06/07

2021

ヤング駐日米国臨時代理大使


枝野代表とともに、ヤング駐日米国臨時代理大使の離任あいさつの訪問を受けました。

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06/07

2021

参議院決算委員会


参議院決算委員会の締めくくり総括質疑で、質問に立ちました。
コロナ感染の現状、東京五輪開催等について菅総理らを質しました。
議事録

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06/07

2021

第204国会 参議院 決算委員会 2021年6月7日


○福山哲郎君 立憲民主党の福山哲郎でございます。よろしくお願いします。
まずは、先日、台湾へのワクチンの提供を政府決めていただきました。私のところにも台湾から要請がありまして、政府に問合せ等しておりましたので、早急に、早々に決めていただいたことについて、まず感謝申し上げたいと思います。
東日本大震災のときに最も日本に本当に御支援をいただいた台湾にこういった形で返せたことは非常に良かったと思っておりますので、菅総理を始め政府の皆さんに本当に敬意を表したいと思います。
まず、東京オリパラに、開催まで五十日切りました。総理、開催地の東京では、今六月ですが、今年、今日まで百五十八日間あったんですけど、一体何日間緊急事態宣言、まん延防止措置があったか、総理、御理解いただいていますか。別に正確な数字じゃなくて結構です。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 今年の一月からでありますから、かなりの部分がなっていたというふうに思っています。
○福山哲郎君 百五十八日中百三十七日間が緊急事態宣言かまん延防止措置となっています。これは、総理が会見のたびに緊急事態宣言を解除したい、感染拡大を防止したいと、早くやりたいと言っていたこととは真逆の結果となっておりまして、非常に残念に思いますし、国民の我慢も、それから経済的な損失も多大になっているという認識の上で質問させていただきます。
復興五輪というオリンピックのスローガンもコロナに打ちかったあかしというスローガンも、全く国民の共鳴を得なくなりました。残念ながら、オリンピックは政権を維持し、選挙に臨む切り札のように言われていることに、私は極めて遺憾に思っています。
選手、関係者のことを考えると、私もできる限り開催したいと思います。しかし、何が何でも強行に開催すればいいというものではないと思います。コロナ禍の中で行われるオリパラは、失敗は許されません。人命が懸かっています。先ほど水岡委員も言われましたが、IOCの委員が緊急事態宣言の中でも絶対にできるとか総理が中止を求めても開催されるという発言は、主権国家として看過できないと私は考えます。
総理、先ほど発言されませんでしたが、総理は我が国の総理大臣です。こういった発言をIOCの委員にされることについて総理が何も言わないことは、逆に、東京で開くオリンピックの国民の思いが折れてしまいます。
総理、一言言っていただけませんか。それは違うと、主権国家の総理として私も判断の一員だと、そう言っていただけませんか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、その後すぐに申し上げましたけれども、国民の命と健康を守るのは私の責任だと、守れなければやらないという、これは当然のことじゃないでしょうか。
○福山哲郎君 大会が開催されれば海外から新たな変異株が持ち込まれる可能性もあります。人流も増加します。医療体制が逼迫する可能性もあります。更に感染者が増加すれば、医療体制が崩壊することも想定されます。政府が繰り返し述べている、総理が言っておられる安心、安全な大会を開催するためには、開催を可能とする医療体制、感染者の数、そういった指標や判断基準を示す必要があるんじゃないでしょうか、総理。みんなが納得するような判断基準を示していただかなきゃいけないんじゃないでしょうか。
解除を目的としているだけでは駄目です。さっきの丸川大臣の答弁も全く答弁になっていません。私は、今、必要じゃないかと言っているんです。だから、今答えをくれとは言いません。そういったものが必要じゃないかと申し上げているから、総理、お答えください。
○委員長(野村哲郎君) 丸川国務大臣。(発言する者あり)まずは丸川大臣から。
○国務大臣(丸川珠代君) 先ほど申し上げましたシミュレーションをまず見て、それが一体どのように日常の医療に負荷を掛けるのかということをしっかり見てまいりたいと思います。
いましばらく、この数字を詰めるというお時間を頂戴したいと存じます。
○福山哲郎君 一体いつまでに出されて、誰がシミュレーションしているんですか。専門家がどの程度関わっているんですか。尾身会長は、この問題についてはまだ正式に依頼を受けていないとおっしゃっています。
丸川大臣、いつまでに誰がシミュレーションしているのか、お答えください。
○国務大臣(丸川珠代君) 大会よりかなり前には出させていただきますが、相手もあることですので、今はっきりと期限を申し上げられる状況にはないんですが、東京都とも前提条件についてきちんと議論をしながら進めているところでございます。
○福山哲郎君 いつかも分からない、誰がシミュレーションしているのかも分からないようなことを国会で答弁するのはやめていただきたい。
総理、どうですか。基準とか、今言われた感染者の数とか、そういう医療体制とか、そういったものの判断基準を示す必要が早急にあるんじゃないですか。総理、お答えください。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 私、先ほどから申し上げていますとおり、選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが開催の前提条件であります。
こうしたことが実現できるように対策を講じてまいりますけれども、これが、前提が崩れればそうしたことは行わないということです。
○福山哲郎君 前提が崩れるかどうかは何で判断するんですか、総理。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 選手や大会関係者の感染対策をしっかり講じて、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命や健康を守っていく、これが大前提。そして、具体的な対策としては、来日する大会関係者のまず人数を絞り込んで、これ、当初の半分以下であります。選手や大会関係者にワクチン接種、ここは私自身が訪米したときにファイザーからこのオリンピック大会、パラリンピック大会への提供を受けましたので、そうした中で、IOCで手配をする中で約八割のワクチン接種を行っているということです。そして、大会関係者の行動を管理をして、一般の国民との接触、ここは防止をします。入国する前に検査を二回、入国時にまた検査をし、さらに翌日からまた検査をする、徹底して検査をし、国民との接触を防止をする、そうした中で完全に接触を防止する、そういうことによって感染の危険性がないように、そこはしっかりと講じていきたいと思います。
○福山哲郎君 全く答えていただけません。検査をすればオーケーなら、我々が去年あれだけ検査を拡大しろと言ったときに感染拡大、検査を拡大しなかったじゃないですか、PCR検査はやれ信頼度が低いとかなんとか言って。何でオリンピックだけは、毎日毎日検査がオリンピックの関係者だけはできるんですか。今、日本の国民だって検査したい人たくさんいますよ。そういうことを言うから、このオリンピックに対して、心の中ではやってもしようがないかなと、選手のこと考えれば、池江選手のこととかを思えば、国民はそう思っているけど、そんな説明をするからこのオリンピックに対してみんなが信頼できなくなっているんじゃないでしょうか。
総理、もう一回聞きます。イエスかノーかで。
判断基準は作って示す必要があるんじゃないですか。これならやります、これならできないですと。だから、緊急事態宣言でもやるみたいな発言が出るんですよ。何かの基準示さないからそんな発言が出るんです。総理、判断基準、要るでしょう。お答えください。
○委員長(野村哲郎君) 丸川国務大臣。(発言する者あり)まずは担当大臣から。
○国務大臣(丸川珠代君) まず、検査についてなんですが、昨年から今年にかけては、恐縮ですが、試薬と機器と、それから検査を途中行うプロセスについて、非常にプロセスが進化してきております。当初は人手で、マニュアルで検査をしなければならなかったんですが、今は全自動機器の導入もできるようになりまして、非常に検査が大量に、しかも正確に行えるようになってまいりました。こうした状況を踏まえて、検査を大量に導入していくということを、この水際措置の中で導入するということをしたもので、これは是非御理解をいただきたいと思います。
その上で、先ほども申し上げて恐縮なんですが……(発言する者あり)
○委員長(野村哲郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(野村哲郎君) 速記を起こしてください。
それでは、菅内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(菅義偉君) さっきから私申し上げていますように、国民の命と健康を守ることが大前提になっていますから、そのことが私にとっては基準としたいと、これは当然のことだというふうに思います。
先ほど来申し上げていますように、世界から選手が安心して参加できるようにするとともに、国民の命と健康を守っていく、これが大会の前提と、そういうことを申し上げておりますので、国民の命と健康を守っていける、そのことが前提であります。
○福山哲郎君 恐らく、この一月からもうずっと国民の命を守るために総理も厚労大臣もやってこられたと思いますよ。でも、残念ながら一万二千人以上の方が亡くなっているし、いまだに病院に入れない方もいるじゃないですか。これで国民の命と健康を守っていると言えるんですか。それがこのオリンピックのときに、どういう基準ならオリンピックはやれるのかやれないのかを示さないで、ただ単に強行的にやるやると言ったって、それは国民納得しないと私は思いますよ。
私は、尾身会長の分科会に、正式にこのオリンピックに対しての条件を、どうしたらいいのかを諮るべきだと思います。それは何でかというと、これまでの緊急事態宣言の例えば人流を抑えること、飲食店の問題、国民全部、あの分科会の提言も受けてやってきたわけです。
総理、尾身会長の分科会にオリンピック開催の条件についてお諮りしたらどうですか。
○国務大臣(西村康稔君) 分科会の話でありますので、まず私から答弁させていただきます。
分科会は、まずオリンピックの開催の可否などを審議する場所ではありません。そういう権限はありません。
他方、丸川大臣が答弁されていましたように、私どもと一緒になって、今このオリンピックを開催することによるリスクがどういうものがあるのか、人流がどう増えて、そのことによって重症者なりがどう増えていき医療をどう逼迫させていくのか、このことは当然ワクチンの接種率なども見ながら見ていくことになります。これを今分析をしているところでありますので、この分析に当たっては、私も毎日のように尾身先生にも話を伺っておりますし、専門家の意見を聞きながら、最終的にシミュレーションを、しっかりと我々分析を行って、そして専門家の御意見も聞いて判断をしていきたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 さっき丸川大臣は、どこで分析をしているのか、シミュレーションしているのかも答えられなかったんですよ。いつ出すかも答えられなかったんですよ。本当にとんでもないと思いますね。
総理、どうですか。尾身会長にお諮りするべきじゃない。さっき権限がないって、権限を付与すればいいじゃないですか。総理が権限を付与すればいいじゃないですか。別にあれ、法律事項でできている分科会じゃないでしょう。総理が尾身会長にお願いしますと、何日までにやってくださいとおっしゃったらいいんじゃないですか、総理。どうですか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) いずれにせよ、今、西村大臣が答弁したような形の様々な角度から相談をしているということであります。
○福山哲郎君 全く具体的じゃないですね。
総理、現在の緊急事態宣言、六月の二十日までです。解除されるおつもりがあるのかどうか、お答えください。
○内閣総理大臣(菅義偉君) そうしたことについては、専門家の皆さんの御意見を伺う中で判断をしてまいります。
○福山哲郎君 こういうダブルスタンダードを使われるから国民は信用できないんです。
尾身会長がオリンピック、オリパラについて発言をされたら、田村大臣は自主的な研究だと言った。失礼にも程がありますよ。これまで政権は、総理は、記者会見まで御一緒して、ずっと発表されていたんじゃないですか。
その専門家の意見を聞いてと総理は言い続けて、それに沿って国民は時短に協力をしたり、そのおかげで商売成り立たなくなったり格差が広がったり、厳しい生活している国民いっぱいいるんですよ。その専門家の意見を今度は自主的な研究と言い、オリンピックの可否についての基準をつくってもらったらどうだと言ったら明言せず、そして六月の二十日、解除されるおつもりかと言ったら専門家の意見だと。こんな御都合主義ないでしょう、総理。
○国務大臣(田村憲久君) 私の発言でございましたので、申し上げなきゃなりません。
私も自ら戒めなきゃいけないなと思ったのは、全く私が言っていることと真逆の報道になっているということでございまして、ここにその日の記者会見あります。これ、フジテレビの記者さん、フジテレビは今言われたような報道されていません、私知る限りですけれども。こういうことなんです。
尾身会長は東京オリンピックの開催に当たり感染リスクや対策の在り方を示すと言っています、分科会とは別のところで表明されるようなお考えも示していますが、そのような形での意見も取り入れるお考えはあるのでしょうか、こういう質問なんです。つまり、尾身先生がふだんから有志等々でというようなことをおっしゃられているという、これ報道ありましたよね。そういうようなこともあるけども、それでも取り入れるのかと。
これに対して、私は一般論として申し上げています。専門家の方々はいろいろな方々がいろいろの分野におられるわけでありますので自主的にいろいろなことをおっしゃられるということはあると思います、そういう中において政府で参考にさせていただくものがあれば、それは政府の中でも取り入れさせていただくということは当然あると思いますけども、いずれにいたしましても、自主的な御研究の成果の発表ということだと思いますので、そのような形で受け止めさせていただくことになると思います。
これはまさに、そういうような研究だからと、私は、尾身先生は仮定の話ですから出されているわけじゃありません、だから私は、一般論として申し上げられたのをあのような報道になっていますので、私の不徳の致すところだなというふうに自らを戒めて、しっかりとまた記者会見で真意を説明したいというふうに思っております。
○福山哲郎君 だから、分科会に諮問されたらどうですかと私は言ったんですよ。別のところの自主的なところで尾身先生が言われるよりかは、だから、ちゃんと分科会は経済のマネジメント、経済のことを考える人も入れたわけでしょう、わざわざ。だからこそ、そこに諮問したらどうですかと。そうしたら、自主的なものだといって切り捨てることなく、参考だといって切り捨てることなく、重く日本政府が受け止められることになるんじゃないですかと、だから、私はそう申し上げたんです。それに対して全く明言をいただけないと。
総理、もう一回聞きます。
専門家の方聞くのは分かるんです。しかし、ほとんど追認機関で、この間の延長のときだけ専門家が反乱したと報道にはありました。総理は、六月の二十日に、じゃ解除したいと思っておられるのか、状況によってはできないかもしれないけどその方向でやりたいと、その方向で頑張ってほしいと思っておられるのか、そこだけお答えください。
○内閣総理大臣(菅義偉君) 当然、状況を見て判断、方向性を決めるというのは、ここは当然のことだと思います。今から決められるようなことじゃないというふうに思います。
○福山哲郎君 総理、六月の十六日に会期末を迎えます。もうあと十日ありません。六月の二十日が解除かどうかの判断です。いつお決めになりますか。まさか国会閉じてからじゃないでしょうね。我々は、こういった解除か延長か、オリンピック一月前だからこそ、国会での政府に対するチェック機能を働かすべきだと思います。だから、我々は延長してくださいと言っているんです。
いつ、六月の二十日が解除か延長か、もう一回決めるときです。六月の十六日に国会が閉会します。総理、いつそれをお決めされるつもりですか。
○国務大臣(西村康稔君) まず、手続も含めて私の方からお答え申し上げますけれども。
当然、二十日の何日か前には判断をしなきゃいけないということであります。その際には、この対処方針分科会にお諮りをして、そこで専門家の御意見を聞いた上で政府として最終判断しますが、当然これ国会でお決めになることでありますけれども、衆参の議運で説明することになっておりますのでそうした手続を、それが何日になるかはまだ今の段階で分かりませんけれども、しっかりと国会には説明した上で政府として最終的に判断をしていきたいということであります。
○福山哲郎君 それはもう分かっていますよ。二十日の前に決めなきゃいけないから、いつ決めるお気持ちなのかと聞いているんですよ。分かり切ったことばっかり出てきて発言して、時間を取らないでください。
総理、いつですか。国会閉会してから決められるんですか、閉会前ですか。我々は、だから延長してくれと申し上げています。
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこはまだ決めておりません。状況を見ながら、これ過去の例もそうですけれども、状況を見ながら判断します。
○福山哲郎君 国会を延長してほしいのはそれだけじゃありません。感染の状況、経済、そしてオリンピックの本当に開催かどうかも含めて、我々、やらなきゃいけないことたくさんあると思っているので会期の延長をお願いしていますし、経済が相当厳しくなっています。雇用調整助成金の延長を求めなければいけませんし、小口貸付けで、もう借金いっぱいして厳しい方々に政府は三十万円という話が出ていますが、それでは全然足りません。そして、対象人数も二十万人では全然足りません。
そういったことの補正予算、我々はちゃんと持続化給付金をもう一回やるべきだというメニューをそろえていますけれども、補正予算をこの国会で組むべきだと思っておりますので、是非延長してそのことについて、総理、御検討いただけませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) 補正予算のお話が出ていましたけれども、今この令和二年度の三次の補正予算とかコロナの予備費で処置したものを含めまして、三年度への繰越額というのは、精査中ですけど、約、福山さん、三十兆円ぐらいあるんですよ、全部で、精査が終わっているわけじゃありませんけれども。したがって、これを着実に執行していくということになろうかと思います。
さらに、三年度の予備費というのが、約、今三兆九千八百八十億円、これは今の予備費ですよ、今の三年度の予備費がまだ残されておりますので、私どもとしては、新たな経済政策とか補正予算の編成を今検討しているわけではありませんけれども、今後ともこれらを活用して適切に対応してまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 いや、もう実は飲食店だけでは厳しいんです。(資料提示)その飲食店、もらっているところともらっていないところあります、協力金。いろんなところが、実は緊急事態宣言やまん防のところだけではありません。人の流れが止まっていますから本当に厳しい、ホテルも旅館も文化も。こういったことに対して補正予算を手当てをしないと、やっぱりそうやって自分の商売厳しいのにオリンピックという気分にはならないのではないかと思います。
実は、ちょっと今感染収まっていますが、一月ぐらい前の近畿地方の厳しい状況をちょっとお伝えします。
今からお伝えするのは、近畿地方でコロナの感染症の待機をしている、入院できない方々の訪問看護をされている藤田愛さんという方の手記です。ちょっと読むので聞いてください。
敗戦中の従軍看護師はこんな気持ちだったのだろうか、毎日ぼきぼき心が折れていく。一日回れても八人、重症者が増えてきたので一件ずつ訪問時間が長くなる。到着が夜の九時になった。家のドアを開けるときに心が定まる。できることをする。待たせてごめんね。次です。病院の廊下でもいいから入院させてほしいとお母さんに手を合わされても、私にはどうすることもできない。せき込んでいるので、窓全開で気が散りそうになると。ステロイド入りの点滴、焼け石に水でもないよりまし。来てくれただけでも命が見捨てられていないと信じて希望が持てます。こんなこと、誰が知っているのか、どう発信すればいいのか。大病院で陽性だ、検査して帰宅後、一週間。おいおい、これはこのままじゃ今夜死ぬかも。持病の薬が床に散乱している。飲めないよね、呼吸数五十四回じゃ。まだ三十代。できることをしっかりやっていこう。保健センターに、数値と判断を伝える。早急な入院治療が必要です、そうでなければ急死の可能性があります、どれだけ同じような報告を保健師は聞いたのだろう、悲鳴の向こうにまた悲鳴がある。訪問を終えての帰路、保健センターから電話が入った。十分後に救急搬送できることになりました。何々病院です。ああ、重度者治療の病院である。救えるかも。ああ、よかった、ありがとう。コロナの訪問は百件超えただろうか。入院調整中、この当時、その地域は千人待っていました。千分の一と思うと。急変を見付けても、かかりつけ医も入院もないなら、私のやっていることに意味があるのか。いや、あるからやっているのだと。この事態について全国民の理解が必要であると。私たちが生まれて、急病なら医師の診察、救急車が当たり前でしたねと。残念ながらその状況ではありません。
これが病床、医療逼迫の現状です。何人もの方が病院から、病院に行けなくて自宅で亡くなっています。自宅が野戦病院化しています。
警視庁、全国でコロナの陽性患者の検視の必要だった人の数は何人ですか。
○政府参考人(藤本隆史君) お答え申し上げます。
令和二年一月から本年四月までの間に警察が取り扱った御遺体のうち、医師の判断により新型コロナウイルスに係るPCRの検査が実施され、感染が確認された方は四百三人と承知しております。
○福山哲郎君 私は、国民皆保険で、これほど病床の数も多い日本でこういった事態が起こっていることに寒けを覚えます。その人たち一人一人に人生があります。感染者の数が何人とか病床率が何人という数字で表せない人生があります。このことに対してどれほどの危機感を持っていただいているんでしょうか。一生懸命やられているとは思います、政府も。しかし、余りにもその中で、このオリンピックをやるに際しても、国民に対する思いが伝わってこないのが残念に思います。
オリパラの事務局にお伺いします。
四月、五月の新規入国者の中でオリパラ関係者は何人ですか。
○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。
オリパラに関連して入国した選手等及び大会関係者数は、四月が九百九十一名、五月が千十二名となっております。
○福山哲郎君 今、原則日本は入国拒否のはずなんですが、オリパラ関係者は仕方ないのでこれだけ入っています、千名、千名。僕は、正直しようがないと思います。しかしながら、普通、入国者は三日宿泊施設に待機の後、十四日間待機のはずです。今緩和をされている、特段の事情がある場合、緩和されている人がいますが、オリパラ入国者は何人と何人、四月、五月緩和されていますか。急いで答えてください。
○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。
待機緩和を行った人数は、四月が八百六十五名、五月は八百四十二名となっております。
○福山哲郎君 もう質問すると時間がないので答えますね。
これ、特段の事情の場合、国交省二十四名、緩和しているのゼロ、十五名、緩和しているのゼロ、厚労省も七名のうち緩和ゼロ、厚労省、五月も二名で緩和ゼロ。オリパラ関係者だけ九百九十一人中八百六十五人緩和、五月、千十二人のうち八百四十二人緩和。この人たちは三日間の宿泊待機しないで外に活動で出てきます。実際に陽性だった人がもう既に三人います。
これ、関係者ですね。関係者と選手の割合どのぐらいですか。急いで答えてください。
○政府参考人(十時憲司君) お答え申し上げます。
関係者と選手の割合でございますか。
関係者は、国内からオリンピックで十九万人、パラリンピックで十……(発言する者あり)この中で。失礼しました。(発言する者あり)ちょっとすぐに数字が出てまいりません。申し訳ありません。
○福山哲郎君 これ、実は数字出てきていないんですね。これ、ほとんど関係者なんです、選手も一部いるかもしれないけど。何で関係者を緩和しなきゃいけないんですか。オリンピック二か月、三か月前に。ほかは全部十四日間待機のはずなのに、何で関係者も含めてオリンピックだけこんなに緩和をするんですか。
それも、問題のインド株が発生している、日本政府が新たに規制を強くしたインド、マレーシア、そしてベトナム、イギリス、これ、全部これ国入っていますよ。一個一個でいったらすごい人数です。これ、逆に言うと、規制強化するといいながら大きな穴が空いているんじゃないですか、オリンピックだけ。こういう状況を放置しているから、そして何の基準かも分からないから、オリンピックをやるかやらないか、国民は頑張れと言えないんじゃないですか。強くこのことについての反省と、先ほど言われた感染防止や対策、基準を提示していただくように求めていきたいと思います。
時間がないので、どうしてもやらなきゃいけません。
総理、六月はプライド月間です。オリンピック、バッハ会長、オリンピックIOCがLGBTQに関する声明を出しました。連日、ニューヨーク・タイムズ、AP通信、ワシントン・ポスト、ニューズウイーク、英国新聞ガーディアン、フランス国営メディア大手が報じています。それは、日本の政治家がLGBTに関連して種の保存に背くといった差別発言をしたこと、トランスジェンダーのスポーツ参加について実態と懸け離れた問題発言をしたこと、挙げ句、LGBTの法案が日本の国会で自民党が問題で頓挫しかけていること、差別発言をした政治家は同性愛嫌悪の金メダルだとも報じられています。
諸外国から、IOCから、日本のオリンピックがこのLGBTでどんなふうに思われているのか、どういう感覚でいるのか、私には全く分かりません。
総理、一言でお答えください。オリンピック・パラリンピック開催国の総理として、今のメディアの状況等を見て、性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものであるという認識を総理はお持ちかどうか、お答えください。
○内閣総理大臣(菅義偉君) そこはあってはならないことであります。
○福山哲郎君 あってはならないことだと総理は言われました。総理は言われた、差別は許されないものであると言われました。
この差別は許されないものであると明記した法案に、議連案に、自民党以外は全部賛成をしている議連案に自民党がまとまっていません。どうか総理、今日五時から役員会があるはずです。先週これで、ここの役員会で国会を法案に出さないということを決められたと聞いております。総理、自民党総裁として、このLGBTの議連案について、とにかく自民党をまとめて法案を提出しようと、議連案一緒にやれという指示を出していただけませんか。これは世界の、IOCや多様性を大切にする人たちやLGBT当事者が今この総理の答弁を注目をしています。
まだ国会は開いています。さっき申し上げたように、延長していただければ、この法律、オリンピックが開催される開催されないは別に、オリンピックの正式な開催日程より前に法案が成立します。どうか、多様性を象徴する東京のオリンピック、それでなくてもコロナでこれだけ人命の問題がある中で、特に森前会長の女性に対する蔑視発言もありました。このままオリンピックを開催、強行することになれば、人の命も、ジェンダーも、LGBTも、全く多様性を認めない日本のオリンピックになります。
どうか総理、このLGBT議連案、自民党に指示をして、何とか国会へ提出して成立させろと指示いただけませんか。
○内閣総理大臣(菅義偉君) まず、御指摘の法案は議員立法であり、政府としてコメントは差し控えるべきだというふうに思います。ただ、いずれにしても、性的指向、性自認を理由とする不当な差別や偏見はあってはならないと考えます。
政府としては、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現にしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
自民党の総裁としてということでありますので、あえて申し上げれば、自民党は公約として、LGBTに関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の速やかな制定を実現する、ここを掲げています。実現に向けて党内でしっかり議論を重ねていると承知しており、法案の対応そのものは党の執行部に一任しておりますが、国民の皆さんとの約束を果たすように党でしっかり取り組んでいくというふうに、こういうふうに思います。
○福山哲郎君 全くお答えいただけなかったのを極めて、極めて残念に思います。
オリンピックは、海外からだけで相当な数、十万人近くの方が来られます。日本のオリンピック関係者だけで三十万です。この人流が動きます。本当に先ほど言われたように、オリンピック関係者は元々の原則の十四日間の待機もなくほとんどが国内に入ってきます。これが六月。
六月はオリンピック関係者何人来るか分かりますか、事務方。これも分からないという状況です。
実は、何にも明確な答えがないまま、単にオリンピック、ただ単にオリンピックを強行するという話で前に進んでいます。このことが本当に先々の感染拡大にどうつながるのか。本当は、今日、オリンピックの最中に感染が選手間で出たらどうするのか、病院の逼迫状況はどうなるのか、もし東京で感染が拡大されて、選手が来たとき、選手もけがをしたときに、東京の医療の逼迫状況で日本のコロナの陽性者と海外の陽性者がベッドが足りないような状況になったときに命の選択をするような状況に至るのか、それはどういった状態ならそうなるのか、そういったことを聞きたかったんですけど、そんな準備は今日の質疑では全く感じられませんでした。非常に残念に思います。
私は、今日、中止をしろとも延期をしろとも言っていません。だけど、政府の姿勢をちゃんと確認をしないと、このオリンピックやったら、日本の感染拡大が広がって逆効果だったと、逆に人の命が危なくなったという状況になることを私は非常に恐れています。国会を延長してこういった議論をちゃんとやっていただくことをお願いし、私の質問を終わります。
ありがとうございました。


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