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2015

第189国会 参議院 外交防衛委員会 2015年5月7日


○福山哲郎君 民主党・新緑風会の福山哲郎でございます。
まだゴールデンウイークが続いているのか微妙なところだと思いますが、各委員の皆さん、それから閣僚の皆さん、大臣、そして各省庁、参議院の委員会の事務局の皆さんも御苦労さまでございます。唯一、参議院で委員会、この委員会だけやっているところでございまして、僕は別にいいことだと思いますが、なかなか日程的には厳しくて、私も昨日ワシントンから、夕刻、これに合わせて戻ってまいりまして、まだ若干時差が残っております。
与党側からお話があるかなと思ったんですけど、岸田外務大臣におかれましては、米国訪問、さらにはキューバという歴史的な訪問をされまして、本当に御苦労さまでございました。私もワシントンへ行ってきまして、安倍総理訪米の一色でございました。評価も高く、私は、日本の国益として、総理がアメリカへ行ってワシントンへ行かれたことに対しての評価が高いというのは、それはそれで野党の立場を超えて良かったというふうに思っておりまして、岸田外務大臣におかれましても、2プラス2も含めて本当に御苦労さまでございました。
帰ってこられたところでお疲れもおありでしょうが、後で2プラス2の御報告はいただくことになっていると思いますが、現状、岸田外務大臣、与党ではありませんが、帰ってこられて、アメリカ訪問も含めて、キューバの訪問も含めて若干御答弁をいただければと思います。どうぞ。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、ゴールデンウイークの期間中、私自身、アメリカ、そしてキューバを訪問してまいりました。
アメリカにおきましては、日米2プラス2に臨み、十八年ぶりになりますが、ガイドラインの改定の議論も行ってきました。そして、その後、NPT運用検討会議にも出席をいたしました。日本の外務大臣としては十年ぶりに演説を行ってまいりました。そして、その後、日米首脳会談に同席をいたしました。昨年、一昨年に続きまして、三度目の日米首脳会談への同席でありました。
そして、その後、安倍総理は、アメリカ議会におきまして、池田勇人総理から数えますと五十四年ぶりの日本の総理の議会演説、上下両院合同会議での演説ということでいきますと歴史上初めての日本の総理の演説を行ったわけですが、その際にも同席をしてまいりました。日米関係を考える上において、さらにはNPT運用検討会議、核軍縮・不拡散の議論を考える上において意義ある日程をこなしてきたと考えております。
あわせて、日本の外務大臣として初めてキューバを訪問させていただきました。キューバ、高い大学進学率を持つ、人材に恵まれ、資源にも恵まれ、あるいは観光資源にも恵まれるなど、潜在力のある国であるということを実感してまいりました。外交の世界におきましても、医師の派遣等を通じまして、南米あるいはアフリカ諸国に強い外交力を持つ国だということも実感をしてまいりました。こういったこのキューバという国において、経済においては官民合同会議の立ち上げを提案し、そして国際場裏における対話という面におきましては日・キューバ国連対話という枠組みの提案をし、先方の了解を得てきたところであります。
こうした日・キューバ間の関係につきまして、ロドリゲス外務大臣は当然でありますが、フィデル・カストロ前議長を始め要人と意見交換を行うなど、有意義な会談を持つことができ、将来に向けて日・キューバ関係を発展させる一つの弾みとすることができたのではないか、このように受け止めておるところでございます。
以上、駆け足ですが、感想を申し上げさせていただきました。

○福山哲郎君 感想というよりかは、本当に御報告を丁寧にいただいてありがとうございます。
私も多少外交をやらせていただいて、やっぱり日本のプレゼンスがそれぞれの場所で出てくるのは悪いことではないと思いますので、本当に御苦労さまでございました。NPTは十年ぶり外相の国連での演説だったと承りますが、実は五年前は私が行きまして私がやらせていただきましたので、広島県選出の外務大臣がNPTで演説をされるというのはやっぱりそれなりに意味があることだというふうに思っておりますので、外務大臣がNPTへ行っていただいたことに対しても私自身は良かったと思っております。
先ほど申し上げましたが、ワシントンはもう安倍訪米一色でございました。全体として評価は高かったと思います。それも僕はあえて否定はしません。しかし、先ほど上下院の演説のお話を外務大臣は触れられましたが、若干気になったこともありましたので、幾つか指摘をしていきたいと思います。
私もCSISやブルッキングス研究所等で若干セミナー等も出席をしてまいりました。そこで私が申し上げたのは、安全保障法制については、一つは、国会の審議をまだしているわけではない、法律もまだ提出をされているわけではないと。国民の理解はまだ進んでいません、世論調査も含めて。このことはアメリカでも是非知っていただきたいということを私はこれは野党の立場として申し上げてきました。
私はあの訪米自身を批判をしたりしていることはアメリカでも一切申し上げなかったんですが、事実関係として、安全保障法制はまだ国会にも提出されていないし、国会の審議も経ていない、国民の理解が得られているわけではないということは知っておいてほしいということを指摘をさせていただいてきました。それから、限定的な集団的自衛権の行使について国民の理解や、法律がまだ通っていないことはもちろんですが、アメリカ社会の中でいう安全保障上の集団的自衛権の行使ということのイメージと日本が今議論しようとしていることというのは、ひょっとしたらそこにそごもあるのではないかということについても指摘をさせていただきました。
そして、一番の問題だったと私が思うのは、安倍総理の演説も、細かいことは申し上げませんが、唯一、対立法府との関係で申し上げれば、これら実績を基に、日本は世界の平和と安定のためこれまで以上に責任を果たしていく、そう決意しています、そのために必要な法案の成立をこの夏までに必ず実現しますとおっしゃいました。意気軒高で、アメリカの議会で池田勇人総理以来の演説ですから、安倍総理が高揚感いっぱいに演説されたことも私は否定はしません。それは日本の総理として名誉なことだと思います。しかし、法律は立法府の問題です。行政府の長として内閣総理大臣がこの夏までに必ず法案の成立を実現しますと明言されることは、さすがにいかがなものかなと。
私は、そこはやっぱり議会に対する配慮も必要なのではないかというふうに思います。普通ならこういう場合、目指しますとか、努力をしますとか、与野党に呼びかけますとか、そういう話だと思いますけど、必ず実現しますと言われちゃいますと、おいおい、国会の審議はどうなっているんだと、これは野党の立場としては言わざるを得ない。もっと言えば、我々が政府・与党のときの野党の自民党は一体どれだけこの言葉に引っかかっていたかと考えると、多分、佐藤先生なんかは一番うるさく言われたと思います。
今日、この委員会を普通に動かしていること自身が、大野先生も含めて、私は非常に紳士的な態度だというふうに思っておりますし、まさか連休のさなかにこうやって出てきていただいている皆さんに、そのことで止めるわけにはいかないという大野先生の温かい御配慮だと思いますが、しかし、このことは私は非常に総理の発言としては問題だったというふうに思いますが、外務大臣はどのようにお考えでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の中で、我が国の安保法制の整備と日米のガイドラインの議論の整合性をしっかり保たなければならないという点につきましては、もう全く御指摘のとおりであります。この日米ガイドライン、そして日米2プラス2の共同声明の中にあっても、こうした議論は時の憲法や法律に従うということは当然であると明記しているわけでありますし、そして、専守防衛、非核三原則を始めとするこうした国の原則に従うということについても明記をしているところであります。こうした安保法制に関する議論としっかり整合性を保たなければならない、このとおりだと思いますし、あわせて、国民に対する説明、そして周辺諸国を始め関係国に対する説明、こうした説明努力も重要であるということにつきましては御指摘のとおりだと認識をしております。
その中にあって、総理の米国議会における演説の中における表現についてでありますが、基本的には総理としてこれから国会に臨む決意を示したものだと認識をしております。そして、その中にあって、国会の議論をしっかり尊重しなければならないという御指摘はそのとおりであります。これから国会の議論におきまして、しっかりと誠意を持って丁寧に説明を行い、議論を行い、そして目標であります法律の成立に向けて我々政府として努力をしていかなければいけないと認識をいたします。

○福山哲郎君 岸田外務大臣は紳士でいらっしゃいますので、今丁寧に答弁をいただきましたけれども、実際は全く答えておられない。
本当なら、国会ばかにしているのかと、立法府の立場としては、これは本当に国会をどう考えているのかということは指摘せざるを得ませんし、まだ法律も実は出てきていない状況で、夏までに実現しますと。これ、アメリカの議会で総理が演説をされていますから、国際公約になります。それに対して国会で議論すると、国際公約を総理が言ってきたのにその足を引っ張るのかという、こういう、逆に総理の好きな言葉で言えばレッテル貼りを我々にされる可能性がある。
そうではないです。まだ法律も出てきていないんですから、一から議論しなきゃいけないわけですから。夏までにということはどういうことですか、それは。国会延長するということを総理は暗に示しているんでしょうか。会期は六月までです。これ、本当に私は少し配慮が足りないと思います。NSCも含めて、誰がこの草案を作ったかよく分かりません。普通なら、官僚も含めて、多少国会に対して思慮深くやるのが当然だと思いますが、それもできていないということについては、私は甚だ、正直申し上げて遺憾に思いますし、残念に思っています。
若干私なりにアメリカへ行った感想を述べて、次へ行きたいと思いますが、幾つか変化があったと。一つは、中国に対するアメリカの見方が若干厳しめになっていたと。これは、去年ワシントンに行かしていただいたよりかは非常に強く印象を受けました。それは逆に、日米同盟をより深化させていく上においては非常に重要だと思いますし、それは外務大臣も含めて御努力された結果だと思います。もう一点は、TPPに対するいわゆる議会のTPA法案に対しての取組が、まあ胸突き八丁を迎えるというか、非常に緊迫した状況を近々迎えるというような話で、これも随分議会の中の空気が変わっているなというのも少し感じさせていただきました。最後に、そうはいいながら、アメリカは大統領選挙の話もかなり持ち切りになっておりまして、このことも含めて、アメリカ社会の変化も含めて私なりにも感じさせていただいて、今後の外交防衛委員会の議論に力不足ながら役立てていきたいなと考えております。
それでは、法案に関連する審議に入りたいと思います。
我が国の温暖化の問題は、これは僕はもう国会議員になってからずっとやってきたことですので大変こだわりもあって、まさに今年の十一月の三十日からCOP21、歴史的に言えば、全ての国が参加する法的枠組みをつくるという非常に重要な会議があるわけです。その中の一環として、この緑の気候基金、GCFの支援の問題が出てきています。
その前に、実はこのCOP21では、それぞれの国がパリ合意に向けた新たな目標を掲げなければいけません。条約の事務局としては三月末までにそれぞれの国の目標を提出することになっておりましたが、日本国は残念ながら三月の末に出さなかった、若しくは出せなかったということになっておりますが、その理由についてお答えをいただけますか。これは外務大臣かな、環境副大臣でいらっしゃいますでしょうか。どなたでも結構です。どうぞお答えください。

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の約束草案の提出につきましては、我が国として、この現状の中で最大限努力するべく、引き続き努力を続けております。
有識者会議での議論を経て、これから政府として手続を踏み、国際的にもしっかり明らかにしていきたいと考えているわけですが、その中で、三月末の提出には間に合わなかったわけでありますが、是非一日も早いこの国際的な公表に向けて最大限努力をしていきたいと考えています。

○福山哲郎君 そうなんですよね。まとまっていないんですね。
ところが、報道にはいろいろ出てきているのと、四月の三十日に産構審、中環審に提示案というのが出てきて、これからまた先、まだ今検討されているということなんですけれども、直近、これは環境省ですかね、地球温暖化対策推進本部、これは法に基づいた対策本部でございます。これはいつ開催をされたか、お答えいただけますか。

○政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。
今御指摘の地球温暖化対策推進本部でございますが、過去三年間で四回開催をされております。直近の開催でございますが、直近では平成二十六年七月一日に開催されておりまして、その際には京都議定書目標達成計画の進捗状況の点検が行われているところでございます。
そのほか、最近の、直近ではありませんが、その会議では、当面の地球温暖化対策に関する方針、あるいはCOP19に先立ちまして、COP19に向けた温室効果ガスの削減目標などが議論されているところでございます。

○福山哲郎君 これ、外務大臣、いや、環境副大臣も経産副大臣も是非よく御理解いただきたいと思うんですけど、地球温暖化対策推進本部というのは地球温暖化問題に対する政府の意思決定の最終局面の本部です。これ、内閣総理大臣が本部長です。昨年の七月一日に開かれてから開かれてないんです。分かりやすく言えば、昨年のCOP20の前後も全く開かれてないんです。
私たちのときは、二〇〇九年のコペンハーゲンの前も地球温暖化対策本部をしっかりと開いて、そこで各省横断的な議論を、各副大臣が議論をした上でそれを温暖化対策本部に上げて、そこで日本の公式なポジションを決めた上で、交渉の中心に当たる外務省が、そのミッションを受けて環境省、経産省とタッグを組みながら交渉に臨んで、コペンハーゲン、そしてカンクンに臨みました。
これ、去年の七月の一日から地球温暖化対策本部が一回も開かれていないというのは、やる気ない証拠なんですよ。それで、三月の末までに我が国の目標を提出しなきゃいけないのに出せません、まだ協議していますと。一体何やっているんだという話ですよ。
京都議定書の第一約束期間は二〇一二年に終了しました。温暖化対策基本法上、地球温暖化対策計画は今現存していますか。これは環境省かな。

○政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。
今御指摘の地球温暖化対策計画につきましては、地球温暖化対策推進法に基づきまして、計画案を地球温暖化対策本部で作成して、閣議決定をするということになってございます。
この計画につきましては現在まだ策定されておりませんけれども、ただ、この計画が策定に至る間においても、地方公共団体、事業者、そして国民の方々に京都議定書目標達成計画に掲げられましたのと同等以上の取組を推進するようお願いをしておりますし、また政府におきましても、同様の取組を行うという決定に基づきまして、現在地球温暖化対策の取組を進めているところでございます。

○福山哲郎君 今局長言われたのは重要なところなんですけど、地球温暖化対策本部で策定されるんですよ、おっしゃられたように。でも、これ、二〇一三年度以降空白の状態でほったらかしですよ。本部は去年から開かれていない。地球温暖化対策の計画はなくなったまんま、空白の状態でほったらかし。先ほど局長が言われたように、地球温暖化対策本部で決めるんです、この計画は。それは一年ほったらかし。開かれもしていない。温対本部も開かれず、目標も決めず、一体どこで誰が温暖化対策、物事を決めているんですか。誰がやっているんですか。それで国際社会には数字は出せません。
これ、環境省副大臣、来ていただいていますね、今日。政治家としてどう思われますか。

○副大臣(北村茂男君) 何よりも政府としての統一見解を作って国際約束を守ることが前提、前提というか、それが基本だと思っております。
そのためにあらゆる努力はしてきているものの、例えば日本には独特の、独自の東日本大震災のような問題等もありました関係上、その草案等のまとめに若干時間が掛かってきたのが現状ではないかというふうに認識をいたしております。

○福山哲郎君 温暖化対策本部を開いていない、計画をしていない理由を全部東日本大震災のせいに、責任にするんですか、副大臣。環境副大臣としてやらなかったことを東日本大震災の責任にするんですか。これ大問題ですよ、今の発言は。僕はまさかそんな発言が出るとは思わなかったから。
僕は政治家としてこの状況を放置しておくのはどうかと聞いたら、日本は特殊の状態、独自のやり方があると、それから東日本大震災があったからだと。それで通用するんですか。東日本大震災の責任にするんですか。

○委員長(片山さつき君) 北村副大臣、再度御答弁をお願いします。

○副大臣(北村茂男君) 申し訳ありません。少し舌足らずでしたけれども、政治家としては、一日も早く国際約束を守るための我が党の見解をいち早く作っていかなければならないということは当然理解をしているところでありまして、これまでもその努力を続けてまいりましたが、十分成果を得なかったことは誠に申し訳ないと思っています。

○福山哲郎君 我が党というのはどういう意味ですか。あなたは今政府の立場で来ているんでしょう。(発言する者あり)今、我が党と言ったじゃない。

○委員長(片山さつき君) 御静粛に。
副大臣、今の御発言は訂正されますか。
訂正と言っていますが。(発言する者あり)止めますか。
速記止めて。
〔速記中止〕
○委員長(片山さつき君) 速記を起こしてください。
北村環境副大臣、再度御答弁をお願いします。

○副大臣(北村茂男君) 我が党と申し上げたとすれば、失礼をいたしました、取消しをいたします。政府としてのいち早い見解を取りまとめるよう、我々としても最善の努力をしていかなければならないというふうに考えているところでございます。

○福山哲郎君 いや、僕、別に副大臣を何か叱責しようと思ってお呼びしたわけではないんです。だけど、私が普通に聞いていることに対して、ちょっと問題の発言、東日本大震災があるからと、でも努力をしていると。努力をしていると言うけど、さっきの質疑で、副大臣、一回も開かれていないんですよ、温対本部は。計画空白のまんまほったらかしなんですよ。そうしたら、東日本大震災があると言って東日本大震災に責任を押し付け、どうなんだと聞いたら、今度は我が党としてはと。いや、私、別にこんなことで、済みません、声を荒げる予定では全然なかったんですけど。何言ってるんだろうな。
どうぞ、局長。

○政府参考人(梶原成元君) ありがとうございます。
当面の地球温暖化対策につきましては、平成二十五年三月十五日の先生が御指摘の地球温暖化対策推進本部で決定をしておりまして、その中におきましては、COP19に向けて二五%目標をゼロベースで見直すとともに、それに併せて、見直した数字を達成するために地球温暖化対策計画の策定に向けて検討をするということになってございます。
そして、先ほどこれまた先生御指摘の、四月三十日に中央環境審議会並びに産業構造審議会の合同専門家会合におきまして、日本の約束草案の要綱の案について御提示し、御審議を賜りました。
その中におきましても、今回、要綱の案という形でお示ししたものでございますけれども、これにつきましては、今後、政府の原案を取りまとめてパブリックコメントを行った上で温暖化対策本部で決定をするということとともに、それとともに、先ほどから御指摘の地球温暖化対策推進に関する法律、地球温暖化対策推進法に基づきます地球温暖化対策計画を策定をし、その目標の達成に向けた努力を進めてまいりたいと、こういうことも明記させていただいておるところでございます。

○福山哲郎君 いや、局長、それは先回りして全部答弁するのもいいけど、そんなこと今議論していないじゃない、まだ。そんな、後で副大臣に言ってもらうことを先に言っちゃえみたいなのは駄目ですよ。ましてや、それ先の話だけど、その手前の話が全くできていないという話をしているんだから。やっていないんだから。空白なんだから。いや、これ大問題ですよ。やる気のないという以前の問題。期限が迫っているのに、温対本部は開いていない、計画はできていない、去年の七月から全く開かれてもいない。何をやっているんですか、これ。今年、大切な年なんでしょう、二〇一五年法的枠組みのために。
安倍総理、アメリカの議会で何て言っているか御存じですか、アメリカの議会で。テロリズム、感染症、自然災害や気候変動ですよ、日米同盟はこれら新たな問題に対し共に立ち向かう時代を迎えましたですよ。立ち向かっていないじゃないですか。
今局長が言われた中環審と産構審で草案の原案が提案されました。それは、お手元にお配りをしたペーパー、一枚目のペーパーの四段目です。二〇一五年四月三十日提示案と書いてあるやつです。
これまで我々は、我々の政権のときには、基本的には九〇年度比をベースに議論をしておりました。もちろん二〇〇五年も、自民党政権はずっと二〇〇五年と言われていたので二〇〇五年という議論もしましたが、九〇年比で議論をしていました。そしたら今回、いきなり二〇一三年を中心に説明するという話だったんですね。二〇一三年を今回基準年とする根拠とか理由は一体どこにあるのか。これはどこが答えていただけるのでしょうか、環境省でいいのかな。

○副大臣(北村茂男君) 今後どういう削減行動を取るかが重要であります。基準年については二〇一三年度と二〇〇五年度の両方を登録することといたしておりまして、二〇一三年度比を中心に説明を行っていく予定でございます。

○委員長(片山さつき君) 副大臣、御質問の御趣旨は、二〇一三年度というのの理由というのが福山委員の御質問ですが、お答えになれますか。

○副大臣(北村茂男君) 二〇一三年度は、二〇一一年度の震災を機に我が国の社会情勢が大きく変わったことも踏まえまして、直近の状況を踏まえて基準年といたしたものでございます。また、二〇〇五年度は我が国が掲げている二〇二〇年度目標に整合性を持たせたものでございます。
いずれにせよ、我が国は、現時点で考え得る高い削減目標を掲げまして、着実に国内での削減を進めてまいります。さらに、技術開発を進めまして、JCM等の活用を果たし、世界全体の温室効果ガス排出削減に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

○福山哲郎君 よく分からないですね。
基準年を二〇一三年と二〇〇五年、複数登録している国は過去これまであるんでしょうか。地球規模課題審議官尾池さん、お答えいただけますか。

○国務大臣(岸田文雄君) これまで約束草案を提出した国、九つの国と地域があります。その中で基準年を二〇一三年としている国、あるいは複数登録している国、こういった国はございません。

○福山哲郎君 いいですか、複数年登録している国ないんです。副大臣、何で複数年登録している国はないのに、それでなくても遅れているんですよ、この国は。三月末までに出せていないんです。それで、これ二通り登録すると。
私、意味分からないんですけど、お手元にお配りをした資料、二〇一五年四月三十日提示案、見ていただければと思いますが、基準年、二〇一三年と二〇〇五年と書いてありますが、二〇一三年だと、削減量はマイナス二六です。二〇〇五年だと二五・四なんです。実はその差が〇・六しかないんですね。〇・六しかない状況ですから、実は二〇一三年と二〇〇五年のCO2の排出量はほぼ近い数字なんです。それを何でこれ二種類出して、逆に国際社会からは、何か日本は細工しているんじゃないかと、何かまた、日本は何で急に二〇一三年みたいな数字を出してきているんだというふうな疑念は、交渉上、私は非常にポジションとして良くないと思うんですね。
これ、完全に二〇一三年度と二〇〇五年度の排出量が差があった場合に、例えば、先ほど副大臣言われた、百歩譲って、東日本大震災で日本はいろんな状況が起こった、火力が増えた、そのことも含めて考える、そのときがっと増えているというんだったら分かるんですけど、これ二〇〇五年度と余り変わらないんですよ。それなのに、何でこれ二通り出して、国際社会でいうと、日本は何かひょっとしたら変に数字を細工しているんじゃないかと思われるようなポジションを取るのか私には理解できないんですが、副大臣、もう一回理由を教えていただけますか。

○国務大臣(岸田文雄君) 今御質問の点ですが、二〇〇五年と二〇一三年、基準年を二つ登録していることの意味ですが、端的に申し上げますと、日本の実情が他の国と違う、特異な実情が存在するということをより的確に説明するためだと私は認識をしております。
この二〇〇五年と二〇一三年の間に、先ほど来御指摘がありました二〇一一年の東日本大震災が存在いたします。その間の地球温暖化ガスの排出の実情、日本の実情を申し上げるならば、二〇一一年に先立ってリーマン・ショックがあり排出量がぐっと下がった後、東日本大震災を経て排出量がぐっと高まり、そして、その後また努力を続けて今日に至り、これからまた更に努力をしていこうというのが我が国の実情であります。
ほかの国のように、二〇〇五年から二〇一三年にかけて引き続きずっと努力を続けている、一つの傾向の下に努力を続けている、こういった他の地域とは違うということをより的確に説明するために、二〇〇五年と一三年、二つ登録をし、そして、この数字はほとんど変わらないというのは、今申し上げたような実情があるんだということを説明する、この説明の材料としてより的確な数字を出すために二つ基準年を出しているのがこの意味であると私は認識をしております。そういったこの我が国の実情をより的確に説明するためにこうした対応を取っていると御理解いただければと考えます。

○福山哲郎君 大臣の御答弁は理解をしないわけではありません。しかし、国連加盟国が全部そろって大変な会議になる中で今の話がどれほど、だって数字的に言えばほとんど変わらないわけですから、ましてやリーマン・ショックは世界中あります。更に言えば、例えばドイツなどは将来的に原発をなくすことを決めています。それは、いろんな国がいろんな事情あるはずです。もっと言えば、途上国が急激に経済成長して、ひょっとしたら石炭火力をどんどんたくような状況が起こり得るかもしれない。起こり得ている状況もあると思います。
つまり、いろんな国がいろんな状況の中でそれぞれの目標を一定、国際社会で共通のプラットホームをつくろうということで今努力をしているところです。そこで我が国だけが二つの目標年を、これどういう意図で出したかよく分かりませんが、ほとんどCO2の排出量は変わらない状況の中で、もちろんそのときの電力の電源の構成比とかエネルギー比の実情がずれているのは分かりますが、それはそれぞれが、だって二〇五〇年までに先進国八〇%削減しなきゃいけないわけですから、その状況の中の一つの点として議論する中で、その二種類の基準年に意味があるのかどうかが私は少し理解ができないんですね。それが国際交渉上、本当に日本の実情を理解してもらえるのか、かえって日本の交渉のポジションを不利にするのではないかというふうに私自身は懸念をしているんです。
もし、大臣、御答弁があるのならどうぞ。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、二〇〇五年を基準年として一つ挙げたのは、米国を始めとする他の国、地域におきまして二〇〇五年を基準年にしているということが多いものですから、それとの比較において一つ示す必要があったのではないかと思います。
加えて、先ほど申し上げました、二〇一三年までに様々な動きが我が国の中にはありました。特異な事情が存在をいたしました。そして、その後、二〇一三年以降、要は今日から後、未来にかけていかに日本が努力をしているのか、これをしっかり示す意味から、二〇一三年を基準年にする意味があると考えております。
実際に二〇一三年以降の数字を見ますと、日本の二六%、米国と比較しましても、EUと比較しましても、これは大変意欲的な数字だと認識をしております。日本の特殊な事情を説明する上で、そして何よりも、今日から未来にかけて日本がいかに努力をしているのか、この姿勢を示す上で、この二〇一三年と二〇〇五年、二つの基準年を示す意味はあるのではないかと認識をいたします。

○福山哲郎君 大臣のお言葉ですが、この二〇一三年度比、二〇〇五年比のマイナス二六%とマイナス二五・四%というのは、九〇年比にすると一八%のマイナスで、我々は九〇年度比は六%削減の達成をしましたので、実はもうマイナス一二%なんですね、九〇年度比でいけば。ということは、二〇一二年から二〇三〇年まで十八年掛かってマイナス一二しか下げないという話になるので、どの程度の野心的な目標かどうかということに関して言えば、少し、若干それは認識の違いがあるというふうに思いますが。
ただ、この数字で、二〇五〇年までに先ほど申し上げた八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すという我が国の長期目標についてこれは整合性が取れるのかどうか、それから、この二〇五〇年八〇%という排出削減の数値は現在も維持されているのかどうか、この二つについて、じゃ、副大臣、お答えください。

○副大臣(北村茂男君) 中長期的な温室効果ガス排出削減には、今後の技術開発等、技術水準がどうなるか、あるいは社会経済構造の変化も大いに作用するものと考えております。このため、二〇五〇年に向けた大幅削減の道筋は単一のものではなくて複数、いろんな要素が重ね合うものというふうに考えておりまして、したがって、道筋は幾つもの多様な道筋が考えられるというふうに考えております。
今般お示しした二〇三〇年度における二〇一三年度比二六%減という目標水準であれば、我が国が将来にわたり低炭素技術の開発普及あるいは社会経済構造の低炭素化などの施策を取っていけば、二〇五〇年度までに温室効果ガス排出量の八〇%を削減するという長期目標の達成に決して支障を来すものではないというふうに考えているところでございます。

○福山哲郎君 それはちゃんと根拠を提示していただけるんでしょうか。

○政府参考人(梶原成元君) 今の点でございますけれども、二〇五〇年、これに至るルートについては、先生よく御存じのように、IPCCにおきましてもいろんなルートがあるという形になってございます。
今回、二〇三〇年度におきまして二〇一三年度比二六%、二〇〇五年度比二五・四%でございますけれども、この数字につきましては、先ほど副大臣が答弁申し上げましたように、いろんなルートがあると思います。今後、科学技術、例えばIPCCの世界では二酸化炭素を吸収するような技術の大幅導入を含めて、先ほど先生がおっしゃられるように、先進国全体で八〇%カットといったようなことを目指していく社会、二〇五〇年、そして二一〇〇年に向けた社会に進めていくということでございます。
今、一個一個技術をもってこれだけやれますというのはなかなか難しいところでございますけれども、そういった過程、そういったプロセスを取って、二〇五〇年八〇%については今後ともその達成に努めていきたいと思っておるところでございます。
それと、あともう一点、先生御指摘の、二〇五〇年の八〇%削減については生きているのかという御指摘でございました。これは、平成二十四年四月に閣議決定いたしました第四次の環境基本計画におきまして長期目標として掲げているところでございます。当然ながら、現在も生きているということでございます。

○福山哲郎君 環境副大臣、現在も生きているでいいんですね。

○副大臣(北村茂男君) はい。まだ生きているものと認識をいたしております。(発言する者あり)いえいえ、今もその計画は十分引き続いているものと理解をいたしております。

○福山哲郎君 外務大臣、多分、尾池審議官等が交渉立たれるんですね。今の議論を前提にこれ交渉立つと、本当に日本何言っているのかよく分からなくなります。
これ、ミッション持って外交交渉入るそれこそ外務省と環境省と経産省の役人が、それぞれが自分の思惑で発言したりしないようにしっかりグリップしていないと、先頭立って交渉に入る外務省のメンバーは本当に困ります。これ私、現場を何回も見ています。今年の十一月―十二月のCOPは非常に重要な会議なので、是非ここは閣僚間でも認識を共有していただいて、役所同士で調整している分にはこの問題はまとまらないんですよ、それぞれの役所の思惑が違うから。だから、逆に政治のリーダーシップが僕は必要だと思っているんですね。
安倍総理のように全然やってもいないのに頑張る頑張ると言っても、実際にこうやって数字出てこないし、具体的なプロセスも出てこないし、非常に私は心配をしているというか、将来の気候変動問題についても含めて、ちょっと私自身は懸念をしております。
今日も報道で、「世界のCO2「危険水域」を突破」、アメリカの海洋大気局、NOAAが、CO2濃度が三十五年間で約一八%増え、四〇〇ppmの大台に達した、世界四十か所の観測結果から明らかになった、四〇〇ppmを超える状態は地球温暖化の危険水準とされるというのがこれ報道出ているんです。
やっぱり、あちこちでの異常気象も含めて、気候変動の問題は将来の世代に対する今の我々の責任ですので、外務大臣、是非そこは政府の中でリーダーシップを取っていただきたいというふうに、もうこれは本当にお願いですが、お願いをしたいんですが、いかがでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) まず、政府としての目標ですとか数字につきましては、例えば二〇五〇年までに温室効果ガス排出量を八〇%削減する、こうした長期目標を達成するということについては今も全く変わっていない、こういったことについては先ほど環境副大臣から答弁があったとおりであります。こういった目標につきましては、政府全体としてしっかりと確認をした上で公にするものでありますし、その点につきましては、しっかりと政府としての方針統一、確認しなければいけない、そのとおりであります。
そして、御指摘のように、COP21、十二月パリで開催されます会議、これは世界中が注目をしております。私も海外に出まして様々な外務大臣あるいは要人と議論する際に、このCOP21に対する熱意、これは国内では感じられないほど大変強い熱意を感じるところであります。
こうした世界中が注目する会議に向けて、是非、政府として一丸となり、この方針を確認し、そしてこの会議においてしっかり貢献できるように、私も政府の一員としてしっかり努力をしていかなければならないと認識をいたします。

○福山哲郎君 岸田外務大臣には是非御検討いただきたいと思います。
正直申し上げまして、もちろん東日本大震災もありました。しかしながら、日本の気候変動対策、政策に対するモメンタムがやっぱり落ちているということは海外はよく分かっています。非常にモメンタムが落ちていると、もう海外はお見通しです。私のところには、多少昔一緒に交渉した人とかからも、これ日本は一体どういう状況なんだ、今は、ということも実は入ってきています。だからこそ、この半年、非常に重要なので、よろしくお願いしたいと思います。これは本当に将来の世代への責任ですから、是非、今日御出席をいただいている経産の副大臣も環境の副大臣も大臣にお伝えください。
やっと緑の気候基金になります。先ほどの状況だと、この法律賛成できないんじゃないかと思っちゃうぐらいな答弁だったんですけど。
GCFは、実は私が政府代表団で出席をさせていただいたコペンハーゲンのときに、コペンハーゲン緑の気候基金の設立を決定すると記載されて、翌年のカンクン合意の中で正式に決定されたものです。それで、昨年まで制度設計とか資金動員の開始の準備が行われてきています。ですから、私はこの基金には一定自分の責任も感じています。だから、早く決めていただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
気候変動の影響への適応策のために開発途上国において必要となるコストはどれぐらいだと今推計されているのか、お答えいただけますか。どうぞ。

○政府参考人(梶原成元君) これまでいろんなレポート、複数のレポートがあって、それぞれ数値が大幅に違うわけでございますけれども、最新のIPCCの第五次報告書におきますと、その具体的な数値ということではありませんが、世界全体の適応費用を算定する研究にはデータ、手法、対象範囲が不十分という特徴がある、世界の適応ニーズと適応に利用可能な資金とのギャップを示す証拠は限られているなどと書いてございます。いずれにしましても、IPCCでは適応コストに関する十分な知見は得られていないというのがレポートでございます。
それ以外に、UNDPとかUNFCCとか世銀が二〇〇七年とか二〇一〇年に出しております。これも非常に幅がありまして、一番低い数字では二百八十億米ドル、一番高いものでは一千百億米ドルといったような、これはそれぞれ一年間に必要なケースでありますけれども、相当開きがある数字が挙げられているというのが実態でございます。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
実は毎年の適応策で、世銀では、年間ですよ、七百から一千億ドル、それから国連環境計画では年間一千五百億ドル、その後、二千五百から五千億ドル、非常に多額な額の推計が出てきています。これはもう国際社会にとっては大変なコストです。今回、GCFに拠出が表明された資金の総額は約百二億ドルです。正直申し上げると、全然足りません。乖離が激しいです。
例えばの例で申し上げると、コペンハーゲンのときに、当時、クリントン国務長官が、二〇二〇年までに年間一千億ドルの資金を官民で調達するということを言われました。それに合わせて日本も協力をして、実は日本も今まで百七十六億ドルの官民合わせての支援を実施してきました。
これ難しい話なんですけど、この二〇二〇年まで一千億ドルの資金を官民で調達するという話と、先ほど申し上げた世銀やUNDP等で議論されている話と、整合性というか、国際社会ではどういうふうにこの方向性、時間感覚ももちろんあるのでなかなか難しいんですけど、どういうふうに整理をされているのか、局長、お答えいただけますか、若しくは外務省でも結構ですが。

○政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。
先ほど先生から御指摘のあった世銀ですとかUNDPですとかあるいはUNEP、それぞれ推計がございます。これらの推計については、先ほど御答弁ありましたように、かなりの幅がございます。国際交渉の中で資金ニーズとして現実に語られているのは、まさにコペンハーゲンのときの一千億ドルでございまして、これを二〇二〇年までにいかにして調達するのかということが現在交渉の大きな焦点になってございます。

○福山哲郎君 そうですよね。
ところが、今回、GCFで一つの基金ができるわけですけど、実は気候変動に関する基金っていっぱいこれまでもあります。地球環境ファシリティー、GEF、適応基金、後発開発途上国基金、気候投資基金などがもう既に存在をしています。それぞれの基金の額はもう僕は申し上げません、時間がないので。
実は、これらの基金とGCFをやっぱりすみ分けをすること、それから全体のニーズは、この基金それぞれやっているわけですから、全体の必要額に応じては、それぞれの基金がある中で、どういう形でこのGCFとのすみ分けをすること、それから資金を効率的、効果的に運用していくこと、それぞれの基金同士の関係をどういうふうに整理をしてルール化していくか、こういったことを検討する必要があると考えていますが、そこについては政府はどういうふうにお考えでしょうか。

○国務大臣(岸田文雄君) 緑の気候基金と既存の他の基金とのすみ分けの話ですが、例えば地球環境ファシリティー、GEFというものは気候変動対策以外の地球環境問題、生物多様性保全など、こういったものも支援するとされています。また、適応基金、AFというものがありますが、この適応基金は気候変動の影響への対応、つまりこの適応のみを支援して、その規模も限定的であるとされています。そして、気候投資資金、CIFというものがありますが、このCIFは、今御議論いただいております緑の気候基金、GCFが機能するまでの限定的な基金、つなぎであるとされております。
その中で、今回のGCFですが、開発途上国における温室効果ガス削減、緩和だけではなくして、これまで支援が届きにくかった気候変動影響への対処、つまり適応についても幅広く支援することを予定しております。今後の気候変動対策支援において、このGCFというものは資金面で中心的な役割を担っていくものと我が国としては期待をしております。

○福山哲郎君 ありがとうございます。
GCFでございますが、四月の三十日までに拠出を求められているというふうに役所からはずっと説明を受けていまして、それに合わせて委員会としては協力をしていきたいというふうに考えておりましたが、残念ながら、ちょっと委員長の問題があって時期がずれたということは残念だと思いますが、問題であったイギリス、ちょっと遅れていたイギリスの署名の最終調整は結果としてどうなったか、お答えいただけますか。

○政府参考人(尾池厚之君) イギリスは拠出約束をいたしまして、契約を締結いたしました。

○福山哲郎君 そうすると、日本の今回この法律が通って、やると、稼働要件に適合するということですね。

○政府参考人(尾池厚之君) そのとおりでございます。

○福山哲郎君 そうすると、稼働していくということなんですけれども、GCFの支援案件の選定、実施に我が国の発言権はどのぐらい担保されるのか。
それから、事務局職員の中で日本人の職員を、今一名だけだと思いますが、より多く採用してもらいたいと思いますが、そこについてどう考えられているのか。
それから、先ほど若干、三木先生の指摘もありましたけれども、中国、インド、ブラジルが支援対象になるのかどうか。これは本当にこれから、逆に言うとCO2を削減しなければいけないという点もありますが、ここの支援対象は、中国、インド、ブラジルはどうなのか。
この三つについてちょっとお答えをいただけますでしょうか。

○政府参考人(尾池厚之君) お答えを申し上げます。
まず最初のお話でございますけれども、GCFの案件の選定は理事会で行われます。日本は理事の席を持っておりますので、理事会において採択に関していろいろ発言をしていくということだと思います。
例えばですけれども、小島嶼国ですとかあるいは後発開発途上国に対する支援を日本は大変重視していますが、先進国はかなり同じ共通の認識を持っておりますので、先進国の理事と協調しつつ、かつ、島国あるいはLDC出身の理事とも協調しながら案件の採択を目指していくということかと思います。
日本人職員は、委員御指摘のとおり、現在一名でございます。応募している方はほかにもいらっしゃいますので、今後とも支援をしていきたいというふうに考えてございます。
最後に、インドあるいは中国が支援対象となるかということでございますけれども、現在の気候変動枠組条約においてはインドも中国も支援を受ける国の方に分類をされてございます。そういう意味では支援対象にはなりますけれども、ただ、国際社会において後発開発途上国や島国などの脆弱な国々を是非支援していくべきだということがほぼ、特に先進国では共通の認識となっておりますので、我が国もこれを主張して、是非実現をしていきたいと考えてございます。

○福山哲郎君 明快にお答えいただいてありがとうございました。
最後に、気候変動の問題、今の政権は若干私は消極的、若干じゃないな、かなり消極的だというふうに思っておりますので、この法案については我々も生んだ責任がありますからもちろん賛成をしますけれども、しっかり温暖化対策についてもやっていただきますことをお願いして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。


05/07

2015

参議院外交防衛委員会 質問


参議院外交防衛委員会が開催され、緑の気候基金法案、温暖化対策について、外務大臣や環境副大臣等を質しました。
法案には賛成しましたが、今の政権の気候変動への取組は非常に消極的です。 (議事録


05/07

2015

「訪米報告&外交防衛委員会質問」


こんにちは。連休はいかがお過ごしでしたか。
今日からお仕事の方も多いのではないでしょうか。

さて、昨日の夕刻に、5月1日からの訪米のスケジュールを終え、帰国しました。
今朝は、早々に国会の事務所に入り、午後には外交防衛委員会で質問する予定です。
まだ時差ボケ中です。さすがに少しキツイ日程です。とはいえ、とても充実した訪米でした。

今回は、日本経済研究センターと日本国際問題研究所による「日米知的交流・共同研究プログラム」の一環で開催されたもので、国際関係や安全保障に関して、日米の政府関係者、経営者、専門家が対話することを目的としたものです。アメリカの戦略国際問題研究所(CSIS)を皮切りに、ランド研究所、ブルッキングス研究所それぞれで、パネルディスカッションやセミナーを行いました。
民主党からは、前原元外相、玄葉前外相、長島元首相補佐官、そして元官房副長官として私が参加しました。与党からは、西村内閣府副大臣、小野寺元防衛相、岩屋毅衆議院議員、上田勇衆議院議員が参加。併せて民主党政権時の防衛相だった森本敏教授、国連大使だった北岡伸一教授や数人の経営者も参加されて、それぞれの立場から、率直に意見交換ができた、と考えています。
訪米団の内容について、日本経済新聞に記事が出ています。

旧知の友人や、外務省、官邸時代にご一緒した官僚の皆さんとも再会することもできました。メニューが盛りだくさんで、緊張の連続でしたが、とてもいい時間を過ごしました。
日本経済研究センターやANAをはじめ、多くのスタッフの方々にもお世話になり感謝でした。


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