04/17

2018

第196国会 参議院 外交防衛委員会 2018年4月17日


○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。よろしくお願いします。
外務大臣、防衛大臣におかれましては、足下いろんな課題がある中で御苦労さまでございます。
シリア情勢について外務大臣にお伺いします。
米英仏による武力攻撃について決意を支持すると総理は表明をされました。外務大臣は五日ほど前、まだ武力攻撃が行われる直前だと思いますが、私とのやり取りの中で、状況が分かり次第、我が国としても対応方針をしっかり固めてまいりたいというふうに思っているところでございますと。で、支持をされました。状況はかなり具体的に理解をしたという判断でしょうか。NSCも開催されたと聞いておりますので、どのような状況を把握されたのか、お伝えいただけますか。
○国務大臣(河野太郎君) 我が国として、アサド政権は化学兵器を使用する能力を有していると認識をしておりまして、米国等の措置は化学兵器使用の可能性を低下させるための措置であったというふうに認識をしております。
アサド政権はこれまでも化学兵器を使用してきたことが確認されており、例えば、二〇一四年四月のイドリブ県のタルメネス、あるいは二〇一五年三月の同じイドリブ県のサルミン及びクメナス、そして二〇一七年四月のハーン・シェイフーンではサリンを使用してきたということがOPCW及び国連によって委任された共同調査メカニズム、JIMの調査により客観的に確認をされているところでございます。
そういう意味で、今回の米国、イギリス、フランス、この化学兵器の使用を許さないという決意、そしてその措置を理解するというのが日本政府の方針でございます。
○福山哲郎君 今の大臣の表現、非常に微妙な表現なんですけど、化学兵器の使用の能力を有する可能性を低減させるという御理解だということは、その今回のダマスカス近郊での化学兵器使用の疑惑についての攻撃という認識ではないということですね。
○国務大臣(河野太郎君) アサド政権が化学兵器をこれまで使用してきた、そして使用する能力を有している、それに対して、アメリカ、イギリス、フランスの措置は、化学兵器使用の可能性を低下させるための措置であったと認識をしております。
○福山哲郎君 それ、結構重要なんじゃないですか。
ということは、化学兵器の使用の事実関係について確認をしているわけではなくて、化学兵器使用の能力があるということと可能性を低減するための攻撃だということについて支持をしたということですね。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカ、イギリス、フランスの化学兵器を使用を断じて容認しないという決意を支持したわけでございます。
○福山哲郎君 いや、少し驚きなんですね。
やはり、ダマスカスで化学兵器を使用されたと、で、市民も大きな被害に遭ったという人道的な議論で、そこの事実関係を確認して支持するということなら分かります。
ということは、大臣、あのときに、実はその十二日のやり取りの中で、アメリカの軍事行動については、具体的にアメリカの軍事行動云々について今ここで申し上げるようなものはございませんということで、何もない、材料はないというふうに明確に私に答弁をいただいたんですけど、現時点においては、アメリカから何らかの化学兵器使用の根拠についての連絡も証拠の提示もないと。
答えられないというのは、僕は、まあ一定理解するとは言いにくいんですけど、一定理解するんですが、一般的には、NSCで議論する中で、アメリカからこういう提示とこういう具体的な根拠があったという議論の中で支持するかしないかと議論するのが普通の話で、化学兵器使用の能力があるから支持します、それに対しての、低減するために支持しますというのは、ちょっとNSCの議論として言うと、僕はちょっと余り例を見ないんじゃないかと思うんですけど。
ということは、現時点について、アメリカからは何らの根拠も、具体的にアメリカの軍事行動云々についても連絡はないということですか。
○国務大臣(河野太郎君) シリア情勢について、アメリカあるいはイギリス、フランスと様々なやり取りをしておりますが、具体的にそのやり取りの詳細について公の場で申し上げるのは控えたいと思います。
○福山哲郎君 さらに、前回の質疑の中で外務大臣は、OPCWの調査が行われ、事実解明に向けてそうした調査等が行われておりますので、早急な真相究明を期待したいという御答弁をいただいています。私も早急な真相究明を期待したいと思っておりますが、残念ながら、OPCW調査団は、本来なら調査が始まるべきところを、アサド政権とロシア側のいろんな理由によって調査チームの立入りは認められない状況だと。
先ほども別の委員の方の質疑で河野大臣は、このOPCWの調査に期待するというような発言がありましたが、現状、この調査のチームが立入りが認められずに調査ができていないという事実については、今どのような事実関係の認識と、どういうふうに対応するというふうにお考えですか。
○国務大臣(河野太郎君) OPCWの調査団がシリア入りしたというところは確認ができていると思いますが、実際の現場に入れるかどうか、これは今、様々なやり取りがまだ行われている段階ではないかというふうに思います。
○福山哲郎君 ということは、日本政府の認識よりもう報道の方が早いということですね。
逆に言うと、OPCWの調査の事実関係を確認して、先ほどまさに大臣が私にこのやり取りの中で御紹介いただいた、何回もアサド政権が化学兵器を使用しているということの事実があると、まさに事実関係をもって、OPCWの調査の事実関係をもって我が国は軍事行動への支持をし、逆に言うと表明してもよかったということではないんですか。
○国務大臣(河野太郎君) これまでシリアの中における化学兵器の使用の確認をしたのは、OPCWと国連の共同調査メカニズム、JIMでございますが、残念ながら、JIMのマンデートの延長を日本は安保理で提案をいたしましたが、安保理で否決をされております。OPCWの調査は、使用された兵器の種類の特定はできるかもしれませんが、そこまでというのが認識でございます。
いずれにしましても、今回の米国等の措置は化学兵器使用の可能性を低下させるための措置であり、こうした化学兵器が今後使用されることを許さないというこのアメリカ、イギリス、フランスの決意は日本として支持したいと思います。
○福山哲郎君 ということは、予防措置のために武力攻撃をしたということになります。そのことが本当に国際法上どういう議論になるのかというのは、少し私も研究しなければいけませんので、余り軽々にこの場では申し上げにくいと思っておりますが、今後事態の展開もあると思いますし、いずれにしろ化学兵器の使用は許せないことだと思いますが、次に参りたいと思います。
少し、くだらないけど重要なことを申し上げます。河野大臣、日米首脳会談、結局ゴルフを安倍総理とトランプ大統領やられるというふうに今日官房長官は言われたそうですが、外務大臣はその事実は、予定を把握されていますか。
○政府参考人(船越健裕君) 日米首脳会談につきましては、安倍総理は本日から二十日まで、米、アメリカのフロリダ州のマーラ・ラゴを訪問いたします。二日間にわたりじっくりと日米首脳会談を行う予定でございます。その間、北朝鮮問題等について話をするとともに、また夕食会やゴルフなどくつろいだ雰囲気の中で話し合うことで、両首脳の信頼関係を一層強固なものにしていく、したいと考えているところでございます。
○福山哲郎君 いや、済みません、ゴルフの予定はありますか、確認させてください。
○政府参考人(船越健裕君) 夕食会やゴルフを含めてくつろいだ雰囲気の中で話し合うということを予定しておるところでございます。
○福山哲郎君 ということは予定があるということですね。外務大臣はこのことについてはもう了として総理に訪米いただいたということですか。
○国務大臣(河野太郎君) ゴルフをやっている時間、安倍総理、トランプ大統領、極めて親密に長い時間共有するわけですし、そのさなかで様々なことも話合いができる、これは今までアメリカでも日本でもそういうことをやっておりましたので、そういうこともこういう状況ですからよろしいかと思います。
○福山哲郎君 シリア情勢は緊迫して、国連も緊迫しております。国内では、柳瀬さんの証人喚問の議論も含めて非常に国会情勢も緊迫しております。防衛省は日報の問題で本当に課題がたくさんあります。私はゴルフ自身をとやかく言うつもりはありません。ゴルフはれっきとしたスポーツですが、別に親密な関係ならば会議室でもできるはずです。そういう姿を、逆に言うと、空爆をした直後のトランプ政権と、かなり国内では政治情勢厳しい安倍総理がゴルフをやると。別に会談も中身もいろんな形ではできるはずで、なぜゴルフかということについて言えば、済みません、私は少し理解しかねるというふうに申し上げなければいけないと思います。なぜ今ゴルフをやって会談をしなければいけないのか、国民が理解すると私は思いません。
時間ももうないので、防衛大臣、イラクの日報について幾つかだけお伺いします。
今までイラクの日報が出てこなかったことは非常に遺憾なんですけれども、これ、イラクの日報、先ほど井上議員も少し言われましたが、非常にロケットとか迫撃砲が宿営地近辺等々に飛んできている状況の実は日報は存在していないんですね。今回出てきていないんです。非常に迫撃砲、ロケットが出てきているのは、自衛隊の活動行動史の中にちゃんとそれがあるわけですけど、日報出てきていません。
それで、実は二〇〇四年から二〇〇五年にかけてイラク特措法の延長をしておりまして、基本計画を二〇〇四年の十二月九日に延長して、そして基本計画をもう一回作り直しています。イラク特措法の実施要項だと、活動を実施している場所の近傍において戦闘行為が行われるに至った場合等はと、一時休止や避難の問題、それから実施区域の変更及び活動の中断に関する事項、それから派遣の終了等について防衛庁の長官に状況を報告しろということが実施要項に書かれています。
誤解をしないでいただきたいのは、私は、この数年間にわたって陸自と航空自衛隊がイラクの復興活動に貢献をいただいたこと、危険の中でやられたことについては、私は本当に御苦労さまで、そのことについては心から敬意と感謝を申し上げたいと思いますが、そのことをシビリアンコントロールでマネジメントする前提の日報でございますが、これ例えば二〇〇四年にこうやって延長する際に、当時の防衛庁長官等にこの日報の中身は上がった上でこの延長はちゃんと議論されているんでしょうね。その事実関係はどうお考えですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) 日報につきましては、基本的に派遣された部隊が上級部隊に対して報告するものでございますが、当然その中の、日報そのものではないかもしれませんけれども、その中の非常に重要な要素、つまり防衛庁、当時は防衛庁長官でございますけれども、そうした政治指導者も含めて、上層部に必要な情報についてはきちっと御報告申し上げたということでございます。
○福山哲郎君 必要な情報等と言われますが、その必要な情報等が何なのか、日報の中身のうちの何を伝えた上でこれを延長したのか、これ当然基本計画の中には、何らかの戦闘行為が行われた場合には撤退も含めて議論するとあるわけですから、そこに、ちゃんと議論に、俎上にこの日報の存在と内容の存在が上がっているのかどうかというのが、シビリアンコントロール上も、隊員の安全確保上も、それから法的にちゃんと活動しているかについても非常に私は重要な要素だというふうに思っているんですけど、今非常に鈴木さんは微妙な表現をされました。必要なものは上がっているはずだと。
残念ながら、この二〇〇四年、二〇〇五年の延長のときに、この二〇〇四年の実は日報は今回出てきておりません。どちらかというと、迫撃砲とかロケット砲の飛んできた飛んでこないということについては日報が出てきていない傾向が強いんですね。このことについては、二〇〇四年の日報も、是非、探せる場合には出していただきたいと思っていますし、今申し上げた、当時の延長のときにちゃんと防衛大臣、当時は防衛庁長官でしょうか、長官まで一体どのレベルの報告が上がってきたのかというのは、シビリアンコントロールの私は肝だと思っておりますので、防衛大臣、是非、日報を出していただくことと、今の政策決定、意思決定のプロセスについてどういう情報が大臣に上がっていたかというのは重要なことだと思いますので、是非、そこについて御検討いただき、前向きに対応いただきたいと思いますが、その答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(三宅伸吾君) 時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○国務大臣(小野寺五典君) 今回の日報、イラクの日報が、開示させていただきましたが、やはり現場の部隊がこれは緊張感を持ってしっかり対応していたという貴重な一次資料だと思っております。
今、日報等について統幕に一元化の作業をしております。また、自衛隊にあれば速やかに上げて、そして開示、不開示の作業をした上でまた公開するという作業をこのイラクの日報について行っておりますので、また私どもとして確認できればその時点で速やかに公表できるような作業をしていきたいと思っております。
○委員長(三宅伸吾君) 福山君、終わりですか。
○福山哲郎君 もう終わります。今の答弁、若干不満ですが、終わります。


04/17

2018

外交防衛委員会で質問


参議院外交防衛委員会で質問に立ちました。
シリア情勢やイラク日報問題について関係大臣を質しました。

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04/15

2018

福岡県へ


立憲民主党福岡県連が主催した街頭演説会、市民対話集会に参加しました。
市民対話集会では参加された方々から多くのご質問やご意見を頂きました。

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04/12

2018

第196国会 参議院 外交防衛委員会 2018年4月12日


○福山哲郎君 おはようございます。福山でございます。よろしくお願いいたします。
大変お忙しい中、外務大臣に御出席を賜りました。ありがとうございます。韓国での日韓の会談もやられて本当にお疲れのところ恐縮でございますが、日韓の外相会談、韓国大統領との会談、さらには緊迫しているシリア情勢の問題がございますので、外務大臣にお伺いしたいことを幾つか聞かせていただきたいと思います。
まず、シリアでございます。
シリアの首都ダマスカス近郊で化学兵器使用疑惑があったのではないかということで、緊張状態が高まっています。トランプ大統領が重大な決定を下すと武力攻撃を示唆をした四十八時間をそろそろ超えてきています。国連では、ロシアが拒否権を発動している状況になっております。フランスやイギリスの動向もいろいろ動いているようでございますので、このシリア情勢につきまして、日本の対応方針と現状、現下の情勢について外務大臣はどのような認識であるのか、またアメリカの武力攻撃の蓋然性はどの程度なのか、お答えできる範囲でお答えいただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) シリアの首都ダマスカスの近郊東グータ地区におきまして化学兵器が使用された空爆が行われ多数の市民が死亡しているという各種情報に接して、深く憂慮しております。WHOが入手した情報によれば、数十人程度が死亡し、数千人の被害があるのではないかということでございます。
化学兵器の使用はいかなる場合でも許されるものではなく、使用した者は厳重に処罰されなければならないというのが日本政府の立場でございます。特に昨今、化学兵器が使用されたと思われる事案あるいは使用された事案が散見されて、化学兵器の使用に関する敷居が低くなっているということを大変深く懸念をしてございます。化学兵器の使用に対する調査、処罰というものをもっともっと厳重にやって、化学兵器の使用の敷居を高めていかなければならないのではないかというふうに思っております。
このシリアの状況につきましては、今OPCWの調査が行われ、事実解明に向けてそうした調査等が行われておりますので、まず、この事案の早急な真相究明を期待をしたいと思っております。
また、国際社会の中でこの化学兵器の使用に関する議論というのが動きつつございますので、我が国政府としても積極的にそれに関与してまいりたいと思っております。
○福山哲郎君 済みません、私の質疑に、今の問題は御答弁それで結構ですが、アメリカの攻撃の蓋然性をどの程度見ておられるのか、また国連でのロシアの拒否権の発動、それから英仏の動向について大臣はどのように今状況を御覧いただいているのか、教えていただければと思います。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカの状況につきましては、現時点で特に何かということはございません。
フランス等が様々な意見を述べているというのは承知をしているところでございます。
状況が分かり次第、我が国としても対応方針をしっかり固めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○福山哲郎君 地政学的に我が国に直接安全保障上影響があるとは思えませんが、トランプ大統領は同盟国とも緊密に連絡を取っていると、基本的にこれはヨーロッパの国々のことだと思いますが。
じゃ、アメリカから日本に、この問題について何らかの状況の報告が今あるわけではないということですね。
○国務大臣(河野太郎君) アメリカの軍事行動について、アメリカがどのように決定をしようとしているかというのは、英仏と様々やり取りをしているという情報には接しておりますが、具体的にアメリカの軍事行動云々について今ここで申し上げられるようなものはございません。
○福山哲郎君 国連の安保理の否決に関して、拒否権をロシアが発動したことについて、あの中身その他について、日本政府としては、あの国連の安保理の内容については、日本としてはあれについては賛意の内容だというふうに判断してよろしいんでしょうか。
○委員長(三宅伸吾君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(三宅伸吾君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(河野太郎君) 我が国として、安保理決議の内容について対外的に発信をしているところではございませんが、この化学兵器の使用といった重要な問題について国際社会の足並みがそろわないということ、これを深く懸念をしているところでございます。
○福山哲郎君 もうその程度でしようがないと思いますので、次へ行きます。
日韓の外相会談、韓国大統領との会談、御苦労さまでございました。お疲れさまでございました。
外務大臣の御努力は多といたしますが、残念ながら報道では、日韓の中で北朝鮮の対応について温度差があるとか、拉致の問題について若干擦れ違いだというような報道が出ておりまして、非常に残念に思っておりますが、外務大臣の御努力は多としますが、大統領と外務大臣、相手の外務大臣とのやり取りの中で、何か特筆すべきもの、この場で御披瀝いただけるものがあれば、お伝えください。
○国務大臣(河野太郎君) 特に日韓の間で温度差があるとは認識をしておりません。北朝鮮の完全かつ不可逆的、そして検証可能な非核化を実現させなければならないという点で全く一致をしておりますし、拉致の問題についても、韓国側は日本の拉致問題に対する問題意識を共有しております。緊密に日韓でこの問題の解決についても連携をしていこうということで一致をしておりますので、特に温度差があったり擦れ違いがあったりということではなかろうかと思っております。
○福山哲郎君 あえて報道がそう書いたということにしておきます
外務大臣、お忙しいでしょうから、どうぞ。
○委員長(三宅伸吾君) 外務大臣は御退室いただいて結構です。
○福山哲郎君 防衛大臣にお伺いします。
もう毎日毎日、森友だ、加計だ、日報だと、ちょっと私もうんざりしております。大臣もかなりお疲れのことだと思います。非常に残念なことです。
毎日毎日、日報があちこちで出てくることについては、逆に、大臣からきっちり探すようにと、全部出せという指示があった結果出てきていると思いますので、そのことについて私は大臣をいたずらに批判をするつもりはありません。しかしながら、先ほど小西委員がおっしゃられましたように、三月の五日、文書課長は七日にこのことを知りながら大臣に報告が上がらなかったことは、非常に私は遺憾に思います。
そして、三月三十一日に大臣に報告が上がったというのも、これ鈴木さん、ちょっとお伺いしたいんです、この間聞いたときに準備が整ったからだという話をしましたが、私が漏れ聞くところによると、三十一日、大臣出張前に慌ててこの報告があったと聞いております。なぜ三月の五日、文書課長は七日に分かって、鈴木さんもこの時期には御存じだったものが、三十一日、急遽、出張前、それも土曜日です、慌てて大臣に報告をすることになったのか、お答えいただけますか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
先般来御説明申し上げましたように、私はこの本件につきまして三月五日に知りました。そして、官房文書課等も含めまして、私どもの方では一万四千ページに及ぶこうした文書の欠損状況等の確認等を行いました。そして、陸幕を中心といたしまして、ほかにないのかというふうなことも再探索していたと。さらには、過去の国会答弁等々との関係ですとか情報公開請求との関係、そうした事務的に大臣に十分に御説明に足るような材料をそろえて御説明しようと思っていました。
ただ、これについては、それはそれとして、一報をまず大臣にすべきであったというところは厳しく大臣からも御指導いただいておりますし、私も本当に適切性を欠くものであったと思っております。ただ、そうした準備ができ上がって、そして大臣にお時間をいただけたのが三月の三十一日であったということでございます。
○福山哲郎君 いや、大臣から指導を受ける前です、その三月三十一日は。三月三十一日に何でそんなに慌てて、きちっと時間を取らないで、出張前にばたばたと土曜日に報告をせざるを得なかったのか。これ、大臣は認識されていますよね。
○国務大臣(小野寺五典君) 私、まあ結果の過程を聞くと、鈴木総括審議官からは、統括官からは、官房長とそれから次官に言って、それで私という、その順番で来たものですから、恐らく官房長に報告して以降は速やかに私の方に上がってきたのではないかと思います。
○福山哲郎君 これも、何で急にばたばたと、時間を取ってきちっと説明するはずのものがこういう状況になったのかについて、余り明確な回答はありません。
それで、これはこの間も聞いても出てこなかったんですけど、その三月三十一日の時点では、一年前の三月の二十七日に発見されたということについて大臣に報告はなかったと。それが、僅か三日か四日後にはそれが分かったと。その理由は、鈴木さん、もう一回お答えいただけますか。何でですか。三月三十一日の時点では鈴木さんは御存じなかったんですか。報告は上がっていないんですか。
○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。
三月三十一日に大臣に御報告した際には、昨年の三月二十七日にこのイラクの日報について確認をされたということについて私も承知しておりませんし、当然大臣にも御報告してございません。
これにつきましては、その際、私が本件についてそのことを抜きにして、抜きにしてというか、そのことはなしで御説明した際に、大臣から、むしろどうして昨年の二月から三月の間に研究本部の方で確認できなかったんだろうかという御指摘ございまして、こうしたことを、陸幕長からの報告を経て、今回の事実が四月に入って大臣の方に報告が入ったという、こういう経緯でございます。
○福山哲郎君 これもなかなか納得し難いものなんですけれども。
前回の質疑のときも、僕は、分からないことだらけだと申し上げました。もうこれ、審議あったと思いますが、昨年の十一月二十七日、陸幕が独自に全部隊に探索を指示したと、これは一元化をすることを決まったことを受けてなんですけど、何でこれ、陸幕だけが探索を全部して、ほかはやらなかったんですかね。大臣。
○政府参考人(高橋憲一君) 委員、今御指摘のございました、いわゆる統幕の参事官に日報を一元化するという作業でございますが、これは端を発してございますのは、七月の二十八日、いわゆる再発防止策の一環の中で行われてございます。その後、実は、日報とはどういうものか、あるいは海外における行動だけでよいのかと、防衛出動やその他の行動についての日報についても一元化すべきではないかというような議論をいろいろ続けておりました。
陸幕につきましては、部隊も多いということ、それで十一月二十七日に通達が出まして、各、一月三十一日までに陸幕の総務課に集めるようにということになってございました。
海空でございますが、これにつきましても、いわゆる文書管理細則の中でそれぞれ文書を集めるということの議論が進んでございました。ただ、海空については明示的な通達は出なかったということで、一部不徹底なところがあったというふうには、それは文書管理者の私としても反省しているところでございます。
○福山哲郎君 ということは、結果としてはそこは徹底がなかったということですね。
その通達を出された文書を委員会に提出をいただきたいと思います。それから、大臣、今大臣が省内にもう全部出せという文書なりで今指示が出ていると思いますが、その指示文書も委員会に提出をしていただきたいと思います。
もう時間がないので終わりますが、僕は、当初ここに立ったときに、先週だったかな、稲田防衛大臣の資質に非常に影響があったんじゃないかと冒頭申し上げたんですが、これ、過程見ると、三月の二十七日に分かってから、三日後にないとしている問題や、一月に分かりながら、もっと言えば、三月の五日に文書課が分かりながら大臣に上げなかった問題は、実は稲田防衛大臣の資質の問題に限ったことではないということが明らかになりました。
小野寺防衛大臣も内心じくじたるものがあると思いますけれども、これはやっぱり非常に防衛省の、今日は防衛省設置法の採決なんですけど、採決するような状況じゃないと思いますが、現場で頑張っていただいている自衛隊の皆さんに別に罪があるわけではないので、そこは我々も採決に応じましたけれども、やっぱり非常にシビリアンコントロールを始め、こういう、先ほどは通達が徹底していなかった、先ほどは時間が掛かっていた、もう理由も明確でないし、そこに大臣がどこにいたんだと、そういう非常に構造的な問題がここは内包しているというふうに思っておりまして、非常に残念なことでございますし、今の調査チームも、本当に今の調査チームで実効性が上がるのかどうかについても私は非常に疑問に思っております。
まだ審議続きますが、国民の不信感を払拭していただけるように祈念をし、お願いをし、非常に今、気分的には非常に残念な思いでいっぱいだということを申し上げて、質疑を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○委員長(三宅伸吾君) 福山君要求の資料につきましては、後刻理事会にて協議させていただきます。


04/12

2018

「混迷続く国会」


こんばんは。

昨日の衆院予算集中審議の中で、安倍総理は無理のある苦しい逃げの答弁に終始しました。
枝野代表が「愛媛県の文書には首相秘書官に会ったと書いてある。でっちあげてうそを書いたのか。『記憶の限り、会っていない』という首相秘書官がうそをついているのか。どちらかでしょう」という指摘に安倍総理に全く説得力のある答弁はされませんでした。

あの財務省の太田理財局長が昨年2月22日に菅官房長官への説明の際、佐川理財局長(当時)と同席していたことまで明らかになりました。太田局長は1年前からずっとかかわっていた疑いも出てきました。唖然とします。

毎日毎日次々と新しい事実が出てきます。
これまでの政府の答弁をことごとく覆すものばかりです。
国会で答弁されてきたことが「何が本当で、何が虚偽でごまかしか、全くわからない」状況です。

本来ならもう政権を担えるような状態ではありません。
今日も外交防衛委員会で質疑に経ちましたが、こんなに空しい国会審議は初めてです。

一方で、嬉しいニュースです。
杉尾秀哉参院議員が立憲民主党に入党届を出していただきました。
力強い仲間に加わっていただき、大歓迎です。


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