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2017

第193国会 参議院 法務委員会 2017年6月8日


○福山哲郎君 福山でございます。
私は非常に今残念に思っています。実は、私も二十年目になりますが、法務委員会、初めてのデビューでございます。多少緊張もしながら今日は質問させていただこうと思っておりました。実は今、外務大臣がお越しをいただいておりません。
私は実は、一昨日の法務委員会、流会になりましたけれども、あの委員会で質疑に立つ予定でしたが、そのときには外務大臣をお呼びするつもりはありませんでした。それは、外交防衛委員会が条約の審議をしていることを私は知っていたからです。所管の外交防衛委員会に私は所属をしておりますので、日印の原子力協定を審議しているのを分かっていましたから、外務大臣はこの場には来ていただけないと思ったので指名する予定はありませんでした。
流会になりまして今日の質疑になりました。私は昨日の夜、外務省に、外務大臣を是非お越しいただきたい、なぜならば、TOC条約は非常に重要で、金田法務大臣は立法事実はこの条約だと何度も明言をされているからこそ、外務大臣にお越しをいただきたいとお願いをいたしました。
それは、今日二時まで外交防衛委員会が審議の予定があるのを私は存じ上げていたからです。その二時が十二時に短くなっても、基本的には国会の審議はいつ延びるか分からないので、外務大臣の予定は何とか午後なら取れるだろうということで、私、午後の質疑でやらせていただきたいということを言ってこの時間にセットをしていただきました。で、外務大臣をお願いをしました。
昨日の夜の段階では、外務省は、何とか外務大臣は御勘弁いただきたいという話はありましたが、日程が入っているとか予定があるということは一切昨日説明がありませんでした。そして、そのまま、この委員会の表を見ていただければ、福山哲郎君のところにちゃんと岸田外務大臣に丸が付いております。どういうわけか、昼になったらこれ線が入っているんですね。
私は、外交案件その他、例えば外交防衛委員長のときも、それから外交防衛委員会の理事のときも、与野党共の理事をやりましたけれども、外務大臣が何かある場合には理由を聞いて、基本的には全部外交交渉ですから優先をさせていただいたつもりです。それは野党のときも与党のときも変わりません。
私は、真山理事に、いつ来れないと言われたんだとお伺いしたら、昨日の夕方だと。何で、昨日の夕方、今日外交防衛委員会がセットされているのに、予定がこの時間入るんですか。それで、更に言えば、予定があるというから、じゃ、何の予定か教えてくださいと、今日何度も何度も外務省にお願いをしました。私は、まともな予定ならば、それは私が外務大臣に質問できなくてもいいですから、予定を教えてくださいと。与党の筆頭は、予定があると、公務だと、それ一点張り。外務省からは予定は出せませんという形です。予定が出せないってどういうことですか。国会の審議よりも大事な予定があるんですか。
私は、外務省の外務副大臣もさせていただきました。国会の予定は最優先です。もっと言えば、もし省内の予定があった場合は、委員会で指名があれば、省内の予定ならば確実にそれをリスケします。それから、もし本当にこの時間に国際会議だとかいろんなイベントがあって、それに外務大臣が出なければいけない場合は、きちっとその委員の方に説明をして、この予定ですから何とかしてくださいとお願いに上がりました。
昨日の時点で何の予定も説明がなく、そして、今日の時点で公務だ、外交機密だと、そんな理由がありますか、与党の理事。それを、我が党の真山理事に、昨日の夕方の時点で来れないと。一体、誰の何の判断の情報で外務大臣がここに来れないような状況になったんですか。で、この場にあったら、外務大臣は、指名した外務大臣はいないのに、指名もしていない刑事局長はそこに座っている。何ですか、これは。
委員長、いろんな委員会の運営あります。難しいこともあると思います。御苦労も、多分野党がいろいろ言って御面倒もお掛けしていると思います。しかし、基本的には、委員長というのは公正中立に基本的にはやっていただかなければいけません。外務大臣をお呼びしたいという委員の希望、委員会が、もう外防委員会が終わった後、この場に、この条約は大切な状況でお呼びするという委員の希望を、こういう、昨日の夕方の時点でもう予定がある、そして、その予定は何だかと言ったら、全く示せない、こういう与党の説明の仕方で外務大臣が来られないということは、委員長、やっぱり僕は委員会の運営としては少しおかしいと思います。委員長におかれましては、是非、この委員会、公正中立にお願いをしたいと思います。
例えばで申し上げれば、安保法制委員会、大変もめました。しかし、あのとき礒崎補佐官が場外で不規則発言をして、それに対して当時の鴻池委員長は、憲政史上初めてこれはけしからぬと言って、補佐官を参考人として呼んでいただきました。委員長というのは、基本的には委員会が動いているときには公正中立で振る舞っていただきたいと思います。
私が、今日、外務大臣をお呼びしたいということは、日程も含めて全部私は理解をした上でお願いをしています。それが、野党の何らかの無理なお願いなのか、無理な要求なのか、そこのところも含めてお考えをいただきたいと思います。
是非、理事会において、今日の午後の外務大臣の日程について何であったか、それについてきちっと与党の理事から民進党の理事に対して提示をいただくように理事会でお諮りをいただきたいと思いますが、委員長、いかがでしょうか。
○委員長(秋野公造君) 後刻理事会にて協議をいたします。
○福山哲郎君 本当はここで休憩して求めたいところですが、委員長が後刻と言われましたので、受け止めたいと思います。
それからもう一つ、私は別に、今日、本当は中身の話をしたかったんですが、ちょっと残念です。
安倍総理がニッポン放送で、番組の中でこの共謀罪審議について言われたときに、不安をあおるための議論を延々としているんだろうと思いますと発言をされました。総理は、この委員会に共謀罪の審議をお願いをしている立場です。院の権威として、与党も野党も関係ありません。この審議は、政府からお願いをされて審議をしています。そのときに、院外で、それもラジオで総理が、不安をあおるために議論を延々としているだろうという発言はやはり看過できません。これは院の権威に関わります。もっと言えば、参議院の法務委員会として、総理がこういったことを言うというのは、私は非常に問題だと思います。
委員長、そのことについては、法務委員会の委員長として、立法府と内閣は全く別でございますから、是非、委員長からは、総理に向けて遺憾の意をこの場でお伝えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(秋野公造君) この件につきましては、筆頭間の理事の協議に委ねております。(発言する者あり)この件につきましては、筆頭間の理事の協議に委ねております。
○福山哲郎君 済みません、委員長の委員長としての御発言を求めています。別に、安倍総理の院外の発言について理事で協議するものではありません。私は謝罪を今求めているわけでもありません。院として、法務委員会として、三権分立の中で、審議をしている最中の法案について、審議している与野党共ですよ、ひょっとしたら大臣も含めてですよ、不安をあおるための審議をしているみたいな話は、これはやっぱり総理としてはいけない、こんな発言をしてはそれはやっぱり不穏当だと私は思うので、委員長としてそのことについての御存念を御披瀝をいただきたいと思っています。
○委員長(秋野公造君) 福山君に繰り返し申し上げますが、この発言の取扱いにつきましては、筆頭間の理事の協議に委ねております。
○福山哲郎君 中立公平の立場ですからね、委員長ね。だからこそ外の内閣総理大臣のこの院外発言について、委員長としての意見をお聞かせくださいとお願いをしています。
これ以上御発言いただけないので、残念ながら仕方がありません。委員長に、じゃ、お願いします。是非、中立公正にこの委員会を運営することをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○委員長(秋野公造君) 中立公平に努めてまいります。
○福山哲郎君 今のお言葉を重く受け止めたいと思います。
中身に入ります。
国連の特別報告者の問題について、先ほども佐々木委員の方からいろんな御議論がありました。誤解に基づく、事実を誤認をしている、理解が足りない、まあいろんな見方があっていいと思います。しかしながら、国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・カナタチ氏の公開書簡に対して日本政府の見解は、お手元にお配りをしています、非常に辛辣な厳しい抗議であります。内容は明らかに不適切なもの、強く抗議を行った、何か背景があって出されているのではないかと口を極めて批判し、個人の資格で活動していると主張されました。私は、国連人権理事会の理事国として、本当に人権理事会の指名をした、任命をした特別報告者にこういった抗議文を送ることはいかがかなという気がしております。
一方で、先ほどからこの国連特別報告者はどういう人かということについて議論がありますが、二〇一〇年八月から二〇一六年七月まで国連北朝鮮人権状況特別報告者であったマルズキ・ダルスマン氏に対して日本政府はどのような対応をされていますか、お答えください。
○政府参考人(幸田徳之君) お答えいたします。
マルズキ・ダルスマン氏に対しましては、平成二十九年春の外国人叙勲におきまして旭日重光章を授与したところでございます。
○福山哲郎君 国連の人権状況特別報告者マルズキ・ダルスマン氏は、旭日重光章を今春受章されています。
また、国連人権理事会の前身である国連人権委員会において、一九九二年から一九九六年にミャンマー担当の特別報告者を務め、人権教育啓発センター理事長でもあった横田洋三先生と言ったらこれいいのかな、東大の先生でいらっしゃいます、国際法の先生でいらっしゃいますが、この横田洋三先生には政府はどういう扱いをされていますか。
○政府参考人(幸田徳之君) 横田洋三氏に対しましては、平成二十九年春の叙勲におきまして瑞宝中綬章を授与したところでございます。
○福山哲郎君 横田先生に対しては、今春やはり瑞宝中綬章を授章されているということを聞いています。
日本は、もちろん、マルズキ・ダルスマン氏に対しても横田洋三先生に対しても、ほかの多くの御貢献があったことは私は十分にあると思いますが、しかしながら現実に特別報告者に対して今春日本は旭日重光章と瑞宝中綬章を授与いただいています。これ、やっぱり非常に重たい役割ですよね、それは誰が何といっても。そして、何と、横田洋三さんは法務省の特別顧問もされています。特別報告者として活躍をいただいて、法務省の特別顧問もその後されていると。いかにこの特別報告者という仕事が、職務が重たい仕事であるということは御理解をいただけると思います。
外務副大臣、そういう役割ということでよろしいですね。重たい役割ということでよろしいですね。
○副大臣(岸信夫君) 特別報告者一般ということでよろしいですか。特別報告者は、各国の特に人権状況等について調査をし、その結果を人権理事会に報告することを任務の一つとしている独立の専門家でございます。
政府としては、特別報告者との有意義かつ建設的な対話を実現し、その報告が客観的で正確な情報に基づき正しい理解の下になされるよう、特別報告者に全面的に協力をしているところでございます。このような姿勢に今変わっているところはございません。
○福山哲郎君 その特別報告者の書簡に対して日本政府は、二枚目、お手持ちのお配りした二枚目のページを御覧ください。黄色で一応線を引かせていただいたのはこちらでございます。
「本件について、我が国としては、貴特別報告者が国連の立場から」、国連の立場からってこれ認めているんですよね。個人の立場だ、個人の立場だと言っていますが、書簡では国連の立場からと認めているんですよ。これ、全くこれもおかしいんですよ。「国連の立場からこのような懸念を表明することは差し控えて頂きたかった。貴特別報告者が海外にて断片的に得た情報のみをもってこのような懸念を示すことは、」云々云々、要は「内容を全く踏まえておらず、明らかにバランスを欠いており、不適切であると言わざるを得ない。」、随分厳しいことを言っているんですね、これ書簡で。「まずは、現在我が国で行われている議論の内容について、公開書簡ではなく、直接説明する機会を得られてしかるべきであり、貴特別報告者が我が国の説明も聞かずに一方的に本件公開書簡を発出したことに、我が国として強く抗議する。」と言っておられます。これ、結構強いですよ、言葉としては、外交的に言えば。
それで、それに対して、すぐにカナタチさんは、次のペーパーでございます、官房長官等の声明に対する反論ということで、一パラはいいですが、二パラ見てください。
私が日本政府から受け取った強い抗議は、ただ怒りの言葉が並べられているだけで、全く中身のあるものではありませんでした。その抗議は、私の書簡の実質的内容について、一つの点においても反論するものではありませんでした。この抗議は、プライバシー権に関する私が指摘した多くの懸念又はその他の法案の欠陥について、ただの一つも向き合ったものではありませんと。
そして、私はこの抗議を受けて、五月十九日の朝、次のような要望を提出しました。日本政府には、法案の公式英語訳を提供することが望まれます。そして、その下の下です。私の書簡で示唆しているものと同等のプライバシー権の保護と救済が含まれているのか又は他の法律によりカバーされているのかを示していただきたいですと。私は、私の書簡の内容について不正確であると証明されれば、当該部分については公開の場で喜んで撤回いたしますという反論まで来ているんですよ。
法案の公式英語訳、作ってカナタチさんにお渡しされましたか、外務省。
○副大臣(岸信夫君) まず、先ほど、今委員がおっしゃられた日本政府からの懸念表明について、国連の立場からということについての言及がございましたけれども、ここで申しますこの国連の立場からというのは、英文でいいますと、イン・ザ・ネーム・オブ・ザ・スペシャル・レポーターズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ネーションズ、すなわち国連特別報告者の肩書でという意味で用いたものでございます。同事務所にもそのとおり明確に伝達をしたところでございます。
一方で、英訳についてでございますが、これはまだ、法案自体の英訳という意味においては、これまで政府から提出された法律案全てにおいて逐次英訳を、その段階で英訳を行っているものではございません。今回のテロ等準備罪についても、まだ英訳を行っているものではございません。
○福山哲郎君 ということは、カナタチさんに公式の英訳は送られていないということでよろしいですね。
○副大臣(岸信夫君) 日本から公的に英訳を送ったことはございません。
○福山哲郎君 いや、先ほど佐々木委員が言われました、誤解に基づくとか、何らかの英訳が間違っていると、書簡が、英訳が間違っているとかいう御議論がありました。いや、それは一つの僕は御議論でいいと思います。でも、その書簡の前提にしたいろんな英訳が間違っているんだとしたら、相手側からこれだけ明確に求められているんだから、日本政府としては、まず国連代表部がカナタチさんに面会を求めて、正式な英訳はこうですと説明しに行くのが普通のことなんじゃないですか、副大臣。
○副大臣(岸信夫君) 先ほど申しましたとおり、一般に国会に提出中の法案については、逐次英訳をすることは政府として行っていないと承知をしておるところです。
その上で申し上げますと、テロ等準備罪処罰法案に係る対応ぶりにつきましては、我が国の取組を国際社会に対して正確に説明をする観点から、政府として追ってしかるべく対応してまいりたいと、このように考えております。
○福山哲郎君 国際社会に説明するべきを、追ってしかるべきに説明したいと。英語訳もないのにどうやって説明するんですか、副大臣。
○副大臣(岸信夫君) しかるべきタイミングをもってきっちり説明をしてまいりたいということでございます。
○福山哲郎君 これ、もう二週間以上たっているんですよ。何で相手側からこうやって、公式の英語訳を提供することが望まれますと、相手は公開の場で喜んで撤回するとまで言っているじゃないですか、自分が間違っていたら。
何で、事前の打合せとかがなかったから非常に遺憾だというふうによく言われるんですが、このカナタチ氏の書簡を、反論を見てください、一パラです。提案された諸施策について許容される十分な考慮もないままに法案を早急に成立させることを愚かにも決定したという状況においては完全に適切だと、自分の書簡について言われています。
四パラです。日本政府は、これまでの間、実質的な反論や訂正を含むものを何一つ送付してくることができませんでした、いずれかの事実について訂正を余儀なくされるまで、私はこの書簡について、全ての単語、ピリオド、コンマに至るまで維持し続けますと。日本政府がこのような手段で行動し、これだけ拙速に深刻な欠陥のある法案を押し通すことを正当化することは絶対にできませんとおっしゃっているんですよ。
これ、実はカナタチ氏も相当厳しい口調になっています。それは、当初の書簡は丁寧だったんですが、日本政府からの抗議が、何も答えずに抗議と怒りだったから、逆に言うとこういう反論になっています。
そして、次です。その抗議において、繰り返し多用する主張は、二〇二〇年の東京オリンピックに向けて国連越境組織犯罪防止条約を批准するためにこの法案が必要だというものでした。
次です。しかし、このことはプライバシーの権利に対する十分な保護もないこの法案を成立することを何ら正当化することはありませんと言っているんです。
法務大臣、立法事実はTOC条約ですよね。そう何回も答弁で答えられていますよね。どうぞ。
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの御質問にお答えをいたします。
テロ等準備罪の処罰法案、本法案の整備の目標、目的、目的は本条約の締結にあるわけであります。そして、本条約を締結すれば、テロを含む組織犯罪の未然防止及びこれと闘うための国際協力が可能となると、ただいま申し上げたことにあります。
○福山哲郎君 だから、立法事実は条約ですよね。大臣は何回も実は委員会で答弁されているので、立法事実は条約だと言っていただければ結構です。
○国務大臣(金田勝年君) ただいま申し上げたとおりであります。
○福山哲郎君 委員会では大臣何回もおっしゃられているので、立法事実は条約でよろしいんですよね。イエスでいいです、イエスノーで。
○国務大臣(金田勝年君) 繰り返しになりますが、立法事実は整備の目的、本法案整備の目的でありますが、本条約の締結にあります。そして、この条約を締結することがテロを含む組織犯罪の未然防止及びこれと闘うための国際協力が可能になるということであります。
○福山哲郎君 今、立法事実はこの条約の締結だとおっしゃいました。
そうなんです。国連の条約を批准するために国内法が必要だと言ってこの議論をしているんです。その国内法に対して、その当の国連から特別報告者がこういった書簡を送ってきているんです。反論について、実はこのTOC条約を、法律を成立させることは何ら正当化するものではないと言っているんです。これ、非常に大きな問題です。
外務副大臣、追って説明すると。追って説明するというのはいつですか。
○副大臣(岸信夫君) 福山委員の御質問にお答えをさせていただきますが、まず、カンナタチ氏の公開書簡が発表されましたが、これは一方的な形でその見解を発表したということでございます。この法案を作成した当事者である日本政府からの説明の機会を聞くことなく公開書簡を一方的に、不公正かつ不適切であると、こういうふうに考えておるところでございます。
その上で、その上で、カンナタチ氏から反論がなされたわけでありますが、この反論については正式に日本政府に届けられたものではございません。今のところ、正式に届けられたものではございませんので、この反論に対して政府としてこの時点でまた反応するということは適切ではないと、このように考えておるところであります。
○福山哲郎君 反論しないのと追って説明するは全く相入れないんですけど。説明、もう一回。追って説明する、回答するという話と反論するのは適切ではないという話は両立しないんです。私の質問は、追って説明すると言われたのはいつかと聞いているんです。
○副大臣(岸信夫君) ですから、元々の公開書簡に対しては追って適切な時期、適切な形をもって説明をするということであります。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) もう一回質問してください。
○福山哲郎君 追って説明するというのはいつですか。向こう側は、これを早く成立させることに対する懸念があるから書簡を送ってきているんです。それに対して、こういう強い抗議を日本政府がしたことに対する反論まで来ています。そして、公式の英語訳を提供することが望まれますと、相手側からは英語訳を求められています。そして、もし自分に誤解があれば、間違ったことがあれば、公開の場で喜んで撤回するとまで言われています。
そうしたら、日本政府のやることは、まず英語訳を送り、ニューヨークの国連代表部から説明に上がり、そして誤解を解く。そして、その誤解を解いた上で、国民が納得する中でこの法案をどういうふうに扱うかを議論するのが筋なんじゃないんですか、外務副大臣。
追ってというのはいつか、明確にお答えください。
○副大臣(岸信夫君) 同氏の公開書簡に示された懸念や指摘事項については、現在政府内でその内容を精査しているところであります。国際社会から正しい理解を幅広く得るためにはどのような回答をすることが最も効果的かという点も含めて、具体的な対応について検討しているところでございます。
いずれにしても、我が国の取組を国際社会に対して正確に説明すべく、同書簡の照会事項について追ってしっかり我が国の立場を正式に回答する予定でございます。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) この際、政府側に申し上げます。
答弁は、質疑者の質問の趣旨を体し、簡潔明瞭に行われますように要請をいたします。
○福山哲郎君 じゃ、今委員長が注意をされたので、もう一回お伺いします。
追って説明するというのはいつですか。もう三週間たっています。相手は公式の英語訳を求めていますが、先ほどの話ではいまだに作っていません。国際社会に理解を得るために説明をすると言うけど、公式の英語訳もなく、どうやって説明するんですか。
追ってというのはいつか、明確に、まあ日時とは言いませんが、めどの日付、めどの期間をお知らせください。
○副大臣(岸信夫君) 今この場で明確な時期、日時というものを示すことはできませんけれども、適切な時期にやりたいと思っています。
○福山哲郎君 なぜ説明できないんですか。なぜ理由を説明できないのか、明確にお答えください。
○副大臣(岸信夫君) 先ほどからの繰り返しになって申し訳ございませんが、国際社会に正しい理解を広く広めていくために、広く得ていくためにどのような回答をすることが最も効果的かという点も含めて、しっかり検討をした上で回答してまいりたいというふうに考えております。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) 聞こえましたか。
岸副大臣、もう一度御答弁をお願いいたします。
○副大臣(岸信夫君) 回答の時期について今こちらで明確にお話しすることはできませんけれども、国際社会から正しい理解を得るために、広く得るためにどのような回答をすることが最も適切か、効果的かといった点も含めて、具体的な対応を検討しているところでございます。その上で、追ってしっかり我が国の立場を説明してまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 ごめんなさい、じゃ、誰と誰が検討しているんですか。それで、いつ結論出るんですか、いつ追って説明する。
分かりました。追って説明する時期は今検討中だと。誰と誰が検討して、いつ説明をするかをいつ決めるのか、教えてください。
○副大臣(岸信夫君) 政府内において関係者、関係機関が検討しているところでございます。(発言する者あり)
○福山哲郎君 委員長、さっき公正中立とおっしゃったんですよ。(発言する者あり)いや、うるさい、うるさい。とにかく、同じ御答弁を何回も繰り返すんだったら、とにかくそれは注意してください。そこはお願いします、委員長。
僕は別に、今これ大事なことですからね、国連との関係でいえば。だからこういう質問をしているので、別に野党、与党関係ないでしょう。これ、この国が国連との関係を、どういう関係を持つかというすごく重要なポイントですからね。あれいつ説明するのかって重要じゃないですか。
じゃ、提案します。いわゆる法案の公式英語訳、まだ作っていないようですので、これ、法案の質疑をしている我々の立場でいえば、このカナタチさんのこういう主張がある中で、一日も早く政府がカナタチさんに説明をしていただきたいと考えるのは当たり前のことだと思います。是非、この法務委員会の理事会で、このカナタチさんに法案の公式英語訳を外務省に提供するように理事会で議決をいただけませんか。いかがですか、委員長。
○委員長(秋野公造君) 後刻理事会にて協議をいたします。
○福山哲郎君 よろしくお願いいたします。
当たり前のことです。これが院の役割だと僕は思いますよ。だってやらないんだから。それで、国会の中で、誤解だとか事実誤認だとか言っても、だって英語訳渡していないんだから、相手はくれと言っているんだから、そのことについてやっぱりちゃんとやらなきゃいけないと思いますよ。
次に、お伺いしますが、じゃ、今度、五月二十七日、この書簡のやり取りの後、安倍総理がグテーレス事務総長と会談をされたと聞いております。いつ、どういう状況で、どういった場所で何分間会談をしたのか、お答えください。
○政府参考人(水嶋光一君) お答えいたします。
総理とグテーレス事務総長の懇談は、各国首脳等との写真撮影の後、十一時五十四分から約十分間、会場の中庭にて着座して実施されたというふうに、会場の中庭にて着座をして実施をしたというふうに承知をしております。
○福山哲郎君 ありがとうございます、御丁寧に説明いただいて。
実はこれ、国連事務総長って、会場の中庭と、総理の会談、会談というよりかは、中庭で十分ですから、基本的にはよくある立ち話に少しちゃんと席に座ってやり取りするやり取りだと私は考えています。
それで、これで、お手元にお配りしている資料を御覧ください。グテーレス国連事務総長との懇談という外務省が発表したものがあります。線は私が引いております。慰安婦の問題は、私は中身については了としておりますが、少し議論があるのでこれは後でします。
最後のパラです。安倍総理から、国際組織犯罪防止条約の締結に向けた日本の取組につき説明しました。この関連で、先方は、人権理事会の特別報告者は、国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は、必ずしも国連の総意を反映するものではない旨述べました。先方はですよ、これ。
次を見てください。次はグテーレス事務総長の基本的な、国連のプレスリリースです。最後です。僕は英語は苦手ですが、これはどう見ても、特別報告者について、これは個人として人権理事会に直接レポートを出す人ですという、専門家だと書いてあって、ここに、その主張は必ずしも総意を反映するものではない旨述べました、これは入っていません。これ、通訳はメモを取っていたのかどうか、ブリーフは誰が行ったのか、そしてその横に同席していたのは誰か、お答えください。
○政府参考人(水嶋光一君) この総理とグテーレス事務総長との懇談ですけれども、外務省といたしましてやり取りは把握しておりまして、記録は作成しておりますけれども、外交上のやり取りでありますので詳細を明らかにすることは差し控えたいと思います。
また、首脳レベルの懇談でもあり、その場の同席者ということについても詳細は差し控えたいと思います。
また、この懇談につきましては、短時間での懇談でもありましたので、記者ブリーフという形ではなく、報道関係者に張り出しという形で情報を配付したということでございます。
○福山哲郎君 私は、同席者を言えない外務省のお立場は理解をします。短い懇談だということを正直に水嶋さんが言っていただいたことについては多とします。そしてなおかつ、ブリーフはせずに、つまり張り出しでした。たった十分です。通訳入れたら五分ずつです。
これ、冒頭を御覧ください。安倍総理は北朝鮮情勢についてこれだけの発言をされています。これ、日本語でしゃべって、それから英語です。その後、慰安婦問題についての話です。これも実は、この張り出しでは、同合意について賛意を示すとともに歓迎する旨述べましたと、先方が賛意と歓迎する旨述べたと言われていますが、国連側の発表にはそのことについては書かれていません。慰安婦の問題は、私は、日韓合意について、その実施の重要性について安倍総理の言っていることを多とします。しかし、事務総長が賛意を示すとともに歓迎する旨述べましたというのはありません。
先ほど水嶋さん言われたのは全く正しくて、首脳レベルの会談は相手のことがあるので外交上のやり取りは余り明らかにできません。しかし、ブリーフのときには一定のルールがあります。それは、こちら側が発言をしたことは詳しめに書いていい、しかしながら、向こう側の発言については余り書かない。それは向こう側が発表することだと。それで両方の立場をお互い確認をし合うというか、そこでお互いの外交的なポジションを確認し合うというのが外交です。
なぜ私がこんなことを言っているかというと、私は官房副長官のときに総理の首脳会談に六十六回御一緒して、ほとんど全て外務省の広報官と協力をして私ブリーフをしました。ですから、そのときの状況も含めてこれは非常に違和感がある。
なぜなら、日本の張り出しは、安倍総理は日韓合意について、その実施の重要性を指摘したところ、先方は、について賛意と歓迎、その次、TOCについて取組につき説明しました。これ、すごい簡略ですよね。ところが、相手は必ずしも国連の総意を反映するものではない旨述べました。これ両方とも、こういうものについては国連の発表にはないんですね。
これ、どういうことですか。普通、逆でしょう。安倍総理はTOC条約の締結に向けて、日本のこうこうこうこう、こういうことだと。さっきまさに岸外務副大臣が言われた、このTOC条約の意義を述べたと言って、それに対して事務総長が何としたかは別にして、答えるなら別にして、相手側のことについてはこんな詳しく書いて、総意を反映するものではない。これ本当に、国連の特別報告者のことについて総意ではないみたいなことを言うんですか、総長が。もし言っているとしたら、安倍総理は、総意ではないですよねと相手に聞かない限りはこう答えないですよ。ということは、安倍総理にそんなみっともない質問をさせたんですか、外務省は、官邸は。
十分の、通訳入れたら五分五分のやり取りで、北朝鮮の一番最も大切な、今日もミサイルが飛んで言語道断だと思いますが、やり取りをこれだけ長時間やった後に、本当にこのTOC条約の書簡についてこんなに細かく総理は事務総長に言ったんですか。どっちでもいい、外務省、答えてください。
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。
会談の内容につきましては既に発表したとおりでございます。細かい詳細なやり取りにつきましては、外交上のやり取りでございますので詳細については差し控えたいと思います。
○福山哲郎君 細かいやり取りについては差し控えたいのに、何で国連の総意を反映するものではない旨述べましただけ細かく書いてあるんですか。
これ、公文、情報公開しますよ、情報公開請求。本当に安倍総理がどういうことを言ったのか、そして国連事務総長がどういうことを言ったのか、副大臣、本当に安倍総理は、総意ではないですよねって、そんなことを、この北朝鮮の問題を抱えて国連安保理決議をこれから履行していただかなければいけないというか、履行しなければいけない国連の場でこんなこと、細かいことを総理が言ったんですか、副大臣。
○副大臣(岸信夫君) プレスリリースの内容につきましては、それぞれの立場から必要な範囲で公表を行ってきているところでございます。福山委員もよく御存じのとおり、外交上のやり取りでございます。そういう意味で、このプレスリリースの発表以上の詳細については差し控えたいと考えておるところでございます。
○福山哲郎君 野上副長官、本当にこんな発言したんですか、総理、細かいこと。
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 今、岸副大臣から御答弁があったとおりでありまして、外交上のやり取り、これは詳細は差し控えさせていただきたいと思います。
会談の内容については、今このプレスリリースで発表したとおりであります。
○福山哲郎君 じゃ、先ほど書簡に対して、日本政府は非常に、非常に厳しく抗議をしましたけど、総理もこの書簡に対する日本政府の抗議と同様に、事務総長にカナタチ氏は事実誤認でけしからぬという抗議をしたのかどうかだけお答えください。
○政府参考人(水嶋光一君) 御質問の点も含めまして、外交上のやり取りでありますので、詳細については差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 これ、外交のやり取りは、自分が発言したことは、我が国が発言したことについては詳しめに書いてもいいんです。だって、自国の主張をするわけだから。でしょう。これだけ抗議をしているんだったら、抗議をしたと書けばいいじゃないですか。
抗議したんですか、どうですか、副大臣。
○副大臣(岸信夫君) これは何度も繰り返しになりますけど、おっしゃるとおり、我が方の発言等については我が方の判断で発表するかどうかの判断を行っているところであります。
プレスリリースの内容、先ほども申したとおり、それぞれの立場から必要な範囲で公表を行っているところでございますが、その上で、更なる詳細についてはどのようなやり取りがなされたかについて公表することは差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 全くもって納得できない。
これね、張り出しですよ。事前に用意していた紙かもしれないんですよ。本当のやり取りかどうかだって分からないんですよ、証明できないんですよ。それで、これが全く裏取りもなくメディアに流れるんです。そして、このカナタチさんの主張が国連の総意を反映するものではないということが流れるわけです。
やっぱりこういうのは良くないと思いますよ、国連の関係でも。だって、国連はこれ全部やり取り分かっていますよ。これ、みんな、事務総長だって、国連の人権理事会だって国連の事務局、全部回っていますよ、このやり取りのメール。
それで、この条約を批准することが、この法案を通して条約を締結することが立法事実だと法務大臣が言われる。これはやっぱりちゃんと説明しなきゃ駄目でしょう。法務大臣、法案責任者として国連に説明しなきゃいけないでしょう、外務省にばっかり任せておかないで。俺はこれ今頑張っているんだからちゃんとこんな誤解ないように早く説明しろって、法務大臣として言うべきじゃないですか。
○国務大臣(金田勝年君) 今までの議論を聞いておる中で、ただいま私に質問がございました。
御承知のように、この国連の問題、カンナタチさんのこの書簡の問題につきましては、今までも一生懸命答弁をされてきた方々が外務省であることは御存じのとおりでありますし、その外務省の所管の問題であります。したがいまして、私は、今までの外務副大臣の答弁されたことが政府としての見解である、このように受け止めておりまして、法務大臣としてここで更に申し上げることはありません。
○福山哲郎君 実は、書簡に対する回答も早く送っていただきたいんですよ。本来は書簡同士じゃないですよ。先ほども言ったように、ちゃんと国連代表部がカナタチさんにお目にかかって説明するべきなんですよ。それを何でやらないんですか、副大臣。もう不思議でしようがない。すぐに行きゃいいのに。何でやらないんですか。
○副大臣(岸信夫君) このカンナタチ氏の書簡に対しては、その書簡が公開という手続を取られる前に、我が国の立場、また、この法案の内容について正確に理解をしていただくために説明をする準備があるということは先方に申し上げたところでございますが、その上でカンナタチ氏はこの公開書簡を発表した、されたわけでございます。そういうことで、我々はそのことに対して強く抗議を申し上げた次第でございます。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) 福山哲郎君、もう一回質問してください。(発言する者あり)もう一回質問してください。
○福山哲郎君 何で代表部はすぐに説明に行かないのかと聞いているんですよ。理由をお願いしているんです。
○副大臣(岸信夫君) まず、この同氏の公開書簡に示されております懸念、また指摘事項については、その内容を今精査をしているところであります。国際社会から正しい理解を幅広く得るためにどのような回答をすべきかと、することが最も効果的かということも含めて、具体的な対応について検討しているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) お望みの答弁が出るように質問をお願いいたします。(発言する者あり)
○福山哲郎君 いや、もう時間がもったいないので。これ、実はずっと長く続きますよ。これ早くちゃんと英訳送ってくださいね。まさか、あれですよね、こんな早い拙速な審議で、この法案を通すことに対する懸念を持って書簡を送ってきてやり取りをしている国連の特別報告者の方に、説明も、相手が求めている英訳も送らないままこの法案通すなんてあり得ないですよ。あり得ないですよ、そんなの。追って説明すると。それ、どうですか。それあり得ないでしょう、普通で考えれば。法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) 議論をお聞きしておりますが、様々なお話をされた福山委員が、最後に、外務かなと思うと法務大臣と、こう来るので、ここのところは、やはり今言われたのはこういうことかなというふうにもう一度復習しなければいけない。これは所管が外務省であるということは申し上げたとおりであります。
ただ、その上で、その上で申し上げます。外務副大臣において答弁されたことが政府としての見解であります。したがって、したがって、法務大臣として更に申し上げることはございません。
○福山哲郎君 違う違う、副大臣に質問したのとは違う質問をしているんです。もう一回聞いてくださいね。
これだけカナタチさんから書簡が来てやり取りしている。向こうは、英文、英訳を送ってくれ、説明が欲しいと言っていると。それは説明しなきゃ。相手は、法案を、この説明、こんなに早く通してはいけないと言っているんだから、まず説明して、英訳を送ってからきちっとその上で、相手の誤解を解いた上でこの法案を通すべきだと思いますが、そうですよねと聞いているんです。
○国務大臣(金田勝年君) 私たちも、このように我々のチームで動いている部分はありますので、その点は御理解をください。
その上でお答えをします。
外務副大臣が答弁をしたとおりではありますが、カンナタチ氏のその公開書簡に示された懸念や指摘事項につきましては、現在その内容を精査するとともに、具体的な対応について検討しているところであると……(発言する者あり)答弁をしておりますから、聞いてください。
いずれにせよ、我が国の取組を国際社会に対して正確に説明をすべく、この書簡の照会事項につきましては、追ってしっかりと我が国の立場を正式に回答する予定であると、そのように承知しておりますし、先ほどから答弁をされていると、このように受け止めております。
○福山哲郎君 いや、もう本当に同じような答弁ばっかりで、私はもう、ちょっと本当にあきれます。
がらっと変えます。全く実は衆議院側でも余り議論なくて、参議院側でやっと議論が始まったところの六条の二の二についてお伺いします。六条の二の二の不正権益は何ですか、大臣。
○大臣政務官(井野俊郎君) 定義でございますので、私の方からお話、御説明申し上げます。
不正権益とは、組織犯罪処罰法第三条第二項に規定されております、「団体の威力に基づく一定の地域又は分野における支配力であって、当該団体の構成員による犯罪その他の不正な行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきもの」というふうに定義をされております。
○福山哲郎君 この六の二の二によるテロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、不正権益を維持し、その計画をした者は、組織的犯罪集団ではありませんよね。法務大臣。
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの御質問の部分、技術的、細目的部分でありますから、これについては刑事局長から御答弁をさせます。(発言する者あり)
○政府参考人(林眞琴君) この第二項のテロ等準備罪について、これについては身分犯という構成は取っておりません。したがいまして、組織的犯罪集団の構成員でない者であってもテロ等準備罪の主体とはなり得るわけでございます。
しかし、この第二項のテロ等準備罪につきましては、組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又は組織的犯罪集団の不正権益を維持、拡大する目的で犯罪の実行を計画することが必要な罪でございますので、そのような目的で犯罪を実行することができる者に限定されているわけでございます。
そして、不正権益とは、この団体の威力に基づく一定の地域又は分野における支配力でありまして、当該団体の構成員による犯罪その他の不正行為により当該団体又はその構成員が継続的に利益を得ることを容易にすべきものということを意味しますので、組織的犯罪集団の構成員や、あるいは組織的犯罪集団と密接に関連して行動を共にしている者以外の者がこういった犯罪行為を行ったといたしましても、組織的犯罪集団又はその構成員が継続的に利益を得ることができる、例えばこの不正権益として縄張というものがございますが、そういった不正権益、縄張などを得ることにつながるわけではございませんので、その行動により組織的犯罪集団に不正権益を得させることをすることはできないと考えます。
したがいまして、この第二項のテロ等準備罪の主体についても、身分犯の構成は取っておりませんけれども、組織的犯罪集団に不正権益を得させるなどすることができる者、すなわち、組織的犯罪集団構成員はもとよりでございますが、その組織的犯罪集団と密接に関連して行動を共にする者などに限定されていると考えております。
○福山哲郎君 いやいや、だから、六条の二の組織的犯罪集団も含むかもしれないけど、それ以外もいるということでいいんですよね。
イエスかノーかで答えてください。もう、あなたの説明長いだけなの。分かりやすくやってください。はい、どうぞ。
○政府参考人(林眞琴君) この第二項のテロ等準備罪は身分犯の構成を取っておりませんので、組織的犯罪集団の構成員以外の者としては、組織的犯罪集団と密接に関連して行動する、行動を共にする者、こういった者がこの主体となり得ると考えております。
○福山哲郎君 ごめんなさい、それは最近よく出ている組織的犯罪集団の周辺と同義語ですか、今の密接というのは。
○政府参考人(林眞琴君) 組織的犯罪集団の目的でありますとか、あるいはその組織構造を知っている者でなければこの犯罪を犯すことはできませんので、そういった意味で、周辺の者あるいは関わり合いのある者という意味でございます。
○福山哲郎君 ということは、組織的犯罪集団の構成員ではない関わりのある者ということですよね。ということは、それは逆に言うと、組織的犯罪集団の構成員ではない者だということでよろしいですね。
○政府参考人(林眞琴君) 組織的犯罪集団の構成員以外の者で、その関わり合いのある者、周辺の者ということで、主体になり得る者として今説明をさせていただきました。
○福山哲郎君 これ、六条の二の二は、今までは組織的犯罪集団の構成員だけが捜査の対象になる、一般人はならないと言っているんですけど、二の二に来ると、いきなり組織的犯罪集団に関わる者、周辺の者、密接な者という形になるんです。これに対する限定は全くありません。これは全然、誰が、どこに、どういう状況か分かりません。この実は六条の二の二は本当にまだまだ実は論点満載ですが、実はこれ、まだほとんど議論されていないので、これからこの委員会の中でより詰めていきたいと思いますが。
例えば、組織的犯罪集団の、今、周辺と、関わり合いのある者と、それから密接に関連した者と言われましたが、それはどういう人を言うんですか。この六条の二の二の例を、具体的な事例を挙げてください。大臣、大臣。
○政府参考人(林眞琴君) 六条の二第二項の事例、例えば、ある薬物密売組織のAが、ある町のある地区での薬物の密売を行っていたところ、別の薬物密売組織のBが当該地区における薬物の密売を企てたことから、この薬物密売組織のAの構成員らが、ある町のある地区における薬物密売利権を維持するために薬物密売組織Bの構成員らを殺害するようなことを計画したような場合、こういったような場合がこの六条の二第二項の事例として考えられます。
○福山哲郎君 今の例は、密売組織AがBのメンバーを殺害する計画を企てたと今局長言われましたね。イエスかノーかで答えてください。
○政府参考人(林眞琴君) 六条二項の適用される事例として答えました。(発言する者あり)六条の二の第二項の事例として説明いたしました。
○福山哲郎君 薬物密売組織のAがBを、自分の権益を侵すとしてAがBを殺害する計画を立てたとおっしゃったんですよね。どうぞ。
○政府参考人(林眞琴君) そのとおりでございます。
○福山哲郎君 それだったら六条の二じゃないですか。それだったら六条の二じゃない。二の二じゃないじゃない。
もっと言えば、それは、共謀罪じゃなくたって殺人の予備でいけるじゃない。それ別に今の六の二の二じゃ、事例じゃないじゃない。今、六の二じゃない、百歩譲って、百歩譲って。計画したのは、だってAなんでしょう。Aだったら、Aは六条の二の組織的犯罪組織じゃない。そうでしょう。今のは六の二の二の事例じゃないですか。もっと言えば、今のだったら殺人の予備でいけるじゃないですか。共謀罪要らないじゃないですか。
どうですか、局長。
○政府参考人(林眞琴君) 六条の二の第一項といいますのは、団体の、組織的犯罪集団が団体の活動として組織により行う犯罪実行を計画するという形で構成要件がございます。一方で、この六条の二の第二項というものは不正権益、これを維持する又は拡大する目的で、目的で行うその犯罪の計画というものをいいます。そういうことで、今、不正権益を維持あるいは若しくは拡大する、その目的で行われる六条の二の二項の事例を挙げさせていただいたわけでございます。
○福山哲郎君 不正権益を維持する目的は今のAとBどっちですか。
○政府参考人(林眞琴君) 今の例でいきますと、この不正権益は薬物密売組織が持っている不正権益、自らがそのある地域でこの薬物密売組織というものを行うということの不正権益を、これを別の薬物密売組織Bが脅かすというような事例を今挙げさせていただきました。
そういった場合に、この脅かされる側の、要するに薬物密売組織のAの構成員らがこの不正権益を維持するという目的で、あるいは拡大する目的で殺人というものを計画したという事例として挙げさせていただいたわけでございます。
○福山哲郎君 今のは両方たまたま組織的犯罪組織の事例を出しているだけで、この二の二は、テロリズム集団、犯罪組織に不正権益を維持させなんですよ。六の二の二の組織的犯罪集団に何らかの不正権益を維持して目的する、別のこれが組織的犯罪集団かどうかは分からないですよね。さっき言ったとおりだ。関わっている者もいれば、関係する者もいれば、それがどういう人か、これが組織的犯罪集団だという限定なんて、この法案何にもないじゃないですか。
これ二項行くと一気に広がるんですよ。それもう組織的犯罪集団の構成員ではないと先ほど明確に局長言われた。つまり、今までは六の二の組織的犯罪集団の構成員が一般人かどうかという議論になったけど、六の二の二に行くと一気にその幅は広がるんです。
これ、これまで、これからもずっとやり続けなきゃいけない論点で、これまだ衆議院でも全然やっていませんのでこの委員会で引き続きやりたいと思いますし、今日、残念ながらなかなかきちっとした答弁いただかなかったので、本当にやりたかったことができなかったので、本当に残念に思っています。もっと誠実な答弁をしていただきたいと本当に思います。
それから、もうあと二分しかないので。TOC条約の立法ガイドを執筆したパッサス氏が、このTOC条約はテロ防止を目的としたものかという質問に対して、明確にですよ、立法ガイドは衆議院、参議院の、参議院はなかったかもしれませんが、衆議院の委員会では、立法ガイドは、外務省はその立法ガイドを基に答弁をされていますが、その立法ガイドを執筆したパッサス氏が、TOC条約はテロ防止を目的としたものかという質問に、違う、明確に答えています。この条約は組織的な犯罪集団による金銭的な利益を目的とした国際的な犯罪が対象。次です、条文にそう明示したのは、次です、テロを対象から除外するためだと言っているんですよ。分かりますか。この条約で組織的な犯罪集団による金銭的な利益を目的とした国際的な犯罪が対象としたのは、そう明示したのはテロを対象から除外するためだと言っているんですよ。これ立法ガイド者がこう言っているんですよ。
このことについては、法務大臣、どう思われますか。
○国務大臣(金田勝年君) ただいまの点につきましては、外務省の、所管省庁から答えていただきます。(発言する者あり)
○委員長(秋野公造君) どなたがお答えになりますか。──福山哲郎君。
○福山哲郎君 いやいや、だから、条約が立法事実だと言っているから法務大臣に聞いたんじゃないですか。そうしたら、いきなり外務省に振ってくださいと。
じゃ、外務副大臣、どうですか。
○副大臣(岸信夫君) まず、一般論といたしましては、国際的な組織犯罪とテロ活動の間には強い関連性があるということが指摘をされているところであります。この国際組織犯罪防止条約の起草に向けた交渉段階に、交渉過程においても、対象犯罪を具体的に列挙すべきではないかという議論の中で、テロ活動がその対象になっておりました。
本条約を採択した二〇〇〇年十一月の国連決議においても、国際的な組織犯罪とテロ犯罪との関連が増大しており、本条約がこのような犯罪行為と闘うための有効な手段である、必要な法的枠組みであるということが指摘をされたところでございます。その後も、アルカイダによる九・一一のテロ等も発生をしたところでございます。
今日、国際社会において、テロ行為そのものへの対処に加えて、テロ行為を可能にする資金源を断つことがテロの最終的な根絶に向けて効果的な方策というふうになっているところでございます。こうした政府の認識について、国連安保理テロ対策委員会の事務局のラボルド事務局長は、国際的な組織犯罪とテロ活動の間に強い関連性があることは明白な事実であるということを指摘した上で、本条約とテロ対策との間に強い関連性があるとの政府の見解に同意をしているところでございます。
○福山哲郎君 お伺いしたことに答えていただきたいと思います。
後でお示しをしますが、二〇〇三年に外務省の当時の条約局の人がジュリストに論文を執筆しています。このTOC条約に関する論文です。私は正直に申し上げます。この外務省の方は、きちっと私の個人の意見だと書いてありますが、二〇〇三年です。今もおっしゃられた九・一一の後です。九・一一の後に書いた、外務省の条約局の職員が書いた論文にテロという言葉は一言も出てきません。
外務副大臣、どうですか。後でその論文はプレゼントします。
○副大臣(岸信夫君) 今、福山委員が例示されましたそのレポートについては私もこれまで接しておりませんので、そのことについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 テロだテロだと言いながら、テロが目的ではないということを国連のいわゆる立法ガイドを作った方が明確に述べている。外務省は、二〇〇三年に外務省の職員がきっちりジュリストにテロということを一言も書かないでこの条約の説明をしている。そして、国連からこういった書簡が来ていることに関して日本政府は非常に今不誠実な態度を取っていると私は思いますよ。このことについてきちっとやっぱり整理をしてもらわないと。そして、論点は山ほど残っています。是非この法務委員会、充実した審議をやっていただくことを委員長にもお願いをし、私の質問を終わります。


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