第143国会 参議院
経済・産業委員会 1998年10月15日
○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
二度の石油ショックを経験した我が国が石油の自主開発に積極的に取り組まなければいけないという、国益の観点から大変重要だということは存じ上げているつもりでありますし、石油公団の意義等も納得をしているつもりではございますが、それでも、前通産大臣があのような報告書なり雑誌に論文を掲載されたということは大変大きな問題だというふうに承っております。この国会ではこの問題、収束するような状況ではないと思いますので、今、素朴な疑問も含めて若干御質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
まずは、大変根本的な問題なんですが、この報告書の前提にありますのは、平成五年の石油審議会における長期見通しについて、石油自主開発という部分がありまして、そこで年間百二十万バレルの供給能力の確保ということを述べられておりまして、それを前提にこの報告書、それからそれ以降の自主開発というのは話が進んでおると思うんですが、本年六月の石油審議会におきまして、要はその時代と違いまして国際石油市場の成熟化ということが大変評価をされています。国際環境が変わっているということが評価をされて、自主開発のあり方について「抜本的な再検討を行う必要がある。」という表記がありまして、これまでの自主開発の部分も含めてちょっと考え直そうと。それは、新たな国際市場というマーケットが成熟をしつつあつく湾岸戦争を経ても我が国に対してそんなに影響がなかったということを積極的に評価されて、審議会からこういう報告書が出ておるわけです。
ところが、今回出てきている再建検討委員会の報告書によりますと、いまだに平成五年の百二十万バレルの供給能力の確保ということを前提に書かれているというふうに私は報告書を拝見しまして受けとめました。
まずは、今の段階で現実の石油自主開発についてはどのような前提条件でお考えをいただいているのかということについてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(今井康夫君) 我が国は、主要先進国の中でも最もエネルギーの脆弱性、特に石油につきましては脆弱性の大きい国でございます。例を挙げますと、石油の自主開発で申しますと、アメリカ、イギリスはメジャーを持っておりますが、メジャーを持っていない例えばドイツ、イタリア等と比較しても非常に低い水準、自主開発原油の比率は一五%にとどまっております。
そういう中で、我が国は世界第二位の石油消費国、輸入国でございます。石油というのは常に探鉱をして開発していかないと減耗するものでございますから、そういう意味でも、日本がただ石油を買うだけではなくて石油の探鉱開発に積極的に参画するというのは国際的な責務でもあるというふうに私ども考えておるわけでございます。
今、先生おっしゃいましたように、現在、日量百二十万バレルということを目標として自主開発を行っておりますが、これは二十一世紀の想定される石油輸入量のおおむね三割ぐらいという数字でございます。
私ども、石油開発につきましては、この必要性については御理解していただいていると思っておりますけれども、この石油審議会の物の考え方は、確かにおっしゃるように石油市場が誕生した、そういうことはございますが、一方で緊急事態というのも想定される。一方で緊急事態が想定される中で、やはり国際的な市場も出てきた。平時と緊急時とどういう形で分担をして、どういう形で対
応していったらいいのかということを今後詰めるということになっておりますので、その中で自主開発政策についても改めて見直してみたい、こういうふうに思っております。
○福山哲郎君 ということは、この日量百二十万バレルという数字は、この報告書を書かれる段階ではこれを前提につくられて、今後石油審議会等の議論によっては変化をする可能性はあるということですね。
○政府委員(今井康夫君) おっしゃるとおりでございます。審議会はこの秋開く予定をしておりますが、そこでこの数量目標につきましても御議論していただくつもりでございます。
○福山哲郎君 どちらにしても、この目標の百二十万バレルには今の現状で達していないわけですから、これを下げるのが意味があるかどうかというのも僕は問題があるとは思うんです。
では、次の質問に移らせていただきます。
今回、石油公団再建検討委員会というものを設置されて、報告書を提出されました。まず、石油公団再建検討委員会を設置された理由をどのように考えられているのか。前通産大臣等の指摘があったからという形なのか、自主的な思いでこれはやらなきゃいけないなと思ってつくられたのか、その理由について率直にお答えください。
○政府委員(稲川泰弘君) 本検討委員会設立の理由でございますが、昨年の十二月三日に衆議院決算委員会におきまして石油公団開発に関する審議が行われました。その中で、三点を中心として質疑が行われました。一つは、石油公団は多額の損失を出しており経営に問題があるのではないか、また、石油公団出融資先会社の事業・財務内容についての情報公開が不十分なのではないか、それから三点目に、石油公団におけるプロジェクト審査に問題があるのではないかという点でございました。
堀内前通産大臣は、この衆議院決算委員会での質疑、さらに御自分で分析をされました作業結果を踏まえまして、ことしの六月十六日に省内に御指摘の検討委員会を設置して、これらの点についての検討をするよう指示されました。また、ことしの七月には、決算行政監視委員長に報告書「石油公団の現状分析と今後の対策について」というものをみずからお出しになっておられます。
こういう経緯で、今回収りまとめました報告書は、この検討委員会におきまして、前大臣の御指摘事項を踏まえつつ、公団の現状、情報公開のあり方、公団及び出融資先会社の収支見通しなどについての検討を進めまして、検討結果を取りまとめたものでございます。
○福山哲郎君 ということは、さきの十二月三日の衆議院の決算委員会のあれを踏まえて再建検討委員会というのは設置されたと承ってよろしいわけですか。
○政府委員(稲川泰弘君) 直接的な設置の理由は、本年六月十六日の通産大臣の検討指示でございますが、その検討の前提として、昨年十二月三日の決算委員会の御審議も検討内容に加えてあるというものでございます。
○福山哲郎君 それでは、石油公団再建検討委員会のメンバーは、どういつだメンバーで委員会が構成されたのかを教えてください。
○政府委員(稲川泰弘君) 検討委員会は、資源エネルギー庁長官を委員長としておりまして、石油部長、石油部関係課長、資源エネルギー庁関係課長がメンバーになっております。
○福山哲郎君 ということは、構成メンバーは四名ですか。
○政府委員(稲川泰弘君) 長官、石油部長、石油部関係課長五名、それから資源エネルギー庁関係課長三名でございます。
○福山哲郎君 済みません、もう一度。
○政府委員(今井康夫君) 長官、それから次長、総務課長、それから私、石油部長、石油部の五課長でございます。
○福山哲郎君 先ほど言われました、七月に出された堀内通産大臣の報告書を踏まえて再建検討委員会をつくられたとお答えになられたと思うんですが、その報告書の中にそういったメンバーで再建検討委員会をつくれという指示はあったんでしょうか。
○政府委員(今井康夫君) 大臣から御指示を得て私ども資源エネルギー庁内に検討委員会をつくりましたが、今先生おっしゃった報告書というのが前大臣の決算行政監視委員会に対する報告書であるとしますと、それは七月二十七日でございますので、こちらはもっとずっと前に、六月の段階で発足し、作業を進めておりました。
○福山哲郎君 では、六月に再建検討委員会をつくられたときに、そのメンバーでやれという指示は大臣からはあったんでしょうか。
○政府委員(今井康夫君) ございました。
○福山哲郎君 あったわけですね。
○政府委員(今井康夫君) はい。
○福山哲郎君 そうすると、資源エネルギー庁長官にお伺いをしたいんですが、これだけ衆議院の決算行政監視委員会で問題になって、なおかつ前通産大臣が報告書を出されたという問題に対して、今お話を伺うと、ほとんど内部のメンバーで再建検討委員会をつくられた。それに対する妥当性、意味みたいなものに対してエネルギー庁長官はどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 前大臣の御指示に基づきましてこの石油公団再建検討委員会を起こしましたが、あわせて石油公団におきましても再建検討委員会を置き、また公認会計士等の御協力を得ながら全体の検討を進めております。全体の連携をとりながら検討を行ったところでございます。
○福山哲郎君 わかりました。
私などは、それが妥当性があるかどうかというのは犬変疑問なんですが、そのようにお答えいただいたので次に行きます。
では、再建検討委員会では現実問題として何回ぐらい議論を重ねられたのかということをちょっとお教えください。
○政府委員(稲川泰弘君) 初回が六月十七日、最終回が九月二十九日、全部で十回開催をいたしてございます。
○福山哲郎君 では、それで検討がされて、こういう報告書が出てきたということは承らせていただきました。
次に、六月に検討委員会ができまして、今お話がありましたように、前通産大臣から「石油公団の現状分析と今後の対策について」という報告書が衆議院の決算行政監視委員会に提出をされました。要は、前大臣がこういう報告書をつくられた、この報告書についてどのように今評価をされているのかということを、これは通産大臣と資源エネルギー庁長官とどちらにもお答えをいただきたい。
○国務大臣(与謝野馨君) 堀内大臣も日本の石油政策の将来、また過去のいろいろな経験に基づいて将来をどう展開すべきかということを真剣にお考えになっていたと私は思っております。私どもとしてはそういう堀内大臣のお考えに基づいて、そういうことに資源エネルギー庁、通産省挙げておこたえしていこうということで検討委員会をつくり、報告書を出したわけでございます。
これは通産省だけでやったわけではございませんで、石油公団の内部でももちろんそういう体制を整えておりましたし、また全く自分たちだけでやるということはやはり世間を説得する力というものはどうかという問題もありますし、外部の御意見をお伺いするという意味で公認会計士あるいは石油に詳しいコンサルタント、そういう方々の意見も幅広く伺って報告書をまとめたわけでございます。
考え方の部分は考え方の部分、それからもう一つは、経理内容等数字の部分は数字の部分というふうに二つ分けて考えますと、物の考え方というのは人によって違うこともありますし、将来の見通しについてもそれは考え方は違うことがあるだろうと思うわけでございますが、経理の状況とかあるいは客観的な事実については極めて正確に皆様方にお示しをする、情報開示をするということを前提につくられた報告書であるというふうに私
は評価しているわけでございます。
○政府委員(稲川泰弘君) 前通産大臣の御指摘のありました決算行政監視委員会への報告文書でございますが、指摘なされている点は大きく四点であるというふうに理解をいたしてございます。
第一点は、経営状態がよくない出融資会社を現時点で清算すれば一兆三千億円の損失をこうむることになるわけでありますが、将来の資金回収見通し、損失見通しを精査すべきであるというのが第一点でございます。それから第二点は、財務内容が不良な出融資先企業を整理して優良企業への統合を行うべきである。第三点は、情報公開。第四点は、石油公団のプロジェクト審査能力及びリスク管理能力をレベルアップすべきという四点であったかと思います。
我々、先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、この御指摘を正面から受けとめまして、報告書においてこの四点に対する我々なりの検討結果を御報告したところでございます。今後はこの報告内容の実施に全力を挙げて取り組んでまいりたい、かように考えてございます。
○福山哲郎君 先ほど加納委員からも御質問があったと思うんですが、この報告書を全部読ませていただいて、前大臣の指摘がありましたがこうでありますという内容のことは書かれているのですが、先ほどありましたように反省とかもちろん謝罪とかいうことは全くないわけです。ということは、この報告書はその指摘に対してこたえをしたというふうな位置づけでよろしいわけですか。
○政府委員(稲川泰弘君) 今回の検討におきましては、堀内前大臣の御指摘あるいは国会の御指摘を初め各方面からの問題提起を正面から受けとめて、財務、事業運営について改善すべき点をすべて洗い出し、報告書として取りまとめたつもりでございます。
今回の検討を通じまして、出融資先会社の情報公開の徹底、国民の理解を得る努力、あるいは既存プロジェクトの不断の見直し、さらには民間企業に準じた会計基準の適用などの面において、従来必ずしも十分とは言えず改善を図るべき点があるということを明らかにしております。
いわばこの報告書全体が各方面からのさまざまな指摘に対する反省を踏まえたものでございまして、今後この報告書に基づき全力を挙げて必要な改善策を講じてまいりたい、かように考えております。
○福山哲郎君 ということは、もう一回しつこくお伺いしますが、改善をする点が多々あったということはお認めになるし、反省する面も多々あったということはお認めになるわけですね。
○政府委員(稲川泰弘君) 従来必ずしも十分とは言えず、改善を図るべき点があった。例えば情報公開であるとか経理のさらなる基準明確化とか、そういう点について今後努力をしたいと思っております。
○福山哲郎君 ありがとうございました。
次は、雑誌等で拝見をしている中身の話ですので簡潔にお答えいただければいいのですが、雑誌を拝見していますと、小松前石油公団総裁を更迭をした云々かんぬんというくだりがいろんなところに出ております。しかし、本当にどのような形で石油公団を退職をされたのかということは、こちらとしては正式な状況がわかりません。
例えば、更迭をしたという形のどういう処分が正式に行われておやめになられるに至ったのかということについて、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(稲川泰弘君) 小松前総裁の辞任につきましては、小松前総裁自身が、公団の直面している状況あるいは御自身の年齢等を踏まえて、新たな責任体制のもとで今後の公団事業の効率化に取り組むことが適切という御判断のもとにみずから辞意を固められたものでございます。
○福山哲郎君 辞任ということは、みずからおやめになったということは、退職金はもちろん支払われる予定なわけですね。
○政府委員(稲川泰弘君) 退職金については、公団があらかじめ予定した手続にのっとって今後処理していくべきものと思っております。
現在のところ公団は、今回の検討委員会報告書に基づきまして種々の課題を残しておりますので、その課題の実施、その方向を見定めた上で今後の退職金の取り扱いを決定していくことになると思っております。
○福山哲郎君 そのような課題というのはどういった課題なんでしょうか。
○政府委員(稲川泰弘君) 先ほど御報告申し上げましたが、情報公開の問題、会計基準の問題、さらには今後の全体の公団の収支に係る処理の問題等々でございます。
○福山哲郎君 というのは、情報公開、公団の収支等々の状況を見て小松前総裁に対する退職金の支払いは検討され、それから決定されるということですね。
○政府委員(稲川泰弘君) これらの課題の実施に向けての方向性を見定めた上で取り扱いを決定していくことになる、公団のあらかじめ定められた手続にのっとって決定さるべきものと思っております。
○福山哲郎君 何かよくわかったようなわからないような御答弁なんですが、とにかく支払われる前提でいっているということはお伺いしました。
では、少し細かくなりますが、報告書の中身について質問させていただきたいと思います。
一昨日の経済・産業委員会における資源エネルギー庁長官の説明にもございましたし、今回のこの報告書の中にもずっとあるんですが、「成功したプロジェクトの株式売却益などで埋めることにより、資金を自己回転させることを想定したもの」であるというような表現があって、よく株式売却益というのがあるんですが、これまでに株式売却益で公団の方が利益を得たというような実態、事実はあったのでしょうか。
○参考人(新欣樹君) お尋ねの売却益を計上したケースというものが二社ございます。これは出光石油開発とそれから日本海洋石油資源開発でございます。
これらの二社は、新潟県の阿賀沖で同一鉱区において共同事業を今行っております。公団が取得いたしました株式が取得価格以上の価格で処分し得るような状態になった、恒常的な生産ということになったわけで、それぞれの民間株主に対しまして、出光石油開発の方は昭和五十五年三月、日本海洋石油資源開発の方は昭和五十七年三月、それぞれ売却をいたしまして、それぞれの売却価格は百九十四億円及び百六億円でございます。売却益という点では、前者が五十二億円、後者が七十八億円ということになってございます。
○福山哲郎君 出光石油開発に公団がそれまでに出資ないし融資をした額は全額で幾らですか。
○参考人(新欣樹君) ただいますぐにはあれですので、後ほどお答え申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 そうしたら、日本海洋石油資源開発に公団がそれまで出資ないし融資をした額についてもお教えをいただきたいというふうに思います。
○参考人(新欣樹君) 後ほどお答え申し上げます。
○福山哲郎君 そうすると、今、百九十四億で売って五十二億利益が出たと言われましたが、この利益というのはどういう換算の利益になるんでしょうか。
○参考人(新欣樹君) 株式の原価と売却価格との差額というふうにお考えいただきたいと思います。
○福山哲郎君 わかりました。じゃ、先ほどお願いした数字をまたお教えいただきたいと思います。
それで、実は、確かに利息、配当、それから株式の売却で将来的に二千四百九十億円の損失から三千七百六十億円の利益になるという見通しがこの間のエネルギー庁長官の報告とかにもあるんですが、私、一つ非常に不思議に思うことがございました。
報告書を拝見させていただきますと、十年以内に株式を売却するという表現があるわけです。十
年程度で株式を売却するということはあるのですが、実は、別のページにこういうことが書いてあるんです。これは報告書の中にあるんですが、今回の分析においては、我が国会社の持つ油田の生産量の合計が二〇一〇年ごろに現在の約半分になる。つまり、数ある開発会社の中で本当にわずかですが今出ているものがある、その出ているものの生産量の合計というのは二〇一〇年ごろ現在の約半分になると書いてあるわけです。約半分になるのが二〇一〇年ごろと書いてあって、株式売却をするのは十年程度を見込みと書いてあるわけです。
埋蔵量なり生産量が半分になるということは、客観的に言うとその株式は、会社の価値というのは半減するじゃないですか。だって、石油を開発することによってその会社というのは評価をされているわけですから、その評価をされている株式を二〇一〇年ぐらいをめどにこちらでは売却すると言っていて、片っ方では生産量が半減するとちゃんと書いてあるわけです。生産量が半減するということは、その会社の価値は今から比べると半分に減るわけです。そのときの売却益とかを、こういう報告書の中で利益が出るというような想定をすること自体に僕は大変無理があるような気がするんですが、どうでしょうか。
○政府委員(今井康夫君) お答え申し上げます。
生産量が半減するということは、この計算の前提といたしまして、それぞれの会社が持っております確認可採埋蔵量をまずベースにいたしました。それで、それをこれから十年なり五年なり二十年なり、それぞれ権利の切れる期間まで生産を続けるということになります。
そういたしますと、これは非常にかたい見通してございまして、確認可採埋蔵量がだんだん減っていくわけでございます。したがいまして、十年たつとその生産量も半分ぐらいになってしまうわけでございますが、実はそういう非常にかたい見通しであっても、この報告書で御説明をしておりますように、今後、この開発会社合計しますと、将来的には四千三百八十億から八千九百億ぐらいの収益がたまるという計算をしております。
それで、通常の場合で言いますと、各企業はそれぞれ埋蔵量をふやす努力をいたしますし、期限が来ますとそれを延長する努力をいたしますので、通常はそれより生産量はふえるわけでございます。したがいまして、私ども申し上げている、ここで将来の収益の見込みが四千三百八十億から八千九百億ということを見通しておりますが、これより恐らくふえるであろう。それは、収益の見通しと申しますのは、会社にたまっているお金、それから配当として石油公団が受け取るお金でございますから、そういうものは今ここでの見通しよりももう少しふえるであろうということが書いてございます。
株を売却する場合には、少なくともその開発会社が持っている内部留保、自分のところに持っておる内部留保よりも高く売れるわけでございますから、そういう意味では、ここで申し上げた収益の見通しというのは非常にかたい数字だということを私どもは申し上げております。
○福山哲郎君 今、開発会社は何社ありますか。
○政府委員(今井康夫君) 百二十三社でございます。
○福山哲郎君 今実際に剰余金が出ている会社は何杜ありますか。
○政府委員(今井康夫君) 十一社でございます。
○福山哲郎君 今、株式として売れる見込みのある会社は何社ありますか。
○政府委員(今井康夫君) これにつきましてはなかなか難しいのでございますけれども、剰余金が出ている会社というのは、基本的には現在、今まで出資を受けた金額よりも、それを上回った利益が上がっているわけでございますから、その意味では株は簿価よりも高く売れるというふうに思っておりますから、そういう意味では理論的には十一社については売れるんじゃなかろうかと思っております。
私ども計算を、二〇二〇年までいろいろ分析してみたわけでございますが、今の剰余金が出ている会社十一社が恐らく十九社にふえていくという分析をしておりますので、株を売る、それはマイナスで売るんじゃなくてある程度の利益を得て売るとしますと、十九社が観念的には該当すると思います。
○福山哲郎君 百二十三社開発会社があって、今剰余金が出ているのが十一社、しかというのか、これは確率が高いというのか、その評価は別にして、その状況で十年後に株式売却をするときに、先ほど言われたように石油の生産量がふえているはずだと言われても、これはやっぱり説得力に欠けると僕は思うんです。
さらには、先ほど言われたみたいに十一社が売却益が出ると言われているかもしれないけれども、ある開発会社はひょっとしたら埋蔵量がふえないままいっちゃうかもしれない。ここは確実に会社の株価というか会社の価値というのはどんどん下がっていくわけです。ふえたところはあるかもしれないけれども、そこはまたそのうちの何社かよくわからない。さらに言うと、十一社から十九社まで剰余金が出る会社がふえたと仮定をしたとしても、その横でこの百二十三社のうちの何社かが清算会社がどんどんできているわけです。そこの中で損失を出していっているわけです。
その状況の中で、先ほど言った株式売却益、配当、その他でこれだけの収益が出る可能性があるということに対しては、ちょっと説得力に欠けると私は思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(今井康夫君) ちょっと長くなるかもしれませんが、私どもの基本的な計算をした、分析をした前提でございますけれども、百二十三杜のうち、今現に動いていると思われます九十七社を具体的に一件一件当たったわけでございます。ある一定の油価、ある一定の為替を前提といたしまして、その会社がどれぐらい生産をして、そこからどれぐらい収入が得られて、キャッシュを得られて、それを石油公団に幾ら返せるのか、それから、返した後幾ら手元に残って利益として蓄積されるのかということを分析したわけでございます。
そういたしますと、ちょっと数字欠いて恐縮ですけれども、今後、確かに回収不能になるものが出てきます。先生おっしゃるとおりで、回収できないものが、前提条件によりますけれども、六千八百七十億、もう少し条件を緩めますと五千百四十億、したがって七千億から五千億程度の回収不能が生じるわけでございます。
一方で、もうかっていると申しますか、当たって利益が上がる会社からの利益、その収益、その会社からの配当である場合もありますし、利息である場合もありますし、会社にそのままとっておく、会社の内部含み益としてたまっていくケースもありますけれども、その会社に公団の持ち分としてたまっているものを合計いたしますと四千三百八十億から、条件がよくなりますと八千九百億になる。
これは、株式を売却する以前の話でございまして、ある石油会社が生産することによって利益が上がって自分のところにためていく、そういうものを合計しますと今の数字でございます。それを今度は、それはその会社にたまるものでございますから、そういう会社の株式を売却する場合に、我々の期待としては売却益が、さらにキャピタルゲインが得られて、ここで御提示した見通しよりももう少し石油公団の収支がよくなるというふうに考えております。
いずれにいたしましても、今後の収益とここで書いてありますものは、会社から受け取る配当金でございますとか利息でございますとか、会社に残る含み益でございますので、株式を売却する前の話でございます。そういう会社を売却すれば、さらにそれにキャピタルゲインが得られるということだと私どもは思っております。
○福山哲郎君 今の話はまさにそのことなんですが、今部長がおっしゃられたみたいに含み益の話をされているわけです。含み益というのは、あくまでも含みなんです。ところが、石油公団はどん
どんつくっては消し、つくっては清算しということで、これは実損が出ていくわけです。実損が出ていって、実は石油公団は利益が出ますよというのは、これは含みなんです。含みというのは、あくまでも例えば会社を売ってそこの売却益が、キャッシュが入ってきて初めて実益でございます。
こっちでは含みを前提に物事を考え、こちらでは清算会社として実損をどんどん出していったときに、それこそこの報告書に書かれているように、世の中の現状の変化、マーケットの変化、為替の変化によって含み益というのはそれだけ変動があるわけです。含み益は含みで、こっちは実損を出していくというような状況の中で収益が出るというのは余りにも乱暴な議論ではないかと思うんですけれども、いかがですか。
○政府委員(今井康夫君) 私と先生と余り意見は変わってないと思うんですけれども、言葉の定義かもしれませんが、確かにおっしゃるとおりで、損は確実にある意味で出るわけでございます。会社が探鉱不成功の場合、出るわけでございます。一方で、もうかっている会社には内部留保がたまっていくわけでございます。そういうものに石油公団の持ち分を掛けますと、石油公団の得べかりし含み益が計算できるわけでございます。それは、為替レートによったり油の価格によったりして毎回条件によって違ってまいります。それから、生産が思わずふえたり、それから今の埋蔵量しかなかったり、それぞれによって違いますけれども、私どもは相当かたい見通しを置いて、株式を売却しない前に幾らたまるだろうかと。
そうすると、おっしゃるとおりで、例えばそれを全部配当としていただいてもいいんです。それから、例えば会社を解散するときにそっくりこれは分配を受けてもいいと思います。ただ、継続性のあるような大きな会社でありますと、それを公開して売却した方がやはり株式売却益が得られると思いますので、そういうものについては売却をしていく。
ここで数字でお示ししております収益というのは、その意味で会社にたまっているものであって、それを現実化する方法としては、配当をふやす、それから会社を解散させてしまうといいますか、会社の解散を待ってそれを受け取る、それから株式として売却をする。株を売却する場合、恐らく最低ここに予定している数字は確保できるというのが私どもの考え方でございます。
○福山哲郎君 水かけ論になりますからもうこれ以上は申し上げませんが、私は、今部長がまさにおっしゃられたとおり、内部留保がたまっている、内部留保がたまってきて含み益を石油公団が計算できるような石油開発会社というのは数少ない優良会社だと思っているわけです。
その優良会社を売却して公団が手放すような勇気があるかどうかと考えたときに、これはやっぱり持っていたいと思われると思うんです。持っていたいと思われて、それを先ほど言われましたように、継続性の中でこういった優良な開発会社を持てば持つほど、逆に言うと埋蔵量、生産量が落ちていく可能性というのは出てくるわけです。
そうすると、石油公団がよし売ろうと言ったときには、その会社の価値というのはもともと言っていた含み益よりもどんどん下がっているのではないか、その時点でだれが買ってくれるんだというような状況が、含みである限りは僕はずっと起こると思っています。それが一番高いところで売れて、石油公団にもキャピタルゲインが入ったというようなハッピーでは私は済まないというふうに思っていますので、そこに対して大変疑問を持っているということで、もうお答えはいただかなくても結構でございます。
○参考人(新欣樹君) 先ほどの出光石油開発並びに日本海洋石油資源開発につきましての数字というものを正確に申し上げたいと存じます。
まず、出光石油開発でございますが、公団の出資は二十六億円でございます。これに対しまして、売却益五十二億円が出たということで、売却価格としましては七十八億円ということに相なります。先ほどちょっと私、棚を間違えまして百九十四億円と申し上げましたが、七十八億円ということに訂正させていただきます。
それから、日本海洋石油資源開発の方でございますが、公団の出資額は二十八億円、これが先ほどの七十八億円の売却益を上げまして、合計百六億円というのが売却価格ということです。
融資、これがあるかないかちょっとお答えできなかったわけでございますが、融資は両件ともございません。
○福山哲郎君 これもお伺いはしませんが、売って売却益が出たとおっしゃいますけれども、この後の石油の開発の状況によってはひょっとしたら非常に優良な開発会社だったかもしれないわけです。それを売却しているわけで、それでもう離れちゃっているけれども、本当は持っていればもっと公団にとったはいいことだってあり得るわけですから、要は、そこの売却のタイミングというものが確定しない限り、こういう算定というのは大変粗っぽいのではないかということで、もうこれ以上この問題はお伺いしません。
次に行きます。
文芸春秋の前大臣のレポートの中身によりますと、貸付金を減免する決裁は大臣決裁にあるにもかかわらず、大臣は全然決裁をしていなくて担当課長が決裁をされていたというようなくだりが出ています。そして、そこには、通産省の内部規程によって貸付金減免の規程があるというような中身も出ておるんですが、今、現状、与謝野通産大臣が御就任をされて、貸付金減免ないし開発に対しての決裁は大臣のところまでちゃんと上がっているのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(与謝野馨君) 石油公団の探鉱投融資事業の実施に当たりまして、重要な案件については石油公団や民間当事者から事前に相談を受けます。そして、当然のこととして、大臣の判断を仰いだ上で物事を判断するということになります。
他方、探鉱が不成功に終わった出資先、融資先の会社に対する貸付金元本の減免、償還期限の延長などの通産大臣の認可・承認事項の中で、案件の性格上、定型的なものについては事務当局において処理をしております。文書による決裁は重要な事務処理であるということは言うまでもございませんが、膨大な事務処理を円滑に進めることが必要であることから、事務処理の専決に関する規程に基づき、大臣の許可・認可に係る事項についても一定の範囲内で決裁を事務レベルにゆだねているところであります。
これまでは、石油公団の開発事業に関しましては、文書上の決裁を石油部開発課長限りで行っていたものがありましたが、より厳格に事務処理を行うため、今般、堀内前通産大臣の御指示により、専決に関する規程の改定を行いまして、石油部開発課長の決裁事項を石油部長の専決事項としたところでございます。
今後も、石油公団の開発事業において、政策的に重要な案件については、大臣の意向を十分に踏まえ、事務処理を行ってまいる所存でございます。
○福山哲郎君 ということは、堀内前大臣の指摘をされたこと等は余り今の現状では変化がないということなんですが、通産大臣の御意見で結構でございますが、国民の大切な税金を、幾ら国益に資する石油開発だからといって減免をする、例えば数百億、数千億の減免をするに当たって、担当課長ないし担当部長の決裁でいいと与謝野大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) 実は物事は程度の問題がございまして、専決で物事を決裁する場合も当然ある一定の尺度、基準、そういうものに基づいて決裁をしているわけでございまして、その額が多額にわたる場合は、決裁はその段階でいたしますけれども、幹部と相談をしながらそういう物事を進めていくというのは役所の中の当然のことでございまして、決裁権者が課長あるいは石油部長ということとそれがその幹部の知識なしに物事が行われているのかということとはまた別の問題でございます。
当然、課長が決裁したことであろうとも、やはり通産省全体としてあるいは資源エネルギー庁全体として責任を持つという意味では、これは課長の決裁で物事がどんどんできるという話ではなくて、役所の意思をそういう段階で文書の問題としては決裁するということでございまして、当然その額が大きいとか重要な事項であるということは大臣も知っているし幹部も知っている、その上で決裁をするということでございまして、ここは定型的な決裁の問題を議論しているわけであると私は思っております。
○福山哲郎君 認知をされてそれが行われるかどうかというのは大変大きなことだと思いますので、大臣のおっしゃるとおりだと思います。
今の問題で、先ほどの株式売却益の話、それから今の内規規程の話について、例えば、何歩か譲って通産省のおっしゃるとおり株式売却益が出るかどうかという話についても、情報公開としては大分進んだとは思いますが、今回出された各開発会社のあれを見ていると含み益がどのぐらい出るのかとか、今の状態でこれは上場可能な状況なのかとか、剰余金がどのくらい出ているのかというのが実は余りよくわかりません。本来でいうと、各開発会社のBSとPLを両方出していただいて、そこの中で、それを積み上げた結果、この報告書が正当性を持つのか、整合性を持つのかということを私どももやっぱり検証してみたいと思います。
それから、先ほど申されました内規の規程の問題というのも、実はこの報告書の中にも通産省の内規によってというような記述が幾つもあります。これがわからないことには、これから改善をされるというものも、現実の問題の中で、その内規の幅があればあるほど逆に言うと改善される余地というのは狭くなるわけです。今後この問題というのはこの国会で終わらないと思いますので、ぜひそのための材料として各開発会社のBSとPL、それから通産省の中での各種規程の公開というものを、特にこの報告書では「各種規程の公開」ということがうたわれていますから、ぜひこの経済・産業委員会に御提出をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(今井康夫君) 私ども、石油開発は、国のお金でリスクマネーとして企業に提供するものでございますので、可能な限り情報公開、それからお求めになった資料について提出するように努力いたします。
それから、先生の御指摘の一点、この報告書にも書いておきましたけれども、私どもはこの作業に当たりまして、可能な限りこれは客観的な目で見ていただこうということで、会計士さん、監査法人のお力をおかりしました。二つの監査法人でございます。その方々にチェックをしてもらっております。特に、今の株の部分でございますが、株式の売却益が得られるかどうかということも含めて監査法人の方にそれぞれの会社の株が今幾らで売れるのかということをチェックしていただいたわけでございます。
それによりますと、報告書にも書いてございますけれども、現在の石油公団が保有して、先ほど御説明いたしました剰余金が出ている十一社、それから、剰余金はございませんけれども株式を時価評価いたしますと帳簿価額を上回っているような会社がございます。これが六社でございますけれども、十七社を合わせて今の株式の時価評価、これは八月の時点でございますのでダウが一.万四、五千円の段階でございます、これで四千八百億円になる。一方、この四千八百億円に評価される株の帳簿価額が七百三十五億円でございますので、八月の株式市場を前提にしますと、この段階で四千五十億の株式の評価益が出るという計算を監査法人の方々のお力も使ってやってみたところでございます。
御報告申し上げます。
○福山哲郎君 私の質問にお答えいただいていないんですが、百二十三社の石油開発会社の損益計算書と貸借対照表、それから通産省内での各種規程についてこの委員会に御提出をいただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(今井康夫君) 規程類を含めまして、可能な限り情報公開という今回の報告書の趣旨に沿いまして、私ども検討させていただきます。
○福山哲郎君 可能な限りというのはどういう話で、それで検討させていただきますというのはどういう返事で、僕は国会の経験が少ないのでそういうお答えがどういう意味を持っているのかよくわからないので、済みません。
○政府委員(今井康夫君) 恐れ入ります。
石油の世界でいいますと、どうしても出せないものがございます。例えば、産油国との関係でございますとか、埋蔵量でございますとか、そういう非常に国際的な問題、それから例えば共同でメジャーとやっているようなケースでいいますと、メジャーとかかわるような問題、こういうものはそれぞれ契約なり、相手国の国家機密でございますので、そういうものについては公開の対象にならないと思いますが、それ以外につきましては可能な限りお出しするということでございます。
○福山哲郎君 少し疑問に思うんですが、国家機密等で出しにくいというのは僕も理解はします。しかし、公団が融資として三割、出資として四割ですか、つまりほとんどの石油会社について七割までの出資をしているような状況ということは、それを税金で使っているということは、もうはつきり言って国民の会社なわけですよ、石油開発会社というのは。その国民の税金で七割も出しているものを国民の代表である国会の委員会の場に資料が出せない、可能な限りという答弁というのはやはりちょっと納得しがたいんですが、これは委員長にお願いをして、理事会の方でまた次回までに御検討いただきたいというふうに思います。
○委員長(須藤良太郎君) はい。
○福山哲郎君 もう時間もありません。それでは、次に行かせていただきます。
いろいろあるんですけれども、これも余り私、好きな分野ではないんですが、いろいろ調査をいたしました結果、私の手元に今これ百二十八社、先ほど百二十三社が存続と言われていましたので、多少清算されたところがあるかもしれませんが、百二十八社の石油開発会社の役員のお名前があります。ここで個人的なお名前は余り申し上げたくはないんですが、ある元中小企業庁長官は百二十八社のうち、何と十九社で役員をやられています。そしてもう一人、ある元大阪通産局長さんは二十一社で役員をやられています。この百二十八のうちの十九社と二十一社で役員をやられているということの実態について、まず通産大臣はどのようにお考えになられるでしょうか。
○国務大臣(与謝野馨君) ただいまのお話でございますが、名前を貸している場合と実際給与をいただいている場合というふうにやはり分けて考えていただいた方がいいんではないか。名前を連ねているということと常勤で給与を受け取っているということとは事柄が違うと私は思っております。
このうち、常勤で直接給与を受け取っている会社は、それぞれの方、お名前は多分同じ方を指していると思いますが、一社と伺っております。
ただし、同一グループ内のプロジェクト会社に利益が出た場合など、その時々の各社の事情に応じてプロジェクト会社が役員報酬の一部を負担することがあるものと聞いております。今お話をお伺いすると、十九社から全部役員報酬を受け取っているとか、そういう印象はちょっと私もびっくりしたんですが、そういうことはなくて、一社から基本的には受け取っているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○福山哲郎君 私も全部の会社から給料をもらっているとはもともと考えておりませんでしたが、一社から給料をもらっていても、剰余金等が出たときにはやはり役員報酬が出るわけですね。それで、十九とか二十社に名前を連ねている。それは貸しているだけではなくて、れっきとした役員報酬が出るということはなかなか私としてはよく理解ができない。
それで、正式に今ある百二十三社の石油開発会
社についての役員の名簿をこの委員会にお出しいただけないかということを今お願いしたいというふうに思っていますが、いかがでしょうか。
○政府委員(今井康夫君) 御提出申し上げます。
○福山哲郎君 それと、先ほど申し上げたお二人は、ほかの方もそうなんですが、当然、清算会社にいらっしゃったことがあるはずですね。要は、今は役員だけれども、清算した会社があってそこの役員をやっていたということだってあり得るわけです。その場合に、その清算会社が清算をされたときに退職金等をもらわれた例というのは一社もないのか。もしくは複数社の清算会社から退職金をもらわれた例があるのかということについてもお答えをいただきたいんです。
○政府委員(稲川泰弘君) 先ほど御指摘のありました二名のうちの後者につきましては、清算済みの会社で役員を務めていたものからいずれからも役員報酬、退職慰労金は受けておりません。
御指摘のありました前者は、多分お名前は同じだと思いますが、平成四年六月、ラントウ石油開発というところから支給された約三十二万円のお金がございました。全くないかというと、この例が一つございます。原則的にはございません。
○福山哲郎君 ということは、清算会社から役員には退職金は払われないことになっているんでしょうか。
○政府委員(今井康夫君) 今まで私ども先生の御指摘も受けて調べましたけれども、極めて例外的なケースではございましたけれども、取締役として先ほど先生がおっしゃった二名のOBが清算会社を退職するときは退職金はいただいておりません。受け取っておりません。
○福山哲郎君 この二人はと、例外的なものはあるわけですね。
ですから、私が言っているのは、例示的にお二人を挙げたわけで、かなり複数の会社で役員の名前を連ねている方がいらっしゃって、それを全部今この場で挙げるというのが時間的に不可能なのでたまたまお二人を挙げたわけですが、この辺についても今後検討させていただきたいというふうに思います。
とにかく、冒頭申し上げましたように、私は、国益上の観点から石油の開発をすることを否定するわけではありませんが、やはりその分、透明性の確保としっかりとした将来見通しをつけないと、温暖化の関係からいって、石油、石化燃料に対する世界の視線もこれから先厳しくなるわけです。それを本当に石油という形で、日本がこの状況と同じような形で延長線上にエネルギー政策としていっていいのかということも含めて私は大変疑問に思っていますので、今後ともまた審議を進めていきたいというふうに思います。
どうも誠実にお答えいただきまして、ありがとうございました。これで終わります。
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