いないんです。
問題は、去年一月に垂れ込みがありました。垂れ込みがあったときに、実は私、通知書を見たんです。その垂れ込みの、要は垂れ込みがあったから、簡単に言うと、調べろという通知書が行っているんですけど、その通知書には垂れ込みがあったことも書いてないし、それから実は、お手元にある、すごい問題なんですけど、この検査成績書というのが入っていたことも実は農政事務所からは全く通知が行ってないんです。この検査成績書というのは大問題で、普通、主食の米が流通するときにこんなものは付けないんです。こんなものを付けていること自体怪しいんです。なおかつ、この垂れ込みには怪しいという文言が書いてあったんです、具体的に。それでも実は、調べろという通知書には全くこの内部通報の事実も検査成績書が入っていた事実もなく、ただ淡々と在庫を確認しなさいという通知書で検査に行って発見できなかったという事実があります。これで間違いないですよね、石破さん。
○国務大臣(石破茂君) 事実関係はおおむね委員御指摘のとおりであります。
したがいまして、そういう垂れ込みという言葉を使うか通報という言葉を使うかは別にいたしまして、そういうのが来て、実際に現場に出した指示はこれは間違いです。それに従って三袋足りないとかそういうようなものは、全くこれは通報の趣旨に沿っていません。かくかくしかじかこういうようなことを検査をしなさいという指示もちゃんと出されていない。その責任は問わねばならないと思います。
そしてまた、そこにおいて何が指摘されていたのかということの認識は、これは本省も現場も持たねばならないことであって、食の安全にかかわる官庁として誠に不適切であったとおわびを申し上げねばならぬことだと思います。
○福山哲郎君 更に言えば、この通報後、立会検査の数、お手元にありますが、この二〇〇七年一月からというのは通報後なんですけど、三笠フーズ、それから浅井、太田産業、全部実は、回数増えているんですよ。これ、何で回数増えたんですか。
○政府参考人(町田勝弘君) 御指摘いただいたとおり、この十九年一月の情報提供後、立会いの回数が増えております。
その主な理由でございますが、メタミドホスが残留いたしました中国産のモチ米を、浅井、太田といった社に対しまして、平成十八年十二月から十九年五月にかけまして販売しております。これを受けまして両社から提出されました加工処理計画における加工の回数といったものが増加したということ、また十九年一月の情報提供を受けまして契約の履行確認のための立会いの回数を増やしたということによるものと思っております。
このように、立会いの回数は増加したわけでございますが、チェック方法が甘く、横流れを見抜けなかったということにつきましては、深く反省しているところでございます。
○福山哲郎君 この立会いは全く機能しなかったことはもう世の中明らかなとおりです。
今回、僕びっくりしたんですよ。この九十六回のうち、通報後の四十九回、大体平均すると二人から三人、検査に行っているんです。この検査、二時間ぐらいの検査、日当出ていますよね。事実をお答えください。
○政府参考人(町田勝弘君) 九十六回の立会いにつきましては、国家公務員等旅費に関する法律に基づきまして日当が支払われております。
○福山哲郎君 何も機能しなかった。行って、実はこれ、済みません、もう一個つまらないことを聞きます。公用車利用されていますよね。
○政府参考人(町田勝弘君) 公用車の利用が主というふうに、主でございます。
○福山哲郎君 地方の農政事務所が、こういった指示が出て通報があって立会いに行っているのに、全く見付けられなかった。報告書全部見れば、十時から十二時、相手の指定された時間に行って、相手の指定されたものを見て、大丈夫だと言って報告書を書いてきた。公用車を使って行って、二時間座って行って、自民党の先生の予算委員会の質疑の中では、茶飲み話をしてきたという指摘がありました。それで日当付いているんですよ。
私は、日当の大小のことを言っているのではありません。このことが、いかに農水省の、地方の農政事務所も本省も含めてたるんでいるか、けしからぬことか。大臣、どうですか、これ。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘はそのとおりであります。全く弁明の余地はございません。私は、今農水省をお預かりしておりますので、人ごとのように申し上げるつもりは全くございません。
私も現場へ行きました。行って、農政事務所に行ってその書類も見ました。行っているのは二時間。そしてまた、その書類はだれも見ていない。書いただけでそれがファイリングされている。上司も見ていなければ本省も見ていない。こんなものは検査とは言わない、立会いとは言わない。
そして、それをやっているのに、私もあの三笠フーズを、工場も見ました。粉状にする機械も見ました。だとすれば、その量を粉にするのにどれぐらいの時間が掛かるのか、それはずっといなければ分かりません。そして、それがやられたと仮にないとすれば、その機械がどれぐらいの電力を使用するのか、電気代はどれぐらい払っているのか、それがちゃんと稼働しているのか、そんなことは見りゃ分かることです。難しい話でも何でもありません。形式に出していたと言わざるを得ない。このことの責任は極めて重大でありまして、このことについて責任はちゃんと問います。そして、処分も厳正なものを行います。
○福山哲郎君 この旅費はどこの会計から出ていましたか。
○政府参考人(町田勝弘君) 申し訳ございませんでした。
九十六回の立会いの出張旅費の支出でございますが、八十九回が食料安定供給特別会計から、残りの七回につきましては一般会計から支出されております。
○福山哲郎君 これも特会か一般会計か使い分けしているんですよ。よく分からぬのですよ。つまり、特会がある種の自由な財布になっている、これも大臣、お認めいただけますよね。
○国務大臣(石破茂君) これは、なぜ使い分けが行われたかという点も含めて、きちんと調べまして御報告を申し上げます。この特会というものが便利に使われて、そしてそれが旅費、旅費がどれぐらい払われたか、私はすぐ調べますが、そしてまた、これは今局長から答弁申し上げましたように、その規定に従って支払われたと承知をいたしておりますが、それがちゃんと目的を達しなかったときに、これ本当に払ったままでいいのというような、そういうような議論はあるんだろうと思いますね。そこのところをどう考えるかは、調べまして早急に御報告を申し上げます。いいことだと思いません。
○福山哲郎君 私、もう時間がなくなったので、もっとお伺いしたいこといっぱいあったんですが、一つは、農水省が公表されました、いろんな流通経路。一番、実は消費者のところ、先ほどの保育園とかから、それから現実には非常に上流のところ、三笠に近いところまで一遍にやられました。これの法的根拠を石破大臣お答えください。
○国務大臣(石破茂君) 農水省はこれを公表する法的根拠を有しておりません。
○福山哲郎君 これ、何も分からずに仕入れたところ、それから実際に在庫として置いてあって全く使用していなかったところ、これは危ないなと直感的に感じて、もう全く使用しないで廃棄処分を自費でやったところ、いろんなところがあります。それを一遍に公表されたおかげで大変な風評被害が起こっています。
これ、実は手紙が来ました。
問題は、回収され全く使用していないのに、転売にかかわった業者として農水省のリストに載り、そのまま公表されたことです。そのために、まるで犯罪者のような言われ方で、尋問のような質問をテレビ局、新聞社から連日ひっきりなしに浴びせられ、幾ら説明しても反論しても信じてもらえないことです。何を言っても相手にすらしてもらえないことです。帰省したとき、両親はやせて目はうつろで、憔悴し切っていました。報道されてから約一週間、たった一人のお客様も来られず、売上げゼロの日が続いています。でも、困っているのはお金ではありません、信用ですと。
一体、どういう根拠でこれは公表したんですか。
○国務大臣(石破茂君) 当時、食の安全の確保を最優先するという観点から、法的根拠はないけれども、関係企業等の名称を公表するというふうに決定したというふうに承知をいたしております。私は、当時いなかったからといって、責任を回避するつもりは全くございません。農水省はそのまま責任を受け継いでおりますので。
それで、委員御指摘のこの風評被害というものに対してどうするかは、これは本当にその方々の身になって考えなければいけないことです。そして、同情するだけではもうどうにもならないので、それは我々の責任ですから、その企業が本当に経営がやっていけるようにするのは私は国の責任であると考えております。したがいまして、すべてのこの公表した会社さん、事業者さんのところに農政局長、農政事務所長、全部行かせました。そして聞き取りもいたしました。それは全部私が読んでおります。できる限り私の方からもお話をさせていただくようにしております。
それで、金融的な支援が何ができるか、支援がどういうことができるか。そして、こういうものは安全なんですということは私どもの責任でやらねばならないことです。それは新聞に全面広告打ちゃそれでいいというような話ではございませんので、地方紙も含めてどのようにやるか。
いずれにしても、いかな安全第一とはいえ、公表したことによって、まさしく委員御指摘のように、売上げが物すごく落ちちゃう。そういうような中小企業の資金繰りというのはどんなに苦しいかというのは、私も銀行員やっていましたからよく存じております。本当にそういう方々が、農水省が本当に親身になって、政府全体でその信用の回復、のれんの回復、一番傷ついたのはのれんです、信用です。そのこともよく分かっております。政府として、私として、本当に納得していただけるように、スピード感を持って、これは全力を挙げてやらせていただきます。
○福山哲郎君 何もしなかった結果、これだけまた税金を使い、国民に迷惑を掛けています。
もう私質問をやめますが、ほかにも言いたいことたくさんありました。実は消費者庁の議論が出ていますが、今回の垂れ込みでいうと、実は、食糧法に、マニュアルに農水省はしましたので、実は消費者庁ができても実は検査の限界が出てきます。そのことも含めて消費者庁の議論ももっとしていかなきゃいけないと思いますが、今日また農薬出ました。メラミンの問題もありました。中国産のギョーザもありました。このMA米の一部に実は中国の米も入っていました。
これは、やっぱり中国からの輸入品、食料品の輸入に対して、私どもはやっぱり必要だとは思いますが、どういう検査体制が本当にやらなければいけないのか、また中国政府にどのような強い抗議若しくは申入れをしなければいけないのか。これはやっぱり総理の決意だと思いますし、総理、このことについて、それから先ほど言ったように、これだけのことがあっても一義的には業者だとおっしゃるのか。私は、ある意味でいうと責任は農水省にも十分あると思いますので、そのことについて御決意と御答弁いただいて質問を終わりたいと思います。
○内閣総理大臣(麻生太郎君) 二つ御質問があったんだと思いますが、一義的にはやっぱりそれは危ないんじゃないかなと知りつつ食料に流した業者の、これはモラルハザードとかいろいろな表現ありますけれども、これは大きいですよ。私は、そういったもの、これ固まらないというセメントで売っているような話ですからね、これ。食い物ですよ、しかもこれは。食べ物ですから、これは物すごい、モラルとしては物すごく大きいですよ。(発言する者あり)それはもちろんですよ。だから、自分の食べ物ですから、これは特に。
だから、自分の作っている商品をきちんとしたモラルを持って売るということがやっぱり製造業者としては物すごく大事なことだということを申し上げているんで、何となくセメントをばかにされたような言い方はちょっと不満でしたけれどもね、今のは。自分の作っている製品に関して責任を持つというのは業者としては大変なことです。それが一番だということを申し上げたいんです。食い物というところが一番問題なんだというところをおっしゃいますんで、これが一番だと申し上げている。
しかし、先ほど石破農林水産大臣から申し上げましたように、これは、それを看過したという点に関しては、裏でつながっていたんじゃないかとかいろいろ御批判のあるところだと思いますので、この点に関しましては、これは極めて責任が重たいというのもはっきりしております。
もう一点のことに関しまして、中国のものに関しましては、これは基本的には外務省、農林省、いろいろな政府として申し上げにゃいかぬところだと思いますが、向こうにこれまで福田内閣のころからこの話はずっと続いてきておった話でもありますので、私どもは、少なくともこれを日本に今後とも輸出をしようというんであれば、しかるべき検査体制をきちんとしてくれと。言ってもやらないのならこっちできちんとやらなきゃ、その分だけコストが掛かりますけれども、そういった問題を、検査官を増やしたりなんかするのは当然コストが掛かります、こちら側も。
そういったものを含めまして、私どもとしては、この食料というものが輸入されるということに関しましては、これはどこの国の話でも同じことですが、きちんとした基準というものをクリア、通過しておいてもらわないと、私どもとしては、その対応としてはこれ、いろんな意味でノーということを言わざるを得ないということになるということを私どもとしては今後とも言い続けねばならぬところだと思っております。
○福山哲郎君 終わります。ありがとうございました。(拍手)
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