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2020

第201国会 参議院 予算委員会 2020年3月23日


○委員長(金子原二郎君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。立憲民主党の福山でございます。
安倍総理が、朝の予算委員会の自民党さんとの質疑で、オリンピックについて延期の判断も行わざるを得ないと、大変重たい発言をされました。総理も、準備に当たられた方も含めて、大変苦渋の中で今いらっしゃると思います。昨日も、仙台では、聖火を見に五万人の方が集まられたということを聞いております。やはり特に震災の場所は期待も高いということです。
その中で、こういう発言と昨日のIOCの緊急の理事会ということで、総理の発言がありましたので、一気に、まあ残念ですが、流れはできると思っています。私は責めているのではありません、この世界状況ですから、ある意味仕方ないと思います。恐らく各国との調整、各国の競技と、競技会との調整、それから放映権の問題、時期の問題、会場の確保、恐らくそういう調整を今懸命にやられているというふうに思いますが、さはさりながら、四週間というよりかは、もし延期の判断をされるならば、なるべく早い方がいい。アスリートの皆さんも気が気でないし、次の延期の準備に当たられる皆さんの準備もある。
そういったことも含めて、総理の先ほどの発言を重く受け止めますが、延期という場合にとにかく早く結論を出していただくように、これは最終決定はIOCにあることは存じ上げていますが、総理として御努力いただきたいと、まずお願いをしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) アスリートの皆さんも、この二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてトレーニングを積み、調整をしてこられたんだろうと思います。その中で、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大をする中で練習がままならない地域の方々もたくさんおられる中において、様々な方が今発言をしておられます。そこで、完全な形での実施という方針において、それが困難な場合には、アスリートの皆さんのことを第一に考え、延期の判断を行わざるを得ないと考えております。
今委員が御指摘になったように、IOCが判断をされるわけでございまして、その中でこの四週間検討してその中で判断をされるんだろうと、こう思います。その中で、今、福山委員が言われたようにいろんな準備もあるわけでございますので、そういうことも勘案しながら、我々もIOCとの対話も行っていきたいと思いますし、各国との対話も行いながら、今、様々言われたような複雑なこの条件等々もございますので、しっかりと検討をしていきたいと、こう思って……(発言する者あり)そうですね、ただ、私もなるべく早く判断をした方がいいと私自身は思っておりますが、ただ、これはIOCが判断することでもあり、また東京都のお考えもあるんだろうと、このように思いますが、よく連携をしていきたいと思います。
○福山哲郎君 厳しい状況の中で、今のような御答弁をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。本当に厳しい決断が迫られると思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
オリンピックも本当に今大変な状況ですが、実は新型コロナ対策についても、今現状について確認をさせていただきたいと思います。(資料提示)
先月の二月の二十九日の総理会見では、ここ一、二週間が急速な拡大に進むか終息できるかの瀬戸際との表現を総理は何度も強調されていました。先週の十九日の専門家会議、二十日の政府対策本部を経て、総理、会見をされませんでしたので、あえてここでお伺いするんですが、現状の日本は、その一、二週間瀬戸際だと言われた時点に比べて今どういう状況なのか、総理から御説明をいただけますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 十九日の専門家会議では、国内の感染状況については、爆発的な感染拡大には進んでおらず、引き続き持ちこたえているものの、都市部を中心に感染者が少しずつ増えているなど、一部の地域で感染拡大が見られるとの分析が示されました。また、今後の見通しとして、これまでの努力を続けなければ、クラスターの大規模化や感染の連鎖、さらには全国のどこかの地域で感染の急激な増加、いわゆるオーバーシュートが生じる可能性が指摘をされています。
こうした専門家の見解を踏まえまして、政府としては、感染の連鎖を断ち切るためのクラスター対策の抜本的な強化、そして、感染者の急増に備え、重症者への医療に重点を置く医療提供体制の整備に全力を挙げていく考えでございますが、前回記者会見をしたときにおいては、まだ分からない、未知の部分の多いこのウイルスの対策において大きな判断をさせていただきましたが、そして二週間以上がたった中において分かったこともあるわけでございます。
そういう中において、言わば全国的な大人数の集まるイベント等に対する姿勢は同じでございますが、ただ、例えば三つの要件が重なるということ等に気を付けていただいて判断をしていただきたいということは申し上げ、また、学校については、文科省に対して、文科大臣に対して、言わば四月からの開校ということについて準備を進めてもらいたいということを申し上げたところでございます。
○福山哲郎君 そこに実は最近のずっと専門家会議と総理の会見のコメントがあるんですけど、三月十四日の総理の会見でも、爆発的な感染拡大に進んでおらず、一定程度持ちこたえているという、これが三月十四日でした。三月十九日も、持ちこたえているけれど一部の地域で感染拡大が見られると、一つ間違えばオーバーシュートという新しい言葉が出てまいりました。
総理、結局、感染が広がるか終息するかの瀬戸際は今も続いているということでいいんですね。済みません、言葉を引っかけたり今日はしないので安心してください、大丈夫ですから。つまり、前は、拡大をするか終息するかの瀬戸際だと、そこを持ちこたえているということは、瀬戸際は続いているという認識でいいんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 瀬戸際は続いているというふうに認識をしております。
○福山哲郎君 グラフ見ていただけますか。私、日本の政策についてはある意味選択をしたんだと思っております。実は青い線が日本です。ほかが、各国がまさにオーバーシュートしています。でも、日本は減っていません。
つまり、先ほど、総理が常に言われていた瀬戸際は、終息するか拡大するかの瀬戸際なんですが、今、減っていなくて徐々に拡大をしていて、実はこの青い線が急激に上がるかどうかについて、まだ正直言って持ちこたえてにらみ合っている状況だという認識なので、私は、実は余り、総理が二月の二十九に会見をしたときよりも良くなっているとは思えないし、若干リスクは増えながら、しかし持ちこたえているという認識しているんですが、私の認識は間違っておりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細については厚労大臣から答弁させたいと思いますが、言わば感染のルートが掌握できない方もおられるわけでございまして、そういう意味で、専門家の方々がおっしゃるように、このオーバーシュートについて、こういう心配がないということではなくて、むしろこのオーバーシュートとなるという危機感を持たなければならないということでございますので、その前回のときより改善をしているということではないと。ただ、変化は、分かったことがあるということでございます。
○福山哲郎君 総理のおっしゃるとおり、改善をしていなくて、分かったことはある。例えば、北海道の一斉休業とかは一定の効果はあったということを専門家は言われている。まさに総理のおっしゃるとおりだと思います。
今回、先ほど言われましたが、学校の一斉休業について、瀬戸際のときには休業を要請しました。今回、文科大臣にいろんなガイドラインを作ってくれというふうに指示が出たということなんですけど、これは学校の一斉休業は解除したという認識なのか、解除はしていないけれども地域の判断に任せるということなのか。二月の二十九日は総理は明確に休業を要請した。そこの位置付けが少し今曖昧なんですね。そこについて、総理、お答えいただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 危機管理に当たっては、仮に状況が不透明な中にあっても、必要とあらば機を逸することなく最初に十分な、十分に大きな構えの判断を示し、事態の進展に応じてよりきめ細やかな、きめ細かい対応に移行していくことが肝要というふうに考えておりまして、今回、先ほど申し上げましたように、ここ一、二週間が瀬戸際という中において大きな判断をさせていただいたところでございますが……(発言する者あり)それは二十九日。
で、その後の感染の状況や感染が発生した事例、国内での対策の効果などについて、専門家の分析によって先ほど申し上げましたように分かってきたこともあり、そして、十九日に示された専門家会議からの分析、提言を踏まえて、新学期を迎える学校の再開に向けて具体的な対策を取りまとめるように、二十日の対策本部で私から文部科学大臣に指示を行ったところでございます。
言わば、分かってきたことのある中において、集団感染が発生するようなこの要件を避ける対策も含めて、そういう指示をしたところでございます。
○福山哲郎君 お答えいただいていないんですが、私、専門家会議の、何回も読みました。学校の一斉休業解除について、決して積極的な感じではありません。先ほど総理が言われたような三つの条件を避けてくれと。しかし、学校というのはまさに三つの条件の場所なんですね。専門家会議も積極的にその一斉休業を解除してくれと言っているわけではないというふうに、私はこれを読んでそう判断しました。
一方で、総理は、文科大臣にガイドラインを作れと言われていると。二十九日は大きな判断をした。今回、状況変わっていないけれども、大きな判断ではなくてガイドラインを作れと言った。これは、学校の一斉休業を地域で、多分、学校関係者、すごい不安だと思います。本当に開業していいのか、このままにしておかなければいけないのか。
それから、専門家会議は、大都市圏はそれだけオーバーシュートのリスクが高いと言われています。じゃ、大都市圏の学校どうなるか。前回は一人も感染者が出ていないところまで一斉に休業されました。今回は圧倒的に都道府県で、多くの都道府県でもう感染者が出ています。
この状況で、もう一回聞きます。これは、学校の一斉休業は解除する前提で文科大臣に指示をされたのか、解除ではないという位置付けなのか、そこのステータスを総理、お聞かせください。
○国務大臣(萩生田光一君) 同じ思いなので私からお伝えしたいと思うんですけど、全国一斉の一律の休業については延長しないということを決めましたけれども、問題意識は福山先生がおっしゃっているとおりで、峠を越えたわけでもトンネルを抜けたわけでもありません。したがって、この緊張感は維持しながら開校の準備をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 専門家の皆さんは、もう既に読まれておられると思いますが、新規感染者の若干の減少が見られ、効果があったと、まあ国内の対策についてですね、と分析した上で、日々の学校現場における留意事項や大規模イベント等の取扱いについても考え方が示されたところでございまして、政府としては、こうした見解を受けまして、新学期を迎える学校の再開に向けて、専門家会議の分析、提言を踏まえた具体的な方針を文部科学省において早急にお示しすることとしたところでございます。
○福山哲郎君 総理、こういう場面ですから、大事なのは分かるんですけど、余り読むだけにしないでください。それは専門家会議の文書を読めば全部分かるんですから。
総理、今の話は、二月二十五日の、総理が御自身の御判断で学校休業を決めたときの前の基本方針に書いてあることと変わらないんです。学校における感染対策の方針の提示及び学校等の臨時休業等の適切な実施に関して都道府県等から設置者等に要請すると。実は、言っていること、実は二十九日と変わらないんですね。つまり、元へ戻ってきたんです。元へ戻ってきて、全体の流れとしては実は終息していないんです。さっきのとおり、瀬戸際が続いているんです。それだから、解除なのかどうなのか。文科大臣は言われました、一旦は全国一斉はやめると。じゃ、その後、どういう条件が解除条件になるのか、どういう条件で学校は一斉休業をやめて開校できるのか。
大臣、どういうことがあるんですか。具体的にお答えください。
○国務大臣(萩生田光一君) 三月十九日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議では、今後、日本のどこかで爆発的に患者が急増する状況であるオーバーシュートが発生した場合には、感染状況が拡大傾向にある地域において、一定期間、学校を休校にすることも一つの選択肢と考えられることが示されました。
国内の感染状況については爆発的な感染拡大には進んでいないため、原則として全ての学校が再開されることとなります。ただし、今後も学校において感染者が判明した場合には、学校の設置者において、臨時休業の必要性について、感染者の症状の有無、学校内における活動の態様、接触者の多寡、地域における感染拡大の状況、感染経路の明否等について総合的に考慮し、都道府県等の衛生部局と十分に相談の上、検討していただくことが必要だと思っています。
したがって、今までの緊張感は維持をしながら、先生からも御指摘がありましたように、都市部などでは感染が拡大をしております。我々としては、都道府県、市町村等、きめ細かい対応をしながら、若干全国での対応は変わってくる可能性は否定しません。そういったことを配慮しながら、あした、様々なチェックポイントも含めて全国に発信をしたいと思っています。
○福山哲郎君 今、大臣、すごく重要なこと言われました。原則として全ての学校がスタートする。つまり、条件解除した、学校再開は決めたということだと思いますので、一斉休業は解除したという判断です。
これで、総理、よろしいんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府として判断、言わば決めることはできないのでございますが、要請をしていたものについて、この要請に対して今文部科学大臣からお話をしたような我々姿勢で臨んでいくということをお示しをしているところでございます。
ただ、これ日々変化をしておりますので、先般、専門家会議をやった後、おおむね二週間たったぐらいで、もう一度専門家会議の皆さんにそのときの状況も分析をしていただきながら最終的な判断ということをしていただきたい。我々もしていきたいと思いますし、各都道府県においてもそういう判断をしていただきたいと、こう思っているところでございます。
○福山哲郎君 実は、日々変化しているんですが、冒頭やり取りやったように変化していないんですよ、感染の状況は。逆に言うと、拡大を徐々にしていてオーバーシュートのリスクが高まっているというのが専門家会議なんですよ。
もちろん、総理が二月二十九日に学校一斉休業言われたことは政治判断です。もうやられてしまって、実際に休業になっている。しかし、その間に、卒業式、三学期、それからそれに関わる業者の皆さん、どんな思いをしたのか。そして、今回は状況変わっていないのに学校は再開していいですよと。それで、そこに何かが出てきたら、もちろんクラスターが出てきたらたたく。
それは、原則論はそのとおりですよ。だけど、それは当時だってみんなそう言ってたんじゃないんですか。私は、こういう事態だから、それがおかしいとか責任あるじゃないかとは言えないけど、そうやってころころころころ状況に応じて方向が変わるから不信感が募るんじゃないですか。
じゃ、スポーツ、文化イベントも総理が中止要請をしました。これは解除ですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このスポーツ、文化イベントについては、多数の方が集まるような全国的なスポーツ、文化イベント等については、大規模な感染リスクがあることを勘案し、中止、延期又は大規模縮小等の選択肢を示し、主催者に対応を要請してきたところであります。
先日、三月十九日に示された専門家会議の分析、提言では、引き続き、全国的なイベント、大規模イベント等については、主催者リスクを判断して慎重な対応が求められるというものでありました。これを踏まえて、政府としては、引き続き、中止、延期、規模縮小等の慎重な対応をお願いするとともに、開催する場合の具体的な対応例として、専門家会議の参考例も活用いただくこととしたところであります。
先ほど申し上げましたように、まずは大きな判断をしました。そして、その後二週間経過をし、その中において分かってきたことがあるわけでございまして、それはいわゆる三要件が重なるというところでございます。そういうものを避けながら行うことができるかということの判断をそれぞれしていただきたいということでございますが、このイベントについては基本的に姿勢は変わっていないということでございますが、その際にもこの三要件について重ならないような工夫が必要だということでございます。
○福山哲郎君 それも、僕、大体そんな答えだろうと思いましたが、二月の二十五日の基本方針のイベントに対する考え方ですね、全国一律の自粛要請を行うものではなく、会場の状況、感染の広がりを見て主催者が判断しなさいと要請しています。今回も、実は二十日の一番下ですが、同じなんですね。
これも変化しているの分かります。三要件、実は学校もイベントも両方あります。だから、逆に言うと、総理の大きな判断は一定世論の評価が高まっていたんじゃないですか。もっと言えば、先ほどのグラフ見たような状況は、やり方が違うから、これから日本もオーバーシュートするかもしれないですけど、現状については日本のやり方についても一定の持ちこたえるということができてきた。しかし、ここでもう一回解除しちゃうことによって、本当にこのリスクが回避できるのかどうかについてはいささか今心配しています。ましてや、それを主催者のある種の判断に委ねるということについても心配しています。
総理、もし大きな判断が二月の二十九からここまでだということならば、この間にあった損失については、まさに政府の責任だから政府が責任を持って、まあ全額とかは言いませんが、いろんな場面、いろんな業種、業態について、一定のスキーム、ルールを作って、政府の大きな判断でやった部分について言えば、ある程度面倒を見、対応する必要があると考えますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) イベントに対する姿勢は、これは変わっていない、別にその要請を、これを変化させたわけではないということは念のために申し上げておきたいと、こう思います。
学校につきましては、この三要件の中において、文科省においてこのガイドライン等をお示しをした上で判断をしていただきたいと、こういうことでございます。
さらに、この二週間後にもう一度見るというのは、これは悪化している場合も当然あるわけでございますから、そうした判断も含めてということでございますが、それと同時に、このイベント等について、我々要請した結果、イベント等において様々なこれは経済的なダメージが発生していることはよくこれは我々もよく知っているところでございますが、そうしたこの損失を被ったものにつきましては、その損害額を政府が補償するということはできないのでございますが、しかし、その中でやはり雇用を守るための対策としては、第一弾、第二弾の対策として既にお示しをさせていただいているところでございます。
○福山哲郎君 これ、記者会見です。二月二十九日、全国的なスポーツ、文化イベントについては、中止、延期又は規模縮小などの対応を要請します、明確に言っています。今もこれについての損失額についてはできないというようなお話がありましたが、実はイベントの売上げを補填するだけが問題じゃないんです。イベントにしたって何にしたって、そこに対しては機材を提供する方々、舞台を設置する方々、そこにはアルバイトの方、関連の飲食、そういう方々が状況によっては本当にそのイベントごとに収入を得てやっている。それが全部総体として売上げにあって、そして、イベントがこの総理の要請によってなくなった。
実は、学校の問題も、給食で、給食センターを救っていただくことは重要です。しかし、学校が休業になって、スクールバスを運行しているバス会社、例えば卒業式のときに子供たちに貸衣装を提供しているところ、私の知り合いのところは、実は三月だけでそのキャンセルの返金だけで十億円ですよ。もう会社が続かないと言っている。こういった方々がいっぱいいる。
こういう現実を、総理は大きい判断だと言われたけれども、しっかり見ていただいた上で、私は全額とかは言わないとさっきから言っているじゃないですか。我々、東日本大震災のときに損失補償のスキームつくりましたよ。やっぱり一定のルールを作ってやる、そこについては配慮する、総理、それこそ大きい政治決断ですよ。経済ぼろぼろですよ、今。
さっき自民党の方が言われていましたけど、地方行ったら、ホテル、旅館九割減ですよ、キャンセル。宴会八割、九割減ですよ。タクシーも半分、東京でも八割減、これ売上げがないんですよ。借金しろって総理は言うんだけど、売上げがゼロになって、八割減って、その分借金で回せ、こんな厳しいことないですよ、総理。もう少し現実の経済の状況を見て、まあヒアリングされているようですが、御勇断いただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に、この年度末を控える中において、我々四千三百億円の財政措置と一・六兆円の金融措置を行っておりますが、確かにこの今回の措置の、措置によって、これ経済の動きを止める方向の要請をしているわけでございますから、これ大変なダメージが出ているということは我々もよく承知をしております。
そこで、この中小企業あるいは小規模事業者の皆様の経営を何とか維持をしていく、いただくためにおいても、これ、無利子無担保、そして元本の返済が五年間猶予いたしますから、当面はこうしたものでしっかりと経営を維持していただきたいと、こう思っておりますし、税においても公共料金においても様々な対応していくことを既に決めているところでございます。
また、正規、非正規、これは問わず、しっかりと雇用調整助成金によって支援をしていくということと同時に、まさに今おっしゃったようにですね、今おっしゃったように、これ、当面の生活自体が成り立たないではないかという方々もおられるのはよく承知をしております、このフリーランスの方々も含めてですね。そういう方々については、最大八十万円までの小口融資、これは……(発言する者あり)いや、小口の資金ですね、小口の資金、で、これについては、厳しい状況が続いていけば返済、償還が免除されるわけでございます。(発言する者あり)
そういうものを使いながら、今、そんなものを聞いていないというやじがございましたが、まさにそういうところが大切なのではないかと私は思うわけでございまして、そういうところもしっかりと対応していきたい。その上において、こういう今大変厳しい状況にある皆さんがしっかりとまた再び立ち上がれるような、V字回復が可能な思い切った経済財政政策を講じていきたいと、このように考えております。
○福山哲郎君 私は、融資はきついと申し上げたのに、融資のメニューばっかり言われてもしようがないんですよ。それも、融資の窓口もよく分からないし、もう本当に書類も含めて難しいんです。現場の話、分からな過ぎ。困ったものですね。
じゃ、何で、総理、給食センターは何で救うんですか。何で学校休業で例えば休みを取ったお母様の日当は面倒見るんですか。これ総理、駄目だと言っているんじゃないです、やってください。だけど、ほかは何で駄目なんですか。その違いは何ですか。お答えください。
○国務大臣(西村康稔君) 給食事業に関しては、保護者の皆さんに返さなきゃいけないという、お金を返さなきゃいけないという部分がありますので、ここについては配慮をしたということであります。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、我々そうした様々な状況を今伺っております。そして、全国の中小企業・小規模事業者の皆さんからの声、これも随分届いております。千の相談センターをつくって、そういう様々な声が殺到しておりますので、しっかりと我々も対応していきたいと、こういう声を踏まえて地に足の付いた対策をしていきたい。
実際、今申し上げた無利子無担保の融資というのも、これ相当、これちゃんと相談が、その上で相談が来ているわけでございまして、全くこれ使えないというわけではこれ全然ないわけでございまして、是非これは使っていただきたいと、こう考えているところでございますし、先ほど申し上げました最大八十万円というのは、これは厳しい状況が付けば、続けば、これは償還が免除されるわけでございまして、そういうことについてももっと広報していきたいと、こう考えているところでございます。
○福山哲郎君 例えば、母親は、逆に言うと、休むというよりかは、もう仕事来なくていいと言われている場合が多いです。だって商売成り立っていないんだから。雇い止めも多い。飲食なんかは本当に雇用切られています。新卒の実は採用がなくなっている状況もあちこち出てきています。経営者側の立場でいえば、売上げがないのに今人を抱えられないからです。
その状況だからこそ、ちゃんと一定の補填をするよというメッセージがあれば、雇用も維持できるし安心感も与えられる。そういう状況の中で、総理が言われた学校一斉休業で、例えば小中学校、児童手当のスキームを使えば六月にはキャッシュが入ります。一人二万円とか三万円入れるだけで子育て家庭については一定のフォローができる。こういったようなことを具体的に早く言っていただきたい。予備費とかなんとかいったって、数千、四千九百億か何かでしょう。(発言する者あり)二千四百。
総理、本当に現実の国民の生活を見て、早く意思決定をしていただきたい。実は先週、蓮舫議員の質問に、先週中に決定を出すと言われていたんですが、それで言わない。まあいいんですよ、ヒアリングをされているから、現場の声聞かれていることは私はいいと思う。でも、なるべく早く決めていただきたいですけど。
総理、経済規模どのぐらいのおつもりですか。アメリカはGDPの一〇%、二百兆ですよ。ドイツも十六兆ですよ。日本はどのぐらいの規模で今考えられているんですか、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) どれぐらいの規模かということでございますが、まさに今相当の非常に大きなマグニチュードで経済に悪影響が出てくるということが懸念されておりますので、それに見合う必要かつ十分な経済財政政策を行っていきたいと、こう思います。
今、福山委員からどれぐらいかと、こう言われました。今、私がどれぐらいであるということをお答えする、まだ、額についてですね、この具体的な額が積み上がっているわけではございません。まさに、それに向けて、今与党において、与党においてですね、強大な経済財政政策を練り上げていきたい、その上において国民の皆様が安心していただける額を明示させていただきたいと、こう思っているところでございます。
○福山哲郎君 なぜドイツの首相は額が言えて、トランプ大統領は額が言えて、オーストラリアの首相は額が言えて、日本の首相は積み上げているとか、誰が積み上げているんですか、役人でしょう。方向性を出してください、現場を見て。もう非常に残念です。
ちょっと時間がないので、もう一個だけコロナで聞きます。
残念ながら、総理、検査は増えていません。せいぜい一日一千五百。ドイツは一日三万、韓国一万二千。アプローチが違うので、私は希望者全員に検査しろとは言いません。しかしながら、少しグラフを見てもらえますか。
これ見て、厚労大臣、これ京都府の医師会が作っているグラフ、表で、よく分かるんですね。患者が医療機関や相談センターに質問に行って、帰国者外来に行って試験を受ける。相談件数が二十二万七千七百四十二件、帰国者・接触者センターに行った、帰国者・接触者相談センターから外来に行った数が一万件、これで約二十人に一人。で、一万件帰国者相談センターから外来に行ったうちの七千件、ここでも三千人はじかれて、検査が行われています。
残念ながら、厚労大臣、民間の医療機関は保険適用になるから、民間の医療機関から直接検査機関に行くという話がありましたが、これ、まだ実際行っていませんよね。このことがいつまでたっても変わらない。この状況が変わらないから検査が増えない。
次のグラフ見てください。ちょっと時間がないので連続で言います。
これ、国内の発生、感染者の状況なんですけど、これ見ると、日本は毎日毎日まちまちだと、一足飛びに上がっているようには見えないんですね、一見すると。しかしながら、残念ながら、これ一日一日の検査の数を確認すると、実は検査の数が少ないところはやっぱり感染者の数少ないんです。だから、千件以下の検査だと、実はあの棒グラフでいうと低いところなんです。千五百件とか二千件、二千件はほとんどないな、千六百件とかの検査になると、実は六十件とか五十件に増えるんです。つまり、検査の数が増えると感染者は増えるんですね、構造的に。
それは当たり前なんですけど、今一番怖いのは、実は自分が感染しているのに、軽症で検査も受けられずに町じゅうを歩き回って、実は未検出例、いわゆる発生しない人たちです。感染に気付いていない軽症例によってオーバーシュートの可能性があるんじゃないかということを世界中で今議論されています。でも、検査の状況、こういう状況です。実態を見なきゃいけない。
厚労大臣、御苦労されていると思いますけれども、これ、一体いつになったら改善するんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先般、民間、今保険適用も、手元の資料では六百件ぐらい、まだまだこれからなんですけれども、出てきているということは事実であります。ただ、保険適用するためには、医療機関が行政といろんな手続があります。これは、事後でいいとか今いろんなことをさせていただいておりますので、これから更に増えていけるように努力をしていきたいと思います。
それから、今お示しいただいた帰国者・接触者相談支援センター、それから外来におけるPCR検査の率、これ各都道府県ごとに見るとかなりばらつきがあるということも見て取れるわけであります。中には、数%、一%程度のところから、例えば支援センターから外来のところですね、それから他方で二〇%を超える、中には、これちょっと数字の問題かもしれませんが、一〇〇%を超えると、それぞれまちまちであります。
それから、PCR検査についても、例えば和歌山はかなり件数していますけれども、陽性率は一・五%、他方で北海道は九・八%と、それぞれ地域地域ありますので一概には言えないんだろうと思いますが、ただ、大事なことは、きちんと相談された方がしっかりと外来につながり、そして、外来において外来の医師がPCR検査が必要だと判断したものが行われていく、こういう流れをしっかりつくっていくということは大事だと思っておりますので、引き続き、ここにボトルネックがあるという指摘をいただいておりますので、一つ一つその解消に努めさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 一月たっても解消していないということは何なのか、根本的に考えていただかなければいけない。
医師会が発表したところによると、お医者さんが実は帰国者・接触者外来に何とか検査してくれと言っても、二百九十件はねられているんですよ。二百九十件ということは、今の日本の感染者は千人ちょっと、三割の人がはねられている。これ実態本当に見ているのかという議論になりますよ、これ。それもお医者さんが照会しているんだから。
現実問題として、医療機関がこれまずいと思っても、実は検査に直接今行けていないんです。総理が言った、検査断られることがないようにという話は、まだ全然一月前から変わっていないんです。総理、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 医師会に関しては、国会でもいろんな御指摘をいただいておりますので、我々がお願いして、今二百幾つという例をいただいておりますので、それは一つ一つ、こういった事例があるということをそれぞれの地域の方に申し上げて、その解消に努めさせていただいているところであります。
それから、さっき無症状のお話がありました。ただ、これは、WHOも、症状のある人にきちんとPCR検査をしろというのがWHOから言われているので、無症状の人を検査するって、これはなかなか正直言ってできないということは是非御理解いただきたいと思います。
○福山哲郎君 いや、だから、私は全員とは言っていません。無症状というか、症状出ていないけど、何らかの形で相談来て医師が確実に必要だと思った方々とか、今までのように、四日連続三十七・五みたいなものではない形でやっていただきたいと申し上げているんです。
実は、この問題、もっとあります。今、海外からの入国者について制限をしていますが、この二週間の制限が非常に甘い。宿舎、寄宿舎とかにいてくださいといってホテルに滞在していても、外出回っているような方がたくさんいる。公共交通機関使っている人たちもいる。これ、本当にこの二週間の経過観察の期間が甘い。それが、逆に言うと、感染も、医療機関の感染も広がっている。
私は非常に今まだリスクを感じていますが、今日はほかのこともやらなければいけないので、とにかく、コロナ対策は、油断をすることなく、そしてしっかりと経済に対して対応いただくようにお願いをして、また、野党からも要請を申し入れていますので、しっかり受け止めていただくことをお願いして、次に行きたいと思います。
続いて、森友学園問題で、財務省理財局から改ざんの指示を受け、自死をされた赤木俊夫氏の手記と、御夫人が提訴された事件についてお伺いをしたいと思います。
お手元にある紙を御覧ください。これ、手記です。読みます。
森友問題、佐川理財局長、パワハラ官僚の強硬な国会対応がこれほど社会問題を招き、それに指示ノーを誰もが言わない理財局の体質はコンプライアンスなど全くない、これが財務官僚王国、最後は下部、下ですね、尻尾を切られる、何て世の中だ、手が震える、怖い、命、大切な命、終止符。家族に対して、本当にありがとう、ごめんなさい、怖いよ、心身ともめいりました、お義母さん、ごめんなさい、大好きなお母さんへ。大好きな何々君へ、ありがとう、苦労ばかり掛けてごめんね。亡くなられた日の手記です。
私も、森友、加計問題、両方関わりましたが、この森友問題は、佐川理財局長の証人喚問もやりました。現場にも行きました。改ざんの状況で、この予算委員会で何度も驚くような場面がありました。
私は、この三連休の間に、原告の赤木夫人の弁護士、代理人とお目にかかりました。どうしても国会の場で伝えてほしいことがあると言われました。
赤木夫人は、訴訟は真相究明のためだということです。夫はなぜ改ざんさせられたのか。訴訟目的にも、第一に、なぜ亡き俊夫が本件自殺に追い込まれなければならなかったのか、その原因と経過を明らかにする点であると明記されています。
自殺をされて今年が三回忌に当たります。総理はこの手記を読まれたということです。この真相究明をする点が夫人の目的だということも聞いていただいた上で、そして手記を今聞いていただき、総理のまず御感想をお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 真面目に職務に精励した、精励していた方が自らの命を絶たれるという大変痛ましい出来事であり、本当にこれ、胸が痛む思いでありまして、改めて御冥福をお祈りしたいと思います。
財務省においては、麻生大臣の下で事実を徹底的に調査をし、明らかにしたところであり、また、捜査当局による捜査も行われたものと承知をしております。もとより改ざんはあってはならず、今後二度とこうしたことのないよう、再発防止を徹底していくものと考えております。
また、国民の皆様の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対し、行政府の長として大きな責任を痛感をしております。改めて、国民の皆様におわびを申し上げたいと思います。
○福山哲郎君 何でこんな場面で官僚が書いた紙を読むんですか、総理。自分が自死をする直前に書かれた手記ですよ。
麻生大臣、麻生大臣は、手記及び週刊文春の記事を読まれましたか。先週は読んでいないとおっしゃっておられましたが。
○国務大臣(麻生太郎君) この手記の手で書かれた部分と文春の部分と二つあると思いますが、先週のお話は文春の話でしたんで、私ども、ゲラみたいなものしか読んでおりませんので、全体読んで申し上げ、読んではないと申し上げたと記憶しています。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 感想をと。
○国務大臣(麻生太郎君) 失礼しました。
はい、読んだ、読んだ上での、読んだ上の、これは御存じのように、この亡くなられてかれこれ三年、三年で、丸三回忌というか丸二年たったことになるんですけれども、これは間違いなく文書を、公文書というものを偽造というような形に、改ざんというような形になっているということは、これはゆゆしきことなんであって、しかもこれは本省からの話が下りてきて、現場ではかなりの職員が抵抗していたにもかかわらずこれが形としては押し切られるというような事態というのは、これはそういう風土があるというのがよろしくないというようなことから、いろんなことで、私どもとしてはこの対応をきちんとせにゃいかぬということで、我々としては、それ以後、処分、関係者の処分プラスいろいろな風土の改善をやらにゃいかぬと、外部の人、外部の方にも入っていただいていろいろやらせていただいておるということで、二度とこのようなことはならぬという対応でやらせていただいております。
○福山哲郎君 風土が悪いんですか。風土に指示を命じられ、赤木さんは自殺をするところまで追い込まれたと大臣はおっしゃるんですか。
もう一度確認します。大臣は、赤木さんのこの手記並びに文春の記事を読まれたか読まれないか、明確にお答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) 私の持っておりますのは、この手書きの文書と、財務省、ああ、財務省じゃない、文春の記事の話、読ませていただきました。読ませていただきました。
○福山哲郎君 先週、読まずに、新たな事実が判明したことはない、再調査を行うことはないというふうに麻生大臣言われました。読まずに言われたんです。
今、読まれました。読まれた上で、新たな事実が判明したことはない、再調査を行うという考えはないというお考えに変わりはありませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) この文書を改めて読まさせていただきました。
前回読んでいないということを申し上げましたのは、私どもとしては、訴状をまだ受け取っておりませんでしたので、私どもとして、この文春の記事だけで判断するのはいかがなものかということを申し上げた、それが趣旨です。本省もまだ、まだ受け取っておりませんので、私どものところは、そういった意味では、この文書に関しての話はその段階では申し上げられないと申し上げたということだと御理解いただければと存じます。(発言する者あり)はい、二番、あっ、今、今、私ども、今、その上で、問題の行為というのは、これは、私どもの方としては、前回の国会に対する答弁、答弁というか、司法、調査の結果をお示しさせていただきましたので、少なくともこの手記に基づいて、私どもが見た段階では新しい事実が判明したというふうには理解をしておりませんので、私は、そういった意味では、手記と調査報告書の内容に大きなそごはないと、そういう具合に、今のこの見た段階ではそう思っておりますので、したがいまして、実質的な違いがあるとは思っておりませんので、再調査ということに関しては今行うことを考えてはおりません。
○福山哲郎君 読んだ上で、そごはない、実質的な再調査を行う気はないとおっしゃいました。
総理は先週、読まれたとは言っておられましたが、再調査の考えはないと述べられていますが、総理、総理も再調査の必要はないとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま財務大臣がお答えをさせていただいたことが政府としての考え方でございます。
○福山哲郎君 いや、本当に冷たい。
この先週、お二人の冷たい態度、御遺族の思いを拒絶する発言を受けて、赤木夫人はこう発言をされました。総理、聞いておいてくださいね。
安倍首相は、二〇一七年二月十七日の国会の発言で改ざんが始まる原因をつくりました。麻生大臣は、墓参りに来てほしい、墓参に来てほしいと伝えたのに、国会で私の言葉をねじ曲げました。この二人は調査される側であり、再調査しないと発言する立場にないと思いますと。これ、赤木夫人が発信をされた文章です。
総理、改ざんの原因となった総理は調査される側だと言われています。総理、いかが思われますか。どうですか。真相究明に改めて乗り出すと御決意をいただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 総理答弁が決裁文書改ざんのターニングポイントとなったというのは、これはこの赤木さんの、職員の手記、手記に書いてあるのではないということを改めて申し上げておきたいと思います。これは、週刊誌の記事において記載されているものと承知をしております。
奥様がそういう発言をされたということは今初めて承知をしたところでございますが、改めて申し上げますが、これは赤木さんが手記に書かれたことではないわけでございますし、また、その上で、決裁文書の改ざんなどについては、平成三十年六月に公表された財務省の調査報告書において、平成二十九年二月以降の国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で、更なる質問につながる材料を極力少なくすることが主たる目的であったとする報告がなされたと承知をしております。
政府として調査するかしないかということについては、先ほど財務大臣が答弁をさせていただいたとおりでございます。
○福山哲郎君 いやに自分に関わることだけは詳しく読んでいるんですね。
総理、僕、これ言うかどうか迷ったんですけど、やっぱり言いますわ。
これほど文書、改ざん前の文書とか法律相談メモ、結果として出てきているんですね。全部出てきているかどうか分かりませんけど、財務省はこれが全部ですと言っています。ただ、赤木さんの手記見ると、あるときに全部廃棄をされて、それで逆に検察の取調べを受けることになって、自分が本当に検察の取調べを受けて、すごいそのことについて自分を責めておられる様子がよく分かります。
まあ、結果として出てくるんですけど、いろいろ、いまだに出てこないものが一つだけあるんですよ。安倍昭恵夫人が森友学園を視察した直後の二〇一四年四月二十八日の近畿財務局と森友学園の打合せに関して、いわゆる、昭恵夫人がいい土地ですねと言って写真を撮ったときです。あの後の直後の打合せの交渉記録、それから本省との相談メモが、これだけ出てこないんですよ。もうこれだけして、これだけ、正直申し上げて、近畿財務局の皆さんに指示を出し、やりたくないと抵抗しているにもかかわらず、秘書官出てこなくていい、秘書官出てこなくていいと言っているんだ、抵抗している近畿財務局の人たちを指示をし、本省からわざわざ電話を掛け、そして改ざんをし、そして廃棄をする。そして、これだけ結果としてそういったことが明るみに出て、出さざるを得なくなっているにもかかわらず、この安倍昭恵夫人のこの重要な交渉メモと本省との相談だけ出てこないんですよ。それ、おかしいと思いませんか。
総理が、探せと、再調査しろと、自分の潔白を示したいんだと言われれば、それで終わりですよ。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、いい土地ですねと妻が言ったということを言っていると言っているわけですよね。それは、これは別に、それが事実として確定しているわけではないということを改めて申し上げておきたいと思います。言わばこれは、籠池さんがそう言っている……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) お静かにお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、手を振っておられますが、それは事実、言わば事実として確定はしていないですよね。今、福山さんは確定している事実としておっしゃっていたけど、そうではなくて、それはまさに籠池さんがそう言っているということをただ紹介をしておられるということにすぎないですよね、それはね。それはそうなんじゃないですか。(発言する者あり)いや、いや……
○委員長(金子原二郎君) お静かに。お静かに。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、いや、一方的に事実で、事実が確定していないことを事実であるかのごとく福山さんがおっしゃっているから、そうではないということは、これは大切なことですから、もう何回も何回もこの委員会でやっていることでございますが、まさにその中において、財務省においてこの調査をし、その結果が出ていると、このように認識をしております。
○福山哲郎君 安倍昭恵さんが森友学園のその土地に行ったのは事実です。それから、籠池さんが近畿財務局と交渉をその直後にしたのも事実です。そして、そこでの交渉記録と本省との相談があると一般的には思われています。なぜならば、それまでほかのものは全部あるからです。それは全部事実です。なぜ、それ以外の言った言わないの事実が明るみになっていないかといったら、その文書が出てきていないからです。それだけの話です。だから、総理が出せと言えば、その事実は明るみに出ます。
どうですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行ったということは事実でありますが、いい田んぼになりますねというふうに言ったというふうにも、これも言われているわけでありまして、これは学校の用地と大分趣が違うのではないかなと、こう思うわけでございまして、余り強引にそちらの方向に持っていかない方がいいのではないかと、こう思います。
その上において、それを出す出さないということについては、これは財務省において適切に判断するものと思います。
今突然の質問で、まず、突然の質問で……(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 済みません、ちょっとうるさいとなかなか答えられないんですが。
まず、質問、今、具体的にそのどういう資料かということを事前に説明、通告していただいておりませんが、通告いただいておりません。ですから、どういう文書かということについては私も分かりませんので、それを、いきなり分からないことについて指示をせよと言われてもお答えのしようがないということでございます。
○福山哲郎君 もう議事録見たら、何回質問されているか分からないぐらい数多く質問されている交渉記録と相談メモだと思います。
麻生大臣、先週、茶谷官房長は、我が会派の今井議員の質問に、赤木夫人のところに、いわゆる赤木さんの弔問について、御遺族の御意向を踏まえ対応したいと思いますと官房長は答弁されました。先週です。
茶谷さん、御遺族の意向は確認されましたか。いないの。じゃ、大臣、どうぞ。
○国務大臣(麻生太郎君) この弔問の件につきましては、当初から、弔問というものを、話を伺いたいと思っていることは向こうに申し伝えたと、私どもはそう思っています。事実、そう言いましたから。
今の話では、そういった話はないかのごとく今書かれたりしていますけれども、私どもしては、だから、その間に入った人がどうされたとか、いろんな話になるんですけれども、私どもはそう思っておりました。おりましたし、事実、その後、御了解を得たところから、次官や官房長等々が、官房長、次官だったかが、今の岡本ですか、当時の官房長だと思いますが、等々が、また、外務省、それから近畿財務局等の職員含めまして、過去数回この弔問に伺わせていただいたと記憶をいたしておりますので、今御案内がありましたように、私どもとしては、そういった御意向を今聞いたかどうかということに関しては、今この場で、ちょっと本人がおりませんのでお答えができません。
○福山哲郎君 赤木夫人によれば、赤木さんが亡くなってから三か月たった六月に財務省の職員から、麻生大臣が墓参に行きたいと言っているがどうかと聞いてこられたと。それは、大臣に全く罪はありません。墓参に行きたい、意向を聞かれたんだと思います、大臣が。そうしたら、赤木夫人が来てほしいと答えたと。しかし、赤木夫人に直接ではなくて、夫人の兄に電話があって、妹さんは大臣に来てほしいと言っていますが、マスコミ対応が大変だから断りますよと一方的に告げて、結局、大臣の弔問はありませんでした。その後来られた財務省の職員の方が、大臣の弔問を断ってくれてありがとうと言われたと。自分は断っていないのに何でそんなことを言われたんだろうというのが赤木夫人の今の思いです。いまだに大臣に弔問に来ていただきたいと言われています。
私、財務省が先週、御遺族の御意向を聞いて対応したいと言われたので、代理人通じて確認をしました。残念ながら、この三連休、何も財務省から連絡はなかったそうです。本当にいいかげん、国会の答弁も、そしてその場その場のごまかしも含めて。
大臣、今も夫人は弔問に来ていただきたいと言われています。これも代理人に確認をしました。麻生大臣の今の御存念をお聞かせいただけませんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 弔問に伺いたいというのは最初から一貫して申し上げております。そのとおりです。
ただ、福山さん、今、訴状されている、上がっているという状況になりますと、これは原告と被告になりますから、これは、原告と被告が裁判所以外で会うというのはなかなか難しいことになります。これは気持ちの話とはなかなかまた別の話としてありますので、その点につきましては、私どもとしては対応は検討させていただかにゃいかぬことだろうと思います。
○福山哲郎君 大臣、確認しますね。じゃ、大臣が夫人に弔問に行きたいと声を掛けたときが検察の捜査が終わっていたかどうか、確認しますね。
それともう一点。今は民事ですから、私は関係ないと思いますよ。全く関係ないと思いますよ。何でも訴訟が起こったら訴訟で逃げるのはやめた方がいい。これも安倍政権の本当にひどい特徴だと思います。
先ほどから総理も大臣も、新事実がないから再調査の必要はない、そごはないと答弁されました。本当にそうでしょうか。
ちょっと御覧ください。赤木さんの手記、財務省の報告書、そして喚問の内容です。御覧ください。
佐川さんについて、赤木さんの手記は、もとは全て佐川理財局長の指示ですと、学園に厚遇したと取られる疑いのある箇所は全て修正するよう指示、まさにここが、厚遇の部分が、安倍昭恵夫人がどの程度関わったかの問題のところです。それから、資料はできるだけ開示しないこと、開示するタイミングもできるだけ後送りとするよう指示、これは国会への提出です。まあ国会もばかにされたものです。これが手記です。
そして、佐川さんからの指示の内容です。財務省の報告書。中身をよく精査すべきと指示。精査すべきって、何だかよく分からないですね。その後、決裁文書の書換えを行っていることを認識したにもかかわらず、その後ですよ、その後、つまり最初じゃないと言っているわけです。誰かが決裁文書の書換えを行っていることを認識したにもかかわらず、進行中の作業を止めるのでなく、むしろ継続させた、これが責任だと言っています。大分違いますよね。それから次です。最後、評価のところです。改ざんの方向性を決定付けたものと認められると、方向性なんです。しかし、次です。一連の問題行為の全貌までを承知していたわけではないと。
問題行為全貌を承知していたわけではないどころか、赤木さんの手記は問題行為のスタート地点に立っているじゃないですか。全部チェックしているじゃないですか。全く財務省の報告書と赤木さんの手記は違う。新しい事実はないとか、そごはないとか、大臣、総理、よくこれで言えますね。
そして、問題の佐川さんの証人喚問、刑事訴追のおそれがあり、答弁を差し控えると、ずうっと拒否をしました。私も現場にいました。
ところが、一か所だけ、衆議院で赤木さんの自死について質問がありました。秘書官、ちょろちょろ出てこないでいい。赤木氏の自死について聞かれました、そのときに佐川さんは、このときだけこういう言い方をしました。本省理財局と近畿財務局との間で、私は本当の事実関係は承知していないのですがと、これ唯一、これを言ったんです、この証人喚問のときに。でも、これ事実関係を承知していないのですがというのは、間違いなく偽証です。
これですね、佐川さんはもう訴追のおそれはありません。改めて再喚問しようじゃありませんか。国政調査権に基づいて証人喚問したいと思います。
委員長、この参議院の予算委員会、この予算委員会も、実は財務省にある意味ばかにされまくってきました。虚偽答弁をされ、そして改ざんの文書を提出され、この佐川さんの、与党もきっとこの遺族の思いも含めて賛同していただけると思います。佐川さんの再喚問を求めますので、理事会で協議いただけませんか。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○福山哲郎君 さらには、この予算委員会、ずうっと森友問題で時間を取りました、二年にわたって、改ざん文書で審議をさせられました。この森友学園問題の真相を御遺族の意思も含めて究明するために、集中審議を求めたいと思います。
加えて、赤木さんが言われている刑事罰に処すべき本省の五人、まあ佐川さんはそのうちの一人ですけど、まさにこの改ざんに直接に関わったと赤木さんの手記に書かれている四人については、まずはこの予算委員会の場に参考人としてお呼びをして、本当にどうだったのか語ってもらおうじゃないですか。実は、佐川さんも、赤木さんも、この改ざんに関わった財務省の職員も、みんな被害者です。
どうか、委員長、理事会で協議いただけますでしょうか。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をさせていただきます。
○福山哲郎君 今、自民党の理事から固有名詞と言われたので、テレビの前で固有名詞言うのはよくないかなと思ってちょっと遠慮したんですが、いいんですか。テレビの前なのでね。
佐川理財局長、当時の理財局次長、中村総務課長、企画課長、田村国有財産審理室長、担当窓口の杉田補佐等々ですので、御検討いただきますようにお願いします。
さらに、今日は呼んでいないんですけど、麻生大臣、結果として、佐川局長から直接依頼を受け、指示を受け、そして近畿財務局が抵抗しているにもかかわらず電話等を何回もして説得をしてやらせた中村総務課長は、今、財務大臣、どこに着任をされているか御存じですよね。
○国務大臣(麻生太郎君) 本省にはおりませんので、海外、イギリスかどこか、イギリスかどこかでですね、たしか、ちょっと正確に記憶がありませんけれども、イギリス、イギリスかロンドンかには赴任してあると思います。
○福山哲郎君 きっととぼけておられると思いますが、イギリスの今公使にいらっしゃいます。これは日本国の恥になります、これだけ改ざんした財務省の職員がイギリスの公使でいると。
これは、個人的な感情を抜きにして、英国の公使からすぐに帰国させるべきだと思いますが、総理、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 改ざんの一連の文書に関しましては、これはもう調査報告書で申し上げましたとおり、これ停職一か月ということで、いわゆる中核的な役割を果たしておったんですからということで停職一か月ということで、その上で、人事院のルールによりまして、停職処分を受けたいわゆる、何というんですかね、課長級クラスの職員という者は二年間は昇格させないということになっておりますので、お尋ねの人事もこのルールに従ってさせていただいたということであります。
○福山哲郎君 全く理解できません。そんな役人の書いた紙、読まないでください。
日本国として、イギリスの公使にこういった人物を置いておくことが問題だと申し上げているんです。それは政治判断の問題です。
ちょっとさっき聞くの忘れました。さっきの報告書と喚問と、それから赤木さんの手記のこれ、僕、これ一部しか紹介をしておりませんが、総理、これを御覧になられても、新事実がないから再調査の必要はないし、そごもないとおっしゃられるかどうか、総理、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に財務大臣からお答えをしているとおりでございますし、財務省において徹底的な調査をしたというふうに承知をしておりますし、また、検察、これ捜査が入っておりますから、検察当局においても捜査した結果であろうと、このように考えております。
○福山哲郎君 総理、これを見てそう思っておられるんですか。別に、財務大臣が言われたとおりと言う必要はないんですよ。総理の判断を、これを見て本当に新しい事実はないと、赤木さんの手記を御覧になって新しい事実はないし、財務省の報告書はこんなに丸めた、何言っているのか分からないような報告書ですよ、内部だから。これでも総理は新事実はないとおっしゃるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに責任を持って調査をした財務省として既に判断が出ているところでございまして、それはまさに政府としての判断でございます。
○福山哲郎君 いや、本当に赤木さんも夫人もお気の毒だと思いますよ、どんな思いだったのか考えたら。そして、手記が出た後すらこういう表現をするというのは、いや、本当に僕は非常に残念です。これはちょっと、そんな冷たい回答が幾つか来るとは思わなかったので、非常に本当に悲しい思いです。
ちなみに、ちょっと確認をします。
この手記には、信頼される上司として近畿財務局の池田統括が存在します。池田さんは、赤木さんがメモとファイル、改ざんの経過のメモとファイルを残していたと発言をされています。財務省の赤木さんのコンピューターの中にこのメモとファイルが入っていた、残っていた可能性があります。
財務省、このことを、このファイルとメモは確保したのか、そして今持っているのか、見たのか、これお答えください。
○政府参考人(太田充君) お答えを申し上げます。
担当部局がございますので、担当部局にこういう御指摘、御下問があったということをきちんと申し伝えさせていただきます。
○福山哲郎君 太田さん、是非担当部署に伝えて、こちらに答えるように言ってください。
実は、この報告書、責任者は、今座っている矢野さんと太田さんです。一緒に会見もしています。あの報告書と赤木さんの手記を比べて、まずは、当時の官房長だった矢野さん、どういう感想か、お答えいただけますか。こういう質問は残酷だと思います。残酷だと思うけれども、それ以上に苦しい思いをして亡くなった方がいる。それもあなたたちの部下だ。どうか矢野さん、申し訳ないけど、お答えいただけますか。
○政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。
近畿財務局におきまして平成三十年三月に職員の方が亡くなりましたこと、誠に残念であると同時に、深く哀悼の意を表したいと存じます。
また、大臣も答弁されましたけれども、改ざんはあるまじきことでございまして、改めて深くおわびを申し上げます。
○福山哲郎君 気持ちを入れなきゃ駄目だよ、それじゃ届かないよ。
実は、矢野さんは、このときに言っているんです。内部の調査だから限界がありますよねって、会見で。これで遺族の方に胸が張れますかと言ったら、矢野さん正直な方だから、胸が張れるかどうかは自信ありませんけど、内部の調査だから限界があるとおっしゃっているんです。
総理、第三者機関を入れて新たな調査委員会を国会内若しくは政府内に立ち上げるのはいかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、その意味においては、最強の第三者機関と言われるこの検察がしっかりと捜査をした結果がもう既に出ているところでございます。その結果も出ていることも踏まえ、先ほど財務大臣から答弁したということが政府としての考え方でございます。
○福山哲郎君 このときの次官が黒川さんです。実は、今回の改ざんは、検事長を無理やり口頭解釈で変えるような、口頭決裁で変えるようなやり方と同じやり方だと私は思っています。安倍政権のこのやり方は非常に私はよくないと思いますし、安倍総理と麻生大臣におかれましては、コロナが終息したら、このことの真相を明らかにし、即刻やはり責任を取って辞任をしていただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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