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2016

第190国会 参議院 外交防衛委員会 2016年5月24日


○福山哲郎君 おはようございます。福山哲郎でございます。よろしくお願いいたします。
 今、北澤元防衛大臣のお話を承りました。私も、初当選のときに国対の副委員長で行くと、北澤先生が国対委員長であられまして、北澤学校にまず入学をして鍛えられて、甚だ至らなかったわけですが、昨年の安保法案の審議では、特別委員会で北澤筆頭理事、私が次席という形でやらせていただきました。その折も本当に御指導いただきましたし、政権のときには防衛大臣と官房副長官という形で、原発事故の対応、そして各国との対応等についても御指導いただきました。
 今お話を承りまして、北澤先生の後を受けていく世代として、議会の劣化ということについては我々自身も反省をしながら、与野党共にそのことについて努力をしていくということを肝に銘じてやっていきたいと考えさせていただきました。北澤先生には、心から、長年の我が国に対する御貢献に、そして議会に対する御貢献に、心から感謝と敬意を表したいと思います。
 時間がもう余りありませんので、まず、今日の審議でありますドイツ、チリ、インドの租税関連条約については、賛成ということをまず述べさせていただきたいと思います。
 一方で、沖縄で非常に残念で痛ましい、強い憤りを覚える事件が起きてしまいました。本当に、報道が進むにつれて、もう怒りを通り越してもう何とも言えぬ気持ちになる、そんな事件でございます。そのたびに、再発防止、綱紀粛正という話に事件が起こるたびになりますけれども、本当に実効性を伴うのかどうかについては、沖縄県民の皆さんの不信感と怒りはまさに頂点に達しているんだと思います。
 我々、実は政権のときに、日米の地位協定の新たな枠組みの合意ということで、若干の公務中の犯罪についての地位協定の改定をさせていただく努力をいたしました。また、その後、二〇一二年には、やはり事件が起こりましたので、日本に滞在する全アメリカ兵の皆さんに対する夜間外出禁止令や再教育等についての対応もさせていただきましたが、あれらのことがどれほどの効果があったのかと考えると、内心じくじたる思いでいっぱいでございます。
 今日、先ほども沖縄県連の我が党の花城代表ともお話をさせていただきました。
 まず、防衛大臣、外務大臣にお伺いしたいと思います。
 沖縄県民の皆さんの思いは、やっぱりこの再発防止策とか綱紀粛正が、一体どの程度我が国がきちっとアメリカに伝えて、実効性がある対策が講じられているかについて不信感があると。この綱紀粛正や再発防止について、沖縄の声もアメリカに伝える機会を是非政府との関係で場をつくっていただきたいと。それは昨日、翁長知事が言われたオバマ大統領に話合いをする場を持っていただきたいとはまた別の観点で、この綱紀粛正と再発防止という観点に関して沖縄の声を直接伝えて交渉できる、そしてそこに外務省や防衛省が一緒に入るような場が欲しいという声がありますが、このことに対して、両大臣なのか、外務大臣なのか、どちらでも結構ですが、まずお答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず冒頭ちょっと一言だけお許しをいただきたいと思いますが、まず、北澤先生のこの二十四年間にわたる議会人としての御貢献に心から敬意を表し申し上げたいと思います。
 あの昨年の平和安全法制は、国民の命や暮らしを守るために重要な議論であったと私は認識しておりますが、ただ、この議会の劣化等、先ほど貴重な御指摘をいただきました。このお言葉をしっかり重く受け止めて、未来に向けて引き続き努力をしていきたいと考えます。
 そして、その上で、今、福山委員の方からの御質問についてお答えをさせていただきます。
 まず、今回の事件は、米軍属によります卑劣な行為による残忍極まりない凶悪な事件であり、極めて遺憾であります。そして、米国に対しましては、まずは強く抗議を行い、そして今、この捜査が進んでいるこの事件に全面的に協力を求める、そして、米軍人、米軍属の綱紀粛正を求める、そして効果的なこの再発防止策をしっかりと示すことを求める、こういったことを米国側に求めたわけでありますが、是非、まずは米国の努力が重要でありますが、こうした再発防止等につきましては、政府としましてもしっかりとした対応が求められます。是非政府としましてもしっかりと努力をしなければならない、このように認識をしております。
 そして、この今回の事件について、具体的にどう沖縄の皆様方に説明し、そしてどう対応していくかということですが、一つ考えなければいけないのは、今回の事件は米軍属による事件であります。こうした事件に対して具体的にどう対応するのか、効果的な対応はどうあるべきなのか、こういった観点からしっかりとした説明あるいは対応を考えていかなければならない、こういった点はひとつしっかりと念頭に置いておかなければならない、このように考えております。
○福山哲郎君 余りはっきりとした明言はいただけなかったのは残念ですが、防衛大臣は告別式にも参列されましたので、多くの皆様の悲しみの場にいらっしゃったと思います。また、カーター国防長官とも電話で会談をされたと聞いております。
 そのことも踏まえて、この再発防止策等々についての協議の場でしっかり沖縄の皆さんの声を入れて協議をするような場をつくっていただきたいという声について防衛大臣の所見をお伺いしたいことと、国防長官とどのような話をされたのか、お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 土曜日に告別式が行われました。私は、やはり今回の事件で犠牲になられた被害者に対しまして心から御冥福を申し上げますと同時に、御親族の皆様、そして沖縄県の皆様方に大変申し訳ないという気持ちをお伝えをし、また心から哀悼の意を表したわけでございます。あの葬儀に出まして、やはり二度とこのようなことが起こらないように、しっかり政府としても対応しなければならないということを肝に銘じました。
 その日の夜でありますが、アメリカのカーター国防長官と電話で会談をいたしましたけれども、今回の事件につきまして、極めてこれは残忍で凶悪で決してあってはならない、言語道断の出来事であると強く遺憾の意を表し、抗議をいたしました。そして、この再発防止につきましても具体的に、そして効果のあることを講じていただくように、これは米国として取り組むべきことであるということを申入れをいたしました。
 カーター長官の方から、今回の事件については大変痛ましく、そして米国としても大変重く受け止めているということで、亡くなられた被害者と御遺族に心から深い謝罪の意、これを表明をしまして、今回の事件に、捜査に全面的に協力するとともに、二度とこのような事件が起こらないように、米軍人軍属に対する事件、事故の再発防止に向けてできることは全て行う旨の発言がございました。
 沖縄に参りました折に、ニコルソン四軍調整官と面会をいたしまして、具体的に米軍人軍属を含む対応を早急にまとめて実施をしていただきたいと。これについては、沖縄の防衛局長ともしっかりと協議をして、そして日本側もしっかり対応するように沖縄防衛局長にも命じました。この点につきまして早急に日米間で協議をいたしまして、こういった点の再発防止について見解をまとめて、それが徹底されるように今後努めてまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 もう時間だと思いますが、今のお話は理解はします。しかし、その政府間のやり取りについては沖縄県民の皆さんに今不信感が高まっています。だからこそ、沖縄がその再発防止策にどれほどきちっとコミットできるかということについて求める声がたくさんあります。その一番大きな問題提起が、オバマ大統領が訪問される際に県知事との会談を申し入れたのが昨日の安倍総理との会談だと思います。
 是非、外務大臣、防衛大臣におかれましては、政府として一歩踏み込んだ形で沖縄県民の皆さんの思いを受け止めるような御対応をやっていただきますことをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

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