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2018

第196国会 参議院 外交防衛委員会 2018年4月5日


○福山哲郎君 福山でございます。よろしくお願いいたします。
外務大臣におかれましては、北朝鮮の問題等についてお伺いしたかったんですけど、ちょっと防衛省の日報問題が出てまいりまして、質問をさせていただけるかどうか微妙なので、もし質問させていただかないようなことがあれば、大変な失礼なことですが、お許しをいただければと思います。
小野寺防衛大臣におかれましては、この問題、大変根の深い問題だと私は思っています。一方で、昨年の前大臣の、前防衛大臣の資質に起因をする問題だということも私は理解をしています。しかし一方で、今回の問題は、大臣、政務三役と制服の中でのシビリアンコントロール、どういう関係を保つかということについては、前防衛大臣の資質も問題があったとは思いますが、今の小野寺防衛大臣の状況にまで全部引きずって課題として今回現れたと思っておりまして、内心いろんな思いがあると思いますが、聞きにくいことも含めて聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。防衛省の信頼が失われるというのは日本の安全保障上大変問題だと思っていますので、是非誠意ある答弁を求めたいと思います。
まず一つ、この問題、すごい不可思議なことがいっぱいあるんです。まず、先ほど鈴木さんは、四月の四日の朝、つまり昨日の朝に、大臣に三月の二十七日に実はありましたということを報告したというふうに答弁を前の委員の方のときにされました。しかし、昨日、四月の四日の四時の大臣の会見に、イラクの日報問題、研究本部で発見された日時は新たな事実はありませんでしたかという、夕方四時ですよ、四時の会見で大臣はありませんと答えておられます。
緊急に大臣がぶら下がられたのが七時前と私は承っておりまして、ということは、ほぼ五時前後から七時の間に三月二十七日に実は発見されていましたという報告が上がって緊急に会見をされたとしか判断できないんですが、本当にそんなにばたばたの状況で報告が上がったのか、なぜ緊急に会見をせざるを得なくなったのか、まずそのことについて御答弁願います。
○国務大臣(小野寺五典君) 昨日、私の方にこの報告が来たのは午前中だったと思います。ただ、その内容が、第一報という形で来たものですから、どのような状況でこれが行われていたのか、その全体についてしっかりまとめてくれということ、特に対外的にすぐに公表すべきと私自身は考えましたが、内部でどのような事態が起きたのかということをしっかりまとめる必要があるということで夕方六時過ぎになってしまいました。
四時の時点の会見というのは、実は昨日は陸上自衛隊の総隊司令の開設式が朝霞でありまして、そこに出席した後、その総隊司令の後のぶら下がりということで記者に聞かれました。その時点ではまだ全体の内容がはっきり確定しているところではなかったので、質問に対しては、今様々なことを調査している、そしてそれが明らかになったら速やかに公表させていただきたいという、そのような趣旨で会見をさせていただいたと思っております。その時点では、まだ対外的に公表できるほど内容が全て集まっていたわけではないというふうに私は認識しておりました。
○福山哲郎君 ということは、四時の時点では、午前中報告を受けたけど、このことについてはまだ認識が自身の中で確定していなかったので夕方にもう一度やったということですね。
○国務大臣(小野寺五典君) 午前中にあった内容について細部を含めて確認をする必要があったので、午前中に細部を含めてしっかり確認するようにという指示をして、その後、中央即応集団の開設式がありましたからそちらの方に向かって、その行事を終わらせて戻った後、再度確認をした後、公表させていただいたということであります。
○福山哲郎君 メディアに報じられる可能性があったので、慌てて会見をしたということはございませんか。
○国務大臣(小野寺五典君) これは、三月三十一日に、まず、今回日報の一元化をする中でイラクの日報があったということが分かったと私のところに確認がありました。その時点で、もうこれは早く公開すべきだということで、その日に公表させていただきました。
今回の四月四日の、昨年三月二十七日に実はあったけれどもそれを公表していなかった事案についても、昨日、その内容を私の方に連絡がありましたので、これはできるだけ早く公表し、そして内容について更にしっかり精査する必要があると私は認識をしておりました。
○福山哲郎君 ただ、今調査をされている最中です。ということは、昨日の午前中の大臣に対する事務方の報告は、もっとほかの報告もあったと普通は考えられます。
大臣に昨日報告を、二十七日の午前中にした、三月の二十七日に研究本部が把握をしていたということ以外の報告事項について文書で提出するように理事会で協議をいただけますか。
○委員長(三宅伸吾君) 後刻理事会にて協議いたします。
○福山哲郎君 二点目でございます。少し遡ります。
先ほどの、前の委員の井上先生の話ともダブるんですが、昨年の二月の十七日、我が党の辻元現国対委員長の質問にはちゃんと、国際活動教育隊にはこういう教訓レポート、日報等が提供を受けているはずだという質疑があったと。しかしながら、稲田大臣は明確にこのときに否定をされています。要は、日報は、そのような事象の有無を確認した後は不要となるため、文書としては保管していないところでございますと明確に言われています。
それから、後藤委員の質問に対しても、活動内容を記録した現地部隊の日報については、確認をいたしましたが、見付けることはできませんでしたと、確認をしましたがという話になっています。
なぜだという質問をすると、先ほどの答えのように、部分的にしか探さなかったという、まあ理由にならない理由が返ってくるので、そのことは質問はしません。
しかし、明確にこの時点で、大臣、事実関係とは違うことを前大臣は御答弁されたということはお認めいただけますね。
○国務大臣(小野寺五典君) 同じ認識であります。
○福山哲郎君 事務方、部分的に調べるところが間違ったとしても、当時、大臣に事実とは異なる答弁をさせたという認識は既にありますね。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 当時、先ほど出ましたイラクの日報と同様に、必ずしも、その日報についての前提ですね、事実確認が十分でなかったという中で稲田大臣があのような答弁をされたものだというふうに承知しております。
○福山哲郎君 あのようなとか抽象的なことを言わないでください。事実とは異なる答弁をさせたことは間違いありませんね。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 昨年二月の際の大臣の、稲田大臣の答弁につきましては、国際活動教育隊におきまして日報は存在して、確認できなかったとおっしゃっておりますので、今回それが確認されましたので、その意味においては昨年には確認できなかったものが出てきたということで、昨日併せて公表されました。(発言する者あり)ええ。昨年の二月の答弁とは異なる内容が昨日明らかにさせていただいたというものでございます。
○福山哲郎君 それで、実は、小野寺大臣が四月の二日に記者会見で発表されています。このときも、何で一月なのにここまで報告を受けていないのかという根本的な疑問はあるんですけど、このときに小野寺大臣は会見で、昨年二月から三月にかけて、限られた時間の中で探索が行われましたが、イラクの日報の保有は確認されませんでしたと、四月二日の時点でも昨年の稲田大臣の答弁を踏襲した答弁をされています。
ということは、この四月の二日、つい三日前の時点でも、大臣にとっていえば、何の報告もなく、三月の二十七日という報告もなく、去年の二月、三月については確認をされなかったという報告を事務方から受けていたということですね。
○国務大臣(小野寺五典君) 私のところに事務方から上がってきた想定は、今、福山委員がおっしゃったような想定の答弁の在り方でありました。
ただ、私自身答弁をした中で、本当にそうなのかということ、まあそれを私自身はやはり疑問に思い、改めて昨年の二月、三月何もなかったのかということをしっかり確認をさせた中で、今回、四月四日で、昨日でありますが、昨年の三月二十七日に実は見付かっていたということが分かったと。そして、昨日直ちに公表させていただいたということであります。
○福山哲郎君 事務方にお伺いします。
一月の十二日に把握をしてから、把握をしたとあってから、何でこの三月の二十七日に実際は把握していたよということが認識されていないんですか、三か月もあったのに。
だって、いろいろ事実関係とか確認したんでしょう。確認したから大臣への報告が遅れたんでしょう。じゃ、何で三月二十七日に認識していたということを把握していないのか、お答えください。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 一月十二日につきましては、昨年の夏以来、秋に具体的に全国の部隊を対象にした日報の探索というか、保有状況を確認しました。その結果が研究本部から陸上幕僚監部総務課へその結果報告がなされたということでございます。
この時点、それから一月三十一日に全部をまとめて、二月二十七日にイラク日報が含まれているということが確認されたわけでございますけれども、その中で、先ほど申し上げましたように、そうしたプロセスの中では……
○委員長(三宅伸吾君) 簡潔に答弁願います。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 一切今回のイラクの日報について、昨年の三月二十七日に確認をされたという事象については全く言及はございませんでした。
○福山哲郎君 だって、三か月も掛かっていろいろ調べていたんでしょう。じゃ、何でその三か月の間で、誰かから言及はなかったかどうかは別にして、三月三十一日に大臣に報告が上がって、大臣が記者会見をしたと。そのときも大臣は、さっき三月の二十七日の件は知らないとおっしゃったと。じゃ、何で僅か三日で分かるんですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 私ども事務方といたしましては、昨年の二月の答弁、それから、それの後の二月二十二日に再度、稲田大臣の指示を受けた研究本部での探索結果、これが三月十日でございます。そこでないというものを、それを前提にして考えてございました。
ただ、先ほど来ございましたように、四月の三日の段になりまして研究本部長から陸幕長への本件に関する報告があり、四月の四日に陸幕長から大臣に報告があったと、ここで私どももこの事実を承知したという次第でございます。
○福山哲郎君 よく分からないな。陸幕から報告があったというんだったら、これまで陸幕は把握しているはずじゃないですか、一月の十二日から分かっているんだから。全く説得力がない。
これ、本当に分からないこといっぱいあるんですよ。三月の二十七日に、去年、物が出てきたと、分かっていたと。じゃ、何で物を要求していた辻元清美議員や後藤議員や共産党の議員には速やかに提出しなかったんですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 当時、そうした仕事、業務をしていた者は、私ども統幕参事官付き、また私、総括官でございますけれども、その当時におきましては、先ほど、繰り返しになりますけれども、三月十日に、実際に三月十日をもってしても研究本部におきましてこのイラクの日報は確認されなかったということをもって対応してございましたので、そうしたものを一切報告受けておりません。ですから、昨日も大臣の方から、政務三役、内部部局、統合幕僚監部についてはこの件は一切承知していなかったという前提で対応させていただいたということでございます。
○福山哲郎君 だって、国会で議論があって、ちゃんと予算委員会の理事会で要求があって、議事録を見れば教育本部にあるはずじゃないかという議論がずっとあったわけでしょう。全くそれを国会に提出しなかった、今までほったらかしていたと、このことも実は大問題だと思いますよ、立法府に対して。
これ、お手元の資料、御覧ください。これ、南スーダンの日報について出す出さないの議論を二月にやられた真っ最中に、実はイラクの問題があります。赤字がイラクです。黒字が南スーダンの日報です。南スーダンについて、事務次官が日報の存在は報告必要なしと指示したのが十五日、事務次官が個人データとして日報を対外説明しない方針示したのが二月の十六日。このときに、同じ日にイラク派遣部隊の日報の要求について不存在と回答しています。本当にどれほど探したのかと。
現実には、南スーダンはあることを認識していたにもかかわらず、イラクは不存在と回答しています。そして、二月の二十日、防衛大臣は、イラク日報は残っていないと確認したと答弁をしています。三月の二十七日、まさに防衛大臣に報告をしないまま、国会にも提出をしないまま今日に至っています。
この時期、防衛監察行われていますが、じゃ、聞きます。防衛監察にはイラクの日報の存在については何ら報告がなかったんですか。イエスかノーかでお答えください。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 特別防衛監察につきましては監察本部において行われておりますが、私、承知する限りで申し上げれば、その監察結果等におきましても、当時問題とされましたのは南スーダンのPKOのその日報でございますので、スーダンにつきましてはそもそもその監察の対象になっていないものと承知しております。イラクの日報につきましては対象になっていないと。
○福山哲郎君 いやいや、各種の派遣業務に対しての日報をどうするんだという全体の話も特別監察ではやられているはずですよ。だから一元管理が必要だという小野寺大臣の御答弁に変わるんでしょう。それが必要だという認識になってくるわけでしょう。分からないことだらけですよ、本当に。小野寺大臣、うなずいていただきましたよね、分からないの、理解いただけるでしょう。
で、やっぱりこれ、シビリアンコントロールと一般論で言うから分かりにくいんであって、自衛隊の部隊を派遣するに当たって現地がどういう状況か、何の情報を取らなきゃいけないかというときに、制服が取捨選択して三役とかに上げるのはまずいんですよ。判断が間違うじゃないですか。これ、イラクの日報ってもう十年前に派遣されたものですよ。何でこんなに隠蔽しなきゃいけないんですか。私、これ本当にゆゆしき問題だと思いますよ。
更に申し上げれば、余り一緒にしたくないんだけど、財務省は決裁文書をありませんと国会で答弁して、改ざんまでして、そして何と会計検査院にも改ざん文書を出したんです。答弁も虚偽の答弁を続けたんです。今回、防衛省も、あるものをないと事実と異なる答弁をして、文書を、結局、日報を国会に出さずに、そして防衛監察でもその議論がなかったと言われているんです。
これ、構造的に言うと同じなんですよ。それも同じ二月ぐらい、皮肉なことに。そして、防衛監察の、これは報道ですよ、当時の。稲田氏の責任踏み込まず、遠い真相、実態データ削除、組織的、報告の有無、論点ずらし。財務省も今調査だと言っているけれども、いつ出てくるか分からない、内部調査で何が出てくるか分からない。防衛監察も結局、内部調査で全く去年真相は明らかになっていないんですよ。
これ、大臣、大野政務官でしたっけ、に内部での調査をするなんといったら、今の経過を見たら内部の調査で何が分かるんですか。とにかく集中審議をすることと、大臣の責任として、これ防衛省の信頼関係と自衛隊員の士気に関わりますよ。これ、調査だといって逃げない。もう徹底的に国会でこの問題について明るみにするように、大臣は国会のお決めになることだと言われると思いますが、ちょっと決意をまず述べてもらえますか。
○国務大臣(小野寺五典君) 私も今回のこのイラクの日報の一連の経緯を見て、ずっと、ない、出てこないということが続いた中で、四月の二日にこれおかしいんじゃないかと思って探すように指示を出したら、四月四日に、二日間で出てきたわけですよ、三月二十七日、昨年こういうのがありましたと。
やはり、しっかり政治がリーダーシップを取って調べていくことが大切ですし、今、大野政務官は政治の立場でこの問題をしっかり調べる、その役割を果たしてくれるものと思っております。
○福山哲郎君 本当に非常に残念に思います。
国会もいろんな批判もするかもしれないけど、国会の関与というのは行政と立法の間では本当に必要な三権分立の在り方の問題なんです。今本当に行政と政治がぐちゃぐちゃになっています。私は非常に危機感を持っているし、防衛省の内部の皆さん、事務方も別に悪気があってやったとは思いたくないけれども、結果としてこういうことが続いていることについては本当に猛省を促さなければいけないと思いますし、稲田前防衛大臣の参考人も必要だと私は考えますし、当時の官房長を始めこの南スーダンの日報を隠そうとしたこと、そして、重ねて、イラクの日報を隠そうとした事務方の参考人も恐縮ですけど呼んで、事実、真相を明らかにしないといけないというふうに考えます。
まだまだこの状況で疑問は尽きませんが、時間になりましたので終わらせていただきます。

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