11/26

2013

参院 外交防衛委員会


参議院外交防衛委員会に出席しました。
社会保障協定2本と障害者権利条約について趣旨説明を聴取しました。


11/26

2013

党 外交防衛部門会議


民主党 外交防衛部門会議に出席しました。
中国の防空識別圏の設定について、内閣官房・外務省・防衛省よりヒアリング・質疑を行いました。


11/26

2013

政審勉強会


参院民主党 政審勉強会に出席しました。
特定秘密保護法案について、学習院大・桜井敬子教授よりヒアリング・質疑を行いました。


11/25

2013

国家安全保障会議設置法、採決


参議院 国家安全保障特別委員会に出席しました。
いわゆる日本版NSC設置法案についての質疑が行われ、質疑終局の後、採決が行われました。
賛成多数で、附帯決議が付されて可決されました。

質疑の内容はこちら


11/25

2013

第185国会 参議院 国家安全保障に関する特別委員会 2013年11月25日


日本版NSC設置法案

○福山哲郎君 おはようございます。月曜日の早朝から本当にお疲れさまでございます。よろしくお願いいたします。
今朝の通告になりましたので外務大臣には大変恐縮でございますが、非常に日本の安全保障にとって重要なことが起こりましたので、質問させていただきたいと思います。
十一月の二十三日、中国が尖閣諸島の上空を含む東シナ海に防空識別圏を設定したと発表いたしました。もう日本政府は一定抗議を伝えたというふうに報道をされておりますが、我が国の領空を含むもので、これは本当に、これは防衛大臣も非常に緊張感が高まっていると思いますが、不測の事態を招きかねないものだというふうに思っております。
外務省、防衛省の現時点の対応、そして今の外務大臣のこの問題に対する所見をまずお聞かせいただきたいと思います。

○国務大臣(岸田文雄君) 十一月の二十三日ですが、中国外交部は東シナ海防空識別区を設定し、当該空域を飛行する航空機に対し中国国防部の定める規則を強制し、これに従わない場合には中国軍による防御的緊急措置をとる旨発表いたしました。
まず、中国がこうした空域を設定して、そして自国の規則に従うことを義務付ける、こうしたことは、東シナ海における現状を一方的に変更し、事態をエスカレートさせ、そして現場空域において不測の事態を招きかねない非常に危険なものであると認識をしております。
そして、今回発表された措置は、国際法上の一般原則である公海上における飛行の自由の原則を不当に侵害する、こういったものであります。また、この中国側が設定した空域、我が国固有の領土である尖閣諸島の領空があたかも中国の領空であるかのごとき表示をしております。こういった点からも、我が国は全く受け入れることができないと認識をしております。
外交ルートを通じまして懸念を表明し、抗議を行い、そしてこの関連措置の撤回を今求めているところでありますし、昨日は外務大臣談話も発出させていただきました。そして、この問題は、我が国のみならず、東シナ海の現状変更ということでありますので、関係国にとりましてもこれはひとしく懸念事項だと認識をしております。是非、米国とはもう既に緊密に連携協議をしておりますが、関係国あるいはパートナーとも協力していき、中国の自制を強く求めていきたいと考えております。

○福山哲郎君 大変毅然とした御答弁をいただきまして、ありがとうございます。大臣おっしゃられるとおり、これは完全に一方的に現状変更を向こう側が動いたということでございますので、非常に僕は問題だと思っております。
外務大臣がもう御答弁いただいたので、私、申し上げようと思っていたのは、やっぱり韓国を始めとして東アジア全体の現状変更につながってきますので、これは関係諸国と緊密に連携をしていただいて、中国に対して厳しい対応をお願いしたいと思います。
一方で、昨日の抗議は、報道によりますと、局長から向こうの公使に対しての抗議をされたというふうに報道にはありますが、私の感じでいうと、このレベルでいいのかと。大臣が談話を発出されたことも私は評価をしておりますし、そのことは承った上で、このレベルの抗議でいいのかどうかについてちょっと御答弁いただけますでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 済みません。まず、先ほど答弁させていただいた際に、十一月二十三日、中国外交部はと答弁させていただいたようですが、訂正させていただきます。中国国防部に訂正させていただきます。
そして、その上でただいまの質問ですが、こうした事態に対しましてまずは迅速に我が国として反応することを心掛け、アジア大洋州局長、そして今度、在中国の我が方の大使館から先方に対して懸念を表明し、そして抗議を行い、そして関連措置の撤回を求めたわけであります。そして、その後、内閣官房におきまして、関係省庁の局長級の会議を開き、情報収集と、そして対応を検討している、こういった状況であります。
大臣談話は発出いたしましたが、今後、この対応につきましては、状況をしっかり判断しながら抗議のレベル等についても検討をしていきたいと考えています。

○福山哲郎君 是非、迅速かつ非常に分かりやすい対応を、相手にとっても分かりやすい対応をしていただきたいとお願いをしたいと思います。
一方で、いわゆる防空識別圏を設定をする、現状変更をするような問題について、中国側から事前に何らかの政府に対しての報告なり事前の通告なりはあったんでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 本件につきましては、二十三日午前、中国国防部から我が方在中国大使館に対し、中国国防部が東シナ海防空識別区を設定する旨説明がありました。直前でありましたが、説明はございました。

○福山哲郎君 それ以前には、何らかのシグナルなり兆候はキャッチはできなかったんでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 我が国への説明は、ただいま申し上げましたように、公表される直前でありました。それ以前につきましては、当然のことながら我が国としましては様々な情報収集に努めてきているわけでありますが、具体的なこの件につきまして、少なくとも私は承知はしておりませんでした。

○福山哲郎君 この問題は国益に資しますから、私は、いたずらに政府を追及したり外務省に対して批判的な議論をするつもりはありません。
しかし、十一月十日、毎日新聞によると、中国空軍が防空識別圏の設定を検討しているという報道があります。中国国内においては、この話は随分と内々というか、一定出回っていたということも実は中国のある専門家から私も承りました。これが、信憑性の問題もあるので、逆に政府から正式にそういった報道レベルで抗議がしにくいというものも私は理解をしているつもりです。しかし、そういったことが報道される前に何らかの手を打てなかったかどうかということについては、できるできないの結果は別にして、あったのかもしれないなというのは、私、若干そこは感じています。
それで、けしからぬとかいうことを今言いたいわけではないのですが、そういった情報にやっぱり注視をしていただいて、何らかの手を打っておく必要もあったのではないかというのを若干注意喚起をしておきたいというふうに思いますので、そこは大臣、いかがですか。

○国務大臣(岸田文雄君) あらゆる課題について情報収集に努め、そしてそれを分析し、そして外交を行っていく、こうした姿勢は当然のことながら重要なことであります。
この件に限らず、あらゆる情報収集には今後とも努めていかなければならないと存じますし、しっかり分析し、対応に心掛けていきたいと考えています。

○福山哲郎君 余り直接お答えになりませんでしたけれども、逆にこういう報道が出た後って、中国内で中国の国防省がこういう準備を始めているのではないかという話の中で、どう内々、外交的に相手側に対していろんなメッセージを伝えることも実は必要だったと、ひょっとしたらやっておられるかもしれませんが、それは言いにくいことだと思いますのでもうこれ以上は申し上げませんが、非常にこれから、不測の事態も含めて、これから私議論をさせていただく、官邸の危機管理センターの内部、それから防衛省、海上保安庁、恐らくこのことを含めてかなり緊張感の高まる勤務が続くと思いますので、是非そこは、大臣の皆さん、よろしくお願いをしたいと思います。
防衛大臣、一応聞いておきましょうか、この状況について。やはり、いや、お呼びしたからには、僕忘れていたわけではないので、お伺いします。

○国務大臣(小野寺五典君) 御指名ありがとうございます。
防衛省としましても、中国側のこのような一方的な設定に関しては、飛行を制限するということになりますので、現場海空域において不測の事態を招きかねない非常に危険な状況だと思っております。
二十三日の中国による公表については今外務大臣から御説明がありましたが、防衛省におきましても、私が夕刻、幹部を集めまして情報収集等について協議を行いました。また、通報を受けた段階では、速やかに現場の指揮官までしっかりとした対応をするようにということで指示を出させていただきました。
引き続き万全の態勢を取ってまいりますし、また今後とも、やはり我が国周辺の海空域における警戒監視活動は、万全はもとよりでありますが、国際法及び自衛隊法に従い、厳正な対領空侵犯措置を実施していきたいと思っております。

○福山哲郎君 是非、防衛大臣におかれましてもよろしくお願いしたいと思います。
若干用意していた質問前後しますが、官房長官、よろしくお願いしたいと思います。
まさに今、領空・領海侵犯のリスクが高まっている状況でございますので、緊急時の国家安全保障局長、いわゆるNSCの役割、職責についてお伺いをしたいと思います。この質疑は、私、例えば何か引っかけたり、何か落とし穴があったりするような質問をする気は全くありませんので、官房長官、是非真摯に御議論できればと思いますので、よろしくお願いします。
私は、前も申し上げましたが、官房副長官のときに東日本大震災にも対応させていただきました。天安や延坪島のときもやらせていただきました。日本の官邸にいる官僚の皆さんは大変優秀な方がいらっしゃって、日本の国民の安全、安心のためには本当に昼夜を分かたず懸命に仕事をしてくれたと僕は思っています。
その中で、答弁の中で官房長官は言われましたが、いわゆる危機管理センター、いわゆる初動の緊急参集チームの招集はこれまでと同様、NSCができても危機管理監だという答弁をいただいています。それを聞いて、私はある意味良かったと思ったんですけど。
例えば震災のとき、当然、お手元に資料をお配りしておりますが、二枚目の資料を見ていただきますと、当時、内閣官房の危機管理に関する体制というのは、総理がいらっしゃって、官房長官がいらっしゃって、そして官房副長官があって、危機管理監がいらっしゃいました。この危機管理監が現実のオペレーションはやってくださっていました。その下に、災害のときには統括官がい、そして安全保障に関係するところでいえば、官房副長官補の外政、安危の方々が本当に懸命に危機管理監とタッグを組んでというか、協力をしてやっていただきました。もちろん、そこで我々もずっと常駐をしながら指揮は出しますが、しかし、現場のオペレーションはこの危機管理監、そして安危、外政、それぞれがよく分かっておられましたので、自衛隊の派遣等についても即応態勢を取っていただいたりしたことを覚えています。
実は、今回の安全保障局長は、立案、調整という議論があるんですが、現実には非常に重要な安全保障上の情報とかが来ると。しかし、この危機管理の体制の中でどこに安全保障局長が入ってくるのか僕はイメージできないんですね。それと、もう一つ申し上げると、後で議論しますが、内閣総理大臣補佐官がこの体制でどこに入ってくるのかが正直申し上げて余りイメージできないんです。
御案内のように、緊急事態は即応性が重要です。指揮系統がはっきりしていることが重要です。ラインとして情報が上がってくることが重要です。そのときに、安全保障局長と内閣総理大臣補佐官がどういう動きをされるのかを、これこそNSCの議論の中で役割を事前に決めておいていただかないと非常に混乱をすると思っています。
そのことに対して、大変生意気ながら、官房長官、どういう今思いでいらっしゃるのか、お聞かせいただけますでしょうか。

○国務大臣(菅義偉君) 今委員からこの資料を提供いただきました。やはり、今回の国家安全保障局長、その位置付けでありますけれども、これは内閣官房副長官の、同じような形でその指揮に入るわけであります。そして、内閣危機管理監とはまさに同等の役職というふうに考えています。お互いに総理の、特別職の国家公務員ということであります。そして、そこは明快に分けたいと思っています。まさに、従来どおりの、政府の事態対処の機能はこれまでも充実強化してきました。そういう中で、危機管理に従事する内閣危機管理監を中心として、そうした事態対処は行うという形にさせていただいています。
一方、この国家安全保障会議、これは外交・安全保障政策の司令塔としての役割をしっかり果たしてもらうことができるように会議を支えるものでありまして、国家安全保障局には危機管理は担当させずに、国家安全保障政策に関する企画立案、総合調整、これに専従させようというふうに思っております。
このように、国家安全保障局長とこの危機管理監、これをしっかりと分ける体制というのが私どもが考えておる体制でありますし、現在において一番ふさわしいというふうに考えます。

○福山哲郎君 役割を分けていただくということをはっきり明言されたのは、僕は一つの、逆に大きな御答弁をいただいたと思っています。これで危機管理監は安全保障局長に気を遣わずに指揮命令ができるわけです。
そうすると、緊急事態のときに、これは実は事前の事務方への質疑のときに出てきたんですが、緊急対応時、国家安全保障局長の役割は何かと私は事務方に聞いたら、自衛隊の配置等があると答えたんです。私は、自衛隊の配置等があるということになると、実は、それは官房副長官補で防衛省から来られている方と安全保障局長の役割の違いは何だと言ったら、そこはもううやむやになってしまったんですね。
これはまあ事務方が多分その場で発言をされたので、余りはっきりとした系統立った話ではないと思うんですけど、今の官房長官のお話を承ると、そこの、例えば自衛隊の配置等についても、これまで同様、危機管理監と副長官補、安危と外政のそれぞれが役割を担うという形でよろしいですね。

○国務大臣(菅義偉君) 従来と全く変わらないように考えています。

○福山哲郎君 そうすると、緊急時は国家安全保障局長は何をするんですかね。

○国務大臣(菅義偉君) まさにこの事態対処の中心は内閣危機管理監でありまして、この危機管理監の下に緊急参集チームがこれ入ります。そこに、国家安全保障局長は内閣危機管理監と日ごろ連携をしていますから、この緊急参集チームに国家安全保障局長も参加をして内閣危機管理監と緊密に協力するとともに、国家安全保障局の職務も危機管理の職員と対応すること、こうしたことも考えておるところであります。
そして、あくまでも対処事態は内閣危機管理監の指揮の下で行うと、そして国家安全保障局長はその外交・防衛政策の企画立案そして総合調整、このように分けて考えています。

○福山哲郎君 緊急参集チームのメンバーとして加わると、だけど指揮命令は危機管理監がやるということを整理していただいたので、一定僕は見えました。見えたので実は良かったなと思っているんですけど、それでも、国家安全保障局長は恐らく次官級ですよね。で、危機管理監は警視総監の御出身も含めてやはりそれなりのレベルで、官房副長官補も実はそれなりのレベルの人がいると。つまり、この安全保障局長に配慮したり気を遣う体制をつくればつくるほど、実は危機管理の即応性が弱くなるんです。
今報道に出ている安全保障局長のお名前の方は立派な方だと僕は思います。しかし、それは現場の警察のように各都道府県警が分かっているとか、自衛隊のように各駐屯地、各部隊部隊の状況が分かっている方ではない。だから、この安全保障局長が本当に余り緊急時には出っ張らないでいただきたいというのが私の率直なところです。安全保障局長は一般的に言うと省庁間の調整とか企画立案されますが、基本的にはそれは事務の副長官がやられるはずです、現実には。
だから、そういう状態も含めて、是非そこの整理整頓は、今官房長官が私に、野党の私にこれだけ答弁いただいたので非常にすっきりはしたんですけれども、そこのことには是非、緊急時、御留意をいただきたいとお願いをしたいと思います。
一方で、補佐官です。これまた、この図の中でいうと、補佐官どこにいるのという感じなんです。変な話ですけれども、審議の中でも補佐官の位置付けは非常に課題になっています。官房長官が答弁の中で情報共有や意見交換をやっていくと言われて、NSCにも出席できるんだというんですが、この情報共有や意見交換は組織としては担保できないんですよ。だって、補佐官はライン何にもないんだから、総理に提言するだけなんですから。
そうすると、属人的な話になると実は非常に危ない。そのことで、例えば補佐官が自分のところはラインで情報が来ないからといって走り回ったり、あっちこっちに行って、正直申し上げて多少思い付きみたいな発言されるのも緊急時には非常に困る。平時はまだいいです。ここも私は非常に問題意識があります。
だからこそ、我々の修正案では補佐官を外させていただいて、安全保障に関する官房副長官をきっちりラインで置いてくださいと、その下に危機管理監を置いていただければはっきりと役割が分かるということを我々の修正案では出させていただいたんです。ですから、そのことは我々も与党を経験させていただいたことを含めてお願いをして、そこは残念ながら与党にはのんでいただきませんでした。
ただ、そういう問題意識だということと補佐官の役割というのが非常に曖昧だということについても官房長官には是非、そこはもう重々御理解いただいていると思いますが、まあ御答弁しにくいと思いますが、御答弁いただければと思います。

○国務大臣(菅義偉君) 私ども、この法案を作る段階でも大変な議論をしました。ただ、そういう中で、やはり総理のあくまでも直轄のスタッフとして総理に助言を行い、その判断を助ける役割をすると、そういうことにさせていただきました。
そしてまた、これいろんな危機になったときに、総理の命を受けて、私何回か申し上げていますけれども、それぞれの政党への説明だとか、与党、野党も問わず説明等は、やはりそれなりに精通をして総理の意を酌んで説明できる人が必要だろうというふうに思っていますので、そういう中で私たちはこの総理補佐官を設けさせていただくことになったわけですけれども、いずれにしろ、総理大臣を中心にこの国家安全保障会議を設計する中でそれは必要だという判断をさせていただいたところであります。

○福山哲郎君 それでもまだ私は、若干この総理大臣補佐官は懸念をしています。
例えば、今回、国家安全保障局総理補佐官は常設なんですけれども、法文上、非常勤なんですね。これ、例えば緊急事態のときに、安全保障局長は先ほど危機管理センターに飛び込むと言われました。ということは、安全保障局長は危機管理監同様に緊急事態に備えて非常に官邸の近くのところに常駐していただける。しかし、補佐官はこれ非常勤なんですね。これ、非常勤の補佐官もこの安全保障担当の補佐官になった場合は、当然、じゃ緊急対応用に短時間で来れるような、それが、まさに政治家の場合には本当に来れるのかという懸念も実は私は持っているんですけれども、そういう状況になるというふうに考えてよろしいですか。

○国務大臣(菅義偉君) 基本的には緊急参集チームには入っておりません、緊急参集チームには局長がこれ入ることになっていますから。今御指摘もいただきました、そこはしっかり検討させていただきたいと思います。

○福山哲郎君 常に官邸に入る体制も取っていない補佐官なんですね。これは、安全保障局長や危機管理監とはもう全然、ラインも含めて、正直言って業務の質が全く変わってくるんですね。そのことについては本当に、その方が、緊急の危機管理のときに、みんなが危機管理センターでやっているときに何時間後かに入ってきて好きなことを言うみたいな話は何とか勘弁をしていただきたいと、ちょっと言葉は悪いんですが、そういうのは本当に思います。
逆に、補佐官がアメリカのNSCの補佐官と例えば交渉するような話も官房長官は答弁で言われています。私、これ実は問題だと思っているんですね。情報もない、ましてや責任も非常に曖昧、総理に助言するだけの人がアメリカのNSCの補佐官と交渉するなんというのは、基本的には補佐官という、訳語ではアメリカの補佐官、訳語になっていますが、全然多分権限も違う、職務も違う。もっと言えば、この補佐官は国会答弁の義務もないんです。国会答弁の義務のない補佐官がアメリカのNSCの補佐官、大統領補佐官と交渉なんかされちゃ、申し訳ないです、たまらない、僕はそんなのは考えられない、正直申し上げて。
だから、僕は別に補佐官という役割を下に見ているわけではありません。しかし、やっぱり職責とそれぞれの責任というのがあるので、そこについて官房長官が、アメリカの大統領補佐官と交渉することもあるんだというような発言を答弁でされているので、それはまずいでしょうと。国会への説明責任がない、更に言えばラインにもない、そして緊急事態に対していえば、基本的に危機管理センターに飛び込まなきゃいけない義務もない、こういう人がアメリカと何らかの安全保障や災害のときに交渉ができるというのは僕的に言うとあり得ないと思いますので、そこについては、官房長官、是非御検討いただきたいと思います。

○国務大臣(菅義偉君) 国家安全保障局長が、米国の安全保障担当大統領補佐官を始め各国のNSCの責任者と平素から緊密な連絡を取って、そのカウンターパートであります。補佐官が米国の大統領補佐官を始め会談をするということは、総理の特命を受けた場合のみというふうに考えていただきたいと思います。

○福山哲郎君 これも、基本的にはやらない、総理の特命で特別の場合だけという形にしていただければと思います。
我々も、尖閣のときに細野補佐官を中国に派遣をしたということがあります。だから、一定その事情は僕は分かりますが、対外的な通常の交渉なり通常の連絡は補佐官ではなく安全保障局長にお願いしたいと思いますし、問題は、その安全保障局長と万が一のときの危機管理対応について危機管理監が本当に連携をしておかないと、緊急時は危機管理監が行くけれども、ふだんの、平素の例えば日米の交渉はこっちだけでやっていましたといってここが分断されていると非常に問題だと私は思っていますので、そのことも付言をさせていただきたいと思います。
それから、事務局です。もう時間がないので、お手元の表を見ていただければと思います。
実は、一枚目の表は、省庁再編前、自民党のかつての政権のときにあった省庁再編前の官房の事務局です。これは、いわゆる外政審議室と安全保障・危機管理室がばらばらになっていました。ばらばらになっているのを、実は省庁再編のときに自民党政権が下のような形に変えました。これは、危機管理、安全保障は一体となって対応しなければいけないということで、官房副長官補の下に内政と外政と安全保障と危機管理の事務のスタッフを一緒にして、例えば尖閣に何らかのことがあったときにはその事務方がみんな協力してやっていました。震災のときは、警察の派遣も自衛官の派遣も海保の派遣もみんな一緒だから、逆に外政も安危も含めて、それから海外からのいろんな支援も含めて、事務方が本当に一緒になってやってくれていました。これは、僕は自民党政権がやった省庁再編の中で非常に良かった点だと思っています。それは、現実に私もその中で仕事をさせていただいたからです。
ところが、三枚目を見てください。今回また、副長官補の下に危機管理、外政、そして新しく安全保障局長の下に、いわゆる六十人と言われている安全保障局の局ができると。これ、またもう一度元へ戻すんですかと、分けるんですかと。先ほど申し上げたように、尖閣の問題は、もちろん防衛省、外務省、重要ですが、海保も重要な本当にアクターとしてやっていただいています。そこを、またこれ外政、危機管理、安全保障局といって事務局を分けて、また先祖返りをして縦割りつくるんですかと。
私は、非常に実はこれは残念に思っています。だから、我々の修正案には、先ほど申し上げたように、副長官で、安全保障と危機管理の副長官を専任に置いて、その下に全部の事務局をお願いをして、一体として縦割りを排して事務局をつくろうという案を修正案として出させていただきました。
是非、この話は、もうこの法案、残念ながら私たちから見ると少し、補佐官の問題、事務局の問題を含めて、また縦割りに戻るんじゃないかとか、余計なものがぶら下がったんじゃないかとか、危機管理体制のときに危機管理監が安全保障局長に気を遣わなきゃいけないんじゃないかとか、何か非常にそういう懸念はあるんです。
ただ、そこは官房長官の采配一つだと思いますので、是非、どんな事態が起こるか分かりません、私も三・一一みたいな東日本大震災にまさか東北の皆さんも含めて遭遇するとは思いませんでしたけど、起こり得ることは分からないんですね。その起こったときにどう機動的に対応するのかというときに、今日後ろに控えておられる方はもう本当に優秀な方がたくさんいらっしゃいます、彼らがいかに働きやすい環境をつくっていただけるかが重要なので、今回のこの仕組みは、私は実は相当心配しています。また縦割りに事務局戻したんだと、そこの意思疎通どうするんだと。
それは全て政治の方で、官房長官が、大変恐縮ですが、私のような者が申し上げるのは、配慮いただいて、そこのことについては常に心を砕いていただいて、国民の安全を守る、まさにNSCであり官邸の危機管理の体制ですので、そこのことを官房長官に心からお願いをして、御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。

○国務大臣(菅義偉君) 官邸の中で大変御苦労されて、その思いの中の提言だと思いますので、そこはしっかり重く受け止めさせていただきたいと思います。

○福山哲郎君 終わります。


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