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2021

第204国会 参議院 予算委員会 2021年3月25日


○委員長(山本順三君) 次に、福山哲郎君の質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 おはようございます。よろしくお願いします。福山でございます。
まず、先ほど総理から御報告いただきましたが、北朝鮮から弾道ミサイル二発が発射されたと聞いております。早速NSCを開催をしていただいて、感謝を申し上げます。
米中の外交担当者の会談、日米の2プラス2、そしてアメリカとEUの外相会談、国際社会がバイデン大統領の下、動き出して、自分も存在しているよと、プレーヤーとしているよということを示したいのかなというふうに推察いたしますが、総理におかれましては、情報収集、同盟各国との連携、しっかりとやっていただきたいと思いますが、一言決意をお願いします。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 北朝鮮から弾道ミサイル二発発射、これを受けて、政府として国家安全保障会議を緊急に開催をし、情報の収集や対応について協議をしました。結果として、更に米国、韓国と緊密に連携をして国民の命、暮らしを守る、断固として取り組んでいきたい、このように思います。
○福山哲郎君 よろしくお願い申し上げます。
総理、やはりこのことは聞いておかなければいけません。
昨日から、立憲民主党の集計でも、法案提出、政府提出法案について、十二府省庁で十九法案一条約、不備、誤字、落丁等々が起こっています。いや、私、にわかに信じられないぐらい異常事態だと思います。
私も二十年を超えて国会にいさせていただいております。総理もそうだと思います。総理も野党の議運の筆頭理事をやられていました。私、当時、官房副長官として総理によく謝りに行きました。覚えております。いろんな議論をさせていただきましたけど、いやいや、これはちょっとお粗末ですね。
行政府の長として、ましてや野党の議運の筆頭理事を御経験されている総理は、野党の立場でも、今我々が抗議をしている、こんなことあり得ないと言っていることは重々御理解いただけると思います。行政府の長として、この事態をどう受け止めておられて、どうされるのか、明確にお答えいただけますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、まさに法案、あるいは関係する参考資料にいろいろと間違いがあったこと、心からおわびを申し上げたいと思います。
既に一条約二法案について申し上げた際に、更にないかをチェックするということを申し上げ、今、政府内で法案また参考資料についての再チェックをさせていただき、早々に国会に対して御報告をさせていただきたいというふうに思っておりますが、いずれにしても、こういうことがないように引き続きしっかりと対応していきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 私は総理と話をしています。総理も手を挙げられたので、是非、官房長官出てきていただくのも構わないんですが、時間がありますので。
総理、恐縮でございますが、先ほど申し上げたように、総理は野党側の議運の筆頭もやられています。この状況がいかに異常な状況かよく御理解をいただけると思います。是非総理からもお願いします。行政府のトップは総理でいらっしゃいますから。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 前回のこのデジタル法案で誤りがあった際に、私自身、全閣僚に徹底してこうしたことがないように、そしてもう一度自分の足下をしっかり調査するように、こうしたことを申し上げて、あってはならないことだというふうに思っています。
○福山哲郎君 総理が指示をして、あってはならないことだと言った、にもかかわらずこの状況だということについては、総理はどのように評価され、どうお考えですか。総理がそう指示された後、この状況ですよ。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私自身が指示して、全省庁でこれ今調査をしている、このように考えています。
○福山哲郎君 行政府の長としてどのように責任を感じますかと。立法府に出している法案が不備だったんですよ。総理は行政府ですよ、行政府の長でいらっしゃいますよ。総理が法案の提出の責任者ですよ。もちろん大臣はそれぞれの法案についての責任者でありますけれども、その行政府の長として、これだけの法案の不備が出てきていることについてどうお考えかと申し上げています。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今申し上げましたように、デジタル法案でその過ちが指摘をされました。そして、私、今、あってはならないことだから、ほかの省庁全体としても、省庁で徹底して調査をするようにということを指示しました。そうした意味に、国会審議に大変御迷惑をお掛けしている、このように思います。
○福山哲郎君 御迷惑をお掛けしていると。私はむやみやたらと謝れと言っているんじゃない。しかしながら、これだけ官僚の士気が低下をしていることがゆゆしき問題だと思いますよ。そして、このミスも単純なミスが多いんです。普通、役人は読み合わせしっかりやります。それをコピペして、訳の分からないものが入っていたり、誰が見てもこんな漢字はこの文脈にはおかしいみたいなものが平気で入っています。この士気の低下とこの数の多さは異常だから、行政府の長として総理はどう考えているのか、そして立法府に対してどう説明をされるのかと申し上げているんです。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 先ほど来申し上げていますけど、やはりもう一度全体を調査をして、徹底をしてまず調査をする、そのことが大事だというふうに思っています。そうした結果を踏まえて、私自身、もちろん行政府の長でありますから、最高の責任あることは、私にあることは、ここは間違いないことであります。ですから、現時点においてもそうした過ちがあることについて大変申し訳ない思いですということを私は先ほど申し上げました。
○福山哲郎君 あんまり、総理があんまりはっきり言っていただかないので、長くしたくなかったんですけど、総理、調査ってなんですか。つまり、法案修正するんですよね。調査が終わるまで我々に、じゃ、法案審議できないですね、当然ですけど。
これは、審議拒否しているんじゃないですよ。昨日も、野党が審議拒否などという、もう本当にステレオタイプの報道がありました。違います。間違った法案出してきているのは政府なんだから。間違った法案で、どこが正しいかどうか分からない法案、審議できるわけないじゃないですか。審議拒否なんかしてないですよ。だから、総理が今調査するというのは、何を調査されるんですか。そうしたら、調査が終わるまで我々審議入れないですよね。政府からもその調査が終わるまで審議は待ってくださいと、逆に言うと、総点検する政府側が、申し訳ありません、全部終わるまでお待ちくださいと、整ったら審議入ってくださいというのが、私はそういう筋だと思いますが、どうですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) そうした事例が発生しましたんで、誤りがないか、もう一度それぞれの省庁で点検整備、調査するというのは、私は責任者として当然のことであって、その調査を、誤りがないかどうかというのは、そこは調査をすべきだというふうに思います。そういう中で、国民の皆さんに大変申し訳ないと、そういうことを私は先ほど来申し上げているところであります。
○福山哲郎君 調査をして総点検して再校正をして出し直すということですね。それまで我々は、総点検されている間は待たなきゃいけないです。そのことは申し上げたいと思いますので、一日も早く総点検をして、修正をして法案を出し直していただくように強く求めたいと思います。
これも残念ながら言わなきゃいけません。
一昨日、河井克行元法務大臣が、異例となる、法廷で議員辞職を表明しました。けしからぬと思いますよ、国会で一度も説明に来ないで。買収も認めました。これまで買収の事実を全く認めない中、突然認めました。百人に約二千九百万円の現金を提供するという前代未聞の買収事件です。受け取った百人中九十四人が買収目的だったことを認めていました。国会で何ら説明責任を果たさず、このような事態を迎えたことに対する自民党の責任は大きいと思いますよ。
これ、総理、元法務大臣ですよ。法をつかさどる大臣ですよ、これ。そして、一億五千万の使途も不明のまま。これは自民党総裁の菅総理の責任です。そして、四月の補欠選挙を回避するために、三月の十五日までではなく三月二十三日に辞職表明したとも言われています。もう、やり方がちょっとこそくですよね。
総理、総理は河井夫妻とも近いと言われました。案里候補の応援にも何度も入られています。一億五千万の自民党の資金提供も含めて、本人が買収を認めたということは、自民党にも当時責任があるはずです。この責任、どのようにお考えか、総理、お答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 法務大臣の経験者についての刑事裁判が行われていることは極めて残念であり、また、国民の政治不信を招いたという批判があることは重く受け止めております。
いずれにしろ、政治家は、その責任を自覚し、国民に疑念を持たれないように、常に襟を正していかなきゃならないと考えております。
一億五千万の件であります。自民党総裁として、これはあえて申し上げさせていただきます。
御指摘の資金の使途の詳細については、検察当局に押収されている関係書類が返還され次第、党の公認会計士が内規に照らして監査を行い、しっかりチェックしていく、こういうことになっているということを私は報告を受けています。
○福山哲郎君 そうしたら、公判が終わり次第チェックをして、国民にしっかり公開で説明をいただくということでよろしいですね。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 資料が返還され次第、公認会計士の、内規に照らして、党としてしっかり監査を行いたい、こういうふうに思います。
○福山哲郎君 監査はただ政治資金収支報告書に入りと出が書いてあるだけなんです。問題は、何に使われたかが重要なんです。今回、この一億五千万が買収に使われたという裁判上での証言もあります。そのことも含めてしっかりと御説明をいただくということでよろしいですね。
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、現在行われている裁判内のこれやり取りに関する事柄でありますから、行政府の長として現在申し上げることは控えたいというふうに思います。
○福山哲郎君 いやいや、総理、おかしい。総理は公判終わったらやると言ったから、僕は公判の後の話をしているわけで、公判の最中にそのことをやれと言っていない。秘書官、変なメモ入れないでください。
総理、そうですよね。いわゆる公認会計士がやる監査は出入りだけです。違うんです。使途も含めて、公判で買収資金に使われたかもしれないと言われている使途も含めて、自民党総裁として、公開して説明していただけるということでよろしいですねと確認しています。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今申し上げましたように、自民党総裁として、今私自身、あえて申し上げればという中で、御指摘の資金の使途の詳細については、今検察当局で資料が押収されていますから、その書類が返還され次第、党の公認会計士が内規に照らして、そこは監査を行い、そこはしっかりチェックをする。これは党としてそこはしっかり対応したいというふうに思います。
○福山哲郎君 それは、監査は普通に出入りでやるんです。問題は、一億五千万の使途についてしっかり調査をして国民に報告をいただけますねとお伺いしています。もうこれでイエスかノーでお答えください。(発言する者あり)
○委員長(山本順三君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、今申し上げましたように、チェックをしたいというふうに思います。
なお、御指摘の資金について、支部の立ち上げに伴って党勢拡大のために広報紙を全県に複数回配布した費用等に充てられたという説明の報告があったわけでありますけれども、いずれにしろ、党として、公認会計士が、内閣に、内規に合わせて監査してチェックをしたいと思います。
○福山哲郎君 総理は、残念ながら、本人が買収も認め議員辞職をしたにもかかわらず、自民党としてしっかりとした調査をして国民に説明をしないということをほぼ言われたと思いますので、非常に残念です。
総理、吉川元農水大臣が大臣室で五百万受け取るという、これも前代未聞の収賄罪で一月に起訴されています。北海道二区の補欠選挙で自民党は候補者擁立を断念しました。なぜ、百名にも及ぶ関係者が取調べを受け、河井夫妻が二人とも逮捕、辞職という事態で広島選挙区は候補者を擁立したのか、北海道と広島は何が違うのか、お答えいただけますか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私は、自民党というのは、地域支部、選挙区支部が非常に影響力を持っているところであります。そうしたことも踏まえた上で判断をさせていただきました。
○福山哲郎君 また、これ、買収事件でお金を受け取った方々も、この広島選挙区の自民党の候補者の選挙の集会とかに出席していると聞いております。非常に私は問題だと思いますよ。やっぱりこれは反省もしてもらわなきゃいけない。前代未聞の買収事件です。それに元法務大臣です。そこの反省を自民党はしていただかなければいけないと私は思いますよ。
自民党の不祥事多過ぎます。私、一覧表作ってきたら、何と自民党がその一覧表を出しちゃ駄目だって言うんですよ。私、話は作っていません。全部事実です。ところが、駄目だと。テレビの前で見せちゃ駄目だって言って、自民党が言うんですよ。そんなことじゃないでしょう。そうでしょう。じゃ、出していいんですか。出すなと言ったでしょう。
だから、読み上げます。あきもと司衆議院議員、収賄罪で逮捕、証人買収でまた再逮捕。菅原一秀議員、公選法違反で検察審査会が起訴相当。石崎衆議院議員、暴行罪で略式起訴、離党。安倍前首相、公設秘書が罰金百万円の略式命令、例の百十八回の虚偽答弁です。吉川元農相、収賄罪で在宅起訴、議員辞職。河井案里参議院議員、買収事件で逮捕、有罪確定、議員辞職。河井克行衆院議員、買収事件で逮捕、公判中、辞職表明。松本純、田野瀬太道さん、大塚高司さんは緊急事態宣言中に深夜会食、離党。白須賀衆議院議員は緊急事態宣言中に深夜会食、離党。ある総務副大臣は元スタッフが持続化給付金詐欺で逮捕。
これ延々と、これ別に十年とかじゃないですよ。この一、二年の話ですよ。これ、それで私が表を作ったら、これは出しちゃいけないと。何ですか、それ。私、事実を言っていますよ。
総理、これやっぱり問題じゃないですか、党として。私、こんなことやりたくないんだけど、私がこれ質問立つ前、いつもこんな問題出るんですよ。安倍総理の秘書が略式起訴で百万円罰金で、全部実は虚偽答弁だったとか、今回も河井さんが有罪認めたと、あっ、有罪じゃない、買収認めたとかですね。いや、もう本当、僕らこんなのやりたくてやっているわけじゃないけど、原因つくった方が悪いに決まっていますよね、総理。原因つくった方が問題ですよね。我々野党だから、当然政府とか与党をチェックしなきゃいけない。この間も同じことを言いましたよ。こんなのに時間取りたくないけど、総理、このことについてどうお考えか、国民の前でどうか御説明いただけますか。
私、ちょっと正直言うとあきれているんですよ。もうこんなのやりたくない、もう勘弁してくれって感じですよ。国民だって、毎週毎週こんなの聞かされて、多分、政治不信、頂点ですよ。僕らだって、こうやるたんびに、何でおまえらそんなことやっているんだ、コロナ大事だろうって国民に怒られますよ。でも、一方で、やらなかったら何でやらないんだって怒られますよ。あんなに政府がひどいのに、何お目こぼししているんだって怒られますよ。
総理、原因つくった方が悪いですよね。問題ありますよね。お答えください。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 自民党総裁として、やはりこうした不祥事が続出することに対しては当然しっかり責任を持って対処しなきゃならないというふうに思っております。
ただ、いずれにしろ、こうした問題については、我が国の法の中でしっかり客観的に、法律の中で対応されることが一つと、それと、やはり自民党、筆頭として、そこは党内でこうした不祥事が起こらないように、二度と再びそうしたことが起こらないように対応することも大事だというふうに思っております。
○福山哲郎君 政治家はみんなそんな立派じゃないです、与党だって野党だって。その中で、でも、余りにも今、度が過ぎているんじゃないかなと私は思うんです。やっぱり長い政権は腐敗しています、総務省の問題も含めて、接待の問題も含めて。そのことについて強く反省を求めたいと思います。
総理、緊急事態宣言が解除されましたが、間違いなく感染は徐々に広がっています。
昨日、東京は三月最多の四百二十人、宮城は過去最多の百七十一人、変異株は一週間で百五十人、約二割、先週に比べて増えています。変異株のクラスターも発生している。WHOによれば、イギリス、南アフリカでは従来のコロナウイルスから変異ウイルスに急速に置き換わるという状況が起こっています。日本でも六百人を超える、二十六都道府県で変異株が広がり出しました。世界全体の感染者数も四週連続で前の週を上回っています。
リバウンドが、兆候が出始めています。今の状況を総理はどのように評価をしているか、お答えください。
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、緊急事態宣言の解除の基準については、委員御承知のとおり、基本的対処方針にあるように、感染状況や医療提供体制、公衆衛生体制の逼迫な状況を踏まえて総合的に判断させていただいております。
政府としては、宣言解除後も、感染の再拡大、ここを懸念する声も数多くありますから、再拡大を阻止するための総合的な対策を実施をしていくことにしております。
飲食店の時間短縮の継続や見回りの強化など、飲食の感染防止対策のまずは徹底、さらに変異株に対する監視体制の抜本的な強化や、三点として、感染拡大の予兆をつかむための無症者へのモニタリングの強化、高齢者施設での集中的、定期的な検査の実施、こうしたことを講じているところであります。さらに、各都道府県で今回のような感染の急拡大に対応できるように、コロナ病床、後方支援医療機関、宿泊療養施設などが役割分担して感染者を効果的に療養できる体制を構築していく方針であります。
また、現在、御指摘をいただいていますように、例えば大阪とか宮城県で感染者数が増加している状況については、政府としても注視しているところであり、自治体と緊密に連携した上で、こうした対策を徹底をして再拡大防止に努めていきたいと思います。
○福山哲郎君 尾身会長、お越しをいただいています。
このリバウンドの兆候について、尾身会長はどのように評価をされているのか、時間がないので、失礼ながら短くて結構です、短くお答えください。
○参考人(尾身茂君) お答えします。
一つ宮城を例に取り上げますと、私は大きく三つの理由があると思います。
一つは、宮城の場合は、実は二月七日に時短を解除しているんですよね、これが一つ、大きな原因の一つだと考える。それから、二つ目の理由は、いわゆるコロナ疲れということでいろんな食を介しての感染がまた始まっていて、特に今若い人の感染が始まって、それが今高齢者にうつっていることがもう宮城で。それから、宮城の場合には、地震なんかもあって、他県からの応援ということも多分可能性が私はあると思います。
そういう中で、私は、打つべき対策としては、宮城はもう既に三月十八日から県の独自の緊急事態宣言を発出して、今日からたしか時短をやっていただく。それから、ベッドの強化をしていただいていますけど、私自身は、宮城県、それから国に、まん防を含めた感染対策の強力な対策を検討して、それから実施していただきたいということと、先ほど西村大臣がおっしゃっていたと思いますけど、やはりここは重点、リスクの高いところを中心にかなり強力な検査が必要だと思います。それから、ベッドの強化というのはやっていただいていますけど、人が足りないので保健師さんだとか看護師さんの派遣というのも大事だと思います。
それからさらに、最後は、やっぱり結局は最終的には人々の行動が重要で、しっかりとした、国のリーダーシップの下に県の人たちが今まで以上のしっかりとした感染対策、基本的な対策を取っていただければと思います。
○福山哲郎君 ありがとうございます。
実は、解除の後の人が増えていることの感染拡大はまだ多分数字には表れてきていないと思います。だから、ちょっと怖いなと私は心配をしています。解除の後の人の出入りが激しくなってからの状況はこれから増えてくると考えています。そして、変異株はその広がりがやはり全国に広がっています。このことについてちょっと私は心配をしていますので、是非政府におかれましては対策をお願いしたいと思います。
先ほど総理が変異株の四〇%の検査率の話がしましたが、この間も国会で蓮舫議員が言われたように、実際東京では一〇%にも満たされていません。この間、田村大臣もNHKの「日曜討論」で四〇%に引き上げると言っても、幾らこの国会の中で、実態は一〇でもそのことを四〇というふうに言うと、ちょっと国民をミスリードします。そういったことについても御留意をいただきたいと私は思います。今の実態が重要です。それに合わせてどういう対策を取るかだというふうに思います。
そして、この一年で日本経済は確実に悪化しています。完全失業率が前年の二・四から四・八に上昇していますが、しかし、これは雇調でかなり抑え込んでいる状態です。雇用を雇い止めされている人々は累計で約九万人。これは潜在的にはもっといるはずです。飲食店も厳しいですけど、観光業の落ち込みも激しくなっています。(資料提示)
昨年十二月の主要旅行業者の総取扱額は、十二月、前年同月比の僅か三五%です。事業を廃止した旅行業者は六百に及んでいます。ホテル、旅館からも悲鳴が上がっています。前回の質疑でも言いましたけど、飲食店だけではありません。緊急事態宣言が結局長期化したので、今は解除されていますが、分断と格差が広がっています。大規模飲食店だけじゃない、大規模飲食店、ホテル、旅館、小売、百貨店、映画館、ミニシアター、劇場、フリーランス、公共交通機関、みんな補償の対象になっていません。それが経済的にいうと落ち込みにつながっています。
我々は、持続化給付金の再給付を法案として提出しました。これは、一度給付された事業者にも再支援、給付要件を緩和して対象を拡大、事業規模に応じた加算措置を講じる。財源としては七兆円ぐらい必要ですが、解除されても厳しい状況が続く事業者へ、飲食店だけではなく支援が急務だと私たちは考えています。そうでないと、この年度末から年度初めにかけて、日本経済は本当に生活成り立たなくなります。
どうか総理、前向きに検討いただけませんか、総理、お願いします。
○国務大臣(西村康稔君) まず、事実関係を申し上げますと、その今お示しいただいている幾つかのこの業種が補償対象にならないということでお示しいただいているんですが、実は、大規模な店舗も含めて月額百八十万円の支援、それから雇用調整助成金も一人当たり三十三万円、全員国が一〇〇%支援をする。さらに、ホテル、旅館、映画館、ミニシアター、劇場なども、これ飲食の、食品衛生法上の届出を行っていれば百八十万円、月額最大の支援の対象となりますし、また、フリーランスの方も一時金の対象で六十万円、三十万円、特に三十万円の対象となります。
さらには、公共交通機関も出資や劣後ローン、私ども十二兆円の資金を用意をしておりますので、これでしっかりと支援をしていきたいと考えておりますし、さらに一兆円の地方創生臨時交付金を配分しておりますので、これで地域の事情にそれぞれ応じて、厳しい状況にある業種の皆さん方に、地域それぞれ支援をしていただいております。
いずれにしましても、予備費もございますので、必要な対策を機動的に打っていきたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 大臣は微妙に言う。私は、協力金六万円の限界と書いてあるはずです。大規模飲食店はもちろんもらっているけど、大規模のところは六万円じゃ全然足りないということを申し上げているんです。ここに限界と書いてあるじゃないですか。
ですから、逆に、本当に国民の声を聞いてください。今、立憲民主党のコロナ相談の窓口はすごい状況です。本当に悲鳴に似た声が上がっています。先ほど言われた三十万、六十万でも門前払いをされたとか、聞いてもらえなかったとか、たくさん聞きます。資金の借入れも、これ以上借りたら先々返せないのでもう自殺を考えるというような声もいっぱい来ています。今みたいな一般論で答えられると、非常に逆に僕は不安になります。
そのことを強く申して、我々が法案出している新持続化給付金の再支給、是非政府に、もう総理がお答えになられないんだったら是非御検討をお願いしたいと思います。
先日、総理はワクチンを打たれていると報道で拝見しました。総理、痛かったですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 痛いと思って行ったんですけれども、痛くなかったです。非常にスムーズに接種できたと思っています。
○福山哲郎君 総理、総理の打たれたワクチン、ファイザーだと思いますが、有効期間いつまでですか。
○国務大臣(田村憲久君) まだ開発されて間もないというのはもう御承知のとおりでございまして、長期間の有効性というものがまだしっかりとエビデンスが出てきていないということでございます。
そういう意味では、現状、今まで治験を受けた方々のフォローアップ調査でありますとか、それからどれぐらい持続するか、いろいろな調査をしておりますので、そういうものをしっかりと注視しながら、我々としてはまた分かれば情報発信をしっかりしていきたいというふうに思っております。
○福山哲郎君 総理が打たれたワクチン、どのぐらい有効に効くか分からないんですね。感染された方については、東大の河岡教授の研究によると、抗体が三か月から六か月維持すると。どんどん抗体の力が弱くなると。ということは六か月なんですけど、このワクチンについてはどのぐらいの有効期間か分からないんです。
残念ながら、ワクチンの接種は日本は遅れています。
国・地域別の百人当たりの累計の接種回数、まあ見事に百人当たりの累計接種回数は日本は圧倒的に遅れています。今、国際社会はワクチンの争奪戦になっていますが、ワクチンの有効期間次第では、例えば医療機関や四月から打ち始める高齢者は、有効期間が例えばワクチン六か月だったら今年の十月で有効でなくなります。そうしたら、また秋から冬がやってきます。一般の人はまだ一回目のワクチン接種か二回目の最中かもしれません。現に、三月十九日、河野大臣は国会で、今回のワクチン接種の期間は来年の二月までとなっていると、それまでに終えなければと言っています。
一般的に、日本全国が来年の二月を視野に入れているとすると、この四月、五月に打った高齢者とか医療従事者はもう秋から冬の感染期に有効期間が切れるかもしれない。二巡目を打たなければいけないかもしれない。今こんな同じ過ちを繰り返すわけにいかないですよ。日本だけが圧倒的に遅れている。
オリンピックを開催するに当たって、日本のワクチンの接種がこれだけ遅れていることについては、各国、多分不安だと思いますよ。だって、ワクチン接種している人はほとんどいない日本に来るんだから。当然ですよね、各国とも。それぞれが、例えば日本国の国民のアスリートが他国にオリンピックとか行くときに、その国がワクチン打っている人が圧倒的に少なかったら本当に出せるかという議論が国内で出ても致し方ないと思います。それは両方ともそれぞれ理があるからです。
でも、申し訳ないけど、二巡目のワクチン調達は同じ轍は踏めないと考えていますが、二巡目のワクチン調達、有効期間との関係、分からないとは言いながら一体誰が検討してやっているか、総理、お答えください。
○国務大臣(田村憲久君) 様々なワクチンが今開発されておりまして、そういうものが随時また日本の国にも薬事承認、申請が来ると思います。そういうものも含めて、国民の皆様方のワクチン接種というもの、我々は今まで契約しているものだけではなくて、これからも含めて様々な検討をいたしております。
○福山哲郎君 今のワクチン接種で、ワクチン接種の前に血液を採取しているのはどのぐらいありますかね、じゃ、日本は。(発言する者あり)
○委員長(山本順三君) 福山哲郎君。
○福山哲郎君 血液採取しないと抗体分からないでしょう。血液を採取して抗体を半年とか六か月とか定期的に見ないと分からないけど、そういうデータをどこで取っていますかと聞いているんです。
○国務大臣(田村憲久君) ですから、それは先ほど申し上げましたけれども、既に今まで治験をやられているそういうような方々のフォローアップの調査でありますとか、そういう調査をしているわけでありまして、そういうものの結果、ファイザーは、これはプレス発表ですけれども、一回打ったものに関して三か月抗体が維持できたというようなことはプレス発表しておりますけれども、ファイザー等々でもしっかりと今まで治験をされた方々のフォローアップの研究をされておられます。そういうものをしっかりと見ながら我々としても判断してまいりたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 日本人のファイザーの検体は百六十人しかありません。今言われたような話は、ほとんど海外の方です。日本の有効期間はどの程度か分かりませんし、ファイザーはその治験をどの程度きっちりこちらに伝えてくれるかも分からないし、三か月で切れるんだったらもっと問題ですから、そこは日本国内で、有効性をターゲット、期間の有効性をターゲットとする調査を必要と私はしますよ。
千葉大は、実際にワクチン接種前に血液と唾液を採取して、二回目の接種の三週間後にもう一回改めて血液を採ると、そして有効性の確認を取っています。
これ、さっき申し上げたのに答えていただいていないんですけれども、こういう千葉大のものに国がちゃんとサポートするとか、これをちゃんとシステムをつくってきっちりこういった有効性の議論をするとか、更に言えば二巡目の調達の準備を誰がしているのか、答えていただいていないんですけど、誰が責任者でやるのか。
じゃ、田村大臣、お答えください。
○国務大臣(田村憲久君) 千葉大は我が母校でございますけど、こういうようなコロナワクチンセンターつくってやっておられるということは我々も認識いたしております。国の方でも、これから広範に打ち出す中において、抗体価がどれぐらいもつか、こういう調査をやろうということで、今、一応計画はさせていただいております。
あわせて、二巡目に関しては、その抗体価のことがなかなか分からないということで、いつまで抗体価が維持できるか、中和抗体の、これがなかなか分からないものでありますから、計画的というわけではありませんが、ただ、ワクチンというものは、おっしゃられるとおり永遠に抗体が持ち続けられるというものもありますけれども、そういうものばかりではありませんから、そういう意味からいたしますと、やはり二巡目、三巡目も考えて、我々としてはいろんなワクチン、国内でも今メーカーがそれぞれ開発をされておられますけれども、いろんなものに対して情報を、網を巡らせながら、申請の出てきたものに関してはしっかりと承認に向かっての審査をしてまいりたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 今のお話聞いて、ほとんどまだ国内では準備していないことが明らかになりました。
日本国内特有の変異株が出たとき、どうするんですか。ファイザーは日本国内特有の変異株が出たとき、それに合わせてワクチンを製造してくれるという契約か何かあるんですか。それは契約あるんですか、田村大臣。日本特有の変異株の、日本特有の変異株が出るか出ないかなんて分からないでしょう。出た場合に、もう出ている兆候ありますよね、出た場合にファイザーはそれに合わせて作ってくれるとは限らないと思うんですけど、そういう場合はどうなるか。契約上どうなっているんですか。
○国務大臣(田村憲久君) 何をもって変異株というのか。今、御承知のとおり、WHOで変異株ということで認めているのは幾つかありますが、要は、それぞれ遺伝子は変わっていくわけで、その中で、スパイクのところの遺伝子が変わった中において例えば感染力が大幅に増える、若しくは毒性が増えて重症化、死亡率が上がる、こういうことが起こるというものに対してはワクチンいろいろと開発していかなきゃならない。
それから、今あるワクチンが効かないような変異が起こった場合、これはスパイクのところでこういう場合も考えていかにゃならないということであろうと思いますが、日本の中でそういうことが起こった場合どうだというのは、ちょっとファイザーとの契約の中身は申し上げられませんが、一般的に、今あるファイザーのワクチンで効かないものができたときには、ファイザーがそれを開発をしていかなければなりませんし、ファイザーだけではなくて、ほかのワクチンも同じことになってこようというふうに思います。そのときには、それぞれの話合いの中でどうするか、若しくは国内ワクチン等々がそれに対応するか、それぞれのオプションがあるというふうに考えております。
○福山哲郎君 尾身先生、二巡目の準備はどう考えたらいいんでしょうか。
○参考人(尾身茂君) お答えいたします。
変異株とワクチンの関係と、あと抗体のことですよね、今委員の。
一つは、抗体が、免疫というのは抗体だけでなくて、いわゆる細胞性免疫というのがありまして、そちらは少し記憶というものが残って、だから、抗体が下がったから必ずしも免疫がないということでは必ずしもないと。もう少し抗体が消えても免疫が続くという可能性はこれは免疫学の常識で、そういうこともある。
それから、委員の御質問の、変異株があって、それで免疫逃避して効かなくなったときどうするかというのは、これは国内のワクチンを製造するということももちろんこれ大事だし、と同時に、恐らく海外のメーカーは、これにはビジネスとしてのインセンティブが非常に働きますから、かなり速いスピードでやる。ただ、ただし、それで、日本はそれだけに頼るというわけではなくて、やっぱり国内の生産というのはしっかりと体制を整えていくというのは当然だと思います。
○福山哲郎君 国内生産、具体的に、これまでのシステムだけではなくて、多少、何というか、流動的というと言葉が悪いのかな、多少、いろんな場合に合わせて能動的に仕組みを変えてでも国内生産の準備は、もう四社ぐらいが国内で今製造を始めていますので、是非、それは厚労大臣、積極的に対応いただきたいと私は思っています。これは変異株の対応にも必要なことです。
私、空港検疫で変異株がどの程度漏れているのかみたいなこともやりたかったんですけど、時間がないので、今、変異株が増えていますが、空港検疫がどのぐらい有効なのかについてもきっちりチェックをしていただきたいと強く申し上げます。
正直申し上げて、コロナの問題って与野党関係ないんですよ、いつも言うけど。今考えた二巡目の話も余りそんなに具体的になるように思わないので、是非早急に、厚労大臣、準備をお願いしたいと思います。
各自治体、ワクチンの準備していただいています。私、地元の京都の幾つかの首長に聞き取りをしました。あるところは、集団接種と個別接種が併用、しかし、どちらにせよワクチン供給されるのは四月二十六日の週ですよね、河野大臣。これも約千人分。三週間後に二回目打たなきゃいけないので、いつ来るか分からない状況ですから、当面五百人しか打てない、半分しか打てない。これが実態です。
当初は高齢者の施設からということなんですけど、これ誰がお答えいただくか分からないんですけど、例えば高齢者施設から打ち出したときに、認知症の方の接種をするかどうかの判断は誰がやるんですか。これ、すごい細かいことなんですけど、実は現場はこういうこと困っているんです。これ、誰がその認知症の高齢者施設の方にワクチンを打つかどうか、誰が判断するんですか。これ、どこか、どなた、田村大臣かな。
○国務大臣(田村憲久君) 認知症の方々の予防接種、これはコロナだけに限らず、いろんなものがあります。
実態といたしましては、本人の意思がないと、つまり本人の意思が確認できないとそのような医療行為はできないということになっております。
しかしながら、現場の実態では、認知症等々でなかなか御本人の意識が確認できない、考えが確認できないという場合に関しては、例えば御家族でありますとか、本人の心、お考えを読み取れる方々が便宜的に判断されて、打つ打たないというふうなことを最終的には判断されるというようなことが一般的に行われております。
○福山哲郎君 難しいんですね。高齢者施設はクラスターの可能性が高いので、打たないとどこから広がるか分からないので、でも、そういうので現場が困っている、判断しにくいということは、厚労大臣、是非留意いただいて、ちょっとこれから接種が始まる際に各自治体にお願いします。
それから、もう一個。先ほどちょっと事例申し上げましたけど、別の自治体は、各学区ごとの小学校で土日を週一回で巡回します。恐らく高齢者は、一通り接種が終わるのは八月だというふうに思います。土日だけ地元の体育館、学校の体育館でやると、それでいいというふうになっています。その間に、まず安定供給があるかどうか、六月までに全部供給されるという話が河野大臣からありますが、昨日もEUが一定の規制の話をして、日本にどのぐらい行き渡るかまだ見えません。このことの確保がやっぱり心配しています。
それから、もう一つ。各自治体で規模も人口構造も違います。それから医師の数も違います。河野大臣にお願いです。早打ち競争みたいなことをあおるのはやめてください。この自治体は接種率何%だと、これは野党も留意しなきゃいけない。ここは遅いぞ、ここだけ遅いぞとかいうこと言いかねないけど、自治体それぞれ工夫してやっています。早打ち競争みたいな話で自治体をあおるのはやめていただきたいと思う。私がお伺いした首長さん、みんなそう言っていました。政治的には、早く打ち出したとか早くやったとか、河野大臣、言いたいのは分かる。しかし、現場を見たらそうではないんだと、いかに現場の仕組みに合わせて、現場の自治体の状況に合わせて打っていくかが重要だと。だから、早打ち競争みたいな議論は、政治があおるのはやめてほしいということを強く言われました。
河野大臣、このことは与野党とも留意したいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(河野太郎君) 度々この委員会でも自治体の接種体制に応じて供給するということを申し上げております。それ以上のことを申し上げたことはございません。
○福山哲郎君 余り気持ちのない答えで残念でした。
時間がないんです。もう本当に困っているんですけれども、どれから行こうか、いっぱいやらなきゃいけないので。
総理、LGBT平等法について質問します。
札幌地裁が、同性に恋愛感情や性愛といった性的指向やこのことを理由に婚姻できないことは法の下の平等、差別を禁止する憲法十四条違反であると判断を下しました。恋愛感情や性愛が同性に向くか異性に向くか、性的指向が違うというだけで異なる扱いは駄目だという趣旨が最高裁でもはっきりしました。
総理はどのような評価で認識なのか、お答えください。これは総理にお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 御指摘の札幌地裁の判決は、これは確定前のものであり、また、他の裁判所に同種訴訟が係属していることから、まずその判断等を注視してまいりたいというふうに思います。
また、御指摘の最高裁決定でありますけれども、私人間の紛争に関するものであり、現時点で詳細を把握していないため、政府として何か申し上げることは控えるべきだと思いますが、いずれにしろ、性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならないと考えており、政府としては、多様性が尊重され、お互いの人権や尊重を大切にし、生き生きとした人生を送ることができる社会の実現、こうしたものをしっかり取り組んでいきたいと思います。
○福山哲郎君 オリンピック、パラリンピック、開催控えていますよね。オリンピック憲章には性的指向による差別禁止が明記されています。日本には、同性婚はもとより、そもそも性的指向や性自認に関して差別を禁止する法律がありません。OECDの調査では、性的マイノリティーに関する法整備状況は、日本はOECD加盟国三十五か国中三十四位のワースト二位です。
そのために、去年四月に国内八十のLGBT当事者団体とLGBT法連合会やヒューマン・ライツ・ウオッチとかが、当時の安倍首相にいわゆるLGBT平等法の制定を求める書簡を出しています。加えて、今年一月、その書簡を菅総理にも出していますが、政府から何にも返答がありません。
なぜ政府から何も返答がないんでしょうか。総理、お答えください。
○国務大臣(加藤勝信君) お尋ねの団体が東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、性的指向、性自認による差別からの保護を求める法律の制定等を求められ、本年一月には総理宛てに要請書が提出されたところであります。
この御意見も含めて、LGBTの方々に対する差別の解消に関する施策等の在り方について、これ様々な御意見もあると承知をしております。実際多くの要請もいただいておりまして、これ一つ一つ返答するのはなかなか難しいという状況にありますが、政府としては、先ほど総理答弁させていただいたように、多様性の尊重と共生社会の実現という観点から、このような様々な御意見にも耳を傾け、また参考にもさせていただきながら、性的指向、性自認をめぐる諸課題についてしっかりと引き続き取り組ませていただきたいと考えております。
○福山哲郎君 全く答えになっていない。何も返答していない。理由にもなっていない。
総理、オリンピック憲章御存じですよね。オリンピック憲章は、御存じですよね、性的指向に対してちゃんと文章があるのを。総理、御存じですか。イエスかノーかで、じゃ、お答えください。
○内閣総理大臣(菅義偉君) オリンピック憲章の中にそうした性的指向、そうしたものがあることは承知しています。
○福山哲郎君 残念ながら、森前組織委員長の女性蔑視発言、プランナーのやはり容姿に対する差別発言で、残念ながら国際社会は、日本がどんな国かと、時代を懸け離れたジェンダー不平等社会と思われています。オリンピックを開催されるなら、このLGBTについて、せめて平等法ぐらいは作るべきだと思います。
そして、オリパラ競技大会の組織委員会の人権労働・参加協働ワーキンググループ委員からも橋本会長宛てに、やはりLGBT平等法への支持の要請、支持というのは支えてくれという要請が出ています。野党はこれまで二回LGBT差別解消法案を出しています。与党は全く審議に応じません。そして与党は法案も出しません。
総理、何とかしませんか。オリンピックもうすぐですよ。アスリートは、正直言ってLGBT当事者の皆さんたくさんいらっしゃいます。実はトイレや施設の問題も今日聞かなきゃいけないんですけど、時間ないのでそこまでは行きませんが、総理、この状況でオリンピック迎えるのに、LGBTに対して日本は平等法もないのかと。女性差別をああいう状況で国際社会にさらしました。国の責任として、総理が今言っているだけじゃなくて、ちゃんと平等法を作りましょうよ。野党がもう法案あるから、自民党が乗ってくれりゃそれでいいんですよ。自民党は、逆に言ったら、もう党議拘束外してください。それで採決すりゃいいじゃないですか。
総理、いかがですか。オリンピックですよ。世界中からLGBTの当事者が、世界中がそのことを注目していますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 橋本会長に対してそのような要請がされたということは承知をしています。
LGBTと言われる方々の中には、例えばスポーツの世界などにおいても偏見や不適切な取扱いが受けられるなど、様々な困難に直面している方がおられるもの、ここは認識しています。政府においては、適切な相談対応、理解促進に向けた周知啓発、こうしたものをしっかり取り組んでまいりたいと思います。
オリンピック憲章においても、オリンピックの根本原則として、性的指向による差別の禁止、これが、先ほど言いましたけど、掲げられており、東京大会のコンセプトとしても多様性と調和が掲げられております。組織委員会で橋本会長の下にジェンダー平等推進チームの発足をさせ、LGBTを含む多様性と調和の実現に向けた取組を進めている、このことは承知しております。
○福山哲郎君 私は、法律が必要ないかとお伺いをしています。
正直申し上げれば、理解、啓発はもうかなり国民の中では進んでいます。特に若い世代は本当によく分かっている。それで、オリンピックがあるにもかかわらず今みたいな後ろ向きな答弁だと本当に国際社会も国内も失望感広がると思いますよ。
加えて、びっくりしたことには、LGBTの所管の省庁はないと言っている。丸川大臣も自分が所管じゃないと言っている。内閣官房長官、誰が所管なのかはっきり言ってください。
○国務大臣(加藤勝信君) LGBT、あるいはLGBTQと今言われているようでありますが、方々については、社会生活の様々な場面において課題が生じていると認識をし、その課題、公共施設、医療、就業、学校、社会福祉等、様々な場面でどのような配慮が合理的か、いかなる整備をなすべきか、偏見、差別を解消するための教育、啓発はいかになすべきか、これは極めて多岐にわたっておりますので、一つの省庁において全ての課題を網羅的に対応するのは困難であり、関係各府省がしっかり横断的に連携をしながら個々の問題に取り組んでいくことが必要だというふうに考えております。
○福山哲郎君 いや、こんな後ろ向きな答弁、びっくりしました。そんなの誰か大臣指名すればいいじゃないですか。いや、ちょっと自民党、申し訳ないですけど、政府、国際社会に付いていけてないんじゃないですか。社会の、二十一世紀の在り方に遅れているんじゃないですか。
我々がもし政権担わせていただいたら、LGBT担当も選択的夫婦別姓の担当大臣もつくって、まさに啓発と法律で社会でしっかり広げていきますよ。ましてやオリンピックですよ。いや、びっくりしました。
もう時間ないので、総務大臣、もう僕ちょっと今日、さすがに腹が立っています。
三月十五日、東北新社の問題で、例の面談記録、東北新社側と総務省が時期がずれました、内容がずれました。総務省は記憶がないと言い、東北新社は相談しに行ったと。で、総務大臣が記憶がないと言えと言ったといって話題になりました。言ったかどうかは私は知りませんが。
これ、一般的には、許認可だから、文書管理規程によれば、経緯も含めて文書を残さなきゃいけないんです。だから、私は面談記録があるかと言ったら、何とも答えない、記憶がないとか言って。三月十五日ですよ、私がここで質問したのは。委員長、私要求しましたよね、資料。
そしたら、大臣、大臣の調査会が始まって、総務省の調査会始まりましたよね。そこで当然委員から資料を出せという話があった。議事録、今日出ていますよ、概要が。今日、初めて理事会でその文書がありますと官房長認めましたよ。大臣、認めたんですよ、文書があるって認めたんです。
大臣は、大臣、知らない。知っているか知らないか、認めたのを知っているかどうか、じゃ、お答えください。大臣、お答えください、知っているか知らないか。
○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
十五日に福山委員から御指摘がありました相談を受けた際のやり取りメモということにつきましては、現在のところそういうものは見付かっておりません。引き続き確認しているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(山本順三君) 時計止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
お求めがございまして、今精査しているところでございますが、東北新社の方から許認可の申請に係るそういう書類もあるようなものでございまして、今精査していると、こういう状況でございます。
○福山哲郎君 大臣、あることは報告受けていますか、それイエスかノーで答えてください。
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
ただいま精査しておりまして、東北新社側の書類があるようでございますので、東北新社の御了承もいただく必要もございますので、そういった意味で今精査をしていると、こういう状況でございます。
○福山哲郎君 あるんです。あると理事会で認めたのに、今日出してきていないんです。私、十五日から求めている。
総理、東北新社の同意なんか要らないんです、だって面談記録なんだから。総理、あっ、総務大臣、これひどいよ。私が質問のときに、理事会であると言いながら出してこない。これ質問に使えないじゃないですか。こんなひどいことね、かつての自民党の予算委員会の理事はやらなかったよ。私、これ質問できませんから、これでは。
○国務大臣(武田良太君) 東北新社側の文書になっておりますので、東北新社側の了解がないと出せないという答弁をさせていただきます。(発言する者あり)
○委員長(山本順三君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
東北新社側から出てきている文書でございます。それは総務省にある文書でございますが、東北新社側の営業の秘密に関わるようなこともございますので、東北新社側の合意が要るということでございまして、今精査をしていると、こういう状況でございます。
○福山哲郎君 これ、面談記録なんです。
それで、情報通信行政検証委員会では委員から、決裁過程の文書、議論を含め、総務省にきちんと情報を出してもらい、接待に関連する行政プロセスのその透明性や公平性について総務省が客観的なエビデンスに基づいて証明できているかという視点で厳しく徹底して検証すべきという話があって、決裁過程文書の存在を原官房長が認めたと。
あるんでしょう、決裁文書、面談記録も。官房長、あるんでしょう。いやいや、だから、東北新社があるとか、東北新社の了解とか関係ない。総務省に存在するかどうか、イエスかノーかを答えてください。
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
面談記録については確認できておりません。一方、許認可申請に係る一連の過程で東北新社から出てきている文書もあるようでございますが、営業の秘密に関わるような事項もございますので、東北新社の同意も必要であり、今精査をしていると、こういう状況でございます。
○福山哲郎君 あるようでございますがって、何ですか、それは。いや、こんな不誠実な、理事会で言っていることも異なるしね。
で、これ、調査委員会では資料出すんでしょう。総務大臣、約束一個だけしてください。この調査会で出した資料は全部国会に提出していただけるようにお願いします。
○政府参考人(原邦彰君) お答え申し上げます。
検証委員会のいろいろな資料の公表につきましては委員のメンバーの方でお決めいただくことになっておりますので、そういう御指摘があったということは私ども報告したいと思っております。
○福山哲郎君 委員長、委員長、委員長じゃない、大臣、調査会には出せて国会に出せないってどういうことですか。とんでもないよ、こんな話。非常に私、強く抗議します。
更田委員長、ごめんなさい。本当に今日、僕、きっちり東京電力と、電力会社の今のひどい状況についてお話伺いたかったんですけど、このやり取りになりました。お許しください。
更田委員長、昨日是正処分をされました。大変大きな重たい処分だと思います。その内容についてと、この今の状況について更田委員長から御報告いただいて私の質問を終わりたいと思いますので、更田委員長、よろしくお願い申し上げます。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 申し訳ありません。部屋の外で待機をしておりまして、質問を伺えておりません。済みません。
○委員長(山本順三君) じゃ、もう一回どうぞ。
○福山哲郎君 東京電力の最近の不祥事、トラブルについて、更田委員長、昨日大変重たい処分をされました。この状況についてどう評価されるのかと。このトラブルについて本当に御苦労いただいていると思います、その処分の内容の重さ、東京電力に対して今どういう思いでいらっしゃるのか。更田委員長から御報告と思いを伝えていただければと思いますが、よろしくお願いいたします。済みません、お待たせして。
○委員長(山本順三君) 簡潔にお願いを申し上げます。
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今回の事案、一連の事案を、原子力規制委員会としましては、極めて重大で、また、かつ深刻なものであると考えております。
事案の具体的な詳細だけではなく、管理体制の在り方、また、東京電力の姿勢そのものが問われるような事案であると考えておりますので、しっかりとした検査、確認に努めてまいりたいと考えております。
また、今回私たちが出した是正命令ですが、この東京電力の脆弱性が回復されるまで、しっかりと背景が確認されるまで柏崎刈羽原子力発電所における核燃料の移動を禁じるという命令を出す方針を昨日決定をいたしました。
○委員長(山本順三君) 時間が来ております。
○福山哲郎君 私は、東日本大震災で原発事故に向かいました。この東電の今回の不祥事、これらの不祥事については大変遺憾に思います。十年前の反省が全く生かされていない。そのことを強く申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございました。
○委員長(山本順三君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)

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