02/05

2011

「社会保障と税の一体改革の集中検討会議始まる!」


 こんにちは。今日は、午後から官邸で第1回目の社会保障改革に関する集中検討会議が開かれました。

 政府側は菅総理出席の下、与謝野担当大臣、官房長官、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、国家戦略担当大臣ほか、与党からは仙谷代表代行、国民新党の亀井政調会長、幹事委員として、トヨタ株式会社の渡辺捷昭副会長、慶應義塾長の清家篤氏、東京大学大学院経済学研究科の吉川洋教授、元自民党議員で元厚労大臣の柳澤伯夫氏らが一同に。

 今日は当面の進め方について話し合うこととなり、メンバーの皆様から様々なご意見が出されました。ここでは、誰が何を言ったか、詳細を挙げることは適切ではありませんが、例えば、次のような意見が出されました。

「国民にとって、わかりやすさ、心に響く言葉が必要。」
「現実の破綻しつつある姿を示し、将来のあるべき姿とのギャップをどのように埋めるか、方策を検討することが重要。国民との認識の共有が不可欠。」
「これまでの年金や医療、介護制度は世界に誇れるべきものがあった・・日本の社会保障が成功していたからこそ、長生きで高齢化社会が進んでいる、これは決して悲しいことではなく、喜ばしいことである。大成功したからこそ、今、改革しなければならない。そういう考え方で、この議論を出発して参りたい。」
「社会保障はともすれば高齢者に目が行きがちであるが、実は、支える側の現役世代の活力にかかっている。いまの働きにくさ、生活しにくさ、子どもの育てにくさ、現役世代をどのように元気づけるかが、持続可能な制度のために重要だ。」

 そんな中、名前を挙げても許されると思いますが、仙谷代表代行が次のような発言をされました。
「社会保障の議論をすると、ともすれば損か得かという議論になってしまう。また、世代間競争の議論になってしまう。政治家はすぐにそういった状況の中で、あなたにとっては得ですという損得の議論をしがちになる。まるでバナナのたたき売りのような状況になる。これが社会保障制度改革が進まなかったこの十数年の反省ではないか。基本的に保険制度というのは給付を受けない状態が幸せだと考えてほしい。保険料を出す方に回る方が幸せで、他人の幸せや他人がその給付を受けている姿を見て喜ぶというような、そういった高邁な議論が必要なのではないか。」

 その仙谷先生の言葉を受けて、ある方が「社会保障の原点とは、insurance つまり保険である。ビッグリスクは支え合う、スモールリスクは、自助
努力で賄う、どう組み合わせて合理的に設計するか、日本の国民は理解していただけるはずだ。」というような意見が出されました。

 他にもご紹介したい意見がたくさんありますが、本当に本質的かつ建設的な意見が多く、真剣な議論を聞き、私も感銘を受けました。国民全体で、社会保障と税の一体改革をしよう、という今の機運を逃してはいけないと強く思いました。

 この集中検討会議は、ほぼ毎週にわたり開催され、精力的に議論をつづける予定です。


01/30

2011

ダボスから帰国する政府専用機の機中にて


金曜日の夕刻、参議院本会議後すぐに出発。往復約30時間、ダボス滞在わずか6時間でしたが、とても有意義な出張になりました。
素晴らしい雪化粧をした山の景色や美しい街並みをはじめ、数日間滞在したい気持ちになりました。

まずは、緒方貞子さんのモデレートで有識者会合が行われました。
出席者はアナン前国連事務総長、スティグリッツ教授、グリアOECD事務総長、ホックフィールドMIT学長、バロウITUC書記長等々、著書やテレビ・ニュースでしか見られない方々ばかり。総理が「開国」と「最小不幸社会」について簡単にプレゼンテーションされた後、それぞれにご発言いただきました。

ダボス会議のルールで誰が何を言われたかは詳細に記せませんが、代表的な意見をいくつか挙げると、
曰く、
「日本の提唱している人間の安全保障という概念はとても重要。日本の開国を期待。」
「開国における意識改革やヒトの移動が重要。」
「インド、ASEAN、中国とのFTAをバイだけでなくマルチでも目指して欲しい。」
「WTOドーハラウンドをまとめることを日本が主導して欲しい。」
「総理の最小不幸社会のコンセプトは非常に興味深い」
「日本のエネルギー効率の高さ、技術力の高さは、今後、資源価格が上昇する場面で日本の優位性が発揮できる。」
「地球温暖化問題に関して中国、韓国と連携しアジアのモデルを。」
「成長戦略と法人税減税を高く評価する。」
「日本人の閉鎖的な部分をビジネスや人の頭の中まで開放して欲しい。」
・・・

さすがによく日本をご存じで、日本の将来に向けた濃密な議論をしていただきました。総理は真剣な表情で耳を傾け、最後に今後も遠慮なくアドバイスが欲しい、と挨拶。
「ダボスの母」と呼ばれている緒方貞子さんのコーディネートの良さにほれぼれしました。

続いていよいよ演説会場。
会場の聴衆はほぼ一杯。とはいえ、「一杯だった」とはマスコミは書いてくれません。もし少なかったら、おそらく「日本は相手にされていない」と報じられたと思います。やや安堵しました。
約20分の演説。会場の空気は決して悪くない。ダボス会議では、国家のリーダーとして初めて後方の大スクリーンにキーワードと映し出すという工夫もしました。最後は万雷の拍手。立ち上がる人もいました。シュワブWEF会長とのやりとりも笑いあり、拍手ありでほとんど聴衆は席を立ちません。総理が演説を終え会場の外に出ると、何人もの人々から「すばらしいスピーチでした。」と握手を求めて来られました。もちろん外国の方々がほとんどです。

すぐさまジャパンランチの会場へ。ここも80名超の参加者でぎっしり。シュワブ会長主催で、かつモデレーターはあのカルロス・ゴーン氏。
始まった途端、総理に対する質疑が止まらない。総理は時には真剣に、時には笑顔で答えられ、とても和やかに食事が進みました。総理は答えっぱなしでほとんど食事は手つかず。最後も万雷の拍手で終了。これまたゴーン氏の話しぶり、仕切り方はお見事。やはり、経験と実績、すべての要素に人間力を感じます。

続いてジャパンセッションでは冒頭挨拶のみ。
ジョージ・ソロス氏との会談では、総理が関心の強い森林、植物の話で大いに盛り上がりました。ソロス氏は、投資家としてよりも、最近は地球温暖化対策のためにインドネシアの森林保全に熱心に取り組んでおられます。藩基文国連事務総長の気候変動パネルのメンバーの一人でもあります。

そして早々に帰路へ。
帰国するや否や、前原外相からエジプト情勢報告、霧島連山の噴火、各地の鳥インフルエンザについて報告を受けました。さらには、明日からの予算委員会のため勉強会も開催。

最後になりましたが、今回のダボス会議出席にあたっては、三菱商事・小島会長、武田製薬・長谷川社長、多摩大学大学院・田坂教授に格段のお力添えをいただきました。
心から感謝申し上げます。


01/28

2011

今日からダボス会議に出発します


いつもお世話になっております。
今週、第177回通常国会が召集され、今日まで衆・参両院での施政方針演説と各党代表質問が行われました。
施政方針演説では、今の我が国の避けられない課題として、経済連携と農業改革、新成長戦略の実現と雇用対策の促進、社会保障と税の一体改革、社会的孤立問題への取り組み強化などについて、総理が訴えました。
私は本会議場のひな壇に大臣とともに座らせていただき、総理答弁のチェックを行っていました。ひな壇はさすがに緊張します。

一方、今晩から週末にかけて、菅総理に同行してスイスを訪問し、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席します。ダボス会議では、各国の有識者やビジネスリーダーとの意見交換のほか、現地時間の29日午前には菅総理のスピーチが予定されています。「平成の開国」や国際社会における日本の役割等について、 しっかりと世界の方々に訴える場になればと思います。

少し気になったことがあります。
いきなり、自民党が盛んに解散を叫んでいることです。
この国会はまだ始まったばかりです。私も野党経験が長いので、議論を尽くした上で、何か大きな失政があれば、野党が解散を言及することは否定をしません。しかし、予算審議も始まっていない段階で、それも何の対案も示さずに「解散、解散!」と叫ぶのは、いかがなものでしょうか。
一方で、予算と予算関連法案が通らなければ、4月以降の国民生活に大きな影響が出ることは必至です。

例えば、
①これまでの政権でなしえなかった法人税減税が実施できません。
②順調ならば、中小法人の軽減税率18%が15%に引き下がるところを、逆に本則の22%と増税になってしまいます。
 登録免許税、印紙税、関税の軽減措置も失効し、やはり増税になります。
③4月から子ども手当が支給できなくなってしまいます。
上記以外にも、国民生活に混乱が生じることが考えられます。

経済がようやく回復基調になり、株価も何とか1万円台半ばで推移している中で、野党の皆さんも、政局的観点ではなく、国民生活という観点から、この予算案や予算関連法案について、ぜひ真摯に議論していただきたく思います。


01/14

2011

第二次 菅改造内閣、発足


本日、第二次 菅改造内閣が発足いたしました。

午前中、辞表取りまとめの閣議があり、その後、仙谷官房長官の最後の会見が行われました。私は陪席させていただき、長官の勇姿を拝見しました。
この味のある会見が300回以上続いたと思うと何とも言えない気持ちでした。

仙谷長官の下で働かせていただいたおかげで、とてもいい経験と仕事をさせていただきました。
今日の会見においても、「メディアの論調も、より深い本質的な日本の政治が良くなるような解決策を含んだ記事をお造りをいただければ、日本が決して、何て言うんですか、あまり後ろ向きになる必要のない希望が見えてくる、ガバナンスと市民社会を改めて作れるんじゃないかと私は思っております。」という発言は、心にしみました。
人間としても、政治家としても、魅力的かつ剛腕な仙谷長官に、心からおつかれさまですと申し上げます。とはいえ、党の代表代行として、まだまだご活躍とご指導を願っています。

一方、私は、再び官房副長官留任となりました。
枝野官房長官を支えて、日本のため、菅内閣のために、引き続き懸命に働きたいと思います。山積する課題に果敢に挑んでいく内閣の
一員としてがんばる決意です。
ぜひ、ご期待ください。

今日もこれから、初閣議や総理記者会見等々、内閣発足関連のスケジュールが続きます。

18時頃からは、総理の会見がNHKで生中継される予定になっています。小生も横で控えています。
お時間が許せば、ぜひご覧ください。


01/04

2011

本年もよろしくお願いします&総理年頭会見


明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。
参院選も本当にありがとうございました。

今年は、元旦は宮中に上がり、3日からすでに東京で仕事に入っています。ウィキリークスの件で早々に報道され、やや驚いています。いろいろご心配をおかけしていますが、前向きに、何とか未来につながる政治を創りたいと思います。

本日、午前9時45分から菅総理による年頭会見が予定されています。
NHKで生中継されますので、お知らせさせて頂きます。小生も横に控えています。

本年もよろしくお願いします。


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