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2018

第196国会 参議院 予算委員会 2018年3月2日


○福山哲郎君 立憲民主党の福山でございます。新しい政党に移って初めての予算委員会です。総理を始め閣僚の皆さん、よろしくお願い申し上げます。
さて、安倍総理、働き方改革関連法案から裁量労働制を分離されました。一定の評価をしますが、理由をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の裁量労働制の議論に関連して、厚生労働省のデータに対して国民の皆様に疑念を生じさせることとなりました。このため、裁量労働制については今回の改正から全面削除し、実態について厚生労働省においてしっかりと把握し直すこととし、その上で議論をし直したいと、このように考えております。
○福山哲郎君 データの不備、国民の疑念が理由だということです。
加藤大臣、加藤大臣は衆議院の審議で、間違っている整合性のないデータであるのはそのとおりでありますし、しっかり整理させていただきますが、結果としては結論をひっくり返す必要はないとおっしゃっておられました。なぜ変わったのですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、長時間労働の是正についての議論でありましたので、これはやっぱり長時間労働というこの実態、認識、そこには変わりがございませんので、特に今、上限のない特別条項があれば、それ上限がないわけでありますから、それは上限を付けるべきだと、こういった認識には変わりがないということを申し上げました。
それから、裁量労働制についても、指摘されているように、例えばみなし時間とそれから実際に働いた時間の乖離、むしろみなし時間よりも長く働いているという実態、その認識はあるわけでありますので、それに対してしっかり規制強化をしていかなきゃいけないと、そういったことも含めてしっかりやっていく必要があるということを申し上げましたが、しかし、総理がおっしゃったように、この政府の示した裁量労働制に関するデータについて、国民の皆さんにこの改正そのものに対する疑念を抱かざるを得ない状況をつくってしまった。そういった意味においては、それは全面的に削除する、そして、改めてこの実態の把握を私どもの方でしっかりやって、その上で議論をし直していきたいと、こういうふうに考えております。
○福山哲郎君 もうよく言われていますが、この労政審の出発点はこのデータでした。その中には高プロも含まれます。当然、今の新しくやる調査、実態を把握した上で、高プロについても議論を労政審に戻すべきだと思いますので、同様にこの法案から外すべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) まず一つ、労政審での議論でありますけれども、委員が配られている資料の中にもございますけれども、平成二十五年からこれは産業競争力会議で裁量労働制を始めとした労働時間の法制について議論をしろということで、委員御指摘のあった労働時間等総合実態調査などを示して議論をいただきましたが、その後において改めてまた裁量労働制の拡大、そして高度プロフェッショナル制度の導入に関して、これは翌年ですけれども、平成二十六年六月の日本再興戦略改訂二〇一四でこの二点について具体的に労働政策審議会で検討しろということでございまして、同年七月から議論が開始をされました。特に高度プロフェッショナル制度については平成二十六年の十一月、十二月、二回で議論いたしましたけれども、そこでは、特段こうした実態調査の資料を提出したわけでもなく、それに基づく議論もなされたわけではございません。
いずれにしても、先ほどから総理もおっしゃっておられますけれども、高度プロフェッショナル制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択することができる高い交渉力を有する高度専門職が、働き過ぎを防止するための措置を講じつつ意欲や能力を発揮できる、そうした働き方の選択を広げていく、こういうものであります。
一方で、対象業務や年収要件によって対象者を絞り込み、また、労働時間、休日、休憩等の労働時間規制は外すことになりますが、同時に、働く方の健康をしっかり確保するため様々な措置を講じるということにしているところでございまして、そうしたさらには様々な健康確保措置も入れ込むということでもございますし、また、健康管理時間が長時間に及ぶ場合には、労働安全衛生法を改正し、医師による面接指導を一律に罰則付きで義務付ける、こういうことも予定をしております。
こうした健康確保措置をとりながら、能力ある高度プロフェッショナルの方がその能力を十二分に発揮をしていただける、そういった働き方をつくり上げていくということも必要だと、こういうふうに考えております。
○福山哲郎君 今の御答弁だと、厚労大臣は、高プロの議論の際には働き方の実際のデータは要らないとおっしゃっているわけですね。
○国務大臣(加藤勝信君) 要る要らないというか、事実関係を申し上げたところでございまして、そこでの議論においてはそうしたデータを我々の方から提供して議論をされているという経緯にはなっていないということでございます。
○福山哲郎君 だから、新しくデータを取って調査をするに当たって、高プロに関しては要らないという判断を今のところしているということですね。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、実態把握については裁量労働制についての実態把握を改めてし直して、そして裁量労働制についてはその実態把握を基に議論をし直していくということでございまして、委員御指摘のように、高度プロフェッショナル制度については、これまでの労政審の建議、また答申をいただいておりますので、それに沿って法案の作業を進めていきたいと、こう考えております。
○福山哲郎君 だから要らないと言っているんですよね。はっきり言ってください。
○国務大臣(加藤勝信君) 要らないという意味があれですけれども、これまでのそうした議論を踏まえて続けていきたいと、こういうふうに考えております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(加藤勝信君) 裁量労働制度というのは、もう委員御承知のように、現行制度がございます。それについてまず実態を把握するということで資料も出させていただきました。ただ、その資料についていろいろ御議論もあり、それはやり直すということでありますが、高度プロフェッショナル制度そのものは現在制度そのものがないということでありますから、その高度プロフェッショナル制度がどうなっているかということについて今実態を把握するということは難しいという状況であります。
○福山哲郎君 いや、高プロはスーパー裁量労働制と言われています。逆に、医療関係者とかそれに近い働き方をしていて、過労死の家族の方には、そういう働き方をしているお医者さんもいらっしゃいます。だからこそ、裁量労働制の実態に基づいて高プロはしっかりと議論しなきゃいけないんじゃないんですか。
調査は要らないとおっしゃるんですね。もう一度お答えください。
○国務大臣(加藤勝信君) そのスーパーとおっしゃる意味があれですけれども、裁量労働制と高度プロフェッショナル制度、例えば年収要件が全然違う、それから、高度な技能を要する仕事である等、その設定の仕組みが違う、仕組みが違う、対象が違うわけでありますから、裁量労働制については現行に制度があり、それを拡大していく、こういう流れでありますから、現行がどうなっているかということについてしっかり把握する必要がある。他方、高度プロフェッショナル制度は今申し上げたように現行そのものの制度はありませんから、それについて実態を把握するといってもそれは難しいというふうに思います。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどもお話を申し上げましたけれども、企画業務型裁量労働制度というのは、そもそも業務の性質上、その遂行の方法を大幅に働いている方の裁量に委ねる必要がある等々の中での制度であります。
他方、高度プロフェッショナル制度は、高度の専門的知識等を必要とし、その性質上、従事した時間と従事した成果との関連性が通常高くないと認められると、こういったものを業務の対象にすると。そして、仕組みにおいても、高度プロフェッショナル制度においては一定の、通常の平均の三倍以上の年収の制限をしていく等の仕組みにもなっているわけでございます。
したがって、先ほど申し上げましたけれども、裁量労働制については現状の仕組みを拡大をしていくということでありますから、現状がどうなっていくかということを把握していく必要はあるわけでありますので、その把握をもう一回し直していくということであります。それから、高度プロフェッショナル制度については今申し上げたように現状に制度がないわけでありますから、ないものを調べていくということはできないということを申し上げているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(加藤勝信君) 同じことになって恐縮なんでありますけれども、現在の高度プロフェッショナル制度というのは制度そのものが存在をしていないわけでありますから、その実態を把握するといってもそれは難しいわけでございまして、そうした難しいことを前提に必要性のあるとかないとかというのは答弁はできないと思います。
○福山哲郎君 高プロが導入されたら、この人たち、こういう働き方を今している人たちが高プロに移行するだろうと思われる方々はいらっしゃるはずです。その方々の今の働き方とか今の状況を把握する必要はないんですかと、そういうことを把握した上で実態調査をしなければいけないんじゃないですかと申し上げているんですが、それでも必要ないとおっしゃいますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 対象として一つ想定されるのは、年収一応千七十五万ということで想定をしておりますから、全雇用者の約三%。ただ、それには管理職等が入ってまいります。ただ、その人たちが全員行くわけではありません、業種も相当絞り込まれるわけですから。したがって、そこのところを調べたからといってすぐに高度プロフェッショナル制度ということにはつながっていかないというふうに思っております。
したがって、今委員御指摘の部分について改めて調査をしてということではなくて、これまでの議論を踏まえて法案の作業を進めていきたいと、こう思っております。
○福山哲郎君 必要ないという判断だと受け止めました。
私、不思議な気がしています。働き方改革は安倍内閣の目玉政策と言われました。その法案を準備していたのに、国会に提出前にデータの不備が次々に見付かり、ぼろぼろになりました。そして、結果として裁量労働制の拡大を削除せざるを得ない事態に陥っています。普通ならとても格好悪い状況です。そして、そのぼろぼろのデータを出した大臣が高プロについて必要ないと言えるような状況ではありません。
大臣、本当はあなたの責任問題なんじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 裁量労働制と一般労働制、一般労働者について、本来比較をすべきでないデータについてお示しをし、答弁をいたしました。この予算委員会でも答弁をさせていただきました。これは不適切ということで撤回をさせていただきました。また、委員御指摘のように、データ、この私どもの平成二十五年の調査ではありますけれども、調査において整合性のないそうしたデータも混じっているということの御指摘をいただき、今精査をさせていただいている、こういう状況でございます。これに関しては、私として、国会そして国民の皆さんにも申し訳ないとおわびを申し上げさせていただいて、御迷惑をお掛けをしているところでございます。
その上で、裁量労働制については先ほど申し上げたような対応をさせていただき、それ以外については労政審の建議そして答申を踏まえて今法案の作業を進めさせていただいている、こういうことでございます。
○福山哲郎君 一点だけ確認させてください。
データの新たな実態調査は、私は、労政審を始めとして戻して、そこで調査の仕方もしっかりと議論した方がいいと思っていますが、大臣どう考えていますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今のお話は裁量制に関するやり直しということでございます。今、裁量制についての実態把握をどうしていくのかということについては総理から、厚生労働省でしっかりやるようにと、そして具体的な方法については厚生労働省で議論しろということでありますから、これまでのこともしっかり反省をしながら、やはり新しい設計に基づいた調査をしていくなどのことが必要になってまいりますから、それらについてどういう形で議論をしていくのか。例えば、今委員、労政審とおっしゃいましたけれども、むしろ統計的な、何といいますか、素養というんですか、そういった方のアドバイス等を求めることも必要になってくるんではないかなというふうには思います。
○福山哲郎君 統計、実態調査のやり方、方法についても透明性を持って決めていただけますか。
○国務大臣(加藤勝信君) その透明性という意味はいろんな意味があるかもしれませんけれども、我々だけが決めるということではなくて、よくいろんな方の議論をいただきながら決めていきたいと、こういうふうに思います。
○福山哲郎君 総理、実は去年の三月二日、私は森友問題であのそんたく質問をしました。総理が随分むきになって怒っておられるのを記憶しております。今日また、一年たっても森友問題のものが一面をにぎわせました。(資料提示)
これ見てください、この一年間の安倍政権。森友問題は文書は廃棄、何か財務省が出してきました。加計問題は政治家の関与をうかがわせるメモ、官邸は怪文書扱いしました。後で文科省作成と認めました。日報は廃棄したものが存在しました。今回の働き方改革はデータ不備、調査原票は、加藤大臣はなくなったと最初国会で言いました。何と倉庫に三十二箱存在していました。
こんなことばっかりですよ。何でこれ、ばれなきゃそれでいいと安倍政権は思っておられるんですか。だから、廃棄したとか怪文書扱いだとか、なくなったとか言うんですか。
総理、これ、政府の国会対応や国民に対しての説明として、こういうのが続いていることに対して総理はどうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはそれぞれ性格を異にするものでございまして、一つ一つお答えすることはできない、まとめてお答えすることはできないのでございますが、いずれにいたしましても、国民の信頼を得るためにこれからも誠実に対応していきたいと思います。
○福山哲郎君 じゃ、誠実に対応していただきましょう。
朝日の一面の記事、貸付決議書と売払決議書、国会に開示したものと異なるものが存在すると言われています。これが国会に出たものです。
お伺いします。これと別のものがあるんですか。お答えください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
本日の朝日新聞の一面報道についてというお尋ねだと思っております。
この報道につきましては、現在、大阪地検において、背任のほか、証拠隠滅あるいは公用文書毀棄等についての告発を受けて、捜査が行われている状況でございます。財務省としては、この捜査に全面的に協力するという段階でございまして、お答えすることが捜査にどのような影響を与えるか予見し難いため、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○福山哲郎君 中身を聞いているわけじゃありません。文書があるのかないのか、これ我々持っていますよ、一個。これと別のものがあるのかどうかと聞いているだけですよ。
○政府参考人(太田充君) 文書のあるなしというお尋ねでございますが、それも含めて、今大阪地検において、告発を受けて、捜査をされているということを踏まえて御答弁を申し上げました。
その上で、先ほど申し上げた答弁を踏まえた上で、捜査に対する影響というのは十分に配慮をしつつ、私どもとしても調査をしたいと思っております。さらに、その上で、捜査の最終的な影響ということも十分見極めながら、私どもとして、国会での委員の御指摘ということも重々踏まえて適切に対応させていただきたいというふうに存じます。
○福山哲郎君 済みません、太田局長、別のものがあるということをあなたは知らないのか、知っていて答えないのか、どちらかお答えください。
○政府参考人(太田充君) 今ほどのお尋ねも、要すればあるなしということを答えろというお尋ねだと思いますので、先ほど申し上げたとおり、基本的に、今の告発を受けての捜査の状況、それを踏まえての私どもの答弁に対するスタンスということで考えさせて、御答弁させていただいております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
委員の御指摘は、私がそういうことを知っておるか知らないかというお尋ねだったと思います。知っておるか知らないかということ、それは文書の存否ということ、それにつながる話だと思っています。
いずれにせよ、この朝日新聞の報道は、あくまでその決裁文書について書き換えられていた疑いがあるという報道でございますので、それについては、今ほど来申し上げているように、大阪地検において、告発を受けて、捜査をされていると、その段階において私どもは捜査にまず全面的に協力するのが優先ということで対応しています。
ただ、その上で、捜査のことを、先ほども申し上げましたけれども、捜査に対する影響というのを十分配慮して調査をしてまいりますし、捜査の最終的な影響というのを十分踏まえながら、私どもとしても、委員からの御指摘でございますから、国会からの御指摘でございますから、それを重々踏まえて適切に対応するということで御理解を賜りたいと存じます。
○福山哲郎君 違いますよ。私は、存否をあなたが知っているか知らないかというか、二つあるのか一つあるのかをあなたが知っているかって聞いているんじゃないです。あなた自身はそのこと自身のことを、事実をあなたは知っているかと聞いているんです。
○政府参考人(太田充君) 事実を知っているか知らないかということは、今ほどの最初の問いに結局戻ってくるお問合せだと思っております。委員の御指摘は重々分かっております、重々分かった上で御答弁を申し上げております。
その上で、要すれば、今の捜査の状況ということを踏まえて御答弁を申し上げているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) 恐縮でございます。繰り返しの部分が多いと思いますが、整理してもう一度申し上げさせていただきます。
今朝の朝日新聞の報道につきましては、委員の御指摘も含めて、現在、大阪地検において、背任のほか、証拠隠滅、公用文書毀棄等について告発を受けて、捜査が行われているという状況でございます。財務省としては、この捜査に全面的に協力すると、そういう段階でございまして、お答えすることが捜査にどのような影響を与えるか予見し難いため、答弁は差し控えさせていただきたいというのが基本的な考え方でございます。
今ほどの基本的な考え方を踏まえた上で、捜査に対する影響というのには十分配慮をしつつ調査をしてまいりたいと考えております。その上で、捜査の最終的な影響ということも十分見極めながら、私どもとして、委員を含めた国会からの御指摘でございますので、それを重々踏まえて適切に対応させていただきたいというふうに考えてございます。
○福山哲郎君 それはさっきも答えているから分かっているんです。あなたは事実を知っているか知らないかと聞いているんです。
○政府参考人(太田充君) 私が存じ上げているか存じ上げていないかということは、それはそのままその文書がもう一つあるのかどうかというお尋ねにつながり、それは結局、朝日新聞の報道についてのお尋ねということになると思っております。
そういう意味で、御答弁は、今ほど整理させていただいた御答弁に尽きるというふうに考えてございます。
○福山哲郎君 じゃ、そんなあなたの予想している更問いは僕はしないと約束します。
じゃ、事実を知っているかどうか、お答えください。
○政府参考人(太田充君) 恐縮でございますが、私なりに誠心誠意全てのことをお答え申し上げているつもりでございまして、更問いのあるなしにかかわらず答弁は変わらないというふうに存じております。
○福山哲郎君 太田さん、見極めて、影響を見極めて調査をしたい。いつまでですか。
○政府参考人(太田充君) 捜査の最終的な影響を十分見極めてお答えを申し上げます。
○福山哲郎君 最終的な影響を見極めてって微妙な表現で、終わるまでとも言っていないし、最終的な影響は見極められるのは、別に、ひょっとしたら今でもできるんです。いつまでですか。
○政府参考人(太田充君) 私ども捜査をしている側ではございませんので、そういう意味で受けている側としてということになりますけれども、いずれにせよ、最終的な影響を十分見極めてということでございますので、今の時点で何かの基準をもっていつまでだということを申し上げることは私の能力ではいたしかねます。
○福山哲郎君 私、これ、我々に配られた方を持っています。私の知るところでは、少なくともこの貸付けの決議書の別のものには、調書の部分に契約経緯のところで特例的という文言が入っているそうです。でも、これには入っていないんです。残念ながら、私も今日現物持っていません。
大臣、これ出す前に、向こうが、政府側がはっきりとあるとかないとか言う前に、現物出てきたら大問題になりますよ。大臣、局長が答えない状況で、はっきりさせない状況で、もし現物が国会に出てくる前に出てきたら、大臣、これ責任問題になりますけど、どう思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、太田が答弁をさせていただきましたのが現状でありますので、私どもとしては今置かれている立場を真摯に御説明させていただいたということだと思っております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、仮定、そうしたらとか、もし、ればとかいう、たらればとか、仮定の質問とかいうものに対してお答えするのはいたしかねるということは基本だと思っておりますが、今のようなことがあってはならないことだとは思っております。
○福山哲郎君 あってはならないことですね。これ、出てきたら大問題になります。そのことは申し上げておきたいと思います。
実はこれに近いこともまだあります。今日、理事の皆さんに御理解いただいて、急遽配付をさせていただきました。ペーパー見てください。二枚あります。これ、森友学園問題の経緯書であります。詳しい方が内部文書、財務省間のやり取りです。もう一つは、一年前の、当時の民進党のヒアリング、国会議員に財務省が提出したものです。驚くべき間引き状態です。もうひどい間引き状態です。
お伺いします。なぜ国会に、議員側に出すときにこの経緯の中の平成二十六年度分を全て落としたのか、お答えください。
○政府参考人(太田充君) お答え申し上げます。
まず一点、委員御指摘の民進党のPTにお出しをさせていただいたという資料は、昨年の二月十日に、当時の民進党のPTに、会合にお出しをさせていただいた資料だと思います。昨年の二月九日にこの件について初めて報道がなされ、それを踏まえて翌日に民進党の会合で御要請があって、大変大きいざっくりとした経緯でございますけれども、そのときは私どもも初めてのことでしたし、民進党さんにとっても初めてだったと思いますので、極めて大きな骨格をということでお示しをさせていただいた資料だと思います。この骨格の資料は、それ以降、御案内だと思いますけれども、だんだん詳しくなってきて、今のところはもうちょっと詳しい資料に、このような資料ではないというふうには存じております。
その上で、もう一つ御指摘をいただいた資料は法律相談に付けておる文書ですが、これは現場の国有財産管理官の方が統括法務監査官という法律の専門家のところに相談をしたもので、特にこの相談をしたときには貸付けの段階で、貸付料を設定するという段階でございましたけれども、先方、森友学園の方から、ボーリング調査をやったら地盤の状況が違うと、よってもって貸付料がこれでは違うということがあっての相談でございました。ボーリング調査というのは二十六年の十月に行っているということでしたので、その二十六年のときの経緯を詳しく書いて、それでもって法律部門に相談をしていたということの経緯として、そういう文書の性格の違いということからなっておったと思います。
ただ、委員の御指摘は、要すれば、国会に対して説明の仕方が不十分だと、丁寧さが足りないという御指摘だと思います。最初の段階というか、いろんなところで、最初の、こちらの方も十分準備ができていなくて至らなかった部分があるということは、現時点からすればそれはおわびを申し上げないといけないというふうに思っていますが、このときの文書の違いはそういう経緯でございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
最初の民進党のPTにお出しした資料は、二十六年分がすっぽり抜けておるという御指摘だと思います。
この民進党のPTにお出しさせていただいた資料は、この土地の経緯をすごく長いスパンで記載しております。平成二十四年からのスパンで記載しております。その上で、本件の中心となる部分は、やはり学校法人側から取得要望書が出てきて、学校法人として認可適当が来て、その次には貸付けに至るということですが、貸付けに、認可要望が出てきてから貸付けが至るというのに相当程度時間が掛かる、それがある意味で二十六年が、その間中ずっと、その最終的な貸付けに至らないと、そういう途中経過でございましたので、一番、何というか、骨格の部分だけお示ししてしまうため、結果的に二十六年の部分がすっぽりある意味では委員の御指摘のとおり抜けているということでございます。
○福山哲郎君 骨格で二十六年の分は全部抜かそうと誰が判断したんですか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
当時の理財局の担当でそういう整理をしたということですが、抜かそうということではなくて、一番ポイントの部分を整理をすると、結果的に二十六年の部分が、ずっと貸付けのところがなかなか話が進まないということで、そういう意味での骨格の部分がなかったということだと思っております。
○福山哲郎君 これね、よく見ると二十六年ってほとんど理財局と森友学園とのやり取りなんです。こっち側の何か骨格と言われているような文書は、後半戦のほぼ方向が決まったところからはそのやり取りあるんですけど、前半戦のやり取りは、全部森友学園とのやり取りは削除されているんです。
これ、意図的に森友学園と理財局のやり取りを削除したんじゃないんですか、局長。
○政府参考人(太田充君) 今ほどおっしゃられたのは近畿財務局と森友学園とのやり取りということでございますが、やり取りをある意味でしている間は、ある意味で行ったり来たりしていて物が進んでいないということです。物が進んでいる、一歩一歩進んでいるところをこの骨格と言っているところで示していて、取得要望が出てくる、あるいは適当という答申が得られる、それで貸付契約ができる、それから最終的には売買に至ると、そのところを書いておると。その結果、やり取りをしている部分、要するに進んでいない部分が二十六年度、ある意味での進んでいない部分が二十六年度なので、それが抜けていると言われればそういうことでございます。
○福山哲郎君 別にあなた方が解釈して国会に提出する必要は全くないんです。当時、経緯を知らせろと言っているんだったら出せばいいじゃないですか。それから、その後、さんざん経緯を我々は国会でも出してくれと言ったときに、この文書は一回も出てきていないですよ。これ内部文書じゃないですか。事の経過に至る内部文書を何で出せないんですか、これ。これ一回も出てきていないですよ、今まで。後になってから出してきたんだったら百歩譲ってあり得ますよ。出してこないじゃないですか、それから、去年の、半年間の国会でも。何で出さなかったの、じゃ、これを。
○政府参考人(太田充君) 委員御指摘の資料は法律相談文書の中の一部でございますが、法律相談文書については、基本的に、情報公開請求があって、その情報公開請求の過程において私どもが気付いて、それで最終的に国会にお出しができたというものでございます。それまでの間、我々が気付かなかった、気付けなかったということは誠に申し訳ないと思っています。おわびを申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 国会の何、理事会の請求に対して気付かなかったの。違うでしょう、あなたの今言っているのは、九月以降の情報公開請求について気付かなかったと言っているんでしょう。三月、二月に理事会で請求している経緯について気が付かなかったなんてあり得ないじゃない。何で出さなかったの。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
法律相談文書については、委員おっしゃるとおり情報公開請求によって気付いてということでございます。
今の委員の御指摘は、恐らく昨年二月、三月の理事会の請求に対して出してこなかったという御指摘だと思います。残念ながら、そのとき気付いていなかったというのは、至りませんけれども事実でございます。
その上で、昨年理事会で御請求があり、いろんなことは、その後理事会で協議がなされ、その協議の中で踏まえて、一つ一つそれぞれの委員の方の御要請に応じて提出をさせていただいているというところでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
昨年三月だと思いますが、委員の方からも御指摘があって、森友学園に関する国有地売却に関する決裁文書及び関連文書の資料の提出ということの御要求をいただきました。その中身について理事会で御協議をいただいて、委員の関心の高いものから順次でございましたけれども提出をさせていただいております。
今ほどの法律相談文書の部分は、先ほど来申し上げておりますように情報公開請求の過程において昨年十一月にやっと気が付いているという状況でございましたので、そういう意味で提出が遅れているということでございます。誠に申し訳ございません。
○福山哲郎君 関連文書出ていませんよ。昨年の予算委員会で出たことになっていませんからね。
私は関連文書は要求しましたけど、出てきていないですよ。このクロノロジーだって出てきていないですよ。気付いていなかった、その後は出した。実は当時何て言っていたか分かりますか、理財局長は。廃棄したと言っていたんですよ。全部違うじゃないですか。局長、どうなんですか。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
関連文書と委員が御指摘のところは、委員からすれば関連文書が十分出ていないという御指摘はよく分かります。ただ、関連文書といって何を指すのかというのが大変分からないので、特定をいただいた上でお出しをさせていただいているということを申し上げております。
それから、廃棄した云々というのは前理財局長が答弁をしておったことですが、それは私どもの、特に応接録あるいは面談記録という類いのお話で出ていましたけれども、それは、基本的な今の私どもの文書管理のルールを御説明して、そういうルールですと。ただ、基本は、本当はそれを決裁文書に集約をしないといけなかったのが、それは十分でなかったということを反省をしないといけないということで、今後の見直しも含めて申し上げているということでございます。
○福山哲郎君 まあ全く納得できないんですが、実は二十六年の四月の二十八日からここ出てきているんです、いろんな交渉が。二十八日からこれ動き出しているんですけど、何と四月の二十五日に安倍昭恵総理大臣夫人が、建設予定地を四月の二十五日に視察をしています。だから、隠蔽するために消したのではないかと言われても仕方がないと思いますよ、僕は。
総理、もう一個ここにもあるんですけど、安倍昭恵夫人の講演録が新しいのが出てきました。DVDがここにあります。ここで安倍昭恵総理夫人は、主人に前々から塚本園長からお手紙をいただいたり、実際にもお会いしていただいたりしていましたけどと講演で言われています。
私の記憶では、総理は籠池被告とは会ったことがないと国会で答弁されていたと思いますが、総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは答弁しているとおりであります。
○福山哲郎君 実は、籠池被告も安倍総理に会ったことはないとインタビューで答えています。
安倍総理、安倍昭恵夫人はうそを言っているんでしょうか、子供たちの前で。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は存じ上げませんから、そのテープというのを、答えようがございません。私が言っているのが正しいわけでありますし、また、妻もそれは知っているということであります。
○福山哲郎君 後で御覧いただければと思いますが、明確に、前々から塚本園長からお手紙をいただいたり、実際にもお会いしていただいたりしていましたけどと言われているんですが、じゃ、安倍昭恵夫人は子供たちの前で、まあ若干事実と異なることを言われてしまったということですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにせよ、私も妻も国有地の売買あるいは認可には関わりがないということでございますから、その会った会わないというのは、これは別に、それとは全く関係のないことでございますから、一々答える必要もないだろうと。
そして、そもそも私は会っていないということは……(発言する者あり)済みません、後ろの方、場外から発言するのはやめていただけますか。やめてください。
○委員長(金子原二郎君) 静粛に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それで、それについては、それについてはもう何回も私が答えているとおりでございます。
○福山哲郎君 僕ね、実はもうこういうの嫌なんです、この問題。はっきりしてください。
なぜかというと、安倍昭恵夫人はあれなんです、会ったと言っているんです。籠池さんは証人喚問の席では会っていないとおっしゃっているんです。ずれているんです。百万円の授受も、籠池証人は、籠池被告は証人喚問で、もらったと言われているんですよ。安倍昭恵総理夫人は渡していないと言われているんです。総理と安倍昭恵夫人の見解もこれ違っているんです。いつまでたってもこれ平行線です。
さっき、我々に渡す資料を、経緯を思いっ切り間引いたのも理財局長です、当時の責任者は。だから我々は、佐川理財局長も安倍昭恵総理夫人も証人喚問をしないとこれいつまでたっても決着しなくて、また今日新しいものが出てきました。何でこんなのいつまでやっているんですか。これ、追及している方が悪いんですか。説明し切れない、証拠を出していない方が悪いんですか。今うなずいたでしょう、我々が悪いんですか。答えてください、総理。
○委員長(金子原二郎君) 時間が来ています。答弁だけ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そんな興奮しないでくださいよ。いや、余り興奮されると冷静な議論ができませんから。
言わば、会っていないのはもう会っていないと言っているんですし、籠池さんも会っていないと言っているわけでありまして、妻がそこでどういう答えをしたかというのはそれほど大切なことなんですか。大切な問題じゃないんじゃないですか。それは、そこでどう答えるかというのは本質とは全く関わりがないことであって、どういう意味で私は述べているのかは承知をしておりませんし、ここで答えようがないのでございますが、いずれにせよ、それはほとんど意味のないことだろうと思っております。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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