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2018

第197国会 参議院 外交防衛委員会 2018年11月29日


○福山哲郎君 おはようございます。立憲民主党の福山でございます。よろしくお願い申し上げます。
冒頭、昨日、参議院の本会議が入管法の審議であのような形の異例の四時から開会という形で開催されましたことについては、非常に遺憾に思っております。議事先例にもない順番でもやられることになりました。議会制民主主義はルールや先例を大切にしなければいけないところですので、断固抗議をしたいと思います。
日中社会保障協定についてお伺いします。
基本的に我が党も社会保障協定については賛成ですし、先ほどの高瀬委員の御質問とも重なるので、短くしたいと思います。
一つは、今交渉中のところがありますが、これはやはり交渉を加速させていただかなければいけないと思っておりますが、外務省としてのお立場をお答えください。
○国務大臣(河野太郎君) これだけ日本から大勢海外へ出ていらっしゃる方がおりますし、また、海外から日本に相当な数の方が来ていらっしゃることを考えれば、この社保協定あるいは租税協定、こうした協定は交渉を加速化してまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 それはもう外務省の皆さんも含めての御努力をお願いしたいと思います。
また、高瀬委員からも御指摘がありましたように、協定の加入期間の通算の規定の問題は、それぞれの国で制度が異なることは私も理解をしておりまして、それぞれの事情に応じて交渉の中で一つ一つ積み上げていき、また、相手側の制度が多少緩和をされれば、こちらはその状況に応じて改定も含めてやっていくという立場だと思いますので、私も外務副大臣のときにこのことをやらせていただきましたので、是非そういった形で進めていただきたいと思います。
河野大臣から前向きな答弁をいただいたので、社会保障協定についてはこれで終わらせていただきたいと思います。
一方で中国です。双方のやり取りがありますが、中国からの技能実習生の失踪者の状況はどうなっていますでしょうか。法務省、お答えください。
○大臣政務官(門山宏哲君) お答えいたします。
中国人技能実習生の失踪数の推移でございますけれど、過去五年間の中国人技能実習生の失踪者数については、平成二十五年が二千三百十三人、平成二十六年が三千六十五人、平成二十七年が三千百十六人、平成二十八年が千九百八十七人、平成二十九年が千五百九十四名となっております。
○福山哲郎君 中国からの技能実習生そのものの数も相対的に多いですから、当然、技能実習生の失踪者も、善しあしは別に、余りいいことではないんですが、これは受入れ企業側の問題もあるし、恐らく失踪者側の問題もあるというふうに理解をしておりますが、相対的に中国からの技能実習生の失踪者は多いと言わざるを得ませんが、そういった評価で、政務官、よろしいですね。
○大臣政務官(門山宏哲君) 数としては減少傾向にはあるんですけど、それはそもそも入国者数が減っているという点もあるので、議員の御指摘は、多いか少ないかというのはなかなか定量的に言えるものではないんですけど、一定数かなりの数がいるという認識ではよろしいと思います。
○福山哲郎君 そのうちどのぐらいが確保されて、入国警備官の聴取を受けた数は分かりますか。
○大臣政務官(門山宏哲君) 失踪者に限定した統計というのは取っておりませんのでお答えすることは非常に困難なんですが、平成二十五年から二十九年度までの間に不法残留や資格外活動などのいわゆる入管法違反容疑で退去強制手続を受けた者のうち直近の在留資格が技能実習であった中国国籍の者は、平成二十五年が七百二十六人、平成二十六年が千二百七十五人、二十七年が二千二十四人、二十八年が二千百三十五人、二十九年度が千七百四十六人でございます。
○福山哲郎君 私、今ちょっと聞き漏らしたのでもう一度。
技能実習生の失踪者の数よりも今聴取を受けた数が多いというのは、他の案件の入管法違反の案件も加わっているからという意味合いでいいんですか。
○大臣政務官(門山宏哲君) そうですね、入管法違反となると、もうそもそも旅券を持たないで入国したという人とか、あるいは失踪はしていないけど一定の刑罰に、捕まえられた者も入ってしまっているという、そういう趣旨です。委員の御指摘と多分同旨だと思います。
○福山哲郎君 例えばでいいです。二十九年の、昨年の失踪者で国内に残っている数は分かるんですか。
○大臣政務官(門山宏哲君) 平成二十九年度に失踪した技能実習生が七千八十九人でありまして、そのうち既に出国した者とか退去強制手続中の者など当局が所在を把握している者を除いたいわゆる所在不明者というのは約二千五百人おりまして、全体の三五%ということになっております。
○福山哲郎君 つまり、七千八十九人失踪者がいて二千五百人分からないということは、二千五百人は少なくとも失踪し続けているということですよね、認識としては。
○大臣政務官(門山宏哲君) 済みません、さっきの答弁ちょっと不正確で、度じゃなくて二十九年ということで、そこをちょっと訂正させていただきます。
委員の御指摘のとおりでございます。
○福山哲郎君 だから、七千八十九人のうち二千五百人はまだ失踪したままということです。
これ、二千五百人がどういう形で失踪し続けているかよく分からないということで、中国は相対的に失踪者も多いということで、この中国に対する、それぞれの国に対策しなければいけないんですけど、対策についても御留意をいただきたいと思いますし、僕はしつこいので何度も申し上げますが、この技能実習生の聴取票でございますけれども、ほとんど、昨日の本会議でもありましたけど、刑事訴追のおそれどころか、逆に言うと、国外退去の措置を受けている人間がほとんどなので、もう国内にいません。いないのに刑事訴追をするおそれがあるというのは、私は説明としては不十分だと思います。
この間予算委員会でもありましたが、個票について言えば、個票と同様のものを国交省はマスキングをしてちゃんと表に出しています。法務省がどういうわけかこだわって出してきません。このことについては、先ほどの、国のいろんな実態、僕は今日は中国のことを聞きましたけれども、それぞれの国の実態と国のそれぞれの失踪者や技能実習の取扱いについての多分、特徴と言うとポジティブですが、それぞれの状態があると思います。そういったこともちゃんと確認しなければいけないと。政務官の下でチームができているのも理解をしていますが、それはもうやってください。それはもう政府内の作業の話です。それもやらないでこの法案を出してきたことがそもそも問題なんです。
我々は、政府を監視をしチェックをする役割があります。それは与野党関係ありません。自民党内にもこの入管法についてはいろんな意見がおありだと聞いています。だからこそ、しっかりと個票をここに提示することは、国会に提示することは僕は当然だと思いますので、政務官、チームとしてやっていただいているのは分かっていますから、同じ国会議員ですから、あなたは、しっかりと個票を出すように、ちょっと大臣説得してくれませんか。あの大臣、言ったら聞かない大臣なので、ちょっと政務官から説得していただけませんか。どうですか。
○大臣政務官(門山宏哲君) 繰り返しになって申し訳ないんですけど、技能実習生に対するこの聴取票というのは、失踪した技能実習生から任意に聴取した情報がありのままに記載されているものでありまして、その当該技能実習生は入管法という法律に違反し資格外活動を行ったものであって、当該聴取票はまさに刑事訴追を受けるおそれがある者からの聴取結果そのものでございます。
そして、犯罪の成否や訴追の判断というのは個別の事案において収集された証拠について判断されるものですけれど、いずれにせよ、刑事訴追を受けるおそれがあるということは、これは間違いのないことでございまして、また、こういうものを、その後の捜査の端緒になっている上に、更に言うならば、これがコピーとか公開されちゃうと、自分が調査されたということが他人に知られるということが流布しちゃって調査ないしは捜査への協力が今後得られなくなるという可能性があるので、今後の調査業務や捜査に与える影響が非常に大きいと。したがって、聴取票そのものを広く公開するということが困難だということは是非とも御理解いただきたいというふうに思います。
○福山哲郎君 全く御理解できません。ここは外交防衛委員会なので、これは余りしつこくやりませんが。
じゃ、刑事訴追された方の人数、一年、どの年度でもいい、だけでもいいですから、お答えいただけますか。ないんですよ、これ、取ってないから。(発言する者あり)
○委員長(渡邉美樹君) 発言は委員長の指名を受けてからお願いいたします。
○大臣政務官(門山宏哲君) 失礼いたしました。
議員の御指摘の、今取っておりません。
○福山哲郎君 今、刑事訴追されるされると言いながら、何人だと言ったら答えないんです。全くそんなの説明になっていない。
先ほど、自分が刑事訴追されるかもしれないからもうこれから答えてもらえないかもしれないとか、自分が特定されるかもしれないって、だって、その人たちみんな国外退去でいないんだって何回も言っているでしょう、いない人間がどうやって刑事訴追されるんですか。行政処分でもう帰しちゃっているじゃないか、一度。だから、そういうある種すぐに崩れるような説明じゃ駄目なんですよ。
こうやって、まだ失踪者は、七千八十九人のうち二千五百人全く捕捉できていないんですよ。この技能実習の、少なくとも新しい制度の四五%は技能実習からの接続なんですよ。業種によっては一〇〇%近くでしょう。それで、法務大臣は、いやいや、違う制度ですと言い募るわけですよ。それは説得力何にもないんだから。
国会は、政府の主張をただ単にこっちに返すことだけが国会の審議ではありません、政務官。こちらの質問に対してちゃんと答えられないんだったら、そのことの材料をちゃんと用意して説得しないと。お互いが平行線で言いたいことを言っているのが国会の審議じゃないですよ。どうも最近、安倍政権になってから間違っている。僕らは別に反対のための反対だけしているわけじゃない。だって、入管法の問題で外国人の労働者が入ることに対して懸念しているのは与党も野党も同じじゃないですか。じゃ、ちゃんと説得力のある質疑しないと、私はやっぱり駄目だと思いますよ。
鈴木財務副大臣、あなた、就任前、今年の七月の二十四日の日経新聞、外国人労働者に対して、あなたは明確に今回の制度について、自民党はこれまで外国人の単純労働者受入れに慎重だった、私はそうだと思いますよ、自民党さんは。政府もそうだったと思います。新たな在留資格を設ける今回の決断は大きな政策の転換点だと明確に副大臣言われていますね。
単純労働者受入れに慎重だった、新たな在留資格を設ける今回の決断は大きな政策の転換点だ、これ、誰が読んでも単純労働者を受け入れるように自民党は政策転換したと。あなた、自民党の青年局長のときにおっしゃっていますね。今はどういうお立場ですか。
○副大臣(鈴木馨祐君) お答え申し上げます。
七月二十四日付けの日経新聞でのインタビュー記事、そうした記事が掲載をされていたことは事実でございます。これは、その当時、一国会議員として、そうした党内の状況を踏まえて発言をしたということでございます。今現在、これは恐縮でございますけれども所管外ということでもございますので、その点についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 そんなの関係ないんだよ。何が所管外だよ、政府の一員じゃないか。政府の一員じゃないか。閣議決定しているんじゃないか、財務大臣だって。その下の副大臣じゃないか。そんなことが通じるわけないじゃない、何かあれば所管外だと言われて。過去の発言について問われたら所管外ですと、そんなの通じるわけないじゃないですか。
だから、あなた今非常に微妙なことを言ったんですよ。党内の状況を踏まえてこう発言したと。じゃ、自民党は外国人の単純労働者受入れに政策を転換したんですよね、当時のあなたの認識は。当時のあなたの認識を聞いてるんです。
○副大臣(鈴木馨祐君) お答え申し上げます。
若干言葉が足りませんでしたけれども、最初の前段の部分、自民党はこれまで外国人の単純労働者受入れに慎重だったという部分について、党内の状況を踏まえてということを申し上げました。
所管外ということでありますけれども、あえて申し上げるとすれば、単純労働者、これ様々な文脈で、いろいろな様々なこれは定義も定まっていないことであろうというふうに承知をしております。その中で、政府といたしましては、一定の専門性、そして技能を有する外国人を就労の目的で受け入れるという方向で今回の法改正を行っているということと承知しております。
○福山哲郎君 もうこんなの余り僕は突っかかりたくないんですけど、定義が定まっていないって、移民もそう言っていますよ。単純労働者も、副大臣がそう言うんだったら、これ本来だったら、じゃ、あなたがこのときに言った単純労働者の定義はどういう意味であなたは発言したんですかって本来は聞きたいんですが、そんな細かいことを言ってもしようがないので聞きませんけど。つまり、単純労働者を入れる、だって、どういう技術の人が入ってくるか、どういう試験をするかも全く決まっていないんだから。
それで、技能実習生が、先ほど申し上げたように、法務省が今認めているだけで四五%、業種によっては一〇〇%近く技能実習生の人を移行する。じゃ、単純労働者じゃなくて、どうなんですか、何なんですか。言葉をそうじゃないとかああじゃないとか言い換えてごまかす審議、やめましょうよ。
じゃ、単純労働者じゃなきゃ何なんですか、鈴木副大臣。今のあなたの認識は。
○副大臣(鈴木馨祐君) 大変恐縮でございますが、今、私の立場として申し上げられることといたしましては、今、政府の方針としては一定の専門性、技能を有する外国人の方に来ていただくという方向での法改正を行っていると承知しております。
○福山哲郎君 さっき所管外と言って答えなかったのに、こうやって答えるんだ、ちゃんと言われれば。何なんだ、この審議は。不誠実極まりない。
政務官。鈴木副大臣が自民党の青年局長の、まあ、ついこの間ですよ、四か月ぐらい前、自民党はこれまで外国人の単純労働者受入れに慎重だった、新たな在留資格を設ける今回の決断は大きな政策の転換点だと、このコメントについて政務官は今どういうふうに答えますか。間違っていますか、このコメントは。このコメントは正しいですか。
○大臣政務官(門山宏哲君) この御指摘の記事については私も今承知しているところでございますけれど、一個人ないし一議員としてのコメントに関する記事について政府の立場としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 別に鈴木さんの個人のコメントに、じゃ、この中身自身はどう判断しているのかと。自民党は単純労働者受入れに政策を転換したんだと言っているんですよ。そのことについて政務官はどう思いますか。そうなんですか、そうではないんですか。
○大臣政務官(門山宏哲君) 今回の新たな受入れ制度というのは、あくまで専門的、技術的分野を拡充し、一定の専門性、技能を有する外国人を受けようとする制度であると私の方は認識しているわけでございます。
○福山哲郎君 じゃ、これ間違っているんですね。単純労働者ではないから、これは間違っているんですね。当時の自民党の党内の状況も踏まえというのは間違っているんですね。
○大臣政務官(門山宏哲君) 政府の立場としましては、専門的、技術的分野の外国人労働者は積極的に受け入れるという方針でございまして、また、特定の技術、技能、知識又は経験を必要としない労働に従事する活動を行う外国人を受け入れる政策についてはこれは採用しないという考え方を持っているわけでございます。
○福山哲郎君 まあ、これ、いつまでやっても仕方がないんですが、一事が万事こんな状況です。自民党の議員の皆さんも、おかしいことはちゃんと声を上げておかしいと言っていただかないと。この国の社会の在り方の問題だから。
実は、河野外務大臣とロシアの北方領土の問題、今日やりたいと思っていたんですけど、もう五分しか時間がないので、もう一つ気になっていることを外務大臣にお伺いします。
十一月二十四日、台湾が住民投票で、日本の五つの県、福島、茨城、千葉、栃木、群馬で生産された全ての食品の禁輸措置が、賛成が規定の数を上回りました。このため、輸入再開が少なくとも二年間は禁じられることになりました。これ、東日本大震災の後遺症です。
日本は科学的根拠に基づいて繰り返し輸入再開を求めてきました。私も当時、かなり強くお願いをしました。残念な結果となりました。今回の住民投票の結果の受け止めと、やっぱり今後の対応について、外務大臣、お答えいただけますか。
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘のとおり、十一月二十四日の台湾の公民投票で、福島、茨城、栃木、群馬、千葉県の輸入規制の継続が、投票の結果、可決されたわけでございます。
日本側としては、日本台湾交流協会を通じて、食品の安全性に関する各種の情報提供を行いながら、科学的根拠に基づき規制撤廃を早期にするよう求めてきておりまして、今回、台湾の消費者の皆様に十分御理解いただけない結果となったことは極めて残念でございます。
今後とも、日本産食品に対する正確な理解を深めていただいて、規制の早期撤廃につながるようあらゆる機会を捉えて働きかけをしてまいりたいと思っておりますが、このWTOのSPS協定においては、衛生植物検疫措置を必要な限度においてのみ適用し、十分な科学的根拠なしに維持しないこととなっております。
日本といたしましては、十分な科学的根拠を示し、こうした規制が必要ない、だからこれは撤廃、緩和されるべきだということを働きかけをしてまいりました。現時点においてはまだ何も決めておりませんが、今後の対応としては、あらゆる選択肢を視野に入れて対応することを考えているところでございます。
○福山哲郎君 済みません、あらゆる選択肢というのは、まあ言えること言えないことはあるんでしょうけど、今大臣から言われたので、あえてお伺いします。あらゆる選択肢というのはどういうものがあるんでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 当面、科学的根拠を十分に示して台湾側に働きかけるということでございますが、あらゆる選択肢の中には、当然にWTOの紛争解決手続に進むということも選択肢の中には排除されていないということでございます。
○福山哲郎君 そのことを外務大臣が示唆したということだと受け止めます。
あと二分ありますので、一個だけ気になっている、直近のことなので聞きます。
衆議院の予算委員会、それから昨日の参議院の本会議、大野委員の質問に対しても、安倍総理は、五六年の日ソ共同宣言について、立法府が批准した、つまり承認をした唯一の文書であり、現在も効力を有しているということを言われています。これは、事実としてはそのとおりなんですが、ずっとプーチン大統領がそのことを言い続けて、日本が長年の外交努力でやってきた他の、もちろん東京宣言やイルクーツク声明を含めた諸文書、諸合意より一段上げたところで、区別を意図的に外交的にしてきた経緯があります。
そのことを日本の総理があえて本会議や予算委員会の場で、プーチン大統領の言っていることを……
○委員長(渡邉美樹君) そろそろ質疑をおまとめください。
○福山哲郎君 追認するような状況を言うことが交渉上本当にいいのかと。日本はそのことを認めたんだというふうになって、他の諸合意に対しての価値が、逆におとしめるメッセージを与えるんじゃないかと私はちょっと懸念をしているんですが、そこは、外務大臣、いかがですか。
○委員長(渡邉美樹君) 答弁は簡潔に願います。
○国務大臣(河野太郎君) あの五六年の共同宣言というのを基礎にして交渉を加速化させようということで合意をしたわけでございますから、総理として、その合意についての説明ということなんだろうと思います。
いずれにいたしましても、今後、交渉を加速化させることになりますので、我が国にとって最大限有利になるようにしっかりと努力をしてまいりたいと思います。
○福山哲郎君 終わります。


11/26

2018

第197国会 参議院 予算委員会 2018年11月26日


○福山哲郎君 立憲民主党の福山でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
先般、大阪万博の開催が決定いたしました。関係者の皆さんの御尽力に心から敬意を表したいと思います。私も京都でございますので、このことが関西全般の活気につながればいいと願っております。
さて、今年の通常国会は、財務省の文書改ざん、虚偽答弁、加計問題、防衛省の日報隠しなど、前代未聞の異常事態が続きました。衆議院の大島議長から、立法府と行政府の関係に対して異例の所感が発せられました。にもかかわらず、安倍政権と与党は、反省のかけらも見られない国会運営をこの臨時国会でもしています。
先週は、法務委員会で衆議院が強行で定例日以外に立てられました。参議院でも、対決法案でもない給与法の審議が議運や対象委員会で強行に立てられ、定時定刻でなく開会されました。野党などいてもいなくても構わない、審議させなくてもいいと言わんばかりの問答無用の姿勢だと思います。
参議院事務総長、参議院で国会序盤に全会一致法案でこんな事例が少なくともここ十年ありましたか。
○事務総長(郷原悟君) お答えいたします。
会期末でない時期におきまして、給与法案について、衆議院から送付されて議運委員会の採決により付託が決定され、さらに付託先の委員会で趣旨説明が行われたという例でございますけれども、この十年、お調べいたしましたが、ございませんでした。
○福山哲郎君 もう国会序盤からこういう事例のない乱暴な国会が続いています。非常に遺憾に思います。大島議長の所感に対して丁寧に真摯にと、いつも総理は口だけで言いますが、実際は全く別です。このことについては、日本の議会制民主主義の問題だと思いますので、国民の皆さん、よく知っておいていただきたいと思います。
総理、二十九日に日本を出発して、アルゼンチンでG20に出席されると聞いています。どうぞ行っていただきたいと思います。
その後、どこの国に何の目的で外遊されるのか決まりましたか。先週の末、極論すると今週の、今日の午前中まで外務省に問い合わせましたが、何も答えてくれません。総理、国対ベースでは七日までと外遊聞いておりますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この外遊の日程についてでございますが、G20が開かれるアルゼンチン以外の国等については、国会日程等もございまして、また当該国との調整もございまして、現在調整中だということでございます。
○福山哲郎君 総理、国会の委員会の審議ですよ。だって、もう国対には日程、十二月四日までって紙配られていますよ。ここで答えられないって、どういうことですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、政府はそんな紙配っておりません。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記止めてください。
〔午後一時三十三分速記中止〕
〔午後一時四十六分速記開始〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
ただいまの件につきまして、その取扱いを理事会で協議いたしますので、暫時休憩いたします。
午後一時四十六分休憩
─────・─────
午後二時十四分開会
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
この際、河野外務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。河野外務大臣。
○国務大臣(河野太郎君) 事実関係を確認いたしましたところ、まだ確定していないものを外務省の早とちりで会派に御説明に回ったようでございまして、大変申し訳なく思っております。
外務省といたしましては、先方政府と調整の上、十二月四日ということで官邸にお諮りをした後、議運に明日かけさせていただくことにしておりましたが、確定をする前に誤って御説明に上がってしまったこと、また、そうした情報が外に流出したことについて、大変申し訳なく、おわびをいたします。
今後このようなことがないように、しっかり対応させたいと思います。申し訳ございません。
─────────────
○委員長(金子原二郎君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、内外の諸情勢に関する集中審議を行います。
休憩前に引き続き質疑を行います。福山哲郎君。
○福山哲郎君 お疲れさまでございました。
今、外務大臣から真摯に御答弁がありましたので、こういうことがあってはならないと思いますが、官邸と外務省の間、それから国対との間での調整が不行き届きだったというふうに受け止めます。
当初、総理の外遊は七日までと国対ベースでずっと承っておりました。今、河野大臣から、四日までということで調整をして官邸にお諮りをするということでしたが、四日だと七日までとは大分状況が違います。
実は、二十九日から七日まで、ほとんどこの臨時国会の会期末まで総理がいないということで、自民党の国対は入管法を衆議院で早く上げてしまいたいと、入管法の採決を衆議院で、巷間聞き及ぶところによれば、あしたやるというような話まで出ています。これ、実質まだ七時間しかやっていません。実は、法案の中身もまだはっきりしないし、データも間違い、いまだに個票も公開されていません。
総理、決まっていない外遊で採決はないと私は元々思っていたんですけど、四日までというふうに今もうある程度方向が見えたと、総理も会期中帰ってこられるということで、入管法の審議きちっとやると、あしたこんな状況で採決するなんということはないということは、総理、それでよろしいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会の運営については、まさに国会で、委員会でお決めになることだろうと、このように考えております。
○福山哲郎君 いや、総理の外遊日程に合わせて国対が言ってくるから、我々は、国会で決めるというのは理屈、建前は分かりますが、実際は官邸に意向を確認しながらやるのがこれ常ですから、それは建前の議論としては分かるけれども、総理の外遊日程が変わったと、会期内に総理は帰ってこられるということならば、入管法の審議をきちっとやると、それは基本的には法案の審議の要請をされている政府側ですから、慎重に審議をやってくださいと、丁寧に審議をやってくださいということで、総理、いいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにせよ、当然きちっと審議をやれることになるんだろうと、このように思いますが、いずれにいたしましても日程等については私は口を出す立場ではございませんので、委員会から求められれば当然答弁、誠実に答弁をしていきたいと、こう考えております。
○福山哲郎君 まあ、そういうことだと思います。
一方、例の技能実習生の個票のデータが結局公開を、法務大臣、していただけません。総理は、衆議院の本会議で、刑事訴追のおそれがあると明確に答弁をされています。個票は二千八百七十人、平成二十九年度分でございますが、刑事訴追を、刑事事件、別の刑事事件ではなくて、これらの失踪技能実習生が刑事訴追された例はありますか、お答えください。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
それぞれの事件の、個々の事件につきましては、個別の事情によるところでございますので、答弁は差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 誰も個別の事件なんか一切聞いておりません。答弁、質問変えないでください。
二千八百七十人のいわゆる失踪者が、別の刑事事件ですよ、例えば物を盗んだとか暴力事件を起こしたとかではなく、刑事訴追された例はありますか。
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
まず冒頭、御指摘の法務省におけるデータの誤り、あるいは表現ぶりに誤解を招く点があった点について、これ、心からおわびを申し上げます。これは、集計時における表現ぶりを漫然と使ったり、作業ミスを、主な原因であって、故意に改変を行ったものではないということでございます。
そして、先ほどの個票の中身につきましては、これは、この中身につきましては、様々な今後の調査あるいは捜査につながる情報が含まれております。そして、それに基づいてどのような捜査活動、調査活動が行われたかということにつきましては、これについては、これは個々の事件に関する調査活動に関する事柄でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○福山哲郎君 刑事訴追された例はあるかと聞いているから、あるかないかだけ答えてもらえれば結構です。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習生の稼働状況に関しまして、刑事訴追になった例はあったというふうに把握をしております。しかしながら、網羅的な把握はしておりません。そして、その訴追において、具体的にどの証拠をどういうふうに、あるいはどういう経緯でということに関しましては、個別具体的な捜査活動あるいは調査活動の詳細に関わることでございますので、法務大臣としては答弁は差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 あったとは聞いておりますが網羅的には把握をしておりませんって、意味が分かりません。誰から、じゃ、報告を受けたんですか。誰から聞いたんですか。
○国務大臣(山下貴司君) 例えば、技能実習生に関わる関係で、労働基準法違反であるとか、そういった労働法違反、これで訴追をされた例はございます。ただ、その個別の事案について、どのような調査あるいは帳票が利用されたかということについては、お答えを差し控えなければならないということでございます。
○福山哲郎君 帳票が利用されたとか利用されないなんか聞いていないじゃないですか。失踪の技能実習生が刑事訴追された例はあるかないか聞いているんです。それが答えられないんですか。
ちなみに、和田さん、あれですよね、失踪者の刑事訴追については把握していないですよね。統計取っていないですよね。事実関係で答えてくださいね。イエスかノーか。
○政府参考人(和田雅樹君) 刑事訴追に関しましては入国管理局の所管ではございませんので、私どもでは把握しておりません。
○福山哲郎君 じゃ、どこなら把握しているんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 刑事訴追に関する所掌は刑事局になろうかと思います。
○福山哲郎君 じゃ、事前通告しています失踪技能実習生が刑事訴追された例はあるかと聞いたら、法務省が、人数については統計を取っていないため把握していないと答えています。何でそのことをちゃんと正直に言わないの、法務大臣。法務大臣、人の質問を聞いていますか。
○国務大臣(山下貴司君) 網羅的に把握していないということにつきましては、統計上明らかでないということから、そういうふうに申し上げたということでございます。
○福山哲郎君 結局、把握していないんじゃないですか。刑事訴追された例はあるかないかも把握していないんですよ。
この二千八百七十人は、もう既に国外退去処分で帰国しているはずです。これ、行政処分です。刑事訴追ではありません。私、調べました。失踪者は、四十八時間以内に入国審査官に引き渡されて、その後、数日後に送還されます。つまり、二千八百七十人は国外退去処分になっているので、悪いけど刑事訴追されるおそれありません。法務大臣、どうですか。
○国務大臣(山下貴司君) ちょっと誤解があるようなので、整理してお答えします。
まず、この聴取票につきましては、これは入管法違反でありますオーバーステイなどの技能実習生から聴取したものということで、この技能実習生自体は刑事訴追を行われるおそれがございます。そして、これは任意に調査したものでございまして、公表を前提に聴取したものではないというわけでございます。
そうしたことから、一般的な公開については非常に慎重に取り扱わなければならないところ、この聴取票の中身については、技能実習生のみならず関係先、すなわち技能実習実施機関であるとか、そういったことに対する調査やあるいは刑事訴追に関わる情報が含まれているわけでございます。
そうしたことから、これが調査あるいは捜査、これは技能実習生に限られません、そうした情報を含んでいるがゆえに、これを公にするということについては極めて慎重に考えるべきだということを法務大臣として申し上げているわけでございます。
○福山哲郎君 総理、総理は本会議のときに今みたいな答弁していないんですよ。いわゆる失踪者だけが刑事訴追を受けるおそれがあるから駄目だと本会議で言っているんです。これ、どんどんどんどん後から法務大臣いろんなことを付け足しているんですけど、法務大臣、じゃ、逆に言うと、受入れ機関等に刑事訴追を行った例はあるんですか。
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習生の実習先を労働関係法令違反で訴追した例はございます。ただ、それについて、いかなる証拠で、あるいはいかなる経緯で入手した情報に基づいて行ったかということをつまびらかにすることは、これは法務大臣としては差し控えたいということでございます。
○福山哲郎君 技能実習の失踪の件についてどうですか。
○国務大臣(山下貴司君) 済みません、ちょっと今質問の意味が正確に把握しているか分かりませんが、少なくともその技能実習生の実習先を労働関係法令違反で訴追した例はあるということでございますが、私のちょっと受け取り方があれであれば、もう一度いただければと思います。
○福山哲郎君 つまり、さっきの答弁と矛盾しているんですよ。当初の本会議のときに、刑事訴追が、おそれがあるというのは失踪者について言ったんです。それがあるかと言うと、答えられないと言ったんです。今、受入れ機関はあるかと言ったら、明確にあると言っているわけですよ。
何でさっきのはあると答えられなくて、今はあると答えられるんですか。
○国務大臣(山下貴司君) この聴取自体は、先ほど申し上げたように、入管法違反ということでございます。失踪した技能実習生から任意に聴取した情報であります。このときの立場であります、この技能実習生の立場は、これは刑事訴追を受けるおそれがあるわけでございます。
そして、この聴取票の中身を公にしないのは、そうした者から聴取したものであるということが一つと、もう一つは、内容において、プライバシーであるとか、あるいは今後の調査あるいは捜査に関わる情報が含まれているということでございます。
そして、本来であれば個別のことについて申し上げるのは、なかなか、差し控えるべきなんですが、今申し上げられるのは、技能実習生の実習先を労働関係法令違反で訴追した例があるということでございまして、これ以上の詳細については法務大臣として差し控えさせていただきたいということでございます。
○福山哲郎君 だから、二千八百七十人は、悪いけど、聴取票のやつは平成二十九年度です。ほとんどもう行政処分の対象になっているはずです。でしょう、いないでしょう、もうこの国内に。何で刑事訴追のおそれがあるんですか。行政処分の対象に、一旦処分受けているでしょう、この二千八百七十人は。受けていますよね。
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
この二千八百七十名は、確かに入管法違反の嫌疑が掛かって退去強制の手続の中に入った者であるということは事実でございますが、その者が全て現実に出国したのかどうかということについては今手元に資料がございませんのでお答えできませんが、全てが出国するという関係に立つものでもございません。場合によって、本人が様々な手続を取ることによって国内にとどまっているということもあろうかと思います。
○福山哲郎君 いやいや、だから、行政処分して国外退去になる可能性が高くて、なおかつ本人が国に帰りたくない場合には、最大六十日間の入国者収容所とかに入るわけですよね。その期間を超えると入国管理センターに移されるわけですよね。それも一つの行政処分ですよね。
その人たちがあえて、じゃ、刑事訴追される可能性はあるんですか。二千八百七十人の何人かは分からないけど、一部は国内に残っている、それは僕は認めますよ。その方が刑事訴追される可能性はあるんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 論理的にはあろうかと思います。
○福山哲郎君 だから、二千八百七十人は出しても、もう個票を出しても問題ないんですよ。今の分かりますか。和田さん、論理的にはあり得ると言っているけど、現実には国内に残りたいという人は全部入国者収容所とかに、国が管理するわけでしょう。何言っているんですか。何で刑事訴追のおそれがあるんですか、みんな国外退去させているのに。一部じゃないですか、そんなの。
じゃ、二千八百七十人のうち何人国内に残っているんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございません、現在手元に数字を持っておりません。
○福山哲郎君 まず刑事訴追のおそれはないんです。だって、平成二十九年なんだから。ほとんど帰しているんです、行政処分で。何でこれで刑事訴追が、おそれがあると言って個票を出せないんですか、法務大臣。
○国務大臣(山下貴司君) ですから、個票を出せない理由は、二つに分けて申し上げますと、一つは、これは刑事訴追のおそれのある者からこの情報を要するに任意で、そして公表をすることを前提とせずに聴取した内容であり、これを公開するということは、今後そういった調査に応じられなくなるおそれがある、これが一つでございます。
二つ目は、この聴取した内容自体に、これは様々な関係先あるいは本人、そういったものの刑事訴追や調査の対象となり得る情報が含まれている。実際、私も、今回の平成二十九年の失踪技能実習者に関して、違法状況が認められるのであれば徹底的に調査をするようにということは入管局長に指示を改めてしております。そうしたところで、これは調査の対象にもなり得る。それが更に進んで、一般論等ではございますが、刑事訴追につながることもあり得るわけでございます。
そうした情報を含むがゆえに、これを公表するということは非常に良くないのではないかというふうに考えております。
○福山哲郎君 それでも委員会に出して、今、衆参の国会議員が全部手書きで個票を書いているんですよ。それを外へ出しているんですよ、コピーして。
個票を手書きで書いたらよくて、法務省が今駄目なのは理由は何ですか、じゃ。
○国務大臣(山下貴司君) これにつきましては、国会の委員会、理事会の御決定でございます。それに対して法務省として、これは非開示措置についてもしっかりと御検討いただけるということで、ごく例外的に応じさせていただいたものでございます。
法務省といたしまして、この個票について、これは公にすべきでないということに関しましては是非御理解を賜りたいというふうに考えております。
○福山哲郎君 委員の皆さんにお配りしている、それからパネルの三枚目、御覧ください。(資料提示)
これ実は、建設省が外国人建設就労者受入事業に係る制度推進事業というのをやっていまして、これはオリパラについて、より外国人労働者が必要だということで緊急に入れました。緊急に入れていただいて、これは特定活動の扱いなんですけれども、技能実習からの受入れもしています。
この状況で、実はそれぞれの受入れ状況についてちゃんと、建設省は、この国際建設技能振興機構というところが調査をしていまして、これ公開情報に出ているんです。国籍と受入れの企業は黒塗りですけど、あとは、見てください、特定活動、技能実習、技能実習、中には住宅が狭いとか休日に休日手当が付かなかったとか、これ全部出ていますよ。その横にもいろんな振興機構の対応についても出ていますよ。
これ、何で建設省が出せるものが法務省は出せないんですか。これ、出せるじゃないですか。だって、今の法務省の個票だってマスキングしてあるでしょう、最低限のプライベートは守るんだと言って。マスキングしてあるものを、今、一生懸命一生懸命、国会議員がこれ手書きで写しているんですよ。これ、だって、建設省、ちゃんとこうやって……(発言する者あり)ああ、国交省、国交省、ちゃんとこうやって、あれじゃないですか、出しているじゃないですか。何でこれが出せて、法務省は出せないんですか。
○国務大臣(山下貴司君) 法務省といたしましては、これはもう具体的に調査、要するに違法がうかがわれるものについては調査をするようにというふうな指示もございます。また、これについて、例えば法務省というのは訴追機関、これも持っているところでございます。そうした中において、こうしたものについて情報の取扱い、これについては慎重に法務省としては判断しているところでございます。
国土交通省がどのような御判断でこういうふうな公開をされるかということについては、これはやはり他省庁に関する事柄でございますので、私は答弁は差し控えさせていただきます。
○福山哲郎君 この国交省の緊急事業でも、状況によっては失踪者が出るんです。そうしたら、その失踪者は、法務省にひょっとしたら身柄を拘束されたら、入国警備官は聴取するんです。国交省のやつは出て、何で法務省のやつは出せないんですか。
それから、先ほど言っているように、刑事訴追される可能性ないんですよ、失踪者は。だって、いないんだから、行政処分受けるんだから、すぐに。そうでしょう。あなたの言っていること、説得力ありそうなんですけど、全然ないんですよ。いない者を刑事訴追する、いない者も刑事訴追すると言っている。
これで、国交省がこうやってマスキングして出しているのに、法務省は出せないと言う。だけど、この中にひょっとして失踪者が出たら、これ技能実習の方もいるんだから、技能実習の方が失踪したら法務省へ行くんですよ。これ、国交省出しているじゃないですか。
法務省、法務大臣、全然説得力ないんですよ、説得力ありそうに見えるけど。
○国務大臣(山下貴司君) これ、国交省がどのような御判断で出したかにつきましては、ちょっと私としても判断しかねる部分がございます。
ただ、その失踪者につきまして、そもそも聴取の手続自体がこの刑事訴追のおそれのある者から聴取している、それを非公開でということ、そういったことでこれが一般的に広がるということになれば、例えば、この失踪技能実習生については、後にいろいろ報復されるのではないかとか、様々なことを考える者もおります。そうしたことから、これを一般に公開するというのは適当ではないというふうに考えております。
そしてまた、情報について、関係実施機関も含めたこの調査あるいは刑事訴追の可能性があり得るということ、本人、本人も含めてでございますが、そういったことはこれまで御説明したとおりでございます。
○福山哲郎君 全く説得力ない。同じ答弁繰り返しているだけだもの。いないんだもの、だって、失踪者は。刑事訴追の対象者いないんだもの。
更に言えば、申し訳ないですけど、じゃ、平成二十六年の千二百四十四人から、二十七、二十八、二十九年全部合わせて約一万人います。この方々の紙は、じゃ、委員会には提出いただけるんですね、先ほど言われたように、こっちが写すなら。
つまり、なぜかというと、この技能実習が今回の入管法の新しい在留資格に少なくとも法務省の言い分でも四五%、業種によっては一〇〇%近く移行するんです。この技能実習がほとんど接続するんです。だから、この技能実習の中身をしっかり確認しなきゃいけないから、この失踪者の状況を確認したいと我々は言っているんです。ところが、出せない出せないの一点張り。その理由は、全く今の話で説得力ありません。
じゃ、その一万人分のやつは国会には出してもらえるんですね。
○国務大臣(山下貴司君) 提出できない理由につきましては、この聴取票の性質によります。そして、その前年、前年以前のものにつきましては、実はこれは技能実習法が新たにできる前の、施行前の技能実習生でございます。
そして、この技能実習法につきましては、二十八年十一月に、当時、福山委員もおられました民進党の賛成も得て、与野党の幅広い議論の中でこれは成立しておる。そして、それが昨年の十一月、これ施行されているということでございます。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
○国務大臣(山下貴司君) そして、技能実習全体につきましては、成立は二十一年でございますが、施行自体は、この技能実習のこの在留資格は二十二年七月に始まったものでございまして、これは与野党を超えてこれ取り組んできたものがある、そしてそれが二十八年の技能実習法につながったものと考えております。(発言する者あり)
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(山下貴司君) 結論から申し上げると、この聴取票の性質上、出すことは適当ではないのではないかというふうに法務省としては考えております。その結果につきましては、この新たな技能実習法に反映されている、それは与野党通じて、まあ野党の大半の方の御賛成をいただいて成立した法案に反映されているのではないかと考えております。
○福山哲郎君 二十九年度を出して過去にあるやつを出せない、国会に出せない理由はありません。
委員長、理事会で協議してください。
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をいたします。
○福山哲郎君 じゃ、法施行後の失踪者は何人程度いるんですか。
○政府参考人(和田雅樹君) 失礼いたしました。
平成三十年上半期の失踪者数が、速報値でございますが、四千二百七十九人となっております。ただ、このうち、新法施行後の技能実習生がどのぐらいかということは把握しておりません。
○福山哲郎君 四千二百七十九名、非常に、上半期だけですけど、現実問題としては新法施行後でも全然減っていません。
実際に、もう失踪者が四千二百七十九いるんだから、この中でどのぐらいの人数が個票を作成されていますか。
○政府参考人(和田雅樹君) 四千二百七十九のうち、その後、入管当局において捕捉した者について個票を、このような聴取票を作成するという関係になります。したがって、その数については、現在把握をしておりませんが、精査中でございます。
○福山哲郎君 これ、私が法務省から聞いたところによると、千や二千は今あるとおっしゃっています。でも、国会ではこうやって表に出しません。もう全く不誠実。この大臣の答弁も、本当に言っているのは、まともそうに聞こえるから、全然答えていないんです。
それで、これ、個票が出たら即座に出してもらえますね、精査中の個票。だって、新制度の元は我々も賛成したんだから、我々確認する権利ありますよね。いつ精査できるんですか。
○国務大臣(山下貴司君) この新制度につきましては、これは個票のみで判断するのではなくて、今、例えば三千七百か所についてちょうど実地調査を入っておったり、あるいは、例えばその悪質ブローカーを排除するために、二国間合意、これを十か国締結する、そういった総合的なところから検証していく必要があると考えております。
そういった総合的なところの検証について、これは大臣政務官をヘッドとするプロジェクトチームを設けまして、それでしっかりと検討してもらい、運用状況について、また、等々検討していただくということにしております。
○福山哲郎君 間違っています、あなたの考え方は。行政の執行状況を監視するのは国会の役割なんです。あなたたちが政務官つくって勝手にやるのは勝手にやっていただいたら結構だ。我々は我々として、国会として必要があるからやろうとしているんだ。そのことに対して、何でもデータは出さない、出したくないと言って、あとは我々がやりますって、国会の機能を何だと思っているんですか。あなた、元検事だから分かっているでしょう、そのぐらい。
○国務大臣(山下貴司君) 誠に申し訳ございません。
ただ、なぜ個票を出すことが法務省として適当でないかと考えると、先ほど申し上げたように、個票というのは、それは聴取時点で公表を前提としていない、そしてその中に様々な調査、刑事訴追につながり得るものがあるということで、法務省としては提出すべきでないという立場であるということを是非御理解賜ればと思います。
○福山哲郎君 ここに国交省、こうやって出しているじゃないですか。技能実習の実態を把握しなければいけないからと言っているんです。
総理、これ、この技能実習の状況を把握しないでこの法案採決するなんてあり得ないですよ。データは出さない、状況が分からない。総理、いかが思いますか、今の議論。だって、刑事訴追のおそれないんだから、今のお話聞いていて。総理のこれ本会議の答弁が、実は法務省の書いた答弁はおかしいんですからね。
総理、これ、本当にこのデータ、だって建設省出しているんだから、国交省が。これ、現実の問題として、出さないと、これ採決なんてあり得ないですよ。何にも分からないまんま、ただやみくもに採決しろと言うんですか。そんなのあり得ないじゃないですか。総理、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 審議が終結した段階で採決はされるんだろうと思いますが、その御判断はまさに委員会がお決めになることだろうと、こう思っております。
個票をなぜ出せないかということについては、先ほど来、法務大臣からるる御説明しているとおりでございます。
○委員長(金子原二郎君) 福山君、時間が来ております。
○福山哲郎君 全く法務大臣の答弁は説得力はないと、このまんまでは採決どころか全く入管法については不明確なまんま、審議も全く進んでいないということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○委員長(金子原二郎君) 以上で福山哲郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)


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2018

京都府障害者のつどい


京都府舞鶴市で開催された「第19回 京都府障害者のつどい」に、京都府身体障害者団体連合会会長として参加し、主催者挨拶をさせて頂きました。

20181125障害者のつどい


11/24

2018

語ろう会in長岡京


京都府長岡京市の支援者の方が、「福山哲郎さんと語ろう会」を開催してくださいました。

多くの方にご参加いただきました。ありがとうございました。

20181124語ろう会長岡京


11/18

2018

立憲民主党京都府連合 設立大会


「立憲民主党京都府連合 設立大会」を開催致しました。

当日は、250人の方がお集まりくださいました。

心より感謝申し上げます。

 

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